JPH066096Y2 - ハンガートロリー搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はハンガートロリー搬送装置に係り、特に低位置
側から高位置側に傾斜して設置される搬送装置として最
適なハンガートロリー搬送装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来より、第10図の略図で示すように、衣類等のハンガ
ー（図示しない）を多数懸垂せしめるようにしたハンガ
ートロリー21を低位置LF側から高位置HF側に搬送する場
合には傾斜式ハンガートロリー装置が用いられている
が、従来の装置は第10図及び第11図に示すように、低位
置側から高位置側に傾斜させてレール31を設置し、低位
置側と高位置側にチェーンホイール33、34を配置すると
共に上記レール31に沿ってチェーン35を懸架し、チェー
ンホイール33をモーター駆動することによりチェーン35
に設けたプッシャー38でハンガートロリー21のヘッド部
22を引っ掛けてハンガートロリー21を押し上げるように
したチェーンフィーダが使用されている。なお、図中、
36はチェーンの搬送側を、37はリターン側をそれぞれ示
し、チェーンケース39内を走行する。40は「Ｌ」字形を
なしたレールサポートである。

［考案が解決しようとする課題］ 上記した従来のチェーンフィーダ型のハンガートロリー
搬送装置にあっては、チェーン35の走行音が大きく騒音
が激しいと共にチェーン35を使用しているために全体重
量が重くなり、中間のガイド機構やこれらを支持する支
持機構の取付手段として強固なものが要求される等の欠
点があり、また、プッシャー38のピッチ割が必要となる
ため機長が制約されると共に、ハンガートロリーの搬送
に際してはプッシャーの通過するタイミングを見ながら
投入（送り込み）しなければならない、等の欠点があっ
た。

本考案の目的は上記した従来の欠点を解消し、全体重量
が軽量になると共に運転音も少なく、ピッチの設定等が
不要であって機長に制約を受けることがないハンガート
ロリー搬送装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案に係るハンガートロリー搬送装置は、ヘッド部の
ローラを介してレールに懸吊されているハンガートロリ
ーを搬送するためのハンガートロリー搬送装置におい
て、レールに沿って走行するようにベルトを配置すると
共に、該ベルトに沿わしめてベルトの裏面側（上面側）
には、前面にベルトのための滑り板を設けた長尺のエア
ーバッグを配置し、内部空気で膨張しているこのエアー
バッグにより上記滑り板を介してベルトを上記レール方
向に押圧付勢するようにし、搬送に際してハンガートロ
リーを送り込むとそのヘッド部上面にベルトが圧接して
保持されるようにして、該ハンガートロリーをベルトの
走行駆動力で搬送するように構成したものである。

上記のような構成のハンガートロリー搬送装置は水平に
設置されたレール間でハンガートロリーを搬送する場合
に設置することができるのはもちろんであるが、ハンガ
ートロリーを低位置側から高位置側に搬送する傾斜式の
ハンガートロリー搬送装置として最適である。

この場合のベルトの配置形態としては高位置側と低位置
側にプーリーが配置され、高位置側のプーリーをモータ
ー駆動することにより回転走行して搬送側ベルトでハン
ガートロリーを搬送するが、リターン側ベルトもガイド
ローラでガイドされながら上記搬送側ベルトと略平行状
態でケース内を逆走行し、低位置側のプーリーでリター
ンする。

また、エアーバッグの空気圧を空圧調整部で調整するこ
とによりハンガートロリーのヘッド部に対する搬送側ベ
ルトの圧接保持力を調整することができる。

［作用］ ハンガートロリーはヘッド部のローラがレール上を転動
するようにレールに懸吊されているが、このハンガート
ロリーを低位置から高位置側に搬送するに際し、走行中
の、又は搬送に際して走行を開始するベルトの低位置側
端部（搬送側端部）にハンガートロリーを送り込む。搬
送側ベルトはエアーバッグにより滑り板を介してレール
方向に付勢された状態で走行しているため、ハンガート
ロリーのヘッド部上面に搬送側ベルトが圧接して該ハン
ガートロリーが保持され、ベルトの走行駆動力で高位置
側に搬送される。

上記高位置側のプーリーでリターンしたリターン側ベル
トはガイドローラでガイドされながら上記搬送側ベルト
と略平行状態でケース内を逆走行し、低位置側のプーリ
ーでリターンした後、搬送側ベルトとして走行する。

搬送側ベルトとヘッド部との圧接力、即ち、ハンガート
ロリーに対する保持力はエアーバッグの空気圧を空圧調
整部で調整することにより自由に調整することができ
る。

［実施例］ 本考案に係るハンガートロリー搬送装置の実施例を第１
図乃至第９図に基づいて説明するが、第10図及び第11図
に基づいて説明した従来のものと同一部分については同
一符号を付した。

図において、31はレールサポート40で支持されているレ
ール、21はハンガートロリーであって、これらは従来の
ものと同様であり、ハンガートロリー21はヘッド部22の
ローラ23を介してレール31に懸吊されていて該レール上
を走行するが、ハンガートロリー21を低位置側から高位
置側に搬送する場合はレール31は低位置LFから高位置HF
に傾斜する形態で設置され、ローラ23の乗り入れ又は乗
り移りがスムーズにできるように低位置側と高位置側に
カーブが形成されている。

図において、１はハンガートロリー搬送装置全体を示
し、上記レール31の上方に該レールに沿った形態でケー
ス本体10が設置され、該ケース本体10内に各構成部材が
組み込まれている。２はモータＭで回転駆動されるよう
に高位置HF側に配置された駆動プーリー、３は低位置LF
側に配置されたリターンプーリーであって、ベルトに所
定のテンションを与えると共にベルトの伸びを調整する
ためのテークアップユニット３Ａに組み込まれている。
両プーリー２、３間には上記レール31のカーブに沿った
形態でベルト４が懸架されるが、この場合、ベルト４を
カーブに沿わしめる手段として、搬送側ベルト4aはレー
ル31の高位置側のカーブ部分では機台11側に設けた多数
のガイドローラ12で支持され、低位置側のカーブ部分で
は次に説明するようにカーブに沿って搬送側ベルト4aの
裏面側に配置したエアーバッグ６の前面の滑り板５で支
持されている。また、リターン側ベルト4bは上記機台11
に設けた多数の支持ローラ13で支持されている。

搬送側ベルト4aの裏面側には前面に該ベルトのための滑
り板５を設けた長尺のエアーバッグ６が上記搬送側ベル
ト4aに沿って配置されており、このエアーバッグ６によ
り滑り板５を介して上記搬送側ベルト4aをレール31方向
に押圧付勢せしめるようにし、レール31に送り込まれた
ハンガートロリー21のヘッド部22上面に搬送側ベルト4a
を圧接せしめて、ベルトの走行駆動力でハンガートロリ
ー21を搬送するように構成されている。

エアーバッグ６は上記ケース10内に配置された断面略
「コ」字形の収容ケース14内に収容配置され、該エアー
バッグ６の前面に可撓性を有する幅広の上記滑り板５が
取り付けられている。また、エアーバッグ６は、第８図
及び第９図に示すように、チェーブ6aの端部を固定金具
８で挟持することにいより封止されていると共に該固定
金具８でエアーバッグ６の位置ずれが防止されている。
このエアーバッグ６の端部（実施例では上端部）からは
空気量調整部７（調力弁）を介して圧力空気が注入され
るようになっており、エアーバッグ６は内部の圧力空気
により膨張し、滑り板５を介して搬送側ベルト4aをレー
ル31方向に押圧付勢する作用をしている。また、エアー
バッグの空気量を上記空気量調整部７で調整することに
よりベルトのハンガートロリーヘッド部への圧接力を調
整することができる。

なお、上記の構成例は傾斜式ハンガートロリー搬送装置
の例であるが、水平に設置されたレール間でハンガート
ロリーを搬送する場合に設置することができるのは勿論
である。

［考案の効果］ 本考案に係るハンガートロリー搬送装置によれば、 装置の本体フレームを軽量化することができ、製作コ
ストが安く、据え付け工事も短縮できる 機長を自由に設計できるから自由なレイアウトが可能
となる 運転音が殆どなく、静かに稼動することができる 従来のチェーンフィーダ型搬送装置のようにプッシャ
ーのタイミングをとりながらハンダートロリーを投入す
る必要がなく、操作が容易である 従来のチェーンフィーダ型搬送装置と異なり、給油の
必要がない 等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第９図は本考案に係るハンガートロリー搬送
装置の実施例を示し、第１図は装置全体の概略を示す側
面図、第２図は同上断面図、第３図は高位置側の部分を
示す側面図、第４図は低値側の部分を示す側面図、第５
図は搬送状態を示すための第４図Ａ−Ａ線断面図、第６
図は第３図Ｂ−Ｂ線断面図、第７図は装置の中間部分の
断面図、第８図はエアーバッグの端部を示す断面図、第
９図は同上平面図である。 第10図及び第11図は従来のチェーンフィーダ型のハンガ
ートロリー搬送装置を示し、第10図は概略を示す側面
図、第11図は同上断面図である。 １：ハンガートロリー搬送装置全体 ３：駆動プーリー、３：リターンプーリー、４：ベルト 4a：搬送側ベルト、4b：リターン側ベルト ５：滑り板、６：エアーバッグ、７：空気量調整部 10：ケース、21：ハンガートロリー 22：ヘッド部、23：ローラ、31：レール

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ヘッド部のローラを介してレールに懸吊さ
   れているハンガートロリーを搬送するためのハンガート
   ロリー搬送装置において、 レールに沿って走行するようにベルトを配置すると共に
   該ベルトの裏面側には前面にベルトのための滑り板が設
   けられている長尺のエアーバッグを上記ベルトに沿って
   配置して該エアーバッグにより滑り板を介してベルトを
   レール方向に押圧付勢せしめるようにし、送り込まれた
   ハンガートロリーのヘッド部上面にベルトを圧接せしめ
   て、ベルトの走行駆動力でハンガートロリーを搬送する
   ように構成したことを特徴とするハンガートロリー搬送
   装置。
2. 【請求項２】レールが低位置から高位置に傾斜して設置
   されており、ハンガートロリーを低位置側から高位置側
   に搬送するように構成されていることを特徴とする請求
   項１記載のハンガートロリー装置。
3. 【請求項３】エアーバッグの空気圧を空圧調整部で調整
   することによりハンガートロリーのヘッド部に対するベ
   ルトの圧接保持力を調節するように構成したことを特徴
   とする請求項１記載のハンガートロリー搬送装置。