JPH0660907A - 有機化合物電池 - Google Patents

有機化合物電池

Info

Publication number
JPH0660907A
JPH0660907A JP4208015A JP20801592A JPH0660907A JP H0660907 A JPH0660907 A JP H0660907A JP 4208015 A JP4208015 A JP 4208015A JP 20801592 A JP20801592 A JP 20801592A JP H0660907 A JPH0660907 A JP H0660907A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solution
positive electrode
battery
prepared
propylene carbonate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4208015A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiko Sato
佳子 佐藤
Yasushi Uemachi
裕史 上町
Tadashi Tonomura
正 外邨
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP4208015A priority Critical patent/JPH0660907A/ja
Publication of JPH0660907A publication Critical patent/JPH0660907A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ジスルフィド系化合物を活物質とした正極にお
いて、高エネルギー密度を有するという特徴を損なわ
ず、かつ室温でも大電流充放電が可能で可逆性に優れた
電池を提供する。 【構成】ジスルフィド系化合物を正極5の活物質とし負
極3に金属リチウムを用いた電池を構成する。電解質部
分にはアルカリ金属塩を溶解した電解液を含んだゲル電
解質を用い、その電解液組成をプロピレンカーボネー
ト、またはプロピレンカーボネートとジメトキシエタン
の混合液等を用いる。電解質をゲル電解質にすることに
より、室温で十分なイオン伝導度が得られ大電流による
充放電が可能となる。また実質的な接触面積が格段に増
大され、ほぼ100%に近い正極容量を得ることができ
る。また反応の可逆性も向上し、サイクル特性も安定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジスルフィド系化合物
を正極活物質として用いた二次電池に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】導電性高分子を電極材料に用いると軽量
で高エネルギー密度の電池や大面積のエレクトロクロミ
ック素子、微小電極を用いた生物化学センサーなどの電
気化学素子の実現が期待できることから、導電性高分子
電極の実用が盛んに検討されている。1971年に白川
らが発見したポリアセチレンに始まり、ポリアニリン、
ポリピロール、ポリアセン、ポリチオフェンなどのπ電
子共役系導電性高分子が見いだされ、これらを電極とし
て用いた二次電池が開発されるに及んでいる。
【0003】これらの導電性高分子を用いた電極のエネ
ルギー密度としては、導電性高分子あたりで250〜4
00Wh/kgで実際の電池を構成する段階での実効的
なエネルギー密度はこの10〜30%程度すなわち20
〜120Wh/kgとなる。
【0004】これに対し、2倍から4倍の高エネルギー
密度が期待できる有機材料として、米国特許第4,83
3,048号にジスルフィド化合物が提案されている。
この化合物は、最も簡単な形でR−S−S−Rと表わさ
れ、S−S結合が電解還元によって開裂し、電解浴中の
カチオン(M+ )とでR−S- ・M+ で表わされる塩を
生成する。また、この塩は、電解酸化により再び元のR
−S−S−Rの戻るという性質を持つものである。ま
た、カチオン(M+ )を供給、捕捉する金属Mとジスル
フィド系化合物を組み合わせた金属−硫黄二次電池が前
述の米国特許に提案されており、電池あたり150Wh
/kgと通常の二次電池に匹敵あるいはそれ以上のエネ
ルギー密度が期待できる。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、提案さ
れているジスルフィド系化合物は、米国特許第4,83
3,048号の発明者らが、J.Electroche
m.Soc.,Vol.136,No.9,p.257
0〜2575(1989)で報告しているように、たと
えばテトラエチルチウラムジスルフィド(化2)の電解
では、酸化と還元の電位が1volt以上離れており、
電極反応論の教えるところによれば、このような材料に
おける電気化学反応は、その電子移動過程が極めて遅
く、従って室温付近では実用に見合う大きな電流、例え
ば1mA/cm2 以上の電流を取り出すことが困難であ
り、100〜200℃の高温での使用に限られるという
課題を有していた。
【0006】
【化3】
【0007】また、同じ発明者らが、J.Electr
ochem.Soc.,Vol.137,No.4,
p.1191〜1192(1990)で報告していると
ころによるとジメチルスルホキシドに溶解したテトラエ
チルチウラムジスルフィドを電池活物質として、正極グ
ラファイトと負極リチウムとを用いたセルにより、室温
で16mA/cm2 の高い電流密度で充電と放電を繰り
返したことを報告している。また、3.4mA/cm2
でサイクル特性を検討しているが、いずれの場合も放電
深度を10%に抑えているため低容量であった。
【0008】これらの場合には、液体に溶解している系
を用いての反応であり、正極容量としての評価が困難で
あった。さらに、同じ発明者らがMol.Cryst.
Liq.Cryst.,Vol.190,pp.185
〜195(1990)で報告している中で、2,5−ジ
メルカプト1,3,4−チアジアゾールとカーボンとイ
オン伝導性高分子としてポリエチレンオキサイドを混合
した電極を用い、ポリエチレンオキサイドと塩からなる
電解質とLi金属とを組み合わせて電池を構成し、80
〜100℃で作動させているが、この場合にも電流密度
は0.5mA/cm2 にとどまっている。
【0009】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、ジスルフィド系化合物を電池の電極として用い、
高エネルギー密度を有するという特徴を損なわず、かつ
室温でも大電流充放電が可能で可逆性に優れた電池を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の有機化合物電池は、ジスルフィド系有機化
合物を正極活物質に用いた電池であって、アルカリ金属
塩を溶解した液体を含んだゲル電解質を正極及び電解質
に用いたことを特徴とする。
【0011】前記構成においては、アルカリ金属塩を溶
解する液体が、プロピレンカーボネート、プロピレンカ
ーボネートとジメトキシエタンの混合液、プロピレンカ
ーボネートとテトラヒドロフランの混合液、スルホラン
とジメトキシエタンの混合液、スルホランとテトラヒド
ロフランの混合液から選ばれる少なくとも一つの溶液で
あることが好ましい。
【0012】また前記構成においては、アルカリ金属塩
として過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン
酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、六フッ化リン酸
リチウムから選ばれる少なくとも一つを用いることが好
ましい。
【0013】また前記構成においては、ジスルフィド系
有機化合物が、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チ
アジアゾールの単量体(前記化1)またはその重合体
(前記化2)であることが好ましい。
【0014】なお、ゲル電解質のマトリックスとして
は、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリルとメタク
リル酸メチルの共重合体、ポリエチレンオキシド系の3
次元ポリマーなどを用いることが好ましい。
【0015】
【作用】前記本発明の構成によれば、電解質を液体を含
んだゲル電解質にすることにより、室温で十分なイオン
伝導度が得られ、大電流による充放電が可能となる。ま
た、複合正極内部に電解液を含んだゲル電解質を混合す
ることにより、実質的な接触面積が格段に増大され、ほ
ぼ100%に近い正極容量を得ることができ、反応の可
逆性も向上し、サイクル特性が安定する。そして、電解
液の溶媒をプロピレンカーボネート、もしくはプロピレ
ンカーボネートとジメトキシエタンの混合液、プロピレ
ンカーボネートとテトラヒドロフランの混合液、または
スルホランとジメトキシエタンの混合液、スルホランと
テトラヒドロフランの混合液のいずれかを溶媒としたと
きに正極利用率、サイクル特性ともに向上することがで
きる。
【0016】また、ゲル電解質によって正極及び電解質
が、固形状に成形でき、さらに構成成分が保持されるこ
とによって、ジスルフィド系化合物の移動が抑えられる
ので、サイクル寿命を向上することができる。
【0017】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。図1は本発明の一具体例であるコイン型電池
の構成図である。図1において、1はセパレータ、2は
負極ケース、3は負極、4はガスケット、5は正極、6
は正極ケースである。
【0018】本発明において正極5に用いることができ
るジスルフィド系有機化合物の例としては、たとえば下
記(化4)〜(化9)に示される繰り返し単位のポリマ
ーがある。下記(化4)は2−メルカプトエチルエーテ
ル、(化5)は2−メルカプトエチルスルフィド、(化
6)は1,2−エタンジチオール、(化7)はテトラチ
オエチレンジアミン、(化8)はトリチオシアヌル酸、
(化9)は2,4−ジチオピリジンのそれぞれポリマー
を示す。
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】次にアルカリ金属塩を溶解する液体とし
て、プロピレンカーボネート、プロピレンカーボネート
とジメトキシエタンの混合液、プロピレンカーボネート
とテトラヒドロフランの混合液、スルホランとジメトキ
シエタンの混合液、スルホランとテトラヒドロフランの
混合液から選ばれる少なくとも一つの溶液を用いるが、
混合液の場合は、混合比率を任意のものとすることがで
きる。
【0026】次にアルカリ金属塩としては、アルカリ金
属塩として過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスル
ホン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、六フッ化リ
ン酸リチウムから選ばれる少なくとも一つを用いるが、
その使用量は通常の電池に使用するものと同等で良い。
【0027】実施例1 2,5−ジメルカプト1,3,4−チアジアゾール0.
2molに1M濃度のLiOH水溶液400mlを加え
て完全に溶解した。不溶物をろ過後、ろ液に1MのK3
Fe(CN)6 水溶液を撹拌しながら徐々に加えて酸化
重合を行なった。生成した沈澱物を分取し、大量の水で
洗ったあとエタノールで洗浄して乾燥させた。収率は8
5%であった。この生成物は、水、エタノール、エーテ
ルに不溶であった。単量体がエタノール、エーテルに溶
解することから、この生成物が単量体ではないことを確
認した。
【0028】プロピレンカーボネート10gとジメトキ
シエタン10gを混合した溶液を作成し、この溶液20
gに四フッ化ホウ酸リチウム1.9gを溶解して電解液
とした。これにアクリロニトリルとメタクリル酸メチル
の共重合ポリマー(PAN−A:東洋紡製)を3g溶解
し、アセトニトリルを5g加えてよく撹拌した溶液Aを
作成した。
【0029】上記の酸化剤を用いて重合させた2,5−
ジメルカプト1,3,4−チアジアゾールの重合体粉末
0.4gと炭素粉末(黒鉛化気相法炭素繊維:昭和電工
製)2.0gをすり鉢でよくすり混ぜ、溶液Aを3gと
アセトニトリル2.5gを加えてよく練り合わせてスラ
リー状にし、ガラスシャーレに流延し、真空下で60℃
に4時間保ちアセトニトリルを除去することによって複
合正極膜を作成した。作成した膜の厚みは、0.8mm
であった。
【0030】また、9gの溶液Aを直径90mmガラス
シャーレに流延し、真空下で60℃に4時間保ちアセト
ニトリルを除去することによって、厚さ0.4mmゲル
電解質膜を得た。
【0031】前記の方法で作られた複合正極とゲル電解
質とLi金属からなる負極とした電池を構成した。図1
は本発明の一具体例であるコイン型電池の構成図であ
る。
【0032】一定電流(2mA/cm2 )で3.5Vと
2.6Vの間で充電・放電の繰り返し試験を行なったと
ころ、平坦な放電電位を有する放電カーブが得られ、初
期の容量が理論値の85%と高く、50回目で80%の
容量が維持されていた。
【0033】さらに、3.5Vと2.0Vの間で充電と
放電を繰り返したところ、初期の容量が理論値の90%
と高く、50回目で50%の容量が維持されていた。 実施例2 プロピレンカーボネート10gとテトラヒドロフラン1
0gを混合した溶液を作成し、この溶液20mlに六フ
ッ化リン酸リチウム3.0gを溶解して電解液とした。
【0034】これにアクリロニトリルとメタクリル酸メ
チルの共重合ポリマー(PAN−A:東洋紡製)を3g
溶解し、アセトニトリルを5g加えてよく撹拌した溶液
Bを作成した。
【0035】実施例1と同様にして作成した2,5−ジ
メルカプト1,3,4−チアジアゾールの重合体粉末
0.4gと炭素粉末(黒鉛化気相法炭素繊維:昭和電工
製)2.0gをすり鉢でよくすり混ぜ、溶液Bを3gと
アセトニトリル2.5gを加えてよく練り合わせてスラ
リー状にし、ガラスシャーレに流延し、真空下で60℃
に4時間保ちアセトニトリルを除去することによって複
合正極膜を作成した。作成した膜の厚みは、0.8mm
であった。
【0036】また、9gの溶液Bを直径90mmガラス
シャーレに流延し、真空下で60℃に4時間保ちアセト
ニトリルを除去することによって、厚さ0.4mmゲル
電解質膜を得た。
【0037】前記の方法で作られた複合正極とゲル電解
質とLi金属からなる負極とした電池を構成した。実施
例1と全く同じ方法で3.5Vと2.6Vの間で充電と
放電の繰り返し試験を行なったところ、平坦な放電電位
を有する放電カーブが得られ、初期の容量が理論値の9
0%と高く、50回目で80%の容量が維持されてい
た。
【0038】さらに、実施例1と同様に3.5Vと2.
0Vの間で充電と放電を繰り返したところ、初期の容量
が理論値の90%と高く、50回目で40%の容量が維
持されていた。
【0039】実施例3 スルホラン10gとジメトキシエタン10gを混合した
溶液を作成し、この溶液20mlに四フッ化ホウ酸リチ
ウム1.9gを溶解して電解液とした。
【0040】これにアクリロニトリルとメタクリル酸メ
チルの共重合ポリマー(PAN−A:東洋紡製)を3g
溶解し、アセトニトリルを5g加えてよく撹拌した溶液
Cを作成した。
【0041】実施例1と同様にして作成した2,5−ジ
メルカプト1,3,4−チアジアゾールの重合体粉末
0.4gと炭素粉末(黒鉛化気相法炭素繊維:昭和電工
製)2.0gをすり鉢でよくすり混ぜ、溶液Cを3gと
アセトニトリル2.5gを加えてよく練り合わせてスラ
リー状にし、ガラスシャーレに流延し、真空下で60℃
に4時間保ちアセトニトリルを除去することによって複
合正極膜を作成した。作成した膜の厚みは、0.8mm
であった。
【0042】また、9gの溶液Cを直径90mmガラス
シャーレに流延し、真空下で60℃に4時間保ちアセト
ニトリルを除去することによって、厚さ0.4mmゲル
電解質膜を得た。
【0043】前記の方法で作られた複合正極とゲル電解
質とLi金属からなる負極とした電池を構成した。実施
例1と全く同じ方法で3.5Vと2.6Vの間で充電と
放電の繰り返し試験を行なったところ、平坦な放電電位
を有する放電カーブが得られ、初期の容量が理論値の8
9%と高く、50回目で75%の容量が維持されてい
た。
【0044】さらに、実施例1と同様に3.5Vと2.
0Vの間で充電と放電を繰り返したところ、初期の容量
が理論値の91%と高く、50回目で55%の容量が維
持されていた。
【0045】実施例4 スルホラン10gとテトラヒドロフラン10gを混合し
た溶液を作成し、この溶液20mlに過塩素酸リチウム
2.0gを溶解して電解液とした。
【0046】これにアクリロニトリルとメタクリル酸メ
チルの共重合ポリマー(PAN−A:東洋紡製)を3g
溶解し、アセトニトリルを5g加えてよく撹拌した溶液
Dを作成した。
【0047】実施例1と同様にして作成した2,5−ジ
メルカプト1,3,4−チアジアゾールの重合体粉末
0.4gと炭素粉末(黒鉛化気相法炭素繊維:昭和電工
製)2.0gをすり鉢でよくすり混ぜ、溶液Dを3gと
アセトニトリル2.5gを加えてよく練り合わせてスラ
リー状にし、ガラスシャーレに流延し、真空下で60℃
に4時間保ちアセトニトリルを除去することによって複
合正極膜を作成した。作成した膜の厚みは、0.8mm
であった。
【0048】また、9gの溶液Dを直径90mmガラス
シャーレに流延し、真空下で60℃に4時間保ちアセト
ニトリルを除去することによって、厚さ0.4mmゲル
電解質膜を得た。
【0049】前記の方法で作られた複合正極とゲル電解
質とLi金属からなる負極とした電池を構成した。実施
例1と全く同じ方法で3.5Vと2.6Vの間で充電と
放電の繰り返し試験を行なったところ、平坦な放電電位
を有する放電カーブが得られ、初期の容量が理論値の9
0%と高く、50回目で70%の容量が維持されてい
た。
【0050】さらに、実施例1と同様に3.5Vと2.
0Vの間で充電と放電を繰り返したところ、初期の容量
が理論値の90%と高く、50回目で50%の容量が維
持されていた。
【0051】実施例5 プロピレンカーボネート20gに四フッ化ホウ酸リチウ
ム1.9gを溶解して電解液とした。
【0052】これにアクリロニトリルとメタクリル酸メ
チルの共重合ポリマー(PAN−A:東洋紡製)を3g
溶解し、アセトニトリルを5g加えてよく撹拌した溶液
Eを作成した。
【0053】実施例1と同様にして作成した2,5−ジ
メルカプト1,3,4−チアジアゾールの重合体粉末
0.4gと炭素粉末(黒鉛化気相法炭素繊維:昭和電工
製)2.0gをすり鉢でよくすり混ぜ、溶液Eを3gと
アセトニトリル2.5gを加えてよく練り合わせてスラ
リー状にし、ガラスシャーレに流延し、真空下で60℃
に4時間保ちアセトニトリルを除去することによって複
合正極膜を作成した。作成した膜の厚みは、0.8mm
であった。
【0054】また、9gの溶液Eを直径90mmガラス
シャーレに流延し、真空下で60℃に4時間保ちアセト
ニトリルを除去することによって、厚さ0.4mmゲル
電解質膜を得た。
【0055】前記の方法で作られた複合正極とゲル電解
質とLi金属からなる負極とした電池を構成した。実施
例1と全く同じ方法で3.5Vと2.6Vの間で充電と
放電の繰り返し試験を行なったところ、平坦な放電電位
を有する放電カーブが得られ、初期の容量が理論値の8
5%と高く、50回目で70%の容量が維持されてい
た。
【0056】さらに、実施例1と同様に3.5Vと2.
0Vの間で充電と放電を繰り返したところ、初期の容量
が理論値の90%と高く、50回目で50%の容量が維
持されていた。
【0057】実施例6 プロピレンカーボネート10gとエチレンカーボネート
10gを混合した溶液を作成し、この溶液20mlに四
フッ化ホウ酸リチウム1.9gを溶解して電解液とし
た。
【0058】これにアクリロニトリルとメタクリル酸メ
チルの共重合ポリマー(PAN−A:東洋紡製)を3g
溶解し、アセトニトリルを5g加えてよく撹拌した溶液
Fを作成した。
【0059】実施例1と同様にして作成した2,5−ジ
メルカプト1,3,4−チアジアゾールの重合体粉末
0.4gと炭素粉末(黒鉛化気相法炭素繊維:昭和電工
製)2.0gをすり鉢でよくすり混ぜ、溶液Fを3gと
アセトニトリル2.5gを加えてよく練り合わせてスラ
リー状にし、ガラスシャーレに流延し、真空下で60℃
に4時間保ちアセトニトリルを除去することによって複
合正極膜を作成した。作成した膜の厚みは、0.8mm
であった。
【0060】また、9gの溶液Fを直径90mmガラス
シャーレに流延し、真空下で60℃に4時間保ちアセト
ニトリルを除去することによって、厚さ0.4mmゲル
電解質膜を得た。
【0061】前記の方法で作られた複合正極とゲル電解
質とLi金属からなる負極とした電池を構成した。実施
例1と全く同じ方法で3.5Vと2.6Vの間で充電と
放電の繰り返し試験を行なったところ、平坦な放電電位
を有する放電カーブが得られ、初期の容量が理論値の9
0%と高く、50回目で80%の容量が維持されてい
た。
【0062】さらに、実施例1と同様に3.5Vと2.
0Vの間で充電と放電を繰り返したところ、初期の容量
が理論値の90%と高く、50回目で45%の容量が維
持されていた。
【0063】実施例7 プロピレンカーボネート5gとジメトキシエタン5gを
混合した溶液を作成し、この溶液10gに四フッ化ホウ
酸リチウム0.95gを溶解して電解液とした。これに
ポリエチレンオキシドトリオールの末端アクリレート化
物(Z−1014−1:第一工業製薬製)を3g溶解し
よく撹拌した溶液Gを作成した。
【0064】実施例1と同様にして作成した2,5−ジ
メルカプト1,3,4−チアジアゾールの重合体粉末
1.0gと炭素粉末(黒鉛化気相法炭素繊維:昭和電工
製)5.0gをすり鉢でよくすり混ぜ、溶液Gを5gを
加えてよく練り合わせてスラリー状にし、ガラスシャー
レに流延し、電子線を照射してアクリレート基を反応さ
せて複合正極膜を作成した。作成した膜の厚みは、0.
8mmであった。
【0065】また、9gの溶液Aを直径90mmガラス
シャーレに流延し、電子線を照射してアクリレート基を
反応させ、厚さ0.4mmゲル電解質膜を得た。前記の
方法で作られた複合正極とゲル電解質とLi金属からな
る負極とした電池を構成した。
【0066】実施例1と同じ方法で3.5Vと2.6V
の間で充電・放電の繰り返し試験を行なったところ、平
坦な放電電位を有する放電カーブが得られ、初期の容量
が理論値の85%と高く、50回目で80%の容量が維
持されていた。
【0067】さらに、3.5Vと2.0Vの間で充電と
放電を繰り返したところ、初期の容量が理論値の90%
と高く、50回目で50%の容量が維持されていた。 比較例1 エチレンカーボネート10gとジメトキシエタン10g
を混合した溶液を作成し、この溶液20mlに四フッ化
ホウ酸リチウム1.9gを溶解して電解液とした。
【0068】これにアクリロニトリルとメタクリル酸メ
チルの共重合ポリマー(PAN−A:東洋紡製)を3g
溶解し、アセトニトリルを5g加えてよく撹拌した溶液
Hを作成した。
【0069】実施例1と同様にして作成した2,5−ジ
メルカプト1,3,4−チアジアゾールの重合体粉末
0.4gと炭素粉末(黒鉛化気相法炭素繊維:昭和電工
製)2.0gをすり鉢でよくすり混ぜ、溶液Hを3gと
アセトニトリル2.5gを加えてよく練り合わせてスラ
リー状にし、ガラスシャーレに流延し、真空下で60℃
に4時間保ちアセトニトリルを除去することによって複
合正極膜を作成した。作成した膜の厚みは、0.8mm
であった。
【0070】また、9gの溶液Gを直径90mmガラス
シャーレに流延し、真空下で60℃に4時間保ちアセト
ニトリルを除去することによって、厚さ0.4mmゲル
電解質膜を得た。
【0071】前記の方法で作られた複合正極とゲル電解
質とLi金属からなる負極とした電池を構成した。実施
例1と全く同じ方法で3.5Vと2.6Vの間で充電と
放電の繰り返し試験を行なったところ、平坦な放電電位
を有する放電カーブが得られ、初期の容量は理論値の9
0%と高かったが、3回目で10%以下の容量しか維持
されなかった。
【0072】さらに、実施例1と同様に3.5Vと2.
0Vの間で充電と放電を繰り返したが、初期の容量は理
論値の90%と高いが、やはり3回目で10%以下の容
量となった。
【0073】比較例2 ジメチルスルホキシド20gに四フッ化ホウ酸リチウム
1.9gを溶解して電解液とした。
【0074】これにアクリロニトリルとメタクリル酸メ
チルの共重合ポリマー(PAN−A:東洋紡製)を3g
溶解し、アセトニトリルを5g加えてよく撹拌した溶液
Iを作成した。
【0075】実施例1と同様にして作成した2,5−ジ
メルカプト1,3,4−チアジアゾールの重合体粉末
0.4gと炭素粉末(黒鉛化気相法炭素繊維:昭和電工
製)2.0gをすり鉢でよくすり混ぜ、溶液Iを3gと
アセトニトリル2.5gを加えてよく練り合わせてスラ
リー状にし、ガラスシャーレに流延し、真空下で60℃
に4時間保ちアセトニトリルを除去することによって複
合正極膜を作成した。作成した膜の厚みは、0.8mm
であった。
【0076】また、9gの溶液Hを直径90mmガラス
シャーレに流延し、真空下で60℃に4時間保ちアセト
ニトリルを除去することによって、厚さ0.4mmゲル
電解質膜を得た。
【0077】前記の方法で作られた複合正極とゲル電解
質とLi金属からなる負極とした電池を構成した。実施
例1と全く同じ方法で3.5Vと2.6Vの間で充電と
放電の繰り返し試験を行なったところ、平坦な放電電位
を有する放電カーブが得られたが、初期の容量は理論値
の50%と低く、3回目で5%以下の容量しか維持され
なかった。
【0078】さらに、実施例1と同様に3.5Vと2.
0Vの間で充電と放電を繰り返した結果、初期の容量は
理論値の50%と低く、3回目で10%以下の容量とな
った。
【0079】以上の結果を(表1)にまとめて示した。
【0080】
【表1】
【0081】また、負極については実施例では金属リチ
ウムを用いているが、金属リチウムの他に、Li−Al
などのリチウム合金や、カーボンとAlと本発明で用い
たゲル電解質、あるいは、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリエチレンオキシド、合成ゴムなどの有機バイン
ダーで構成されるカーボン複合電極を用いることができ
る。
【0082】以上説明したように本実施例によれば、ジ
スルフィド系化合物を正極の活物質とし、負極に金属リ
チウムを用いた電池を構成し、電解質部分には、アルカ
リ金属塩を溶解した電解液を含んだゲル電解質を用い、
その電解液組成をプロピレンカーボネート、もしくはプ
ロピレンカーボネートとジメトキシエタンの混合液、プ
ロピレンカーボネートとテトラヒドロフランの混合液、
スルホランとジメトキシエタンの混合液、スルホランと
テトラヒドロフランの混合液から選ばれる少なくとも一
つの溶液を用いる。そして電解質を上記のゲル電解質に
することにより、室温で十分なイオン伝導度が得られ、
大電流による充放電が可能となった。また、実質的な接
触面積が格段に増大され、ほぼ100%に近い正極容量
を得ることができた。また、反応の可逆性も向上し、サ
イクル特性も安定した。本発明の好適な有機化合物電池
は、室温で1mA/cm2 以上の大電流での充放電が可
能で、正極の利用率を向上し、かつサイクル寿命を改善
することができた。
【0083】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、ジス
ルフィド系化合物を活物質とした正極において、高エネ
ルギー密度を有するという特徴を損なわず、かつ室温で
も大電流充放電が可能で可逆性に優れた電池を得ること
ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のコイン型電池の構成図であ
る。
【符号の説明】
1 セパレータ 2 負極ケース 3 負極 4 ガスケット 5 正極 6 正極ケース

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジスルフィド系有機化合物を正極活物質
    に用いた電池であって、アルカリ金属塩を溶解した液体
    を含んだゲル電解質を正極及び電解質に用いたことを特
    徴とする有機化合物電池。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属塩を溶解する液体が、プロ
    ピレンカーボネート、プロピレンカーボネートとジメト
    キシエタンの混合液、プロピレンカーボネートとテトラ
    ヒドロフランの混合液、スルホランとジメトキシエタン
    の混合液、スルホランとテトラヒドロフランの混合液か
    ら選ばれる少なくとも一つの溶液である請求項1に記載
    の有機化合物電池。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属塩として過塩素酸リチウ
    ム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、四フッ化
    ホウ酸リチウム、六フッ化リン酸リチウムから選ばれる
    少なくとも一つを用いる請求項1に記載の有機化合物電
    池。
  4. 【請求項4】 ジスルフィド系有機化合物が、2,5−
    ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールの単量体
    (化1)またはその重合体(化2)である請求項1に記
    載の有機化合物電池。 【化1】 【化2】
JP4208015A 1992-08-04 1992-08-04 有機化合物電池 Pending JPH0660907A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4208015A JPH0660907A (ja) 1992-08-04 1992-08-04 有機化合物電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4208015A JPH0660907A (ja) 1992-08-04 1992-08-04 有機化合物電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0660907A true JPH0660907A (ja) 1994-03-04

Family

ID=16549267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4208015A Pending JPH0660907A (ja) 1992-08-04 1992-08-04 有機化合物電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0660907A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0724305A1 (en) * 1995-01-26 1996-07-31 Sony Corporation Gel electrolyte and cell using same
WO2012063489A1 (ja) * 2010-11-10 2012-05-18 パナソニック株式会社 リチウム一次電池
JP2012151131A (ja) * 2012-05-14 2012-08-09 Panasonic Corp 蓄電デバイス

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0724305A1 (en) * 1995-01-26 1996-07-31 Sony Corporation Gel electrolyte and cell using same
WO2012063489A1 (ja) * 2010-11-10 2012-05-18 パナソニック株式会社 リチウム一次電池
JPWO2012063489A1 (ja) * 2010-11-10 2014-05-12 パナソニック株式会社 リチウム一次電池
JP5634525B2 (ja) * 2010-11-10 2014-12-03 パナソニック株式会社 リチウム一次電池
JP2012151131A (ja) * 2012-05-14 2012-08-09 Panasonic Corp 蓄電デバイス

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6174621B1 (en) Electroactive high storage capacity polyacetylene-co-polysulfur materials and electrolytic cells containing same
US5529860A (en) Electroactive high storage capacity polyacetylene-co-polysulfur materials and electrolytic cells containing same
CN1938885B (zh) 氧化还原活性可逆电极和使用该电极的二次电池
DE3687087T2 (de) Konjugiertes polymer als substrat zur ablagerung eines alkalimetalles in einer nichtwaessrigen sekundaerbatterie.
EP0143968B1 (en) Polymeric electrode coated with reaction product or organosulfur compound
JP3257018B2 (ja) 電池の充放電方法
JPH0660907A (ja) 有機化合物電池
JP2940198B2 (ja) 固形電極組成物
JPH0660906A (ja) 有機化合物電池
US6309778B1 (en) Electroactive high storage capacity polyacetylene-co-polysulfur materials and electrolytic cells containing same
JP3497318B2 (ja) 電極材料及び二次電池
JP3089707B2 (ja) 固形電極組成物
WO2002042350A1 (fr) Polymere actif pour oxydoreduction et electrode comprenant ce polymere
JPH06283175A (ja) 可逆性電極
JP3237261B2 (ja) 可逆性複合電極およびそれを用いたリチウム二次電池
JP3239374B2 (ja) 電極組成物
JP3048798B2 (ja) 可逆性電極およびそれを構成要素とするリチウム二次電池
JPH06310173A (ja) 電気化学装置および二次電池
JP3047492B2 (ja) 固形電極組成物
KR100283927B1 (ko) 복합 전극 및 이를 이용한 이차 전지
JP2005197221A (ja) 電極材料用高分子化合物、それを用いる電極及び非水溶液系電池
JP4343819B2 (ja) 酸化還元活性重合体、それを用いる電極及び非水溶液系電池
JPH04264363A (ja) 可逆性複合電極
JP2005194511A (ja) 酸化還元活性重合体、それを用いる電極及び非水溶液系電池
JPH09320572A (ja) 複合電極の製造方法およびその複合電極を用いたリチウム二次電池