JPH0660449A - 光磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

光磁気記録媒体及びその製造方法

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JPH0660449A
JPH0660449A JP13309892A JP13309892A JPH0660449A JP H0660449 A JPH0660449 A JP H0660449A JP 13309892 A JP13309892 A JP 13309892A JP 13309892 A JP13309892 A JP 13309892A JP H0660449 A JPH0660449 A JP H0660449A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来より小さい記録磁界及び消去磁界において
デ−タの記録及び消去が可能な光磁気記録媒体を提供
し、光磁気記録媒体に情報を記録、再生する光磁気ディ
スク装置の形状の小型化を図る。 【構成】ポリカ−ボネイト基板1上に、少なくとも、S
iNからなる第1の誘電体層2と、希土類金属と鉄族遷
移金属との組合せによって作製されるTbFeCoTi
合金膜から成る記録膜層4と、SiNからなる第2の誘
電体層5と、AlTi合金からなる反射膜層6とが、こ
の順に成膜され、記録膜層4形成前に、第1の誘電体層
2をスパッタエッチングして作製された光磁気記録媒体
であって、第1の誘電体層2のスパッタエッチング量が
5オングストローム〜20オングストロームの範囲とな
るように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気ディスク装置に
用いられる記録媒体に関し、特に記録磁界感度及び消去
磁界感度の優れた光磁気記録媒体及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク装置は、大容量ファイルメモ
リの1つとして注目されている。中でも光磁気ディスク
装置は、記録情報の書換えが可能であると言う利点をも
っていることから、コ−ドデ−タファイルメモリを始
め、画像ファイルメモリ等広範囲な応用が各所で盛んに
研究されている。
【0003】記録媒体としては、ポリカ−ボネイト等の
樹脂基体上に、SiNから成る第一の誘電体層、希土類
金属と鉄族遷移金属との組合せによって作製されるTb
FeCoのような非晶質磁性合金膜から成る記録層、S
iNから成る第二の誘電体層の順に成膜する方法、さら
にはAl等の反射膜を形成する方法が知られている。
【0004】これらを用いた光磁気ディスク装置は、パ
ーソナルコンピュータのコ−ドデ−タファイルメモリ分
野を始めとして、既に、実用レベルにあり、用途拡大が
期待されている。用途の拡大に伴い、光磁気記録媒体に
情報を記録、再生する光磁気ディスク装置の形状の小型
化が強く期待されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の成膜方
法で作製された光磁気記録媒体は、情報の記録及び消去
を行う場合に大きな外部印加磁界が必要である。
【0006】従って、磁界を発生させるための電磁石が
大きくなり、光磁気ディスク装置の形状の小型化が困難
であるという問題がある。
【0007】本発明の目的は、記録膜層形成前に、Si
Nから成る第1の誘電体層をスパッタエッチングして光
磁気記録媒体を作製することにより、上記の欠点を解消
し、従来より小さい記録磁界及び消去磁界においてデ−
タの記録及び消去が可能な光磁気記録媒体を提供し、光
磁気記録媒体に情報を記録、再生する光磁気ディスク装
置の形状の小型化を図る光磁気記録媒体及びその製造方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本第一の発明の光磁気記
録媒体の製造方法では、有機樹脂基板上に、少なくと
も、SiNからなる第1の誘電体層と、希土類金属と鉄
族遷移金属との組合せによって作製される非晶質磁性合
金からなる記録膜層と、SiNからなる第2の誘電体層
と、AlTi合金からなる反射膜層とを、この順に成膜
された光磁気記録媒体の製造方法において、記録膜層形
成前に、第1の誘電体層をスパッタエッチングしてい
る。
【0009】本第二の発明の光磁気記録媒体では、上記
第一の発明の光磁気記録媒体の製造方法で作製された光
磁気記録媒体であって、第1の誘電体層のスパッタエッ
チング量が5オングストローム〜20オングストローム
の範囲にあるように構成されている。
【0010】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0011】図1は本発明の一実施例の光磁気記録媒体
の基本構造を示す断面図である。図1において、本実施
例の光磁気記録媒体は、厚さ1.2mm、直径130m
mのポリカ−ボネイト基板1上に、SiNからなる厚さ
1100オングストロームの第1の誘電体層2、第1の
誘電体層2の表面を10オングストロームスパッタエッ
チングしたスパッタエッチング層3、TbFeCoTi
から成る厚さ200オングストロームの記録層4、Si
Nから成る厚さ300オングストロームの第2の誘電体
層5、AlTiから成る厚さ300オングストロームの
金属反射層6の順に成膜されている。上記各層は、イン
ラインスパッタ装置を用いて次のようにして基板上に連
続成膜される。まずSiNから成る厚さ1100オング
ストロームの第1の誘電体層2は、Siタ−ゲットを用
い、タ−ゲットと基板間距離15cm、パワ−密度8
(W/cm2 )、ArとN2 のガス流量Ar/N2 =1
00/55(SCCM)、スパッタガス圧0.3(P
a)で成膜される。第1の誘電体層2の表面を10オン
グストロームスパッタエッチングしたスパッタエッチン
グ層3はパワ−密度0.15(W/cm2 )、Ar=2
5(SCCM)、ガス圧0.1(Pa)でスパッタエッ
チングされる。TbFeCoTiから成る厚さ200オ
ングストロームの記録層4は、Tbタ−ゲットとFeC
oTi合金タ−ゲット(Fe84Co12Ti4 atm%)
を用いた2元DCマグネトロンスパッタ法により、基板
を回転しながら、タ−ゲットと基板間距離10cm、T
bタ−ゲット及びFeCoTi合金タ−ゲットのパワ−
密度、各々1.5(W/cm2 )及び3.0(W/cm
2 )、Ar=50(SCCM)、ガス圧0.14(P
a)で成膜される。また、SiNから成る厚さ300オ
ングストロームの第2の誘電体層5は第1の誘電体層2
と同じ条件で成膜される。AlTi合金膜から成る厚さ
300オングストロームの金属反射層6は、Tiを1w
t%含有するAlTi合金タ−ゲットを用い、Arガス
をスパッタガスとしてタ−ゲットと基板間距離15(c
m)、パワ−密度3.0(W/cm2 )、ガス圧0.1
(Pa)で成膜される。上述したスパッタエッチング層
3のエッチング量を0〜50オングストロームの範囲で
変化させた媒体を9種類作製した。これらの媒体を単板
状態でマグネットハブを付け、線速9.4(m/se
c)、周波数6.2(MHz)、パルス幅50(n
s)) 、再生パワ−1(mw)、記録及び消去パワ−1
0(mw)の条件下において最小記録磁界及び最小消去
磁界の測定を行った。図2は本実施例の光磁気記録媒体
の最小記録磁界及び最小消去磁界のスパッタエッチング
層厚依存性を示す図である。図2よりスパッタエッチン
グ層厚が5オングストローム以上の媒体は最小記録磁界
及び最小消去磁界が200(Oe)以下になることがわ
かる。一方、スパッタエッチング層厚が30オングスト
ローム以上になると、再生ビ−ムの連続照射により保存
デ−タが劣化することが判明した。図3は本実施例の光
磁気記録媒体の保存デ−タの劣化状態をCN比の低下量
で表した図である。図3に示すように、スパッタエッチ
ング層厚が0〜25オングストロームの範囲ではCN比
の低下が認められないが30オングストローム以上にな
るとCN比の劣化が始まる。以上のことからスパッタエ
ッチング層厚が5〜20オングストロームの範囲の媒体
は小さい記録磁界及び消去磁界でデ−タの記録及び消去
が可能となり、さらに保存デ−タの劣化のない媒体であ
ることが判る。また、デ−タの記録及び消去時の外部印
加磁界が200(Oe)) 以下となるため、印加磁界の
方向転換が高速で行うことが可能となり、オ−バ−ライ
ト媒体としての適用も可能である。尚、記録膜の組成や
Al合金の組成及び媒体の各々の層厚は上述のものに限
定されるものではなく、所望の記録再生特性に応じて適
宜選択され、これらに対しても同様の効果があることは
言うまでもない。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光磁気記
録媒体及びその製造方法は、記録膜層形成前に、SiN
から成る第1の誘電体層を、スパッタエッチング量が5
オングストローム〜20オングストロームの範囲となる
ようにスパッタエッチングして光磁気記録媒体を作製す
ることにより、従来より小さい記録磁界及び消去磁界に
おいてデ−タの記録及び消去が可能な光磁気記録媒体を
提供できる。また、上述した磁界の低減により、電磁石
の小型化が可能となり、光磁気記録媒体に情報を記録、
再生する光磁気ディスク装置の形状の小型化が期待でき
る。さらには、オ−バ−ライト媒体としての適用も可能
であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の光磁気記録媒体の基本構造
を示す断面図である。
【図2】本実施例の光磁気記録媒体の最小記録磁界及び
最小消去磁界のスパッタエッチング層厚依存性を示す図
である。
【図3】本実施例の光磁気記録媒体の保存デ−タの劣化
状態をCN比の低下量で表した図である。
【符号の説明】
1 ポリカ−ボネイト基板 2 SiNから成る第1の誘電体層 3 第1の誘電体層表面のスパッタエッチング層 4 TbFeCoTi合金膜から成る記録膜層 5 SiNから成る第2の誘電体層 6 AlTi合金膜から成る金属反射層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機樹脂基板上に、少なくとも、SiN
    からなる第1の誘電体層と、希土類金属と鉄族遷移金属
    との組合せによって作製される非晶質磁性合金からなる
    記録膜層と、SiNからなる第2の誘電体層と、AlT
    i合金からなる反射膜層とを、この順に成膜された光磁
    気記録媒体の製造方法において、前記記録膜層形成前
    に、前記第1の誘電体層をスパッタエッチングすること
    を特徴とする光磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光磁気記録媒体の製造方
    法で作製された光磁気記録媒体であって、前記第1の誘
    電体層のスパッタエッチング量が5オングストローム〜
    20オングストロームの範囲にあることを特徴とする光
    磁気記録媒体。
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