JPH0659623U - ケーブル装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ばね座を従来の管体側からケーブル側に移すこ
とにより管体を厚肉とする必要がなく、また、ばね座の
加工を不要としてコストを下げ、更に軽量化を図ること
ができるケーブル装置を提供する。 【構成】アウタケーブル３と、該ケーブル３内をボタン
７の押動により摺動するインナケーブル４とからなるケ
ーブル５を管体内１ａに挿通するとともに、管体１ａ内
で、ばね座１０を前記アウタケーブル３端部に固定し、
前記ばね座１０と前記ボタン７との間にインナケーブル
４の戻しばね６を介装したことによって、従来の如く戻
しばね６の「座」を前記管体１’ａに形成した段部１’
ｄに依ることから、管体１’ａの肉厚が不必要に厚くな
るとか、高価になるなどのことがなく、当然管体の段部
の加工の手間とコストが省けるとともに、厚肉の管体と
することによる重量増大が避けられる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、管体に挿通するケーブル装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

例えばダンプトラック等において荷台を傾斜させるには、周知の如く、運転室 内に設けた操作レバーを操作し、コントロールケーブル等を介し動力取出装置（ 以下Ｐ．Ｔ．Ｏという）を作動して油圧ポンプを回転し、これにより荷台下面に 取り付けた油圧シリンダを伸長して荷台を傾斜させている。 このようなダンプカーにおける荷台傾斜制御装置に使用される前記操作レバー には、操作位置及び非操作位置を保持するためのロック装置を通常備えている。 これを図１及び図３により説明すると、操作レバー１は運転室内で支持部材（ 図示せず）に支点２により支持され、該支点２を中心に矢印のように回動して前 記コントロールケーブル等を引き、または押してＰ．Ｔ．Ｏを制御するのである が、操作レバー１の操作位置を固定するためロック装置が設けられている。

【０００３】 即ち前記操作レバー１の管体１ａ内のほぼ全長に亘って、アウタケーブル３内 に摺動可能にインナケーブル４を挿通したケーブル５を挿入し、前記インナケー ブル３の上端を、操作レバー１の握り１ｂより戻しばね６の弾発力により突出す るよう設けたロック解除ボタン７に連結すると共に、インナケーブル４下端にロ ックピン８を取付け、該ロックピン８を、前記操作レバー１下端の回動範囲内に おいて支持部材に設けた歯型ストッパ９に掛けるように構成したものである。 この場合従来は、図３に示すように、管体１’ａの端部付近にケーブル用の通 孔１’ｂより大径で該通孔１’ｂに通じている戻しばね６及びボタン７用の孔１ ’ｃをあけ、該孔１’ｃと前記通孔１’ｂとの境目に段部１’ｄを形成し、前記 戻しばね６を上記段部１’ｄと前記ロック解除ボタン７との間に掛け、該ボタン ７を介してインナケーブル４’に引く力をあたえている。 従って、前記ロックピン８は、戻しばね６によりインナケーブル４を介し常に 操作レバー１側に引かれており、これによりロックピン８は歯型ストッパ９に掛 かって外れない。 上記ロックを外すときは、ロック解除ボタン７を戻しばね６に抗して押すこと により、ロックピン８が歯型ストッパ９から外れ、ロック解除ボタン７を押した 状態で操作レバー１を回動できるようになる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の如く戻しばね６の「座」を前記管体１’ａに形成した段 部１’ｄに依っているため、管体１’ａの肉厚が不必要に厚くなるおそれがあり 、高価になるとともに、加工の手間とコストがかかる。また、厚肉の管体とする ため重量が大きくなるという問題がある。 本考案は上記問題を解決することを課題として案出されたもので、ばね座を管 体側からケーブル側に移すことにより管体を厚肉とする必要がなく、また、ばね 座の加工を不要としてコストを下げ、更に軽量化を図ることができるケーブル装 置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための本考案ケーブル装置は、アウタケーブルと、該ケー ブル内をボタンの押動により摺動するインナケーブルとからなるケーブルを管体 内に挿通するとともに、管体内で、ばね座を前記アウタケーブル端部に固定し、 前記ばね座と前記ボタンとの間にインナケーブルの戻しばねを介装したことを特 徴とする。

【０００６】

【作 用】

上記構成の本考案ケーブル装置では、ボタン、戻しばね及びばね座が組付けら れたケーブルを例えば管体内に挿入し、アウタケーブルを適宜手段で管体に固定 した場合は、前記ボタンを押したとき、戻しばねを前記ばね座のとの間で圧縮し つつ、インナケーブルを摺動することになる。 前記ボタンから指を離せば、戻しばねはばね座をベースとして前記ボタンを押 上げ、インナケーブルを元の位置に戻す。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を、図１、図３と共通する記号は同一部品を表すもの として、図２について詳細に説明する。 １０は本考案に係る金属製または合成樹脂製のばね座で、管体１ａ内径に嵌合 するやや厚い円板部１０ａと、該円板部１０ａに続く筒状部１０ｂとからなり、 該筒状部１０ｂによってアウタケーブル３の上端に固定されている。 図２に示すケーブル５は、前記同様アウタケーブル３及び該ケーブル３内を摺 動するインナケーブル４から成るが、ケーブル５の外径即ちアウタケーブル３の 外径は管体１ａの内径より小さい。 また管体１ａは、図３の１’ａのように加工を予測して厚肉とする必要はなく 、比較的薄肉としている。

【０００８】 上記のように構成された本考案ケーブル装置は、所定長さのケーブル５のイン ナケーブル４の一端に先ず前記ロック解除ボタン７を固着した後、前記戻しばね ６及び前記ばね座１０を嵌装し、該ばね座１０の円板部１０ａで前記戻しばね６ を前記ロック解除ボタン７との間で圧縮しつつ、前記筒状部１０ｂをアウタケー ブル３の上端に固定するのである。 以上のような状態にロック解除ボタン７、戻しばね６及びばね座１０を組付け られたケーブル５（以下これをケーブル組立体という）を前記操作レバー１の管 体１ａの下端から挿入し、前記ロック解除ボタン７が管体１ａの上端の所定位置 に設置されるよう調整する。ケーブル組立体の管体１ａ内の挿入が完了したら、 インナケーブル４の下端にロックピン８を取付ける。

【０００９】 上記のようにケーブル組立体を例えば前記操作レバー１の管体１ａ内に挿入し 、アウタケーブル３を適宜手段で管体１ａに固定した場合は、前記ロック解除ボ タン７を押したとき、戻しばね６を前記ばね座１０のとの間で圧縮しつつ、イン ナケーブル４を摺動することになる。 前記ロック解除ボタン７から指を離せば、戻しばね６はばね座１０をベースと して前記ロック解除ボタン７を押上げ、インナケーブル４を元の位置に戻す。

【００１０】

【考案の効果】

以上のように本考案ケーブル装置は、アウタケーブルと、該ケーブル内をボタ ンの押動により摺動するインナケーブルとからなるケーブルを管体内に挿通する とともに、管体内で、ばね座を前記アウタケーブル端部に固定し、前記ばね座と 前記ボタンとの間にインナケーブルの戻しばねを介装したことを特徴とするので 、ばね座を管体側からケーブル側に移したことにより管体を厚肉とする必要がな く、また、ばね座の加工を不要としてコストを下げ、更に軽量化を図ることがで きるケーブル装置を提供することができる効果がある。

【００１１】

【図面の簡単な説明】

【図１】ロック装置を備えた操作レバーの一部切断正面
図

【図２】本考案ケーブル装置を示す断面図

【図３】従来のケーブル装置を示す断面図 １ 操作レバー １ａ，１’ａ 管体 ３，３’ アウタケーブル ４，４’ インナケーブル ５，５’ ケーブル ６ ばね ７ ロック解除ボタン ８ ロックピン ９ 歯型ストッバ １０ ばね座。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 アウタケーブルと、該ケーブル内をボタ
   ンの押動により摺動するインナケーブルとからなるケー
   ブルを管体内に挿通するとともに、管体内で、ばね座を
   前記アウタケーブル端部に固定し、前記ばね座と前記ボ
   タンとの間にインナケーブルの戻しばねを介装したこと
   を特徴とするケーブル装置。