JPH0661361U - 低圧鋳造機におけるスト−ク管構造体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 下型を保持炉に設けたスト−ク管から分離引
き離して水平移動させる方式の低圧鋳造機において下型
とスト−ク管との圧着面部分にアルミ溶湯が進入されな
い構造のスト−ク管構造体を提供することを目的とす
る。 【構成】 スト−ク管４Ａの上端に湯口１Ａとの間に若
干の隙間Ｓを設けて挿入可能な先細りノズル部４Ｂを設
け、前記ノズル部４Ｂの基端部外周面に、上面を下型１
の下面に圧着される水平面に形成するフランジ部４Ｃを
設け、該フランジ部４Ｃの下面を保持炉３の上面に係止
させて該スト−ク管４Ａを保持炉３内に吊設した低圧鋳
造機におけるスト−ク管構造体。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は上下型のうちの下型を、保持炉に設けたスト−ク管から分離引き離し て水平移動させる方式の低圧鋳造機におけるスト−ク管構造体に関する。

【０００２】

【従来技術と問題点】

近年、下型の清掃及び下型への中子挿入等、下型への作業を容易にするため、 上下型のうちの下型をスト−ク管から分離して機外に水平移動させ、機外におい て作業をする方式の低圧鋳造機が開発され本願出願人からも特許出願がなされて いる。このような低圧鋳造機では圧縮空気を作用させて鋳造を行なう際にスト− ク管と下型との圧着面部分にアルミ溶湯が進入凝固して下型の下面あるいはスト −ク管の上端面にバリが残り、このバリを放置すると徐々に増大してゆき最終的 には下型とスト−ク管との圧着がうまくゆかなくなり湯もれを起す問題があった 。本考案は上記の問題に鑑みて成されたもので上下型のうちの下型を、保持炉に 設けたスト−ク管から分離引き離して水平移動させる方式の低圧鋳造機において 、下型とスト−ク管との圧着面部分にアルミ溶湯が進入されない構造のスト−ク 管構造体を提供することを目的とするものである。

【０００３】

【問題解決のための手段】

上記の問題を達成するために本考案の低圧鋳造機におけるスト−ク管構造体は 、スト−ク管を備えた保持炉と、該保持炉の上部において該保持炉と相対的に昇 降可能にされると共に水平移動可能にされ、かつ下面に湯口を穿った下型と、該 下型の上方において昇降可能にされた上型と、で構成する低圧鋳造機におけるス ト−ク管構造体であって、前記スト−ク管の上端に、前記湯口との間に若干の隙 間を設けて挿入可能な先細りノズルを設け、前記ノズル部の基端部外周面に、上 面を前記下型の下面に圧着される水平面に形成するフランジ部を設け、該フラン ジ部の下面を前記保持炉の上面に係止させて該スト−ク管を保持炉内に吊設した ことを特徴とするものである。

【０００４】

【作用】

本考案は上記のような解決手段を採用したから、鋳造時のアルミ溶湯は、下型 の湯口と、この湯口に挿入されたスト−ク管のノズル部とで形成する垂直方向に 延びる隙間に進入されるが、圧着された下型の下面と、スト−ク管のフランジ部 で形成する水平方向に延びる圧着面までは進入されないようになり、これに伴っ て下型の下面とスト−ク管のフランジ部とを圧着させるに障害になるバリの発生 がなくなる。

【０００５】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１は低圧鋳造機における主要部のみを示す断面図であって、水平移動可能にさ れた図示されない下型ダイベ−スに取付けられた下型１には、下面に開口する湯 口１Ａが穿設されており、該下型１の上方には昇降可能にされた図示されない上 型ダイベ−スに上型２が取付けられて配設されていると共に該上型２には押出ピ ン機構２Ａが付設されている。さらに前記下型１の下方には図示されない昇降テ −ブルを介して昇降可能に支持された保持炉３が配設されており、該保持炉３の 中央部にはスト−ク管構造体が吊設されている。

【０００６】 今スト−ク管構造体について詳しく説明する。スト−ク管４Ａの上端には前記下 型１の湯口１Ａに若干の隙間Ｓ（図３参照）を設けて挿入可能にされた先細りノ ズル４Ｂが突設されており、該先細りノズル４Ｂの基端部外周面には水平方向に 延びかつ上面を水平面とされたつば状のフランジ部４Ｃが一体的に設けられてス ト−ク管構造体を構成している。 該スト−ク管構造体は、前記つば状のフランジ部４Ｃの下面を前記保持炉３の上 蓋部材３Ａにシ−ル５を介して係止吊設されていて、該フランジ部４Ｃ及びノズ ル部４Ｂの部分が保持炉３の上方に突出された状態になっている。

【０００７】 このように構成されたものは、図１の状態で図示されない上型ダイベ−スと共 に上型２が下降されて下型１に型合せされると共に図示されない昇降テ−ブルと 共に保持炉３が上昇されてスト−ク管構造体におけるノズル部４Ｂが湯口１Ａに 挿入されフランジ部４Ｃの上面が下型１の下面に圧着された後保持炉３内に圧着 空気が供給され、アルミ溶湯Ｒがスト−ク管４Ａ内を上昇してノズル部４Ｂを介 して上下型２．１で画成するキャビティ−Ｃに充填され図２、図３の状態になる 。この際アルミ溶湯Ｒは湯口１Ａとノズル部４Ｂとで形成する隙間Ｓにも進入さ れてゆくが図３に示すように隙間Ｓの下端には達しない状態で保持されるように なる。

【０００８】 この状態をアルミ溶湯Ｒが凝固されるまで保持した後保持炉３への圧縮空気の供 給が停止されスト−ク管４Ａ内のアルミ溶湯Ｒが保持炉３内の溶湯の高さ位置ま でもどされると共に上型２が上昇され保持炉３は下降される。 この上型２の上昇に際しては鋳造品Ｗが上型２側に付着された状態で上昇するが 前記隙間Ｓ内に進入して凝固したバリＢ部分も図４に示すように鋳造品Ｗと一体 となって下型１から抜き出される。 次に下型１が水平移動されて下型１への必要な作業がなされると共に上型２では 押出ピン機構２Ａの作用により鋳造品Ｗが上型２から押出されて図示されない製 品受けに受けられて機外に搬出された後、下型１が図１の位置に復帰され上記の 作動をくりかえし行なう。

【０００９】

【考案の効果】

本考案は上記の説明から明らかなようにスト−ク管の先端に、下型の湯口に挿 入可能なノズル部を設けると共に該ノズル部の基端外周面に下型の下面に圧着可 能なフランジ部を設けた構成のスト−ク管構造体としたから、鋳造に際してアル ミ溶湯は湯口とノズル部とで構成する垂直状の隙間に進入されるが下型の下面と フランジ部との圧着面までは進入されないようになり、水平方向への張り出しバ リの発生が全くなく、垂直に発生したバリは製品と共に取り出されることになる 。したがって下型の下面と、フランジ部とは確実に圧着され、湯もれを起すこと がなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を実施する低圧鋳造機の要部を示す断面
図である。

【図２】本考案を実施する低圧鋳造機による鋳造状態の
要部を示す断面図である。

【図３】図２におけるＡ部拡大図である。

【図４】型分離工程における上型状態を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 下型 １Ａ 湯口 ２ 上型 ３ 保持炉 ４Ａ スト−ク管 ４Ｂ ノズル部 ４Ｃ フランジ部 Ｂ バリ Ｓ 隙間 Ｗ 鋳造品

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】スト−ク管４Ａを備えた保持炉３と、該保
   持炉３の上部において該保持炉３と相対的に昇降可能に
   されると共に水平移動可能にされかつ下面に湯口１Ａを
   穿った下型１と、該下型１の上方において昇降可能にさ
   れた上型２とで構成する低圧鋳造機におけるスト−ク管
   構造体であって、前記スト−ク管４Ａの上端に、前記湯
   口１Ａとの間に若干の隙間Ｓを設けて挿入可能な先細り
   ノズル部４Ｂを設け、前記ノズル部４Ｂの基端部外周面
   に、上面を前記下型１の下面に圧着される水平面に形成
   するフランジ部４Ｃを設け、該フランジ部４Ｃの下面を
   前記保持炉３の上面に係止させて該スト−ク管４Ａを保
   持炉３内に吊設したことを特徴とする低圧鋳造機におけ
   るスト−ク管構造体。