JP2000118430A - 移動農機 - Google Patents

移動農機

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JP2000118430A
JP2000118430A JP10309505A JP30950598A JP2000118430A JP 2000118430 A JP2000118430 A JP 2000118430A JP 10309505 A JP10309505 A JP 10309505A JP 30950598 A JP30950598 A JP 30950598A JP 2000118430 A JP2000118430 A JP 2000118430A
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崎 晃 一 川
Masaaki Oda
田 正 明 織
Mutsumi Machida
田 睦 町
Masaya Komatsu
松 真 弥 小
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 丸形の操向ハンドルを有するコンバイン
などの移動農機において、主変速操作及び操向操作を直
進及び旋回用HSTに適正に伝える。また駐停止時にお
ける主変速の誤操作で、ステアリングコラム内部機構を
破損させたり機体を走行させるのを防止し、且つその機
構を、主変速操作及び操向操作を適正に伝えるためのメ
ンテナンスなどの、障害にならないように設ける。 【解決手段】 直進及び旋回用HSTを搭載するミッシ
ョンをサイドコラムの下方に配設する。ステアリングコ
ラムの操向操作出力部と旋回用HSTとの間の長さ調節
自在な操向操作伝達部材と、ステアリングコラムの主変
速操作出力部と直進用HSTとの間の長さ調節自在な主
変速操作伝達部材とを設け、各伝達部材の長さ調節部を
ミッション部上側に配設する。また駐車ブレーキをかけ
た時、主変速レバーを中立位置に保持又は復帰保持させ
る牽制機構を設けると共に、前記牽制機構を主変速レバ
ー支点より上部に配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば圃場の穀稈を
連続的に刈取って脱穀するコンバインなどの移動農機に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、左右走行クローラを装設したコン
バインで圃場の未刈り穀稈列に沿わせて走行移動させ乍
ら収穫作業を行うと共に、圃場枕地で前記コンバインを
方向転換させて次工程の未刈り穀稈列に移動させていた
が、エンジン出力を変速伝達するミッションケースの左
右走行出力を左右サイドクラッチを介して左右走行クロ
ーラに伝達させ、左右サイドクラッチの継断操作により
左右走行クローラの一方を一時的に停止させて旋回させ
ることにより、左右サイドクラッチ操作と走行変速操作
の両方を作業者が略同時期に行う必要があり、また圃場
枕地で方向転換するときの旋回半径が大きくなる不具合
があった。そこでエンジンの動力を各別に伝える左右油
圧無段変速機を設けて左右走行クローラを駆動すること
により、旋回時の減速並びに旋回半径の縮少などを容易
に行えるが、直進性能が低下し易く、未刈り穀稈列に沿
わせて走行移動させる操向操作が面倒になる不具合があ
った。また左右走行クローラにエンジン動力を変速伝達
する単一の油圧無段変速機構と、旋回内側の走行クロー
ラを減速しかつ旋回外側の走行クローラを増速させる油
圧無段操向機構を設けることにより、直進性能を良好に
維持でき、かつ旋回半径も容易に縮少できるが、走行速
度を高速にすることによって旋回半径が大きくなった
り、走行速度を低速にすることによって旋回半径が小さ
くなる不具合があり、例えば四輪自動車のように走行速
度に関係なく旋回半径を略一定に保つ操舵感覚を得るに
は、走行変速操作時、走行速度の変化に応じて作業者が
操舵操作量を感覚的に変更させる必要があり、直進走行
によって行う農作業時に蛇行走行させて未刈り穀稈列か
ら離れ易くなる等の取扱い上の問題がある。特に、丸形
の操向ハンドルを設ける場合、左右サイドクラッチ及び
左右サイドクラッチレバーを設ける操舵構造に比べて、
走行速度を一定維持した状態で操舵性を向上させること
ができるが、走行変速によって蛇行し易く、四輪自動車
の運転感覚での操舵を容易に行い得ず、走行変速操作及
び操向操作など運転操作性の向上並びに操縦機能の向上
などを容易に図り得ない等の問題があった。そこで当出
願人はエンジンの駆動力を左右走行クローラに伝える差
動機構と、左右走行クローラの駆動速度を無段階に変更
させる変速部材と、左右走行クローラの駆動速度の差を
無段階に変化させる操向部材を設ける移動農機におい
て、操向操作具によって回転させる操向入力軸と、変速
操作具によって回転させる変速入力軸と、変速入力軸を
変速部材に連結させる変速機構と、操向入力軸を操向部
材に連結させる操向機構を設け、変速機構動作量に比例
させて操向機構操向量を変化させるように構成し、高速
側走行変速によって操向量を自動的に拡大し、かつ低速
側走行変速によって操向量を自動的に縮少し、操向操作
具の一定量の操作によって走行速度に関係なく左右走行
クローラの旋回半径を略一定に維持し、農作業走行速度
の変更並びに作物列などに機体を沿わせる進路修正など
を容易に行う技術を開発した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の技術は、要する
に、運転席前方の丸ハンドル式のステアリングコラムに
旋回用HSTへの操向操作出力部と共に運転席側方のサ
イドコラムからの主変速操作入力部及び直進用HSTへ
の主変速操作出力部を設け、主変速操作を直接直進用H
STに伝えるのではなく、一旦ステアリングコラムに入
力して直進用HSTに伝えるようにし、ステアリングコ
ラムの内部機構によって入力された主変速操作量に比例
させて操向操作量を変化させ、その操向操作を旋回用H
STに伝えるのであるが、サイドコラムからの主変速操
作をステアリングコラムに伝える主変速操作伝達部材
と、ステアリングコラムからの主変速操作及び操向操作
を直進用HST及び旋回用HSTに伝える主変速操作伝
達部材及び操向操作伝達部材等、比較的長い操作伝達部
材が必要となり、これらの操作伝達部材を用いて適正に
主変速操作及び操向操作を伝達できないと所望の機能を
得られない。
【0004】従って、本発明は、特に丸ハンドル式のス
テアリングコラムから直進用HST及び旋回用HSTへ
の主変速操作及び操向操作を適正に伝えることができる
移動農機を提供することを目的としている。
【0005】また、駐停止時にサイドコラムの主変速レ
バーなどの主変速操作部の誤操作により、主変速操作が
ステアリングコラムに伝えられ、ステアリングコラム内
部機構を破損させたり機体を走行させるのを防止するこ
とができ、且つその機構を、上記したステアリングコラ
ムから直進用HST及び旋回用HSTへの主変速操作及
び操向操作を適正に伝えるためのメンテナンスなどの、
障害にならないように設けることができる移動農機を提
供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の移動農機は、運転席前方の丸ハンドル式のス
テアリングコラムに旋回用HSTへの操向操作出力部と
共に運転席側方のサイドコラムからの主変速操作入力部
及び直進用HSTへの主変速操作出力部を設けた移動農
機において、前記各HSTを搭載するミッションを前記
サイドコラムの下方に配設し、ステアリングコラムの操
向操作出力部と旋回用HSTとの間で操向操作を伝達す
る長さ調節自在な操向操作伝達部材と、ステアリングコ
ラムの主変速操作出力部と直進用HSTとの間で主変速
操作を伝達する長さ調節自在な主変速操作伝達部材とを
設け、各伝達部材の長さ調節部をミッション部上側に配
設する。これによってステアリングコラムとサイドコラ
ムと旋回用HST及び直進用HSTを搭載するミッショ
ンの三者を従来に比べ接近配置し、主変速操作及び操向
操作の伝達距離の短縮を図り、これら操作の伝達精度を
上げる、即ち主変速操作及び操向操作精度を上げる。ま
た主変速操作及び操向操作の各操作系やその他サイドコ
ラム内部機構に対する泥及び塵埃の付着をミッション及
びミッション部の防塵カバーなどで防止し、主変速操作
及び操向操作の伝達精度を下げる要因を減らす。さらに
ステアリングコラムから旋回用HST及び直進用HST
への操向操作伝達部材及び主変速操作伝達部材の長さ調
節を、旋回用HST及び直進用HSTの操向操作入力部
及び主変速操作入力部の状態を目視確認しながら適正に
行え、主変速操作系及び操向操作系を適正に形成し、且
つメンテナンスも簡単に行え、これらを常に適正状態に
保ち、主変速操作及び操向操作の伝達精度を上げる、即
ち主変速操作及び操向操作精度を上げる。
【0007】また、運転席前方の丸ハンドル式のステア
リングコラムに旋回用HSTへの操向操作出力部と共に
運転席側方のサイドコラムからの主変速操作入力部及び
直進用HSTへの主変速操作出力部を設けた移動農機に
おいて、前記各HSTを搭載するミッションを前記サイ
ドコラムの下方に配設し、前記ミッションに設ける駐車
ブレーキをかけた時、サイドコラムの主変速レバーを中
立位置に保持又は復帰保持させる牽制機構を設けると共
に、前記牽制機構を主変速レバー支点より上部に配設す
る。これによって駐停止時にサイドコラムの主変速レバ
ーなどの主変速操作部の誤操作を防止し、駐停止時に主
変速操作部を確実に中立位置に保持し、誤った主変速操
作がステアリングコラムに伝えられ、ステアリングコラ
ム内部機構を破損させたり機体を走行させるのを防止す
る。またステアリングコラムから旋回用HST及び直進
用HSTへの操向操作伝達部材及び主変速操作伝達部材
の長さ調節を行うためのミッションの上部空間を、前記
牽制機構によって埋めてしまうのを防止し、前記操向操
作伝達部材及び主変速操作伝達部材の長さ調節を簡単に
行え、主変速操作系及び操向操作系を適正に形成し、且
つメンテナンスも簡単に行え、これらを常に適正状態に
保ち、主変速操作及び操向操作の伝達精度を上げる、即
ち主変速操作及び操向操作精度を上げる。
【0008】また、サイドコラムの運転席側側壁又は/
及び運転台のステップ板を開閉自在に形成する。これに
よってサイドコラム内部でミッション上側の主及び副変
速操作系及び操向操作系及び駐車ブレーキ操作及び牽制
機構及びその他サイドコラム内部機構などのメンテナン
スが運転席側から簡単に行え、これらを常に適正状態に
保つ。
【0009】本願明細書中の「HST」と言う用語は、
油圧駆動装置(hydro−static trans
mission)を意味し、これは油圧を用いて動力伝
達を行うもので、まず油圧ポンプを機関で駆動し、発生
した圧力油を油圧モータに導き、動力を伝達する構造に
なっている。また速度の調節は、斜板とプランジャによ
る可変容量形ポンプを用いて油量を変化させることによ
り行う。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて詳述する。図1はコンバインの全体側面図、図2
は同平面図であり、図中(1)は左右一対の走行クロー
ラ(2)を装設するトラックフレーム、(3)は前記ト
ラックフレーム(1)に架設するシャーシフレーム、
(4)はフィードチェン(5)を左側に張架し扱胴
(6)及び処理胴(7)を内蔵している脱穀部、(8)
は刈刃(9)及び穀稈搬送機構などを備える刈取部、
(11)は刈取フレーム(12)を介して刈取部(8)
を昇降させる油圧シリンダ、(13)は排藁チェン(1
4)終端を臨ませる排藁処理部、(15)は脱穀部
(4)からの穀粒を揚穀筒(16)を介して搬入する穀
物タンク、(17)は前記タンク(15)の穀粒を機外
に搬出する排出オーガ、(18)は丸形の操向ハンドル
(19)及び運転席(20)などを備える運転台、(2
1)は運転席(20)下方に設けるエンジンであり、連
続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。
【0011】さらに、図3に示す如く、前記走行クロー
ラ(2)を駆動するミッション(22)は、1対の第1
油圧ポンプ(23)及び第1油圧モータ(24)を備え
て走行主変速用の油圧式無段変速機構を形成する直進用
HST(25)と、1対の第2油圧ポンプ(26)及び
第2油圧モータ(27)を備えて旋回用の油圧式無段変
速機構を形成する旋回用HST(28)とを備え、前記
エンジン(21)の出力軸(21a)に第1及び第2油
圧ポンプ(23)(26)の入力軸(29a)(29
b)を伝達ベルト(30a)(30b)によって連結さ
せ、前記各油圧ポンプ(23)(26)を駆動するよう
に構成している。
【0012】また、前記第1油圧モータ(24)の出力
軸(31)に、副変速機構(32)及び差動機構(3
3)を介して左右走行クローラ(2)の各駆動輪(3
4)を連動連結させるもので、前記差動機構(33)は
左右対称の1対の遊星ギヤ機構(35)を有し、各遊星
ギヤ機構(35)は1つのサンギヤ(36)と、該サン
ギヤ(36)の外周で噛合う3つのプラネタリギヤ(3
7)と、これらプラネタリギヤ(37)に噛合うリング
ギヤ(38)などで形成している。
【0013】前記プラネタリギヤ(37)はサンギヤ軸
(39)と同軸線上とのキャリヤ軸(40)のキャリヤ
(41)にそれぞれ回転自在に軸支させ、左右のサンギ
ヤ(36)(36)を挾んで左右のキャリヤ(41)を
対向配置させると共に、前記リングギヤ(38)は各プ
ラネタリギヤ(37)に噛み合う内歯(38a)を有し
てサンギヤ軸(39)とは同一軸芯上に配置させ、キャ
リヤ軸(40)に回転自在に軸支させ、キャリヤ軸(4
0)を延設して車軸を形成して駆動輪(34)を軸支さ
せている。
【0014】また、直進用HST(25)は、第1油圧
ポンプ(23)の回転斜板の角度変更調節により第1油
圧モータ(24)の正逆回転と回転数の制御を行うもの
で、第1油圧モータ(24)の回転出力を出力軸(3
1)の伝達ギヤ(42)より各ギヤ(43)(44)
(45)及び副変速機構(32)を介して、サンギヤ軸
(39)に固定したセンタギヤ(46)に伝達してサン
ギヤ(36)を回転するように構成している。前記副変
速機構(32)は、前記ギヤ(44)を有する副変速軸
(47)と、前記ギヤ(45)を介してセンタギヤ(4
6)に噛合うギヤ(48)を有する駐車ブレーキ軸(4
9)とを備え、副変速軸(47)とブレーキ軸(49)
間に各1対の低速用ギヤ(50)(51)・中速用ギヤ
(52)(53)・高速用ギヤ(54)(48)を設け
て、低中速スライダ(55)及び高速スライダ(56)
のスライド操作によって副変速の低速・中速・高速の切
換を行うように構成している。なお低速・中速間及び中
速・高速間には中立を有する。また前記ブレーキ軸(4
9)に駐車ブレーキ(57)を設けると共に、刈取部
(8)に回転力を伝達する刈取PTO軸(58)にギヤ
(59)(60)及び一方向クラッチ(61)を介して
副変速軸(47)を連結させ、刈取部(8)を車速同調
速度で駆動している。
【0015】上記のように、前記センタギヤ(46)を
介しサンギヤ軸(39)に伝達された第1油圧モータ
(24)からの駆動力を、左右の遊星ギヤ機構(35)
を介して左右キャリヤ軸(40)に伝達させると共に、
左右キャリヤ軸(40)に伝達された回転を左右の駆動
輪(34)にそれぞれ伝え、左右走行クローラ(2)を
駆動するように構成している。
【0016】さらに、旋回用HST(28)は、第2油
圧ポンプ(26)の回転斜板の角度変更調節により第2
油圧モータ(27)の正逆回転と回転数の制御を行うも
ので、操向出力ブレーキ(62)を有するブレーキ軸
(63)と、操向出力クラッチ(64)を有するクラッ
チ軸(65)と、前記の左右リングギヤ(38)の外歯
(38b)に常時噛合させる左右入力ギヤ(66)(6
7)を設け、第2油圧モータ(27)の出力軸(68)
に前記ブレーキ軸(63)及び操向出力クラッチ(6
4)を介してクラッチ軸(65)を連結させ、クラッチ
軸(65)に正転ギヤ(69)を介して右入力ギヤ(6
7)を連結させ、またクラッチ軸(65)に正転ギヤ
(69)及び逆転ギヤ(70)を介して左入力ギヤ(6
6)を連結させている。そして、副変速スライダ(5
5)(56)の中立によって前記ブレーキ(62)を入
にしかつクラッチ(64)を切にする一方、前記中立以
外の副変速出力時にブレーキ(62)を切にしかつクラ
ッチ(64)を入にし、右側のリングギヤ(38)の外
歯(38b)に正転ギヤ(69)を介してモータ(2
7)回転を伝え、また左側のリングギヤ(38)の外歯
(38b)に正転ギヤ(69)及び逆転ギヤ(70)を
介してモータ(27)回転を伝え、第2油圧モータ(2
7)を正転(逆転)時、左右同一回転数で、左リングギ
ヤ(38)を逆転(正転)させ、かつ右リングギヤ(3
8)を正転(逆転)とさせるように構成している。
【0017】而して、旋回用の第2油圧モータ(27)
を停止させて左右リングギヤ(38)を静止固定させた
状態で、直進用の第1油圧モータ(24)を駆動する
と、第1油圧モータ(24)からの回転出力はセンタギ
ヤ(46)から左右のサンギヤ(36)に同一回転数で
伝達され、左右遊星ギヤ機構(35)のプラネタリギヤ
(37)・キャリヤ(41)を介して左右の走行クロー
ラ(2)が左右同一回転方向で同一回転数によって駆動
され、機体の前後方向直進走行が行われる。一方、直進
用の第1油圧モータ(24)を停止させて左右のサンギ
ヤ(36)を静止固定させた状態で、旋回用の第2油圧
モータ(27)を正逆回転駆動すると、左側の遊星ギヤ
機構(35)が正或いは逆回転、また右側の遊星ギヤ機
構(35)が逆或いは正回転し、左右走行クローラ
(2)を逆方向に駆動し、機体を左或いは右に旋回させ
る。また、直進用の第1油圧モータ(24)を駆動させ
ながら、旋回用の第2油圧モータ(27)を駆動するこ
とにより、機体が左右に旋回して進路が修正されるもの
で、機体の旋回半径は第2油圧モータ(27)の出力回
転数によって決定される。
【0018】さらに、図1、図2及び図4乃至図7及び
図15乃至図26に示す如く、前記運転台(18)の前
部上面にステアリングコラム(71)を立設固定させ、
ステアリングコラム(71)上面上方側に操向ハンドル
(19)を縦軸回りに回転自在に設けると共に、運転台
(18)左側にサイドコラム(72)を設け、サイドコ
ラム(72)下方にミッション(22)を配設させ、主
変速レバー(73)、副変速レバー(74)、刈取クラ
ッチレバー(75)、脱穀クラッチレバー(76)など
を前記サイドコラム(72)に設ける。また前記ステア
リングコラム(71)は、アルミニウム合金鋳物を成形
加工して形成し、左右に分割自在な2つ割れ構造で複数
のボルト(77)で締結して箱形に形成している。
【0019】また、前記ステアリングコラム(71)上
部にチルト台(78)を一体形成し、チルト台(78)
に支点ボルト(79)を介してチルトブラケット(8
0)を回転自在に軸支させ、チルトレバー(81)によ
ってチルトブラケット(80)を角度調節自在に固定さ
せる。前記チルトブラケット(80)に軸ケース(8
2)下部を一体固定させ、コラム(71)上面に固定さ
せる上面カバー(83)上方に軸ケース(82)を延設
させ、軸ケース(82)内部に上ハンドル軸(84)を
回転自在に軸支させ、上ハンドル軸(84)上端に操向
ハンドル(19)を固定させ、チルトレバー(81)操
作により支点ボルト(79)回りにハンドル(19)を
前後方向に移動調節して一定位置に支持させ、ハンドル
(19)取付け位置を前後方向に調節して作業者が操作
し易い位置に固定させる。
【0020】また、前記上ハンドル軸(84)の下端部
に自在継手(85)を介して下ハンドル軸(86)上端
側を連結させ、下ハンドル軸(86)をステアリングコ
ラム(71)上部に回転自在に軸支させると共に、ステ
アリングコラム(71)上部に操向入力軸(87)上端
部を回転自在に軸支させ、下ハンドル軸(86)のギヤ
(88)と操向入力軸(87)のセクタギヤ(89)を
噛合させて各軸(86)(87)を連結させ、ステアリ
ングコラム(71)内部の略中央で上下方向に操向入力
軸(87)を延設させる。
【0021】さらに、前記ステアリングコラム(71)
の左側面で上下幅略中間に軸受部(90)を一体形成
し、変速入力軸(91)の一端部を軸受部(90)にボ
ルト(92)を介して回転自在に片持ち支持させ、変速
入力軸(91)を左右方向に略水平に軸支させると共
に、操向入力軸(87)下端に自在継手(93)を介し
て入力支点軸(94)上端側を連結させ、入力支点軸
(94)下端側を前記変速入力軸(91)に回転自在に
軸支させる。また前記入力支点軸(94)上端側に操向
入力部材(95)を固定させ、変速入力軸(91)上面
と操向入力部材(95)下面の間に変速入力部材(9
6)を挾持させ、入力支点軸(94)回りに変速入力部
材(96)を回転自在に取付けると共に、変速入力部材
(96)に着脱自在に固定させる連係ボルト(97)に
よって前記各入力部材(95)(96)を連結させ、ま
た変速入力軸(91)に設ける挾みバネ(98)の両端
を変速入力部材(96)に係止させ、変速入力部材(9
6)を前記バネ(98)によって直進中立位置に支持さ
せる。また、前記操向入力軸(87)の正逆転によって
前記各入力部材(95)(96)をバネ(98)に抗し
て略垂直な入力軸(87)芯線回りに正逆転させると共
に、前記変速入力軸(91)の正逆転によって略水平な
左右方向の入力軸(91)芯線回りに入力支点軸(9
4)及び前記各入力部材(95)(96)を前後方向に
傾動させるもので、垂直方向の操向入力軸(87)芯線
と左右水平方向の変速入力軸(91)芯線とが直角交叉
する交点に自在継手(93)を取付け、操向ハンドル
(19)の操向入力軸(87)正逆転操作により操向入
力軸(87)芯線回りに前記各入力部材(95)(9
6)を正逆転させる。
【0022】さらに、前記ステアリングコラム(71)
の下部前側にサイドコラム(72)からの主変速操作入
力部である主変速軸(99)を回転自在に軸支させ、左
右方向に略水平に横架させる主変速軸(99)の左側端
をステアリングコラム(71)の前下部側に突設させる
一方、サイドコラム(72)内部のレバー支点軸(10
5)に回転自在に支点板(106)を取付け、支点板
(106)に筒軸(107)を介して主変速レバー(7
3)基部を左右方向に揺動自在に取付け、長さ調節自在
な主変速操作伝達部材であるターンバックル(103)
付き長さ調節自在ロッド(104)及びリンク(10
1)を介しサイドコラム(72)内部で支点板(10
6)を主変速軸(99)に連結させ、主変速レバー(7
3)をレバー支点軸(105)回りに前後方向に揺動さ
せる変速操作によって主変速軸(99)を正逆転させ
る。また、ロッド形主変速部材(110)及び上下リン
ク(111)(112)を介して変速入力軸(91)に
主変速軸(99)を連結させ、主変速レバー(73)の
主変速軸(99)正逆転操作により前記各入力部材(9
5)(96)を変速入力軸(91)芯線回りに前後に傾
動させる。
【0023】さらに、筒軸形の操向出力軸(113)を
前記主変速軸(99)に回転自在に取付け、リンク形操
向出力部材(114)を操向出力軸(113)に固定さ
せると共に、ロッド形操向結合部材(115)の上端部
を前記操向入力部材(95)に自在継手形操向入力連結
部(116)を介して連結させ、球関継手形操向出力連
結部(117)を介して操向結合部材(115)の下端
部を操向出力部材(114)に連結させ、走行進路を変
更させる操向機構(118)を構成している。
【0024】さらに、前記操向出力軸(113)の上方
で該軸(113)と略平行に変速出力軸(119)をス
テアリングコラム(71)内部に回転自在に軸支させ、
リンク形変速出力部材(120)を変速出力軸(11
9)に固定させると共に、ロッド形変速結合部材(12
1)の上端部を前記変速入力部材(96)に自在継手形
変速入力連結部(122)を介して連結させ、球関継手
形変速出力連結部(123)を介して変速結合部材(1
21)の下端部を変速出力部材(120)に連結させ、
走行速度の変更並びに前後進の切換を行う変速機構(1
24)を構成している。
【0025】さらに、互に回転自在な二重軸構造の外側
の変速操作軸(125)並びに内側の操向操作軸(12
6)をステアリングコラム(71)の下部後側で左右幅
中央の軸受部(127)に回転自在に取付けるもので、
長さ調節自在な球関継手軸(128)及び変速リンク
(129)(130)を介して前記変速出力軸(11
9)に変速操作軸(125)上端部を連結させると共
に、長さ調節自在な球関継手軸(131)及び操向リン
ク(132)(133)を介して前記操向出力軸(11
3)に操向操作軸(126)上端部を連結させる。
【0026】また、前記各操作軸(125)(126)
は同一軸芯上に略垂直にステアリングコラム(71)底
部に突設させ、各操作軸(125)(126)上端部を
ステアリングコラム(71)内部に延設させて各出力軸
(113)(119)に連結させると共に、ステアリン
グコラム(71)底面下方に各操作軸(125)(12
6)下端部を突設させ、前記運転台(18)の作業者搭
乗用のステップ板(134)下面側に各操作軸(12
5)(126)下端側を延設させるもので、前記直進用
HST(25)の主変速操作入力部である第1トラニオ
ン(135)にトラニオンアーム(136)を固定さ
せ、ステアリングコラム(71)と直進用HST(2
5)との間の長さ調節自在な主変速操作伝達部材である
ターンバックル(137)付き長さ調節自在ロッド(1
38)及びリンク(139)を介してステアリングコラ
ム(71)の主変速操作出力部である前記変速操作軸
(125)下端部にトラニオンアーム(136)を連結
させ、第1トラニオン(135)の正逆転操作により第
1油圧ポンプ(23)の斜板角調節を行って第1油圧モ
ータ(24)の回転数制御及び正逆転切換を行い、走行
速度(車速)の無段階変更並びに前後進の切換を行う。
また前記旋回用HST(28)の操向操作入力部である
第2トラニオン(140)にトラニオンアーム(14
1)を固定させ、ステアリングコラム(71)と旋回用
HST(28)との間の長さ調節自在な操向操作伝達部
材であるターンバックル(142)付き長さ調節自在ロ
ッド(143)及びリンク(144)を介してステアリ
ングコラム(71)の操向操作出力部である操向操作軸
(126)下端部にトラニオンアーム(141)を連結
させ、第2トラニオン(140)の正逆転操作により第
2油圧ポンプ(26)の斜板角調節を行って第2油圧モ
ータ(27)の回転数制御及び正逆転切換を行い、操向
角度(旋回半径)の無段階変更並びに左右旋回方向の切
替を行う。
【0027】さらに、前記ステアリングコラム(71)
の右側外面にアクセルレバー(145)を前後方向回転
自在に設け、エンジン(21)にアクセルレバー(14
5)を連結させるアクセルワイヤ(146)をステアリ
ングコラム(71)前面内側に沿わせて下方から延出さ
せ、アクセルレバー(145)によってエンジン(2
1)回転数を手動調節すると共に、前記ステアリングコ
ラム(71)後面にメンテナンス窓(147)を開設さ
せ、着脱自在な蓋(148)によってメンテナンス窓
(147)を閉鎖している。
【0028】さらに、図8、図9に示す如く、前記連係
ボルト(97)を遊嵌挿通させる位相調節孔(149)
を操向入力部材(95)に開設させると共に、操向入力
軸(87)芯線を中心とする同一放射線上に複数(3
個)のネジ孔(150)を設け、前記放射線を中心に操
向入力軸(87)側を底辺とする台形に前記位相調節孔
(149)を形成するもので、直進位置の操向ハンドル
(19)を左右回転操作したとき、前記ネジ孔(15
0)に固定させた連係ボルト(97)が位相調節孔(1
49)縁に当接するまで、変速入力部材(96)を挾み
バネ(98)によって一定位置に固定させた状態で、操
向入力部材(95)だけを回転させ、走行速度を略一定
に保ち乍ら左右に旋回させて進路を修正する。そして、
連係ボルト(97)が位相調節孔(149)縁に当接し
たとき、操向ハンドル(19)をさらに同一方向に回転
操作することにより、連係ボルト(97)の連結によっ
て操向入力部材(95)と変速入力部材(96)の両方
がバネ(98)に抗して回転し、走行速度を減速させ乍
ら進路修正を行うもので、操向ハンドル(19)操作に
よって決定される旋回半径と走行速度の減速量が比例し
て変化すると共に、操向ハンドル(19)を直進位置に
戻すことにより、挾みバネ(98)によって変速入力部
材(96)が中立位置に戻され、元の走行速度に自動的
に復帰する。また、連係ボルト(97)を各ネジ孔(1
50)に付け換えることにより、位相調節孔(149)
縁に連係ボルト(97)が当接するまでの操向入力部材
(95)の回転角度が変化し、操向ハンドル(19)操
作による走行速度の減速開始時期を調整できると共に、
操向ハンドル(19)を直進支持しているとき、挾みバ
ネ(98)によって変速入力部材(96)が変速入力軸
(91)に固定され、機械振動などによって変速入力部
材(96)が遊動するのを防ぎ、変速入力部材(96)
のふらつきによって走行速度が減速変化するのを阻止し
ている。
【0029】さらに、図10乃至図14に示す如く、前
記ギヤ(88)は、270度の外周範囲に複数の歯(1
51)を形成し、90度の外周範囲を円弧(152)に
形成し、操向ハンドル(19)の全回転角度を270度
とし、左操向回転または右操向回転の角度を135度に
設定し、操向ハンドル(19)回転操作を片手で作業者
が容易に行えるように形成する。また、前記セクタギヤ
(89)は、130度の外周範囲に複数の歯(153)
を形成し、230度の外周範囲を円弧カム(154)に
形成し、前記ギヤ(88)の歯(151)とセクタギヤ
(89)の歯(153)を噛合せ、各ギヤ(88)(8
9)の最大正逆転時、前記円弧(152)両端のストッ
パ(155)と前記円弧カム(154)両端のストッパ
(156)を当接させ、操向ハンドル(19)の回転を
規制すると共に、操向入力軸(87)芯線回りに操向入
力部材(95)及び変速入力部材(96)を65度の範
囲で正転または逆転させ、各入力部材(95)が回転移
動する平面上に変速入力軸(91)及び主変速部材(1
10)上端部を配置させる空間を確保し、変速入力軸
(91)芯線上に操向入力連結部(116)を設ける構
造、並びに同一円周上で前記各入力連結部(116)
(122)を90度離間させる構造を容易に得られ、構
造のコンパクト化、設計組立の簡略化などを図れるよう
に構成している。
【0030】また、前記セクタギヤ(89)の円弧カム
(154)中央に直進ノッチ(157)を形成すると共
に、前記ステアリングコラム(71)上面壁にデテント
軸(158)を回転自在に軸支させ、デテント軸(15
8)下端部にデテントアーム(159)を固定させ、デ
テントアーム(159)にローラ軸(160)を介して
デテントローラ(161)を回転自在に軸支させ、前記
円弧カム(154)にデテントローラ(161)を当接
させ、直進ノッチ(157)に係脱自在にデテントロー
ラ(161)を係合させ、操向ハンドル(19)を直進
位置に支持させる。また、前記デテント軸(158)上
端側にデテントレバー(162)を固定させ、デテント
軸(158)に巻装させる中立バネ(163)の一端を
デテントレバー(162)に係止させ、ステアリングコ
ラム(71)の受板(164)に中立バネ(163)の
他端を当接させ、円弧カム(154)及び直進ノッチ
(157)にデテントローラ(161)を中立バネ(1
63)によって弾圧当接させている。また、操向ハンド
ル(19)の直進位置をオンオフ切換によって電気的に
検出するマイクロスイッチ型直進センサ(165)をデ
テントレバー(162)に取付けている。
【0031】そして、前記主変速レバー(73)が中立
のとき、操向ハンドル(19)の正転(逆転)操作によ
り、操向入力軸(87)芯線回りに前記各入力部材(9
5)(96)及び各結合部材(115)(121)が円
錐軌跡上で移動し、前記各出力部材(114)(12
0)及び各出力軸(113)(119)が停止した状態
が維持される。
【0032】また、主変速レバー(73)を前方(後
方)に倒す前進(後進)操作により、前記各入力部材
(95)(96)が変速入力軸(91)芯線回りに前方
(後方)に傾き、操向入力連結部(116)が一定位置
に停止した状態を維持し乍ら、変速入力連結部(12
2)を上方(下方)に移動させ、変速出力部材(12
0)の上方(下方)揺動によって変速出力軸(119)
を正転(逆転)させ、直進用HST(25)の第1油圧
ポンプ(23)の斜板角切換によって第1油圧モータ
(24)を正転(逆転)させ、第1油圧モータ(24)
の出力軸(31)の正転(逆転)によって左右走行クロ
ーラ(2)を前進(後進)駆動する。また、主変速レバ
ー(73)の倒し角に比例して出力軸(31)の回転数
が変化し、走行クローラ(2)の前進(後進)速度が無
段階に変速される。
【0033】さらに、主変速レバー(73)を前方(後
方)に倒して前進(後進)操作を行っている状態下で、
操向ハンドル(19)を左方向(右方向)に回転させる
ことにより、変速入力軸(91)芯線回りに操向入力部
材(95)が前方(後方)に傾いた姿勢で操向入力軸
(87)芯線回りに正転(逆転)し、操向入力連結部
(116)が下方(上方)に移動し、操向出力部材(1
14)の下方(上方)揺動によって操向出力軸(11
3)を正転(逆転)させ、旋回用HST(28)の第2
油圧ポンプ(26)の斜板角切換によって第2油圧モー
タ(27)を正転(逆転)させ、第2油圧モータ(2
7)の出力軸(68)の正転(逆転)により、左走行ク
ローラ(2)を減速(増速)させ、かつ右走行クローラ
(2)を増速(減速)させ、左方向(右方向)に機体を
旋回させて左方向(右方向)に進路を修正する。また、
前記の進路修正動作と同時に、操向ハンドル(19)の
左方向(右方向)回転により、変速入力軸(91)芯線
回りに変速入力部材(96)が前方(後方)に傾いた状
態で操向入力軸(87)芯線回りに正転(逆転)し、変
速入力連結部(122)が下方(上方)に移動し、変速
出力部材(120)の下方(上方)揺動によって変速出
力軸(119)を逆転(正転)させ、直進用HST(2
5)を中立方向に戻す制御を行って出力軸(31)の回
転数を低下させ、走行速度(車速)を減速させる。この
ように、走行移動中の操向ハンドル(19)の左右操向
操作により、操向ハンドル(19)の回転角度に比例し
て、進路を修正する旋回半径(角度)と、走行速度の減
速量が変化し、操向ハンドル(19)を大きく回転させ
ることによって左右走行クローラ(2)の速度差を大き
くして旋回半径を小さくすると同時に、走行速度の減速
量が多くなって車速が遅くなると共に、前進時と後進時
とでは、操向ハンドル(19)の回転に対して旋回入力
連結部(116)の動きを逆方向にし、前後進の何れに
おいても操向ハンドル(19)の回動操作方向と機体の
旋回方向とを一致させ、回転操作する丸形の操向ハンド
ル(19)の回転操作によって例えばトラクタまたは田
植機など四輪自動車と同様の運転感覚で進路修正及び方
向転換などを行う。
【0034】さらに、図13、図14は機体の左右旋回
時における操向ハンドル(19)の切れ角と左右走行ク
ローラ(2)の速度の関係を示すもので、ハンドル(1
9)の切れ角が大となる程左右走行クローラ(2)の速
度差は大となると共に、左右走行クローラ(2)の平均
速度となる機体中心速度も走行速度(高速・標準・低
速)状態に応じて減速される。直進位置の操向ハンドル
(19)を左方向(右方向)に約15度回転させると、
前記位相調節孔(149)内を連係ボルト(97)が移
動し、挾みバネ(98)によって変速入力部材(96)
が直進と同一位置に維持されると共に、旋回用HST
(28)の第2油圧ポンプ(26)によって第2油圧モ
ータ(27)を正転(逆転)させる操向出力によって左
方向(右方向)に旋回させ、未刈り穀稈(作物)列の湾
曲に合せる進路修正を行う。このとき、旋回内側の走行
クローラ(2)の減速量と、旋回外側の走行クローラ
(2)の増速量が略等しくなり、機体中心速度が直進と
略同一速度に保たれる。また、操向ハンドル(19)を
直進位置から15度以上回転させると、挾みバネ(9
8)に抗して変速入力部材(96)が左旋回及び右旋回
のいずれでも減速動作し、第1油圧ポンプ(23)及び
モータ(24)の走行変速出力を減速させ、左右走行ク
ローラ(2)を同一方向に回転駆動させて前進(または
後進)させ、左右走行クローラ(2)の走行速度差によ
り左方向(右方向)に旋回するブレーキターン動作を行
わせ、未刈り穀稈(作物)列から外れたときに元の列に
戻したり隣の列に移動させる進路修正を行う。さらに、
操向ハンドル(19)を約135度回転させると、機体
中心速度が直進時の約4分の1に減速され、旋回内側の
走行クローラ(2)が逆転駆動され、旋回内側の走行ク
ローラ(2)を中心として機体が旋回するスピンターン
動作が行われ、左右走行クローラ(2)の左右幅だけ旋
回方向にずらせて機体を180度方向転換させるもの
で、ハンドル角度0度からハンドル角度135度の範囲
で操向ハンドル(19)を回転させて左または右方向の
旋回操作を行い、直進位置を中心とした左右15度のハ
ンドル(19)回転範囲で未刈り穀稈(作物)列に沿っ
て移動する条合せ進路修正を、直進時の走行速度を維持
し乍ら行うと共に、直進位置から左右135度のハンド
ル(19)回転により、圃場枕地で機体を方向転換させ
て次作業工程に移動させるスピンターン動作を、直進時
の約4分の1の走行速度に自動的に減速して行う。
【0035】さらに、副変速を標準(秒速1.5メート
ル)速度に保ち、操向ハンドル(19)を90度回転さ
せたとき、主変速レバー(73)操作により主変速出力
を高速及び3分の2及び3分の1に変更しても、機体の
旋回半径が略一定に保たれた状態で、旋回速度(機体中
心速度)だけを変化させる。また、直進位置を基準とし
て連係ボルト(97)と位相調節孔(149)の設定範
囲で第1油圧ポンプ(23)第1油圧モータ(24)を
直進状態に維持させ、農作業中に作物列または畦などに
機体を沿わせる操向操作を行っても走行速度が不均一に
変化するのを防止し、略同一走行速度を保ち乍ら農作業
中の進路修正を行え、作業者の運転感覚と機体の走行動
作とを略一致させて適正な操向操作を行える。また、主
変速レバー(73)の変速基準値を切換える副変速レバ
ー(74)副変速操作の低速及び標準及び高速切換に比
例させて旋回半径を小径乃至大径に変化させ、第1油圧
ポンプ(23)及びモータ(24)と走行クローラ
(2)間の減速比並びに第2油圧ポンプ(26)及びモ
ータ(27)と走行クローラ(2)間の減速比の設定、
或いはスピンターン動作に必要な小半径旋回に必要な走
行駆動力の確保などを図ると共に、同一副変速操作位置
で主変速レバー(73)を操作することによって旋回半
径を略一定に保った状態で旋回時の走行速度を変化さ
せ、作業者の熟練度などに応じた運転操作を行え、機動
性の向上並びに運転操作性の向上などを図る。
【0036】上記のように、エンジン(21)の駆動力
を左右走行クローラ(2)に伝える差動機構(33)
と、左右走行クローラ(2)の駆動速度を無段階に変更
させる直進用HST(25)と、左右走行クローラ
(2)の駆動速度の差を無段階に変化させる旋回用HS
T(28)を設ける移動農機において、操向操作具(1
9)によって回転させる操向入力軸(87)と、変速操
作具(73)によって回転させる変速入力軸(91)
と、変速入力軸(91)を変速部材(25)に連結させ
る変速機構(124)と、操向入力軸(87)を操向部
材(28)に連結させる操向機構(118)を設け、変
速機構(124)動作量に比例させて操向機構(11
8)操向量を変化させるように構成し、要するに、運転
席(20)前方のステアリングコラム(71)に旋回用
HST(28)への操向操作出力部(126)と共に運
転席(20)側方のサイドコラム(72)からの主変速
操作入力部(99)及び直進用HST(25)への主変
速操作出力部(125)を設け、主変速操作を直接直進
用HST(25)に伝えるのではなく、一旦ステアリン
グコラム(71)に入力して直進用HST(25)に伝
えるようにし、ステアリングコラム(71)の内部機構
によって入力された主変速操作量に比例させて操向操作
量を変化させ、その操向操作を旋回用HST(28)に
伝えることによって、高速側走行変速によって操向量を
自動的に拡大し、かつ低速側走行変速によって操向量を
自動的に縮少し、操向ハンドル(19)の一定量の操作
によって走行速度に関係なく左右走行クローラ(2)の
旋回半径を略一定に維持し、農作業走行速度の変更並び
に作物列などに機体を沿わせる進路修正などを容易に行
うように構成している。
【0037】ところで図3及び図15乃至図26に示す
如く、左右走行クローラ(2)の左右駆動輪(34)を
支持する車軸ケース(166)の略中央で前記サイドコ
ラム(72)下方位置にミッション(22)を、また該
ミッション(22)の後方にエンジン(21)をそれぞ
れ配設させ、ミッション(22)上部の前側に旋回用H
ST(28)を、後側に直進用HST(25)を一体的
に固設して、ミッション(22)を構成する直進用HS
T(25)の左外側に突出させる第1油圧ポンプ(2
3)の駆動軸(29a)左端を前記エンジン(21)左
側のエンジン出力軸(21a)にプーリ(167)(1
68)及びベルト(30a)及びテンションプーリ(1
69)を介して連動連結させると共に、前記直進用HS
T(25)内を左右に挿通させる駆動軸(29a)の右
端を、前記旋回用HST(28)の右外側に突出させる
第2油圧ポンプの駆動軸(29b)にプーリ(170)
(171)及びベルト(30b)及びテンションプーリ
(172)を介して連動連結させて、直進用HST(2
5)の駆動系(173)を左側に、また旋回用HST
(28)の駆動系(174)を右側に配設し、旋回より
走行を優先させた駆動を行うように構成している。
【0038】また、前記直進用HST(25)下方でミ
ッション(22)の左外側に突出させる刈取PTO軸
(58)の刈取出力プーリ(175)に、直進用HST
(25)後側上方に配設させる刈取入力軸(176)の
刈取入力部である刈取入力プーリ(177)を伝達系で
あるベルト(178)及びテンションプーリ式刈取クラ
ッチ(179)を介し連動連結させて、刈取部(8)へ
の動力伝達を行うと共に、エンジン(21)の後方に配
設させる脱穀入力軸(180)にプーリ(181)(1
82)及びベルト(183)及びテンションプーリ式脱
穀クラッチ(184)を介して前記エンジン出力軸(2
1a)を連動連結させて、脱穀部(4)への動力伝達を
行うように構成している。
【0039】そして、直進及び旋回用のトラニオンアー
ム(136)(141)基端のボス部(136a)(1
41a)を軸体であるトラニオン(135)(140)
にボルト(185)を介し取外し自在に固定させて、ロ
ッド(138)(143)との連結の容易化やメンテナ
ンス性の向上を図ると共に、直進用のトラニオンアーム
(136)とロッド(138)とは軸(186)及び長
孔(187)を介して中立域で若干の融通を有して連結
させ、旋回用のトラニオンアーム(141)とロッド
(143)とは軸(188)を介して連結させ、また各
HST(25)(28)の中立位置設定用のセンター出
しセット機構(198)(199)を各HST(25)
(28)の上面に設けるもので、この各センター出しセ
ット機構(198)(199)は、各トラニオンアーム
(136)(141)のボス部(136a)(141
a)に中立保持用デテント板(189)を一体連結させ
ると共に、各油圧ポンプ(23)(26)外壁に固定す
るデテント軸(190)にデテントアーム(191)を
回動自在に枢支させ、該デテントアーム(191)に軸
支するデテントローラ(192)をバネ(193)力で
前記デテント板(189)の凹部中立ノッチ(189
a)に弾圧当接させ、各トラニオンアーム(136)
(141)の中立位置を保持させるように構成してい
る。
【0040】図1,図2及び図15乃至図26に示す如
く、操向ハンドル(19)を設ける胴長のステアリング
コラム(71)は、運転台(18)の下側に延設された
シャーシフレーム(3)に下端部を固定支持するもの
で、そのステアリングコラム(71)と運転席(20)
との間の運転台(18)上面とステアリングコラム(7
1)下部の左右両側にステップ板(134)を張設し、
ステアリングコラム(71)の左右両側に作業者の両足
を入れて載せることによって、運転台(18)の前後長
を縮小し、機体の全長を縮小するように構成している。
【0041】さらに、ステアリングコラム(71)の左
側のステップ板(134)の横幅を右側のステップ板
(134)の横幅より幅広に形成し、ステアリングコラ
ム(71)とサイドコラム(72)との間に作業者の左
足を入れて載せる充分なスペースを確保すると共に、ス
テアリングコラム(71)左右側のステップ板(13
4)前部を傾斜状に立上げ形成している。
【0042】また、ステップ板(134)は、ステアリ
ングコラム(71)左右側の前部左及び右ステップ部
と、ステアリングコラム(71)より後部のステップ本
体とに分割形成し、前部左及び右ステップ部をシャーシ
フレーム(3)に常時固定とし、ステップ本体をシャー
シフレーム(3)に対し着脱自在に取付けることによっ
て、ステップ板(134)下面側の構造のメンテナンス
などをステップ本体を取外すだけで簡単に行えるので好
ましい。
【0043】前記運転台(18)の下側に燃料タンク
(200)を配設し、シャーシフレーム(3)に燃料タ
ンク(200)を固定支持させ、ステアリングコラム
(71)と燃料タンク(200)との間にステアリング
コラム(71)から前記変速操作軸(125)及び操向
操作軸(126)を突出させ、前記ロッド(138)
(143)をステップ板(134)と燃料タンク(20
0)との間を通して各操作軸(125)(126)に連
結することによって、変速操作軸(125)及び操向操
作軸(126)及びロッド(138)(143)への泥
及び塵埃の付着を燃料タンク(200)で防止し、主変
速操作及び操向操作の伝達精度を下げる要因を減らすよ
うに構成している。
【0044】また、前記ロッド(138)(143)の
長さ調節はトラニオンアーム(136)(141)の中
立位置及び直進用のトラニオンアーム(136)とロッ
ド(138)との遊び、即ち長孔(187)内での軸
(186)位置を確認しながら行うもので、直進用HS
T(25)と旋回用HST(28)とをサイドコラム
(72)の下方に配設した構造において、前記ロッド
(138)(143)の長さ調節部であるターンバック
ル(137)(142)をミッション(22)部上側に
設け、又は前記ロッド(138)(143)の長さ調節
部であるターンバックル(137)(142)をミッシ
ョン(22)に搭載する各HST(25)(28)上側
に設け、又は前記ロッド(138)(143)の長さ調
節部であるターンバックル(137)(142)をサイ
ドコラム(72)内部に設け、又は前記ロッド(13
8)(143)の長さ調節部であるターンバックル(1
37)(142)をHST(25)(28)側のロッド
(138)(143)端部側に設け、HST(25)
(28)のセンター出しセット機構(198)(19
9)の間近に前記ロッド(138)(143)の長さ調
節部(137)(142)を配設し、前記ロッド(13
8)(143)の長さ調節部(137)(142)とセ
ンター出しセット機構(198)(199)部及び直進
用のトラニオンアーム(136)とロッド(138)と
の遊び部(186)(187)を同じ視界に入れること
によって、前記ロッド(138)(143)の長さ調節
を簡単に、且つ適正に行えるようにし、メンテナンス性
を向上させると共に、直進及び旋回用の各トラニオン
(135)(140)及び各トラニオンアーム(13
6)(141)及び各センター出しセット機構(19
8)(199)及び前記ロッド(138)(143)の
長さ調節部及び前記ロッド(138)(143)への泥
及び塵埃の付着をミッション(22)及びミッション
(22)部の防塵カバーなどで防止し、主変速操作及び
操向操作の伝達精度を下げる要因を減らすように構成し
ている。
【0045】また、前記主変速軸(99)を、ステップ
板(134)前部の立上げによって形成されたステップ
板(134)前部左側下面の余剰スペースにステアリン
グコラム(71)から突出させ、機体のコンパクト化を
図ると共に、前記主変速軸(99)をステップ板(13
4)とシャーシフレーム(3)との間に設け、外部から
加えられる衝撃などから主変速軸(99)を保護し、ま
た泥及び塵埃の付着も防止し、主変速操作の伝達精度を
下げる要因を減らすように構成している。
【0046】サイドコラム(72)は、主変速レバー
(73)、副変速レバー(74)、刈取クラッチレバー
(75)、脱穀クラッチレバー(76)のレバー溝及び
各種スイッチ、表示ランプ、表示モータなどを設けるサ
イドパネル(72a)と、サイドパネル(72a)を上
面側に固定支持し、且つ各レバー(73)(74)(7
5)(76)のレバー支点軸などを取付けるサイドコラ
ム(72)の支持フレーム構造(図示省略)と、サイド
コラム(72)の運転席(20)側に張設する側壁(2
02)などで構成され、主変速操作部及び副変速操作部
及び作業操作部を形成するもので、サイドコラム(7
2)を運転台(18)の左側に配設し、そしてこのサイ
ドコラム(72)の下方に、即ちサイドパネル(72
a)の下方に各HST(25)(28)を搭載する前記
ミッション(22)を配設している。
【0047】ステアリングコラム(71)と運転席(2
0)との間のサイドコラム(72)の側壁(202a)
は開閉自在に蓋板などで形成し、主変速操作系、操向操
作系、副変速操作系、駐車ブレーキ操作系及び牽制機構
などのサイドコラム内部機構及び各HST(25)(2
8)及びミッション(22)及び各動力伝達系などのメ
ンテナンスを運転台(18)から簡単に行えるように構
成している。
【0048】主変速レバー(73)は前記のように、サ
イドコラム(72)の支持フレーム構造に取付けたレバ
ー支点軸(105)と、レバー支点軸(105)に回転
自在に軸支させ、且つ、筒軸(107)を介して主変速
レバー(73)基部を左右方向に揺動自在に取付ける支
点板(106)と、支点板(106)を主変速軸(9
9)に連結させるリンク(101)及びサイドコラム
(72)の内部略中央部の支点板(106)からサイド
コラム(72)の前面下部の主変速軸(99)左端部に
向かって傾斜調節する長さ調節ターンバックル(10
3)付きロッド(104)とによって、主変速軸(9
9)と連結され、主変速レバー(73)の主変速操作が
主変速軸(99)に伝達入力されるもので、中介の軸及
びリンクなどを用いることなく支点板(106)を主変
速軸(99)に直接連結することによって、サイドコラ
ム(72)からステアリングコラム(71)への主変速
操作の伝達距離を短縮し、主変速操作精度を上げると共
に、構造の簡素化を図り、また前記ロッド(138)
(143)の長さ調節部の直ぐ上にサイドコラム(7
2)からステアリングコラム(71)への主変速操作伝
達部材を配設しないようにし、サイドコラム(72)か
らステアリングコラム(71)への主変速操作伝達部材
が前記ロッド(138)(143)の長さ調節及び各H
ST(25)(28)のセンター出しなどの作業の邪魔
になるのを防止するように構成している。なお、レバー
支点軸(105)上に支点板(106)を挾持する摩擦
板を設け、主変速レバー(73)の操作位置決めを行
う。またデテント力は支点軸(105)に螺着するナッ
トの緩め締めでバネ力を調節して行う。
【0049】また、副変速操作入力部である副変速シフ
タ軸(207)を前記ミッション(22)の前面側に設
けるもので、主変速レバー(73)のレバー支点軸(1
05)の後部でサイドコラム(72)の支持フレーム構
造に取付けたレバー支点軸(208)に、副変速レバー
(74)基部を回転自在に軸支し、その副変速のレバー
支点部からミッション(22)の前面側上方まで前方に
延び副変速シフタ軸(207)に略垂直に垂下する副変
速操作伝達経路によって、副変速レバー(74)をレバ
ー支点軸(208)回りに前後方向に揺動させる変速操
作を副変速シフタ軸(207)に伝達し、副変速シフタ
軸(207)を正逆転させ、副変速の切換を行うように
構成している。
【0050】さらに、運転台(18)に駐車ブレーキペ
ダル(217)と駐車ブレーキレバー(218)とを備
え、駐車ブレーキペダル(217)をステアリングコラ
ム(71)とサイドコラム(72)との間のステップ板
(134)上面側に配設し、駐車ブレーキレバー(21
8)を運転台(18)の右側前部に配設するもので、ス
テップ板(134)の後左角部上面側にペダル支点軸
(219)を機体左右方向に横架させ、シャーシフレー
ム(3)に固定支持する筒軸(220)に前記ペダル支
点軸(219)を回転自在に取付け、サイドコラム(7
2)の左外側のペダル支点軸(219)にペダルアーム
(221)基部を係合軸支させ、ステップ板(134)
の左端部でこの後部から前部に前記ペダルアーム(22
1)を延出し、ペダルアーム(221)先端に駐車ブレ
ーキペダル(217)を固定させる。一方シャーシフレ
ーム(3)に固定支持する筒軸(223)にレバー支点
軸(222)を回転自在に取付け、レバー支点軸(22
2)に駐車ブレーキレバー(218)基部を係合軸支さ
せる。
【0051】そして、前記ペダル支点軸(219)を側
壁(202a)の後部下縁に形成した切欠き部(22
4)からサイドコラム(72)内部に突入させ、サイド
コラム(72)内部のペダル支点軸(219)端部に駐
車ブレーキ操作出力部である駐車ブレーキ支点板(22
5)を一体に取付けるもので、前記駐車ブレーキ支点板
(225)にリターンバネ(228)力を付勢すると共
に、前記ペダルアーム(221)と連動する駐車ブレー
キ支点板(225)に操作ワイヤ(226)及びリンク
(229)を介してレバー支点軸(222)を連結し、
駐車ブレーキペダル(217)の踏込みによる駐車ブレ
ーキ操作と駐車ブレーキレバー(218)の傾倒操作に
よる駐車ブレーキ操作を前記駐車ブレーキ支点板(22
5)に伝達する。そして駐車ブレーキ操作入力部である
ミッション(22)左側面の駐車ブレーキシフタ(23
2)に操作ワイヤ(233)を介して前記駐車ブレーキ
支点板(225)を連結させ、駐車ブレーキペダル(2
17)の踏込みによる駐車ブレーキ操作と駐車ブレーキ
レバー(218)の傾倒操作による駐車ブレーキ操作を
前記駐車ブレーキ支点板(225)から駐車ブレーキシ
フタ(232)に伝達し、前記駐車ブレーキ(57)を
作動させるように構成している。
【0052】また、駐車ブレーキ(57)をかけた時、
主変速レバー(73)を中立位置に保持(既に中立位置
のとき)又は復帰保持(中立以外の位置にあるとき)さ
せる牽制機構(234)を設けるもので、牽制機構(2
34)は、牽制ローラ(235)と、牽制ローラ(23
5)を嵌合する溝孔(236)を有する牽制板(23
7)とで構成し、牽制ローラ(235)を主変速操作系
の筒軸(107)に取付ける一方、主変速レバー(7
3)のレバー支点軸(105)の後部でサイドコラム
(72)の支持フレーム構造に支点軸(229)を取付
け、該支点軸(229)に回転自在に嵌合する筒軸(2
30)にリンク(231)を介して前記牽制板(23
7)を連結する。そして前記筒軸(230)にリンク
(238)(239)を介して前記駐車ブレーキ支点板
(225)を連結し、牽制板(237)を駐車ブレーキ
操作系の駐車ブレーキ支点板(225)に連結させ、駐
車ブレーキ(57)をかけていない時は溝孔(236)
の大形部(236a)内部に牽制ローラ(235)を位
置させ、主変速操作を許す一方、駐車ブレーキ(57)
をかけた時、主変速が中立のときの牽制ローラ(23
5)位置に溝孔(236)の小形部(236b)端部を
移動させることによって、牽制ローラ(236)の中立
位置からの移動を規制又は牽制ローラ(235)の中立
位置への移動復帰後中立位置からの移動を規制し、駐停
止時にサイドコラム(72)の主変速レバー(73)な
どの主変速操作部の誤操作を防止し、駐停止時に主変速
操作部を確実に中立位置に保持し、誤った主変速操作が
ステアリングコラム(71)に伝えられ、ステアリング
コラム内部機構を破損させたり機体を走行させるのを防
止するように構成している。
【0053】また、前記牽制機構(234)は、主変速
レバー(73)のレバー支点より上部に配設するもの
で、レバー支点軸(105)より上部の主変速操作系で
ある筒軸(107)又は主変速レバー(73)に牽制ロ
ーラ(235)を取付けると共に、牽制板(237)の
下部に溝孔(236)の大形部(236a)を形成し、
牽制板(237)の上部に溝孔(236)の小形部(2
36b)を形成し、駐車ブレーキ(57)をかけていな
い時、牽制板(237)をレバー支点軸(105)より
上部に移動支持させて、溝孔(236)下部の大形部
(236a)に牽制ローラ(235)を位置させ、駐車
ブレーキ(57)をかけた時、牽制板(237)を支点
板(106)の一側に移動支持させて、溝孔(236)
上部の小形部(236b)に牽制ローラ(235)を位
置させ、サイドコラム(72)内部の主変速レバー(7
3)のレバー支点より下部に空間を設け、前記各ロッド
(138)(143)の長さ調節及び各HST(25)
(28)のセンター出しなどを行うためのミッション
(22)の上部空間を、前記牽制機構(234)によっ
て埋めてしまうのを防止し、前記牽制機構(234)が
各ロッド(138)(143)の長さ調節及び各HST
(25)(28)のセンター出しなどの作業の邪魔にな
るのを防止するように構成している。
【0054】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明
は、運転席(20)前方の丸ハンドル式のステアリング
コラム(71)に旋回用HST(28)への操向操作出
力部(126)と共に運転席(20)側方のサイドコラ
ム(72)からの主変速操作入力部(99)及び直進用
HST(25)への主変速操作出力部(125)を設け
た移動農機において、前記各HST(25)(28)を
搭載するミッション(22)を前記サイドコラム(7
2)の下方に配設し、ステアリングコラム(71)の操
向操作出力部(126)と旋回用HST(28)との間
で操向操作を伝達する長さ調節自在な操向操作伝達部材
(143)と、ステアリングコラム(71)の主変速操
作出力部(125)と直進用HST(25)との間で主
変速操作を伝達する長さ調節自在な主変速操作伝達部材
(138)とを設け、各伝達部材(138)(143)
の長さ調節部(137)(142)をミッション(2
2)部上側に配設することによって、ステアリングコラ
ム(71)とサイドコラム(72)と旋回用HST(2
8)及び直進用HST(25)を搭載するミッション
(22)の三者を従来に比べ接近配置し、主変速操作及
び操向操作の伝達距離の短縮を図り、これら操作の伝達
精度を上げることができる、即ち主変速操作及び操向操
作精度を上げることができる。また主変速操作及び操向
操作の各操作系やその他サイドコラム内部機構に対する
泥及び塵埃の付着をミッション(22)及びミッション
(22)部の防塵カバーなどで防止し、主変速操作及び
操向操作の伝達精度を下げる要因を減らすことができ
る。さらにステアリングコラム(71)から旋回用HS
T(28)及び直進用HST(25)への操向操作伝達
部材(143)及び主変速操作伝達部材(138)の長
さ調節を、旋回用HST(28)及び直進用HST(2
5)の操向操作入力部(140)及び主変速操作入力部
(135)の状態を目視確認しながら適正に行うことが
でき、主変速操作系及び操向操作系を適正に形成でき、
且つメンテナンスも簡単に行うことができ、これらを常
に適正状態に保つことができ、主変速操作及び操向操作
の伝達精度を上げることができる、即ち主変速操作及び
操向操作精度を上げることができる。
【0055】また、運転席(20)前方の丸ハンドル式
のステアリングコラム(71)に旋回用HST(28)
への操向操作出力部(126)と共に運転席(20)側
方のサイドコラム(72)からの主変速操作入力部(9
9)及び直進用HST(25)への主変速操作出力部
(125)を設けた移動農機において、前記各HST
(25)(28)を搭載するミッション(22)を前記
サイドコラム(72)の下方に配設し、前記ミッション
(22)に設ける駐車ブレーキ(57)をかけた時、サ
イドコラム(72)の主変速レバー(73)を中立位置
に保持又は復帰保持させる牽制機構(234)を設ける
と共に、前記牽制機構(234)を主変速レバー支点よ
り上部に配設することによって、駐停止時にサイドコラ
ム(72)の主変速レバー(73)などの主変速操作部
の誤操作を防止し、駐停止時に主変速操作部(73)を
確実に中立位置に保持し、誤った主変速操作がステアリ
ングコラム(71)に伝えられ、ステアリングコラム内
部機構を破損させたり機体を走行させるのを防止するこ
とができる。またステアリングコラム(71)から旋回
用HST(28)及び直進用HST(25)への操向操
作伝達部材(143)及び主変速操作伝達部材(13
8)の長さ調節を行うためのミッション(22)の上部
空間を、前記牽制機構(234)によって埋めてしまう
のを防止でき、前記操向操作伝達部材(143)及び主
変速操作伝達部材(138)の長さ調節を簡単に行うこ
とができ、主変速操作系及び操向操作系を適正に形成で
き、且つメンテナンスも簡単に行うことができ、これら
を常に適正状態に保つことができ、主変速操作及び操向
操作の伝達精度を上げることができる、即ち主変速操作
及び操向操作精度を上げることができる。
【0056】また、サイドコラム(72)の運転席(2
0)側側壁(202a)又は/及び運転台(18)のス
テップ板(134)を開閉自在に形成することによっ
て、サイドコラム(72)内部でミッション(22)上
側の主及び副変速操作系及び操向操作系及び駐車ブレー
キ操作及び牽制機構(234)及びその他サイドコラム
内部機構などのメンテナンスが運転席(20)側から簡
単に行うことができ、これらを常に適正状態に保つこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】コンバインの全体平面図
【図3】ミッション駆動系の説明図
【図4】走行変速及び操向操作部の作動説明図
【図5】ステアリングコラムの側面図
【図6】ステアリングコラムの正面図
【図7】ステアリングコラムの平面説明図
【図8】ステアリングコラム横断面図
【図9】図8の分解説明図
【図10】ステアリングコラム上部の部分平面図
【図11】図10の部分図
【図12】図11の作動説明図
【図13】主変速と操向ハンドル操作を表わす線図
【図14】副変速と操向ハンドル操作を表わす線図
【図15】運転台の左側面図
【図16】図15の部分拡大図
【図17】図15の部分拡大図
【図18】運転台の平面図
【図19】図18の部分拡大図
【図20】運転台の正面図
【図21】図20の部分拡大図
【図22】サイドコラム及びミッションの側面図
【図23】図22の部分拡大図
【図24】図22の部分拡大図
【図25】牽制機構の側面図
【図26】ミッションの平面図
【符号の説明】
(2) 走行クローラ (18) 運転台 (19) 操向ハンドル (20) 運転席 (21) エンジン (22) ミッション (23) 第1油圧ポンプ (24) 第1油圧モータ (25) 直進用HST (26) 第2油圧ポンプ (27) 第2油圧モータ (28) 旋回用HST (57) 駐車ブレーキ (71) ステアリングコラム (72) サイドコラム (73) 主変速レバー (99) 主変速軸(主変速操作入力部) (125) 変速操作軸(主変速操作出力部) (126) 操向操作軸(操向操作出力部) (135) 第1トラニオン(主変速操作入力部) (137) ターンバックル(長さ調節部) (138) ロッド(主変速操作伝達部材) (140) 第2トラニオン (142) ターンバックル(長さ調節部) (143) ロッド(操向操作伝達部材) (202) サイドコラム側壁 (234) 牽制機構 (217) 駐車ブレーキペダル (218) 駐車ブレーキレバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 織 田 正 明 岡山県岡山市江並428番地 セイレイ工業 株式会社内 (72)発明者 町 田 睦 岡山県岡山市江並428番地 セイレイ工業 株式会社内 (72)発明者 小 松 真 弥 岡山県岡山市江並428番地 セイレイ工業 株式会社内 Fターム(参考) 2B043 AA03 AB04 AB13 BA02 BA05 BB14 DA04 DA13 DB02 DB06 DB18 2B076 AA03 DA03 DA15 DB09 DC01 DC03 DD06 3D040 AA13 AB04 AC28 AC50 AD02 AD03 AD15 AE19 3D052 AA05 AA11 AA16 BB08 BB11 BB14 DD03 DD04 EE01 FF01 GG03 HH01 HH02 JJ00 JJ03 JJ10 JJ21 JJ31 JJ35 JJ37

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転席前方の丸ハンドル式のステアリン
    グコラムに旋回用HSTへの操向操作出力部と共に運転
    席側方のサイドコラムからの主変速操作入力部及び直進
    用HSTへの主変速操作出力部を設けた移動農機におい
    て、前記各HSTを搭載するミッションを前記サイドコ
    ラムの下方に配設し、ステアリングコラムの操向操作出
    力部と旋回用HSTとの間で操向操作を伝達する長さ調
    節自在な操向操作伝達部材と、ステアリングコラムの主
    変速操作出力部と直進用HSTとの間で主変速操作を伝
    達する長さ調節自在な主変速操作伝達部材とを設け、各
    伝達部材の長さ調節部をミッション部上側に配設したこ
    とを特徴とする移動農機。
  2. 【請求項2】 運転席前方の丸ハンドル式のステアリン
    グコラムに旋回用HSTへの操向操作出力部と共に運転
    席側方のサイドコラムからの主変速操作入力部及び直進
    用HSTへの主変速操作出力部を設けた移動農機におい
    て、前記各HSTを搭載するミッションを前記サイドコ
    ラムの下方に配設し、前記ミッションに設ける駐車ブレ
    ーキをかけた時、サイドコラムの主変速レバーを中立位
    置に保持又は復帰保持させる牽制機構を設けると共に、
    前記牽制機構を主変速レバー支点より上部に配設したこ
    とを特徴とする移動農機。
  3. 【請求項3】 サイドコラムの運転席側側壁を開閉自在
    に形成する請求項1又は2記載の移動農機。
  4. 【請求項4】 運転台のステップ板を開閉自在に形成す
    る請求項1又は2又は3記載の移動農機。
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