JPH0659230B2 - TGF‐βをコードしている核酸およびその用途 - Google Patents

TGF‐βをコードしている核酸およびその用途

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JPH0659230B2
JPH0659230B2 JP61064661A JP6466186A JPH0659230B2 JP H0659230 B2 JPH0659230 B2 JP H0659230B2 JP 61064661 A JP61064661 A JP 61064661A JP 6466186 A JP6466186 A JP 6466186A JP H0659230 B2 JPH0659230 B2 JP H0659230B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/475Growth factors; Growth regulators
    • C07K14/495Transforming growth factor [TGF]

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はTGF−βをコードしている核酸、およびその
用途に関するものである。
従来技術 哺乳類細胞の培養中で可逆的な表現型形質転換を誘導す
ることのできるペプチドは形質転換成長因子(TGF)
(1,2)と呼ばれている。α型TGFは表皮成長因子
(EGF)と競合的に、同一の細胞表面受容体(3)と
結合する。アミノ酸数50のTGF−α種が精製され、そ
れはEGF(4)と相同(ホモロジイ)な配列を有してい
ることが示された。TGF−αは種々の形質転換されたセ
ルラインによつて合成されているが、非胚起源の正常な
組織での合成は示されていない(3,5,6)。この5
0アミノ酸TGF−αは最初160アミノ酸前駆体分子の
一部として合成され、このものはN末端およびC−末端
のタンパク分解的プロセツシングを受けて成熟ペプチド
になる(7,8)。明らかにもつと分子量の大きいTGF
−α種が検出されるのは(1,2,9)、160アミノ
酸前駆体のプロセツシングが異なるからであろう。
β型(タイプβ)TGF活性は、多くの性状組織(10,
11)、例えば腎臓(12)、胎盤(13)および血小板(1
4,15)から、並びに、腫瘍細胞から単離されている。T
GF−βは血小板中に存在しているが、この血小板中に
は、血小板誘導性成長因子(PDGF)およびEGF様ペプ
チド(16)も含有されている。ウシTGF−βはラツトに
おける傷の治癒を促進することが示された(17)。しか
しながら、TGF−βでNRK線維芽細胞を処理すると、
EGFに対する膜受容体の数が増加したという報告もあ
る(20)。この観察結果は、TGF−βが、これらの細胞
上でのEGFおよびTGF−αの活性に対して大きい増強
作用を有するというTGF−βの既知の能力と一致してい
る(10,11)。さらに、TGF−βは単独で軟寒天中で、A
KR−2B線維芽細胞のコロニー形成を誘導する作用も有
する(21)。ある種の形質転換された細胞が高レベルで
TGF−βを分泌するということ(22)は、この成長調節
因子が悪性の形質転換において何らかの役割を演じてい
ることを示唆している。
TGF−βは、その細胞増殖刺激作用の外に、種々のヒト
がん細胞セルラインの固定依存性増殖を阻害することが
最近示された(13)。今日では、TGF−βは、アフリカ
ミドリザル(BSC−1)細胞から単離された増殖阻害因
子と同一、もしくは極めて近いと考えられている(2
4)。特定の細胞型のセルラインの増殖に対してTGF−α
が刺激的に作用するか、阻害的に作用するかは、細胞の
生理学的条件、および他の成長因子の存在等を含む多く
の変動因子(variables)に依存すると思われる。
ウシTGF−βは、配列決定可能な程度にまで精製され
た。成熟タンパク質の最初の15アミノ末端残基は、以
下の式であらわれさるものであることがわかつた: Ala-Leu-Asp-Thr-Asn-Tyr-CMC-Phe-Ser-Ser-Thr-Gly-Ly
s-Asn-CMC- (式中、CMCは、システイン残基または半−システイ
ン残基であるS−カルボキシメチルシステインを表わ
す)。
ヒト胎盤またはヒト血小板由来のヒトTGF−βも同程度
にまで精製された。胎盤性TGF−βのアミノ末端配列
は、式: Ala-Leu-Asp-Thr-Asn-Tyr-CMC-Phe-(Ser-Ser)-Thr-Glu-
Lys-Asn-CMC-Val-X-Gln-Leu-Tyr-Ile-Asp-Phe-X-(Lys)-
Asp-Leu-Gly- (式中、Xは未定であることを表わし、CMCは上記と
同意義である) で示されることが報告されている。血小板性TGF−βの
アミノ末端配列は、式: Ala-Leu-Asp-Thr-Asn-Tyr-X-Phe-Ser- (式中、CMCおよびXは上記の定義に従う) で示されることが報告されている。
TGF−βは、ジスルフイド結合を介して共有結合的に結
合している、分子量が極めて近い(Mr−12,500)2本の
ポリペプチド鎖からなつているとの報告がある。このジ
スルフイド結合は、TGF−β分子の構造を定める上で重
要な役割を果している様に思われる。
ヒト由来の生物学的物質を出発物質に用いないでTGF−
βを製造する方法の開発が期待されている。この様な方
法は、感染性の汚染物質、例えば、HTLV−IIIまたは肝
炎ウイルスが、生産物の製造過程で入り込み得ないこと
を確実にするのに大きく寄与するであろう。上記の目的
は、組換え合成法によつて達成される。しかしながら、
そうするためには、その様なTGF−βの組換え合成に用
いるためのベクターを調製する上で、TGF−βをコード
している核酸が必要である。その様な核酸はまた、組織
試料中のTGF−βメッセンジャー(mRNA)と、ゲノ
ムDNAの診断的な分析においても必要とされる。
要約 本発明は、(a)式: Ala Leu Asp Thr Asn Tyr Cys Phe Ser Ser Thr Glu Ly
s Asn Cys Cys Val Arg Gln Leu Tyr Ile Asp Phe Arg
Lys Asp Leu Gly Trp Lys Trp Ile His Glu Pro Lys Gl
y Tyr His Ala Asn Phe Cys Leu Gly Pro Cys Pro Tyr
Ile Trp Ser Leu Asp Thr Gln Tyr Ser Lys Val Leu Al
a Leu Tyr Asn Gln His Asn Pro Gly Ala Ser Ala Ala
Pro Cys Cys Val Pro Gln Ala Leu Glu Pro Leu Pro Il
e Val Tyr Tyr Val Gly Arg Lys Pro Lys Val Glu Gln
Leu Ser Asn Met Ile Val Arg Ser Cys Lys Cys Ser で示されるアミノ酸配列からなり、TGF−β活性を有
するポリペプチドをコードしているDNAを含んでいる
ベクターを組立て、(b)該ベクターで哺乳類宿主細胞を
形質転換し、(c)形質転換された細胞を培養し、(d)培養
物から上記ポリペプチドを含有する生成物を回収する、
ことからなる方法により、上記の目的を達成したもので
ある。
本発明方法では、TGF−βをコードしているDNAを
用いる。このDNAは、上記のベクターを組立てるのに
有用である。このDNAまたは、このDNAとハイブリ
ダイズし得る核酸を標識し、TGF−βまたはその近縁タ
ンパク質をコードしているDNAまたはmRNAの診断的分
析に用いることもできる。
組換え法によるTGF−β誘導体の製造は、本明細書で開
示したTGF−β暗号配列に関する知見を得たことにより
可能となつた。これら誘導体は、TGF−βをコードして
いる核酸中にサイレント突然変異および発現突然変異を
含んでいる。
サイレント突然変異は、1つの同義性コドンが別のコド
ンで置き換えられることであつて、この場合、これら両
コドンは同じアミノ酸をコードしているが、この置換は
組換え培養中でのTGF−βの収率に幾分かの影響を及ぼ
し得る(例えば、TGF−βmRNAの二次構造を修飾するこ
とによる)。その様な置換は、形質転換体からのTGF−
βの収率をスクリーニングすることにより同定され得
る。
発現されたTGF−β突然変異は3つのクラスの内の1ま
たはそれ以上に分類される。これらは、欠失、置換また
は挿入である。欠失は、アミノ酸残基が除去されるが、
そこに代替アミノ酸が挿入されないことを特徴とする。
欠失突然変異TGF−βDNAは、例えば、免疫エピトー
プが欠失されたTGF−βフラグメントが必要な場合、そ
れを調製するのに有用である。
置換突然変異は、1つのアミノ酸残基が別のアミノ酸残
基で置換されることである。その様な突然変異を組換え
合成法以外の方法で行うことは非常に困難であり、とり
わけ、一次アミノ酸配列の内部での置換を目指す場合に
は困難である。この様な置換はTGF−βの生物学的活性
を改良するのに有用である。
挿入突然変異は、1またはそれ以上の残基がTGF−β核
酸の内部、またはいずれかの端に配置されることであ
る。融合物は、通常、挿入突然変異の1種であり、TGF
−βのカルボキシ末端またはアミノ末端で挿入が起きた
場合に相当する。
TGF−βと細菌性または他の免疫原性タンパク質との融
合は、TGF−βまたは、その予め定められたフラグメン
トに対する抗体を惹起するのに有用である。
図面についての簡単な説明 第1a図はTGF−βmRNAを模式的に示した図であり、四
角い箱の中は、暗号配列を表わす。112アミノ酸TGF
−β(斜線で示されている)は、暗号配列の3′末端に
コードされている。この図の上方に、配列決定のなされ
た、λβC1,3.19,3.32,4.10,4.33,4.37および5.7b
のcDNA挿入体(後述)と3′非翻訳領域のためのゲノム
DNA配列とが並べられている。
第1b図は、数個の重複するcDNAと、3′領域のゲノム
DNAとで配列決定されたプレ−TGF−βcDNAのヌクレ
オチド配列並びに推定のアミノ酸配列とを示す図であ
る。折りたたまれて安定なヘアーピン。ループを形成し
得る5′末端領域には下線を付した。プレTGF−βcDNA
は354個または390個のアミノ酸のタンパク質をコ
ードしており、そのC末端の112アミノ酸(四角い箱
の中)は成熟TGF−βをコードしている。上線を施され
たArg-ArgジペプチドはTGF−βを放出するためのタンパ
ク分解的な開裂部位の上流に位置する。プレTGF−β内
のN−グリコシル化され得る3箇所には、オーバーライ
ンが施されている。終止コドンの下流には、G−Cに富
む下線を施された配列とその下流のTA TA様配列とが続
いている。AATAAAポリアデニル化シグナルと、推
定のポリアデニル化部位上流のTTCAGGCC配列に
も下線が施されている。
第2図はTGF−βエクソンをコードしているゲノムフラ
グメントとその推定のアミノ酸配列を示す図である。mR
NAプロセツシング部位(イントロン−エクソン結合部
位)は矢印で示されている。残基の番号は第1b図のそ
れと対応している。
詳しい説明 TGF−βを、その成長促進作用を保持したままの状態
で、組換え細胞培養によつて合成することは極めて困難
であることがわかつた。第1図から分る様に、成熟TGF
−βアミノ酸配列は多数のシステイン残基を含有してお
り(9)、少くともその内のいくつかは、天然起源から
回収されるホモ二量体TGF−βを形成するための鎖間交
差結合に関与しているらしい。さらに、TGF−βは、あ
る程度は細胞外媒質(培地)に本来の姿で見出される
が、大多数の分泌タンパク質にとつては一般的である認
識し得るNH2−末端シグナルペプチド配列を含んでいな
い大きいアミノ末端領域を持つた前駆体分子として発現
される。本明細書で開示する発明はいかなる特定の理論
にも限定されないが、このアミノ末端領域は複数の膜透
過領域を含んでいるのかもしれない。本発明者らは、組
換え培養内で、一次転写産物を適切にプロセツシングす
ることが困難であると予測されたにも拘らず、真核性細
胞を形質転換してヘテロロ−ガスTGF−βを発現させる
ことに成功した。
本発明は、TGF−βの組換え合成を目的とするものであ
る。本明細書では、TGF−βとは、生物学的に活性な、
第1b図の配列を有するプレTGF−β、成熟TGF−β、そ
のポリペプチドフラグメント、並びにそれらプレTGF−
β、成熟TGF−βまたはポリペプチドフラグメントの挿
入、置換および/または欠失突然変異体を包含するもの
と定義する。
生物学的に活性なTGF−βとは、標的セルラインのEGF−
増強固定非依存性増殖(81)を誘導する能力および/ま
たは新生物セルラインの増殖阻害能力(23)を指すもの
と定義する。固定非依存性増殖とは、TGF−βおよびEGF
で処理された非−新生物性標的細胞が軟寒天中でコロニ
ーを形成し得る能力を指し、これは細胞の形質転換によ
つて付与された特性である(従つて、形質転換成長因子
と命名されている)。今日では多くの正常細胞がTGF−
βを発現するということが知られているので、このこと
は、TGF−βが、がんを誘発するという意味ではない。
逆に、TGF−βがA549の如きある種の新生物細胞の
増殖を阻害することも知られている。
本明細書において、生物学的に活性な、という意味に
は、天然のTGF−βに対して惹起された抗血清と交差反
応を行う得る能力も総括的に包含されるものとする。天
然のTGF−βとは、血小板その他の天然起源から得られ
たTGF−βを指す。免疫学的な交差反応は1個の活性な
エピトープを知る目安であつて必ずしも固定非依存性増
殖の誘導または標的細胞に関連するTGF−βの活性領域
の目安ではない。しかしながら、免疫学的に交差反応し
得るタンパク質自体は、それが増殖に影響し得る能力を
持つていなければ、本明細書で定義した意味に於いて生
物学的に活性であるとは言えない。勿論、固定非依存性
増殖を誘導し得るTGF−βは、適当な立体配置を維持す
るという自然の結果として、天然分子に対して惹起され
た抗血清との免疫学的な交差反応性を示すことが多い。
第1b図のヌクレオトヂ配列は、数個の重復しているcD
NAと遺伝子フラグメントとを分析し、それからTGF−β
前駆体mRNAに相当する連続した2537塩基対配列を決
定することにより得られた。第1b図によると、開始配
列(イニシエーター)ATGは5′末端から第841番
目のヌクレオチド部分にあり、それは1,696ヌクレ
オチドの暗号配列(これは、390アミノ酸長さのポリ
ペプチドをコードしている)を確立するものである。cD
NA配列中の数箇所は、G−C含有量が異常に多くなつて
いる。イニシエーターATGは、いずれも約200bpか
らなる。G−Cに富む2領域と両側面を接している。そ
の上、cDNAの数領域、殊に5′−末端領域は、G−C含
高率が80%以上である。これらG−Cに富む領域の位
置は、多くのcDNAクローニングに係るアーチフアク
ト(人工産物)が得られた場所、並びに、cDNAの部分が
得られた箇所と一致している。
第1b図に示されるように、幾つかの構造上の特徴か
ら、プレTGF−β(preTGF−β)の開始コドンは
842位でなく953位のATGに帰属される。第1
に、この位置の前後に含まれる配列は、指摘されている
開始コドンのコンセンサス配列、G/ACCATGG(35)と
かなり一致している。第2に、このATGの上流には約
850bpのオープンリーデイングフレームが存在してい
るが、同一の解読相内にはこれ以外のAGTは唯一つし
か見出されない。第3に、シエフアード(Shepherd)
(36)が述べている様に、プリン−ピリミジン分布に基
づいて最も使用され易いリーデイング・フレームを算出
すると、このATGの上流の暗号配列も別のリーデイン
グ・フレームとして選ばれる可能性もあるが、該イニシ
エーターATGから始まる暗号配列が、実際、リーデイ
ングフレームとして最も可能性のある配列であることが
分る。第4に、このATGは、G−C含有率の比較的低
い(〜50%)40ヌクレオチド領域内に存在している
ので、このことがリボソームへの接近に好都合である。
特に、それがより大きなG−Cに富む領域内にあるため
に、そう思われる。5′非翻訳領域内には、開始コドン
となり得る別のコドンは唯1個しか存在していない(84
2位)。しかるに、このATGは非常にG−Cに富む領
域内に位置している。
TGF−βmRNAの5′非翻訳領域は、(ヌクレオチド95
3にATGが位置すると仮定したとき)少なくとも95
2個のヌクレオチドの長さを有し、殆んどプリンのみか
らなる61個のヌクレオチド長さの配列(192〜252)を
含んでいる。このG−C含有率の高い、異常に長い5′
非翻訳領域の生物学的な関連性は不明であるが、c-myc
mRNAの構造上の組立てと似ている。しかしながら、これ
らの2個の配列間には著しい配列上のホモロジイは存在
していない。c-mycの長い5′非翻訳領域は機能的な意
義を持つと言われている(37)。ヒトc-myc mRNAの5′
非翻訳領域のG−Cに富む5′−近位部分には、安定な
ヘアピン・ループ構造を形成し得る領域が幾つか含まれ
ている。同様に、非翻訳−プレTGFβcDNAの最初の12
0bpも、理論上は、安定性についての計算値が−91kc
alである、ヘアピン・ループ構造をとり得る。長い5′
非翻訳領域と、潜在的に安定なヘアピン・ループ構造と
は、mRNAの安定性、あるいは転写の制御において何らか
の役割を演じているかもしれない。従つて、組換え細胞
培養からのTGF−βの収率が改善された構造を同定する
ために、この領域を欠失させ、例えばウイルス性タンパ
ク質由来の、他の5′非翻訳配列で置き換えることがで
きる。
残基2015上流における終止コドンの直ぐ下流には、
75ヌクレオチドからなる著しくG−Cに富む配列があ
る。(第1b図)。この配列はCCGCCの複数回に及
ぶ繰返しを含み、GGGGGCで終つている。この配列
の特異な性質は、おそらく、mRNAの3′非翻訳末端がcD
NA配列としてクローンされないという事実(これは、多
分、大腸菌(E.coli)のDNAポリメラーゼIがこの
配列を二次鎖cDNA合成の鋳型として利用し得ないことに
起因している)と、関係していると思われる。同様の性
質の繰返し配列は、ヒト−ジヒドロ葉酸還元酵素、ヒト
−トランスフエリン受容体、ヒト−アデノシンデアミナ
ーゼ、およびヘルペスウイルス−チミジンキナーゼ等の
遺伝子のプロモーター領域にも見い出されている(4
0)。後者の場合、マツクナイト(McKnight)ら(40)
は、これらの構造要素が、転写効率において主たる重要
な要素であることを示した。さらに、このプロモーター
特異的転写因子Sp1は、SV40早期プロモーター領域、
および近縁のサル−プロモーター内に含まれるその様な
結合と結合することが示された(41,42)。これら全て
の場合、G−Cに富む反復配列の下流に密接してコール
ドバーグ−ホツグネス(Goldberg-Hogness)のTATA
配列が存在している。ところがプレTGF−βの場合、こ
れらの配列は遺伝子の3′非翻訳領域に位置している
が、これらの配列もまたTATA様配列を従えている点
は興味深い。これらの領域がプロモーターとして機能し
得る、ということを示す事実は得られていない。プレTG
F−β遺伝子配列の、終止コドンから約500ヌクレオ
チド下流には、ヘキサヌクレオチドAATAAAが存在
している。通常はポリアデニル化部位の11〜30塩基
上流に存在している(32)この配列は、それが、ノーザ
ン・ハイブリダイゼーシヨンに基づいて見積られたプレ
TGF−βmRNAの大きさと一致していること、並びに、
3′非翻訳領域に介在配列が存在することは稀有であ
る、という理由から、おそらくプレTGF−βmRNAのポリ
アデニル化シグナルとして機能すると思われる。ベノイ
スト(Benoist)ら(43)はAATAAAと接近し、そ
の下流であつて、ポリA−テイル(tail)の直ぐ上流に
コンセンサス配列TTCA CTGCが存在することを提示し
た。プレTGF−βmRNAの3′非翻訳領域内にあるAATAAA
配列の下流に、これと同様の配列、TTCA GGCCが存在し
ていることは、2530位がポリアデニル化部位であるとす
る前述の帰属をさらに支持するものである(または第1
b図記載の390アミノ酸)。
プレTGF−βは354アミノ酸からなるポリペプチドで
ある(第1b図)。この配列と既に配列決定されている
成熟TGF−βのHN2−末端とを比較すると、TGF−βがプ
レTGF−βのC末端の112アミノ酸から成つているこ
とが分る。成熟TGF−βモノマーは、前駆体の、成熟TGF
−βNH2−末端の直ぐ上流にあるArg-Argジペプトヂの位
置で、前駆体から切り離される。同様のタンパク分解的
開裂部位は、プロプレエンケフアリン(44,45)、カル
シトニン前駆体(46)およびコルチコトロピン−β−リ
ポトロピン前駆体(47)等の幾つかの他のポリペプチド
前駆体配列にも見い出されている。カイト(Kyte)およ
びドウーリトル(Doolittle)の疎水性決定法(48)に
よると、このArg-Arg配列は親水性領域に存在している
ので、トリプシン様ペプチダーゼら近付き易いと予測さ
れる。この前駆体の翻訳後開裂により、成熟TGF−βモ
ノマーが得られる。プレ配列の処理は不明であるが、別
の生物鍔的に活性なペプチドを生成させるのかもしれな
い。TGF−β前駆体は、それらもまた翻訳後開裂を受け
て別々のポリペプチド物質を生成させ得る、数個の塩基
性残基対を含有している(第1b図)。しかしながら、
成熟TGF−βは、開裂されないと思われる2個のArg-Lys
ジペプチドを含有している。第1b図に示されている様
に、プレTGF−β前駆体は、3箇所のN−グリコシル化
され得る部位、Asn-X-SerまたはThrを含有している(第
1b図)。これらの内のどれも、成熟TGF−β内に位置
していない。従つて、糖タンパク質を固定化したレクチ
ンに吸着させ、TGF−βを吸着されないフラクシヨンと
して溶出させることにより、糖タンパク質を含まない状
態に、成熟TGF−βを精製する方法が得られる。
ヒトTGF−βの配列は、直接的なアミノ酸配列決定と、T
GF−βcDNAからの演繹により、決定された。クロストリ
パン(clostripain)消化で得られた異なるTGF−βペプ
チドの配列は、僅かな残基を除いてcDNA配列と一致して
いた。これは、多分、配列決定時におけるアミノ酸の帰
属が間違つていたことによると思われる。112アミノ
酸TGF−β配列は9個のシステインを含有しているが、
前駆体の残余部分は、2個しか含有していない(第1b
図)。
以前の研究によると、25kdのTGF−β二量体を還元す
ると12.5kdの2本のポリペプチド鎖が生成すること
が示された(15)。TGF−βアミノ末端とクロストリパ
ン消化の後に得られたTGF−βペプチドとの配列決定の
結果は、TGF−β二量体が2本の同一のポリペプチドか
らなつていることを強く示唆している。このホモ二量体
性は、ヒトゲノムDNAをTGF−βエクソンプローブを
用いたサザーン・ハイブリダイゼーシヨンに付した時、
ハイブリダイズするcDNAフラグメントは一本であるとい
うことによつても支持される。二次構造のチヨウ−フア
スマン(Chou-Fasman)分析(50)により、TGF−βポリ
ペプチドは、広範なβ−シート構造を有しており、α−
ヘリツクス構造は、あつても極く僅かであることが分つ
た。塩基性のジペプチド開裂部位の直ぐ上流の領域は、
α−ヘリツクス立体配座をとつている様に思われる。
TGF−β前駆体の著しい特徴は、普通、大多数の分泌タ
ンパク質が含有しているNH2−末端シグナルペプチド配
列が認められないことである。
TGF−βが細胞外媒質に現れる機構は不明であるが、成
熟TGF−βはまた、通常、げつ歯類細胞またはヒト細胞
に伴なつて見い出されているのでその機構は、比較的非
効率的なものと思われる。
TGF−βが血小板の内部に貯えられる機構も理解されて
いない。最近、インターロイキン−1をコードしている
cDNA(51,52)および腫瘍壊死因子をコードしているcD
NA(53)が決定された。これらはいずれも細胞外媒質に
現われるが、これらはいずれも典型的なNH2−末端シグ
ナルペプチドを含有していない。
TGF−βの細胞外媒質への放出において可能な機構は、
細胞質内にNH2−末端を、TGF−β配列を外側に出して膜
に固定され、そこから前駆体が開裂されることである。
唯1回だけ膜を横切るタンパク質の多くは、電荷を持た
ない、大部分が疎水性の20〜23残基から成る膜透過
領域を有する。唯一の例外はT−細胞受容体のT3サブ
ユニツトであり(54)、これは、膜透過領域内にAsp残
基を有している。TGF−β前駆体の推定のアミノ酸配列
から、同じ様な疎水性領域を予測することができないこ
とから、このタンパク質が唯1個しか膜透過領域を持つ
ていないとは考えられない。
他方、TGF−β前駆体が数個の膜透過領域を有するタン
パク質であるということは納得できることである。その
様なタンパク質として、例えば、ロドプシン(rhodopsi
n)(55)、電気ウナギのナトリウム・チヤンネル・タ
ンパク質(56)およびレンズ・ギヤツプ結合部位の主要
内因性タンパク質(57)がある。これらは、そのNH2
末端を細胞質内に置くと共に、数個の電荷を帯びた残基
を含んだ、複数の膜透過領域を含有している。これらの
電荷の内、いくらかは、膜透過領域の近辺に存在してい
る反対の電荷を帯びた残基と物理的に近接しているため
に、中和されている可能性がある。大多数の場合、膜透
過領域は電荷を帯びた残基で両側を囲まれており、正の
電荷が細胞質内に、負の電荷が細胞外に存在しているこ
とが多い。これらの特徴をTGF−β配列と比べると、該
配列は、幾つかの可能な膜透過領域を有する上、数個の
電荷を持つた残基群を含んでいるので、TGF−β前駆体
はこのクラスの膜透過タンパク質に属する可能性があ
る。正電荷を帯びた残基に富むNH2末端の21アミノ酸
は、第1番目の膜透過領域(おそらく残基59〜80)
の間に存在するであろう)の、細胞質内側に配される領
域であろう。この領域の直ぐ下流に、細胞外に配される
2個のArg残基と、5個のまとまつた、負電荷を帯びた
グルタミン酸残基(アミノ酸91〜100)が続いてい
る。第2の膜透過領域は、残基127〜151の間に存
在し、細胞質内側に位置する塩基性残基群(アミノ酸1
56〜165)の上流にある。第3の膜透過に係る領域
は、第245位のArg-Argジペプチドの下流に位置する
残基248〜270の間に存在している。後者の領域は
2個の正電荷を帯びた残基を含有しており、これらは、
第1または第2の膜透過領域に存在している2個の負電
荷を帯びた残基を中和するかもしれない。この様な立体
配置をとつているので、TGF−βポリペプチドおよびそ
の上流のArg-Arg残基は膜の外側に位置することにな
る。このために、細胞膜の外側の位置で二塩基性ペプチ
ダーゼによつて開裂される(58,59)ことが可能とな
り、細胞外環境にTGF−βが分泌されることになる。こ
のTGF−β前駆体の仮定的な構造は、ヒトロドプシン(5
5)およびレンズ線維(フアイバー)膜の主要内因性タ
ンパク質(57)と同様に、そのグリコシル化され得る部
位の全てに炭水化物部分が存在している訳ではないこと
を暗示している。前記のモデルは仮説であることを認識
し、本発明の範囲を制限するものと解釈すべきでない。
本明細書では、プレTGF−βとは、第1図に示したTGF−
β前駆体と同様に、通常、TGF−βに伴なつていないプ
レ配列を有する、別のTGF−β前駆体形をも包含するも
のとする。後者の形は、成熟TGF−βをコードしている
DNAの挿入形突然偏位体と考えられる。これらの突然
変異体は、成熟TGF−βとの融合物の形で、TGF−βにと
つてヘテロロ−ガスなプレ配列を含有している。ヘテロ
ロ−ガスなプレ配列は、例えば、プレ成長ホルモン、プ
レプロインシユリン、ウイルス性エンベロープタンパク
質、インターフエロン、および哺乳類宿主細胞によつて
認識され得る酵母または細菌性プレ配列等の他の分泌タ
ンパク質から得ることができる。これらの分泌リーダー
の配列は知られており、該DNAのインビトロでの合成
を目的としない場合には、それをコードしているDNA
の好適な供給源である。所望のシグナルを含むDNAと
プレTGF−βDNAとを制限酵素消化に付すことによ
り、上記の配列を、成熟TGF−βをコードしているDN
Aに結合させる。単一の制限部位を導入する目的で合成
オリゴヌクレオチド(リンカー類)を合成し、さらに、
プレ配列および成熟TGF−β暗号領域を完成させる上で
必要ならば、制限酵素消化の間にDNAフラグメントを
除去する。次いで合成リンカーおよび/またはフラグメ
ントを、代替のシグナルとTGF−βの暗号領域とを含有
する制限酵素消化フラグメントにライゲートし、これを
クローニングベクターに挿入し、得られたベクターを用
いて宿主細胞を形質転換する。その後、発現ベクターに
突然変異プレ配列をクローンし、これを用いて宿主細胞
を形質転換する。以後の実施例ではウイルス性エンベロ
ープタンパク質プレ配列に関して例示的に述べる。
ヘテロロ−ガスプレ配列は、その完全なものをTGF−
βDNAの最初のコドンに結合させることが好ましい
が、成熟TGF−βの暗号配列と、ヘテロロ−ガスなプレ
配列そのものに短い部分、例えばヘテロロ−ガスな成熟
タンパク質をコードしているDNA起源の21〜45塩
基対部分とが結合したものも本発明の範囲内に含まれ
る。この組立ての目的は、プレTGF−βの仮定の分泌系
を高い効率の分泌系で置き換えることにある。しかしな
がらそれは、必ずしもTGF−βを組換え培養内に生産さ
せる様に分泌させることを意味しない。
その他の欠失−挿入突然変異体には、TGF−β種と、細
胞内的に大量に発現されるウイルス性タンパク質(例え
ばレトロウイルス・コアタンパク質、SV40からのラ
ージT抗原等)、あるいは免疫原性の細菌性タンパク質
またはポリペプチド(例えば化学走性ポリペプチド、と
りわけ潜在的化学走性トリペプチド、Met-Leu-Phe)が
含まれる。
発現された突然変異プレTGF−β、成熟TGF−βまた
はそのフラグメントは、挿入、欠失および置換の数およ
び範囲の増加に伴なつて、第1図の配列から次第にかけ
離れたアミノ酸配列をとる。この離脱(ずれ)は、プレ
TGF−βと突然変異体との間のホモロジイ(同質性)の
減少で測ることができる。TGF−βの、固定依存性増殖
−促進作用に係る生物活性を示すタンパク質またはポリ
ペプチドはすべて、それらと第1図のタンパク質との配
列上のホモロジイの程度に関係なく、本発明の範囲内に
包含される。これは、プレTGF−βのある領域(例えば
プレ配列)は突然変異され易く、あるいは成熟TGF−β
の場合の如く完全に欠失さえされてしまうが、上記の生
物活性は保持される、ということが理由である。他方、
成熟TGF−β分子内の9個のシステイン残基(およびそ
れに付随したジスルフイド結合)の欠失は、上記の生物
活性に対して実質上、逆効果を及ぼし、あらゆる生物活
性を失なわせてしまうようである。また、置換突然変異
体は、機能が類似しているアミノ酸側鎖を含む残基によ
り置換されている場合には、完全なTGF−β成長促進作
用を現わすが、左程ホモローガス性を持たない。機能が
類似しているということは、側鎖の主な性質、例えば疎
水性、塩基性、中性または酸性等の性質、あるいは立体
障害の有無に関する性質に関している。即ち、特定のポ
リペプチドが有するプレTGF−βとのホモロジイの程度
は、それをTGF−βと同定する上での基本的な目安では
ない。しかしながら、一般的な指針としては、天然起源
のTGF−βの生物学的活性を幾らかを共有しているタン
パク質またはポリペプチドであつて、第1b図の配列と
実質上ホモローガスである(例えばプレTGF−βまた
は、そのフラグメントであつて約20残基以上のフラグ
メントと約40〜100%以上のホモローガス性を示す
こと)ものはTGF−βという名称で表わされる。新生細
胞の増殖阻害作用に関して、TGF−βは、これまでその
様な増殖阻害作用を表すことが知られているポリペプチ
ド、例えばインターフエロン、腫瘍壊死因子およびリン
ホトキシンを除外したポリペプチドであるが、それ以外
であれば、必ずしも第1b図の配列とホモローガスな領
域を持つていることを要求されない。
あるポリペプチドがTGF−βであると同定する上で、よ
り細かく詳しいフアクターは、(a)成熟TGF−βの増殖阻
害活性あるいは固定依存性増殖促進活性を中和する抗血
清によつて、問題のポリペプチドの活性も中和される、
(b)候補ポリペプチドがTGF−β細胞表面受容体を、TGF
−βと競合し得る、という点にある。しかしながら、免
疫学的な同一性と増殖促進活性に関する同一性とは、必
ずしも同じ範囲内であることを必要としない。第1b図
の成熟TGF−βの中和抗体は、それが成熟TGF−βの増殖
促進活性にとつて臨界的な部位に特異的に結合すること
を目的として生じたものでないので、候補タンパク質と
結合しないかもしれない。むしろ、この抗体は無害な領
域に結合し、その中和効果を立体障害によつて表してい
るのかもしれない。従つて、その無害な領域で突然変異
を生じた候補タンパク質は中和抗体と結合しないが、そ
れにもかかわらず、このタンパク質は実質的なホモロジ
ーおよび生物学的活性の意味においてTGF−βの定義範
囲内に含まれることになる。
胎盤または血小板から得られた第1b図記載の天然また
は野性型成熟TGF−β特性、例えば分子量等は、天然種
のTGF−βに関してのみ記載されているということを認
識しておく必要がある。本明細書に示した天然変異体の
性質は天然のTGF−βとかなり異なつていることが予測
され、このことが、実際、本発明の突然変異誘発の目的
であることは、以下に詳しく述べている通りである。本
明細書の定義に従えばTGF−βは天然のTGF−βをも包含
するが、他の関連する、生物学的に活性なポリペプチド
も定義内に含まれる。挿入突然変異体、欠失突然変異
体、または融合タンパク質等の上記のTGF−β種は天然
のTGF−βについて求められた分子量と異る分子量を有
することになろう。例えば、成熟TGF−βまたはプレT
GF−βそのものとの融合物の分子量は天然の成熟TGF
−αの分子量より大きく、成熟TGF−βの欠失突然変異
体の分子量はより小さくなる。同様に、TGF−βを処理
してグリコシル化部位を導入してグリコシル化されたTG
F−βを得るか、あるいは、生物学的な活性に臨界的で
ない部位のシステインをセリンで置換する。最後に、霊
長類以外の哺乳類から得たセルライン中のヒトプレTGF
−βの翻訳後プロセツシングによつて成熟TGF−βのア
ミノ末端領域中に微少の異質性を導入し、アミノ末端ア
ミノ酸をアラニンでない様にする。
生物学的な活性に関して固定依存性増殖を誘導すること
が“可能(capable)”という語句は、プレTGF−βまた
はフラグメントであつて、所望の生物学的活性を表すポ
リペプチドフラグメント酵素的に変換され得るポリペプ
チドを含むものであることを意味する。通常、不活性な
前駆体は、成熟TGF−βのカルボキシ末端に不溶性また
はゼラチン様タンパク質がペプチド結合を介して結合し
ている融合タンパク質である。このペプチド結合領域内
の配列は、インビトロでの製造工程の一部としてインビ
ボで、またはそのままでタンパク分解的加水分解に対し
て感受性を有する様、選択する。
TGF−βは、通常ヒトTGF−βを意味するが、上記の生物
学的活性に関する基準と合致する限り、ネズミ、ブタ、
ウマまたはウシの如き供給源から得られたTGF−βもPRT
GF−βの定義範囲内に含まれるものである。TGF−βは
種特異的でなく、例えば、ネズミTGF−βとヒトTGF−β
は、いずれも同じセルラインにおける固定依存性増殖を
有効に誘導する。従つて、1つの種に由来するTGF−β
を他の種の治療に用いることができる。他の種のTGF−
βをコードしているDNAは、その様な種から得たcDNA
またはゲノムライブラリイを標識したヒトプレTGF−βc
DNAでプローブすることにより、得られる。
TGF−βの誘導体も本発明の範囲内に含まれる。誘導体
には、グリコシル化されたTGF−β分子、並びに他のTGF
−β分子との共有結合または会合による複合物(コンシ
ユゲート)、二量体または非関連の化学部分が含まれ
る。共有結合性誘導体は、TGF−βのアミノ酸側鎖に見
出される基、またはN−あるいはC−末端と、機械的な
成分とを当業者既知の方法で結合させることによつて調
製される。これらの誘導体には、例えば以下のものが含
まれる:カルボキシ末端、アルキルアミンまたはカルボ
キシ側鎖を含む残基の脂肪族エステルまたはアシルエス
テル(例えばアスパラギン酸残基におけるアルキルアミ
ンのコンジユゲート):ヒドロキシ基−含有残基のO−
アシル誘導体およびアミノ末端アミノ酸またはアミノ基
含有基のN−アシル誘導体(例えば、fMet−Leu
−Pheまたは免疫原性タンパク質とのコンジユゲー
ト)。アシル基の誘導体は、アシル基を、アルキル類
(C3〜C10の直鎖アルキルを含む)の基から選択す
ることにより、アルカノイル種が生成され、炭素環式ま
たは異項環式化合物を選択することにより、アロイル
(aroyl)種が生成される。反応性の基は、それ自体が
反応性の側鎖を介して不溶性のマトリツクスを形成し、
交差結合タンパク質として用い得る様な二機能性の化合
物であることが好ましい。
共有結合または会合性の誘導体はイムノアツセイまたは
アフイニテイ精製法における試薬として有用である。例
えば、TGF−βは、自体周知の方法で、臭化シアン−活
性化セフアロースに共有結合させて不溶化することによ
り、またはポリオレフインの表面に(グルタルアルデヒ
ド交差結合の存在または非存在下で)吸着させることに
より、抗−TGF−β抗体または細胞表面の受容体を分析
または精製するのに用いることができる。また、TGF−
βを検出可能な基でラベル(例えば、クロラミンT法に
よる放射性ヨウ素化、希土類キレートとの共有結合、ま
たは他の螢光物質との共役)し、診断的な分析法、特に
競合法イムノアツセイによる生物学的試料中のTGF−β
レベルの診断に用いることができる。
TGF−β突然変異体は、一般に、予め定められた、即ち
部位特異的な方法で調製される。突然変異誘発の目的は
上記の如きTGF−β、即ち、生物学的活性を有するTGF−
βをコードしているDNAを組立てることにある。
突然変異部位は予め定めておくが、突然変異そのものを
予め定めておく必要はない。例えば特定の位置の残基で
の突然変異を適切に行うためには、標的コドンに無作為
な変異誘発を行い、発現されたTGF−β突然変異体を、
所望の活性についてスクリーニングする。既知の配列を
有するDNAの特定の部位で置換突然変異を誘発する方
法はよく知られている(例、M13プライマー突然変異
誘発法)。
TGF−βの突然変異誘発には、通常、アミノ酸残基約1
〜5程度の挿入、または約1〜10残基の欠失が含まれ
る。置換、欠失、挿入、またはそれらの併用、等を組合
わせて最終的な組立てを行う。前述の如く、挿入には、
アミノ末端またはカルボキシ末端の融合(例えば、疎水
性タンパク質や免疫原タンパク質との融合)も含まれ
る。その様な突然変異をコードしているDNA内におけ
る突然変異は、暗号配列を発現ベクター内のリーデイン
グフレームの外に位置せしめ、生物学的活性を持たない
TGF−βを与えるようなものであつてはならない。ま
た、その突然変異は、転写−抑制性のmRNAの二次構造を
形成させる可能性のある相補領域を作らないことが好ま
しい。
TGF−βをコードしているDNAは、化学合成、胎盤細
胞または他の細胞から得たmRNAの逆転写物のスクリーニ
ング、あるいは真核細胞から得たゲノムライブラリイの
スクリーニングによつて得ることができる。このDNA
は、それに用いられているコドンを宿主細胞が認識し得
る限り、第1b図に示したコドンを用いていなくとも良
い。この様なDNA類は、第1b図のDNAとして、イ
ンビトロで容易に製造される。本発明においては、核
酸、RNAまたはDNAのいずれかであつて、それらは
本明細書で定義したTGF−βをコードしていないが、そ
の様なDNAまたはRNAとハイブリダイズし得る核酸
もまた有用である。コードしてはいないが、ハイブリダ
イズし得る核酸は、TGF−βの組換え合成に用いられる
ことはないが、被験細胞中のTGF−βmRNAまたはゲノム
DNAの診断分析に用いられる標識プローブの調製のた
めの中間体として有用である。
診断用核酸は、螢光性の基、放射活性原子、または化学
発光性の基等の検出可能な物質により、自体既知の方法
で共有結合的に標識される。次いで、このものを、通常
のサザーンまたノーザンハイブリダイゼーシヨン分析
(アツセイ)に用いる。その様な分析法は、以下の実施
例に述べる如く、TGF−βベクターや形質転換体を同定
するために、または、ミトゲン活性の測定による組織試
料中のTGF−βmRNAの検出の如く、インビトロでの診断
に利用される。
本明細書では、TGF−βは、TGF−βをコードしているD
NAを含むベクターで形質転換された宿主細胞内で合成
される。ベクターは複製可能な核酸組立て物である。TG
F−βをコードしているDNAの増幅および/または発
現のため、あるいはTGF−βをコードしているDNAま
たはRNAとハイブリダイズするDNAの増幅のため
に、ベクターを利用する。
発現ベクターは、TGF−βをコードしているDNAと、
そのTGF−βの適当な宿主内での発現に影響を及ぼし得
る適当なコントロール配列とが機能的に(操作可能に)
結合した複製可能なDNA組立て物である。その様なコ
ントロール配列には、転写プロモーター、転写をコント
ロールするための任意のオペレーター配列、適切なmRNA
のリボゾーム結合部位をコードしている配列、および転
写および翻訳の終止をコントロールするための配列が含
まれる。真核細胞内でのTGF−βの発現のためのベクタ
ーは、選択遺伝子をコードしているDNAをも含有して
いなければならない。しかしながら、この選択遺伝子は
同時形質転換において、結合していないプラスミドから
供給されるものであつても良い。
ベクターにはプラスミド、ウイルス(フアージを含
む)、および組込み可能なDNAフラグメント(即ち、
組換えによつて宿主のゲノム内に組込まれ得るもの)が
含まれる。しかしながら本明細書中では、それが細菌細
胞にクローンされるが、同時形質転換に際しては宿主細
胞ゲノムに組込まれるという意味において、ベクターを
プラスミドとして用いる。しかしながら、同等の機能を
有し、当該技術分野で知られており、またはいずれ知ら
れるであろう、その他の形のベクターも全て、本発明方
法に用いるのに好適である。好適なベクターは、発現さ
せようとする宿主と適合し得る種から導かれたレプリコ
ンおよびコントロール配列を含んでいる。
DNA領域は、それらが、互いに機能的に関連している
場合は、機能的に(操作可能に)結合している。例え
ば、プレ配列または分泌リーダーのためのDNAは、そ
れがポリペプチドの分泌に与るプレタンパク質として発
現されるならば、該ポリペプチドに関するDNAと機能
的に結合している;プロモーターは、それが結合してい
る暗号配列の転写をコントロールするものであるなら
ば、該配列と機能的に結合している;リボゾーム結合部
位は、それが結合している暗号配列の翻訳を可能にする
様な位置に存在しているならば、該暗号配列と機能的に
結合している。一般に、機能的に結合している、という
ことは近接(コンテイギユアス)していることを意味
し、分泌リーダー配列の場合には、近接し、かつ解読相
内にあることを意味する。
多核生物からの細胞培養は、本発明における好ましい宿
主細胞である。原則として、脊椎動物であるか無脊椎動
物であるかに拘らず、あらゆる高等な真核細胞培養を使
用し得る。しかしながら、最近では脊椎動物細胞に大き
い関心が寄せられており、培養(組織培養)で脊椎動物
細胞を増殖させることは日常的な操作となつている〔テ
イツシユ・カルチヤー(Tissue Culture)アカデミツク
・プレス、クルスおよびパターソン(Krus and Patters
on)編(1973)〕。有用な宿主セルラインの例には、V
ELOおよびHeLa細胞、チヤイニーズハムスターの卵巣
(CHO)セルライン、並びにW138、BHK、CO
S−7およびMDCKセルライン等が含まれる。
多くの真核細胞が内因性TGF−βを合成することが知ら
れている。即ち、多くの宿主細胞として用いられる細胞
は、宿主種のTGF−βを合成する。従つて、形質転換に
用いたDNAの転写、翻訳の結果、生産されたTGF−β
中には上記の様なTGF−βも含まれていることになる。
例えば、TGF−βで形質転換されたハムスターのCH
O細胞の場合、この様な細胞から得られたTGF−βを含
有している抽出物中には、上記の如き物質が存在してい
る。TGF−βは、動物とヒトとの間に交差活性を示すの
で、この様なことは必ずしも不都合ではないが、動物性
の物質の含有量が可能な限り少量であるヒトTGF−βを
生産することが望ましい。この目的は、(a)動物性TGF−
βの合成量ができるだけ少い、宿主動物細胞を選択し、
(b)この動物宿主セルラインを、TGF−β分泌効率の高い
ベクター(前述)で形質転換し、培養培地からヒトTGF
−βを回収する、あるいは(c)ヒトセルラインを形質転
換する(こうすれば、どの様な内容性のkTGF−βも、
汚染物質でなく、有用なものとなる)ことにより、達成
される。
その様な細胞のための発現ベクターには、通常複製起源
(染色体外での増幅のために)およびTGF−βの暗号
配列の上流に位置しているプロモーターが、リボゾーム
結合部位、RNAスプライス部位(イントロン含有TG
F−β−暗号化ゲノムDNAを用いる場合)、ポリアデ
ニル化部位および転写終止配列と共に含有されている。
脊椎動物細胞の形質転換に使用される発現ベクターのた
めの転写および翻訳コントロール配列は、ウイルス起源
から供給されることが好ましい。例えば、普通用いられ
ているプロモーターはポリオーマ、アデノウイルス2、
および最も好ましくはシミアンウイルス40(SV4
0)から導かれる。SV40の初期および後期プロモー
ターは、いずれもSV40ウイルスの複製起源含有フラ
グメントとして該ウイルスから容易に得られるので特に
有用である〔フアイヤーズ(Fiers)ら、1978、
“ネイチヤー”273:133〕。SV40のより小さい、ま
たはより大きいフラグメントも、それらがウイルス性複
製起源内に位置するHindIII部位からBeII部位に至る約
250bpの配列を含有している限り用いることができる。
更に、正常な状態でTGF−βに伴なつているヒトTG
F−βゲノムプロモーター、コントロールおよび/また
はシグナル配列も、その様なコントロール配列が宿主細
胞系に適合し得ると共に、認識され得ることを条件とし
て用いることができる。
複製起源は、例えばSV40その他のウイルス性起源
(例えばポリオーマ、アデノウイルス、VSV、BPV
等)から導かれる複製起源等の外来性起源を含む様にベ
クターを組立てることにより、あるいは宿主細胞の染色
体性複製機構により、与えられる。もしもベクターが宿
主細胞染色体に組込まれるのなら、しばしば、後者の機
構でも十分である。
ウイルス性複製起源を有するベクターを用いずに、選択
マーカーとTGF−βDNAとで同時形質転換する方法
で哺乳類細胞を形質転換することもできる。適当な選択
マーカーとしては、例えばジヒドロ葉酸還元酵素やチミ
ジンキナーゼがある。その様なマーカーはタンパク質、
一般に酵素であつて、形質転換細胞、即ち、外因性DN
Aを取り込むことのできた(コンピテントな)細胞の同
定を可能にするものである。通常、同定は、マーカータ
ンパク質を取り込んでいなければ、毒性であるか、ある
いはそこから必須栄養物を得ることができない様な培地
中で、形質転換体が生き残るということに基づいて行わ
れる。TGF−βとDHERの両者をコードしているD
NA配列を含むベクターでトランスフエクトするのに好
適な哺乳類宿主細胞を選択するに際しては、用いるDH
FRタンパク質のタイプに従つて宿主を選択するのが適
当である。野性型DHFRタンパク質を用いる場合に
は、DHFR欠損宿主細胞を選択するのが好ましく、そ
うすることにより、ヒポキサンチン、グリシンおよびチ
ミジンを欠く選択用培地内で、満足のいくトランスフエ
クシヨンを選択するためのマーカーとしてDHFR暗号
配列を用いることができる。この場合、好ましい宿主細
胞はDHFR活性を欠くチヤイニーズハムスターの卵巣
(CHO)セルラインであり、これは、ウーラウブおよ
びチヤツシン(Urlaub and Chasin)(1980、“プロシ
ーデイングス・オブ・ザ・ナシヨナル・アカデミー・オ
ブ・サイエンスイズ”(USA)77:4216)の述べた如
くにして調製し、増殖させることができる。
他方、メトトレキセート(MTX)に対する結合親和性
の低いDHFRタンパク質をコードしているDNAをコ
ントロール配列に用いる場合には、DHFR耐性細胞を
用いる必要はない。何故ならば突然変異DHFRはMT
X耐性であるので、宿主細胞自身がMTX感受性である
ならば、MTX含有培地を選択の手段として用いること
ができるからである。MTXを吸収することのできる真
核細胞の大多数は、メトトレキセート感受性であると思
われる。その様な、有用なセルラインの1つはCHO
系、CHOK1(ATCCNo.CCL61)である。
その他、組換え脊椎動物の細胞培養内でのTGF−βの
合成に適用し得る適当な方法は、M−J.ゲツシング
(M−J.Gething)ら“ネイチヤー”293:620−625
(1981)、N.マンテイ(N.Mantei)ら“ネイチヤ
ー”281:40−46およびA.レビンソン(A.Levinso
n)ら、EP177,060Aおよび117,058Aに記載されてい
る。
TGF−βは、溶解した形質転換細胞から、遠心して不
溶性の細胞断片を分離することにより、回収される。あ
るいは、TGF−βを分泌する形質転換細胞の場合は、
培養物を遠心するだけで細胞から分離することができ
る。次いで、一般に、TGF−βを当業者既知の方法
(15、16、17)に従い、酸の存在下でゲル過した後、
HPLCにかけ、アセトニトリルグラデイエントで溶離
する方法により、精製する。その様な精製法を治療様物
質の精製にも同様に用いる必要はない。
その後の、あるいは、それに代る精製法として、細胞リ
ゼイトまたは上清を、汚染性タンパク質を変性させ、沈
降させるのには充分であるが、TGF−βを変性、沈降
させない程度の温度で、ある時間加熱する。TGF−β
は非常に熱に安定であるが、これは、広範なジスルフイ
ド結合の形成によると思われる。従つて、ジチオトレイ
トールの如きジスルフイド試薬を少量含有している培地
で加熱するべきである。TGF−βは1M酢酸に対して
安定であることが分つているので、加熱と酸性化とを併
用することもできる。
天然の成熟TGF−βはグリコシル化されていない。従
つて、熱および酸に安定な糖タンパク質は、レンチル・
レクチン−結合セフアロースの如きレクチンカラムに糖
タンパクを吸着させることにより、分離することができ
る。この工程は、余り好ましくないが、熱および酸で処
理する前に行うこともできる。TGF−βは吸着されな
かつたフラクシヨン(画分)に伴なつて溶出する。
純度の高い生産物を必要とする場合には、粗混合物また
は部分的に精製された混合物を、次いでクロマトフオー
カスする。
TGF−βは、所望の純度のTGF−βと、生理学的に
許容し得る担体、即ち、使用される用量および濃度にお
いては、被投与者にとつて無毒な担体を混合することに
より、投与のために製剤化される。通常、この様な製剤
化には、TGF−βと緩衝液、アスコルビン酸等の抗酸
化剤、低分子量(約10残基以下)ポリペプチド、タン
パク質、アミノ酸、グルコースまたはデキストリンを含
む炭水化物、EDTAの如きキレート剤、並びにその他
の賦形剤とを混合する必要がある。治療のために投与さ
れるTGF−βは滅菌されねばならない。滅菌処理は、
滅菌過膜(0.2ミクロン)を通すことにより、用意に
行うことができる。通常、TGF−βは、熱変性および
酸化による変性に極めて安定であるため、水溶液の形で
保存する。
TGF−β組成物の投与法として、2つの方法が考えら
れる。
第1番目の方法は、好ましい方法であるが、創傷表面の
治癒を促進するための、局所適用である。治療し得る傷
のタイプや外傷には何ら制限なく、それらには以下の創
傷が含まれる(ただし、これらに限定されない)。1
度、2度または3度の火傷(特に2度または3度の火
傷);表皮または内部の手術による切開、美容上の手術
をも含む;外傷、裂傷、切開、貫通を含む;および表面
壊瘍、床ずれ、糖尿病性壊瘍、歯肉壊瘍、血友病性壊
瘍、および静脈瘤を含む。
TGF−β組成物を火傷に用いる場合、潅流液(irriga
nt)として生理食塩水と一緒に用いるのが好ましく、あ
るいは、軟膏または懸濁剤として、好ましくは精製コラ
ーゲンと併用する。TGF−β組成物はまた、パツチ類
や硬膏、並びに包帯に浸み込ませても良く、この場合
は、液状または半流動体の形であることが望ましい。そ
の様な品、あるいは組成物には、サルフアダイアジンの
如き、抗生物質を加える必要がある。創傷清浄化剤に
は、タンパク分解酵素を加えても良い。ただし、これ
は、その様な酵素がTGF−βを加水分解しないか、あ
るいは加水分解に抵抗性のTGF−β突然変異体を用い
ている場合である。
第2番目の投与方法は、内部創傷、および内部の傷を治
療するために全身投与する方法である。その様な投与方
法は、がん患者における新生物細胞の増殖刺激作用の如
き望ましくない副作用が無いか、あるいは、限られてい
ることを条件として、利用することができる。全身投与
用のTGF−β組成物は、滅菌した等張性の注射薬、ま
たは注入液として製剤化することが好ましい。
TGF−βは、TGF−α、EGFまたはその他の成長
因子等の活性化剤と適宜併用される。活性化剤の含有量
は患者に投与される活性化された組成物中のTGF−β
の量に直接、左右される。
活性化された組成物の用量は、選択された成長因子、並
びに患者の臨床面での症状に応じて変化する。
しかしながら、一般にTGF−βは、調合された組成物
中に少くとも約1.0ng/mlの割合で存在していることが
好ましく、約1.0mg/ml存在していれば、一層好ましい
と言われている。TGF−β組成物は細胞の再生を誘発
し、維持するので、この組成物は継続使用するか、ある
いは周期的に再投与を繰り返すことが望ましい。
実施例の記載を簡単にするため、頻繁に用いられる方法
を短い熟語に略して示す。
プラスミドは小文字のpを先頭にし、そして/または大
文字および/または数字を続けることによつて表わされ
る。本発明の出発物質であるプラスミドは市販されてい
るか、または非制限的な施設から一般に入手可能であ
り、あるいはこの様にして入手し得るプラスミドから、
公知の方法に従つて組立てることができる。更に、その
他の同等なプラスミドも当業者には知られており、通常
の技術者にとつて自明であろう。
DNAの“消化”とは、DNAを、該DNAのある位置
に対してのみ作用する酵素で触媒的に開裂することを指
す。その様な酵素を制限酵素と称し、該酵素にとつて特
異的な部位を制限部位(サイト)と称する。本発明にお
いて用いる様々な制限酵素は市販されており、その反応
条件、コフアクター、およびその他必要なものは、酵素
の供給業者の指示に従つて使用した。制限酵素類は、各
制限酵素が最初に得られた微生物を表示する大文字、次
いで他の文字、更に、通常、数字からなる略号で表わさ
れる。一般に、約1μgのプラスミドまたはDNAフラ
グメントを、約20μの緩衝液中の約2単位の酵素と共
に使用する。特定の酵素について適当な緩衝液および基
質の量は、製造業者によつて明示されている。通常、イ
ンキユベーシヨン時間は37℃で1時間とするが、供給
者の指示に従つてかえてもよい。インキユベーシヨンし
た後、フエノールおよびクロロホルムでタンパク質を抽
出して除き、水性フラクシヨンからエタノール沈殿によ
つて消化された核酸を回収する。時たま、制限酵素によ
る消化の後、5′末端のホスフエートを細菌性アルカリ
ホスフアターゼで加水分解することがある。これは、D
NAフラグメントの2つの制限的開裂末端が“閉環(サ
ーキユライデイング)”したり、閉じたループを形成す
ることにより、該制限部位に他のDNAフラグメントが
挿入されにくくなるのを防止するためである。明示しな
い限り、プラスミドの消化には、5′末端の脱りん反応
は伴なわないものとする。脱リン酸の方法および試薬は
常法に従う〔T.マニアテイス(T.Maniatis)ら、19
82、モレキユラー・クローニング(Molecular Clonin
g)pp.133−134〕。
制限酵素による消化によつて得られた特定のDNAフラ
グメントの“回収”または“単離”とは、この消化物を
ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけて分離し、フラ
グメントの移動度を分子量既知のマーカーDNAフラグ
メントのそれと比較して所望のフラグメントを同定し、
該フラグメントを含むゲルの部分を取り除き、該ゲルか
らDNAを分離することを意味する。この方法は一般的
に知られている。例、R.ローン(R.Lawn)ら、198
1、“ヌクレイツク・アシツズ・リサーチ”:6103−6
114およびD.ゲツデル(D.Goeddel)ら、1980“ヌク
レイツク・アシツズ・リサーチ”:4057参照。
“サザーン分析”とは、消化物またはDNA含有組成物
中のDNA配列の存在を、既知の、標識したオリゴヌク
レオチドまたはDNAフラグメントとのハイブリダイゼ
ーシヨンによつて確認する方法である。本明細書中で
は、特に断らない限り、サザーン分析という時は、E.
サザーン(E.Southern)、1975“ジヤーナル・オブ・
モレキユラー・バイオロジイ(J.Mol.Biol.)”9
8:503−517、の方法に従つて、消化物を1%アガロー
ス上で分離し、変性し、そしてニトロセルロース上に移
し、T.マニアテイスらの方法〔1978、“セル”15:68
7−701〕に従つてハイブリダイゼーシヨンを行なうこと
を意味する。
“形質転換”とは、DNAを生物内に導入することを意
味し、その結果DNAが染色体外成分として、あるいは
染色体内に組込まれて複製されることを意味する。特に
明示しない限り、本発明における大腸菌の形質転換法に
はマンデル(Mandel)らのCaCl2法(1970、“ジヤーナ
ル・オブ・モレキユラー・バイオロジイ”53:154)を
採用する。
“ライゲーシヨン(結合)”とは、2個の二本鎖核酸フ
ラグメントの間にホスホジエステル結合を形成する工程
を言う(T.マニアテイスら、前掲P146)。特に明
示しない限り、ライゲーシヨンは既知の緩衝液と条件を
使用し、略等モル量のライゲートすべきDNAフラグメ
ント0.5μg当たりT4DNAリガーゼ(“リガー
ゼ”)10単位を用いて行う。
形質転換体からDNAを“調製する”とは、プラスミド
DNAを微生物培養物中から単離することを意味する。
明示しない限り、マニテテイスらのアルカリ性/SDS
法(同上p.90)を採用する。
“オリゴヌクレオチド”とは、短かい一本鎖または二本
鎖ポリデオキシヌクレオチドであつて、既知の方法によ
つて化学的に合成され、次いでポリアクリルアミドゲル
上で精製されたものである。
引用した文献は全て参考例として示した。
実施例1 ヒトTGF-βの純化および配列分析 アミノ酸配列を決定するための、十分に均質で純粋なヒ
トTGF−βを得る為に、アソイアン(Assoian)らの
既知の精製法(15)をスケールアツプし、改良した。25
0単位のヒト血小板を、ワーリング(Waring)の混合機
中、酸−エタノール1で抽出した。エーテル4を加
えると沈殿が生じたので、これをワツトマン紙(NO.
1)を用いて減圧過して集めた。沈殿を1M酢酸50
mlに一夜溶解し、1M酢酸で平衡化したバイオゲールP
−60カラム(10×100cm)でゲル過して精製し
た。TGF−βを含有しているフラクシヨンを分析用S
DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動およびバイオア
ツセイにより同定した。ピークフラクシヨンを集め、凍
結乾燥し、20mlの1M酢酸、8M尿素に再溶解した。
1M酢酸、8M尿素中、バイオゲルP−60カラム(5
×90cm)でゲル過することにより約50%純度のTG
F−βが得られた。これらのピークフラクシヨンを1容
量の水で希釈し、0.1%トリフロオロ酢酸の半プレパラ
テイブRPP C18(シンクロパツク)HPLCに入れ、20〜
50%のアセトニトリルグラジエントで溶出した。この
様にして得たTGF−βをアミノ酸分析で定量したとこ
ろ、標本当たり約0.5mgであることがわかつた。次いで
文献(60)記載の方法により変性SDS−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動を行なつた。先の実験と一致して、S
DS−ポリアクリルアミドゲル中、非還元TGF−βは
25KDタンパクとして移動したが、β−メルカプトエ
タノールで還元すると、12.5KDのものに変つた。
このことは、TGF−βは分子間ジスルフイド結合によ
り連結されている2個の12.5kdポリペプチド鎖で構
成されていることを示唆している。(15)。
タンパクの配列に関する情報を得るために、精製したT
GF−βを還元し、アルキル化し、アミノ末端配列分析
にかけた。TGF−β1.2ナノモルを8M尿素中へ透析
し、0.1Mトリス−HCl(pH8.5)10mMジチオトレイトー
ル、8M尿素中でインキユベートして還元した。次いで
暗所、室温で、5mN沃化アセテートの存在下でアルキ
ル化を行なつた。過剰のβ−メルカプトエタノールを加
えた透析することにより、30分後に反応を停止した。
このTGF−β0.7ナノモルを使つて直接NH2−末端配列
分析を行なつた。還元しアルキル化したTGF−β1.2ナノ
モルを、0.75M尿素、50mM NH4HCO3、5mMジチオ
トレイトール中、1%クロストリパインで24時間消化
した(15)。12時間後に、更に1%クロストリパインを
追加した。反応生成物を、0.1%トリフルオロ酢酸中の
0〜70%アセトニトリルグラジエントを使つて、シン
クロパツクRPPC18逆相カラム(4.6×250nm)で分離
した。配列決定は、大改良したベツクマン890cスピ
ニングカツプシークエンサー(61)またはヘビツク(Hewi
ck)らの記載している気相シークエンサー(62)(アプラ
イド・バイオシステムズ、モデル470A)のいずれか
を用いて行ない、アミノ酸誘導体の同定はライニン・マ
イクロソルブC−8カラムの逆相HPLCにより行なつた。
数種のペプチドのアミノ酸配列を決定した。これらのフ
ラグメントの1つはNH2−末端セグメントであり、もう
1つの大きいペプチドから37アミノ酸配列が得られ
た。これはNH2−末端配列と重複しており、隣接する配
列の60残基が確立された。
非修飾TGF−βもCNBrで処理した。メチオニン残基で開
裂すると生物活性が完全に消失したので、生物活性に
は、少なくとも1部のこのC−末端オクタペプチドが必
要であることが証明された(データは示されていな
い)。
実施例2 TGF−βエクソンの分離 TGF−2について行なつた方法(7)と類似の方法で、TGF
−βをコードしているヌクレオチド配列を同定した。ヒ
トのゲノムDNAライブラリー中のTGF−βエクソンを
同定する為のハイブリダイゼーシヨンプローブとして、
部分的タンパク配列に基いてデザインした長いオリゴヌ
クレオチドを使用した。次いでTGF−βエクソンを、T
GF−βcDNAの分離用プローブとして使用した。
それぞれアミノ酸3〜17および30〜44をコードし
ている配列に相補的な2個の44−塩基のデオキシオリ
ゴヌクレオチド、βLP1およびβLP2は、化学的に
合成した。ヌクレオチド配列の選択は、ヒトmRNAに見ら
れるコドン傾向(バイアス)に基いて行なつた(26)。脊
椎動物のDNAには比較的まれであるCpGジヌクレオ
チドは(27)、できる限り避けた。更に、アミノ酸13〜
17の為の全ての可能なコドンに相補的な16個の14
量体を合成した。これらのデオキシリボヌクレオチドお
よび相当するアミノ酸配列を以下に示す: 点を付したヌクレオチドは、コドンに多義性のない残基
である。
32P標識βLP−1をプローブとして使用し、低ストリ
ンジエントのハイブリダイゼーシヨン条件下でヒトゲノ
ムDNAライブラリー(28)をスクリーニングした。ヒト
胎児のゲノム肝臓ライブラリー(28)からの約7.5×105
換えフアージを、ニトロセルロースフイルターにレプリ
カ平板法(66)にかけた後、低ストリンジエント条件下(6
5)で、32p−標識44量体βLP−1とハイブリダイズ
した。ハイブリダイズフアージの58からDNAを調製
し、ドツト・プロツト分析法(67)およびBamHI消化混合
物のサザーン。ハイブリダイゼーシヨン(68)を使つて、
32P−標識βLP−1およびβLP−2オリゴヌクレオ
チドとハイブリダイズさせた。両方のオリゴヌクレオチ
ドとハイブリダイズした2個のフアージDNAを消化
し、再びサザーン・ハイブリダイゼーシヨンにより32
−標識14量体のプールでプローブした。14量体のハ
イブリダイゼーシヨンは、6×SSC、0.5%NP40、6
mMEDTA、1×デンハート溶液および50μg/mlサケ
精子DNA中、37℃で行なつた。オートラジオグラフ
イーにかける前に、6×SSC中、室温で数回洗浄し
た。フアージβλ58からのDNAをオリゴヌクレオチ
ドβLP−1、βLP−2および14量体プールとハイブリ
ダイズした。βLP−2および14量体とハイブリダイズ
する配列は、同じ4.2KbpBamHIフラグメント内に存
在し、一方、プローブβLP−1は20KbpBamHIフ
ラグメントとハイブリダイズした。ハイブリダイジング
BamHIフラグメントをpBR322にサブクローンし
た。小さいハイブリダイジングフラグメントのヌクレオ
チド配列は、M13誘導体にサブクローンした後(70)、
ジデオキシヌクレオチド鎖末端法(69)で決定した。
ゲノムDNAライブラリーをスクリーニングすることに
より、TGF−β暗号配列の部分のみコードしているエ
クソンを分離した(残渣10〜60、第3図)。全TG
F−β暗号配列を得るために、このエクソンをプローブ
として使用し、ヒトの満期胎盤のmRNAから誘導した
λgt10ベイスのcDNAライブラリーをスクリーニング
した。
実施例3 TGF−βcDNAの分離 種々の細胞起源から全RNAを抽出し(71)、ポリアデニ
ル化mRNAフラクシヨンをオリゴ(dT)−セルロース・
クロマトグラフイー(72)により分離したdT12-18または
デオキシリボヌクレオチドACACGGGTTCAGGTAC(ヌクレオ
チド1270〜1286に相補的)でプライムすること
により、CDNAを調製した(73)。この2本鎖cDNA
をヌクレアーゼS1(マイルズ・ラボラトリー)で処理
し、次いで大腸菌DNAポリメラーゼIクレノウフラグ
メントで処理し、非対象EcoRIリンカー(75)を使用
する以外は文献記載の方法(74)でEcoRIで開裂したλgt1
0にサブクローンし、EcoRIメチラーゼ処理の必要
性を回避した。この組換えフアージを大腸菌C600H
f(74)に植え、ニトロセルロース・フイルターにレプ
リカ移植した(66)。50%ホルムアミド、5×SSC、
50mMリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%ピロリン酸
ナトリウム、5×デンハルト溶液、50μg/mlサケ精
子DNA中でこれらを32P−標識(76)特異的制限フラグ
メントと42℃でハイブリダイズし、同じ温度で0.2×
SSC、0.1%SDS中で洗浄した。32P−標識デオキ
シリボヌクレオチドの場合は、低いストリンジエントの
ハイブリダイジエーシヨン条件(65)で行なつた。TGF
−βCDNA制限フラグメントのヌクレオチド配列は、
M13フアージ誘導体にサブクローンした後、(70)、ジ
デオキシオリゴヌクレオチド鎖末端法(69)によつて決定
した。得られたcDNAを第1a図に模式的に示した。
λβC1はゲノムエクソン(第3図)をプローブとして
用い、ヒトの胎盤cDNAライブラリーから分離した。
約750,000オリゴ−dTプライム化胎盤cDNA
クローンをスクリーニングし、1個の約1,050bp
のTGF−βcDNA(λβC1)を分離した。先に決
定した部分的TGF−β配列からリーデイングフレーム
が確立され、完全なTGF−βポリペプチドをコードし
ている配列が明らかになつた。この配列はNH2末端のア
ラニン残基から始まり、その後停止コドンまで112コ
ドンが続き、3′末端からは僅かに20塩基対がある。
こんどはλβC1 EcoRI cDNA挿入体を使つ
てA172膠芽腫(グリオブラストマ)cDNAライブ
ナリーをスクリーニングし、λβC3.19を分離し
た。特異的にプライムしたHT1080線維肉腫cDN
Aライブラリーを32P−標識、KpnI−KpnIでス
クリーニングし、λβC3.19cDNA挿入体の上流
のEcoRI−KpnIフラグメントからλβC4.1
0、4.33および4.37を得た。別の同様のライブ
ラリーをλβC4.33挿入体およびヌクレオチド1−
40に相当する合成40量体でスクリーニングし、λβ
C5.7bを分離した。
種々のオリゴ(dT)−プライム化cDNAライブラリ
ーから分離した70以上のTGF−β cDNAは、い
ずれも3′非翻訳領域の2、3のヌクレオチド以上のも
のを含んでおらず、この3′非翻訳配列は、クローンし
たゲノムDNAを使つて決定した。ハイブリダイゼーシ
ヨン分析の結果、λβC1DNA挿入体の3′末端は、
ゲノムDNAフアージβλ58中に存在していることが
わかつた。DNA配列分析により、TGF−βのカルボ
キシ末端部分をコードしているエクソンが存在してお
り、これに停止コドンおよび3′非翻訳末端が続いてい
ることがわかつた(第1b図)。AATAAAヘキサヌクレオ
チド配列(32)は終止コドンから500bp下流にあるの
で、推定のポリアデニル化部位を決めることができた。
これが事実ポリアデニル化シグナルだとすると、TGF
−βmRNAの計算した寸法は、ノーザンハイブリダイ
ゼーシヨン実験(実施例4)で決定した2.3〜2.5Kbと
いう長さに一致する。ゲノムDNAプローブを使つて、
3′非翻訳末端についてオリゴ(dT)−プライム化胎
盤およびHT1080cDNAライブラリーを更にスク
リーニングしたところ、単一のハイブリダイズするcD
NAを同定しなかつた。
実施例4 TGF−βcDNAプローブを使つた診断法 肝癌HEP−G2、Wilms腫瘍TuWi、膠芽腫A172、
膀胱癌T24、鱗性表皮癌A431、乳房癌MCF−
7、鼻咽腔KB、線維肉腫HT1080、Burkittリン
パ腫−リンパ芽球DaudiおよびRaji、T−リンパ芽球モ
ルト4から、ポリアデニル化RNAを回収した。末梢血
液リンパ球を調製し、文献記載(53)のスタフイロコツカ
ル・エンテロトキシンBおよびホルボールミリステート
を用いてミトゲン誘導を行なつた。この場合、RNAは
24時間後に回収した。ポリアデニル化mRNA4μg
を、ホルムアルデヒド−1.2%アガロースゲル(29)中で
電気泳動し、ニトロセルロースフイルターにプロツトし
た(30)。上に記載した高いストリンジエント条件下で、
λβC1の32P−標識(76)EcoRIcDNA挿入体を
プローブとして使用した。ゲル上で28Sおよび18S
のrRNAの位置を比較することにより、TGF−βm
RNAの長さは2.3〜2.5であることが示唆された。mR
NAの部分分解は除外することはできないが、ある場合
には、小さいmRNA種が存在するかもしれない。
TGF−βmRNAは、神経外胚葉起源の腫瘍細胞を含
む全てのヒトの腫瘍セルライン、例えばTuWi(Wilms腫
瘍)およびA172(膠芽腫)、および癌セルラインT
24膀胱癌、A431(鱗性表皮癌)、MCF−7(乳
房癌)およびKB(鼻咽喉癌)中で検出可能であつた。
HT1080、cDNAをクローニングするためのmR
NA源として発明者らが選択した、セルライン誘導の線
維肉腫は、比較的高レベルのTGF−βmRNAを含ん
でいた。TGF−βmRNAは、中胚葉、内胚葉および
外胚葉起源の固状腫瘍から誘導されたセルラインに存在
しなかつたばかりでなく、造血起源の腫瘍セルライン、
例えばDaudi(Burkittリンパ腫B−リンパ芽球)、Raji
(Burkittリンパ腫B−リンパ芽球)およびMolt−4
(T−細胞白血病)中で検出できた。TGF−βmRN
Aは、胎盤および末梢血液リンパ球(PBL)mRNAに
も検出されることは明らかであるので、TGF−βmR
NAが存在するのは腫瘍細胞に限られる訳ではない。P
BLをミトゲン刺激すると、TGF−βmRNAのレベ
ルは有意に上昇する。TGF−βmRNAはヒトの肝臓
では検出できないが、HEP−G2肝癌セルラインには
存在していた。全ゆる場合に於いて、TGF−βmRN
Aは2.3〜2.5K塩基の長さのものとして泳動する。ある
場合には、より小さな約1.8〜1.9KbのmRNAが存在す
ることがあるが、これはこのmRNAの部分的分解によ
るものであろう。
実施例5 TGF−βの組換え合成 TGF−βの組換え合成に使用されたプラスミドはpM
BTE6であつた。以下に述べるプラスミドの調製法
は、その組立に実際に使用されるもつと複雑な方法より
も好ましい先見の明ある変法である。
p342E(79)をEcoRIで消化し、大腸菌DNAポ
リメラーゼI(クレナウフラグメント)と4個のdNT
Pを用いて平滑化し、SalIで消化してフラグメントI
(pBR322のAmp遺伝子を含んでいる)を回収
した。
p342Eを同時にSalIおよびHindIIIで消化し、HB
sAgをコードしているフラグメントをフラグメント2
として回収した。
最後にSV40ゲノムをHindIIIおよびHincIIで消化
し、SV40起源と初期プロモーターを含んでいる59
6bpフラグメントをフラグメント3として回収した。
フラグメント1、2および3をスリー・ウエイ・ライゲ
ーシヨン法で連結し、このライゲーシヨン混合物を大腸
菌株294(ATCC31446)に導入した。形質転換した培
養物をアンピシリン媒質プレートに植え、耐性コロニー
を選択した。形質転換コロニーから、p342E−平滑
を回収した。
p342E−平滑を、HindIIIおよびEcoRIで同時
に消化し、大きいベクターフラグメントを回収した。こ
のフラグメントを、以下の配列を持つポリリンカーに連
結した。
ついで、このライゲーシヨン混合物を用い、上記の方法
で大腸菌ATCC31446を形質転換した。pCVSV−HBsをアン
ピシリン−耐性形質転換体から回収した。
pCVSV−HBsをHindIIIおよびEcoRIで同時に消化
し、ベクターフラグメントを分離した(18bp HindIII
−EcoRIフラグメントは、そのサイズが小さいので
ゲルには現れていないであろう)。
pgD−DHFR−Trunc(ヨーロツパ特許出願84.305909.
8)、単純性疱疹gDタンパクをコードしているDNA
を含んでいるプラスミドをStuIおよびHindIIIで同時に
消化、単純性疱疹シグナルペプチドをコードしているD
NAおよび成熟HSV−1gDタンパクのN−末端部分
の暗号領域を含んでいる約760bpフラグメントを回収
した。ヨーロツパ特許出願番号84.305909.8からのプ
ラスミドpJ2.9も、同様の方法で使用できる。
pβC1(第1a図)をSmaIおよびBamHIで消化し、4
80bpフラグメントを回収した。このフラグメントは、
成熟TGF−βのN−末端から残基314に至るまでを
コードしている配列を含む、preTGF−βをコードし
ている配列の大部分を含んでいる。
pβC1をBamHIおよびEcoRIで消化し、270bp
フラグメントを回収した。BamHI−EcoRIpβC1
フラグメントはSamI部位を持つているので、pβC1
液の消化は別々に行なつた。270bpフラグメントはT
GF−β分子の残りをコードしている配列を含んでお
り、停止コドンから20bp延びている。
pCVSV−HBsベクターフラグメントを、先の76
0、270および480bpフラグメントと、フオー・ウ
エイ。ライゲーシヨンによつて連結する。得られた組立
て物(pCVSVgD)は、SV40初期プロモーターの支配
下にあるハイブリツド暗号領域(単純性疱疹gD−1シグ
ナルペプチドおよびプレTGF−βプリカーサーフラグ
メントにフレーム中で連結したgD−1エンベロープタン
パクの一部)を含んでいる。このハイブリツド暗号領域
には、3′−非翻訳配列および肝炎表面抗原のポリアデ
ニル化シグナルが続いている。
pCVSVgDをEcoRIで消化し、クレノウと4種のdN
TPで平滑化し、次いでpstIで消化する。この様にし
て2つのフラグメントが得られ、ハイブリツド暗号配列
とSV40プロモーターを含んでいるフラグメント(フ
ラグメントA)を回収する。
pCVSVgDをBamHIで消化し、クレノウおよび4種のdNT
Pで平滑化し、次いでPstIで消化する。これらの消化
あと、4種のフラグメントが得られる。pBR322起源およ
びAmpr遺伝子を含んでいるフラグメント(約1900bp)を
フラグメントBと同様にして回収する。
フラグメントAおよびBを連結し、このライゲーシヨン
混合物を使つて大腸菌ATCC31.446を形質転換した。Ampr
コロニーからプラスミドpMBTE6を回収する。
プラスミドpMBTE6を、プラスミドpFD11〔シモンセン(S
imonsen)およびレビンソン(Levinson)、1983、P.
N.A.S.80、2495−2499〕と共にDHFR欠失CHO細
胞〔ウルラウブ(Urlaub)およびチヤシン(Chasin)、
1980、P.N.A.S.77.4216−4220〕にトランスフ
エクスした。プラスミドpFD11はDHFRをコードしてお
り、従つてトランスフエクトされた細胞にメトトレキセ
ート耐性を与えるので、TGF−βを発現する形質転換
体を選択することができる。あらゆるDHFR-哺乳動物宿
主細胞を使用することができる。別法として、ネオマイ
シン耐性をコードしているプラスミドを用いて宿主細胞
を同時形質転換し、ネオマイシン含有培地で増殖する能
力によつて形質転換体を同定すれば、あらゆる哺乳動物
宿主細胞を使用することができる。
形質転換したCHO細胞をHGT-培地で培養することによ
り選択した。細胞を直径15cmの平板中、全面生長する
まで増殖させた。次いで血清不含の培地中、48時間培
養した後収穫した。培養培地を平板からデカントして取
り出し、記載された方法(78)を用い軟寒天分析によりT
GF−βの存在を調べた。
上清の培地50mlを凍結乾燥し、700μの4mMHCl−
0.1%牛血清アルブミンに溶解した。この溶液および連
続的3倍稀釈液200μを分析した。軟寒天中の直結
が>89μmであるコロニーの数をカウントした。飽和
レベルのTGF−βの存在下で得た最大応答値(プラト
ー値)は平板当たり約1500であつた。TGF−βの
非存在下では、50コロニー以下であつた。半最大応答
値は、ネガテイブコントロールプラスミドで形質転換し
た細胞由来の試料の9倍稀釈液において得られた。MBTE
6上清の連続稀釈によつて得られた値から計算したとこ
ろ、半最大値は70倍稀釈において得られることがわか
つた。
連続稀釈液の分析の結果、サブクローンおよびMTX−含
有培地中での選択の前ですら、pED11単独で、ある
いはpFD11と対照プラスミド(疱疹(ヘルペス)暗
号配列が細菌のSTIIシグナルペプチドをコードしてい
る配列で置き換える外はpMBTE6と類似しているもの)で
トランスフエクトしたCHO細胞より約8〜10倍以上
のTGF−β/ml(培地)を合成することがわかつた。
この追加量のTGF−βはヒトTGF−βである。
生物学的に活性なTGF−βが培養培地中に存在するの
で、ヒトの細胞がインビボに於いて成熟TGF−βを分
泌するのと同様に、CHO細胞がプレTGF−βを開裂
すると結論された。この結論は、軟寒天中のTGF−β
濃度稀釈曲線の傾斜が、内因性の天然TGF−βと組換
えTGF−βの両者に於いて同じであることから強く支
持されるのであり、このことは、TGF−βリセプター
に対する親水性が同一でないにしても、類似しているこ
とを表わしている。
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79.ヨーロツパ特許出願第73,656A号
【図面の簡単な説明】
第1a図はTGF−βmRNAの模式図、第1b図はプ
レ−TGF−βcDNAのヌクレオチド配列および推定
のアミノ酸配列を示す模式図、第2図はTGF−βエク
ソンをコードしているゲノムフラグメントとその推定の
アミノ酸配列を示す模式図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 21/02 C12R 1:91)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)式: Ala Leu Asp Thr Asn Tyr Cys Phe Ser Ser Thr Glu Ly
    s Asn Cys Cys Val Arg Gln Leu Tyr Ile Asp Phe Arg
    Lys Asp Leu Gly Trp Lys Trp Ile His Glu Pro Lys Gl
    y Tyr His Ala Asn Phe Cys Leu Gly Pro Cys Pro Tyr
    Ile Trp Ser Leu Asp Thr Gln Tyr Ser Lys Val Leu Al
    a Leu Tyr Asn Gln His Asn Pro Gly Ala Ser Ala Ala
    Pro Cys Cys Val Pro Gln Ala Leu Glu Pro Leu Pro Il
    e Val Tyr Tyr Val Gly Arg Lys Pro Lys Val Glu Gln
    Leu Ser Asn Met Ile Val Arg Ser Cys Lys Cys Ser で示されるアミノ酸配列からなり、TGF−β活性を有
    するポリペプチドをコードしているDNAを含んでいる
    ベクターを組立て、(b)該ベクターで哺乳類宿主細胞を
    形質転換し、(c)形質転換された細胞を培養し、(d)培養
    物から上記ポリペプチドを含有する生成物を回収する方
    法。
  2. 【請求項2】哺乳類細胞がチャイニーズ・ハムスターの
    卵巣セルラインである第(1)項に記載の方法。
  3. 【請求項3】該アミノ酸配列をコードしているDNAが
    ウイルス性プロモーターと機能的に結合している第(1)
    項に記載の方法。
  4. 【請求項4】プロモーターがSV40プロモーターであ
    る第(3)項に記載の方法。
  5. 【請求項5】生成物が培養培地から回収される第(1)項
    に記載の方法。
JP61064661A 1985-03-22 1986-03-20 TGF‐βをコードしている核酸およびその用途 Expired - Lifetime JPH0659230B2 (ja)

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