JPH0659346B2 - カートリッジ式剃刀 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はカートリッジ式剃刀に関するものである。

［従来の技術］ 従来、カートリッジ式剃刀の皮膚面移動時における刃先
の安定性を高めるため、カートリッジ式剃刀の、カート
リッジ先端から刃先までの距離を長くした考案（実開昭
６１−４５０７５）が開示されている。このような考案
を利用し、カートリッジ全体の前後長さを変えることな
く、カートリッジ先端から刃先までの距離Ｅのみを長く
してカートリッジ式剃刀を製造すると、刃体はカートリ
ッジの後部に位置する。又、カートリッジの前後方向長
さを従来のものより短くしようとすると、更に刃体の位
置はカートリッジの後部となる。

［発明が解決しようとする課題］ しかし、例えば第６図に示す二枚刃のカートリッジ式剃
刀において、従来のようなカートリッジ先端から下刃体
３０の刃先３０ａまでの距離を長くするため上下両刃体
３０，３４をカートリッジの後部に位置させると、これ
らをかしめるかしめ突起３３もカートリッジの後部に位
置することになる。このため、かしめ突起３３をかしめ
る際、その挟着力でキャップ部材３１の前部と刃台３２
とが互いに浮き、カートリッジ全体の固定が不十分とな
る恐れがある。

そこで、本発明はカートリッジの後部でかしめ突起によ
ってかしめても、キャップ部材の前部と刃台とが互いに
浮くことのないカートリッジ式剃刀を提供することを目
的としている。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を解決するために本発明においては、刃台の前
部に係止部を設けるとともに、キャップ部材の前部には
前記刃台の係止部に対し刃体の厚さ方向への離脱不能に
係合する係止部を設け、両係止部の係合作用と、カート
リッジ後側でのかしめ作用とによりカートリッジ全体を
固定することを要旨としている。

［作用］ 本発明においては、刃台前部の係止部とキャップ部材前
部の係止部とを係合させた状態で、カートリッジの後部
をかしめてカートリッジ全体を固定しているので、キャ
ップ部材の前部と刃台の前部とが互いに浮くことがな
く、カートリッジ全体の固定が不十分となるということ
がない。

［実施例］ 以下、本発明を具体化した一実施例につき第１〜４図を
参照して説明する。

第２図に示すようにカートリッジ１はホルダー２上に設
けられ、第１図に示すように、刃台３と、上刃体４と、
下刃体５と、上刃体４と下刃体５との間のスペーサ６
と、キャップ部材７とからなっている。

第１，３図に示すように、前記刃台３上には下刃体載置
面８が左右方向に延びるように形成され、刃台３の前部
にはひげかす排除孔９が上下方向に延びるように形成さ
れている。刃台３前端部はガード受け部３ａとなってお
り、このガード受け部３ａには前方に突出した左右一対
の係止凸部１０が形成され、同係止凸部１０の下面は係
止面１０ａとなっている。

第１，３図に示すように、前記スペーサ６上にはかしめ
孔６ａが透設された凹部１１が左右方向に並設されてい
る。又、前記キャップ部材７の下面には複数のかしめ突
起１２が下方へ突設されており、同かしめ突起１２は若
干先細りになっている。キャップ部材７前部は左右方向
に延びるガード１３が一体形成されており、同ガード１
３の内側下部には後方に突出した左右一対の係止凸部１
４が形成され、同係止凸部１４の上面は係止面１４ａと
なっている。両係止凸部１４と前記刃台３の両係止凸部
１０とは互いの係止面１４ａ，１０ａが上下方向への離
脱不能に係合可能となっている。

第１，３，４図に示すように、前記下刃体５が前記下刃
体載置面８上に載せられ、前記上刃体４がスペーサ６を
介して下刃体５上に載せられている。そして、前記キャ
ップ部材７は上刃体４上に重ね合わされ、そのかしめ突
起１２が上刃体４、スペーサ６、下刃体５、刃台３のか
しめ孔４ａ，６ａ，５ａ，３ａを通して刃台３の下面に
おいて溶融されてかしめられている。

これにより、上刃体４がキャップ部材７とスペーサ６と
の間で挟着されているとともに、下刃体５が刃台３とス
ペーサ６との間で挟着されている。この状態では、上刃
体４と下刃体５とはほぼ平行な状態で、かつ下刃体５の
刃先５ｂが上刃体４の刃先４ｂよりも前方へ突出した状
態になっている。又、両係止凸部１０とは互いの係止面
１４ａ，１０ａが上下方向への離脱不能に係合されてい
る。

このように本実施例では、カートリッジ１の前部におい
て、キャップ部材７の係止凸部１４と刃台３の係止凸部
１０とが互いの係止面１４ａ，１０ａにおいて係合した
状態でカートリッジ１をかしめ突起１２によりかしめて
いるので、カートリッジ１の後部において刃台３、上下
両刃体４，５及びスペーサ６をかしめているにもかかわ
らず、カートリッジ１の前部が離間することがなく、カ
ートリッジ１全体を十分に挟着固定できる。

又、本実施例の剃刀は、下刃体５の刃先５ｂとキャップ
部材７のガード１３前端との間の長さＬが長く、皮膚移
動時における刃先の安定性が高い。

なお、本発明は前記実施例に限られることなく、次のよ
うにしてもよい。

（イ）第５図に示すように、キャップ部材７の係止凸部
１４の後面を曲面状に形成するとともに、刃台３の係止
凸部１０の前面を同キャップ部材７の係止凸部１４の後
面と対応するように形成する。

（ロ）キャップ部材７の係止凸部１４をキャップ部材７
の側前部に形成するとともに、刃台３の係止凸部１０を
同キャップ部材７の係止凸部１４の後面と対応するよう
に刃台３の側前部に形成する。

［発明の効果］ 以上詳述したように本発明においては、カートリッジを
その後側でかしめても、カートリッジ前部で刃台とキャ
ップ部材とが係合しているので、カートリッジ前部で刃
台とキャップ部材とが互いに浮くことはなく、カートリ
ッジ全体を確実に挟着固定することができる。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図は本発明の一実施例の安全剃刀を示し、第１
図は同安全剃刀のカートリッジの分解斜視図、第２図は
同安全剃刀の組立斜視図、第３図は第２図のＸ−Ｘ線拡
大断面図、第４図は第２図のＹ−Ｙ線拡大断面図、第５
図は本発明の別例で係止部の形状が異なる安全剃刀を示
す断面図、第６図は従来の安全剃刀を示すカートリッジ
の断面図である。 カートリッジ１、刃台３、刃体４，５、キャップ部材
７、係止凸部１０、かしめ突起１２、係止凸部１４。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】刃台（３）とキャップ部材（７）及びこれ
   ら（３，７）の間に配置される刃体（４，５）をカート
   リッジ（１）の後部にてかしめ固定するカートリッジ式
   剃刀において、 刃台（３）の前部に係止部（１０）を設けるとともに、
   キャップ部材（７）の前部には前記刃台（３）の係止部
   （１０）に対し刃体（４，５）の厚さ方向への離脱不能
   に係合する係止部（１４）を設け、両係止部（１０，１
   ４）の係合作用と、カートリッジ（１）後側でのかしめ
   作用とによりカートリッジ（１）全体を固定したことを
   特徴とするカートリッジ式剃刀。