JPH0661011U - 育苗用播種機の播種量調節装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 野菜や草花の育苗用苗箱を搬送し、播種作業
をより精密、確実に行う為の物である。 【構成】 育苗用苗箱を搬送する苗箱搬送装置と、上方
に、繰り出しロールを可変速にした播種装置からの苗箱
へ落下供給される種子を、搬送されてくるガイド付き苗
箱の縁の通過を感知する感知装置を設け、感知装置での
ガイト枠縁の存否検出結果に基づいて、播種装置の駆動
機構を起動、停止する様にすると共に、その感知装置と
駆動装置の間に、感知位置と播種位置との、ズレや播種
量調整の為の変速を行う調整装置を組み入れて供給精度
の安定向上を図ると共に、操作の容易な播種機を提供で
きる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、野菜等の育苗用播種機の播種量調節に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の育苗用播種機は、苗箱を搬送装置によって移送する間に、播種、 覆土を行うものが知られている。しかし、使用されている苗箱の種類は、作物の 種類、植え付け時期、植え付け用機械等によってそれぞれ異なった寸法で、非常 に多くの種類がありその為に、ほとんど苗箱毎の専用機となっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、これら専用機化されてはいるが、使用者側からみた場合、作物を 変更したり、作付け条件を変更しようとする場合、苗箱を変更するだけでもかな りの費用が必要になってくるのに、機械本体も同時に交換となると、費用が掛か る事と同時に、完全に全部切り替える事が出来ない場合が多く、その場合は前の 設備と新しい設備と両方設置する必要が出てくる。この様な無駄を無くする為に も、より多くの苗箱に適応出来しかも操作の簡単な機械を提供しなければならな いのである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上述のような不具合を解決する為に、搬送及び覆土等の一連の管理が出 来る部分と、苗箱の大きさや播種量によって変更しなければならない播種装置と にその二系統に分け、播種装置用の動力源を調整出来るものにすると共に、播種 の位置を感知し調整出来る装置を組み入れ、両調整装置を組み合わせ多くの種類 の播種量に適応出来る播種機とする。

【０００５】

【作用】

苗箱搬送装置の上方に、苗箱搬送装置及び覆土装置とそれに対する駆動装置と、 播種ホッパーと繰り出し装置、それにその繰り出し装置に対して苗箱への播種位 置を検知する検知装置を組み入れた播種装置である。更にこれら全体を調整する 調整装置で構成する播種機であって、駆動装置を、苗箱搬送と覆土装置の駆動、 及び、播種量を調節して一定に播種する播種装置用の駆動部とに分割する。苗箱 搬送及び覆土装置用の駆動は、一定速度で作業の開始停止だけの作用で、作業能 率を変更する為の変速が出来ればよく、普通一般のモーターで構成ししている。 播種装置用モーターに於いては、播種量の変化及び播種位置の変化に対応出来る 様にするために、回転数の変更及び起動停止に対応出来るタイプのモーターで構 成している。その播種装置のモーターを調整する為に、苗箱の搬送速度及び播種 位置を検知指示する検知装置とその検知装置からの情報を基に、播種装置のモー ターを調整管理する、調整装置の間では、実際使用する場合に生じる、検知装置 による検知位置と播種位置との位置（時間）のズレ、播種装置のモーターの立ち 上がりのロス、これらの時間的なズレを吸収調整出来るような装置を組み入れ実 行出来るようにする。即ち、検知装置は第六図の状態で苗箱の存在を確認し、播 種作業の準備体制に入り、検知装置は第七図の状態で播種位置を確認し播種指示 をする。繰り出しロールは指示がある度に、一列分播種をし次の指示待ちの状態 とする。そこで前記した様に検知装置で検知し指示をし繰り出しロールが種子を 繰り出しをする、検知する場所と播種をする場所を時間差のない状態には出来な いし、又もし出来たとしてもスイッチで感知しモーターが起動する繰り出しロー ルが回り実際に繰り出される時間の差、これらの時間の差はどうしても播種精度 を上げれば上げるほど調整管理をしなければならなくなる、その為に調整装置を 仲介する事で操作が楽になり確実なものにする事が出来る様になる。

【０００６】

【実施例】

Ａは苗箱搬送装置、Ｂは播種装置（鎮圧、播種位置規制を含む）、Ｃは覆土装置 に大別出来る播種機の実施例を説明図により説明する。Ａの搬送装置は、ステー ２，２’で支えられて横架した２本の搬送フレーム１，１’で構成し、該搬送フ レーム１，１’の両端まで、張設されたコンベア３，３’を設け、該コンベア３ ，３’はモーター４によって矢印の方向へ駆動されるように構成する。 搬送フレーム１，１’の上方には、搬送装置の上手側から、播種装置Ｂ、覆土装 置Ｃを配置する。しかも本実施例においては、野菜、草花の苗育苗を主目的にし ている為のポットタイプの点播用の装置としてあり、苗箱の供給は床土詰めを前 工程で行われた床土入りの苗箱を供給するものとする。ところがこの苗箱の種類 寸法が非常に多く、その上、材質的にも柔らかいものが多く、供給、搬送が不安 定なものが多いので、各苗箱毎に専用に搬送の為のガイド枠６，６’による搬送 を行い安定した搬送と確実な播種を実施できる様にする。該ガイト枠６，６’は 外幅を搬送フレームの内幅いっぱいとしその内側に、苗箱の搬送確認及び播種位 置確認用のスペースを確保し、その内側に夫々の寸法の苗箱を格納出来る様に幅 方向を構成し、長さ方向は苗箱いっぱいでつなぎの厚さだけになるようにする。 搬送装置のコンベア上に供給された床土入りでガイド枠付きの苗箱は播種装置Ｂ へと搬送され、鎮圧ロール７で播種位置を安定させる為の鎮圧が、続いて正確に 播種する為の感知装置８による搬送の確認と位置の確認が行われ、その確認に基 づいて播種が行われ覆土装置Ｃへと送られて行き、覆土され完成するのである。 次にこれらの工程を細部にわたって説明すると、該搬送コンベアＡ上のガイド枠 ６，６’付きの苗箱５，５’が搬送されると共にそれに対して鎮圧ロール７がガ イド枠６，６’の播種位置設定穴を基準にして苗箱に播種用の窪みを形成し、更 にガイド枠６，６’付きの苗箱５，５’の搬送が進み感知装置８を、ガイド枠６ ，６’が押し感知装置８がガイド枠６，６’の上に上がり、移動確認装置９が回 転作動し枠の移動を確認、しかし同時に播種位置確認アーム１０が押し上げられ ておるために苗箱が搬送されてきている事は確認されているが播種ロール１２に 対する播種命令を出す状態にはなっていない。更に搬送が進み、ガイド枠６，６ ’の播種位置確認穴１１を播種位置確認アーム１０が確認して播種ロール１２に 対して起動命令出される。これに対して播種ロール１２は、一行程播種作業を行 い次の指令を待つ状態となって停止する。更に搬送が進みガイド枠６，６’の播 種位置確認穴１１を播種位置確認アーム１０が確認して播種ロール１２に対して 起動命令を出す。播種ロール１２が一行程播種作業を行うこの作動行程が、苗箱 ５，５’の全長さに於いて正確に行われる。しかしながら第１図でも判るように 、実際の播種位置と播種位置確認アーム１０の確認位置１１を同一線上にして時 差の無い状態にする事は、構造的に事実上不可能な事であり、さらにモーター４ としてもスイッチが入るとすぐに動く事は不可能で、感知装置８とモーター４の 間にも、誤差時間的ズレがどうしてもなくする事は出来ないものがある。これら の誤差を吸収する為の修正装置（図示省略）を感知装置８とモーター４との間に 組み入れてその修正装置の値を可変にする事で、さまざまな寸法の苗箱にも対応 出来る様にする事が出来るのである。

【０００７】

【考案の効果】

以上のような構成及び動作を行うようにした本考案によれば、非常に多くある苗 箱の種類に対しては、ガイド枠を用いる事で、苗箱の柔らかさによる変形や播種 の精度低下をまったくなくしてより精度の高い播種が出来ると同時に、電気的に 行う修正装置で、機械的に行うと非常に複雑で調整の困難なものを小型でしかも 簡単に誰でも調整できる物にする事が出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】育苗用播種機の全体を表す正面図

【図２】幅の広い丸穴の苗箱にガイド枠を取り付けた図

【図３】幅の狭い角穴の苗箱にガイド枠を取り付けた図

【図４】苗箱に播種をして停止し、次の播種指令を待つ
状態の図

【図５】ガイド枠を感知する寸前の感知装置の断面図

【図６】ガイド枠を感知し播種位置不感知状態の感知装
置の断面図

【図７】ガイド枠及び播種位置を感知した感知装置の断
面図

【符号の説明】

Ａ ・・・・・・・・・・・苗箱搬送装置 Ｂ ・・・・・・・・・・・鎮圧ロールを含
む播種装置 Ｃ ・・・・・・・・・・・覆土装置 １ ・・・・・・・・・・・搬送フレーム ５，５’ ・・・・・・・・・・・苗箱 ６，６’ ・・・・・・・・・・・ガイド枠 ７ ・・・・・・・・・・・播種位置用鎮圧
ロール ８ ・・・・・・・・・・・感知装置 ９ ・・・・・・・・・・・ガイド枠移動及
び移動速度感知装置 １０ ・・・・・・・・・・・播種位置確認ア
ーム １１ ・・・・・・・・・・・播種位置確認用
穴

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項】野菜、草花の育苗を主目的とした育苗用播種
   機において、搬送装置及び覆土装置を駆動する動力と、
   播種する為に一定量を一定間隔で繰り出す為の播種装置
   の駆動動力を分割し、搬送覆土関係を定速で運転し、そ
   れに対して、播種装置用動力を可変速で起動停止が瞬時
   に出来るタイプのものとし、それに苗箱の存否を確認し
   搬送速度を併せて検知する検知装置と、この検知装置か
   らの情報を基に播種装置の繰り出し量を調整する調整装
   置で構成してあることを特徴とする育苗用播種機。