JPH1189582A - 炎症性サイトカイン誘導因子の遺伝子 - Google Patents

炎症性サイトカイン誘導因子の遺伝子

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JPH1189582A
JPH1189582A JP9273649A JP27364997A JPH1189582A JP H1189582 A JPH1189582 A JP H1189582A JP 9273649 A JP9273649 A JP 9273649A JP 27364997 A JP27364997 A JP 27364997A JP H1189582 A JPH1189582 A JP H1189582A
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polypeptide
gene
inflammatory cytokine
sequence
inducing
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JP9273649A
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English (en)
Inventor
Makoto Kawakita
誠 河北
Kazumi Nakagawa
和巳 中川
Junichi Nezu
淳一 根津
Yoshiko Hirata
芳子 平田
Yasushi Shimonaka
靖 下中
Masato Higuchi
正人 樋口
Junichi Matsushita
淳一 松下
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Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炎症性サイトカイン誘導因子をコードする新
規遺伝子等を提供する。 【解決手段】 本発明は、配列表の配列番号6のアミノ
酸配列を有し、かつ炎症性サイトカインを誘導する機能
を有するポリペプチドをコードする遺伝子、炎症性サイ
トカインを誘導する機能を有するポリペプチドが、その
分子中に配列表の配列番号2−5の少なくとも一つのア
ミノ酸配列を有することを特徴とする前記の遺伝子、当
該遺伝子の組換え体により発現された炎症性サイトカイ
ン誘導因子ポリペプチドの製造方法、天然由来の他の蛋
白質を含有しない炎症性サイトカイン誘導因子、上記遺
伝子組換え体の発現ポリペプチドからなる炎症性サイト
カイン誘導因子を有効成分として含有する医薬組成物、
上記ポリペプチドの炎症性サイトカイン誘導因子として
の機能を阻害する化合物のスクリーニング方法およびそ
の化合物等に係る。 【効果】 本発明の生理活性物質は、マイコプラズマ感
染による過剰な免疫応答の抑制、各種の血小板減少症の
治療等に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炎症性サイトカイン
を誘導する活性を有する生理活性物質のポリペプチドを
コードする遺伝子、この遺伝子の組換え体による発現ポ
リペプチドの製造法、発現ポリペプチド、発現ポリペプ
チドに対する抗体、その炎症性サイトカイン誘導因子と
しての活性/機能を阻害する化合物のスクリーニング方
法およびその化合物等に関するものである。本発明の遺
伝子が発現する生理活性物質は血球細胞、骨髄ストロー
マ細胞などに作用してインターロイキン6などの炎症性
サイトカインを誘導する活性を有する。本発明の生理活
性物質はマイコプラズマ感染に伴う炎症性サイトカイン
誘導の原因物質であることから、その機能を抑制するこ
とでマイコプラズマ感染による過剰な免疫応答を抑制で
きるなど、特に医療の分野において有用なものである。
一方、インターロイキン6は巨核球系細胞に作用し、増
殖・分化を促進する活性を有し、各種の血小板減少症の
治療剤としての有用性が示唆されている。本発明の生理
活性物質はインターロイキン6の誘導活性を有すること
から、これら各種の血小板減少症の治療剤としても有効
と考えられる。
【0002】
【従来の技術】マイコプラズマには、異型肺炎や気管支
炎の起炎病原菌であるMycoplasma pneumoniae や、尿道
炎、卵管炎などの泌尿生殖器・産婦人科系疾患の病原マ
イコプラズマとしてのMycoplasma hominis、Mycoplasma
genitalium やUreaplasma urealyticumなどが知られて
いる。さらに、最近、リューマチ、癌化やHIV 感染によ
るAIDSの発症とMycoplasma fermentans などの感染との
因果関係が注目されている。これらマイコプラズマ感染
による疾患では感染に伴う免疫反応を介した間接的な障
害が疾患の成立に深く関与していると考えられている。
すなわち、マイコプラズマの分泌する液性因子や菌体成
分が炎症性サイトカインを過剰に誘導し、免疫反応の異
常を惹起していると考えられる。一方、マイコプラズマ
感染の確定診断には分離菌の同定が必要であるが、マイ
コプラズマが通常の人工培地では生育しないことに加え
て、生育速度が遅いなど問題点も多い。
【0003】20年以上前に、リウマチ患者の滑膜液か
らMycoplasm fermentansが分離された(Ciba Foundatio
n symposium.Amsterdam:Associated Scientic Publishe
rs,1972:251-262 )。最近、炎症性関節炎、例えば、rh
eumatoid arthritis、spondyloarthropathy with perip
heral arthritis 、psoriatic arthritis 、unclassifi
ed inflamatory arthritisなどの滑膜液などにMycoplas
ma fermantans をPCRで検出できる場合があることが報
告された(Lancent.347:1418,1996 )。このように、My
coplasma感染が炎症性関節炎における異常な免疫反応と
密接に関連していることが示唆されている。
【0004】一方、Mycoplasma産物が炎症性サイトカイ
ンを誘導することが知られている。HallらはヒトPre-B
細胞白血病細胞株Reh の培養上清から、ヒトPromyelocy
tic白血病細胞株HL-60 を増殖抑制および分化誘導する
因子としてp48 を同定した。その後、この因子がMycopl
asma産物であり、単球および単球系の細胞株に作用して
Interleukin 1 、Tumour necrosis factor-alpha、Inte
rleukin-6 などの炎症性サイトカインを誘導することを
報告した(Biochemical Journal. 319:919-927, 1996)
。この因子は18kdの蛋白質にpost-translational modi
fication を受けたものであると考えられる。
【0005】このように、Mycoplasma産物による炎症性
サイトカインの誘導が炎症性関節炎の発症と密接に関連
していることから、炎症性サイトカインの誘導活性を抑
制する抗体あるいは化合物はこれら疾患に対する治療剤
として有効であると考えられる。
【0006】また、Mycoplasma感染によって誘導される
実験動物の関節炎モデルでは関節炎発症の初期の段階で
はMycoplasmaを検出できるが、後期には検出できないこ
とが報告されている(Arthritis Rheum. 23:825-36, 19
80)。この原因としてはMycoplasmaの炎症性サイトカイ
ンを誘導する産物が関節内に蓄積して持続的に作用して
いる可能性が考えられる。この際、PCR などの検出方法
ではMycoplasma感染が原因となっているかどうかを診断
することは困難であり、その原因物質を検出する方法が
有効である。
【0007】このように、炎症性関節炎の診断において
も炎症性サイトカインを誘導する因子本体を検出する診
断方法が有効であると考えられる。
【0008】癌化とMycoplasma感染との関係も注目され
ている。これまでのMycoplasma感染によって染色体異常
が誘導されることが報告されていた。しかし、使用した
細胞がBaby Hamster Kidney (BHK)であることから、sp
ontaneous な変異との異同が問題視されていた。Tsaiら
はマウス胎児細胞C3H/10T1/2を用いてMycoplasma ferme
ntans 感染による癌化との関係について調べた。その結
果、Mycoplasmaの持続感染でC3H/10T1/2が形質転換し、
腫瘍化することを報告した(Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA. 92:10197-10201, 1995)。この腫瘍化とMycoplasma
由来の炎症性サイトカイン誘導因子との関連については
明確ではないが、異常なサイトカイン誘導が関与してい
る可能性は充分に考えられる。
【0009】本発明者らはMycoplasmaに感染した未分化
甲状腺患者由来細胞株KHM-5Mの培養上清から、マウス骨
髄細胞に作用して巨核球系細胞の増殖・分化を促進する
生理活性物質を単離し、その性状を明らかにすることに
成功して先に出願した(特願平7ー334327(特開
平9−188697))。この生理活性物質の作用機序
としては直接巨核球系細胞に作用する可能性とインター
ロイキン6などの炎症性サイトカインの誘導を介する可
能性が考えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような状況を踏ま
えて、本発明者等はこの生理活性物質の作用機序を詳細
に解析し、マウス骨髄細胞に作用して巨核球系細胞の増
殖・分化を促進する作用が抗インターロイキン6レセプ
ター抗体で中和されることを明らかにした。さらに、本
発明者等はマイコプラズマ由来(Mycoplasma fermentan
s あるいは類似菌)の炎症性サイトカイン誘導に関与す
る新しい生理活性物質として、この生理活性物質をコー
ドする遺伝子を解明するとともに、遺伝子組換え体によ
るこの遺伝子の発現ポリペプチドの製造、などに成功し
て、本発明を完成するに至った。この生理活性物質はマ
イコプラズマ感染に伴う免疫反応の異常を惹起する本体
と考えられ、この機能を抑制する抗体あるいは化合物は
これらの異常を改善する医薬品として有効と考えられ
る。また、この生理活性物質に対する抗体はマイコプラ
ズマ感染による疾患の確定診断も有用なものと考えられ
る。
【0011】本発明は血球細胞、骨髄ストローマ細胞な
どに作用し、インターロイキン6などの炎症性サイトカ
インを誘導する生理活性物質のポリペプチドをコードす
る新規な遺伝子を提供することを目的とするものであ
る。また、本発明は血球細胞、骨髄ストローマ細胞など
に作用し、インターロイキン6などの炎症性サイトカイ
ンを誘導する生理活性物質を遺伝子組換え体により製造
する方法を提供することを目的とするものである。
【0012】また、本発明はこの炎症性サイトカイン誘
導活性を有する遺伝子組換え体の発現ポリペプチド、こ
の発現ポリペプチドを有効成分として含有することを特
徴とする医薬組成物を提供することを目的とするもので
ある。さらに、本発明は上記の遺伝子を含有する組換え
DNA 、この組換えDNA を含有するベクター、このベクタ
ーで形質転換されている細胞、上記発現ポリペプチドに
特異的に結合する抗体やその炎症性サイトカイン誘導因
子としての機能を阻害する化合物のスクリーニング方法
およびその化合物等を提供することを目的とするもので
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
る本発明は以下の技術的手段からなる。 (1)配列表の配列番号2−5の少なくとも一つのアミ
ノ酸配列を有し、炎症性サイトカインを誘導する機能を
有するポリペプチドをコードする遺伝子。 (2)配列表の配列番号6のアミノ酸配列を有し、かつ
炎症性サイトカインを誘導する機能を有するポリペプチ
ドをコードする遺伝子。 (3)配列表の配列番号1に記載した塩基配列、または
その一部からなる塩基配列を有し、その塩基配列の1個
または複数個の残基が置換、欠失、挿入または付加の少
なくとも一つがなされており、かつ、炎症性サイトカイ
ンを誘導する機能またはそれと同等の機能を有するポリ
ペプチドをコードする遺伝子。 (4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の遺伝子を
含有する組換えDNA 。 (5)前記(4)に記載の組換えDNA を含有するベクタ
ー。 (6)前記(5)に記載のベクターで形質転換されてい
る細胞。
【0014】(7)前記(6)に記載の細胞を培養し、
この培養物から炎症性サイトカインを誘導する機能を有
するポリペプチドを採取することを特徴とする、遺伝子
組換え体により発現された炎症性サイトカイン誘導因子
の製造法。 (8)前記(7)に記載の方法により製造された遺伝子
組換え体の発現ポリペプチドからなる炎症性サイトカイ
ン誘導因子。 (9)前記(1)〜(3)に記載の遺伝子にハイブリダ
イズする合成オリゴヌクレオチドまたはプライマー。 (10)前記(8)に記載のポリペプチドに特異的に結
合する抗体またはその断片。 (11)前記(8)に記載のポリペプチドの活性/機能
の抑制を指標とすることを特徴とする、当該ポリペプチ
ドの炎症性サイトカイン誘導因子としての機能を阻害す
る化合物のスクリーニング方法。 (12)前記(11)に記載のスクリーニング方法によ
り得られた、前記ポリペプチドの炎症性サイトカイン誘
導因子としての機能を阻害する化合物。 (13)前記(7)に記載の遺伝子組換え体の発現ポリ
ペプチドからなる炎症性サイトカイン誘導因子を有効成
分として含有することを特徴とする医薬組成物。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の内容を詳細に説明
する。本発明の遺伝子により発現される生理活性物質
は、血球細胞、骨髄ストローマ細胞等に作用し、インタ
ーロイキン6などの炎症性サイトカインを誘導する活性
/機能を有することを特徴とする。この生理活性物質は
マイコプラズマ感染に伴う炎症性サイトカイン誘導の本
体と考えられ、この生理活性物質の機能を阻害すること
でマイコプラズマ感染による炎症反応を抑制できるもの
と考えられる。また、マイコプラズマ感染を診断する上
で有効な分子でもある。次に、本発明の生理活性物質の
活性を測定するには、例えば、骨髄細胞、末梢血単核
球、各種の細胞株を使用し、被実験物質をこれら細胞に
作用させて、その培養上清中のインターロイキン6など
の炎症性サイトカインの濃度を測定する方法が好適なも
のとして使用される。
【0016】次に、本発明の生理活性物質はSDS-PAGEで
測定される分子量が約42kdであることを特徴とする。
一般的に、生理活性物質の分子量はゲル濾過やSDS-PAGE
などの分子量測定法により測定され、その測定値は測定
方法の種類や、測定に用いる担体や分子量マーカーの種
類、測定条件等によって微妙に変動する。本生理活性物
質は前述したようにSDS-PAGEで測定した場合の分子量が
約42kdである。
【0017】次に、本発明の生理活性物質はN 末端に以
下のアミノ酸配列を有することを特徴とする。このアミ
ノ酸配列は後述するようにプロテインシーケンサーによ
って実験的に同定したものである。 (配列) Xaa Gly Asn Asn Asp Glu Ser Asn Ile Ser Phe Lys Glu Lys Asp Ile 1 5 10 15 Ser Lys Tyr Thr Thr Thr Asn Ala 20 (Xaa はアミノ酸が特定されていないことを示す)
【0018】次に、本発明の生理活性物質はその由来と
してマイコプラズマに感染している赤白血病細胞株K56
2、未分化甲状腺癌患者由来KHM-5M細胞株、シーゼリィT
細胞白血病患者由来HUT78 細胞株が好適なものとして
あげられる。しかし、その由来はこれらに限定されるも
のではなく、例えば、このマイコプラズマに感染したヒ
トあるいは動物由来細胞株、マイコプラズマの培養菌体
あるいは培養液、本発明の生理活性物質に対する遺伝子
を利用して遺伝子工学的に産生させたものなどであって
もよい。
【0019】次に、本発明の生理活性物質の製法につい
て説明すると、本発明の生理活性物質は、例えば、下記
の工程により効率的に製造することができる。 (1)マイコプラズマに感染しているK562細胞株を培養
する。 (2)その培養上清を回収する。 (3)培養上清を限外濾過膜により濃縮する。 (4)下記のa 〜e により精製を行う。 a. DEAE-Sepharose FF イオン交換クロマトグラフィー b. 第一回目逆相系高速液体クロマトグラフィー c. 第二回目逆相系高速液体クロマトグラフィー d. ゲル濾過 e. SDS-PAGE 本発明ではこの工程による製法が好適なものとしてあげ
られるが、これに限定されるものではなく、これらの工
程に必要に応じて他の工程を付加した製法やこれらの工
程の一部を省略した製法も適宜使用される。
【0020】次に、前記の各工程について説明する。前
記(1)のマイコプラズマに感染したK562細胞等の培養
工程はこの細胞が増殖し得る培養条件により適宜実施さ
れる。すなわち、K562細胞株等を増殖させるのに好適な
濃度の血清や増殖因子、例えば、ウシ胎児血清やインス
リンなどを含む培地を用いて、37℃で培養する。培地
としては、一般的に使用されているDMEM ( Dulbecco's
Modified Eagle's Medium)、IMDM ( Iscove's Modified
Dulbecco's Medium) およびRPMI1640などの培地が好適
なものとしてあげられる。
【0021】次に、前記(2)のK562細胞株等の培養上
清の回収工程は、例えば、前記(1)によりK562細胞株
等を培養した培地から、適宜の手段でその培養上清を回
収すればよく、K562細胞株等を培養後、培養容器から培
地を取り出し、必要があれば、遠心分離、濾過等の手段
により、培地中の細胞と培養上清とを分離し、培養上清
を回収する。
【0022】次に、前記(3)の限外濾過膜による培養
上清の濃縮は常法により市販の限外濾過膜を利用して実
施することにより、適宜、濃縮して液体濃縮物を調製す
ればよく、その手段は特に限定されるものではない。
尚、本発明の生理活性物質を含有する液体濃縮物は前記
K562細胞株等が好適なものとして使用されるが、その
他、本生理活性物質を産生し得る細胞や微生物を培養し
た培地、細胞、微生物等を適宜使用することができる。
【0023】次に、このようにして得られた培養上清の
濃縮物から本発明の生理活性物質を精製する方法は特に
限定されるものではなく、塩析、限外濾過、等電点沈
殿、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性
クロマトグラフィー、抗体アフィニティークロマトグラ
フィー、クロマトフォーカシング、吸着クロマトグラフ
ィー、逆相系クロマトグラフィー等、多くの成書等に記
載されている方法の中から、適宜の方法を選択して実施
すればよい。次に、前記(4)は、a. DEAE-Sepharose
FFイオン交換クロマトグラフィー、b. 第一回目逆相系
高速液体クロマトグラフィー、c. 第二回目逆相系高速
液体クロマトグラフィー、d. ゲル濾過およびe. SDS-P
AGE を組み合わせてなる好適な精製ステップであり、こ
の精製ステップを利用することにより、本発明の生理活
性物質を効率よく精製することができる。
【0024】前記工程(4)において、イオン交換クロ
マトグラフィーとしてはDEAE-Sepharose FF が、逆相系
高速液体クロマトグラフィーとしてはVydac Protein C4
が、また、ゲル濾過としてはTSK G3000SWXL が好適なも
のとしてあげられる。尚、本発明の生理活性物質はこの
ようにして精製されるが、一旦採取、精製され、その性
質が解明された後はそれらの性質を指標として蛋白質の
単離、精製に用いられる適当な方法を利用することが可
能である。
【0025】さらに、本発明の生理活性物質を遺伝子工
学的手段により製造することも可能である。例えば、上
記のHUT78 細胞株から常法に従ってmRNAを単離し、この
mRNAを用いて常法によりcDNAライブラリーを作製するこ
とができるし、genomic DNAを酵素的に切断したDNA 部
分分解物を用いることができる。このcDNAライブラリー
またはDNA 部分分解物をスクリーニングするためのDNA
プローブは、例えば、本発明で明らかにされた部分アミ
ノ酸配列に基づいて設計することができる。あるいは、
本発明の生理活性物質を酵素的に、または、化学的に切
断し、その断片のアミノ酸配列を決定した後、そのアミ
ノ酸配列に基づいてDNA プローブを設計することもでき
る。
【0026】次に、こうして得られた生理活性物質をコ
ードするcDNAを適宜の発現ベクターに挿入し、上記遺伝
子を含有するベクターを作製した後、この発現ベクター
により宿主を形質転換し、この形質転換体を培養するこ
とにより本発明の生理活性物質を製造することができ
る。宿主としては、大腸菌の如き原核細胞、酵母の如き
下等真核細胞、哺乳類の如き高等真核細胞等、常用の宿
主を用いればよい。
【0027】前記工程により製造された本発明の生理活
性物質はJ774.1細胞株、ST-2細胞株等に作用して培養上
清中へのインターロイキン6産生を促進する活性を有す
る。
【0028】尚、本発明者等がスクリーニングし、細胞
株として樹立した前記未分化甲状腺癌患者由来のKHM-5M
細胞株は1994年11月29日付で公的微生物寄託機関である
工業技術院生命工学工業技術研究所にKHM-5M、受託番
号:FERM BP-4901として寄託(ブタペスト条約に基ずく
国際寄託)されている。尚、上記のKHM-5Mは微生物寄託
機関の通告に従って、マイコプラズマを除染したKHM-5M
細胞株として寄託されている。
【0029】次に、本発明の生理活性物質に特異的に結
合する抗体について説明する。本発明の生理活性物質あ
るいはその部分ペプチドを抗原として、ウサギ、モルモ
ット、マウス等に免疫して抗血清を作製することができ
る。また、免疫したマウスの脾細胞とミエローマをフュ
ージョンさせて得られた細胞から、本生理活性物質と特
異的に結合するモノクローナル抗体を作製することがで
きる。
【0030】次に、本生理活性物質による炎症性サイト
カイン誘導活性を阻害する物質のスクリーニング方法を
説明する。ヒト末梢血単核球あるいはJ774.1細胞株やST
-2細胞株に、本生理活性物質と化合物を添加して、一定
時間培養した後に、その培養上清を回収する。この培養
上清中のインターロイキン6等の炎症性サイトカインの
濃度を測定して、インターロイキン6等の炎症性サイト
カインの産生抑制、すなわち、本ポリペプチドの活性/
機能の抑制を指標としたスクリーニング方法が考えられ
る。
【0031】次に、本発明の医薬組成物について説明す
る。本発明の医薬組成物は、本発明の生理活性物質を有
効成分として含有することを特徴とするものである。こ
の生理活性物質としては前記のアミノ酸配列をその分子
中のN 末端もしくは適宜の部位に有するものを使用でき
る。本発明の医薬組成物はこの生理活性物質を凍結乾
燥、除菌濾過などの製剤学的に必要な工程で処理しただ
けのもので充分にその効果を奏することができるもので
あるが、この生理活性物質に製剤学的に許容されうる補
助成分を適宜添加し、常法により製剤化し得ることはい
うまでもない。
【0032】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに具体
的に説明するが、本発明は当該実施例に限定されるもの
ではない。 実施例1 本生理活性物質の巨核球系細胞増殖・分化促進活性に対
する抗インターロイキン6レセプター抗体の作用 1)AchE assay(アセチルコリンエステラー
ゼ アッセイ) マウス巨核球系細胞の増殖・分化をBursteinらの方法に
準じたAchE assayで測定した。(Burstein
S. A., Boyd C. N., Dale G. E., Quantitationof mega
karyocytopoiesis in liquid culture by enzymatic de
termination ofacetylcholinesterase, Journal of Cel
lular Physiology, 122:159-165, 1985) C57BL/6Nマウス(6〜10週齢)(日本チャー
ルスリバー)の大腿骨および脛骨より骨髄細胞を採取
し、これを1%ニュートリドーマSP(ベーリンガーマンハ
イム)を含むRPMI1640培地(GIBCO )に懸濁し、メッシ
ュ径100μmのフィルター濾過して、骨片などを除去
した。本生理活性物質、マウスインターロイキン3(Ge
nzyme )およびラット抗マウスインターロイキン6レセ
プターモノクローナル抗体(Tamura T.,Ud
agawa N.,Takahashi N.,Miy
aura C.,Tanaka S.,Yamada
Y.,Koishihara Y.,Ohsugi
Y.,Kumaki K.,Taga T.et a
l.,Soluble interleukin−6
receptor triggers osteocl
ast formation by interleu
kin 6.,Proceedings of the
National Academy of Scie
nces of the United States
of America.,90(24):11924
−8、1993)を1%ニュートリドーマSP/RPMI1640 培
地で希釈し、骨髄細胞と混和して37℃にて6日間培養
した。尚、マウスインターロイキン3の添加量は最終濃
度10u/ml、ラット抗マウスインターロイキン6レセプタ
ーモノクローナル抗体の添加量は最終濃度5マイクログ
ラム/ml 、骨髄細胞の最終濃度は0.7 ×105/mlとした。
【0033】培養終了後、3.15mg/ml DTN
B/1%クエン酸Na溶液を1%Triton X−1
00溶液で10倍稀釈し、これを50μl/ウェルずつ
添加してプレートミキサーで攪拌し、波長415nmと
620nmの吸光度差を測定して0minにおける吸光
度とした。
【0034】次に、2.17mg/mlヨー化アセチル
チオコリン溶液を20μl/ウェルずつ添加し、室温に
て60分間反応させた後、波長415nmと620nm
の吸光度差を測定し、△OD(60minの吸光度と0
minの吸光度の差)を求めた。尚、DTNBは、5,
5′−dithiobis−(2−nitrobenz
oic acid)の略称である。
【0035】2)測定結果 AchE活性(△OD)は抗インターロイキン6レセプター
モノクローナル抗体 非添加時 0.6 添加時 0.2 以上の結果から、本生理活性物質の巨核球系細胞増殖・
分化促進活性は抗インターロイキン6レセプター抗体に
より抑制されることが明らかとなった。インターロイキ
ン6は巨核球系前駆細胞の成熟を促進することが知られ
ている(Ishibashi T.,Shikama
Y.,Kimura H.,Kawaguchi
M.,Uchida T.,Yamamoto T.,
Okano A.,Akiyama Y.,Hiran
o T.,Kishimoto T.et al.,T
hrombopoietic effects ofi
nterleukin−6 in long−term
administration in mice,E
xperimental Hematology,21
(5):640−6、1993)。よって、本生理活性
物質の巨核球系細胞増殖・分化促進活性は、本生理活性
物質によって誘導されたインターロイキン6による間接
的な作用であり、本生理活性物質はインターロイキン6
等の炎症性サイトカイン誘導活性を有することが予想さ
れた。
【0036】実施例2 各種細胞株での本生理活性因子の産生 KHM−5M以外の細胞株での本生理活性物質の産生を
ウエスタンブロットで確認した。 (1)本生理活性物質のN末端部分のアミノ酸配列を含
む抗ペプチド抗体の作製 本生理活性物質のN末端部分のアミノ酸配列を含む19
アミノ酸からなるペプチドをMAP法で合成((株)サ
ワディー・テクノロジー)して抗原とした。このMAP
ペプチドをフレンドの完全アジュバントでエマルジョン
とし、ウサギの皮内に免疫して抗ペプチド抗体を作製し
た。
【0037】(2)本生理活性物質の検出法 本生理活性物質は抗ペプチド抗体を使用したウエスタン
ブロットで検出した。SDS−PAGEはLaemml
iらの方法を部分的に改変して行った。試料は適切な濃
度に希釈してサンプルバッファー(4%SDS、10%
2−メルカプトルエタノール、20%グリセロール、
0.12Mトリス−塩酸緩衝液(pH6.8))と1:
1で混合し、100℃で3分間処理した。分子量の推定
はPrestained Protein Molec
ular Weight Standards(GIB
CO)を分子量マーカーとして用いた。泳動はSDS−
PAGE miniゲル(TEFCO社製、10T%、
1mm)を用いて定電流(濃縮ゲル:25mA、分離ゲ
ル:35mA)で泳動した。泳動終了後、ゲル中の蛋白
質をセミドライブロッティング装置(Bio−Rad、
TRANS−BLOTSD SEMI−DRY TRA
NSFER CELL)を用いてPVDF膜に140m
A、4時間転写した。各レーンは一次抗体として抗ペプ
チド抗体、二次抗体としてアルカリフォスファターゼを
コンジュゲートさせた抗ウサギIgG抗体を使用し、免
疫酵素染色した。
【0038】(3)各種細胞株での本生理活性物質の産
生確認 抗ペプチド抗体を使用したウエスタンブロットで各種細
胞株CEM、SKT−1B、Ba/F3、HL−60、
MOLT−4、HEL、HUT−78、Jurkat、
Primary Stroma PMA(−)、Pri
mary Stroma PMA(+)、UT−7、M
E−1、Kasumi−1、M−MOK、THP−1、
U937、K3T、MT2、K562の細胞培養上清中
の本生理活性物質を調べた。
【0039】(4)結果 その結果を表1に示す。本生理活性物質の陽性染色バン
ドの濃さを強い順にA、B、Cまた陰性をDで表示す
る。
【0040】
【表1】
【0041】実施例3 K562細胞株の培養 実施例1より、本生理活性物質の産生量が高く、浮遊性
細胞であるため培養が容易なK562細胞株を選択し、培養
を実施した。 1)赤白血病細胞株K562の継代培養 継代用培地には57℃で30分間非動化した10%FC
Sを含むRPMI−1640培地を用いた。培養初期濃
度は1×105 細胞/mlとし、37℃、5%CO2
湿度100%の条件下で3日間培養し、継代培養を行っ
た。継代は、遠心分離で細胞を集め、継代用培地に細胞
を1×105 細胞/mlの濃度で浮遊させ上記条件で培
養した。底面積25cm2 のカルチャーフラスコは10
ml、175cm2 のカルチャーフラスコでは100m
lのスケールで培養した(ファルコン社製)。また、1
000mlスケールではスピナーフラスコ(テクネ社
製)を使用し、攪拌速度は20rpmとした。
【0042】2)培養上清の調製 上記の継代用培地で3日間培養した細胞は、遠心分離で
回収し、50mlのRPMI−1640培地で洗浄後、
1LのIMDM培地に浮遊させ同スピナーフラスコで2
日間培養した。本培養液を4500rpm、20分間の
遠心分離により細胞を沈澱させ、0.45μmフィルタ
ー濾過で浮遊物を取り除いた上清を、K562の培養上
清として−20℃で凍結保存した。
【0043】実施例4 本発明の生理活性物質の精製 1)限外濾過膜による脱塩・濃縮 上記の培養上清約12Lを室温にて融解後、限外濾過膜
PM10(アミコン社製)で濃縮し、0.01%Twe
en20を含む20mMトリス−塩酸緩衝液pH8.0
で電気伝導率3mS/cm2 になるまで脱塩・濃縮を繰
り返し1.4Lにした。
【0044】2)DEAE−Sepharose FF
イオン交換クロマトグラフィー 上記の濃縮した培養上清1.4Lを0.01%Twee
n20を含む20mMトリス−塩酸緩衝液pH8.0で
平衡化してあるDEAE−SepharoseFF(フ
ァルマシア社製)のカラムに吸着させ、300mMNa
Clを含む0.01%Tween20を含む20mMト
リス−塩酸緩衝液pH8.0で溶出させ、溶出画分14
0mlを得た。流速は6ml/min(P1ポンプ:フ
ァルマシア社製)、蛋白質の検出はAbs.280nm
(UV1:ファルマシア社製)で測定した。
【0045】3)Vydac Protein C4
RP−HPLC 次に上記の300mMNaClで溶出される画分を、V
ydac Protein C4(バイダック社製)の
カラムを用いた逆相系の高速液体クロマトグラフィーで
分画した。すなわち、流速1ml/minで40%アセ
トニトリルを含む0.1%トリフルオロ酢酸で平衡化し
てあるカラム吸着させ、40分間でアセトニトリルの濃
度を80%まで直線的に増加させて溶出した。アセトニ
トリル48%〜55%付近に溶出される画分を合わせ、
2nd Vydac Protein C4 RP−H
PLCに供した。
【0046】4)2nd Vydac Protein
C4 RP−HPLC 上記のアセトニトリル48%〜55%付近に溶出される
画分を合わせ、20%アセトニトリルを含む0.1%ト
リフルオロ酢酸を等量加えて希釈した。本サンプルは流
速1ml/minで40%アセトニトリルを含む0.1
%トリフルオロ酢酸で平衡化してあるカラムに吸着させ
40分間でアセトニトリルの濃度を80%まで直線的に
増加させ溶出させた。アセトニトリル48%〜55%付
近に溶出される画分をSDS−PAGEの試料とした。
【0047】5)SDS−PAGEとエレクトロブロッ
ティング a)蛋白試料の調製とSDS−PAGE SDS−PAGEはLaemmliらの方法を部分的に
改変して行った。すなわち、上記のアセトニトリルの濃
度48〜55%付近に溶出された画分各1mlに0.6
25Mトリス−塩酸緩衝液(pH6.8)3.75μ
l、10%SDS6μl、飽和ブロモフェノールブル−
水1μlを添加し、減圧式遠心濃縮機で濃縮した。濃縮
液は1NNaOHでpH6.8に調製し、SDS−PA
GE miniゲル(TEFCO社製、10T%、1m
m)を用いて定電流(濃縮ゲル:10mA、分離ゲル:
15mA)で泳動した。
【0048】b)エレクトロブロッティング SDS−PAGE終了後、ゲル中の蛋白質をセミドライ
ブロッティング装置(Bio−Rad、TRANS−B
LOT SD SEMI−DRY TRANSFER
CELL)を用いてPVDF膜に50mA、4時間転写
した。ブロッティングしたPVDF膜はDDWで10分
間洗浄し、0.1%(W/V)PonsoSを含む2%
(V/V)酢酸溶液で5分間染色した。またバックグラ
ンドの脱色は1%(V/V)酢酸溶液で約10分間行っ
た。脱色後PVDF膜はDDWで洗浄し風乾した。
【0049】実施例5 部分アミノ酸配列の決定 1)N末端アミノ酸配列の決定 実施例4で得られたPVDF膜転写サンプルから分子量
42kDのバンドを切り出し、モデル476Aプロテイ
ンシークエンサー(アプライドバイオシステム社製)に
より分子中のN末端アミノ酸配列を決定した。すなわ
ち、エドマン分解によって遊離したPTH−アミノ酸を
紫外部吸収にて検出し、予め分離した標準PTH−アミ
ノ酸(アプライドバイオシステム社製)の保持時間を基
準にしてアミノ酸を同定した。その結果、K562細胞
株由来の当該生理活性物質のN末端アミノ酸配列(配列
表の配列番号2のアミノ酸配列)は、前出願のKHM−
5M細胞株由来と同じ以下の配列を有していることが確
認された。 XGNNDESNISF KEKDISKYTT TNA
【0050】2)内部アミノ酸配列の決定 実施例4で得られたPVDF膜転写サンプルから分子量
42kDバンドを切り出し、「遺伝子クローニングのた
めのタンパク質構造解析」(平野 久著、東京化学同
人)87頁記載の方法により、臭化シアン分解を行っ
た。臭化シアン分解後、反応液を逆相系高速液体クロマ
トグラフィー(PROTEIN & PEPTIDE
C18、VYDAC社)で分画し、得られたピークをモ
デル476Aプロテインシークエンサー(アプライドバ
イオシステム社製)で分析した。 その結果、以下の三
つのアミノ酸配列(配列表の配列番号3〜5のアミノ酸
配列)の存在が明らかとなった。 CN−1(IQDKDRILTS VLKHIKQAV
YETLLDLILEKXXGYKPYVVK) CN−2(FKELPEDFVK YINSDKALK
D GNKIDNVSER LEAII) CN−3(NTVINNVLSX TPADVKYNP
H VILXVAGP)
【0051】実施例6 in vitroにおけるIL−6産生誘導活性の測定 1)活性測定用細胞の調製 ヒト末梢血単核球は、ヘパリン加採血したヒト末梢血を
Ficoll−Paque溶液(ファルマシア社製)に
重層し、遠心分離機を用いて25℃にて400gで30
分間遠心することにより分離した。Ficoll−Pa
que溶液と血漿の界面に存在する単核球を集め、10
%FCS/IMDM培地で2回洗浄した。マウスマクロ
ファージ由来細胞株J774.1、マウス骨髄間質細胞
由来細胞株ST2、マウス線維芽細胞由来細胞株NIH
3T3は理化学研究所細胞開発銀行より入手した。
【0052】2)活性の測定 被検サンプルとして実施例4の4)2nd Vydac
Protein C4 RP−HPLCにおいてアセ
トニトリル48%〜55%付近に溶出される画分を用い
た。ヒト末梢血単核球は2×106 細胞/mlになるよ
うに10%FCS/IMDM培地に懸濁し、同液量の被
検サンプル(10%FCS/IMDM培地で希釈)と混
合した。37℃にて24時間培養し、培養上清中のIL
−6濃度をELISA法(ENDOGEN社製)で測定
した。マウスマクロファージ由来細胞株J 774.1は
10%FCS/RPMI1640培地に懸濁し、被検サ
ンプル(10%FCS/RPMI1640培地で希釈)
と混合し(最終細胞濃度2×106 細胞/ml)、37
℃にて24時間培養し、培養上清中のIL−6濃度をE
LISA法(ENDOGEN社製)で測定した。マウス
骨髄間質細胞由来細胞株ST2、マウス線維芽細胞由来
細胞株NIH3T3は10%FCS/RPMI1640
培地中で24ウェルプレート(ベクトンデッキンソン社
製)で培養し、confluentになった時点で被検
サンプル(10%FCS/RPMI1640培地で希
釈)を添加した。37℃にて24時間培養し、培養上清
中のIL−6濃度をELISA法(ENDOGEN社
製)で測定した。
【0053】 3)結果 ・ヒト末梢血単核球からのIL−6産生誘導 被検サンプル添加時 1575pg/ml 陽性コントロール(IL−1ーβ、ベーリンガーマンハイム社製)10ng/m l添加 1328pg/ml 陰性コントロール(無刺激) 41pg/ml ・マウス細胞株からのIL−6産生誘導 被検サンプル添加時 J774.1 1241pg/ml ST2 51.7pg/ml NIH3 0pg/ml(検出限界以下) 陰性コントロール(無刺激) J774.1 0pg/ml(検出限界以下) ST2 0pg/ml(検出限界以下) NIH3T3 0pg/ml(検出限界以下) 上記の結果から、本生理活性物質は血球細胞、マクロフ
ァージ系細胞株J774.1および骨髄間質細胞系細胞
株ST2に作用し、IL−6産生を誘導することが明ら
かとなった。
【0054】実施例7 in vivoにおけるIL−6産生誘導活性の測定 1)活性の測定 動物:C57BL/6Ncrj(雄、7週齢)マウスを
使用した。K562細胞株培養上清から実施例3と同様
な方法でVydac Protein C4 HPLC で精
製し、凍結乾燥して冷蔵保存したものを40%アセトニ
トリルを含む0.1%トリフルオロ酢酸溶液1mlで溶
解した。この溶液50μlに0.1%BSA/PBS溶
液250μlを加えて投与試料とした。尚、コントロー
ル投与試料としては0.1%BSA/PBS溶液を用い
た。コントロール投与群およびサンプル投与群は各群2
匹のマウスを用いた。各投与試料0.1mlをマウス尾
静脈から投与し、投与2時間後にエーテル麻酔下で下行
大静脈から採血し、血清を調製した。血清中のIL−6
濃度はELISA法(ENDOGEN社製)で測定し
た。
【0055】2)結果 血清中のIL−6濃度は以下の通りであった。 コントロール投与群 二匹とも0pg/ml(検出限界以下) 被検サンプル投与群 324pg/ml、360pg/ml 上記の結果、本生理活性物質はin vivo においてもIL
−6産生を誘導することが明らかとなった。
【0056】実施例8 当該生理活性物質をコードするcDNAのクローニング (1)PCRプライマーの作製 実施例5の部分アミノ酸配列の中から、N末端アミノ酸
配列よりNH2 −Gly−Asn−Asn−Asp−G
luをコードし得るヌクレオチド配列に基づき次のミッ
クスオリゴヌクレオチドを作製した((株)サワディー
・テクノロジー社に依頼)。 SB S2 5′GC(AGTC)AA(AG)GG
(AGTC)AA(TC)AA(TC)GA(TC)G
A3′ また、内部アミノ酸配列CN−1よりNH2 −Lys−
His−Ile−Lys−Gln−Ala−Valをコ
ードし得るヌクレオチド配列の相補鎖に相当する次のミ
ックスオリゴヌクレオチドを作製した((株)サワディ
ー・テクノロジー社に依頼)。 SB A21 5′AC(AGTC)GC(TC)TG
(TC)TT(AGT)AT(AG)TG(TC)TT
3′
【0057】(2)PCR 実施例2より本生理活性物質の産生が検出されたマイコ
プラズマ感染HUT78細胞polyA+ RNAより、
TimeSaverTMcDNA Synthesis
kit(ファルマシア社製)を使用し、添付の説明書に
従った方法によって二本鎖cDNAを合成した。フェノ
ール/クロロホルム抽出による除蛋白後、エタノール沈
澱によってcDNAを回収し、50マイクロリットルの
TE緩衝液(トリス塩酸10mM、EDTA 1mM、
pH8.0)に溶解してPCRの鋳型として用いた。
(1)で述べたミックスオリゴヌクレオチドと鋳型を用
いて、以下の組成の反応混合液でRCRを行った。 鋳型cDNA 1マイクロリットル SB S2オリゴヌクレオチド 100pmol SB A21オリゴヌクレオチド 100pmol dNTPS 各々の最終濃度 0.2mM Taqポリメラーゼ 1.25U 10×緩衝液 5マイクロリットル 滅菌水にて全量を50マイクロリットルにした。 PCRは94℃で2分変性させた後、94℃で1分(変
性)、48℃で1分(アニーリング)、72℃で1分
(伸長)というサイクルを32回行い、さらに72℃で
7分伸長反応を行った。
【0058】(3)PCR産物の解析 PCR産物をアガロース電気泳動し、約900base
pairのDNA断片が増幅されたことを確認した。
このDNA断片をpCRTMIIベクター(Invit
rogen社製)にTAクローニング法(Marchu
k et al.,Nucl.Acid.Res.,1
9,1154.1990)によってサブクローニングし
た。この断片が組み込まれたプラスミドをアルカリ−S
DS法(Ausubel.F.M.et al.,Cu
rrent Protocolsin Molecul
ar Biology,Wiley Intersci
ence,New York)によって調製し、これを
鋳型としてPRISMTMTerminator Mix
(パーキンエルマー社製)を使用した。サイクル塩基配
列決定法(Cycle sequencing)によっ
て塩基配列を決定した。その結果、この断片が当該生理
活性物質をコードするcDNAの部分断片であることを
確認した。
【0059】(4)プラークハイブリダイゼーション a) マイコプラズマgenomic DNAの調製 マイコプラズマ感染HUT78細胞培養液を760gで
10分間遠心し、上清を10000g、20分間遠心し
て沈澱にマイコプラズマ菌体を回収した。これに2.7
mlのsaline EDTA溶液(NaCl 100
mM,EDTA25mM、トリス塩酸 50mM pH
8.0)、0.3mlの10%SDS溶液、15マイク
ロリットルのproteinase K(20mg/m
l)溶液を加え、攪拌しながら55℃で一晩インキュベ
ートした。フェノール/クロロホルム抽出による除蛋白
を2回行った後、エタノール沈澱によってgenomi
c DNAを回収した。
【0060】b) genomic DNAの部分分解 100マイクログラムのgenomic DNAを80
0unitのXbaI(宝酒造社製)とともに37℃で
3時間インキュベートし、フェノール/クロロホルム抽
出、エタノール沈澱を行って200マイクロリットルの
TE緩衝液に溶解した。新細胞工学実験プロトコール
(秀潤社、p30−)に従って作製した10%〜40%
ショ糖密度勾配にgenomic DNA部分分解物を
重層し、28000rpmで20時間、20℃で遠心し
た。得られた画分を鋳型として、前記(2)と同様のP
CRを行い、PCR産物が7k〜20kbpの画分に認
められることを確認した上で、約12kbpの画分をラ
イゲーションに使用した。
【0061】c) ライゲーションとin vivoパッ
ケージング 1.5マイクログラムのλDASH II DNAを3
0unitのXbaI(宝酒造(株)社製)で37℃で
3時間消化し、λDASH II/Xbalarmを調
製した。DNAライゲーションキット(宝酒造(株)社
製)を用いて、約300ngのλDASH II/Xb
a I arm DNAと前記(4)のb) で得られた
12kbp DNA画分をT4 DNA ligase
によって連結した。in vivoパッケージングはG
igapackTM Gold(Stratagene社
製)を用いて行い、Host cellにはP2PLK
17を使用した。
【0062】(4) プラークハイブリダイゼーションによ
るスクリーニング ChurchとGilbertの方法(Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA 81:1991−1
995,1984)に従って行った。前記(4)のc)で
作製した遺伝子ライブラリーをLB寒天培地上に蒔き、
生じたプラークをHybond−N+フィルター(Am
ersham社製)に移した。フィルターを0.2M
NaOH、1.5M NaClをしみこませた3MM濾
紙の上に5分間放置し、アルカリ変性を施した。前記
(3)で得られた約900bpのcDNA断片をランダ
ムプライマー法(Feinberg,A.P.and
Vogelstein,B.,Anal.Bioche
m.137,266,1984)により32P−CTPで
標識し、これをプローブとしてハイブリダイゼーション
溶液(50%ホルムアミド、5×デンハルツ溶液、5×
SSC,0.1% SDS,10%デキストラン硫酸、
100μg/ml熱変性サケ精子DNA)中42℃で一
晩インキュベートすることによりハイブリダイゼーショ
ンを行った。陽性クローンのファージ懸濁液からファー
ジDNAを回収し、EcoRI消化し、得られた断片を
pBluescript SK(+)のEcoR I
siteに連結した。
【0063】(5) シークエンス ABIPRISM TMDye Primer Cycl
e Sequencing Ready Reacti
on Kitを用いて全塩基配列(配列表の配列番号1
の塩基配列)を決定した。
【0064】実施例9 遺伝子組換え体の発現系構築 マイコプラズマでは一般的な遺伝子コドンと異なる。例
えば、TGA の配列は一般的にはストップコドンである
が、マイコプラズマではTrp と翻訳される。そのため、
本生理活性物質の遺伝子をそのままで大腸菌細胞や哺乳
類細胞に発現させることはできない。そこで、本生理活
性物質のN 末端アミノ酸配列から3ヵ所のトリプトファ
ンをコードしている塩基配列のTGA をTGG の一般的なコ
ドンに変えて、本生理活性物質の部分蛋白質を発現させ
た。
【0065】(1)DNA 断片の作製 この生理活性物質のN 末端アミノ酸から3ヵ所のトリプ
トファンをコードしているTGA の塩基配列をTGG に変更
するために、TGG の配列を含むプライマーを合成してPC
R でTGG に塩基置換したDNA 断片を調製した。 a) PCRプライマーの作製 PCR プライマーはトリプトファンをコードしているTGA
のコードをTGG に変更した配列を含む、以下の4種類を
用いた。なお、プライマーの合成はサワディー・テクノ
ロジー社で行った。 Sb PCR1S: 5>ACA GTG CAC TTT CAG CCG GAC ACA AAA TTT GGG TAC TTA<3 Sb PCR1A: 5>TTA ATA TTG AAT TGT AAT GAG TAG AAC CAC TTG TAC<3 Sb PCR2S: 5>TCA ATA TTA AAG AAT CTG CAT TTA CAA CAG GCT ATG CAA<3 Sb PCR2AB : 5>TAA GAT CTA ATA ATG TTT CAT AAA CAG C<3
【0066】b) PCR pBluescript にこの生理活性物質の部分DNA を組み込ん
だpBlueTIO1 を鋳型とし、Sb PCR1SとSb PCR1Aのプライ
マーの組み合わせとSb PCR2SとSb PCR2AB のプライマー
の組み合わせでそれぞれPCR を行った。PCR の反応は以
下の組成の混合液で行った。 pBlueTI01 1 μl (100ng) X10 PCR Buffer 5 μl dNTP 4 μl primer (20μM) 5 μl primer (20μM) 5 μl Taq Polymerase 0.25 μl 蒸留水 30 μl PCR 反応は94℃1分間、60度1分間、72℃3分間
の順序に加熱し、このサイクルを35回反復したのち、
72℃8分間加熱した。
【0067】c)アガロース電気泳動によるDNA 断片の分
析 PCR で増幅したDNA 断片をアガロース電気泳動で分析し
たところ、Sb PCR1SとSb PCR1Aのプライマーの組み合わ
せでは約180bp、 Sb PCR2S とSb PCR2AB のプライマ
ーの組み合わせでは約470bpのDNA 断片が得られた。
これらのバンドを切り出して、QIAEX II gel extractio
n Kit でDNA を回収し、40μl のTEに溶解した。
【0068】d) 制限酵素による切断 PCR1S とSb PCR1Aのプライマーの組み合わせで得られた
約180bpのDNA 断片はApaLI とSspIで切断し、Sb PCR
2SとSb PCR2AB のプライマーの組み合わせで得られた約
470bpのDNA 断片はBgl IIとSspIで切断し、それぞれ
のDNA 断片をアガロース電気泳動して上記と同様の方法
でDNA 断片を回収した。また、pBlueITO1 はBgl IIとBa
m HIで切断し、アガロース電気泳動でBgl IIとBam HIで
切断されたPlasmid を回収した。このPlasmid はBAP 処
理して、pBlueITO1(Bgl II /Bam HI) とした。一方、 p
BlueITO1をBgl IIとBam HIで切断して得られた約1.2kbp
のDNA 断片はさらにApa LIで切断して350bpのDNA 断
片を回収して、BamHI/Apa LIフラグメントとした。
【0069】e) Ligation d)で得られた180 bpの制限酵素切断DNA 断片、470 bpの
制限酵素切断DNA 断片、pBlueITO1(Bgl II / Bam HI)お
よびBamHI / Apa LIフラグメントをTaKaRa ligation ki
t ver.1 でligationした。得られたligation溶液でJM10
9 株をtransformationし、subcloningしてPlasmid を回
収した。これらPlasmid で目的とするLigationができて
いるかどうかをBam HIの制限酵素で消化して確認した。
【0070】f) 塩基配列の確認 得られたPlasmid に目的とするTGA をTGG に置換した本
生理活性物質のDNA 断片が挿入されているかどうかを37
3A DNA Sequencerで解析した。その結果、目的とする塩
基置換が挿入されたDNA 断片が得られた。しかし、2つ
の塩基の欠失が認められたことから、PCR を用いてこれ
ら欠失を直して得られたPlasmid をpBlueITO3Gとした。
【0071】(2) 遺伝子組み換え体の発現系構築 遺伝子組換え技術による当該生理活性物質の発現を次の
ようにして行った。 a) PCRによるDNA断片の作製 (1)によって得られた、本生理活性物質遺伝子は翻訳
開始codonを含まず、また、哺乳動物細胞での分泌
に必須なシグナル配列を有しない。そこで、当該生理活
性物質の翻訳と分泌を目的にc−kit ligand
遺伝子のシグナル配列と当該生理活性物質の融合遺伝子
をPCR法により作製した。PCRに用いたプライマー
を以下に示す。 KLU1 5′−GGGATCCGAATTCCACCATGAAGAAGAC ACAAACTTG−3′ KLxSBL1 5′−TGTTTCCACAGGTTTTGACAAGAGG ATTAA−3′ KLxSBU1 5′−TGTCAAAACCTGTGGAAACAACGAT GAATC−3′ SbPCR1A 5′−TTAATATTGAATTGTAATGAGTAGA ACCACTTGTAC−3′
【0072】これらのプライマーを394型DNAシン
セサイザー(パーキンエルマー)にて合成し、Olig
onucleotide Purification
Cartridgeにて精製した。1回目のPCR反応
液A.50μlの組成は、200ng pBlueTI
O3G、10mM Tris−HCl(pH8.3)、
0.25mM dNTP、1.5mM MgCl2、そ
れぞれ200nMのKLxSbU1およびSbPCR1
Aを含む。1回目のPCR反応液B.50μlの組成
は、300ngpCHO2/smKL、10mM Tr
is−HCl(pH8.3)、0.25mM dNT
P、1.5mM MgCl2、2.5u Ex.Taq
(宝酒造)、それぞれ200nMのKLU1およびKL
xSbL1を含む。これを50μlの鉱油で覆った後、
85℃で1分間保温した後2.5u Ex.Taq(宝
酒造)を添加し、96℃1分間、60℃1分間、72℃
2分間の順序で加熱し、このサイクルを30回反復した
のち、さらに72℃で10分間加温した。2回目のPC
R反応液50μlの組成は、1回目のPCR反応液A.
およびB.をそれぞれ1μl、10mM Tris−H
Cl(pH8.3)、0.25mM dNTP、1.5
mM MgCl2、2.5u Ex.Taq(宝酒
造)、それぞれ200nMのKLU1およびSbPCR
1Aを含む。これを50μlの鉱油で覆った後、85℃
で1分間保温した後2.5u Ex.Taq(宝酒造)
を添加し、96℃1分間、54℃1分間、72℃2分間
の順序で加熱し、このサイクルを30回反復したのち、
さらに72℃で10分間加温した。
【0073】(2)アガロース電気泳動によるDNA断
片の分析 PCRにて増幅したDNA断片を、アガロースゲル電気
泳動にて分析し、目的のサイズのDNA断片を確認し
た。PCR反応液をQIAprep−spin PCR
purification kit(QIAGEN)
にて精製し、エタノール沈澱を行った後10mMTri
s−HCl(pH7.5)、1mM EDTAに溶解し
たものおよび640ngのpUC19(Pharmac
ia)を10mM Tris−HCl(pH7.5)、
10mM MgCl2、1mMジチオスレイトール、5
0mM NaCl、制限酵素BamHI、HindII
I(宝酒造)を含む溶液中で37℃2時間消化した。一
方、320ngのpCEP4(Invitrogen)
および2400ngのpBlueTIO3Gを10mM
Tris−HCl(pH7.5)、10mM MgC
l2、1mMジチオスレイトール、50mM NaC
l、制限酵素XhoI、HindIII(宝酒造)を含
む溶液中で37℃2時間消化した。得られた消化物をア
ガロースゲル電気泳動にて分析した。目的のサイズのD
NA断片を確認し、ゲルより切り出してQIAEX G
elExtraction Kit(QIAGEN)に
て精製した(それぞれKLSbdC HindIII/
BamHI fragment、pUC19 Hind
III/BamHI fragment、pCEP4
HindIII/XhoI fragment、SBd
N HindIII/XhoI fragment)。
【0074】(3)クローンの作製 KLSbdC HindIII/BamHI frag
mentおよびpUC19 HindIII/BamH
I fragmentとpCEP4 HindIII/
XhoI fragmentおよびSBdN Hind
III/XhoI fragmentをそれぞれT4D
NA ligase(Gibco)により連結し、大腸
菌JM109(宝酒造、コンピテントセル)を形質転換
し、LBA−Ampプレートに播種し、37℃にて終夜
培養した。各々8個のコロニーをつり上げ、5mlのL
Bにて37℃にて終夜培養した。培養液からプラスミド
をQIAprep spin plasmid kit
にて調製し、一部をHindIIIおよびBamHIに
て消化してアガロースゲル電気泳動にて分析し、目的の
サイズのDNA断片が挿入されたクローンを確認した
(それぞれpUC/KLSbdC、pCEP4/Sbd
N)。pUC/KLSbdCの挿入配列をDNA Se
quencing kitおよび373A型DNAシー
ケンサー(パーキンエルマー)を用いたサイクルシーク
エンス法にて決定し、クローン8が目的の配列を有する
ことを確認した。pUC/KLSbdCクローン8およ
びpCEP4/SbdNクローン2を10mM Tri
s−HCl(pH7.5)、10mM MgCl2、1
mMジチオスレイトール、50mM NaCl、制限酵
素HindIIIおよびNheIで消化した後10mM
Tris−HCl(pH7.5)、10mM MgC
l2、1mMジチオスレイトールにて2倍希釈して制限
酵素KpnIで消化した。得られた消化物をアガロース
ゲル電気泳動にて分析した。目的のサイズのDNA断片
を確認し、ゲルより切り出してQIAEX Gel E
xtractionKit(QIAGEN)にて精製し
た(それぞれKLSbdC HindIII/KpnI
fragmentおよびpCEP4/SbdN Hi
ndIII/KpnI fragment)。KLSb
dC HindIII/KpnI fragmentお
よびpCEP4/SbdN HindIII/KpnI
fragmentをT4 DNAligase(Gi
bco)により連結し、大腸菌JM109(宝酒造、コ
ンピテントセル)を形質転換し、LBA−Ampプレー
トに播種し、37℃にて終夜培養した。各々8個のコロ
ニーをつり上げ、5mlのLBにて37℃にて終夜培養
した。一方、LB懸濁液を蒸留水にて希釈し、SbPC
R1AおよびKLU1primerを用いてPCRを行
い、アガロースゲル電気泳動にて分析し、クローン1、
2、3、4、6および7に目的のサイズのDNA断片が
挿入されたことを確認した(pCEP4/KLSb)。
【0075】(4)発現ベクターと融合遺伝子の連結 クローン1の培養液からプラスミドをQIAprep
spin plasmid kitにて調製し、Bam
HIにて消化してアガロースゲル電気泳動にて分析し、
KLSb融合遺伝子を切り出し、QIAEX Gel
Extration Kit(QIAGEN)にて精製
した。一方、同様に調製したpCOS1BamHI f
ragmentをアルカリフォスファターゼ(宝酒造)
処理し、KLSb融合遺伝子とT4DNA ligas
e(Gibco)により連結し、大腸菌JM109(宝
酒造、コンピテントセル)を形質転換し、LBA−Am
pプレートに播種し、37℃にて終夜培養した。各々8
個のコロニーをつり上げ、5mlのLBにて37℃にて
終夜培養した。培養液からプラスミドをQIAprep
spin plasmidkitにて調製し、Xho
Iで消化して目的のサイズのDNA断片が挿入されたク
ローンをアガロースゲル電気泳動にて確認した(pCO
S/KLSb)。
【0076】(5)融合遺伝子のCOS−7細胞への導
入および発現 以上のようにして得られたKL−Sb融合遺伝子発現プ
ラスミドをLipofectAMINE法によりCOS
−7に導入した。すなわち、LipofectAMIN
E試薬10mlとpCOS1またはpCOS/KLSb
3mgを0.6mlのD−MEM中で室温45分間混
合して複合体を形成させた。一方、4枚の25Tフラス
コに70%confluent程度に培養したCOS−
7細胞をD−MEMで洗浄後、2.4mlのD−MEM
を添加し、複合体0.6mlを添加して37℃、5%C
2 下8時間培養した後、2mlの5%または25%D
−MEMを添加してさらに3日間培養した。
【0077】実施例10 遺伝子組み換え体のIL−6誘導活性 (1)活性の測定 実施例9でc−kit ligand遺伝子のシグナル
配列と当該生理活性物質の融合遺伝子を組み込んだCO
S−7細胞をSDSで可溶化し、遠心後の上清を被検サ
ンプルとしてIL−6誘導活性を測定した。マウスマク
ロファージ系細胞株J774.1細胞を10%ウシ胎児
血清を含むRPMI1640培地(GIBCO)に懸濁
し、24well細胞培養用プレート(ファルコン)に
wellあたり1×105 個蒔き、被検サンプルを添加
して20時間CO2 インキュベーター内で培養した。培
養終了後、培養上清を分取し、含有するIL−6濃度を
ELISA(murine IL−6 ELISAKi
t,ENDOGEN社)で測定した。
【0078】(2)結果 図1に示すように、ベクターのみを導入したmock
controlに比べて、本生理活性物質をコードする
遺伝子を導入した細胞の可溶化物には、顕著なIL−6
誘導活性を認めた。
【0079】上記したように、本発明の遺伝子は、配列
表の配列番号6のアミノ酸配列を有し、かつ炎症性サイ
トカイン誘導因子の機能を有するポリペプチドをコード
する遺伝子であるが、本発明は、配列表の配列番号1に
記載した塩基配列、またはその一部からなる塩基配列を
有し、その塩基配列の1個または複数個の残基が置換、
欠失、挿入又は付加の少なくとも一つがなされており、
かつ、炎症性サイトカイン誘導因子の機能またはそれと
同等の機能を有するポリペプチドをコードする遺伝子を
含むものである。すなわち、本発明の遺伝子は、炎症性
サイトカイン誘導因子の活性/機能またはそれと同等の
活性/機能を有するポリペプチドをコードするものであ
れば、上記塩基配列の1部の残基が置換、欠失、挿入ま
たは付加の少なくとも一つがなされていてもよく、当該
塩基配列の改変は、適宜の方法ですることが可能であ
り、その方法は特に限定されない。また、本発明の方法
により製造される上記遺伝子組換え体により発現された
炎症性サイトカイン誘導ポリペプチドは、天然由来の他
の蛋白質を含有しない遺伝子組換え体の発現蛋白として
の特性を有するものであり、医薬品の有効成分として有
用である。
【0080】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、配列表
の配列番号2−5の少なくとも一つのアミノ酸配列を有
し、炎症性サイトカインを誘導する機能を有するポリペ
プチドをコードする遺伝子、当該遺伝子の組換え体によ
り発現された炎症性サイトカイン誘導因子ポリペプチド
の製造方法等に係り、本発明によれば、以下の効果が得
られる。 (1)炎症性サイトカイン誘導因子の活性/機能を有す
るポリペプチドをコードする全長遺伝子およびその改変
遺伝子を提供することができる。 (2)上記遺伝子を含有する組換えDNA、当該組換え
DNAを含有するベクター、当該ベクターで形質転換さ
れてなる細胞を提供することができる。 (3)上記遺伝子の組換え体により発現された炎症性サ
イトカイン誘導因子ポリペプチドの製造方法、および当
該遺伝子組換え体の発現ポリペプチドからなり、天然由
来の他の蛋白質を含有しない炎症性サイトカイン誘導因
子を提供することができる。 (4)上記遺伝子にハイブリダイズする合成オリゴヌク
レオチドまたはプライマー、上記ポリペプチドに特異的
に結合する抗体またはその断片、上記遺伝子組換え体の
発現ポリペプチドからなる炎症性サイトカイン誘導因子
を有効成分として含有する医薬組成物を提供することが
できる。 (5)上記発現ポリペプチドの炎症性サイトカイン誘導
因子としての機能を阻害する化合物のスクリーニング方
法およびその化合物を提供することができる。 (6)マイコプラズマ感染による過剰な免疫応答の抑
制、各種の血小板減少症の治療等に有用である。
【0081】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:1690 配列の型:核酸(nucleic acid) 鎖の数:二本鎖(double) トポロジー:直鎖状(linear) 配列の種類:Genomic DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:peptide 存在位置 :286 ..1569 特徴を決定した方法:E 配列 TTTATCTTTT TAGTTGTTAA TTCAGTTAAA AATGTGACGC AATTTTCAAT TTTAATATAA 60 AAATTAGTAA AAAATTTTAA TTTTTTTTAA TCTCATATTA TTAATAACAA ATTTAATATT 120 GCCACATTAT AATTTTGCAC ATTATAAACT AAAAAATGAA ATCACAAAAC AAATTGCAAT 180 TTTTTCTTAT TTTTTGCAAA ATTTGCCAAT AAAAACCAAT TTTTGAGATA TTTAAGCAAA 240 ATATCTATAT AATGTTCAAT ATACAATTAA AAATAAGGAG ATTATATGAA AAAGTCAAAA 300 AAAATTTTAT TAGGATTGAG TCCTATTGCT GCTATTCTTC CTGCAGTAGC TGTTTCTTGT 360 GGAAACAACG ATGAATCCAA TATTTCATTC AAAGAGAAAG ATATTAGTAA ATATACCACA 420 ACAAATGCTA ATGGAAAACA AGTTGTTAAA AACGCTGAAT TGTTAAAATT GAAACCAGTT 480 CTTATTACAG ATGAAGGTAA AATTGATGAT AAATCATTTA ACCAATCAGC TTTTGAAGCT 540 TTAAAAGCTA TAAATAAACA AACTGGTATT GAAATTAACA ATGTTGAACC TAGCTCAAAC 600 TTTGAAAGTG CTTACAACAG TGCACTTTCA GCCGGACACA AAATTTGAGT ACTTAATGGC 660 TTCAAACACC AACAATCTAT TAAACAATAC ATTGATGCTC ACAGAGAAGA ACTTGAAAGA 720 AATCAAATCA AAATCATTGG TATCGACTTT GATATTGAAA CAGAGTACAA GTGATTCTAC 780 TCATTACAAT TCAATATTAA AGAATCTGCA TTTACAACAG GCTATGCAAT TGCAAGTTGA 840 TTAAGTGAAC AAGATGAAAG TAAAAGAGTT GTTGCATCAT TTGGTGGAGG TGCATTCCCA 900 GGTGTTACAA CATTTAACGA AGGTTTTGCA AAAGGTATTC TATACTACAA CCAAAAACAT 960 AAATCAAGTA AAATTTACCA CACATCACCT GTTAAATTAG ACTCAGGTTT TACTGCTGGT 1020 GAAAAAATGA ACACTGTTAT TAATAATGTT TTATCTTCAA CACCAGCTGA TGTTAAATAC 1080 AACCCACATG TTATCTTATC TGTTGCTGGA CCTGCTACAT TTGAAACTGT AAGATTAGCA 1140 AACAAAGGTC AATATGTAAT TGGTGTTGAC TCAGACCAAG GCATGATTCA AGACAAAGAC 1200 AGAATTCTTA CATCAGTTCT AAAACACATT AAACAAGCTG TTTATGAAAC ATTATTAGAT 1260 CTTATTCTTG AAAAAGAAGA AGGATATAAA CCATATGTAG TTAAAGACAA AAAAGCAGAC 1320 AAAAAATGAA GCCACTTTGG AACTCAAAAA GAAAAATGAA TCGGTGTCGC AGAAAACCAC 1380 TTCTCAAATA CAGAAGAACA AGCAAAAATT AATAACAAAA TTAAAGAAGC AATTAAAATG 1440 TTTAAAGAAT TACCAGAAGA TTTCGTTAAA TATATTAATA GTGACAAAGC TTTAAAAGAT 1500 GGTAATAAAA TTGACAATGT TAGTGAAAGA TTAGAAGCAA TTATTTCTGC TATTAACAAG 1560 GCAGCAAAAT AATTAATCAA AAAAATGCTG GAAAATATCC AGCATTTTTT ATTTTAAATA 1620 TGAAAAAAGT ATATTTTTTT GTTAATTTTT GAAGAAATTA GATAAAACAG TTTTTCCGTT 1680 TTTGTCTTCA 1690 配列番号:2 配列の長さ:24 配列の型:アミノ酸(amino acid) トポロジー:直鎖状(linear) 配列の種類:ペプチド(peptide) 配列の特徴 特徴を表す記号:peptide 存在位置 :1 ..24 特徴を決定した方法:E 配列 Xaa Gly Asn Asn Asp Glu Ser Asn Ile Ser Phe Lys Glu Lys Asp Ile 1 5 10 15 Ser Lys Tyr Thr Thr Thr Asn Ala 20 配列番号:3 配列の長さ:40 配列の型:アミノ酸(amino acid) トポロジー:直鎖状(linear) 配列の種類:ペプチド(peptide) 配列の特徴 特徴を表す記号:peptide 存在位置 :1 ..40 特徴を決定した方法:E 配列 Ile Gln Asp Lys Asp Arg Ile Leu Thr Ser Val Leu Lys His Ile Lys 1 5 10 15 Gln Ala Val Tyr Glu Thr Leu Leu Asp Leu Ile Leu Glu Lys Xaa Xaa 20 25 30 Gly Tyr Lys Pro Tyr Val Val Lys 35 40 配列番号:4 配列の長さ:35 配列の型:アミノ酸(amino acid) トポロジー:直鎖状(linear) 配列の種類:ペプチド(peptide) 配列の特徴 特徴を表す記号:peptide 存在位置 :1 ..35 特徴を決定した方法:E 配列 Phe Lys Glu Leu Pro Glu Asp Phe Val Lys Tyr Ile Asn Ser Asp Lys 1 5 10 15 Ala Leu Lys Asp Gly Asn Lys Ile Asp Asn Val Ser Glu Arg Leu Glu 20 25 30 Ala Ile Ile 35 配列番号:5 配列の長さ:28 配列の型:アミノ酸(amino acid) トポロジー:直鎖状(linear) 配列の種類:ペプチド(peptide) 配列の特徴 特徴を表す記号:peptide 存在位置 :1 ..28 特徴を決定した方法:E 配列 Asn Thr Val Ile Asn Asn Val Leu Ser Xaa Thr Pro Ala Asp Val Lys 1 5 10 15 Tyr Asn Pro His Val Ile Leu Xaa Val Ala Gly Pro 20 25 配列番号:6 配列の長さ:428 配列の型:アミノ酸(amino acid) トポロジー:直鎖状(linear) 配列の種類:ペプチド(peptide) 配列の特徴 特徴を表す記号:peptide 存在位置 :1 ..428 特徴を決定した方法:E 配列 Met Lys Lys Ser Lys Lys Ile Leu Leu Gly Leu Ser Pro Ile Ala Ala 1 5 10 15 Ile Leu Pro Ala Val Ala Val Ser Cys Gly Asn Asn Asp Glu Ser Asn 20 25 30 Ile Ser Phe Lys Glu Lys Asp Ile Ser Lys Tyr Thr Thr Thr Asn Ala 35 40 45 Asn Gly Lys Gln Val Val Lys Asn Ala Glu Leu Leu Lys Leu Lys Pro 50 55 60 Val Leu Ile Thr Asp Glu Gly Lys Ile Asp Asp Lys Ser Phe Asn Gln 65 70 75 80 Ser Ala Phe Glu Ala Leu Lys Ala Ile Asn Lys Gln Thr Gly Ile Glu 85 90 95 Ile Asn Asn Val Glu Pro Ser Ser Asn Phe Glu Ser Ala Tyr Asn Ser 100 105 110 Ala Leu Ser Ala Gly His Lys Ile Trp Val Leu Asn Gly Phe Lys His 115 120 125 Gln Gln Ser Ile Lys Gln Tyr Ile Asp Ala His Arg Glu Glu Leu Glu 130 135 140 Arg Asn Gln Ile Lys Ile Ile Gly Ile Asp Phe Asp Ile Glu Thr Glu 145 150 155 160 Tyr Lys Trp Phe Tyr Ser Leu Gln Phe Asn Ile Lys Glu Ser Ala Phe 165 170 175 Thr Thr Gly Tyr Ala Ile Ala Ser Trp Leu Ser Glu Gln Asp Glu Ser 180 185 190 Lys Arg Val Val Ala Ser Phe Gly Gly Gly Ala Phe Pro Gly Val Thr 195 200 205 Thr Phe Asn Glu Gly Phe Ala Lys Gly Ile Leu Tyr Tyr Asn Gln Lys 210 215 220 His Lys Ser Ser Lys Ile Tyr His Thr Ser Pro Val Lys Leu Asp Ser 225 230 235 240 Gly Phe Thr Ala Gly Glu Lys Met Asn Thr Val Ile Asn Asn Val Leu 245 250 255 Ser Ser Thr Pro Ala Asp Val Lys Tyr Asn Pro His Val Ile Leu Ser 260 265 270 Val Ala Gly Pro Ala Thr Phe Glu Thr Val Arg Leu Ala Asn Lys Gly 275 280 285 Gln Tyr Val Ile Gly Val Asp Ser Asp Gln Gly Met Ile Gln Asp Lys 290 295 300 Asp Arg Ile Leu Thr Ser Val Leu Lys His Ile Lys Gln Ala Val Tyr 305 310 315 320 Glu Thr Leu Leu Asp Leu Ile Leu Glu Lys Glu Glu Gly Tyr Lys Pro 325 330 335 Tyr Val Val Lys Asp Lys Lys Ala Asp Lys Lys Trp Ser His Phe Gly 340 345 350 Thr Gln Lys Glu Lys Trp Ile Gly Val Ala Glu Asn His Phe Ser Asn 355 360 365 Thr Glu Glu Gln Ala Lys Ile Asn Asn Lys Ile Lys Glu Ala Ile Lys 370 375 380 Met Phe Lys Glu Leu Pro Glu Asp Phe Val Lys Tyr Ile Asn Ser Asp 385 390 395 400 Lys Ala Leu Lys Asp Gly Asn Lys Ile Asp Asn Val Ser Glu Arg Leu 405 410 415 Glu Ala Ile Ile Ser Ala Ile Asn Lys Ala Ala Lys 420 425
【図面の簡単な説明】
【図1】遺伝子組換え技術により得られた本生理活性物
質のIL−6誘導活性を示す。
【図2】本発明の炎症性サイトカイン誘導因子の機能を
有するポリペプチドをコードする遺伝子の配列(a:ア
デニン、c:シトシン、g:グアニン、t:ケミン)を
示す。
【図3】本発明の炎症性サイトカイン誘導因子の機能を
有するポリペプチドをコードする第1番目から第900
番目の遺伝子の配列(a:アデニン、c:シトシン、
g:グアニン、t:ケミン)および推定アミノ酸配列
(慣用の1文字記号で表す)を示す。
【図4】本発明の炎症性サイトカイン誘導因子の機能を
有するポリペプチドをコードする第901番目から第1
690番目の遺伝子の配列(a:アデニン、c:シトシ
ン、g:グアニン、t:ケミン)および推定アミノ酸配
列(慣用の1文字記号で表す)を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年10月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正内容】
【0065】(1)DNA断片の作製 この生理活性物質のN末端アミノ酸から3ヵ所のトリプ
トファンをコードしているTGAの塩基配列をTGGに
変更するために、TGGの配列を含むプライマーを合成
してPCRでTGGに塩基置換したDNA断片を調製し
た。 a)PCRプライマーの作製 PCRプライマーはトリプトファンをコードしているT
GAのコードをTGGに変更した配列を含む、以下の4
種類を用いた。なお、プライマーの合成はサワディー・
テクノロジー社で行った。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年9月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正内容】
【0065】(1)DNA 断片の作製 この生理活性物質のN 末端アミノ酸から3ヵ所のトリプ
トファンをコードしているTGA の塩基配列をTGG に変更
するために、TGG の配列を含むプライマーを合成してPC
R でTGG に塩基置換したDNA 断片を調製した。 a) PCRプライマーの作製 PCR プライマーはトリプトファンをコードしているTGA
のコードをTGG に変更した配列を含む、以下の4種類を
用いた。なお、プライマーの合成はサワディー・テクノ
ロジー社で行った。 Sb PCR1S: 5>ACA GTG CAC TTT CAG CCG GAC ACA AAA TTT GGG TAC TTA<3 Sb PCR1A: 5>TTA ATA TTG AAT TGT AAT GAG TAG AAC CAC TTG TAC<3 Sb PCR2S: 5>TCA ATA TTA AAG AAT CTG CAT TTA CAA CAG GCT ATG CAA TTG CAA GTT GGT TAA GTG<3 Sb PCR2AB : 5>TAA GAT CTA ATA ATG TTT CAT AAA CAG C<3
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 5/10 A61K 37/02 ABC C12P 21/02 ABY C12Q 1/02 C12N 5/00 B //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 平田 芳子 茨城県つくば市吾妻3−8−3 パレドー ル吾妻203号 (72)発明者 下中 靖 静岡県御殿場市駒門1−135 中外製薬株 式会社内 (72)発明者 樋口 正人 静岡県御殿場市駒門1−135 中外製薬株 式会社内 (72)発明者 松下 淳一 静岡県御殿場市駒門1−135 中外製薬株 式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号2−5の少なくとも一
    つのアミノ酸配列を有し、炎症性サイトカインを誘導す
    る機能を有するポリペプチドをコードする遺伝子。
  2. 【請求項2】 配列表の配列番号6のアミノ酸配列を有
    し、かつ炎症性サイトカインを誘導する機能を有するポ
    リペプチドをコードする遺伝子。
  3. 【請求項3】 配列表の配列番号1に記載した塩基配
    列、またはその一部からなる塩基配列を有し、その塩基
    配列の1個または複数個の残基が置換、欠失、挿入又は
    付加の少なくとも一つがなされており、かつ、炎症性サ
    イトカインを誘導する機能またはそれと同等の機能を有
    するポリペプチドをコードする遺伝子。
  4. 【請求項4】 請求項1−3のいずれかに記載の遺伝子
    を含有する組換えDNA。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の組換えDNA を含有するベ
    クター。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のベクターで形質転換され
    ている細胞。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の細胞を培養し、当該培養
    物から炎症性サイトカインを誘導する機能を有するポリ
    ペプチドを採取することを特徴とする、遺伝子組換え体
    により発現された炎症性サイトカイン誘導因子の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の方法により製造された、
    遺伝子組換え体の発現ポリペプチドからなる炎症性サイ
    トカイン誘導因子。
  9. 【請求項9】 請求項1−3記載の遺伝子にハイブリダ
    イズする合成オリゴヌクレオチドまたはプライマー。
  10. 【請求項10】 請求項8記載のポリペプチドに特異的
    に結合する抗体またはその断片。
  11. 【請求項11】 請求項8記載のポリペプチドの活性/
    機能の抑制を指標とすることを特徴とする、当該ポリペ
    プチドの炎症性サイトカイン誘導因子としての機能を阻
    害する化合物のスクリーニング方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載のスクリーニング方
    法により得られた、前記ポリペプチドの炎症性サイトカ
    イン誘導因子としての機能を阻害する化合物。
  13. 【請求項13】 請求項7に記載の遺伝子組換え体の発
    現ポリペプチドからなる炎症性サイトカイン誘導因子を
    有効成分として含有することを特徴とする医薬組成物。
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WO2019078344A1 (ja) * 2017-10-20 2019-04-25 学校法人兵庫医科大学 抗il-6受容体抗体を含有する術後の癒着を抑制するための医薬組成物
US11851486B2 (en) 2017-05-02 2023-12-26 National Center Of Neurology And Psychiatry Method for predicting and evaluating therapeutic effect in diseases related to IL-6 and neutrophils

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