JPH065976Y2 - 走行装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、走行装置に関し、コンバイン等の移動農機
の走行装置に利用できる。

従来の技術、および考案が解決しようとする問題点 従来伝動軸を一端側の軸受部から長く突設する場合は、
軸受側では少なくとも二点で軸受けし、必要な曲げ強度
を有する太さの軸とするのが一般的であるが、横方向へ
スライドするクローラに伝動する軸はクローラを回転駆
動するスプロケットを、クローラのスライドに伴ってこ
の伝動軸にスプラインを設ける等してスプライン嵌合さ
せるスプロケットの形態に設けるので、余り太い伝動軸
とすることはスプロケットのピッチ径等からしてのぞま
しくなかった。

問題点を解決するための手段 この考案は、走行フレーム（１）に対して横方向へ移動
可能の左右一対のクローラ（２）を有してこの左右一対
のクローラ（２）の轍間距離を広狭変更可能の走行装置
において、該走行フレーム（１）に装着された走行伝動
ケース（３）から横方向に突出させて該クローラ（２）
へ伝動する伝動軸（４）を、該伝動ケース（３）に一端
部を軸受させて伝動回転させる中心軸（５）と、この中
心軸（５）の突出側端部に連結して該中心軸（５）外周
面との間に間隔（イ）を設けて被嵌させた外筒軸（６）
とで構成すると共に、該伝動ケース（４）に一端を固定
して該間隔（イ）に嵌入させ該中心軸（５）と該外筒軸
（６）とを軸受する軸受筒（７）を設けてなる走行装置
の構成とする。

考案の作用、および効果 クローラ（２）を駆動回転させる伝動軸（４）に伝動す
る伝動系は、伝動ケース（３）内の、変速機構や、クラ
ッチ機構等を有した歯車伝動機構によって、その一端を
この伝動ケース（３）に軸受した中心軸（５）を伝動回
転させ、この中心軸（５）と一体的に連結した外筒軸
（６）を伝動回転させ、この外筒軸（６）の外面に例え
ばスプラインを設けて軸（６）方向にスライド可能の駆
動スプロケット等に伝動するものである。この駆動スプ
ロケット等は、走行フレーム（１）に対してクローラ
（２）が横方向へスライドするとき、これにつれて駆動
スプロケット等を外筒軸（６）に沿ってスライドさせる
もので、クローラ（２）に基部を装着して駆動スプロケ
ット等を回動自在に支持移動させる移動体を有するもの
で、これによって、伝動軸（４）を軸受する作用をさせ
ることができるものである。しかし、クローラ（２）を
スライドさせるスライド装置と、伝動軸（４）とは別個
の基部に装着されるもので、中心軸（５）や外筒軸
（６）には、駆動スプロケット等の駆動負荷による曲げ
力以外にクローラ（２）の移動にもとづく駆動スプロケ
ット等の外筒軸（６）に沿った移動に基因する曲げ力も
加わるが、伝動ケース（３）からクローラ（２）のスラ
イド移動範囲の大きさによって長く突設する中心軸
（５）や外筒軸（６）を、伝動ケース（３）に一端を固
定されて該間隔（イ）内に嵌入する軸受筒（７）が軸受
するので、中心軸（５）と外筒軸（６）とで複合構成す
る伝動軸（４）において軸受筒（７）が補強支持する作
用をなすものである。

従って伝動ケース（３）から長く突設する伝動軸（４）
を強化してクローラ（２）の所要するスライド移動距離
を比較的簡単に確保できる。

実施例 尚、図例において走行フレーム（１）は、このフレーム
（１）に固定するクローラ（２）を脚（11）によって取
付ける前後方向（ロ）の固定枠材（12）に対して前後一
対の横方向の所謂リップ溝型鋼状の断面を有した前フレ
ーム（13）と後フレーム（14）を、夫々断面の開口部を
下向きにして設けると共に、これらの突出端側を、上側
から前後方向（ロ）に連結する連結フレーム（15）を設
けて方形枠を形成し、方形に構成したスライドフレーム
（16）の前後の横方向部材に、回動自在の転輪（17）を
各複数配設したものを、該前後フレーム（13）（14）内
に嵌入し、該開口部を挟む両側のリップ部（18）を該転
輪（17）のレールとして、スライドフレーム（16）を横
方向へスライドさせる構成とすると共に、スライドフレ
ーム（16）から該前後のフレーム（13）（14）の下側開
口を通して下向きに突設した脚（19）に、該クローラ
（２）を連結固定する構成とし、スライドフレーム（1
6）と、該走行フレーム（１）の固定枠材（12）との間
に、油圧シリンダ（20）（20）を張設してスライド構成
し、これらの上部に搭載物を装着する搭載台（21）のフ
レームを形成して設けている。

クローラ（２）の履帯（９）は、エンドレスのゴム履帯
とし、外周面にラグ（22）を突設すと共に、各クローラ
（２）に巻掛した場合、その幅（ハ）の中心近傍内面
に、履帯（９）を駆動回転させる駆動スプロケット
（８）と噛合させる噛合体（23）を回転方向に沿って連
設してある。

クローラ（２）のフレーム部（10）は、角筒からなる前
後方向（ロ）に沿わせたフレーム（24）の前後方向
（ロ）の適宜間隔に、各クローラ（２）の夫々の外向き
に、複数（図例は４個）の鼓形の転輪（25）を回動自在
に枢設し、後端部には、フレーム（24）に嵌入させて出
入れ調節可能のアーム（26）に後輪（27）を枢設して履
帯（９）のテンション構成をして履帯（９）を巻掛する
構成である。

この構成の固定のクローラ（２）は、走行フレーム
（１）の該前後一対の脚（11）でフレーム（24）を連結
固定され、また、スライドするクローラ（２）は、スラ
イドフレーム（16）の脚（19）にそのフレーム（24）を
連結固定される。

伝動ケース（３）は、原動機から伝動構成される変速ギ
ヤ（28）を有した変速軸（29）から適宜の変速比で伝動
される左右のクラッチ（30）（30）を有したクラッチ軸
（31）（31）に伝動され、このクラッチ軸（31）（31）
から適宜の変速比で該中心軸（５）と他側の固定された
クローラ（２）へ伝動する伝動軸（32）とに伝動され、
中心軸（５）と伝動軸（32）とはそれぞれ軸受（33）
（33）で一端を支持されて伝動ケース（３）から突設さ
れる。この伝動ケース（３）は、搭載台（21）の前部に
装着され、固定のクローラ（２）へはホイルパイプ（3
4）を被嵌した該伝動軸（32）端に駆動スプロケット（3
5）を設けてクローラ（２）を駆動する構成とし、ホイ
ルパイプ（34）は支持脚（36）で該フレーム（24）に支
持される。

伝動軸（４）は、伝動ケース（３）内において伝動最終
段のギヤ（37）を有して該軸受（33）で支持される中心
軸（５）と、その外周面との間に間隔（イ）を設けて該
中心軸（５）端部に螺子（38）で締着されたボス部（3
9）を有した円筒の外周面にスプライン（40）を設ける
形態の外筒軸（６）を設け、この間隔（イ）内に、該伝
動ケース（３）に内側端を固定支持させた円筒状の軸受
筒（７）を挿入すると共に、軸受（47）で内側の中心軸
（５）を回動自在に支持し、軸受（48）によって外筒軸
（６）を回動自在に軸受け支持して複合構成するもの
で、該伝動ケース（３）から長く突設される中心軸
（５）および外筒軸（６）を軸受筒（７）で補強支持す
る構成である。

駆動スプロケット（８）は、そのボス部（41）を広幅に
設け、このボス部（41）に、該外筒軸（６）のスプライ
ン（40）に嵌合するスプラインを設けた内穴を設けて嵌
合させ、外筒軸（６）方向にスライド可能に構成し、ボ
ス部（41）を外側から軸受（42）で受けるハウジング部
（43）を有した軸受体（44）の脚部を、該フレーム部
（10）のフレーム（24）の前端部に螺着固定して、駆動
スプロケット（８）のボス部（41）を介して伝動軸
（４）を支持する構成とし、該ハウジング部（43）と駆
動スプロケット（８）のボス部（41）とを、該軸受（4
2）の左右にストップリング（45）（46）を設けて抜け
止め構成し、軸受体（44）の移動と共に駆動スプロケッ
ト（８）を伝動軸（４）と共に回転させながら伝動軸
（４）方向に移動させる構成にしている。軸受体（44）
のハウジング部（43）は、第４図のように駆動スプロケ
ット（８）のスライド方向内側に位置させてもよいし、
第１図のように外側に位置させてもよいものである。

走行フレーム（１）上の搭載台（21）に搭載する原動機
から適宜伝動構成される伝動ケース（３）において、変
速機（29）からクラッチ軸（31）を経由して適宜の変速
比で伝動回転させる固定されたクローラ（２）側の伝動
軸（32）の駆動スプロケット（35）によってクローラ
（２）を回転駆動させ、同時に、中心軸（５）の回転と
一体的に外筒軸（６）が伝動回転され、これによって駆
動スプロケット（８）がスライドできるクローラ（２）
の噛合体（23）と噛合して回転駆動させ、走行フレーム
（１）を前進させる。このとき油圧回路によって油圧シ
リンダ（20）（20）を伸動させると、スライドフレーム
（16）の横方向へのスライドによって、クローラ（２）
は、第４図における例えば、最内側位置（ニ）から最外
側位置（ホ）へ徐々に移動して搭載台（21）に装着する
搭載物の横方向の重量バランスを変更することができ
る。この最内側位置（ニ）から最外側位置（ホ）への移
動のとき、軸受体（44）のハウジング部（43）と共に駆
動スプロケット（８）は、外筒軸（６）に伝動回転させ
たまゝ移動する。最外側位置（ホ）にクローラ（２）が
移動位置するとき、伝動軸（４）は、その中心軸（５）
が伝動ケース（３）の軸受（33）で支持されると共に、
他側では軸受体（44）のハウジング部（43）の軸受（4
2）によってボス部（41）を介して支持されている。こ
の軸受（33）と（42）との間の距離が大きくなり、走行
フレーム（１）の走行圃場面等の凹凸があると伝動軸
（４）に曲げ力が加わる事もあるが、両軸受（33）と
（42）の中間において、軸受筒（７）が軸受（47）と
（48）とで中心軸（５）と外筒軸（６）とを補強支持し
ているので、複合構成の伝動軸（４）の強度維持効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

図は、この考案の一実施例を示すもので、第１図は平面
図、第２図はその正断面図、第３図はその一部の拡大せ
る側断面図、第４図は一部の作用を示す正断面図であ
る。 図中、符号（１）は走行フレーム、（２）はクローラ、
（３）は伝動ケース、（４）は伝動軸、（５）は中心
軸、（６）は外筒軸、（７）は軸受筒、（８）は駆動ス
プロケット、（44）は軸受体を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】走行フレーム（１）に対して横方向へ移動
   可能の左右一対のクローラ（２）を有してこの左右一対
   のクローラ（２）の轍間距離を広狭変更可能の走行装置
   において、該走行フレーム（１）に装着された走行伝動
   ケース（３）から横方向に突出させて該クローラ（２）
   へ伝動する伝動軸（４）を、該伝動ケース（３）に一端
   部を軸受させて伝動回転させる中心軸（５）と、この中
   心軸（５）の突出側端部に連結して該中心軸（５）外周
   面との間に間隔（イ）を設けて被嵌させた外筒軸（６）
   とで構成すると共に、該伝動ケース（４）に一端を固定
   して該間隔（イ）に嵌入させ該中心軸（５）と該外筒軸
   （６）とを軸受する軸受筒（７）を設けてなる走行装
   置。