JPH066115Y2 - ウエハ供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は半導体ウエハの製造工程において、該半導体
ウエハを取り扱う装置に関する考案であり、特に、作動
方向が変換され得るようにされた半導体ウエハ供給装置
に係る考案である。

〈従来の技術〉 当業者に周知の如く、多数の工程を経て半導体ウエハを
製造する半導体製造装置にあっては、これらの各工程
内、或いは、該各工程間の該半導体ウエハの供給と、取
り出し収納の移送プロセスには半導体を収納積層した専
用のマガジンを使用して作業の自動化の促進を図ってい
る。

かかるマガジンは、通常、両端に開放部を有する方形状
を成しており、その両側板の内側には、半導体ウエハを
略水平に安定した姿勢を保持して載置セットするための
切溝が一定間隔で互いに平行に所定数複数条穿設されて
いる。

而して、該マガジンからその内部に収納されている半導
体ウエハをコンベア、作業台等へと移送するべく自動
的、且つ、連続的に毎葉式に取り出す装置としては、従
来、マガジンの開放部へ向って水平姿勢で所定サイクル
にて往復運動をするシャフトの先端に、ウエハ取り出し
部材を装着した態様の取り出し装置が使用されている。

〈考案が解決しようとする課題〉 ところで、半導体ウエハを製造するには、その作業環境
を温度、湿度、塵埃等について製品精度の点から厳格に
管理規制する必要があり、そのために要する施設や作業
工程等が製品コストに少なからず影響することが避けら
れないことから、狭隘な作業環境を可及的に有効に利用
することが要求される。

しかしながら、上述取り出し装置のシャフトは通常金属
製の剛体（棒）で構成されていたので、該取り出し装置
の幅は少なくともシャフトの長さ（マガジンの幅）より
小さくすることは作動ストローク上不可能であり、又、
必ずコンベア等と併設しなければならないため、作業ス
ペースの有効な利用という点でネックとなる欠点があっ
た。

〈考案の目的〉 この考案の目的は上述従来技術に基づく半導体ウエハ収
納マガジンと取り出し装置の取り合いの問題点を解決す
べき技術的課題とし、簡単な構成でありながら、合理的
設計に基づきスムースな半導体ウエハの転移が出来、周
辺作業環境の有効利用も図れるようにして半導体製造産
業における移送技術利用分野に益する優れたウエハ供給
装置を提供せんとするものである。

〈課題を解決するための手段・作用〉 上述目的に沿い先述実用新案登録請求の範囲を要旨とす
るこの考案の構成は、前述課題を解決するために、複数
枚の半導体ウエハを略水平に積層されているマガジンに
対しほぼ水平に往復運動をする半導体ウエハ送り出し部
材と、該送り出し部材を先端に装着してこれを一体的に
進退動させる板バネ製の往復作動方向を転換可能な可撓
性を有するシャフトと、該シャフトの作動方向の転換機
構、例えば、プーリとからウエハ供給装置を構成し、該
ウエハ供給装置のシャフトによって、該シャフトの中途
部の運動方向を、例えば、上下方向から水平方向に転換
可能として、ウエハ供給装置に要する幅を狭くすること
が出来るようにすると共に、コンベア等を並設すること
を必要とせずに作業空間の有効利用を図りながらマガジ
ン内から半導体ウエハの供給が行えるようにした技術的
手段を講じたものである。

〈実施例〉 次に、この考案の１実施例を図面に基づいて説明すれば
以下の通りである。

図示態様において、１は半導体ウエハ送り出し部材であ
って、該半導体ウエハ送り出し部材１は、板バネ製シャ
フト２の先端に装着され、第２図に示す様に、ベルトコ
ンベヤの基端部に臨ませて設置したマガジン２１内から
半導体ウエハ２２を毎葉式に該ベルトコンベヤに送出す
るのに供されるようにされている。

当該態様にあっては、該板バネ製のシャフト２は通常状
態でその断面がスチールの製巻尺等と同様に断面が彎曲
して所定曲率の円弧形状を成し、長手方向に可撓性を有
するようにされているので、その動作中で後述するよう
に運動する方向の転換が非常に円滑に行われ易いように
されているものである。

３は、垂直に駆動される板バネ製シャフト２の運動方向
をほぼ直角に転換するための機構（方向転換機構）とし
てのプーリで、Ｌ字状機枠４の上部に回動自在に枢支さ
れている。

該板バネ製シャフト２は該プーリ３により作動方向が上
下方向と水平方向に亘ってスムーズに９０°一方から他
方に転換されるようにされ、Ｌ字状機枠４の上部の水平
部分に設けられた上下一対の供給ローラ１１，１２に挾
装されてその先部では強制的に水平方向に進退動させら
れるので、半導体ウエハ送り出し部材１の水平方向の往
復運動は安定、且つ、確実に行われるようにされてい
る。

尚、板バネ製シャフト２の方向転換機構としては、プー
リ３以外のものを使用することが可能である。

而して、上記一対の供給ローラ１１，１２のうち、少な
くとも下側の供給ローラ１２は周面が軸方向に円弧状に
形成されてあり、上述のように断面が円弧形状を有して
いる板バネ製シャフト２は、供給ローラ１１で供給ロー
ラ１２の円弧状の周面に圧接されつつ、マガジン２１内
に収納した半導体ウエハ２２に向けて先端のウエハ送り
出し部材１を該マガジン２１の開放部を介して突き出す
るようにされる。

その際、該板バネ製シャフト２は断面が前述の如く、円
弧形状を有している状態を保持して移動するので、少な
くとも長手方向の剛性が充分であって該長手方向に直角
の力が強制的に印加されない場合は該長手方向に折れ曲
がったりすることなく、且つ、精度良くウエハ送り出し
部材１を進退動させることが出来る。

５は、該板バネ製シャフト２の基端に連結したスライド
ブロックで、該スライドブロック５は機枠４に沿って垂
直に取り付けられたガイドバー１３に沿って移動（昇
降）可能に保持され、更に駆動装置の縦型のエアシリン
ダ６のロッドに連結されて所定ストロークでサイクル作
動するようにされている。

上述構成において、ベルトコンベヤの端部に臨ませて設
置したマガジン２１内から半導体ウエハ２２を毎葉式に
該ベルトコンベヤに供給するに、ウエハ供給装置のエア
シリンダ６を伸縮作動させると、そのロッド先端に連結
したスライドブロック５はガイドバー１３に沿って所定
ストロークサイクル的に昇降する。

而して、該スライドブロック５に基端を連結された板バ
ネ製のシャフト２はプーリ３より下側ではその長手方向
に折れ曲がらずに剛性を保持して一体的に昇降する。

しかしながら、プーリ３の部分では該プーリ３により長
手方向とは直角方向に曲げ力が強制的に印加されるの
で、シャフト２は上下方向から９０°水平方向に曲折さ
れ、供給ローラ１１，１２に挾装されてその長手方向の
剛性によってプーリ３から先では水平方向に一体的に進
退動してブロック５と同期的に往復動し、先端の半導体
ウエハ送り出し部材１をマガジン２１の開放部から該マ
ガジン２１の内部に挿入させて該半導体ウエハ２２を突
き出しスライドさせてベルトコンベヤ上に送給する。

尚、該マガジン２１は半導体ウエハ２２の毎葉式の送り
出しに伴って１枚分づつのストロークで矢印に示す様に
上昇するが、そのサイクルはエアシリンダ６の伸縮サイ
クルに一致するようにされる。

このようにして、マガジン２１内の半導体ウエハ２２は
１枚づつベルトコンベヤに供給され、１つのマガジン２
１からの供給が終れば次のマガジン２１の当該部位のセ
ットにより上述プロセスを反復する。

そして、その間、図示する様に、供給装置は機枠４にセ
ットされて略縦長形状であって、幅方向の長さは短い
（小さい）ことにより施設的にスペースの有効利用にプ
ラスすることになる。

〈考案の効果〉 以上のように、この考案に係るウエハ供給装置によれ
ば、シャフトを可撓性の板バネで構成し、その作動方向
を転換自在に構成したので、作動方向の転換を無理なく
行うことが出来る効果がある。

したがって、マガジンの背後において必要なウエハ送り
出し部材の作動のための幅を狭くすることが出来ると共
に、ウエハ供給装置をコンベア等と並設することを必要
とせず、作業スペースの一層の有効利用が出来るという
効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案のウエハ供給装置の一実施例を示す
全体概略側面図、第２図はその使用状態を示す部分断面
概略側面図である。 １……ウエハ送り出し部材 ２……板バネ製シャフト ３……プーリ（転換機構） ４……機枠 ５……スライド用ブロック ６……駆動装置 ２１……マガジン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】マガジン内に略水平に収納された複数枚の
   ウエハに対し水平面内を往復動自在であって、該ウエハ
   の端部に当接して押し出す送り出し部材に先端を固定さ
   れ往復動自在な可撓性を有する板バネ製シャフトと、上
   記水平面にて該板バネ製シャフトに周面で当接し板バネ
   製シャフトの往復動の方向を前記水平面以外の方向へ変
   えるプーリと、該プーリにより往復動の方向を変えられ
   た上記板バネ製のシャフトの端部が固定され該板バネ製
   シャフトの往復動を行う駆動装置とを備え、該駆動装置
   の駆動により板バネ製シャフトを介して上記送り出し部
   材を上記ウエハに当接して上記マガジンより押し出すこ
   とを特徴とするウエハ供給装置。