JP2003034633A - リザーバー型投与デバイス - Google Patents

リザーバー型投与デバイス

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JP2003034633A
JP2003034633A JP2001252111A JP2001252111A JP2003034633A JP 2003034633 A JP2003034633 A JP 2003034633A JP 2001252111 A JP2001252111 A JP 2001252111A JP 2001252111 A JP2001252111 A JP 2001252111A JP 2003034633 A JP2003034633 A JP 2003034633A
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JP
Japan
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film
drug
chuck
reservoir
support film
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JP2001252111A
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English (en)
Inventor
Noriko Nakajima
法子 中島
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Saitama Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Saitama Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】薬剤を含む液状又はゲル状の調整物を経皮的又
は経粘膜的に投与するリザーバー投与デバイスの提供。 【解決手段】支持体フィルム1と放出制御膜層5との間
に薬剤貯蔵槽2を有し、放出制御膜層の支持体フィルム
と接着した面の反対側の面に粘着剤層7、剥離フィルム
が積層されたリザーバー型投与デバイスにおいて、放出
制御膜と薬剤貯蔵槽との間に、内部チャックフィルム3
を設けることにより、保管時に薬剤液が薬剤貯蔵槽から
漏れ出すことを防止でき、更に内部チャックフィルムの
剥離手段を設けたので、デバイスの使用時に内部チャッ
クフィルムと支持体との密着を開放することができるリ
ザーバー型投与デバイス。 【効果】リザーバー投与デバイスは、薬剤含有液又はゲ
ルの保存中の薬剤貯蔵槽からの流出が防げ、粘着剤の粘
着力が低下したりすることもなく、又長期間の保管後
に、薬剤含有液又はゲルの漏れや、溶媒の揮散が防止で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬剤を含む液状ま
たはゲル状の調整物を経皮的または経粘膜的に投与する
リザーバー投与デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】薬物を皮膚あるいは粘膜を通して患者に
投与する、いわゆる経皮投与製剤あるいは経粘膜投与製
剤が、薬物を長期間にわたって一定の量を連続的に投与
することが出来ること、また、経口投与時に見られる胃
腸障害等の副作用も回避できることから注目されるよう
になった。
【0004】経皮投与製剤あるいは経粘膜投与製剤は、
薬剤が粘着剤層中に含まれたマトリックス型投与デバイ
スと、薬剤貯蔵槽を有するリザーバー型投与デバイスに
分類される。マトリックス型投与デバイスは配合する薬
剤の処方量が製剤の構造上限定されるが、リザーバー型
投与デバイスは薬剤貯蔵槽を有するため、マトリックス
型投与デバイスよりも多量の薬剤を保持することが出来
る利点が注目されており、本発明もリザーバー型投与デ
バイスに関するものである。
【0005】一般的には、リザーバー型投与デバイスは
微孔性の放出制御膜の一つの面に薬剤溶液の非透過性素
材からなる支持体で囲まれた薬剤貯蔵槽が設けられてい
る。薬剤貯蔵層には投与する薬剤の他に、1種または1
種以上の溶媒、及び吸収促進剤のほかに、場合によって
は安定化剤、溶解剤、増粘剤を含む溶液またはゲル状物
が封入される。そして、放出制御膜の他の面には粘着剤
が塗布されてなる粘着剤層が形成される等の何らかの患
部への接着手段を有し、さらにその外側に粘着剤層を保
護するために剥離可能な剥離ライナー層が設けられてい
る製剤がよく知られている。
【0006】投与デバイスを使用するときには、最外部
にある剥離ライナーを剥離して、患者の皮膚または粘膜
に投与デバイスの粘着剤層を貼り付ける。薬剤は放出制
御膜の細孔を通して徐々に放出され粘着剤を通過して患
者の皮膚または粘膜から吸収される。
【0007】薬剤の種類によっては粘着剤層において薬
剤が粘着剤に吸着して、皮膚または粘膜への放出が極端
に少なくなることがしばしば見られる。このために放出
制御膜の薬物貯蔵槽の直下の部分には粘着剤を塗布しな
いリザーバー型投与デバイスや、薬剤貯蔵槽の外周部分
の粘着剤層に切れ目を入れることにより、剥離ライナー
を除去する際に、薬剤貯蔵槽部分の粘着剤層部分が剥離
ライナーと一緒に除去されるように工夫されたリザーバ
ー投与デバイス等が検討されている。しかしながら、薬
剤貯蔵槽部分に粘着剤を塗布しないリザーバー投与デバ
イスは、粘着剤層の塗布されていない部分に空間がで
き、投与デバイスの保存中にこの空間部に薬液が溜り、
使用時に剥離フィルムを剥がす際に、薬剤液の損失が生
ずることになり好ましくない。また、薬剤貯蔵槽の外周
部分の粘着剤層部分に切れ目を入れても、使用時に剥離
ライナーを除去する際に粘着剤が完全に剥がすことがで
きずに、粘着剤の剥がし残り等が発生することがあるな
どの問題点があった。
【0008】また、放出制御膜の薬剤貯蔵槽がある面と
は反対側の表面全面に塗布されたタイプのリザーバー型
デバイスでは薬剤含有液またはゲルが保存期間中に常に
粘着剤と接触することにより、薬剤含有液またはゲルに
含まれる溶媒と粘着剤との組合せによっては粘着剤の粘
着力が低下したり、薬剤含有液またはゲルの液漏れが生
じることがあった。又粘着剤層から溶媒が揮散するなど
の問題等があった。
【0009】また、更に保存期間中に粘着剤層の粘着剤
と薬剤、経皮吸収促進剤、または溶媒との相互作用によ
り、リザーバー投与デバイスの患部への貼付した時に、
薬剤の経皮吸収時間が遅くなることが見られることもあ
った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、リザ
ーバー投与デバイスにおいて、保存期間中に薬剤貯蔵層
から放出制御膜を通して粘着剤層へ薬剤含有液またはゲ
ルが漏れ出すことを防止する機構を設けて、保存中に薬
剤含有液またはゲルと粘着剤との相互作用及び溶媒の揮
散等が生じるなどの問題点を解決したリザーバー型デバ
イスを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の問題点
を解決すべく鋭意研究を行なった。その結果、支持体フ
ィルムと放出制御膜層との間に薬剤貯蔵槽を有し、放出
制御膜層の支持体フィルムと接着した面とは反対の表面
の全面、または薬剤貯蔵槽の下部を除いた表面に粘着剤
層を設け、更にその外部にデバイスと同じ大きさの剥離
ライナーを設けたリザーバー型投与デバイスにおいて、
薬剤貯蔵槽と放出制御膜との間に内部チャックフィルム
を設けたデバイスであって、この内部チャックフィルム
は薬剤貯蔵槽よりも大きいが、デバイス全体の大きさよ
りは小さいものであって、内部チャックフィルムの薬剤
貯蔵槽よりも外側に相当する個所に、支持体フィルムか
ら内部チャックフィルムを剥離する剥離手段を有する構
造とすることによって、デバイスの使用する際に、この
剥離手段を用いて内部チャックフィルムを支持体フィル
ムから剥離させることができる。この機構によって内部
チャックフィルムと支持体フィルムの間にできた間隙を
通して、薬剤含有液またはゲルが薬剤貯蔵槽から放出制
御膜側に流出し、次いで放出制御膜から粘着剤層を通し
て、または放出制御膜から直接に、皮膚または粘膜の貼
付した部位に放出させることができる。投与デバイスの
保存中は、内部チャックフィルムのチャック剥離手段の
部位が支持体フィルム部分に密着することにより、薬剤
含有液またはゲルを薬剤貯蔵槽内に保持することができ
る機構となっているので、リザーバー型投与デバイスを
製造した後、保存期間中に薬剤含有液またはゲルが薬剤
貯蔵槽から流出を防ぐことができ、粘着剤層の粘着力の
低下や、溶媒の揮散等の問題を解決することができるこ
とを見出した。本発明はこれらの知見をもとに完成され
たものである。
【0012】すなわち、本発明は経皮的に薬剤を投与す
るための、リザーバー型投与デバイスであって、(a)
薬剤含有液または薬剤含有ゲルに対して非透過性の支持
体フィルム;(b)該支持体フィルムの中央部分の下側
に位置し、薬剤含有液または薬剤含有ゲルを含有する薬
剤貯蔵槽;(c)該薬剤貯蔵槽及び支持体フィルムの下
側に位置し、該薬剤貯蔵槽の大きさよりは大きいが、支
持体フィルムよりも小さい大きさの薬剤含有液または薬
剤含有ゲルの非透過性の内部チャックフィルムであっ
て、薬剤貯蔵槽の位置する個所よりも外側の部分に、該
内部チャックフィルムを該支持体フィルムから剥離させ
る機能を有するチャック剥離手段を有し、該チャック剥
離手段の個所が支持体フィルムに密着して、デバイスの
貯蔵時には薬剤貯蔵槽からの薬剤含有液または薬剤含有
ゲルの放出制御膜からの漏れ出しを防止するための内部
チャックフィルム;(d)該内部チャックフィルムの薬
剤貯蔵槽の設けられた面とは反対側にあって、該内部チ
ャックフィルムが位置するよりも外側の部分で支持体フ
ィルムと1カ所または2カ所以上の箇所でヒートシール
された放出制御膜;(e)該放出制御膜の支持体フィル
ムとヒートシールされた面とは反対側の表面の全面、ま
たはその表面の該薬剤貯蔵層の位置する個所を除いた表
面に粘着剤が塗布された粘着剤層;(f)該粘着剤層の
放出制御膜がある面とは反対の表面に位置し、支持体フ
ィルムの大きさと同じ大きさであり、薬剤成分及び水に
対して非透過性で剥離可能な剥離ライナー層;及び
(g)該支持体フィルムの外側表面に位置して、該リザ
ーバー型投与デバイスを使用する際に、内部チャックフ
ィルムを支持体フィルムから剥離するチャックフィルム
外部剥離手段;とからなることを特徴とするリザーバー
型投与デバイス、を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態につい
て、図1、図2、図3及び図4を参照しつつ説明する
が、本発明はこの特定の態様に限定されるものではな
い。
【0014】図1に本発明のリザーバー型投与デバイス
の一態様の投与デバイス01の拡大図とその拡大断面図
を示す。該投与デバイス01は、支持体フィルム1、内
部チャックフィルム3、放出制御膜5、粘着剤層7、及
び剥離ライナー8の積層体として構成され、支持体フィ
ルム1と内部チャックフィルム3との間の空間部に、薬
剤貯蔵槽2が構成されている。本投与デバイス01で
は、粘着剤層7は放出制御膜5の支持体フィルム1と反
対側の表面全面に塗布されている。支持体フィルム1
と、内部チャックフィルム3はともに、薬剤含有液また
はゲルに対して非透過性であり、薬剤含有液またはゲル
が漏出しない部材で構成されている。内部チャックフィ
ルム3の大きさは薬剤貯蔵槽2の面積よりは大きいが、
支持体フィルム1の大きさよりも小さく、該内部チャッ
クフィルム3の外縁部近くに、投与デバイスを使用する
際に、内部チャックフィルム3を支持体フィルム1から
剥離するためのチャックフィルム剥離手段4が備えられ
ている。
【0015】該チャックフィルム剥離手段4は、内部チ
ャックフィルム3の外周部に設けられた溝部分からな
り、該溝部分に支持体フィルム1に設けられた突起−溝
構造の突起部分が咬合し、該支持体フィルム1の外表面
の突起−溝構造の溝部分には、弾力性のある素材からで
きたリング状のチャックフィルム外部剥離手段9が嵌め
込まれている。該チャックフィルム剥離手段9は弾力性
があるので、支持体フィルム1の突起−溝構造の溝部分
に嵌め込まれた時には、支持体フィルム1と、内部チャ
ックフィルム3に設けられたチャックフィルム剥離手段
4とを密着させることによって、薬剤貯蔵槽2から薬剤
含有液またはゲルが漏れ出すことを防止する。投与デバ
イスを使用する際には、該チャックフィルム外部剥離手
段9を支持体フィルム1から取り除くことにより、該支
持体フィルム1と内部チャックフィルム3のチャックフ
ィルム剥離手段4との間に空隙ができ、該空隙から薬剤
含有液またはゲルが放出制御膜5の方へと流出する。放
出制御膜5は薬剤含有液またはゲル中の各成分に対して
透過性であり、薬剤含有液またはゲルが放出制御膜5か
ら浸出して、放出制御膜5の下部に設けられた粘着剤層
7を通して、皮膚面または粘膜面に到達できるような機
構となっている。
【0016】ヒートシール部6は、放出制御膜5と支持
体フィルム1とを接着するためのものであって、放出制
御膜5の内部チャックフィルム3よりも外側に位置する
1個または2個以上のトラックとして外周部分に設けら
れる。通常は同心円状に適宜の間隔で、トラックが適宜
の幅、例えば一つのトラックのシール幅は数ミリメート
ル程度、好ましくは1mm〜6mmで、トラック間の間
隔が、好ましくは1mm〜15mmであるように形成さ
れている。このヒートシール部6は永続的ヒートシール
とも呼ばれる場合があり、薬剤含有液またはゲルがその
ヒートシール部から漏出しないように、該支持体フィル
ム1と放出制御膜5とを完全に固着できるように形成さ
れている。また、該放出制御膜5と該内部チャックフィ
ルム3とは薬剤含有液またはゲルが通過するための若干
の空隙がある構造となっている。
【0017】粘着剤層7は、該放出制御膜5の支持体フ
ィルム1と接着された面とは反対側の表面の全面に設け
られている。そしてその粘着剤層の厚さは、デバイスを
皮膚または粘膜に貼付することのできる厚さであればよ
く、20μm〜300μmの厚みに、好ましくは50μ
m〜150μmの厚みとなるように、貼付剤に通常使用
される感圧接着剤を塗布して形成する。
【0018】粘着剤層7の放出制御膜5に接着した面と
は反対側の表面には剥離ライナー8が積層されている。
該剥離ライナー8は粘着剤層7と放出制御膜5を、投与
デバイスの保管時に保護する役割をはたす。従って、該
剥離ライナー8の大きさは、該投与デバイスと同じ大き
さであることが好ましい。該剥離フィルム8は該投与デ
バイスを使用するときに、粘着剤層から剥離する。
【0019】図2は、本発明の第二の形態の投与デバイ
ス02の拡大図と、該デバイスの拡大断面図である。該
投与デバイス02は、図1のデバイスの粘着剤層7が、
放出制御膜5の支持体フィルム1が接着している面とは
反対側表面の薬剤貯蔵槽の下部を除いた部分にのみ設け
られている点を除いては、図1のリザーバー型投与デバ
イスと同じである。
【0020】図3は、本発明の第三の形態の投与デバイ
ス03の拡大図と、該デバイスの一方向の拡大断面図で
ある。該投与デバイス03においては、支持体フィルム
1、薬剤貯蔵槽2、放出制御膜5、ヒートシール部6、
粘着剤層7、剥離ライナー8は第二の形態の投与デバイ
ス02と同じである。第三の形態の投与デバイス03で
は、内部チャックフィルム3は四角形であって、その大
きさは薬剤貯蔵槽2よりも大きい。該内部チャックフィ
ルム3のうちの相対する2辺は支持体フィルム1とヒー
トシール部6’でヒートシールすることにより固定さ
れ、残る2辺は、第二の形態の投与デバイス02におけ
るチャックフィルム剥離手段4と同じ機能を持つチャッ
クフィルム剥離手段4が施されている。該チャックフィ
ルム剥離手段4は、四角形の内部チャックフィルム3の
2辺の辺縁部に設けられた溝部分からなり、該溝部分に
支持体フィルム1に設けられた突起−溝構造の突起部分
が咬合する。該支持体フィルム1の外表面の該突起−溝
構造の溝部分には、弾力性のある素材からできたチャッ
クフィルム外部剥離手段9が嵌め込まれている。該チャ
ックフィルム剥離手段9は弾力性があるので、支持体フ
ィルム1の該突起部分に嵌め込まれている時には、支持
体フィルム1と、内部チャックフィルム3に設けられた
チャックフィルム剥離手段4とを密着させることによっ
て、薬剤貯蔵槽2から薬剤含有液またはゲルが漏れ出す
ことを防止する。該投与デバイス03の使用する際に、
この2辺の該チャックフィルム外部剥離手段9を支持体
フィルム1から取り除くことにより、該支持体フィルム
1と内部チャックフィルム3のチャックフィルム剥離手
段4との間が剥離されて空隙ができ、該空隙から薬剤含
有液またはゲルが放出制御膜5の方へ流出する構造にな
っている。
【0021】図4は、本発明の第四の形態の投与デバイ
ス04の拡大図と、一方向の拡大断面図である。該投与
デバイス04において、支持体フィルム1、薬剤貯蔵槽
2、放出制御膜5、ヒートシール部6、粘着剤層7、及
び剥離ライナー8は第一の形態の投与デバイス01と同
じである。第四の形態の投与デバイス04では、内部チ
ャックフィルム3の形態は、第一の形態の投与デバイス
01の内部チャックフィルムの形態と類似しているが、
チャックフィルム剥離手段の構造と、剥離する手段が異
なる。
【0022】該投与デバイス04においては、本発明の
投与デバイス01〜03の内部チャックフィルムに変わ
り内部保形成フィルム付き内部フィルムを用い、また、
チャックフィルム外部剥離手段に代わり、外部保形成フ
ィルムを用いる。内部フィルム12の外周部には、内部
保形成フィルム13がシールされている。また、内部保
形成フィルム13に相対する支持体フィルム1の外表面
部には、外部剥離手段として外部保形成フィルム14が
設けられている。チャックフィルム剥離手段は、内部保
形成フィルム13と、該支持体フィルム1と、その外側
に位置する外部保形成フィルム14とを細かな凹凸を設
けて圧縮成型することで成型される。投与デバイス04
を使用する際には、該外部保形成フィルム14の一部に
設けた保形成フィルム取外しタグ11を支持体フィルム
1から引き剥がすことにより、該外部保形成フィルム1
4が支持体フィルム1から薬物貯蔵槽2の外周に沿って
剥離除去される。これにより、該内部保形成フィルム1
3が支持体フィルム1から剥がれることにより、内部フ
ィルム12と支持体フィルム1との間に間隙が生じて、
薬剤含有液またはゲルが、薬剤貯蔵槽2から内部チャッ
クフィルム3と放出制御膜5との間の間隙へ流出し、放
出制御膜5をとおして、薬剤が皮膚または粘膜に放出さ
れる。
【0023】次に、本発明のリザーバー型投与デバイス
を構成する各構成要素について説明する。支持体フィル
ムは、薬剤含有液またはゲルが実質的に非透過性であ
り、皮膚または粘膜面の動きに追随性のある素材であれ
ば、その部材は特に限定されないが、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、エチ
レンビニルアルコール共重合体、エチレン酢酸ビニル共
重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、ポリウレタ
ンから選択される高分子から選ばれるフィルムを用いる
ことができる。また、これらの素材とアルミニウム箔等
の金属箔から選ばれる1種または2種以上のフィルムを
積層した材料も用いることができる。さらに、上記の高
分子フィルムにアルミニウム等の金属を蒸着したフィル
ム、または発泡フィルム、紙などとの積層体も用いるこ
とができる。例えば、ポリエチレン−ポリ塩化ビビリデ
ン−ポリエチレンの積層フィルムが好適に用いることが
できる。支持体フィルムと内部チャックフィルムとの間
に設けられる薬剤貯蔵槽部は当業者に周知の方法で容易
に形成することができ、例えば成型シール機などを用い
て金型成型により形成することができる。
【0024】内部チャックフィルムは、薬剤含有液また
はゲルが実質的に非透過性であり、皮膚または粘膜面の
動きに追随性のある素材であれば、その部材は特に限定
されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエス
テル、ポリカーボネート、エチレンビニルアルコール共
重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンーメタ
クリル酸共重合体、ポリウレタンから選択される高分子
から選ばれるフィルムを用いることができる。該内部チ
ャックフィルムは単層のフィルムであっても、また、前
記の高分子フィルムの2種以上のフィルムを積層した構
造の積層フィルムであってもよい。そして、内部チャッ
クフィルムは10μm〜100μmの厚さのものが好ま
しく、厚さが500μmより厚いものは内部チャックフ
ィルムの機能が発揮できないので好ましくない。なお、
本発明の第四の形態のデバイスで用いる内部フィルムも
内部チャックフィルムと同じ素材の高分子フィルムを用
いることができる。
【0025】放出制御膜としては、適宜の速度で薬物含
有液またはゲルを透過できるものであればその種類は特
に限定されないが、例えば微孔質または多孔質のフィル
ムを用いることができ、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリカーボネート、エチレン酢酸ビニル共重合体、
エチレンビニルアルコール共重合体などのフィルムを用
いることができる。より具体的には、多孔質ポリエチレ
ンフィルムや多孔質エチレン酢酸ビニル共重合体フィル
ムなどが強度や風合い、ヒートシールなどの易加工性の
面から好適である。放出制御膜の厚さは、5μm〜20
0μm、好ましくは20μm〜150μmが適してい
る。
【0026】内部チャックフィルムの剥離手段として用
いるチャックフィルム外部剥離手段としては、本発明の
第一の形態、第二の形態、及び第三形態の投与デバイス
においては、適度な弾性を有する素材のものが用いるこ
とが好ましく、例えばゴム系、シリコン系、テフロン
(登録商標)系の素材から選ぶことができる。そして、
その太さと長さは、チャックフィルム剥離手段と支持体
フィルムの該当する箇所に設けた、該チャックフィルム
外部剥離手段を嵌め込む溝部分の太さと長さに適合する
ものであればよく、この溝部分に該チャックフィルム外
部剥離手段を嵌め込むことによって、支持体フィルムと
内部チャックフィルムが圧迫され、薬剤貯蔵槽から薬剤
含有液またはゲルが流出することが防げるだけの圧力が
得られるような太さであれば用いることができる。該溝
部分の大きさに比して、該チャックフィルム外部剥離手
段の太さが小さすぎると、十分な圧力がえらず、薬剤貯
蔵槽から薬剤含有液またはゲルが流出することが防げな
くなり、また太すぎる場合も該溝部分に嵌め込むことが
できなくなるので好ましくない。
【0027】本発明の第四の形態の投与デバイスにおい
て、チャックフィルム外部剥離手段として用いられる保
形成フィルムは、プラスチックフィルムにアルミニウ
ム、銅、スズ、あるいは亜鉛から選ばれる1種または2
種以上の金属を積層することによって、鋳型性を持たせ
たフィルムを用いることができ、その幅は5mm〜10
mmの幅のもので、また、厚さは50μm〜300μm
のものを用いることが好ましい。
【0028】本発明のリザーバー型投与デバイスを皮膚
面または粘膜面に貼り付けるために、投与デバイスの放
出制御膜表面に塗布する粘着剤としては、皮膚面や粘膜
面に投与デバイスを固定できる慣用の感圧粘着剤から、
適宜選択して使用することができる。例えば、アクリル
酸エステル重合体、ポリイソブテン、ポリイソブチレ
ン、スチレン−イソプレン−スチレンブロック重合体、
天然ゴム、ビニルエーテル共重合体、ポリジメチルシロ
キサン、メタクリル酸エステル重合体などをベースポリ
マーとする感圧性粘着剤を塗布することが好ましい。こ
れらのうちで、ポリイソブチレン系及びポリイソブチレ
ン型とスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体の混合型からなる感圧性粘着剤が好ましい。また場合
によって、脂環族飽和炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹
脂、脂環族不飽和炭化水素樹脂、ロジンエステル、水素
添加ロジングリセリンエステル、テルペン樹脂などの粘
着付与剤、及び/またはポリイソプレン、ポリブテン、
ヤシ油、精製ラノリン等の軟化剤を配合することもでき
る。
【0029】本発明のリザーバー型投与デバイスを皮膚
面または粘膜面に貼り付けるために、投与デバイスの放
出制御膜表面の、薬剤貯蔵槽面を除いた部分に塗布する
粘着剤層に用いられる粘着剤としては、皮膚面や粘膜面
に投与デバイスを固定できる慣用の感圧粘着剤から、適
宜選択して使用することができる。例えば、アクリル酸
エステル重合体、ポリイソブテン、ポリイソブチレン、
スチレン−イソプレン−スチレンブロック重合体、天然
ゴム、ビニルエーテル共重合体、ポリジメチルシロキサ
ン、メタクリル酸エステル重合体などをベースポリマー
とする感圧性粘着剤を塗布することが好ましい。これら
のうちで、ポリイソブチレン系及びポリイソブチレン系
とスチレン−イソプレン−スチレンブロック重合体の混
合系からなる感圧性粘着剤が好ましい。また場合によっ
て、脂環族飽和炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂
環族不飽和炭化水素樹脂、ロジンエステル、水素添加ロ
ジングリセリンエステル。テルペン樹脂等の粘着付与
剤、及び/またはポリイソブチレン、ポリブデン、ヤシ
油、精製ラノリン等の軟化剤を配合することもできる。
【0030】剥離ライナーは薬物非透過性の素材で、投
与デバイスの使用時に、粘着剤層から剥離して用いるこ
とができる素材であれば用いることができる。例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエ
チレンビニルアセテート、ポリエチレンテレフタレート
などの高分子フィルム、アルミニウム、亜鉛などの金属
箔、紙、及び繊維から選ばれるフィルム、または2種以
上の素材を積層したラミネートフィルムをあげることが
できる。剥離ライナーの厚さは、50μm〜150μm
のものが好適に用いることができる。また、該剥離ライ
ナーの粘着剤層と接着する面にシリコンなどで薄いコー
ティング膜を施すことも可能である。
【0031】薬剤含有液またはゲルに含まれる薬剤の種
類は、経皮吸収可能な薬剤であれば特に限定されない
が、例えば、モルヒネ及びその塩、フェンタニール、ブ
プレノルフィン、ジヒドロキシエトルフィンなどの麻薬
性鎮痛剤;インドメタシン、イブプロフェン、フルルビ
プロフェン、ケトプロフェン、ジクロフェナク、メフェ
ナム酸、ピロキシカム、メロキシカム、サリチル酸メチ
ル、サリチル酸グリコールなどの非ステロイド系抗炎症
剤;コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、
デキサメサゾン、ジプロピオン酸ベタメサゾン、吉草酸
ベタメサゾン、トリアムシノロンなどのステロイド系抗
炎症剤;ベンドロフルメチアジド、ポリチアジド、メチ
クロチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロチア
ジドなどの利尿剤;
【0032】プラゾシン、ドキサゾシン、タムスロシン
などの排尿障害治療剤;ジアゼパム、ニトラゼパム、ク
ロルプロマジン、レセルピン、ハロペリドールなどの向
精神薬;バルビタール、チオペンタール、フェノバルビ
タール、シクロバルビタールなどの催眠剤;バルプロ酸
ナトリウム、メプロバメートなどの抗てんかん剤;
【0033】クロルゾキサゾン、レボドーパなどの抗パ
ーキンソン病薬;塩酸メトクロプラミド、トクロプラミ
ドなどの制吐剤;インシュリン、テストステロン、エス
トラジオール、プロゲステロンなどのホルモン剤;ニト
ログリセリン、硝酸イソソルビド、四硝酸ペンタエリス
リトール、ジピリダモールなどの冠血管拡張薬;
【0034】塩酸ニカルジピン、塩酸ジルチアゼム、ニ
フェジピン、ニルジピンなどのカルシウム拮抗剤;フマ
ル酸ケトチフェン、ロタラニドなどの抗アレルギー薬;
ツルブテロールサルブタモール、フマル酸ホルモテロー
ルなどの抗ぜんそく薬;ニコチンなどの禁煙補助剤など
をあげることができるが、これらに限定されることはな
い。
【0035】薬剤含有液またはゲルの形態は、経皮吸収
用または経粘膜吸収製剤として適する液状またはゲル状
(半固形状)の形態であればよく、特に限定されること
はない。薬物含有液またはゲルとして、通常は、水溶液
またはグリセリンなどの非水溶液、またはエタノール含
有水溶液など、適宜の液状形態の薬剤含有液を用いるこ
とができる。薬剤含有液に含まれる薬剤の濃度も特に限
定されず、当業者が適宜選択することができる。薬剤含
有液の調整も当業者に周知・慣用の調整方法を適宜選択
することができる。薬剤含有液またはゲルの調整にあた
っては、1種または2種以上の製剤用添加物を用いるこ
とができるが、それらの必要性及び種類は、製剤形態の
種類に応じて当業者が適宜選択することが可能である。
【0036】薬剤含有液またはゲルには、一般に外用剤
として用いられる溶剤、及び経皮、経粘膜吸収促進剤を
用いることができる。例えば、イソプロパノール、エタ
ノール、ベンジルアルコール、ノナノール、デカノー
ル、ドデカノールなどのアルコール類、グリセリン、ポ
リエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレ
ングリコール、ブチレングリコールなどの多価アルコー
ル類、n−ヘプタン、n−ノナンなどの高級アルカン
類、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、オレイン
酸、ミリスチン酸などの高級脂肪酸類、モノカプリル酸
グリセリン、モノカプリン酸グリセリン、ミリスチン酸
イソプロピル、オレイン酸ヘプチルなどの高級脂肪酸エ
ステル類、1−メントール、シネオールなどのテルペン
類、ハッカ油などの精油類、乳酸、クエン酸、酒石酸な
どのオキシカルボン酸類、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類などが
あげられる。
【0037】また、そのほかゼラチン、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子、ワセリ
ン、流動パラフィンなどの油性基剤、防腐剤、着色料、
乳化剤、保存剤などを製剤用添加剤として用いることが
できるが、これらに限定されるものではない。
【0038】なお、本発明のリザーバー型投与デバイス
の形状は特に限定されず、例えば、円形、楕円形、四角
形、多角形などのいずれの形状でもよいが、好ましくは
円形または四角形の形状である。投与デバイスの大きさ
も特に限定されないが、薬物を放出する面の面積が、例
えば、3〜200cmの範囲であることが利便性の点
から好ましい。
【0039】
【実施例】以下本発明を実施例によってさらに具体的に
説明するが、本発明は下記の実施例に限定されることは
ない。
【0040】実施例1 図1に示される本発明の投与デバイスを製造した。成型
シール機を用いて、ポリエチレン−ポリ塩化ビニリデン
−ポリエチレンで積層された支持体フィルム(バリアロ
ンCX−26、厚み64μm、旭化成工業株式会社)を
圧力5kgf/cm、金型温度45℃で、直径16m
m、容積約0.5mLのドーム状の凹部(とする)
と、これと同心円状に内径18mm、外径28mm、深
さ約2mmの凹部(とする)を作成した。に50
(V/V)%エタノール水溶液を0.4mL加え。その
上をチャックフィルム剥離手段付き内部チャックフィル
ム(放出制御膜と接する面に凸凹加工したポリエステル
−エチレン−酢酸ビニルの積層フィルム(厚み100μ
m、直径28mm)と内径19.5mm、外径26.5
mm、溝幅約2mmの凹チャックからなる)で覆い、支
持体フィルムの外表面側からテフロン製のチャックフィ
ルム外部剥離手段(OリングS−22、太さ1.5m
m、内径21.5mm、外径24.5mm)をに沿っ
てチャックフィルム剥離手段部位に支持体フィルムと共
に嵌め込み、50(V/V)%エタノール水溶液を封じ
込め、薬剤貯蔵槽を作った。また、チャックフィルム外
部剥離手段取外しタグとして、支持体フィルムとチャッ
ク外部剥離手段との間にポリエステル製のフィルム(厚
み16μm、幅2mm、円周約20mm)を通し、接着
剤で輪状にした。その後、内部チャックフィルムの上に
ポリエチレン製の多孔性の放出制御膜(セティーラE2
5LMS、厚み25μm、東燃化学株式会社)をかぶ
せ、圧力5kgf/cm、金型温度140℃で、の
中心から同心円状に2重の熱癒着(最内円:内径32m
m、外径34mm、癒着幅1mm、最外円:内径38m
m、外径46mm、癒着幅4mm)をした。
【0041】ポリイソブチレン系粘着剤として、VIS
TANEX MML−100(トーネックス株式会
社)、ハイモール4H(日本石油化学株式会社)、ES
CORETZ 1202U(トーネックス株式会社)を
溶剤のn−ヘプタンに混合溶解させ、コーティング試験
機(ダイカジャパン製、Mathis LTE−S
(M))を用いて、表面をシリコン処理されたポリエス
テル製の剥離ライナー(PET10011、リンテック
株式会社)に約200μmの厚みで塗膏し、乾燥温度5
0℃で10分間乾燥した後、表面を易剥離性のシリコン
で処理された剥離紙(ブルーグラシン、王子タック株式
会社)で粘着面を覆い、厚み約80μmの粘着層を得
た。この粘着層を一辺約60mmの四角形に切断し、易
剥離性の剥離紙を剥離後、粘着面を圧力5kgf/cm
で放出制御膜の上に圧着した。最後に直径44mmに
裁断し、本発明のリザーバー型投与デバイスを製造し
た。
【0042】実施例2 図2に示される本発明の投与デバイスを製造した。この
デバイスは、実施例1の薬物拡散部の粘着層を取り除い
た構造となっている。実施例1で使用したものと同じポ
リイソブチレン系粘着剤(一辺約60mmの四角形)の
中心部を直径30mmに打ち抜き、易剥離性の剥離紙を
剥離後、粘着面を圧力5kgf/cmで放出制御膜の
上に圧着した。それ以外は、実施例1と同様の方法でリ
ザーバー型投与デバイスを作成した。
【0043】実施例3 図3に示される本発明の投与デバイスを製造した。支持
体フィルム(バリアロンCX−26、厚み64μm、旭
化成工業株式会社)を圧力5kgf/cm、金型温度
45℃で、直径16mm、容積約0.5mLのドーム状
の凹部(とする)と、の中心から最短距離で18m
mのところから幅5mm、長さ50mm、深さ約2mm
の凹部(とする)をを挟んで平行に2本作成した。
に50(V/V)%エタノール水溶液を0.4mL加
え、その上から四角形のチャックフィルム剥離手段付き
内部フィルム(放出制御膜と接する面に凸凹加工したポ
リエステル−エチレン−酢酸ビニルの積層フィルム(厚
み100μm、46mm×50 mm)の長辺の両端に
溝幅約2mmの凹チャックが付いている)のチャックフ
ィルム剥離手段部分がに一致するように覆い、内部チ
ャックフィルムの相対するチャックのない短辺の両端を
圧力10kgf/cm、金型温度140℃で、支持体
フィルムと熱癒着(癒着幅2mm)し、支持体フィルム
の外表面側からテフロン製のチャックフィルム外部剥離
手段(OリングS−22を長さ46mmに切断したも
の、太さ1.5mm)をに沿って内部チャックフィル
ムのチャックフィルム剥離手段部位に支持体フィルムと
共に嵌め込み、50(V/V)%エタノール水溶液を封
じ込め、薬剤貯蔵槽を作った。その後の放出制御膜の熱
癒着(最内円:内径55mm、外径57mm、癒着幅1
mm、最外円:内径61mm、外径69mm、癒着幅4
mm)や粘着層の圧着は実施例1と同様に行った。
【0044】実施例4 図4に示される本発明の投与デバイスを製造した。この
投与デバイスは、チャックフィルム剥離手段の代わりに
内部保形成フィルム付き内部フィルム(放出制御膜と接
する面に凸凹加工したポリエステル製フィルム(厚み1
6μm、直径28mm)に内径19mm、外形28m
m、厚み200μmのアルミニウムが接着されている)
と、チャックフィルム外部剥離手段の代わりに外部保形
成フィルム(内径19mm、外形28mm、厚み200
μmのアルミニウム箔)を用いた。保形成フィルムの外
部剥離手段には、外部保形成フィルムの一部に厚み16
μm、一辺約10mmのポリエステル製フィルムを接着
し、保形成フィルム取外しタグとした。実施例1と同様
に金型を用いて成型したに50(V/V)%エタノー
ル水溶液を0.4mL加え、その上を内部保形成フィル
ム付き内部フィルムで覆い、このアルミニウム部分と支
持体フィルムの外表面側に位置する外部保形成フィルム
を用いての部位を挟み、それらを上下から細かい凹凸
がついた金型を用いて、圧力5kgf/cmで圧縮成
型して密着させることで支持体フィルムと内部保形成フ
ィルム付き内部フィルム間に50(V/V)%エタノー
ル水溶液を封じ込め、薬剤貯蔵槽を作った。その後の放
出制御膜の熱癒着や粘着層の圧着は実施例1と同様に行
った。
【0045】比較例1 ポリエチレン−ポリ塩化ビニリデン−ポリエチレンで積
層された支持体フィルム(バリアロンCX−26、厚み
64μm、旭化成工業株式会社)を圧力5kgf/cm
、金型温度45℃で、直径16mm、容積約0.5m
Lのドーム状の凹部を作成した。この凹部に50(V/
V)%エタノール水溶液を0.4mL加え、放出制御膜
(セティーラE25LMS、厚み25μm、東燃化学株
式会社)をかぶせ、圧力5kgf/cm、金型温度1
40℃で、凹部の中心から同心円状に2重の熱癒着(最
内円:内径32mm、外径34mm、癒着幅1mm、最
外円:内径38mm、外径46mm、癒着幅4mm)を
し、放出制御膜と支持体フィルム間に50(V/V)%
エタノール水溶液を封じ込め、薬剤貯蔵槽を作った。ポ
リイソブチレン系粘着剤を一辺約60mmの四角形に切
断し、易剥離性の剥離紙を剥離後、粘着面を圧力5kg
f/cmで放出制御膜の上に圧着した。最後に直径4
4mmに裁断し、リザーバー型投与デバイスを製造し
た。
【0046】試験例1:密封性試験 試験に用いる前に、各デバイスの上には20g分銅を乗
せ、30分以上放置後に液の漏れがないことを確認し
た。その後、50(V/V)%エタノール水溶液が封入
されている各デバイスを40℃(相対湿度65%)恒温
室に保存し、その重量を経時的に測定した。結果を表1
に示す。表中の数字は、50(V/V)%エタノール水
溶液残量の変化を残存率(%)平均値(n=3)で記載
した。
【0047】
【表1】 試験開始時の液体重量を100.0%とした場合の液体
残存量(%):平均値(n=3)
【0048】試験例2:皮膚への展着性 50(V/V)%エタノール水溶液を封入した各デバイ
スを25℃(成り行き湿度)恒温室に7日間保存し、そ
の後の皮膚への展着性を官能評価した。また、官能評価
を行う際には各デバイスを皮膚に貼付し、外部剥離手段
が存在するものはそれを取り除いた。また、各デバイス
は、製造後にデバイス上に20g分銅を乗せ、30分以
上放置後に液の漏れがないことを確認した後、試験に用
いた。結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明のリザーバー投与デバイスは、薬
剤貯蔵槽と放出制御膜との間に、内部チャックフィルム
を設けて、デバイスの保存中に薬剤貯蔵槽から薬剤含有
液又はゲルを放出制御膜へ流出することを防止し、本デ
バイスを使用する際にはこの内部フィルムを支持体フィ
ルムから剥離する機構を備えることにより、本発明のリ
ザーバー投与デバイスを保管中に、薬剤含有液又はゲル
が薬剤貯蔵槽からの流出が防げ、粘着剤の粘着力の低
下、また長期間(6ケ月)保管した後に、薬剤含有液又
はゲルの漏れや、溶媒の揮散を防止することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一態様であるリザーバー型投与デバ
イス01の拡大図と、その拡大断面図である。
【図2】 本発明の一態様であるリザーバー型投与デバ
イス02の拡大図と、その拡大断面図である。
【図3】 本発明の一態様であるリザーバー型投与デバ
イス03の拡大図と、その拡大断面図である。
【図4】 本発明の一態様であるリザーバー型投与デバ
イス04の拡大図と、その拡大断面図である。
【図5】 従来技術の製剤の拡大断面図と、その拡大断
面図である。
【符号の説明】
1 支持体フィルム 2 薬剤貯蔵槽 3 内部チャックフィルム 4 チャックフィルム剥離手段 5 放出制御膜 6 ヒートシール 6‘ ヒートシール 7 粘着剤層 8 剥離ライナー 9 チャックフィルム外部剥離手段 10 チャックフィルム外部剥離手段取外しタグ 11 保形成フィルム取外しタグ 12 内部フィルム 13 内部保形成フィルム 14 外部保形成フィルム

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】経皮的に薬剤を投与するための、リザーバ
    ー型投与デバイスであって、 (a)薬剤含有液または薬剤含有ゲルに対して非透過性
    の支持体フィルム; (b)該支持体フィルムの中央部分の下側に位置し、薬
    剤含有液または薬剤含有ゲルを含有する薬剤貯蔵槽; (c)該薬剤貯蔵槽及び支持体フィルムの下側に位置
    し、該薬剤貯蔵槽の大きさよりは大きいが、支持体フィ
    ルムよりも小さい大きさの薬剤含有液または薬剤含有ゲ
    ルの非透過性の内部チャックフィルムであって、薬剤貯
    蔵槽の位置する個所よりも外側の部分に、該内部チャッ
    クフィルムを該支持体フィルムから剥離させる機能を有
    するチャック剥離手段を有し、該チャック剥離手段の個
    所が支持体フィルムに密着して、デバイスの貯蔵時には
    薬剤貯蔵槽からの薬剤含有液または薬剤含有ゲルの放出
    制御膜からの漏れ出しを防止するための内部チャックフ
    ィルム; (d)該内部チャックフィルムの薬剤貯蔵槽の設けられ
    た面とは反対側にあって、該内部チャックフィルムが位
    置するよりも外側の部分で支持体フィルムと1カ所また
    は2カ所以上の箇所でヒートシールされた放出制御膜; (e)該放出制御膜の支持体フィルムとヒートシールさ
    れた面とは反対側の表面の全面、またはその表面の該薬
    剤貯蔵層の位置する個所を除いた表面に粘着剤が塗布さ
    れた粘着剤層; (f)該粘着剤層の放出制御膜がある面とは反対の表面
    に位置し、支持体フィルムの大きさと同じ大きさであ
    り、薬剤成分及び水に対して非透過性で剥離可能な剥離
    ライナー層;及び (g)該支持体フィルムの外側表面に位置して、該リザ
    ーバー型投与デバイスを使用する際に、内部チャックフ
    ィルムを支持体フィルムから剥離するチャックフィルム
    外部剥離手段;とからなることを特徴とするリザーバー
    型投与デバイス。
  2. 【請求項2】内部チャックフィルムが四角形であること
    を特徴とする請求項1に記載されたリザーバー型投与デ
    バイス。
  3. 【請求項3】内部チャックフィルムがポリプロピレン、
    ポリエステル、ポリカーボネート、エチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体から選ばれる高分子からなるフィルムである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載されたリザー
    バー型投与デバイス。
  4. 【請求項4】チャックフィルム剥離手段が、 (i)内部チャックフィルムの外縁部に設けられた溝構
    造のチャックフィルム剥離手段; (ii)(i)の溝構造に咬合するように支持体フィル
    ムの相対する個所に設けられた咬合する突起−溝構造;
    及び (iii)(ii)の溝構造部分に嵌め込むことによっ
    て、内部チャックフィルムと支持体フィルムとを圧迫す
    ることにより、薬剤貯蔵槽から薬剤含有液または薬剤含
    有ゲルの流出を防止し、取り外すことによって薬剤含有
    液または薬剤含有ゲルを薬剤貯蔵槽から放出制御膜部へ
    放出させるための、チャックフィルム外部剥離手段;と
    からなることを特徴とする請求項1ないし3に記載され
    たリザーバー型投与デバイス。
  5. 【請求項5】チャックフィルム剥離手段が、 (i)内部チャックフィルムの外縁部に設けた、チャッ
    クフィルム剥離手段としての機能を持つ内部保形成フィ
    ルム; (ii)(i)の内部保形成フィルムに相対する支持体
    フィルムの外表面部の箇所に、チャックフィルム外部剥
    離手段としての外部保形成フィルム;及び (iii)(ii)の外部保形成フィルムの一部に設け
    た保形成フィルム取外しタグ; とからなるチャックフィルム剥離手段であって、該チャ
    ックフィルム剥離手段が、(i)の内部保形成フィル
    ム、支持体フィルム、と(ii)の外部保形成フィルム
    とを、細かな凹凸を設けて圧迫成型することにより、形
    成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    に記載されたリザーバー型投与デバイス。
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