JPH0659316B2 - 経皮デリバリ−システム - Google Patents

経皮デリバリ−システム

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JPH0659316B2
JPH0659316B2 JP61110451A JP11045186A JPH0659316B2 JP H0659316 B2 JPH0659316 B2 JP H0659316B2 JP 61110451 A JP61110451 A JP 61110451A JP 11045186 A JP11045186 A JP 11045186A JP H0659316 B2 JPH0659316 B2 JP H0659316B2
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JP
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drug
matrix
gel
delivery system
sheet
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JP61110451A
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アンソニー・ウイリアム・ジエンキンス
スチユアート・トーマス・レズリ
ロナルド・ブラウン・ミラー
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ユ−ロセルテイツク・エス・ア−
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は経皮デリバリーシステム(transdermal deliver
y system)、特に皮膚に対して薬剤をコントロールしな
がら投与するための経皮デリバリーシステムに係る。本
発明は、前記デリバリーシステムの製造方法にも係る。
経皮的に薬剤を投与するための薬剤デリバリーシステム
は従来公知である。例えば、英国特許出願公開第2,081,
582号明細書には経皮的ニトログリセリン・パツドが記
載されている。このパツドは、ニトログリセリンの吸収
および輪送に耐性の裏材(バツキング)とこの裏材に貼
着されたシリコーンマトリツクスとから成る。マトリツ
クスは、親水性溶媒(ニトログリセリン含有ポリエチレ
ングリコール)と疎水性溶媒(鉱油または飽和ヤシ油酸
のトリグリセリド)の混合物の存在下でシリコーンゴム
を架橋させて製造される。疎水性溶媒を存在させると、
ニトログリセリンの分散および輸送が改善されると言わ
れている。
このパツドに関連した問題点は、経皮投与に適切な量の
ニトログリセリンを収容させるためにサイズをかなり大
きくしなければならないことである。
英国特許出願公開第2,100,605号明細書に開示の経皮的
薬剤デリバリー用の医療用包帯は、裏材,薬剤を含有す
るレザバー,速度調整膜(ratecontrolling membrane)
および接着剤層から成る。前記レザバーは、通常、天然
に存在するもしくは合成のオイルと、セルロース,多糖
類もしくはケイ素剤の如き流動化剤(rheological agen
t)と薬剤との混合物である。前記膜はレザバーに隣接
しており、微小孔構造を有する。膜のこの性質によりレ
ザバーからの薬剤放出速度がコントロールされる。何故
ならば、薬剤の放出速度は膜のボデイを薬剤が通過する
速度により決定されるからである。
このタイプのシステムの一つの問題は、薬剤の放出速度
をコントロールすべく膜を限られた範囲から選択しなけ
ればならず、かなり非フレキシブルなシステムしか作ら
れなかった。
このタイプの包帯に関連した別の問題は、薬剤ビヒクル
が接着剤層に沿つて浸透し、皮膚との接着性が損われる
恐れがあることである。
本発明の目的は、上記した問題を解決する経皮デリバリ
ーシステムを提供することである。
本発明の別の目的は、薬剤が通過する層が微小孔よりむ
しろ巨大孔(macroporous)であるコンパクトな経皮デリ
バリーシステムを提供することである。
本発明の更に別の目的は、薬剤が接着剤層に沿つて移行
することのないコンパクトな経皮デリバリーシステムを
提供することである。
本発明の上記した目的および利点は、以下の記載から明
らかであろう。
本発明により提供される薬剤を経皮的に投与するための
経皮デリバリーシステムは、 (a) 薬剤に対して実質的に不透過性の裏材と、 (b) 裏材の表面に隣接した、流体,流体ゲル化剤およ
び薬剤を含む薬剤含有ゲルから成るマトリツクスと、 (c) マトリツクスに隣接した、薬剤含有ゲルを その孔を介して通過させる多孔シートと、 から成る。
前記流体(fluid)は、薬剤と相溶性でありかつ流体中の
薬剤濃度が30℃で少なくとも0.1%(w/w)となるに十分
な溶解性を薬剤が示しうるものであればよい。しかしな
がら、薬剤を有効的に経皮デリバリーするためめには、
薬剤が流体に極めて可溶性であつてはならない。所与の
流体中での薬物の最大濃度が30℃で10%(w/w)で
あるのが好ましい。より好ましくは、本発明の経皮デリ
バリーシステムにおいて一回投与量(unit dose)の薬剤
の流体中の濃度が30℃での(流体中の薬剤の)飽和濃
度の75%以上、特に85%以上であるように流体を選
択する。
適当な流体には、水,プロピレングリコール,ポリエチ
レングリコールおよびプロピレンカーボネートが包含さ
れる。しかしながら、当業者に公知のごとく他にも適当
な生物学的に許容されうる流体がある。
前記の流体ゲル化剤は、特定の流体とゲルを形成しかつ
薬剤と相溶性の任意のチキソトロープ剤および/又はシ
ツクナーである。このゲル化剤を使用すると流体の流動
性が抑えられ、(流体の)粘度が上昇し最終的にはゲル
が形成される。ゲル化剤は本質的にマトリツクス中のス
ランプ(slump)またはラン(run)を解消し、薬剤はゲル
からコントロールしながら放出されるようになる。ゲル
化剤は、貯蔵中薬剤が沈降するのを防止する作用も有す
る。
適当な流体ゲル化剤を以下に列挙する。
(a) カルボキシアルキルセルロースやそのアルカリ金
属誘導体のような水溶性セルロース材料。好ましいセル
ロース材料は水溶性のヒドロキシアルキルセルロース、
特にC−Cヒドロキシアルキルセルロースである。
本発明者らは、Hercules Powder Companyから“Natroso
l 250”の商品名で販売されているヒドロキシエチルセ
ルロースが本発明のゲルに使用するのに特に適している
ことを知見した。
本発明のデリバリーシステムのゲル中に使用するセルロ
ース材料の量は、所要の薬剤放出速度(および有効性)
により決定される。セルロース材料の好ましい使用量
は、ゲル全体の1〜6重量%、特に2.5〜3.5重量%であ
る。
本発明の経皮システムの好ましい具体例では、ゲル中の
セルロース材料は水によつて水和されているが、デリバ
リーシステムに悪影響を及ぼさない限り極性の生理学的
に許容しうる溶媒(特にアルコール)を少量水和媒体中
に存在させてもよい。
(b) 寒天,アガロース,アルギン,アルギン酸ナトリ
ウム,アルギン酸カリウム,カラゲニン,カツパ−カラ
ゲニン,ラムダ−カラゲニン,フーコイジン(fucoida
n),フルセララン(furcellaran),ラミナロン,トラガ
カント,イバラノリ(hypnea),ユーケウマ(eucheuma),
アラビアゴム,ガツチゴム,カラヤゴム,グアガム,ロ
ーカストビーンガム,マルメロ(quince psyllium),オ
クラガム,アラビノガラクチン,ペルクチン(percti
n),キサンタン,スクレログルカン,デキストラン,ア
ミロース,アミロースペクチン,デキストリン等のよう
な水溶性多糖類。
(c) 黒いぶしシリカ,試薬級砂,沈降シリカ,多孔質
シリカ,コロイド状二酸化ケイ素,溶融シリカ,シリカ
ゲル,石英および市販の粒状ケイ素含有材料〔例えばSy
loid ,Cabosil ,Aerosil およびWhitelite 〕のよ
うなケイ素含有材料。
本発明ゲルに使用されるケイ素材料の量はゲル全体の0.
1〜25重量%が好ましく、特に好ましくは1〜15重
量%である。
(d) セチルアルコール,ステアリルアルコールやセト
ステアリルアルコールのような長鎖(C〜C36)脂
肪族アルコール。
ゲルが適当な保存剤、例えばオクチリノン(商品名 Ka
thon)を少量含有していてもよい。
流体および流体ゲル化剤と相溶性でありかつ皮膚を介し
て体内循環させるべく経皮的に投与されうる薬剤が、本
発明のデリバリーシステムに配合されうる。
前記薬剤を以下に列挙する。
(a) 硝酸グリセリ,硝酸アミル,モノ−およびジ硝酸
イソソルビトール,トリ硝酸トリエタノールアミン,ニ
フエジピン,ベラパミル,ニコチン酸のような血管拡張
剤。
(b) クロニジンやプロプラノロールのような降圧剤。
(c) ヒドロクロロチアジド,ベンドロフルメチアジド
やエタクリン酸のような利尿剤。
(d) 2−ジフエニルメトキシ−N,N−ジメチルエタ
ンアミン,フマル酸クレマスチンやメピラミンのような
抗ヒスタミン剤。
(e) スコポラミン,アトロピン,臭化メチルスコポラ
ミンのような抗コリン剤。
(f) コデイン,モルヒネ,アスピリン,サリチル酸ナ
トリウム,サリチルアミド,ヒドロモルホンやフエナゾ
シンのような鎮痛剤。
(g) サルブタモール,アルフア−(1−(メチルアミ
ノ)エチル)−ベンゼンメタノールやイソプロテレノー
ルのような気管支拡張剤。
(h) 6−メチルプレドニゾロン,メチルテストステロ
ン,フルオキシメステロン,エストロン,エストラジオ
ール,エチニルエストラジオール,酢酸17−ヒドロキ
シプロゲステロン,酢酸メドロキシプロゲステロン,1
9−ノルプロゲステロン,ノルエチンドロン,ヒドロコ
ルチゾン,デキサメサゾンやプレドニゾロンのようなス
テロイド。
(i) チロキシン,バソプレシン,ヘパリンやインシユ
リンのような非ステロイド系ホルモン。
(j) クロルプロパミドやグリベンクラミドのような抗
糖尿病薬。
(k) 4−アミノキノリン,9−アミノキノリンやピリ
メタミンのような抗マラリア剤。
(l) ビタミン,必須アミノ酸および必須脂肪酸(essent
ial fats)。
(m) ペンタバルビタールナトリウム,フエノバルビタ
ール,フエノバルビタールナトリウム,セコバルビター
ルナトリウムやブロムジエチルアセチル尿素のような鎮
静剤および催眠薬。
(n) 3−(2−アミノプロピル)インドールアセテー
トや3−(2−アミノブチル)インドールアセテートの
ような精神エネルギー剤(Psychic ener-gisers)。
(o) レセルピン,塩酸クロルブロマジンや塩酸チオプ
ロパゼートのようなトランキライザー。
(p) ペニシリン,テトラサイクリン,オキシテトラサ
イクリン,クロロテトラサイクリン,クロラムフエニコ
ールやスルフオナミドのような殺菌剤。
(q) インドメタシンやイブプロフエンのような抗炎症
剤。
上記薬剤の中で、ニトログリセリン,ニフエジピン,サ
ルブタモールおよびヒドロモルホンが本発明のデリバリ
ーシステムに使用するのに特に適している。
薬物をマトリツクスに添加するとき、薬物を純粋な化合
物の形態にしても、或いは経皮的に適用されうる他の薬
剤もしくは患者に薬剤を経与的に投与するという所望の
目的には合わない他の成分と混合してもよい。従つて、
エーテル,エステル,アミド,アセタール,塩等の薬剤
の薬理学的に許容されうる誘導体を使用することもでき
る。場合によつては実際には前記誘導体の方が好まし
い。
ゲル中の薬物の量は一般に血流中の薬物レベルを所定期
間治療レベルに維持するのに十分な量である。正確な量
は特に、薬剤の通常の1日投与量および1日あたりの本
発明の経皮デリバリーシステムの適用回数に依存する。
薬剤濃度はゲル全体の0.1〜20.0重量%が好ましく、最
も好ましくは0.5〜15.0重量%である。
本発明のデリバリーシステム中のゲルの総重量は0.2〜
10gが好ましく、特に好ましくは0.5〜5gである。
多孔シート(Perforated sheet)はポリマー物質製であ
る。好ましいポリマー物質およびシート厚さは、(孔を
介する以外)シートを介する薬剤の拡散速度が小さく、
通常約150μg/hr/cm2以下であるように選択され
る。適当な物質としては、ポリエチレン,ポリプロピレ
ン,エチレン−プロピレン共重合体,ポリイソプレンの
ようなポリオレフイン、ポリアミド、エタクリレート,
テレフタレート,エチレン−酢酸ビニル共重合体,エチ
レン−ビニル低級アルキルアセテート共重合体のような
ポリエステルやポリアクリロニトリルが例示される。好
ましい多孔シートは、エチレン/酢酸ビニル共重合体か
ら製造される厚さ0.1〜0.4mm(最も好ましくは0.15〜0.
2mm)のものである。好ましいエチレン/酢酸ビニル共
重合体シートは、3Mブランド外科用タイプ、No.1527L
として3Mカンパニーから販売されている。
放出表面積は、本発明タイプの経皮システムと関連した
通常の範囲内である。通常5〜20cm2である。用量が
高くなれば、表面積をより大きくしうる。
放出表面積(area of the release surface),孔のサ
イズおよび数,ゲルの量,ゲル中の薬剤濃度および他の
要因により、本発明デリバリーシステムの治療持続時間
が決定される。持続時間の極めて短かい、或いは極めて
長いデリバリーシステムも作成しうるが、一般的な作用
持続時間は8〜120時間、特に12〜72時間であ
る。
本発明のデリバリーシステムは、英国特許出願公開第2,
100,605号明細書に記載のシステムと根本的に異なる。
従来のシステムでは、ニトログリセリンのみ(または有
機オイルと組合せて)が微小孔膜の孔を介して拡散され
ることによつてニトログリセリンが放出される。これに
対して、本発明では薬剤含有ゲルがポリマー物質のシー
ト中の孔を介して移動し、ゲルを介して薬剤が拡散され
ることにより薬剤が放出される。
ゲルを調製する材料は、速度調整シートを形成するポリ
マーより広範囲から選択されうるので、本発明は、英国
特許出願公開第2,100,605号明細書のシステムよりも薬
剤放出(薬剤の選択,薬剤の放出速度等)の点で広い適
応性(flexibility)を有する。
本発明のデリバリーシステムの裏材は、薬剤に対して実
質的に不透過性でなければならない。適当な材料もしく
はその組合せについては当業者に公知である。即ち、裏
材は、ナイロンやポリエチレンテレフタレートの如き有
機ポリマーから作成されうる。裏材を、アルミニウムホ
イルの如き金属ホイールまたは前記ホイールと有機ポリ
マーのラミネートから作成してもよい。他の方法につい
ても当業者は容易に想到しうる。英国特許出願公開第2,
100,605号明細書にも記載されているので参照された
い。なお、前記英国特許明細書の記載内容は参照により
本明細書に包含されることとする。
本発明のデリバリーシステムの使用を容易にするため
に、本発明システムがコンタクト接着剤層と保護層を更
に含んでいてもよい。接着剤層は多孔シートに接して設
けられ、当業者に公知の任意の生物学的に許容されうる
コンタクト接着剤を用いて製造されうる。これら接着剤
には、シアノアクリレート,アクリレート,コロイド状
ガム,ポリイソブチレン接着剤,シリコーン医療用接着
剤等が包含される。本発明の好ましい具体例では、接着
剤層は当初比較的高濃度の薬剤を含む。これにより、当
初患者に対して高濃度の薬剤が供給(delivery)され
る。保護層は接着剤と接して設けられ、使用前に剥がさ
れる。この保護層は例えば公知の保護ペーパー,金属ホ
イール或いはポリマーから製造されうる。適当な材料は
当業者には公知であろう。保護層は、薬剤および薬剤含
有ゲルに対して実質的に不透過性でなければならない。
また本発明のデリバリーシステムから使用前に容易に除
去されなければならない。
本発明者らは、マトリツクスを包囲すべく接着剤層を裏
材にシールした経皮デリバリーシステムでは、マトリツ
クスの内容物が移行する(migrate)ことがあることを知
見した。こうなると、皮膚の接着が低下し、揮発性薬剤
の場合にはマトリツクスの活性成分が損失することがあ
る。
本発明により提供される別のデリバリーシステムはこれ
らの問題を解消する。裏材および速度コントロールシー
ト/接着剤層の薄板を外部および内部シールで接合す
る。これら2個のシール間に速度コントロールシート/
接着剤層の薄板(lamina)は存在しない。従つて、この具
体例ではマトリツクスがチヤネルで包囲されており、チ
ヤネルを介してマトリツクスの内容物が簡単に通過する
ことはなく、薬剤含有ゲルの外側への移動(lateral mov
ement)は防止される。このようにして、速度コントロー
ルシート/接着剤層の薄板の外側(周辺部分)とマトリ
ツクス内容物とは隔離される。従つて、少なくともこの
外側部分の皮膚接触は高く保持されうる。
(上記した如く)マトリツクスを包囲するチヤネルを有
するデリバリーシステムからの揮発性成分の損失は、裏
材と保護層との間のこのマトリツクス包囲チヤネル内に
包囲(surrounding)〔円周方向circumferential)〕シー
ルを形成することによつて防止される。
本発明の経皮デリバリーシステムの製造方法は、流体,
流体ゲル化剤および薬剤を混合して薬剤含有ゲルを調製
する工程を含む。
次いで薬剤含有ゲルを、所要により接着剤層および保護
層を設けた多孔シート上に堆積させて前記ゲルを本発明
デリバリーシステムに導入する。このときには(ゲルの
上の)裏材を多孔シートに対して熱封緘させることによ
りシステムが完成する。
ゲルを裏材に堆積させてもよい。このときには多孔シー
トを裏材に対して熱封緘させる。(多孔シート/接着剤
層の薄板内に)包囲チヤネルを持たない多孔シートのデ
リバリーシステムの場合には、慣用の製袋機(sachet m
achine)を用いて製造されうる。これは本発明の重要な
利点である。
本発明の経皮デリバリーシステムおよびその製造方法
を、以下非限定的実施例を参照しながら説明する。
実施例 1 ゲルの調製 〔ラクトース(BP)上に10%TNGの形態の〕ニト
ログリセリン0.7gおよびオクチリノン(Octhilinone)
(商品名 Kathon CG)0.1gを、25〜45℃に加温し
たフタ付容器内に収容した蒸留水(89.9g)中に磁気撹
拌しながら溶解させた。
澄明な溶液が形成されたとき、ヒドロキシエチルセルロ
ース(商品名 Natrosol 250 HHBr,3g)を撹拌しな
がら徐々に添加した。ヒドロキシエチルセルロースの添
加終了後もさらに5分間、凝集性の(cohesive)ゲルが
形成されるまで撹拌を継続させた。
デリバリーシステムの作成 裏付きの(lined)自己粘着性エチレン/酢酸ビニル共
重合体(EVA)から成る巨大孔膜(商品名 3M−1
527L)にアルミニウム裏材(商品名 3M 100
6)を熱封緘して、一端が開いた10cm2の楕円形デリ
バリーシステムを作成した。針に取り付けたチユーブを
通して上記ゲル2.3gをシステムのマトリツクスに注入
した。次いで楕円体を熱熱封緘して閉じ、デリバリーシ
ステムを切断した。こうして放出ライナーを有する突出
タブ(pro-truding tab of the release liner)が形成
された。
デリバリーシステムを、熱封緘させたアルミニウムホイ
ール外包内で保存した。
実施例 2 ラクトース上のTNGに代えてラクトース上のジ硝酸イ
ソソルビトールを用いた以外は実施例1と同様にして、
デリバリーシステムを作成した。
実施例 3 ラクトース上のTNGに代えて硝酸オクチル(0.7g)を
用い、蒸留水を加えてゲルの重量を100gとした以外
は実施例1と同様にして、デリバリーシステムを作成し
た。
実施例 4 ラクトース上のTNGに代えてモノ硝酸イソソルビトー
ルを用いた以外は実施例1と同様にして、デリバリーシ
ステムを作成した。
実施例 5 ゲルの調製 サルブタモール(2g)をプロピレングリコール(84.2
g)中に撹拌かつゆつくり加温しながら溶解させた。次
いでセトステアリルアルコール(13.8g)を添加し、混
合物を撹拌しながら60℃に加熱した。混合物を室温まで
冷却した。
デリバリーシステムの作成 上記サルブタモールゲル(1.5g)をマトリツクスに注
入した以外は実施例1と同様にして、デリバリーシステ
ムを作成した。
実施例 6 ゲルの調製 ニフエジピン(1.5g)をプロピレングリコール200
(88.5g)中に撹拌かつゆつくり加温しながら溶解させ
た。次いで溶融シリカ(10.0g)を撹拌しながら添加し
た。
デリバリーシステムの作成 上記ニフエジピンゲル1.33gをマトリツクスに注入した
以外は実施例1と同様にして、デリバリーシステムを作
成した。
実施例 7 ゲルの調製 炭酸プロピレン(89.3g)を20℃で溶融シリカ(10.2
g)に添加、撹拌した。次いで、ヒドロモルホン(0.5
g)を混合物中に撹拌かつゆつくり加温しながら溶解さ
せた。混合物を冷却した。
デリバリーシステムの作成 上記ヒドロモルホンゲル2gをマトリツクスに注入した
以外は実施例1と同様にして、デリバリーシステムを作
成した。
実施例 8 ゲルの調製 セトステアリルアルコール(18g),アルキル硫酸ナ
トリウム(2g),オレイン酸デシルエステル(10
g),ソルビタンモノオレエート(1.4g),ポリオキ
シエチレンモノオレエート(3.6g),Nipastat(商品
名,2g)およびプロピレングリコール(20g)を、
均質な混合物が得られるまで撹拌しながら80℃で混合
した。次いで、アスピリン(2g)およびラクトース
(1g)を混合物中に添加、撹拌した。熱水性エタノー
ル(43g)を添加し、混合物を撹拌しながら冷却して
ゲルを調製した。
デリバリーシステムの作成 アスピリンゲル2gをマトリツクス中に注入した以外
は、実施例1と同様にしてデリバリーシステムを作成し
た。
次に添付図面を参照しながら説明する。
第1図に示した楕円形の経皮デリバリーシステム(1)
は、吸蔵性(occlusive)澄明プラスチツクまたはアル
ミニウム被覆した熱封緘性プラスチツクから成る裏材
(2)を有する。実施例1のニトログリセリン含有ゲル2.3
g(3)を、裏材(2)にエチレン/酢酸ビニル共重合体の多
孔シート(4)によりシートした。このシートには、接着
着層(5)および保護ペーパー層(6)も設けた。
第2図に示した別の経皮デリバリーシステム(11)では、
多孔シート(14)と接着剤層(15)とを切開して、マトリツ
クス包囲チヤネル(17)が形成されている。
このデリバリーシステムの具体例では、接着剤層(15)に
沿つてゲル(13)が移行することがなく、皮膚との接着が
確保される。
第3図にも、第2図と類似のデリバリーシステムが図示
されているが、第2図のシステムに加えて、マトリツク
ス包囲チヤネル(17)内のアルミニウム裏材(12)とアルミ
ニウム保護層(16)との間に弱い円周方向シール(18)が設
けられている。
このデリバリーシステムの具体例では、非開放型デリバ
リーシステムから薬剤が損失することなく揮発性薬剤を
使用することができる。
臨床テスト 上記実施例1と同様に作成したデリバリーシステムから
のニトログリセリンの供給について調べた。各々16mg
のニトログリセリンを含む実施例1のデリバリーシステ
ム2個を、6名の被験者の胸部に置いた。12時間の間
に毎時間、14時間目と24時間目に採血した。サンプ
ル中のニトログリセリンについて、HPLCおよび熱熱エネ
ルギー分析装置を用いて検査した。第4図に、6名の被
験者のニトログリセリン血中濃度の時間的変化を示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の経皮デリバリーシステムの断面図で
ある。 第2図は、マトリツクスをチヤネルで包囲した本発明の
経皮デリバリーシステムの断面図である。 第3図は、マトリツクス包囲チヤネルにおいて裏材と保
護層がシールされている本発明の経皮デリバリーシステ
ムの断面図である。 第4図は、本発明のデリバリーシステムを用いた6名の
患者で得られた血中ニトログリセリンレベルを(時間を
関数として)示した図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 薬剤に対して実質的に不透過性の裏
    材と、 (b) 流体,流体ゲル化剤および薬剤を含む薬剤含有ゲ
    ルから成り裏材表面に隣接したマトリツクスと、 (c) システムからのゲルの放出速度をコントロールす
    るマトリツクスに隣接したシートと、 から成る薬剤の経皮投与用経皮デリバリーシステムであ
    つて、前記速度コントロールシートが薬剤含有ゲルが孔
    を通過しうる多孔シートであることを特徴とするシステ
    ム。
  2. 【請求項2】(孔を介する以外の)シートを介する薬剤
    の拡散速度が約150μghr-1cm-2以下である特許請求
    の範囲第1項に記載のシステム。
  3. 【請求項3】多孔シートがエチレン−酢酸ビニル共重合
    体から成る特許請求の範囲第1項又は第2項に記載のシ
    ステム。
  4. 【請求項4】多孔シートの厚さが0.1〜0.4mmである特許
    請求の範囲第3項に記載のシステム。
  5. 【請求項5】更に、多孔シートに接してコンタクト接着
    剤層および前記接着剤層に接して保護層を含む特許請求
    の範囲第1項から第4項のいずれかに記載のシステム。
  6. 【請求項6】(a)薬剤に対して実質的に不透過性の裏材
    と、 (b) 流体,流体ゲル化剤および薬剤を含む薬剤含有ゲ
    ルから成り裏材表面に隣接したマトリツクスと、 (c) システムからの薬剤もしくはゲルの放出速度をコ
    ントロールするマトリツクスに隣接したシートと、 (d) 速度コントロールシートに接したコンタクト接着
    剤層と、 (e) 接着剤層に接した保護層と、 から成る薬剤の経皮投与用経皮デリバリーシステムであ
    つて、マトリツクスを速度コントロールシートに形成さ
    れたチヤンネルとコンタクト接着剤層により包囲し、薬
    剤含有ゲルの外方向移動を防止することを特徴とするシ
    ステム。
  7. 【請求項7】マトリツクスがマトリツクス包囲チヤネル
    内の裏材と保護層との間のシールにより包囲されている
    特許請求の範囲第6項に記載のシステム。
  8. 【請求項8】速度コントロールシートが、薬剤含有ゲル
    が孔を通過しうる多孔シートである特許請求の範囲第6
    項または第7項に記載のシステム。
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