JPH0660179A - カラー情報データの回復のための方法及び装置 - Google Patents

カラー情報データの回復のための方法及び装置

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JPH0660179A
JPH0660179A JP5092336A JP9233693A JPH0660179A JP H0660179 A JPH0660179 A JP H0660179A JP 5092336 A JP5092336 A JP 5092336A JP 9233693 A JP9233693 A JP 9233693A JP H0660179 A JPH0660179 A JP H0660179A
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color
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Anthony C Barkans
アンソニ・シー・バーカンス
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Hewlett Packard Co
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    • G09G5/02Control arrangements or circuits for visual indicators common to cathode-ray tube indicators and other visual indicators characterised by the way in which colour is displayed
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    • H04N19/00Methods or arrangements for coding, decoding, compressing or decompressing digital video signals
    • H04N19/90Methods or arrangements for coding, decoding, compressing or decompressing digital video signals using coding techniques not provided for in groups H04N19/10-H04N19/85, e.g. fractals
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    • G09G3/20Control arrangements or circuits, of interest only in connection with visual indicators other than cathode-ray tubes for presentation of an assembly of a number of characters, e.g. a page, by composing the assembly by combination of individual elements arranged in a matrix no fixed position being assigned to or needed to be assigned to the individual characters or partial characters
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Abstract

(57)【要約】 【目的】カラー情報データのデイザリングにより失われ
た成分を回復する。 【構成】入力カラー・データにデイザをかけて情報圧縮
してフレーム・バッファ(12)に格納する。フレーム・バ
ッファからカラー・データを取り出してフイルタをか
け、デイザにより発生したノイズを抑制することによ
り、失われたカラー・データの損失を回復する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、一般にカラー・コンピュ
ータ・グラフィックスに関するものである。とりわけ、
本発明は、コンピュータ・グラフィックス・システム
が、最初にカラー情報データを生成したときと、該シス
テムが、対応するピクセル値をフレーム・バッファに書
き込むときの間に、該システムにおいて失われる可能性
のあるカラー情報データ(損失)を回復するための方法
及び装置に関するものである。
【0002】
【発明の従来技術と問題点】コンピュータ・グラフィッ
クスの分野は、デジタル・プロセッサによるオブジェク
トのピクチャ及びモデルの生成、記憶、操作、及び、表
示に関するものである。ディスプレイのスクリーンに表
示すべきカラー信号を符号化するため、カラー・エンコ
ーダが、コンピュータ・グラフィックス及びカラー・テ
レビジョン・ディスプレイ・システムにおいて広く用い
られている。
【0003】図1には、コンピュータ・システム(不図
示)によって生成された、それぞれ、緑、赤、及び、青
のデジタル化カラー情報データが、それぞれのエンコー
ダ10R、10G、及び、10Bに入力され、別個に符
号化されて、フレーム・バッファ12に記憶される、単
純化された従来技術によるコンピュータ・グラフィック
ス・ディスプレイ・システムが示されている。本明細書
では「ピクセル値」と呼ぶ、フレーム・バッファ12に
記憶される値は、コンピュータ・システムによって最初
に生成され、エンコーダ10R、10G、及び、10B
に入力された元のカラー情報データの値に対応する。フ
レーム・バッファに記憶されたピクセル値は、ディスプ
レイ装置18における各ピクセルが発光すべき実際のカ
ラーを決定するための、カラー・ルック・アップ・テー
ブルまたはカラー・マップ14R、14G、及び、14
Bに対する索引として用いられる。ディスプレイ装置に
おける非線形性の補正のため、カラー・マップ14R、
14G、14Bに、ガンマ(γ)補正が組み込まれる場
合もある。カラー・マップ14R、14G、及び、14
Gから読み取られる結果生じるデータは、それぞれのデ
ジタル・アナログ変換器(DAC)によってアナログ電
圧に変換され、これらのアナログ電圧は、周知の技法に
従って、ディスプレイ装置18に印加される。オプショ
ンで、DACの代わりに、液晶ディスプレイ(LCD)
の駆動装置を用いることも可能である。図1における8
ビットの表示は、単なる例示であり、8ビットは一般的
ではあるが、そうでなくてもかまわない。
【0004】図1に示すタイプの従来技術によるコンピ
ュータ・グラフィックス・システムに関する問題の1つ
は、エンコーダ10R、10G、及び、10Bが、フレ
ーム・バッファ12に記憶する前に、コンピュータ・シ
ステムによって生成されるカラー情報データ(例えば、
図1に示す8ビットのRGBカラー成分)のビット長を
短縮するように、設計されている。これは、必要なフレ
ーム・バッファ12のサイズを最小にし、メモリの要求
を最小限に抑え、システムのコストを低下させるために
行われる。従来技術によるシステムの多くでは、符号化
は、各カラー成分毎に(図1の場合、RGBカラー成
分)、カラー情報データにディザリングを施し、さら
に、ディザリング法によっては、切り捨てを施して実施
される。ディザリングの結果、各ピクセル毎にカラー・
データに損失が生じる。本明細書では、オプションの切
り捨てステップを含むものとして、ディザリングの説明
を行うことがあるが、本発明はそのように限定されるも
のではなく、本発明は、切り捨てが用いられているか否
かに関係なく、任意のディザリング法を包含するもので
ある。
【0005】ディザリングは、当該技術において、周知
の技術である。例えば、J.D.Foley及びA.V
an DamのISBN:0−201−14468−
9、Fundamentals of Interac
tive ComputerGraphicsを参照さ
れたい。また、米国特許第4,959,638号も参照
されたい。一般に、ディザリングは、信号にノイズを挿
入して、その信号の量子化を行う技法である。すなわ
ち、コンピュータ・グラフィックスの場合、ディザリン
グは、各ピクセル毎に、十分に精密なカラー成分にノイ
ズ信号を加えることを意味している。新しい信号は、次
に、ある所定数のレベルまで量子化される。例えば、カ
ラー成分の十分な精度が、8ビット数で表される場合
(すなわち、カラーは、0〜255の値をとることがで
きる)、カラー成分に少量のノイズ(一般には、5ビッ
ト以下)が結合られる。この新しい値が、さらに量子化
されて、より小さい数のビット、一般には3になる。普
通用いられる量子化法の1つが、切り捨てである。この
プロセスの結果が、図19A及至図19C(後述する)
に示されており、図2(後述する)については詳細に示
されている。しかし、留意すべきは、利用可能なノイズ
関数及び量子化法は、多種多様であるという点である。
こうした方法の1つが、前述の米国特許第4,959,
638号に開示されている。また、ディザリングの重要
な特性の1つとして、各ピクセル毎に、カラーのサンプ
リングが行われるので、各ピクセル毎にフレーム・バッ
ファに記憶される値によって、それが表す十分に精密な
カラーの相応な近似が得られるという点に留意すべきで
ある。ディザリングの欠点は、ディザリング・プロセス
によって導入されるアーチファクトのため、ディザリン
グを施したイメージを見ると、視覚的に不快を覚えると
いうことである。
【0006】従って、ディザリングの機能は、数の減少
した、利用可能な輝度レベルを利用して、より広い範囲
の輝度レベルをシミュレートできるようにすることであ
る。図1の従来技術による例には、コンピュータ・シス
テムが、各カラー成分毎に、8ビットのカラー情報ワー
ドを発生し、エンコーダ10R、10Gが、R及びGカ
ラー成分について3ビットのピクセル値が得られるよう
に、ディザリング、及び、オプションで切り捨てを行
い、エンコーダ10Bが、Bカラー成分について2ビッ
トのピクセル値が得られるように、ディザリング、及
び、切り捨てを行う、典型的な場合が示されている。3
−3−2符号化として知られるこのタイプの符号化は、
当該技術において周知のところである。もう1つの例と
して、コンピュータ・システムは、同じ8ビットのRG
Bカラー成分を発生することが可能であり、エンコーダ
10R、10G、及び、10Bは、それぞれ、対応する
4ビットのピクセル値を生成することが可能である。4
−4−4符号化として知られるこのタイプの符号化も、
当該技術において周知のところである。
【0007】どちらにせよ、符号化によって、表示のた
めに利用可能なカラー数が減少することになる。符号化
前には、各カラー成分が8ビットである図1の例の場
合、符号化前に表示のために利用可能なカラーは、(2
83すなわち16,777,216存在する。符号化
後、R及びGカラー成分は、3ビットしかなく、B成分
は、2ビットしかないので、表示のために利用可能なカ
ラーは、(232×22すなわち256しかないことに
なる。符号化前における各カラー成分の長さが、同じ8
ビットである4−4−4符号化システムの場合でも、符
号化後に利用可能なカラーは、(243すなわち409
6だけしかない。ディザリングの利用によるこの利用可
能な輝度の減少によって、表示に目に見えるアーチファ
クトが生ずるようになる。
【0008】また、留意すべきは、カラー成分は、必ず
しも、RGBである必要はなく、代わりに、Yが輝度成
分、Uが青・黄差成分、及び、Vが赤・黄差成分を表
す、YUVとすることも可能である。本明細書では、従
来技術及び本発明は、RGB成分を用いるものとして説
明されているが、これは、説明のためだけであって、本
発明がこれに限定されるわけではないという点を理解し
ておくべきである。本発明には、YUV成分、あるい
は、その他の成分の利用さえも包含される。
【0009】図2には、図1に関連して説明されたディ
ザリング技法の適用、及び、この符号化技法によってい
かにアーチファクトが生じるかが示されている。とりわ
け、図2A及至図2Dには、カラー成分の1つに対する
ディザリング技法の適用が示されているが、以上から明
らかなように、この技法は、エンコーダ10R、10
G、及び、10Bのそれぞれによって、カラー成分のそ
れぞれに適用される。
【0010】図2Aには、エッジEの左側及び右側に比
較的フラットな(すなわち、カラー変化のない)カラー
・フィールドを備える仮想フレームが示されている。エ
ッジは、カラー遷移、例えば、1つ以上のRGB成分の
大きさの変化として定義される。図2Aの各ブロックに
は、対応するピクセルに関する十進法によるカラー情報
値が含まれている。図示のように、エッジEの左側にお
ける各ピクセルに対応する十進値は、4.5であり、エ
ッジEの右側における各ピクセル値に対応する十進値
は、6.75である。2進表現の場合(1/4、1/
2、及び、3/4などの四分十進値を表すのに、「2進
小数点」の右側に2つのビットしか必要としないの
で)、これらの値は、図2Aに示すように、それぞれ、
100.10、及び、110.11に変換される。
【0011】このカラー成分の仮想ディザ・マトリック
スは、図2Bに示されている。図2Bのディザ・マトリ
ックスは、それぞれ、四分十進値が示されている、4つ
のディザ・セルを備えている。当該技術の当業者には、
容易に分かるように、量子化の後、図2Aのイメージの
十進カラー成分値に対して、図2Bのディザ・マトリッ
クスを適用すると、3−3−2フォーマット・データが
得られ(2進小数点の右側のビットが、切り捨てられる
値である)、結果として、図2Cに示す2進値が生じる
ことになる。図2Dは、値が十進値で表されていること
を除けば、図2Cと同じである。従来技術の場合、ピク
セル値としてフレーム・バッファ12に記憶されるの
は、図2Cの値である。(ただし、図2Cが、B成分に
関するものである場合には、3−3−2符号化を用いる
と、各ピクセル毎に、2ビットのデータしか生じない。
従って、各ピクセル毎に、フレーム・バッファ12に
は、2ビットのB成分だけしか記憶されない)。
【0012】従って、図2Aが、例えば、10R、10
Gといったデコーダの1つに対する入力として、仮想イ
メージのカラー成分の1つを表しているのは、明らかで
ある。図2Dと図2Aを比較すると、表示すべきイメー
ジに、いかにして、なぜ、アーチファクトが生じるのか
が明らかになる。カラー・フィールドは、図2Aのエッ
ジEの左右に対し完全にフラットであるが、これは、図
2Dに示すように、ディザリング及び量子化後には、当
てはまらない。さらに重要なことは、図2Dのピクセル
値は、明らかに、図2Aにおける対応する元の値から広
範囲にわたって変動するという点である。この結果の1
つとして、、もともとフラットなカラー領域に、ディザ
リングによるアーチファクトが見受けられることにな
る。もう1つの結果として、図2Aの値によって表され
るエッジEは、その値を用いて、イメージを表示する場
合には「クリーン」であるが、図2Dのピクセル値を用
いれば、表示されるエッジEがぎざぎざに見えるか、あ
るいは、アーチフアクトを有する。
【0013】従来技術の中には、小数の記憶素子を有す
るフレーム・バッファを利用して、表示できるカラー数
を増加させようと努力するものもあった。これらのアプ
ローチは、主として、カラー圧縮及び復元に依存するも
のである。例えば、Edsun Continuous
Edge Graphics(CEG)として知れら
れる方法を具現化した、Analog Devices
のADV7148/ADV7141/ADV7146集
積回路ファミリーは、カラー符号化アルゴリズムを用い
ており、この場合、各ピクセルのカラー情報及びアルフ
ァ値は、8ビットの深さのフレーム・バッファに記憶さ
れる。これらは、カラー・マップに従って混合され、そ
の後、DACに送られる。この結果、単一のイメージ
が、各ピクセル毎に異なるカラーを含むことが可能にな
る(すなわち、単一のイメージに、1,000,000
を超える異なるカラーを表示することが可能になる)。
しかし、Edsun CEG符号化アルゴリズムは、極
めて複雑であり、新しいピクセルを更新するには、新し
いピクセルの正確な符号化のため、イメージ内において
それに先行する多くのピクセルを読み取り、復号するこ
とがしばしば必要になる。このため、Edsun CE
G法は、高速対話式グラフィックスには、うまく適合し
ない。さらに、Edsun CEG法は、単一ピクセル
に関するカラー符号化情報の一部が、いくつかのピクセ
ルにわたって記憶される可能性があり、従って、いくつ
かのウインドウ操作を極めて困難なものにするので、M
icrosoft WINDOWSのようなウインドウ
式環境にうまく適合しない。すなわち、該カラー圧縮ア
ルゴリズムは、各ピクセルのカラー・サンプルをフレー
ム・バッファ内におけるそのピクセル位置に記憶しな
い、複雑な符号化アルゴリズムを用いている。各ピクセ
ル位置におけるこのカラー・サンプルの欠如は多くのグ
ラフィックス操作を極めて困難なものにし、従って、符
号化されたフレーム・バッファを用いるシステムの対話
応答に制限を加えることになる。
【0014】
【発明の目的】本発明の目的は、符号化時に失われるカ
ラー情報のほとんどを回復することの可能な、高速であ
って、高速対話システムに適合し、ウインドウ環境に有
効である、簡単で安価なカラー回復方法及び装置によ
り、上記の問題を解消することにある。
【0015】
【発明の概要】本発明に従って失われたカラー情報を回
復するための方法には、ディザ・マトリックスの形状と
同じ形状Sを備えており、いつでも、ディザ・マトリッ
クスに存在するディザ・セルと同じ数Kのピクセル値に
またがる(処理する)フィルタを形成するステップが含
まれる。フレーム・バッファから読み取られるピクセル
値は、フィルタに通されるが、該フィルタは、特定のピ
クセルPを回復するため、そのカラー情報が探索される
場合、フィルタに包含される(すなわち、フィルタがか
けられる)ピクセル値(すなわち、形状Sの領域)を用
いて、検討下のピクセル値に関する失われた情報の少な
くとも一部を回復する。本発明の重要な特徴は、エッジ
がフィルタ内に含まれることが検出される毎に、ピクセ
ル値が通されると、有効フィルタ形状を動的に変更する
という点である。
【0016】本発明によれば、所望のピクセルPに対応
するピクセル値を含めて、形状Sの領域においてフレー
ム・バッファから読み取られるK個のピクセル値に、重
みが付与される。重要な特徴は、領域Sが表示すべきイ
メージのエッジを含んでいるか否かに基づいて、重みを
付与されるという点である。
【0017】本発明の実施例の1つによれば、当初は、
K個のピクセル値のそれぞれに、均一な重みが付与され
る。領域Sに、エッジが含まれている場合、エッジの第
1の側(すなわち、図5BのエッジEの右側)のピクセ
ルに対応するピクセル値の重みは、所望のピクセルPが
配置された、エッジの第2の側(すなわち、図5Bのエ
ッジEの左側)のピクセルに対応するピクセル値に対し
て、均等に再配分される。再配分後、エッジの第1の側
におけるピクセル値の重みは、ほぼゼロになる。次に、
K個のピクセル値は、その重みに従って合計され、合計
したピクセル値の平均値が、求められる。この結果、す
なわち、平均値は、ほとんどの場合、失われた照度デー
タの一部を含んでいる、検討下にあるピクセルPに用い
られる照度値である。
【0018】本発明の第2の実施例によれば、K個のピ
クセル値のそれぞれには、当初、均一な離散的単位重み
が付与される。エッジが、領域Sに含まれる場合、エッ
ジの第1の側におけるピクセルに対応するピクセル値の
離散的重み単位が、エッジの第2の側におけるピクセル
に対応するピクセル値の少なくともいくつかに対して、
離散的単位で再配分される。再配分後、エッジの第1の
側におけるピクセルに対応するピクセル値の重みは、や
はり、ほぼゼロになる。任意のフレームに関して、その
フレームの全てのピクセル値が処理されるまで、該フレ
ームの各ピクセル毎に(すなわち、該ピクセルに対応す
るピクセル値のそれぞれについて)、このプロセスが反
復される。上述のプロセスによって、符号化前に、コン
ピュータ・システムによって得られる元の値とほぼ同様
の、イメージ内における全てのピクセル値に関する値が
生成される。
【0019】
【発明の実施例】本発明によれば、失われたカラー情報
を回復するため、フレーム・バッファからフレーム・バ
ッファに記憶されたピクセル値のグループが読み取ら
れ、後述のフィルタによって、フィルタリングが施され
る。本発明のフィルタは、固有の特性、すなわち、フレ
ーム・バッファに記憶されたピクセル値の符号化に用い
られるディザ・マトリックスの形状と同様の実効形状S
を備えていることが望ましい。該フィルタは、もう1つ
の特性を備える、すなわち、いつでも、フレーム・バッ
ファから読み取られる、ディザ・マトリックスに存在す
るディザ・セルと、少なくとも同じ数Kのピクセル値を
処理する(包含する)ことが望ましい。従って、失われ
た情報データを回復するため、本発明のフィルタが、図
2Cの例に適用されることになる場合、フィルタは、図
2Bに示すディザ・マトリックスと同じサイズ及び形状
を備え、いつでも、フレーム・バッファからの少なくと
も4つのピクセル値を処理する(包含する)。
【0020】概念的な観点に立つと、本発明のフィルタ
は、フレーム・バッファに渉って索引がつけられた、デ
ィザ・マトリックスと同じ形状を備える、形状Sの領域
とみなすことが可能であり、任意の時間にそれによって
包含されるK個のピクセル値は、選択されたピクセルP
に関するカラー情報を回復するために処理を受けるピク
セル値である。この概念は、図3A及至図3Fに示され
ているが、理解しておくべきは、現実の実施例の場合、
フィルタ自体に、フレーム・バッファに渉って索引が付
けられているわけではなく、フレーム・バッファからピ
クセル値が読み取られて、フィルタに通されるというこ
とである。望ましい実施例の場合、フレーム・バッファ
に記憶されているピクセル値の現在の走査線と先行する
走査線が、フィルタに通され、形状Sの領域が、現在の
走査線と先行する走査線の両方の一部を包含し、K個の
ピクセル値は、前記両方からのものになる。従って、2
つの走査線におけるピクセル値は、形状Sの順次領域に
渉って、現在の走査線と先行する走査線に順次索引を付
け、各索引付け毎に、包含されるK個のピクセル値に処
理を施す形で、処理される。一方の側からもう一方の側
まで索引付けを終えると、次の走査線が読み取られ、全
データ・フレーム(ピクセル値)の処理が済むまで、こ
のプロセスが繰り返される。新しい走査線は、処理され
ると、次の走査線と共に利用できるように、走査線バッ
ファに保持される。走査線バッファに保持することによ
って、標準的なやり方で、ピクセル・データをフレーム
・バッファから読み取ることが可能になる。フレーム・
バッファの非標準的な読み取りは、x方向とy方向の両
方において、同時にフレーム・バッファの読み取りを行
う場合に利用することができる。
【0021】本書に開示の両方の実施例における目的
は、コンピュータによって最初に得られたカラー・デー
タを十分な精度で回復することにある。理解しておくべ
きは、両方の実施例とも、この目的を達成しようとする
ものであるが、第1の実施例は、これにより適している
ものの、高速論理アプリケーションにはうまく適応でき
ないという点である。第2の実施例は、第1の実施例に
近づこうとするものの、幾分か該目的に対する適応性で
劣るが、高速論理アプリケーションについては、はるか
に適している。フラットなカラー・フィールド(すなわ
ち、エッジがない)に適用される場合、両方の実施例と
も、ほぼ同じ結果を生じる。フィルタにエッジが包含さ
れる場合、既述のように、第2の実施例は第1の実施例
の近似であるため、2つの実施例は、わずかに異なる結
果を生じる可能性がある。
【0022】本発明の第1の実施例(即ち「平均法」)
によれば、フィルタの領域Sにおける各ピクセル毎に、
重みが割り当てられ、その重みに従って、ピクセル値が
合計され、その合計から平均値が計算される。結果は、
所望の特定のピクセルPに割り当てられる。フィルタ
が、フラットなカラー・フィールドを表したピクセル値
を横切る時、各ピクセル値に割り当てられる重みは、
「1」である。(留意すべきは、「1」は、単に単純化
するために重みとして選択されただけであって、本発明
は、これに限定されるわけではないということである。
領域Sにおける各ピクセル値に最初に付与される値が、
ほぼ等しくなるように最適にセットされている限り、任
意の重みを選択することが可能である。)従って、こう
した場合に、所望の特定のピクセル値に割り当てられる
値は、その時点において、フィルタに包含されるピクセ
ル値の平均になる。一方、フィルタが、エッジを包含し
ている場合、個々のピクセル値に割り当てられる重み
は、後述するように、再配分され、再配分された重みに
従って、平均が求められる。
【0023】図3A及至図3Fには、図2Dの例示のピ
クセル値(フレーム・バッファに記憶されている)に対
する形状2×2(すなわち、図2Bのディザ・マトリッ
クスと同じサイズ及び形状を備えている)のフィルタF
の適用が示されている。図3Aに示すように、フィルタ
Fは、当初、フレーム・バッファの第1と第2の走査線
S1、S2に最初の2つのピクセル値を包含している。
従って、フィルタは、K個のピクセル値(すなわち、
4)を備える領域S(すなわち、2×2)を包含してい
るが、ここで、Sは、図2Bのディザ・マトリックスの
形状と同じであり、ディザ・マトリックスに存在するセ
ルと同じ数のピクセル値を包含している。所望の特定の
ピクセルは、Pで表示されている。従って、フィルタF
も、所望のピクセルPを包含している。
【0024】図2Dを参照すると、図3Aに示す位置に
ある時、フィルタFに包含されるピクセル値は、それぞ
れ、4、5(S1)及び5、4(S2)である。また、
図3Aから分かるように、この時点では、フィルタFに
エッジは包含されていない。フィルタFに包含される各
ピクセル値には、均等な重み、すなわち、「1」が付与
され、エッジが存在しないので、これらの値の合計をそ
のまま計算することができる。この合計値が18になる
のは、明らかである。この合計の平均は、18/4、す
なわち、4.5である。平均値が、所望のピクセルPに
関する図2Aからの元の値と同一である。こうして、こ
のピクセルに関して失われたカラー情報が回復したこと
になる。
【0025】フィルタFには、ピクセル値1つ分だけ右
に索引が付けられ、図3Bに示すように、元のピクセル
値4.5をもう1度回復し、図3Cに示すように、元の
ピクセル値4.5をもう1度回復するため、プロセスが
繰り返される。次に、フィルタFに対し、図3Dに示す
位置に索引が付けられると、図3Dに示すように、フィ
ルタには、イメージ内のエッジEが包含される。
【0026】図3A、図3B、及び、図3Cに用いられ
ているフィルタFは、図4Aに示すように概略を表すこ
とができるが、この場合、各ピクセル値毎に、均一な重
み、すなわち、「1」を加えることによって、所望のピ
クセルPに関する合計値及び平均値が計算される。しか
し、フィルタFがエッジE(例えば、図3E)を包含す
る場合、これまで述べてきたように合計及び平均値を計
算することによって、選択されたピクセルPに関してエ
ラー値が生じる。例えば、均一な重み付け(すなわち、
図4Aの重み配分)を利用して、図3EのピクセルPの
合計及び平均値を計算する場合、結果は、合計が22、
平均が22/4=5.5になる。図2Aの対応する値と
照合すると、この結果が、単なるエラーというだけでは
なく、元の値4.5から大幅に異なっていることが分か
る。
【0027】本発明によれば、図3Dに示すように、フ
ィルタにエッジが包含される場合、エッジの、ピクセル
値の配置された(検討下にある特定のピクセルPに対し
て)側に基づいて、ピクセル値に重みが付与される。図
3Dの場合、検討下にあるピクセルPが、エッジEの左
側にある。エッジの右側における2つのピクセル値に
は、「ゼロ」の重みが付与される。左側における2つの
ピクセル値に、重み「1」が付与される。これらの重み
を考慮すると、ピクセル値の合計は、9であり、平均
は、9/2=4.5である。図2Aから明らかなよう
に、この特定の例の場合、これは、ちょうど、図3Dに
おける検討下にあるピクセルPの元の値である。留意す
べきは、この例は、高いエッジ検出感度を示す、すなわ
ち、エッジ検出によって、図2Dに示すカラー値5及び
6を備えたピクセル間のエッジが検出されるということ
である。一方、適応性が劣るエッジ検出では、図2Dか
らのカラー値5及び6が、エッジを示すということを検
出することができず、こうした場合、計算に、カラー値
6も含まれ、図3Dにおける検討下のピクセルPに関し
て、平均が(5+4+6)/3=5になる可能性があ
る。従って、第1の実施例の場合、ピクセル値を考慮に
入れる際、付与される重みの利用が必要になるのは明ら
かである。すなわち、平均を有効に計算するため、重み
の再配分が有効に行われる。
【0028】図3Eの場合、フィルタには、エッジが包
含されていないので、合計(及び平均)は、図3A及至
図3Cのように計算される。
【0029】図3Fには、本発明を適用しても、図2A
からの元のピクセル値が正確に回復しない例が示されて
いる。図3Fの場合、フィルタの索引付けは、走査線の
最後の位置(すなわち、イメージのエッジ)において行
われる。それによって、回復値は7になるが、図2Aか
らの対応する値は、6.75である。回復されるピクセ
ル値は、正確ではないが、妥当なサンプルとして、ピク
セルPにおけるカラー・サンプルに依存しているので、
近い値である。
【0030】本発明の第1の実施例の適用を考慮するも
う1つの方法は、下記の通りである。図3Dにおけるよ
うに、フィルタに、エッジが包含されている場合、エッ
ジを境界として、ピクセルPの反対側のピクセル値は、
ピクセルPと同じ側のピクセル値に均等に再配分され
る。従って、図3Dの例では、エッジEの右側における
ピクセル値の重みは、エッジEの左側におけるピクセル
値に均等に再配分されるので、再配分が済むと、エッジ
Eの右側におけるピクセル値は、重みがゼロである。再
配分後、エッジEの左側における2つのピクセル値は、
それぞれ、重みが「1」であるが、後述のように、平均
を計算するための除数の大きさが減少するので、これら
の重みは、以前より重要度が高くなる。重みの再配分後
における、こうして適用される有効フィルタの概略が、
図4Bに示されているが、本質的に、再配分の説明のた
め、有効フィルタ形状が変更されている。次に、新しい
重みを利用して、フィルタに包含されるピクセル値の重
み付き合計の計算が行われる。従って、図3Dの場合、
図2Dの対応するピクセル値の重み付き合計は:(1×
5)+(1×4)+(0×6)+(0×7)=9。平均
は、9/2=4.5。
【0031】図5A及び図5Bには、この概念を考察す
る別の方法が図解されている。説明のため、図5A及び
図5BのフィルタF´は、図3A及至図3Fに関連して
用いられるフィルタよりも大きい。図5Aのフィルタ
は、カラー・フィールドがフラットである場合、すなわ
ち、エッジに出くわさない場合、図3A及至図3Cに関
連して解説のように適用される。図示のように、まず、
「1」の重みが、各ピクセル値に付与される。しかし、
図5Bに示すように、エッジEに出くわす場合、エッジ
Eの右側(すなわち、所望のピクセルPの反対側)のピ
クセル値に当初付与された重みが、エッジEの左側のピ
クセル値に均等に配分される。従って、図5Bのフィル
タ形状は、2単位の重みを除去することによって有効に
変更されている。従って、再配分後の残りの6つのピク
セル値は、それぞれ、全重みの1/6を占めるが、再配
分前は、それぞれ、全重みの1/8を占めていたので、
各ピクセル値は、以前より重要度が高くなる。検討下の
ピクセルPに関する値は、さらに、前述のように計算さ
れる。
【0032】前述のように、フィルタの索引付けは、全
てのピクセル値が上述のように処理を受けるまで、走査
線毎に、フレーム・バッファを介して実施される(実際
には、フレーム・バッファからピクセル値が読み取ら
れ、フィルタに通される)。図2A及至図2D及び図3
A及至図3Fの例から分かるように、関連して解説した
ピクセル値の処理によって、ディザリングの後、及び、
フレーム・バッファに対する記憶前に失われた2つのビ
ットが回復する。すなわち、2進少数点の後の2つの2
進数(図2A)が、回復する。概して、回復可能なビッ
トの最大数は、フィルタ・サイズに直接関連しているこ
とが分かった。とりわけ、少なくとも2Nのピクセル値
を包含するサイズ/形状を備えたフィルタは、N個のビ
ットまで回復可能である。もちろん、前述のように、フ
ィルタのサイズ/形状は、ディザ・マトリックスのサイ
ズ/形状と同じであることが望ましい。故に、フィルタ
のサイズ/形状、従って、回復可能な最大ビット数を決
定するのはディザ・マトリックスサイズ/形状というこ
とになる。図3A及至図3Fの例の場合、フィルタは、
4すなわち22のピクセル値を包含するので、回復可能
なビットの最大数は、2である。図5AのフィルタF´
は、8すなわち23のピクセル値を包含するので、3つ
までのビットを回復することができる。理解しておくべ
きは、フィルタは、2Nのピクセル値を包含することが
可能であるが、回復可能な最大ビット数は、Nである。
【0033】従って、要約すると、本発明の第1の実施
例には、下記のステップが含まれる: (1)ディザリ
ング技法を利用して、ピクセル毎に、コンピュータによ
って生成されるカラー情報データ(例えば、図2Aのデ
ータ)にディザリングを施す。しかしながら、既述のよ
うに、ディザ・マトリックスは、フィルタが適用される
領域と同じ実効形状/サイズを備えていることが望まし
く、ディザ・マトリックス(従って、フィルタ)のサイ
ズは、回復すべき追加ビット数、従って、追加カラー数
を支援するのに十分なピクセル値を包含しなければなら
ない。例えば、5つの追加ビットを回復(すなわち、3
−3−2のフレーム・バッファから8−8−7のイメー
ジを回復)するには、ディザ・マトリックスは、25
なわち32のディザ・セルを含まなければならない。8
−8−7のイメージは、223すなわち800万を超える
カラーを生じることになる。ディザ・マトリックスがフ
ィルタ領域と同じ実効形状を備えなければならないとい
う要件は、この2つが網状で整列されることを意味する
ものではないという点に留意されたい。それは、単に、
例えば、フィルタが、4×8のピクセル値形状を備える
領域を包含する場合、ディザ・マトリックスも、4×8
の形状を備えるべきであるということを意味するだけで
ある。
【0034】(2)エッジ検出を実施し、エッジがフィ
ルタに包含されるか否かによる、ピクセル値のフィルタ
リングを施す。フィルタは、フレーム・バッファから読
み取られるデータ内のエッジを検出できなければならな
いという点に留意されたい。エッジの検出については、
後述する。従って、フィルタ形状は、上述のように、エ
ッジを処理するため、動的に変更される。
【0035】(3)上述のように、付与された重みに基
づき、エッジに関して、所望のピクセルと同じ側のピク
セル値だけを用いて、合計を計算する。
【0036】(4)前記合計の計算に用いられたピクセ
ル数でピクセル値の合計を割る。
【0037】図6には、ブロック図の形式で、図1のタ
イプのコンピュータ・グラフィックス・システムに関連
した本発明のハードウェアの実施例が示されている。図
示のように、コンピュータによって生成されたカラー・
データは、複数のディザ回路10R´、10G´、10
B´に加えられる。これらは、製図プロセッサ24の一
部として組み込むことができる。図示のように、S形状
のディザ・マトリックスは、ディザリングに用いられ
る。フレーム・バッファ12´には、ディザリングを施
された量子化データが記憶される。データは、走査線毎
にフレーム・バッファ12´から読み取られ、エッジ検
出回路18R、18G、及び、18Bに加えられる。走
査線のRGB成分は、走査線バッファ17R、17G、
17Bのそれぞれに記憶され、そのそれぞれのエッジ検
出器に供給される。エッジ検出回路の機能は、エッジが
フィルタによって検討下にある走査線の現在の部分に包
含されているか否かを判定することである。エッジ検出
回路の出力は、ANDゲート19を介して、上述の(ま
たは後述の)ように機能するそれぞれの動的フィルタ2
0R、20G、20Bに送られる。ANDゲート19
は、R、G、Bの3つのチャネル全てに関するエッジ検
出を結合て、エッジ検出を強化する。動的フィルタ20
R、20G、20Bは、また、それぞれのエッジ検出回
路に加えられた走査線の同じ部分(ピクセル値)を受信
する。回復されるカラー・データを有するピクセル値で
ある、動的フィルタ20R、20G、20Bのフィルタ
の出力は、図1のカラー・マップ14R、14G、14
Bと同じ機能を果たすカラー・マップ14R´、14G
´、14B´のそれぞれに供給することができる。カラ
ー・マップ14R´、14G´、14B´には、周知の
ガンマ補正機能、あるいは、ディザリングによって生じ
るわずかなカラー・エラーを補正する機能のような、オ
プションのカラー補正機能を含めることも可能である。
留意すべきは、カラー・マップ14R´、14G´、1
4B´が、オプションであるということである。カラー
・マップ14R´、14G´、14B´の出力(送り出
される場合)は、ディスプレイ装置を駆動するためのデ
ジタル・アナログ変換器16R´、16G´、16B´
のそれぞれに加えられる。
【0038】図示のように、データは、フレーム・バッ
ファ12´及び走査線バッファ17R、17G、17B
に読み込まれ、そこから読み出される。走査線バッファ
17R、17G、17B、エッジ検出回路18R、18
G、18B、及び、動的フィルタ20R、20G、20
Bは、タイミング回路構成要素25によって加えられる
タイミング信号に従って動作する。本発明の実施例の1
つでは、エッジ検出回路18R、18G、18B、走査
線バッファ17R、17G、17B、動的フィルタ20
R、20G、20B、カラー・マップ14R´、14G
´、14B´、及び、デジタル・アナログ変換器16R
´、16G´、16B´は、製図プロセッサ24から遠
隔の単一の集積回路に組み込むことが可能であるが、こ
れは、必要ではない、すなわち、同じチップに集積化す
ることも可能である。
【0039】図7は、図6の部分22を実現するための
ハードウェア実施例の1つを表したブロック図である。
図示のように、現在の走査線に関する3−3−2のフォ
ーマット・データが、フレーム・バッファ12から走査
線バッファ30に読み取られる。従って、前述のよう
に、現在の走査線及び先行する走査線を利用して処理を
行うことが可能である。ブロック34では、エッジがフ
ィルタ領域内に包含されているか否かを判定する機能を
実施する。これは、隣接するピクセル値間における差と
しきい値を単純に比較することで実施してよい。(注
記:エッジ検出の感度は、ディザリング量子化に依存す
る。エッジを示す変化の大きさがディザ・ノイズによっ
て失われた場合、エッジを検出することができない。し
かし、カラー・データが、Nビットに量子化される場
合、エッジ検出は、本書に開示の増感エッジ検出法を利
用して、N+1ビットまで検知することが可能であ
る。)ブロック36は、ブロック34と通信し、エッジ
の、所望のピクセルPと同じ側にあることが分かったピ
クセル値の数のカウントを維持する。加算器であるブロ
ック38(すなわち、本書に開示の実施例の1つの場
合、加算器のツリー)は、エッジの、所望のピクセルP
と同じ側にあることが分かったピクセル値の全てを合計
する。ブロック38からの加算結果、及び、ブロック3
6からのカウントの結果は、割算回路40に加えられ、
前述のように割算が実施されて、検討下のピクセルに関
する平均値が得られる。これは、前述のように、カラー
・マップ14に、続いて、DAC16に加えれる。
【0040】図8A及び図8Bは、本発明の方法の第1
の実施例を表すフロー・チャートである。留意すべき
は、ステップ68、72、及び、86を除けば、図8A
及び8Bのフロー・チャートにも、本発明の第2の実施
例が一般的に示されているという点である。ステップ5
0において、形状Sのディザ・マトリックスが定義され
る。次に、ステップ52に示すように、ディザ・マトリ
ックスと同じサイズ及び実効形状のフィルタが、形成さ
れるが、該フィルタのセッティングは、当初、それに包
含する各ピクセル値に、等しい単位重み、例えば、
「1」が付与されるように行われる。ステップ54及び
56に示すように、コンピュータによって生成される各
カラー成分に関するカラー情報データをステップ54で
とりだし、ステップ56で、前述のように、ディザリン
グが施され、フレーム・バッファ12´に記憶される。
所望の場合、ディザリングの前に、ピクセル値に対して
ガンマ補正を実施することも可能である。ステップ58
において、所望のピクセルPが同定される。ステップ6
0において、走査線は、フレーム・バッファ12から走
査線バッファ30及びレジスタ32に読み取られる。ス
テップ62において、フィルタは、前述のように、現在
の走査線及び先行する走査線に加えられる。ステップ6
4において、フィルタにエッジが包含されるか否かに関
する測定がおこなわれ、ステップ66において、エッジ
の有無が判定される。前述のように、これは、単に2つ
の隣接するピクセルの値の差としきい値を比較すること
によって、実施してよい。オプションの増感エッジ検出
方法については、後述する。フィルタにエッジが包含さ
れていないと判定された場合、ステップ68にすすみ、
重みはフィルタに包含される全てのピクセルに均等に配
分されたままとされる、すなわち、重みは、再配分され
ない。ステップ70において、ピクセル値は、上述のよ
うに、重み付けに従い、選択されたスケーリング法に基
づいて合計される。つぎにステップ72において、その
ピクセル値の合計は、上述のように割算されて、所望の
ピクセルPに関する平均値が求められる。
【0041】ステップ6が包含されると判定された場
合、図8Bのステップ80及至ステップ86を実施し
て、現在のピクセルPの値が計算される。まず、ステッ
プ80に示すように、エッジの、所望のピクセルPと同
じ側に、どのピクセル値が存在するかについて判定が行
われる。ステップ82において、上述の(または後述
の)ように、ピクセル値の重みに調整が加えられる(例
えば、エッジの、所望のピクセルPとは反対側における
ピクセル値の重みが、エッジの、所望のピクセルPと同
じ側におけるピクセル値に再配分される)。次に、ステ
ップ84に示すように、ピクセル値の重み付き合計が、
上述の(または後述の)ように計算され、所望のピクセ
ルPに割り当てられる。ステップ86において示すよう
に、結果得られる合計に対する割算が、上述のように実
施され、検討下のピクセルPに関する平均が求められ
る。
【0042】ステップ80、82、84、86の関連す
るステップに示す機能が完了すると、ステップ88以下
で実施される機能が、実施される。すなわち、ステップ
88において、ステップ80、82、84、または、8
6の全てのステップにおける機能が実施され、カラー情
報に関するN個までの追加ビットを備えたピクセル値
が、現在検討下にあるピクセルPに対応するピクセル値
に関して回復されている。ステップ92において、結果
は、前述のように、カラー・マップ(オプション)に通
され、さらに、DAC90、そして、ディスプレイに送
られる。その後、図3に概念が示されているように、ス
テップ92において、次のピクセルPが選択される。ス
テップ94において、フレーム・バッファの終端に達し
たか否かの判定が行われる。フレーム・バッファの終端
に達していなければ、フレーム・バッファの終端に達す
るまで、図8Aのステップ60以降が繰り返される。フ
レーム・バッファの終端に達すると、ステップ98にお
いて、フレーム・バッファの始端から図8Aのステップ
58以降が繰り返される。
【0043】本発明の実施例の1つによれば、ステップ
98の前に、すなわち、フレーム・バッファの始端から
再開する前に、オプションのステップを実施することが
できる。このオプションのステップは、ステップ96に
示されており、本書では「時間フィルタリング」と呼ば
れる。本発明の時間フィルタリングについては、詳細を
後述する。今のところ、時間フィルタリングのオプショ
ンが使用可能になると、これによって、次のパスにおい
てフィルタが適用される走査線が交換される。これにつ
いては、以下で明らかになる。
【0044】本発明の第1の実施例の場合、エッジの、
所望のピクセルPとは反対の側にあることが分かったピ
クセル値(すなわち、エッジ比較テストに落ちたピクセ
ル値)は、その重みを、エッジの、所望のピクセルPと
同じ側にあるピクセル値に対して一様にかつ均等に配分
する。これは、ほとんどの望ましい実施例に該当する
が、その実施には、ピクセル・クロック速度で動作し、
個々のピクセル値間において均等に重みを割る割算回路
が必要になるので、かなりの費用を伴う可能性がある。
一方、第2の実施例(「合計法」)によれば、こうした
割算器は、不要である。第2の実施例によれば、エッジ
比較テストに落ちたピクセル値の重みは、第1の実施例
に比べると、やや適応性に劣るやり方で、エッジ比較テ
ストに通ったピクセル値に再配分される。
【0045】すなわち、第2の実施例によれば、エッジ
比較テストに落ちたピクセル値に対応する重みを、それ
ら通過ピクセルに対して均等かつ一様には配分する必要
はなく、それどころか、エッジ比較テストに落ちたピク
セル値の重みは、本書では「トス」と呼ぶ技法によって
配分される、すなわち、エッジ比較テストに落ちたピク
セル値に対応する重みの単位値が、通ったピクセル値に
「トス」されるだけである。この概念が、図9Aに示さ
れている。図9Aにおいて、エッジ比較テストに落ちた
ピクセル値(A及びBで表示のドット・ラインで示す)
に対応する単位重みは、通過ピクセル値(図9AにC及
びDで示す)に「トス」されるだけである。従って、両
方の実施例とも、エッジ比較テストに通ったピクセル値
の全重み(再配分後)は、同じであるが、第1の実施例
の場合、重みは、該ピクセル値の全てに均等かつ一様に
配分され(例えば、図5B)、一方、第2の実施例の場
合には、必ずしもそうなるとは限らない。
【0046】本発明の両方の実施例の望ましい実施態様
の1つによれば、ブロック22(図6、図7、及び、図
12)において、単一走査線のビデオ・データが記憶さ
れる。この結果、ディザ・セルの高さ、従って、フィル
タの高さが、2つの走査線の高さになる(すなわち、Y
方向)。すなわち、図7を参照すると、先行する走査線
データは、走査線バッファ30に記憶され、現在の走査
線データは、レジスタ32に記憶され、走査線バッファ
30に入力される。
【0047】ディスプレイに利用されるカラーが不十分
であれば、真のカラー・イメージは、マッハ・バンド効
果でアーチファクトを示す(3−3−2フォーマット・
データの場合のように)のを避けるため、そのイメージ
を表示するには、少なくとも8−8−7のカラー・デー
タを回復することが望ましい。これは、フレーム・バッ
ファ12´に記憶されたイメージが、3−3−2のフォ
ーマットによる場合、ディザ・マトリックスは、32の
セルを必要とすることを意味している(すなわち、3−
3−2から8−8−7を得るのに、5つの追加ビットが
必要になり、従って、25=32)。従って、ディザ・
マトリックスの可能性のある形状の1つは、図10に示
すように、2×16である。
【0048】図10における2×16のディザ・マトリ
ックスの場合、値は、従来技術の技法に従って、妥当な
やり方で配分されている。(図10のディザ・マトリッ
クスにおける0及至 31の十進値は、実際には、5つ
の2進法によるビットであり、これらが、当該技術にお
いて周知の方法で、8ビットのカラー・ワードに加えら
れ、オーバフローのチェックを受け、それから、切り捨
てられる。) 図10の2×16のディザ・マトリック
スが、実際には、図11に示すように、1つの2×4の
サブ・マトリックス(M1で表示)、中央の2×4のフ
ィルタ領域(xで表示)、及び、1つの2×8サブ・マ
トリックス(M2で表示)から構成される。これは、こ
の実施例の場合、重みの再配分が、中央の2×4のフィ
ルタ領域内におけるトスを利用してピクセル毎に、ま
た、M1及びM2で表示のサブ・マトリックスに包含さ
れた領域を利用してブロック毎に実施される。フラット
なフィールド全域にわたって、十分な精度のカラーの低
位ビットが回復されない場合、マッハ・バンドが、視覚
的に明らかになるので、このブロック毎の再配分は、本
明細書では、マッハ・バンド消去と呼ぶ。このブロック
毎の再配分によって、フラットなフィールド内の低位ビ
ットが回復される。エッジに近づくと、これらのブロッ
クの重みは、エッジにより近いブロックに対して再配分
されるが、この場合、重みの再配分は、ピクセル毎に行
う場合よりも有効である。ピクセル毎の重みの再配分
は、検討下にある現在のピクセルP(図11において大
文字の「X」で表された)に対応するピクセル値を包含
する、中央の2×4のフィルタ領域について実施され
る。RGB(またはYUV)成分のそれぞれが、独立し
たマトリックスを利用することができ、図11の所望の
「X」のピクセルPをより対称的に配置することが可能
である。
【0049】前述のように、本発明のもう1つの実施例
によれば、エッジに出くわすと、エッジ比較テストに落
ちたピクセル値に対応する重みが、通ったピクセル値に
トスされる。しかし、2つのエッジに出くわすと、重み
は、結局、所望のピクセルPに対応するピクセル値に送
られることになる可能性がある。所望のピクセルPに関
するピクセル値に重みが割り当てられる例が、図9B及
び図9Cに示されている。これらの図面において、2つ
のエッジE1及びE2が、フィルタ領域に包含されてい
る。図9Bには、最適とは言えない重みの「トス」が示
されており、これに対し、図9Cには、より最適に近い
「トス」が示されてる。一方、図9Cの場合、エッジ
は、ピクセル1つ分だけ離れており、図9Bの場合、エ
ッジは、ピクセル2つ分だけ離れている。従って、最適
の「トス」の実施は、各ピクセル比較テストに通った領
域の形状寸法、及び、テストに落ちた領域から均一な重
みの再配分を受ける一方で、相等しい増分で重みをトス
するという(この実施に関する)要件を維持する、該領
域の能力に依存する。(図9A及至図9Cのそれぞれに
おける8つのブロックに留意のこと。)
【0050】どちらの場合でも、重みは、エッジ比較テ
ストに通ったピクセル値に対してできるだけ均等に配分
されることが望ましい。明らかに、隣接するピクセル値
が所望のピクセルPのピクセル値に与える影響は、隣接
するピクセル値に割り当てられた重みによって決まる。
隣接するピクセル値が、所望のピクセルPのピクセル値
に対して必ず意味のある影響を及ぼすことができるよう
にするため、フィルタは、エッジ比較テストに通る領域
に対する重みの均一な配分を近似していることが望まし
い。従って、マッハ・バンドの抑制には、マトリックス
の、図10のタイプのディザ・マトリックスを用いて構
成された側(すなわち、図11のM1及びM2で表示の
部分)を用いることができる。2×4のフィルタは、3
ビットのカラー情報だけしか回復することができないの
で、3−3−2フォーマットのカラー・データで形成さ
れるイメージが、マッハ・バンドの抑制なくして、6−
6−5フォーマットのカラー・データで形成されるイメ
ージより良くなることはあり得ないという点に留意され
たい。6−6−5フォーマットのカラー・データで形成
されるイメージによって、128Kのカラーを表示する
ことができたとしても、それでも、マッハ・バンドが極
めて目立つ可能性がある。
【0051】本発明によれば、マッハ・バンドの抑制
は、下記のように行われる。中央の2×4のフィルタ領
域によって包含されるピクセル値の部分(すなわち、図
11におけるx)が、合計され、図11のM1サブ・マ
トリックスによって包含されるピクセル値の合計と比較
される。この操作は、図12のブロック110において
実施される。この操作の結果は、次に、図12のM2サ
ブ・マトリックスによって包含されるピクセル値の合計
と比較される。この操作は、図12のブロック114に
おいて実施される。中央の2×4のフィルタによって包
含されるピクセル値の全ての合計は、該領域の「カラー
値」と呼ばれる。2つの合計が近ければ(すなわち、そ
れらが、十分な精度の8ビット・カラー・ワードの最低
位ビット内にある)、該合計は、同じ表面からのものと
みなすことができる。こうした場合、中央の2×4のフ
ィルタ領域のカラー値は、マッハ・バンド消去領域(す
なわち、M1及びM2を備える部分)に対応する、図1
1のマトリックスの部分によって包含されるピクセル値
に加えることが可能である。2つの合計が、8ビットの
カラー・ワードのいくつかの低位ビット内に存在しない
場合、2つの領域(すなわち、2×4のフィルタ領域と
マッハ・バンド消去領域)の間に大きなカラー変化があ
り、2×4のフィルタ領域のカラー値が倍増される可能
性があると想定することができる。中央の2×4のフィ
ルタ領域のカラー値が倍増されると、マッハ・バンド消
去領域が中央の2×4のフィルタ領域のコピーに置き換
えられる効果が生じる。正味の効果は、2×4のフィル
タ領域によって包含される全てのピクセルの重みが、ほ
ぼ倍増されるということである。
【0052】本発明の1つの実施例によれば、マッハ・
バンド消去は、実際には2レベル・プロセスである。ま
ず、2×4のフィルタ領域によって包含されるピクセル
値が、2×4のマッハ・バンド消去領域1(すなわち、
図11のマトリックスのM1を有する部分)によって包
含されるピクセル値と比較される。この第1のレベルの
マッハ・バンド消去の合計(中央の2×4のフィルタ領
域とM1下らの最初の16の重みの合計)が、同様に、
2×8のマッハ・バンド消去領域2(すなわち、図11
のマトリックスのM2を有する部分)によって包含され
るピクセル値と比較される。
【0053】マッハ・バンド消去の最終結果は、必ず、
32の重みに相当するが、下記の形の任意の1つをとる
ことができるという点に留意されたい: (1)(中央の2×4のフィルタ領域によって包含され
るピクセル値の重み)×4、(2)(中央の2×4のフ
ィルタ領域によって包含されるピクセル値の重み×2+
第1のマッハ・バンド消去領域(M1)によって包含さ
れるピクセル値の重み)×2、(3)(中央の2×4の
フィルタ領域によって包含されるピクセル値の重み)+
(第1のマッハ・バンド消去領域(M1)によって包含
されるピクセル値の重み)+(第2のマッハ・バンド消
去領域(M2)によって包含されるピクセル値の重
み)、(4)(中央の2×4のフィルタ領域によって包
含されるピクセル値の重み)×2+(第2のマッハ・バ
ンド消去領域(M2)によって包含されるピクセル値の
重み)×2。
【0054】従って、マッハ・バンド消去領域が、重み
を再配分するため、より大まかに用いられるのは明らか
である。マッハ・バンド消去領域は、マッハ・バンドを
抑制するが、多くは、マッハ・バンドが最も良く見える
領域、すなわち、大きいフラットなカラー・フィールド
においてである。こうした場合、2×16のフィルタ全
体が、図5Aのようになる。すなわち、フィルタは、均
一になる。エッジに近づくにつれて、図9B及び図9C
に示すように、フィルタは、「崩壊」し始める。しか
し、フィルタが崩壊するので、例えば、図9Cに示すよ
うに、残りのピクセルは、できるだけ均等に配分するこ
とが望ましい。マッハ・バンド消去領域におけるピクセ
ルは、エッジ比較テストを落ちるので、廃棄されるが、
そうする場合、エッジ比較テストを通ったピクセルに対
応するピクセル値が倍増される点に留意されたい。ま
た、該テストに通ったピクセルに対応するピクセル値の
重み配分が、図9Aに示すように、不均一になる可能性
のある点に留意されたい。しかし、図9Aに示すピクセ
ル値の重み配分の倍増は、所望のピクセルPに全重みを
加える場合に比べて良好な配分になる。
【0055】要するに、本発明の目的は、十分な精度の
カラー値を回復することである。一般に8及至10ビッ
トで開始された十分な精度の値が、十分なものであると
すれば、この十分な精度のカラー値が回復すると、マッ
ハ・バンドは、見えなくなる。フィルタにエッジが包含
される場合、マッハ・バンド消去領域は、重みの配分を
より均一にする手助けをする。図12及至図18には、
再配分単位重みの「トス」法を利用し、上述のように、
マッハ・バンド消去を行う、本発明を実施したハードウ
ェア実施例の1つが示されている。すなわち、図12
は、こうしたハードウェア回路の簡略化したブロック図
であり、図13及至図18には、その実施例の詳細が示
されている。図12に示すように、走査線バッファ10
0(1024ピクセルの長さが望ましい)が設けられて
いる。走査線バッファ100に対する入力は、フレーム
・バッファ12´から読み取ったデータである。走査線
バッファ100の直列出力は、トス論理回路104に通
じる部分と、マッハ・バンド消去回路(MBK2)11
2に通じる部分を備えた、1組の縦続レジスタ102に
供給される。(MBK2 112が、上述の第2のマッ
ハ・バンド消去領域に相当する点に留意されたい。)上
述のように単位重みをトスするトス論理回路104は、
さらに、図示のように、フィルタ論理回路106及びも
う1つのマッハ・バンド消去回路(MBK1)108に
通じている。(MBK1 108が、上述の第1のマッ
ハ・バンド消去領域に相当する点に留意されたい。)フ
ィルタ論理回路106は、上述のように、ピクセル値の
重みつき合計を計算する。フィルタ論理回路106及び
MBK1 108の出力は、結合論理回路110に送ら
れる。その機能は、上述のように、中央の2×4のフィ
ルタ領域のカラー値にMBK1の値を結合することであ
る。結合論理回路110の出力及びMBK2 112の
出力は、結合論理回路114に送られる。結合論理回路
114の機能は、MBK1の値と中央の2×4のフィル
タ領域のカラー値との結合結果に、MBK2の値を結合
することである。マッハ・バンド抑制に所望のピクセル
の最終値である結合論理回路114の出力は、カラー・
マップ14に送られる。カラー・マップ114の出力
は、上述のようにDAC16を駆動する。
【0056】図12の構成及び働きについては、図13
及至図18に関する下記の説明から明らかになる。図1
2のハードウェア・ブロック図の望ましい実施例の場
合、複数のリーフ・セルLCを用いて、トス論理回路1
04、フィルタ論理回路106、MBK1108及びM
BK2 112、及び、結合論理回路110、114が
実現される。図13に示すように、LC1で表示のタイ
プの複数のリーフ・セルを利用して、トス論理回路10
4が実現される。図17には、複数のLC1を縦続接続
して、トス論理回路104が構成される。図13を参照
すると、入力「C」は、常に、図112の部分102に
おける現在のピクセル・データ・レジスタ(「X」で表
示のレジスタ)から取り出されたデータである。入力A
及びBは、トスされる2つの入力である。Out・1及
びOut・2は、出力である。図12を検討すると、中
央の2×4のフィルタ領域を保持するレジスタ102
は、配列がやや異常であることが分かる。この配列にな
ったのは、リーフ・セルLC1のそれぞれに対する入力
が、フィルタ領域の異なる部分からのものになるためで
ある。また、図13には、用語LSSBが用いられてい
る点に留意されたい。それは、最下位ビットを意味して
いる。赤と緑のデータ・チャネルの場合、LSSBは、
データ・ワードにおける第3のビットであるが、青のデ
ータ・チャネルの場合、LSSBは、第2のビットであ
る(3−3−2フォーマットのカラー・データ)。
【0057】図13のリーフ・セルLC1の出力は、下
記のようになる(入力「C」が、所望のピクセルPに相
当する点に留意されたい):(1)Aと所望のピクセル
Pの間において、エッジが検出されなければ、Out・
1=Aであり、Bと所望のピクセルPの間において、エ
ッジが検出されなければ、Out・2=B、(2)Aと
所望のピクセルPの間において、エッジが検出される
と、Out・1=Bであり、Bと所望のピクセルPの間
において、エッジが検出されると、Out・2=A。例
えば、フィルタ領域において、単一のエッジが検出され
て、Aと所望のピクセルPの間に通されると、Out・
1及びOut・2は、Bに等しくなる。この場合の効果
として、Bにおけるピクセルの重みが倍増し、一方、A
におけるピクセルの重みは、0にセットされた。生じる
可能性のあるもう1つの場合には、2つ(以上)のエッ
ジが検出される可能性があり、少なくとも1つのエッジ
は、Aにおけるピクセルと所望のピクセルPの間に位置
し、もう1つのエッジは、Bにおけるピクセルと所望の
ピクセルPの間に通る。この場合、Out・1は、Bに
等しくなり、Out・2は、Aに等しくなる。これらの
ピクセルは、両方とも、重みが0のため、もう1つの比
較論理段が必要になる。これは、後述のリーフ・セル論
理回路LC2において得られる。
【0058】フィルタ論理回路106の構成には、複数
のLC2タイプのリーフ・セル、並びに、複数のLC3
タイプのリーフ・セルが用いられる。図14には、LC
2リーフ・セルが示され、図15には、LC3リーフ・
セルが示されている。(リーフ・セルLC3は、MBK
1及びMBK2の構成にも利用されるという点に留意さ
れたい。)図18には、複数のLC2及びLC3を縦続
接続して、フィルタ論理回路106を構成する方法が示
されている。各リーフ・セルLC2は、比較及びマルチ
プレクサ(MUX)論理回路を備えているという点で図
13のリーフ・セルLC1と似ているが、2つのデータ
入力A、B及び1つのデータ出力OUTしか備えていな
い。入力の一方Bは、必ず、現在のピクセルデータ・レ
ジスタから取り出されたものである。もう一方の入力A
は、トス論理回路104におけるLC1リーフ・セルか
らの出力である。LC2リーフ・セルの出力は、フィル
タによって包含されるエッジがない場合のトス論理回路
からの入力と、現在のピクセル・データとのいずれかに
なる。LC2リーフ・セルの目的は、既述のように、フ
ィルタに2つのエッジが包含される場合の事例にアドレ
ス指定することである。この場合、Pに付与されるピク
セル重みは、図9Bに示すようになる。
【0059】リーフ・セルLC3は、単なる加算器であ
る。加算器のビット数は、加算器のツリー(図18)に
おいて、それがどれだけ上にあるかによって決まるとい
う点に留意されたい。加算器の第1段(図18における
A1)は、各入力毎に3ビットを受信し、4ビットの応
答を出すことができる。4ビットの応答は、もう1つの
加算器段(図18のA2)に供給され、...、6ビッ
トの応答(図18のA3の出力)を受信するまで、これ
が続けられる。A3の出力は、図12にブロック106
の出力としても示されている。図18は、図112のブ
ロック106に相当する。
【0060】図16には、図12の結合論理回路を実現
するために利用されるもう1つのリーフ・セルLC4が
示されている。結合論理回路の機能は、MBK1 10
8及びMBK2 112の両方または一方の出力を検討
下のピクセルに関する最終カラー値に含めるべきか否か
の判定を行うことである。中央の2×4のフィルタ領域
からの入力が、ブロック110に示すマッハ・バンド・
消去回路1の出力と比較される。この2つが、8ビット
の応答の2つのLSB内にあれば、この2つの入力は加
算される。それらが十分に近くなければ、その出力は、
中央の2×4のフィルタ領域の値×2にセットされる。
×2の乗算は、ワイヤをシフトし、データ・フィールド
の再整列することによって実施することができるという
点に留意されたい。次に、ブロック110からの出力
が、ブロック114に示すマッハ・バンド・消去領域2
の出力と比較される。この2つが、8ビットの応答の1
つのLSB内にあれば、この2つの入力が加算される。
これらが十分に近くなければ、該出力は、ブロック11
0からブロック114への出力値の2倍になる。
【0061】図13及至図16のリーフ・セルLC1、
LC2、LC3、及び、LC4を利用することによっ
て、トス論理回路104、フィルタ論理回路106、マ
ッハ・バンド消去論理回路108、112、及び、結合
論理回路110、114を実現することができる。しか
し、留意すべきは、リーフ・セルLC1及至LC4の全
てが、データをきちんと整えるため、パイプ・ライン・
レジスタも必要とするという点である。パイプ・ライン
・レジスタ(不図示)は、リーフ・セルLC1及至LC
4のそれぞれの出力に配置される。
【0062】図17のトス論理回路図(図12のブロッ
ク図104に相当する)の入力及び出力は、図12に示
すとおりである。図12及び17に「X」で表示の現在
のピクセルに関するデータが、全てのリーフ・セルLC
1の「C」入力に送られる点に留意されたい。また、ラ
イン200で示すように、現在のピクセルに関するデー
タが、フィルタ論理回路106に通される点についても
留意されたい。さらに、中央の2×4のフィルタにおけ
る現在のピクセル「X」のすぐ上のピクセルは、フィル
タの非対称性を処理するため、やや異なる扱いを施すこ
とが可能である。現在のピクセルのすぐ上のピクセル
は、現在のピクセルの右にある両方のピクセルに関する
LC1リーフ・セルの「比較ブロック」に送ることがで
きる。この結果、現在のピクセルのすぐ上のピクセルを
3倍までカウントして、トスを有効に実施することが可
能になる。
【0063】図18のフィルタ論理回路(図12のブロ
ック106に相当する)の場合、現在のピクセル・デー
タは、全てのリーフ・セルLC2に送られる。次に、リ
ーフ・セルLC2の出力は、図18に示すように、複数
のLC3から構成された、前述の加算器のツリーに送ら
れる。
【0064】MBK1及びMBK2は、図18の加算器
のツリーと全く同様に、リーフ・セルLC3から構成さ
れた加算器のツリーにすぎない。MBK1は、図18に
示す3層と同様の3レベルの加算器から構成される。M
BK2は、4層の加算器(LC3)から構成される。
【0065】図19A及至図19Eには、本発明の重要
な特徴が示されている。すなわち、本発明のフィルタ
は、ディザリングによって空間領域に導入される視覚的
に顕著な(周波数領域における高周波成分のように明白
な)周期的ノイズを除去する働きをする方法である。図
19A及至図19Eには、3次元において実際に生じる
ものが、2次元に示されている。図19Aには、カラー
・データにディザリングを施す前における均一なカラー
・イメージ(すなわち、エッジがない原データ)がグラ
フで示されている。該イメージ内にはカラー・エッジが
ないので、周波数領域における単なる直流成分としてグ
ラフ表示されているだけである。図19Bには、ディザ
リングによってこうしたイメージに導入される周期的ノ
イズ及び高周波成分がグラフで示されている。図19A
と19Bの合計である19Cには、フレーム・バッファ
12に記憶されるイメージが示されている。従って、記
憶されるイメージは、直流成分を備えているが(フラッ
トなカラー・フィールド)、目で見える高周波ノイズが
導入されている。これが、本発明の働きがなければ、表
示されることになるものである。図19Dには、上述の
ように本発明が実施された場合の、本発明に用いられる
フィルタの重要な特性がグラフで示されている。すなわ
ち、周波数領域のグラフに最も良く示されているよう
に、フィルタは、高周波成分の1つが存在するどのポイ
ントにもゼロを有している。従って、このフィルタを用
いることによって、ディザリングによって導入された全
ての高周波成分が除去され、この結果、図19Eに示す
ようにディザリングによって導入された周期的ノイズが
キャンセルされる。
【0066】図20では、本発明の性能と他の従来技術
の性能が比較されている。すなわち、図20において
は、対話速度(x軸)対イメージの品質(y軸)の比較
が行われている。前述のEdsun CEGの方法で
は、比較的質の高いイメージが得られるが、高速対話性
に欠ける。従来の3−3−2ディザリング・イメージ・
データを利用すると、高度の高速対話性が得られるが、
イメージの質が低下する。完全な24ビット(すなわ
ち、図1におけるディザリング前に、コンピュータ・シ
ステムによって生成された元のカラー情報データ)を利
用すると、高度の高速対話性が得られ、イメージの質が
極めて高くなるが、24ビット幅のフレーム・バッファ
を必要とするので、実施すれば極めて高価なものにな
る。一方、本発明の場合、高度の高速対話性が得られ、
イメージの質が高くなるが、大形のフレーム・バッファ
を必要とせず、単純であるため、実施が安価である。
【0067】本発明のフィルタは、ディザ・マトリック
スの形状と同じ実効形状を備えたものとして説明してき
たが、本発明の精神に含まれる明らかな変更を施すこと
が可能である。例えば、基本的に、2つの32要素ディ
ザ・マトリックスであるが、最低位ビットがその間で異
なる、64要素のディザ・マトリックスについて考察す
る。本発明は、この場合、32のセル形状フィルタで機
能する。しかし、2つの32要素ディザ・マトリックス
間における差が1ビットしかないので、こうしたフィル
タは、32要素のディザ・マトリックスと「ほぼ」同じ
形状であり、こうした変更は、本発明の精神に含まれる
とみなされる。さらに、回復可能な最大ビット数は、や
はり、log232=5である。従って、本書で用いら
れているように、用語「実効形状」には、こうした変更
が包含される。理解しておくべきは、本文において、用
語「フィルタ形状」しか用いられていない場合でも、用
語「実効形状」を意図したものであるということであ
る。要するに、第1の実施例と第2の実施例の主たる差
は、検討下にあるピクセルのピクセル値を計算する方法
である。
【0068】第1の実施例の場合(平均法)、ピクセル
Pのピクセル値は、次のように計算される:Σ(k/
0) (fbdi)(Wi)/(カウント) ここで:Σ(k/0)は後続の項のピクセル番号i=0
からi=kまでの和でありfbdiはフレーム・バッフ
ァのデータ、Wiはピクセル値の重み、Kはフィルタ内
のピクセル数さらに、この場合:fbdiが、エッジ比
較テストに通ると、カウントはカウント+1で、Wi
1、その他のばあいは、Wi=0。
【0069】第2の実施例の場合(合計法)、ピクセル
Pのピクセル値は、次のように計算される: Σ(k/0)(fbdi)(Wi) この場合,fbdiが、上記のように定義されると、K
は、フィルタ内におけるピクセル数であり、Wiは、0
からKまでの整数であり、この合計Σ(k/0)Wi
は、実施例に依存した定数である。図9A及至図9Cの
場合、この定数は、常に8であったが、図12からの定
数は、32である点に留意されたい。
【0070】オプションの増感エッジ検出法について
は、既に、図8Aのステップ64に関連して説明した。
次に、該方法について述べることにする。かなり以前か
ら知られているように、フレーム・バッファに記憶され
ているピクセル値からディザ関数を引くことによって、
ピクセル毎に輝度を強化することが可能である。例え
ば、1971年12月のIEEE Transacti
ons on Communications Tec
hnology,Vol.COM−19,No.6,p
p879−888のB.Lippel及びM.Kurl
andによる「The Effect of Dith
er on Luminance Quantizat
ion of Pictures」を参照されたい。ま
た、1962年2月のIRE Trans.Infor
m.Theory,Vol.IT−8,pp145−1
54のL.G.Robertsによる「Picture
Coding Using Pseudo−Rand
om Noise」も参照されたい。簡略化のため、本
明細書では、この方法を「ディザ減算」と呼ぶことにす
る。しかし、1971年のLippel他による参考文
献には、正確なディザリング・アルゴリズムを利用すれ
ば、ピクセル毎の輝度増加は、視覚的に重要でないこと
が明らかにされている。このため、ディザ減算は、用い
られなくなった。
【0071】ディザ減算を用いることによって、エッジ
検出を強化し、エッジ強化に関してもう1つのLSBを
回復することができる。しかし、ディザ減算を実施する
場合、イメージの直流成分を保存することが重要であ
る。従って、この直流成分を保存するためには、従来技
術のディザ減算法に、多少の修正を施さなければならな
い。本発明によれば、これは、下記の形の公式を利用し
て達成される: D-1=0.5−ディザxy ここで:D-1は、逆ディザ関数であり、0.5は、直流
成分を保存するためのオフセットであり、ディザxyは、
ピクセル値に適用されるディザ関数である(0と1.0
の間の10進数値)。
【0072】図21A及至図21Fには、本発明に対す
るディザ減算の適用が示されている。簡略化のため、各
図は、フレーム・バッファに記憶されている各ピクセル
値のサイズが3ビットであるという仮定に基づいてい
る。図21Aを参照し、図21Aの「x」で示すよう
に、フレーム・バッファが、特定のピクセルに関する値
101を記憶するものと仮定する。この値が実際にどこ
から生じたものか?という疑問が生じる。図21Bに示
すように、このピクセル値は、100をほんの少し超え
る値から生じて、かなりのディザが加えられたか、ある
いは、図21Cのように、ほとんど110であって、そ
れにわずかなディザが加えられたものと思われる。
【0073】次に、図21Dに示すように、エッジEが
存在するものと仮定する。かなりのディザが加えられて
いる場合には、エッジEの左側に近いピクセルを101
としてフレーム・バッファに格納することができる。わ
ずかなディザが加えられている場合には、エッジEの右
側に近いピクセルを101としてフレーム・バッファに
格納することができる。ピクセルが101になる公算
は、ピクセルに用いられるディザ値に依存するという点
に留意されたい。また、エッジEの左側のピクセルにわ
ずかなディザが加えられると、フレーム・バッファに1
00が格納され、エッジEの右側のピクセルにかなりの
ディザが加えられると、フレーム・バッファに110が
格納されるという点に留意されたい。
【0074】次に、エッジEの右側と左側に近い2つの
ピクセルが101として保管されたものと仮定する。こ
れは、左側のピクセルには、かなりのディザが加えら
れ、右側のピクセル2には、わずかなディザが加えられ
たことを表している。Dxyを引いた後、結果は、図21
Eに示すようになる。従って、0.5のオフセットが加
えられると、2つのピクセルに与えられる最終値は、図
21Fに示すようになる。ディザ減算プロセスを完了す
ると、リーフ・セルLC1及びLC2(図13及び1
4)において実施される比較は、1LSSBよりも精密
である(すなわち、1/2LSSBすなわち1つ余分な
ビットが得られる)。図2Eの「x」によって表示され
る2つのピクセル値は、両方とも、フレーム・バッファ
に101として記憶されたとしても、その間にエッジを
備えるものとして検出される。すなわち、フレーム・バ
ッファに記憶された3−3−2データに加え、フレーム
・バッファに記憶されたピクセル値を生成するために用
いられるディザ関数を利用することによって、エッジの
検出毎に、4−4−3フォーマットによるデータの情報
を得ることが可能である。輝度データに関する公式の解
析については、前述の1962年におけるRobert
の参考文献に見ることができる。しかし、考慮しなけれ
ばならない2つの検討事項がある。第1に、ディザ減算
は、各ピクセル値の計算に用いられる実際のディザ関数
の知識を必要とするので、各ピクセル値毎に、オフセッ
トを維持しなければならない。第2に、前述のように、
イメージの直流成分を維持しなければならない。これ
は、上述の式を利用して達成される。例えば、以下で示
すディザ関数(ディザxy)の場合、この式を適用する
と、下記のようになる:ディザ xy -1 0.0 +0.5 0.25 +0.25 0.5 0 0.75 −0.25 1.0 −0.5
【0075】逆ディザD-1が、エッジの両側にあるピク
セルが101として記憶される図21Dの例に適用され
ると、図21Fに示すように、「x」で示す2つのピク
セル値に、それぞれ、110と101の間、及び、10
1と100の間の値が割り当てられる。この結果、エッ
ジEが実際にどこに位置するかの判定が強化されること
になるのは、明らかである。フラットなフィールドの輝
度は、この技法による影響を受けないという点に留意さ
れたい。
【0076】オプションの時間フィルタリング法につい
ては、図8Bのステップ96に関連して簡単に説明し
た。次に、この方法について、詳細な解説を行うことに
する。図10及び12に関連して述べたように、本発明
の実施例の1つに関連して用いられるフィルタ領域は、
「X」方向において極めて長く、「Y」方向において短
い。フィルタの対称性が高くなれば、より良好な結果が
得られるが、さらに大形の走査線バッファが必要になる
(例えば、図7におけるブロック30または図12にお
けるブロック100)。この結果、該システムの実施に
は、費用の追加が必要になるのは明らかである。本発明
の時間フィルタリング法によって、走査線バッファのサ
イズを増すことなく、フィルタの対称性が有効に高めら
れる。
【0077】本発明の時間フィルタリング法によれば、
第1のパスにおいて、前述のように、現在の走査線Nと
先行する走査線N−1のピクセル値にフィルタが適用さ
れる(図22A参照のこと)。しかし、次のパス時に
は、図22Bに示すように、現在の走査線N及び後続の
走査線N+1におけるピクセル値にフィルタが適用され
る。図22A及び22Bの場合、「X」は、所望のピク
セルP示す。すなわち、偶数フレームの場合、現在の走
査線及び先行する走査線に対して、フィルタが適用さ
れ、一方、奇数フレームの場合、現在の走査線及び後続
の走査線に対して、フィルタが適用される。もちろん、
本発明は、偶数フレームに対する先行する走査線及び奇
数フレームに対する後続の走査線の利用に制限されるも
のではなく、この2つを逆にすることも可能である。さ
らに、本発明は、これを目的とした単一の走査線バッフ
ァからのデータの利用に制限されるわけではない。この
方法を用いる効果は、より大形のフィルタ領域が用いら
れた場合と同じである。
【0078】図23には、本発明の時間フィルタリング
機能のハードウェア実施例が示されている。図23に
は、図12のブロック図に対する修正が示されている。
図示のように、MUX200が、一方では、データ入力
ラインと走査線バッファ100の間、もう一方では、図
12の論理回路の残りの部分との間に挿入される。MU
X200は、ビデオ・タイミングの制御を受けて、フィ
ルタによる処理に利用可能な走査線の配列をトグルする
だけである。従って、第1の状態にトグルされると、現
在の走査線及び先行する走査線は、それぞれ、走査線バ
ッファ100及びレジスタ102において利用可能であ
り、第2の状態にトグルされると、現在の走査線及び後
続の走査線が、それぞれ、レジスタ102及び走査線バ
ッファ100に記憶される。これが、活動フレームの開
始前に、走査線バッファにロードするタイミングを変更
して、1つの走査線を開始することによって達成される
のは、明らかである。走査線バッファに対する所望の走
査線のロードは、ブランキング期間において実施される
のが望ましい。
【0079】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の実施によ
り、ディザリングで失われた色情報が、フィルタによっ
てほとんど回復されるので、フレーム・バッファの容量
を増かさせずに高品質のイメージを高速で格納表示可能
であり、装置価格も安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術によるコンピュータ・グラフィックス
・システムのブロック図である。
【図2A】ディザリングと打ち切りによる従来技術の色
情報の符号化プロセスを説明するための図である。
【図2B】ディザリングと打ち切りによる従来技術の色
情報の符号化プロセスを説明するための図である。
【図2C】ディザリングと打ち切りによる従来技術の色
情報の符号化プロセスを説明するための図である。
【図2D】ディザリングと打ち切りによる従来技術の色
情報の符号化プロセスを説明するための図である。
【図3A】失われたカラー情報データを回復するため
に、フレーム・バッファに格納されたピクセル値に本発
明の一実施例でのフィルタをかける方法を説明するため
の1図である。
【図3B】失われたカラー情報データを回復するため
に、フレーム・バッファに格納されたピクセル値に本発
明の一実施例でのフィルタをかける方法を説明するため
の1図である。
【図3C】失われたカラー情報データを回復するため
に、フレーム・バッファに格納されたピクセル値に本発
明の一実施例でのフィルタをかける方法を説明するため
の1図である。
【図3D】失われたカラー情報データを回復するため
に、フレーム・バッファに格納されたピクセル値に本発
明の一実施例でのフィルタをかける方法を説明するため
の1図である。
【図3E】失われたカラー情報データを回復するため
に、フレーム・バッファに格納されたピクセル値に本発
明の一実施例でのフィルタをかける方法を説明するため
の1図である。
【図3F】失われたカラー情報データを回復するため
に、フレーム・バッファに格納されたピクセル値に本発
明の一実施例でのフィルタをかける方法を説明するため
の1図である。
【図4A】重みが均等に配分された本発明の一実施例で
のフィルタを説明するための図である。
【図4B】図4Aで説明されたフィルタがエッジを含
み、重みの再配分をおこなう場合を説明するための図で
ある。
【図5A】重みが均等に配分された本発明の別の実施例
でのフィルタを説明するための図である。
【図5B】図5Aのフィルタがエッジを含み、重みの再
配分をおこなう場合を説明するための図である。
【図6】本発明の一実施例に用いるハードウェアのブロ
ック図である。
【図7】図6の部分22を実現するためのハードウェア
の具体例のブロック図である。
【図8A】本発明の一実施例の方法を説明するためのフ
ローチャートである。
【図8B】本発明の一実施例の方法を説明するためのフ
ローチャートである。
【図9A】本発明の別の実施例において、エッジの検出
に応じて、本発明でのフィルタの動的調整を行う方法を
説明するための図である。
【図9B】本発明の別の実施例において、エッジの検出
に応じて、本発明でのフィルタの動的調整を行う方法を
説明するための図である。
【図9C】本発明の別の実施例において、エッジの検出
に応じて、本発明でのフィルタの動的調整を行う方法を
説明するための図である。
【図10】本発明の実施に際し、実際に用いられるディ
ザ・マトリクスの例を示す図である。
【図11】図10の形状とサイズを有するフィルタと関
連して、マッハ・バンド抑止のための部分マトリクスの
使用方法を説明するための図である。
【図12】図6の部分22を実現するためのハードウェ
アの図7とは別の具体例のブロック図である。
【図13】図12のハードウェアの詳細ブロック図であ
る。
【図14】図12のハードウェアの詳細ブロック図であ
る。
【図15】図12のハードウェアの詳細ブロック図であ
る。
【図16】図12のハードウェアの詳細ブロック図であ
る。
【図17】図12のハードウェアの詳細ブロック図であ
る。
【図18】図12のハードウェアの詳細ブロック図であ
る。
【図19A】原データの空間領域及び周波数領域におけ
るグラフである。
【図19B】ディザリング・ノイズの空間領域及び周波
数領域におけるグラフである。
【図19C】ディザをかけられた原データの空間領域及
び周波数領域におけるグラフである。
【図19D】フィルタの空間領域及び周波数領域におけ
るグラフである。
【図19E】復元データの空間領域及び周波数領域にお
けるグラフである。
【図20】本発明と従来技術とを比較するための性能比
較図である。
【図21A】本発明の実施例で用いうるエッジ検出方法
の原理を説明するための図である。
【図21B】本発明の実施例で用いうるエッジ検出方法
の原理を説明するための図である。
【図21C】本発明の実施例で用いうるエッジ検出方法
の原理を説明するための図である。
【図21D】本発明の実施例で用いうるエッジ検出方法
の原理を説明するための図である。
【図21E】本発明の実施例で用いうるエッジ検出方法
の原理を説明するための図である。
【図21F】本発明の実施例で用いうるエッジ検出方法
の原理を説明するための図である。
【図22A】本発明の実施例で用いうる時間フィルタの
原理を説明するための図である。
【図22B】本発明の実施例で用いうる時間フィルタの
原理を説明するための図である。
【図23】本発明に従って、時間フィルタを使用できる
ように図12のハードウェアを変更する方法を説明する
ための図である。
【符号の説明】
10R,10R’10G,10G’,10B,10
B’:ディザ回路 12,12’:フレーム・バッファ 14R,14R’,14G,14G’,14B,14
B’:カラーマップ/γ補正回路 16R,16R’,16G,16G’,16B,16
B’:デジタル・アナログ変換器 17R,17G,17B:走査線バッファ 18R,18G,18B:エッジ検出器 20R,20G,20B:動的フィルタ LC:リーフ・セル MBK:マッハ・バンド消去回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表示ピクセルのピクセル・データから成る
    カラー情報データにディザをかけて得られた入力データ
    にフィルタをかけて,前記ディザをかけたことによる前
    記カラー情報データの損失を回復するための後記(イ)
    及至(ニ)のステップを含むカラー情報データの回復の
    ための方法。 (イ)前記ディザをかけるためのディザ・マトリクスの
    特性を有する前記フィルタを決定するステップ,(ロ)
    所定の前記ピクセル・データに関する前記入力データの
    一部データを取り出すステップ,(ハ)前記一部データ
    内のデータ値の変化からエッジの有無を検出するステッ
    プ,(ニ)前記エッジの有無に応じて前記フィルタの特
    性を修正して,前記入力データの前記一部データに前記
    修正されたフィルタをかけて,前記損失の一部を回復し
    た前記所定のピクセル・データのデータ値を得るステッ
    プ。
  2. 【請求項2】表示ピクセル・データから成るカラー情報
    データにディザをかけて得られた入力データにフィルタ
    をかけて、前記ディザをかけたことによる前記カラー情
    報データの損失を回復するための後記(イ)及至(ハ)
    から成るカラー情報データの回復のための装置。 (イ)前記入力データを記憶するためのフレーム・バッ
    ファ,(ロ)前記フレーム・バッファに接続され、前記
    入力データの所定部分を読み出して、該所定部分のデー
    タ値の変化からエッジを検出してエッジ検出信号を出力
    するためのエッジ検出回路,(ハ)前記フレーム・バッ
    ファと前記エッジ検出回路に接続され、前記エッジ検出
    信号に応じて,前記ディザをかけるためのディザ・マト
    リックスの特性を有する前記フィルタの特性の修正をお
    こない,該修正されたフィルタを前記所定部分にかけ
    て,該所定部分に含まれる所定の前記ピクセル・データ
    のデータ値の前記損失の一部を回復して出力するための
    動的フィルタ。
JP5092336A 1992-03-27 1993-03-26 カラー情報データの回復のための方法及び装置 Pending JPH0660179A (ja)

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