JPH0659568B2 - タッピング装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、タッピング装置に関し、パンチプレスの金
型装着部に装着して使用するに便利なタッピング装置に
関する。

従来、例えばパンチプレスのような複数の加工機構を有
する加工機に用いられるタッピングユニットやタッピン
グマシンは、通常、ユニット毎に１つの駆動源を備えて
いる。また多軸ヘッドのように１つの駆動源で複数個の
タップを作動させるものもあるが、この場合にはすべて
のタップが同時に作動してしまう。従って、前者の場合
には複数のタップを使用してタッピング作業を行う場合
にタップサイズ毎のユニットが必要となり、コストが高
くなる問題があった。また後者の場合にはタップの種類
や取付けピッチ等に規制があり、複数のサイズのタップ
を選択的に使用する点で問題があった。

この発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたも
のである。

以下、図に示す実施例について詳説する。第１図はこの
発明の一実施例の使用されているパンチプレス１の全体
を示しており、Ｃ型フレーム３の上側のパンチ装着部５
に複数種のパンチ型７が装着されており、このパンチ装
着部５と対向してフレーム３の下側のダイ装着部９に複
数種のダイ１１が装着されている。またフレーム３の中
央部にはワークテーブル１３が設けられている。さらに
ワークＷをクランプして所望箇所を上下のパンチ７、ダ
イ１１の間に持ち来たらせるためのクランプ装置１５が
Ｘ軸、Ｙ軸両方向に駆動可能に設けられている。またさ
らに前記パンチ装着部５の上方部には打撃子１７がＸ方
向に位置決め、移動自在に設けられている。そして、パ
ンチプレス１においては、クランプ装置１５によりワー
クＷの所望位置を所定の組のパンチ７、ダイ１１の間に
持ち来たらせ、また打撃子１７を対向するパンチ７上に
移動させ、その打撃子１７によりパンチ７を強打する事
によりパンチ７、ダイ１１の間でワークＷに所望の形状
のパンチングを行なう様になっている。この打撃子１７
の駆動は、第２図に詳しいように駆動モータ１９と駆動
ベルト２１とにより行なわれる。

この様なパンチプレス１において、パンチ７の一部にこ
の発明の一実施例にかかるタッピング装置２３がユニッ
トとして複数台取付けられるのである。このタッピング
装置２３は、駆動源としての１個のモータ２５の出力歯
車２７によって駆動される従動歯車２９及び中間歯車３
１によって連動して同時に駆動されるようになってい
る。このタッピング装置２３の詳細を第３図を参照して
説明すると、従動歯車２９の回転軸３３が固定部として
のユニットフレーム３５に軸支されている。この回転軸
３３の下端には伝達歯車３７が設けられており、この伝
達歯車３７のホルダ駆動歯車３９と噛み合わされてい
る。

ホルダ駆動歯車３９内にはタップホルダ４１がはめ込ま
れているが、両者は上下方向のスプライン４３によって
タップホルダ４１を上下方向に移動可能としている。タ
ップホルダ４１の下部にはタップ４５が装着され、ねじ
４７によって抜け止めされている。またタップホルダ４
１は、その下部外周がホルダガイド部材４９によって案
内される様になっている。

このホルダガイド部材４９には雌ねじ５１が設けられて
おり、前記タップホルダ４１の下部外周に設けられた雄
ねじ５３と螺合している。ここで、雌ねじ５１と雄ねじ
５３とのピッチはタップ４５のピッチと同一である。こ
のホルダガイド部材４９の内部にはオイルバス５５が耐
久性を向上させるために設けられている。

他方、ユニットフレーム３５には昇降装置としてのシリ
ンダ５７が設けられており、このシリンダ５７のピスト
ン５９の下端に取付けられた取付プレート６１が前記ホ
ルダガイド部材４９と締着ねじ６３によって結合されて
いる。前記シリンダ５７には流体供給源からの供給ライ
ンと連通するノズル６５から圧油のような圧力流体が供
給され、シリンダ５７を駆動する様になっている。ここ
で各タッピング装置２３のシリンダ５７に対する流体供
給源は図に示されていないが、１つの供給源が共通に用
いられており、そして各タッピング装置２３のシリンダ
５７に流体供給ラインを通して圧力流体を供給するよう
になっている。またどのシリンダ５７を駆動するのか
は、周知の切換え手段によりその圧力流体をどのシリン
ダに供給するかを切り換えることによって選択的に行な
うことが出来る。

更にシリンダ５７のピストン５９の外周部にはスプリン
グ６７が設けられている。このピストン５９は軸受６９
によって上下スライド自在にユニットフレーム３５に支
持されている。更に取付プレート６１の下方にはタップ
４５の折損を検知するための発光素子７１と受光素子７
３とが設けられている。

以下、タッピング装置２３の動作について説明する。第
２図に示す駆動源のモータ２５を駆動することによって
従動歯車２９が駆動され、第３図に示すように伝達歯車
３７及びホルダ駆動歯車３９を介してタップホルダ４１
が回転駆動される。この回転駆動によって、雌ねじ５１
と雄ねじ５３が噛み合っているためにタップホルダ４１
がホルダガイド部材４９に対して回転しながら下降する
ことになる。またシリンダ５７に流体供給ノズル６５か
ら圧力流体を供給すると、ピストン５９が駆動されて取
付プレート６１を介してホルダガイド部材４９をその中
のタップホルダ４１と共に下降させる。

従って、いまシリンダ５７によるタップホルダ４１の降
下分は第３図においてＡ点迄であるとすれば、雌ねじ５
１、雄ねじ５３の噛み合いによりホルダガイド部材４９
に対してタップホルダ４１は更に同図のＢ点に迄降下さ
せることが出来る。こうしてタップホルダ４１内に装着
されているタップ４５によりワークＷにタッピングがな
されるのである。この時の駆動側の回転数を例えばエン
コーダ（図示せず）で検出する様にすると、タップスト
ロークを規制し、正転運動を逆転運動に切り換え、また
逆転運動の停止を行ない、自動的なタッピングを可能に
する。

尚、このタッピング装置においては、使用しないタッピ
ング装置にあっても駆動モータ２５の回転によりタップ
４５が回転される事になる。しかしながら、この場合に
はシリンダ５７が駆動されないためにタップ４５は最大
でも雌ねじ５１、雄ねじ５３のストローク分しか降下す
る事ができず、それ以下の位置にワークＷを支持してお
くようにすることによりタッピングを行なう事がないよ
うにできる。従って、シリンダ５７を選択的に駆動する
事により所望のサイズ、あるいは所望の位置のタッピン
グ装置を駆動してタッピングを行なう事ができるのであ
る。

またこの実施例においては、タップ４５が折損した様な
場合に発光素子７１及び受光素子７３から成る検出装置
によりタップの折損を検出する事ができ、タップ４５が
折れてワークＷに突き立ったままワークを移動させる様
な事がないようにできる。

以上のごとき実施例の説明より理解されるように、要す
るに本発明は、パンチプレス１において複数のパンチ型
７を装着したパンチ装着部５に複数のユニットフレーム
３５を装着して設け、上記各ユニットフレーム３５に回
転自在に支承され各ホルダ駆動歯車３９を１個のモータ
２５にそれぞれ連動連結して設け、上記各ホルダ駆動歯
車３９の軸心部に上下動のみ自在に嵌合した各タップホ
ルダ４１の下部にそれぞれタップ４５を装着して設け、
前記各タップホルダ４１を回転かつ上下動可能に支承し
た筒状の各ホルダガイド部材４９に、上記各タップホル
ダ４１に形成した雄ねじ５３と螺合した雌ねじ５１を形
成して設けると共に、上記各ねじ５３，５１のピッチを
前記タップ４５のピッチと同一に設け、上記各ホルダガ
イド部材４９を固定した各取付プレート６１を前記各ユ
ニットフレーム３５に上下動自在に設けると共に、各取
付プレート６１を個別に上下動するためのシリンダ５７
を各ユニットフレーム３５にそれぞれ設けてなるもので
ある。

上記構成より明らかなように、本発明においては、パン
チプレス１において複数のパンチ型７を装着したパンチ
装着部５と複数のユニットフレーム３５を装着してなる
ものであって、各ユニットフレーム３５においてタップ
ホルダ４１を軸心部に上下動のみ自在に嵌合した各ホル
ダ駆動歯車３９は１個のモータ２５に連動連結してあ
り、かつ各タップホルダ４１は各ユニットフレーム３５
に備えた各シリンダ５７の作動によって個別に上下動さ
れる構成である。

すなわち本発明は、複数のホルダ駆動歯車３９が１個の
モータ２５に連動連結した構成であるから、全体的構成
をコンパクト化でき、複数のパンチ型７を装着したパン
チ装着部５の残りの狭い領域に複数のユニットフレーム
３５を容易に装着できるものである。

そして、各ユニットフレーム３５を備えたそれぞれのシ
リンダ５７によって各タップホルダ４１が個別に上下動
されるので、各タップホルダ４１が連動して回転してい
ても、必要なタップホルダ４１のみを下降せしめてタッ
ピング加工を行うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の使用されるパンチプレス
の斜視図、第２図は同上パンチプレスのパンチ装着部の
拡大正面図、第３図は同上実施例の正面断面図である。 １…パンチプレス、５…パンチ装着部 ７…パンチ型、２３…タッピング装置 ２５…駆動モータ、２７…出力歯車 ２９…従動歯車、３１…中間歯車 ３３…回転軸、３５…ユニットフレーム ３７…伝達歯車、３９…ホルダ駆動歯車 ４１…タップホルダ、４５…タップ ５７…シリンダ、５９…ピストン ６１…取付プレート

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】パンチプレス（１）において複数のパンチ
   型（７）に装着したパンチ装着部（５）に複数のユニッ
   トフレーム（３５）を装着して設け、上記各ユニットフ
   レーム（３５）に回転自在に支承され各ホルダ駆動歯車
   （３９）を１個のモータ（２５）にそれぞれ連動連結し
   て設け、上記各ホルダ駆動歯車（３９）の軸心部に上下
   動のみ自在に嵌合した各タップホルダ（４１）の下部に
   それぞれタップ（４５）を装着して設け、前記各タップ
   ホルダ（４１）を回転かつ上下動可能に支承した筒状の
   各ホルダガイド部材（４９）に、上記タップホルダ（４
   １）に形成した雄ねじ（５３）と螺合した雌ねじ（５
   １）を形成して設けると共に、上記各ねじ（５３，５
   １）のピッチを前記タップ（４５）のピッチと同一に設
   け、上記各ホルダガイド部材（４９）を固定した各取付
   プレート（６１）を前記各ユニットフレーム（３５）に
   上下動自在に設けると共に、各取付プレート（６１）を
   個別に上下動するためのシリンダ（５７）を各ユニット
   フレーム（３５）にそれぞれ設けてなることを特徴とす
   るタッピング装置。