JPH066029Y2 - 液体容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、注出操作に便利な比較的大型の液体容器に関
するものである。

「従来の技術」 ビール等の液体を収納する容器として、樽を模した種々
の構成の容器が発売されている。

これ党の容器は、例えば２リットル、３リットルといっ
たようにある程度多量にビール等の液体を収納するの
で、重量の嵩むものであり、従って持ち運びに不便で注
出操作がやりにくいといった欠点が存したのである。

この点を解消するべく容器の一部に把手を突出付設する
構造の製品も発表されている。しかしながらこの種の容
器の把手は、容器の高さ方向に沿って縦に設けられてい
るので指を側方より挿入して掴むことになり、しかも容
器の重量により滑るので、把手の上端部で保持せざるを
得なくなる。

この把手の上端部で保持してぶらさげた姿勢では、容器
の重心に対して把手の上端部がかなり上位に位置するこ
とになるので、容器の姿勢はほぼ垂直に近い状態とな
り、注出操作をする際に容器自体が傾斜させにくくなる
不都合があった。

「考案が解決しようとする問題点」 本考案は、上述した従来の欠点、不都合を解消するべく
考案された液体容器であって、注出操作をし易くするこ
とを目的とする。

「問題点を解決するための手段」 本考案の液体容器は、有底筒形状の容体１の上部に組み
付けられるオーバーキャップ３と、このオーバーキャッ
プ３に取り付けられる把手８とから構成される。

オーバーキャップ３は、容体１の口筒２外周に嵌め込ま
れて容体１上部に組み付けられるが、その筒壁４の上端
は前記口筒２の上端とほぼ同一高さで、筒壁４の前部上
端部に注出用切り欠き５を切り欠き形成し、後部下端外
周に、上下に貫通した組付孔を形成する一対の組付筒部
６を間隔を開けて突設した構成である。

そして把手８は、把手部９両端に、先端に嵌入片１１を
垂下設した脚部10を連設した略コ字形状であり、筒壁４
の後部下端外周に、前記把手部９を前記容体１の周方向
に沿わせて後方に突出した状態で嵌入片１１を組付筒部
６に上方から抜け出し不能に嵌め込みして組み付けられ
る。

「作用」 上述した構成にあって、容体１内に液体を収納した容器
を持ち上げるには、把手８の下方より指を挿入して把手
部９を把持することになる。

それゆえに、液体が収納された容器の重心に対し、把手
８は側方におけるやや上位に位置するので、把手８を把
持して容器を持ち上げた際に容器は把手８を支点にして
回動することになり、オーバーキャップ３の筒壁４の注
出用切り欠き５部分が前方に突き出る姿勢で容器は傾斜
する状態となる。

従ってこの状態で容器の底部を軽く支持するだけで、容
器を所望傾斜姿勢として注出操作を確実に達成すること
ができるのである。

把手８は容体１とは別体物であるので、容体１の運搬、
格納等の取扱い時には、容体１単体で取り扱うことによ
り、把手８が邪魔となることがなく、容体１の購入後の
容体１に対する把手８の取付けは、単に把手８の嵌入片
１１を容体１の組付筒部６に上方から嵌め込むだけで達
成される。

「実施例」 図示実施例で、筒壁４の後部下端外周には、上下両端が
開口した一対の組付筒部６が所定間隔をあけて一体付設
されており、この組付筒部６内に前記把手８の脚部10が
嵌入組み付きする。

すなわち脚部10は、その先端部が把手部９に平行に屈曲
されかつ下方に延出していて、前記組付筒部６内に嵌入
する嵌入片11となっており、この嵌入片11の下部両側端
には係止突片14が突設され、さらに嵌入片11の下部は下
端にかけて縦に割り溝12が設けられていて、一対の係止
片13が形成されている。

これに対して組付筒部６の内面は、下方にかけてすぼま
るテーパー面７となっており、嵌入片11を上方から嵌入
すると、テーパー面７に係止突片14がガイドされて係止
片13が弾性変形し、組付筒部６を突き抜けた状態で弾性
復帰して、係止突片14は組付筒部６下端に下方から抜け
出し不能に係止するのである。

「効果」 以上の説明から明らかなように、本考案の容器は、液体
が収納された容器の重心に対し、把手８が側方における
やや上位に位置するので、把手８で把持して容器を持ち
上げた際に、オーバーキャップ３の筒壁４の注出用切り
欠き５部分が前方に突き出る姿勢で容器を傾斜し、従っ
てこの状態で容器の底部を軽く支持するだけで、容器を
所望傾斜姿勢として注出操作を確実に達成することがで
きるのである。

また把手８は、その把手部９が容体１の周方向に沿わせ
た姿勢で組み付けられているので、指を把手８の下方か
ら引っ掛けるだけで容器を簡単に持ち上げることができ
る。

よって本考案の容器は、注出操作および持ち上げ操作が
簡単であり、形状に面白味があって成形が容易である
等、多くの優れた作用効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の斜視図である。 第２図は把手の係止部分を示す拡大断面図である。 符号の説明 １；容体、３；オーバーキャップ、４；筒壁、５；切り
欠き、８；把手、９；把手部、10；脚部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】有底筒形状の容体上部に組み付けられ、筒
   壁の前部上端部を切り欠いて注出用切り欠きを形成した
   オーバーキャップの後部下端外周に、上下に貫通した組
   付孔を形成する一対の組付筒部を間隔を開けて突設し、
   該組付筒部に、把持部両端に、先端に嵌入片を垂下設し
   た脚部を連設した略コ字形状の把手を、前記把持部を前
   記容体の周方向に沿わせた姿勢で前記嵌入片を前記組付
   筒部に上方から抜け出し不能に嵌め込み取り付けして成
   る液体容器。