JPH0658792B2 - 電子管 - Google Patents

電子管

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JPH0658792B2
JPH0658792B2 JP60138874A JP13887485A JPH0658792B2 JP H0658792 B2 JPH0658792 B2 JP H0658792B2 JP 60138874 A JP60138874 A JP 60138874A JP 13887485 A JP13887485 A JP 13887485A JP H0658792 B2 JPH0658792 B2 JP H0658792B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電子ビームの集束および偏向をすべて電界で行
う電界集束、電界偏向型の撮像管または陰極線管に関す
るものである。
(従来の技術) 撮像管における走査電子ビームの集束偏向方式の一つと
して集束と偏向をすべて電界で行なう全静電形(以下SS
形と略称)が知られている。
SS形は一切電磁コイルを必要としないので、撮像管の小
形軽量化低消費電力化には最も有利である。しかし従来
の集束、偏向のいずれか一方、もしくは両方に電磁コイ
ルを用いた集束偏向方式と比較すると、SS形は解像度、
図形ひずみならびに画面内の信号レベルの均一性(シェ
ーデイング)などの特性において必ずしも十分でないと
いう欠点をもっていた。
ここで第15図に従来のSS形集束偏向部を示す。電子銃1
の側から順に配置された円筒電極3,デフレクトロン電
極4,円筒電極5にそれぞれ直流電圧VH,VL,VHを加える
ことによって、第16図示の電位分布が管内に形成され
る。さらに、デフレクトロン電極4を構成する4つのア
ローパターン電極に適当な偏向電圧をVLに重量して印加
することにより、集束偏向機能をもたせている。また後
段の円筒電極5とメッシュ電極17によってコリメーショ
ンレンズが形成される。
(発明が解決しようとする問題点) 上記構成の最適設計条件として円筒電極郡の直径Dとそ
れらの全長Lの比L/Dは2〜4,できれば3前後が最良
とされてきた。この集束偏向部は3つの円筒電極(この
うちの1つはデフレクトロン電極)から成り、これら円
筒群の長さがほぼ管長を決定するため、後述する本発明
のものと比較すると特に小形化において劣る欠点があっ
た。その上円筒電極群によって作られる電子レンズは、
凹レンズとしての要素を含むため強い凸レンズが形成で
きず、前述したように解像度、図形ひずみなどについて
従来のMS形撮像管と比較して劣っていた。
またさらに、3つの電極電極にそれぞれ電圧を印加する
ための電極リードを取り出すために管壁に穴をあけると
か、あるいは他の電極を横切って引き出すなどの方法を
要したため、その製作工程が複雑になり信頼性が劣るの
みならず、電界の乱れによる特性不備が避けられない欠
点を有していた。
(問題点を解決するための手段) 本発明の目的は、上記公知例のもつ欠点を除去し、従来
の集束、偏向いずれか一方、もしくは両方に電磁コイル
を用いた集束偏向方式の電子管に比し、特に解像度、図
形ひずみ、シェーデイングなどの諸特性を劣化させるこ
とのない、小形軽量で消費電力小さな全静電形電子管を
提供せんとするものである。
すなわち本発明電子管は、電子管の外管内側に配置され
た円周方向への複数分割の円筒状偏向電極と、少なくと
も、該円筒状偏向電極の電子銃側に配置された円板状、
もしくは管軸方向から見て円形状をなす電極と、前記円
筒状電極の他端に配置された円板状電極とを具え、これ
ら電極間で管軸上の電位分布の軸方向の2階微分を常に
正とならしめるように電界集束電界偏向部を構成したこ
とを特徴とするものである。
(実施例) 第1図に本発明に係るSS形集束偏向部の第1の実施例を
示す。
基本的な電極構成としては電子ビームを取り出す電子銃
部1、デフレクトン電極4,メッシュ電極17,及びター
ゲット18からなる。第1図に示した電子銃部1はいわゆ
るトライオード型の例を示したもので、カソード61,G1
電極62,G2電極63,G2電極63と電気的機械的に一体化さ
れたビーム制限孔64及びG2終端電極65よりなる。
電子銃の形式としては他の形式、例えば層流形電子銃等
を用いることもできる。この電極構成ではG2電極63に電
圧V2デフレクトン電極4に電圧V3、メッシュ電極17に電
圧V4を印加すると管内には第2図(a)に示すような電位
分布が形成される。
軸上電位分布をφ0(Z)(Zは管軸方向の座標)と書き、
φ0(Z)のZに関する1階微分をφ0′(Z),2階微分を
φ0″(Z)とすると、一般に、管軸近傍を走行する電子
(以下、近軸電子と略称)に働く径方向の力は−φ0
(Z)に比例する。従って、φ0″(Z)≠0の場合にはレン
ズ作用が生じ、φ0″(Z)が正ならば凸レンズ、負ならば
凹レンズが形成される。すなわち、φ0″(Z)の正負によ
り電子レンズの凹凸が決まる。
本発明による第1図示の電極構成において、円筒状のデ
フレクトロン電極4の両端に配置した円板状のG2終端電
極65,及びメッシュ電極17の電位V2,V4をデフレクトロ
ン電極4の電位V3より高く設定すれば、φ0″(Z)は第3
図図示のように常に正となり、空間全体は凸レンズ作用
のみを有する。
第2図(a)は後述する第7図示の本発明による実施例に
おいて、デフレクトロン電極4に直流電圧V3のみを印加
した条件で、管内の電位分布をコンピュータシミュレー
ションにより求めたものである。
第2図(b)は同様の手段により、電子レンズの光学的性
質を明らかにするために、電子ビームをターゲット18に
集束させる条件で3つの代表的な電子軌道を求めた結果
である。
第2図(b)に示した軌道71はG2終端電極65上の管軸から
1mm離れた点から管軸と平行に出発した電子の軌道(β
軌道と略称)、軌道72はG2終端電極65上の管軸から軸
と5度の角度をなして出発した電子の軌道(以下、α軌
道と略称)、軌道73はターゲット18の中心から軸と平行
に軌道71とは逆向きに出発した電子の軌道(以下、β
軌道と呼ぶ)である。
軌道71と交わる点(以下、第1のクロスオーバと呼ぶ)
74が存在することはG2終端電極65と第1のクロスオーバ
74の間に凸レンズ66が存在し、その焦点は点F1に存在す
ることを意味する。同様に、β軌道73が軸と交わる点
(第2のクロスオーバと呼ぶ)75はメッシュ電極17と第
2クロスオーバの間に凸レンズ67が存在し、その焦点が
点F2に存在することを意味する。α軌道72が軸と交わる
点76は像面を意味するから、ターゲット18の位置と一致
する。上記の凸レンズ66,67は円板と円筒とによって形
成されることから、一般に円板−円筒レンズと称され
る。
円板−円筒レンズは2つの円筒をつきあわせて配置した
円筒−円筒レンズと比べると、凹レンズ作用を及ぼす空
間が全く存在しないことに起因してレンズ内における電
子軌道の広がりがないために、収差が少ないこと、ま
た、レンズとして作用する空間の長さが原理的に円筒−
円筒レンズの半分になる利点をもつ。
ところで、第2図(b)において凸レンズ66と67の位置及
び強さを適当に選ぶと、第4図図示のように第1のクロ
スオーバ74を第2の凸レンズ67によってターゲット18の
上に結像させることができる。この場合、第1の凸レン
ズ66(L1)の収差をできるだけ抑えるようにして、その焦
点距離(第1の凸レンズ66の中心77と第1のクロスオー
バ74との間の距離:lL1,F1)を小さくするよう工夫す
れば、第1のクロスオーバ点74にはより小さいビームス
ポットが形成できる。第1のクロスオーバ点74と第2の
凸レンズ67(L2)の中心位置78との間の距離lF1,L2をで
きるだけ大きくすると同時に、第2の凸レンズ67の中心
位置78とターゲット18の間の距離lL2,Tを小さくすれ
ば、第1のクロスオーバ74の像をターゲット18の上によ
り縮小して結像させることができる。
V2,V4の印加電圧を例えばそれぞれ900V,300Vに設定
して、V3だけを変化させた場合、G2終端電極65に近い方
の円板−円筒レンズ66及びメッシュ電極側の円板−円筒
レンズの位置lG2,L1,lL2,Tと焦点距離lL1,F1,l
F2,L2は第5図のように変化する。
第5図に示すように、デフレクトン電極4の電圧V3を変
化させた場合、両レンズの位置はほとんど変化しない
が、焦点距離すなわちレンズの強さはほぼV3の大きさに
対して比例的に変化し、V3を小さくするほど強いレンズ
が形成される。従って、第4図に示した第1のクロスオ
ーバ74の結像はV3の調整によって容易に実現できる。さ
らに、V2,V3の選択如何によっては第4図示の本旨をよ
り高めることも容易である。
実験によれば第2図(b)に示した動作条件よりも第4図
示のように、一旦形成されたクロスオーバ74を結像する
条件の方が電子管の高性能化により適していることがわ
かった。
ところで、デフレクトロン電極4は電子ビームの偏向の
ために偏向電圧が重畳される。この場合、管内には第6
図に示すような非軸対稱な電位分布が生じ、2つの円板
−円筒レンズ66,67は第6図に併示のごとくゆがんだも
のとなる。
第6図は上記現象の例示として、V2を900V,V3を−50V,V
4を300Vとした条件で、デフレクトン電極4に60Vpp
偏向電圧を印加した場合、すなわち第6図上部の偏向電
極に+30V、下部の偏向電極に−30Vの偏向電圧を印加
した場合の電位分布を求めたものである。正の偏向電圧
が印加された偏向電極の近傍では第5図に示した理由に
より、凸レンズは弱くなる。偏向を受けた電子ビームは
常に正の偏向電圧が印加された偏向電極の近傍を通過す
る。
ところで、第1の凸レンズ66の近傍ではビームは偏向量
もわずかで軸近傍を走行するので、上記の凸レンズの非
軸対称性は電子ビームの集束偏向特性にはほとんど影響
しない。しかし、第2の凸レンズ67には十分な偏向を受
けた電子が通過するので、上記の非軸対称性は電子ビー
ムの集束偏向特性に大きく影響する。
実験によれば、偏向電圧の印加によって弱くなった第2
の凸レンズ67は、第6図に示すように偏向によって生じ
るビームのデフォーカスをうまく補償するよう作用する
ので、G2終端電極65の中心部もしくは第1のクロスオー
バ74を、ターゲット18にほとんど偏向デフォーカスなし
に結像させることができることがわかった。
第2の凸レンズ67の外縁部の光学的特性は、電極印加電
圧V2〜V4のみならず、メッシュ電極17と電気的に接続さ
れた円筒電極19の形状によっても左右される。メッシュ
電極17とリング電極19のデフレクトロン電極側に面した
端との間の距離lMR(第6図参照)を管の直径d1に対し
0.1d1〜0.5d1にすることによって偏向デフォーカスのみ
ならず、図形ひずみやビームのミスコリメーションを同
時に小さくすることができた。これは、円筒電極19の近
傍のフリンジングフィールドがうまくビームのコリメー
ション作用を補完することによる。
以上述べたことから明らかなように、本発明は電子ビー
ムの集束偏向をデフレクトロン電極を活用した2枚の円
板−円筒レンズで行うと同時に、従来のSS形集束偏向部
と比べて、電子ビームをターゲットに垂直に入射させる
ためのコリメーションレンズを新たに設けることなく、
上記の円板−円筒レンズにその作用兼備せしめている点
に特徴がある。
第7図は第1図示の電極構成をトライオード形電子銃を
もつ撮像管に適用した実施例である。61は熱電子を放射
させるカソード、62はG1電極、63はG2電極、64は引き出
された電子ビームの中から良質(発散角が小さい)ビー
ムを適量取り出すためのビーム制限孔、65はG2電極63に
付加したG2終端電極、4はビームの集束偏向を行わせる
ためのデフレクトン電極、17はメッシュ電極、18はター
ゲット、80は信号電流取り出しのためのピン状電極、81
は面板82をガラス外囲器10の上部に封着するためのイン
ジウムリング、83はメッシュを取り付ける台座、19はリ
ング電極、84は電極群に所要の電圧を加えるための引き
出しピンである。
デフレクトロン電極4はガラスが外囲器10の内面に真空
蒸着したGrやAlなどの金属をエッチングやレーザ加工技
術により所要の模様に加工することによって形成するこ
とができる。
本電極構成によれば電子銃部1から射出された電子ビー
ム2はG2終端電極65,デフレクトロン電極4,及びメッ
シュ電極群(メッシュ電極17,メッシュ支持枠81,リン
グ電極19)によって形成される円板−円筒形凸レンズに
よりターゲット18の表面に集束される。
デフレクトロン電極4に、直流電圧V3に重畳して偏向電
圧を印加すれば、第6図等により説明したように電子ビ
ーム2をターゲット18の表面に垂直に入射させる条件を
保持しつつ偏向することができる。この実施例において
ガラス外囲器10の内径(デフレクトロン電極4の直径に
等しい)d1とデフレクトロン電極の長さlとの比l1/d
1を変えて特性の変化を調べたところ、第8図示の結果
を得た。
第8図の曲線Aは画面中心部の振幅変調度ARce,曲線B
は画面周辺部における振幅変調度ARco、曲線Cは図形ひ
ずみΔdの変化を実測した結果である。
これらの実験結果からl1/d1を1.5倍前後に選ぶとARce,A
Rcoが最大となると同時にΔdが最小になり、さらには
ビームミスランディングによるシェーディング(図示せ
ず)も最小になることが確認された。この実験における
動作条件としてはV2=900V、V4=300Vとし、V3はl1/d
1に応じて−100V〜+50Vの範囲で選んだ。
図形ひずみΔdが最小になるV3の値V3(Δdmin)とARが
最大となるV3の値V3(ARmax)とを各々のl1/d1に対して
求めた結果を第9図に示す。両者の値はl1/d1が2以上
になると一致しないが、2以下になると一致する。V3(A
Rmax)とV3(Δmin)が一致することは解像度と図形ひず
み小とを両立させ得ることを意味する。
ただし、l1/d1が1以下になると集束レンズ系の収差が
顕著になるため、第8図示のように管の特性としては相
対的に不十分なものしか得られない。
上記の検討結果から、l1/d1の実用値γoptとしては第8
図に示すように1〜3が適当であることがわかった。
この理由は以下のように説明できる。
デフレクトロン電極4を長くしたl1/d1を大きくすると
第10図の曲線Aに示すようにビームの腹(G2終端電極65
近傍の管軸上から軸5゜の角度で射出した電子軌道がも
つ最大径で定義)が太くなり、収差が増えて像点ボケ
(近軸電子と上記の電子の像点間の距離で定義)が同図
曲線Bに示すように増す。一方、デフレクトロン電極を
短くして、l1/d1を1以下にすると上記の像点ボケは減
少するものの、偏向角が増すために偏向収差が増えるこ
と、また、電子がデフレクトロン内を通り抜け得る条件
すなわち軸上電位φ0(Z)を負にしない条件では、円板−
円筒レンズを強くするには限度が存在するため、電子ビ
ームの最適集束条件の確保が困難になることによる。
ところで、第7図に示した本発明を適用した撮像管にお
いて、デフレクトロン電極4を前記のCrやAlに代えてパ
ーマロイなどの強磁性体で形成すると、撮像管を運用す
る際不可欠の磁気しゃへい体の板厚を薄くすることがで
きる。デバイス全体をより軽量化することができる。例
えば、パーマロイなどの強磁性材料をスパッタや真空蒸
着などの方法により数μmの厚さに付着させた薄膜を電
極膜として利用すると、所要の磁気しゃへい体の板厚は
約半分に減らすことができる。
実用上十分な磁気しゃへい効果を得るには、上記の磁性
体膜を用いない場合、パーマロイの板厚は0.8mm前後に
する必要がある。しかし、上記の磁性薄膜デフレクトロ
ン電極を用いれば、磁気しゃへい体の板厚を従来の約半
分の0.4mmで済ますことができる。一般に管自身の重量
は数10gで製作できるものの、磁気しゃへい体は数10g
にも及び、管の総重量をほぼ決定している。従って、磁
気しゃへい体の薄肉化はデバイスの軽量化に必須であ
る。
以上述べた本発明は以下の手段により、より一層その効
果を高めることができる。
第11図はG2終端電極65の直径dG2を変化させた場合の第
1の円板−円筒レンズ66の変化と、それによる電子軌道
の変化を求めたものである。第11図(a)はdG2をデフレク
トン電極4の直径d1の数分の1以下に小さくした場合、
第11図(b)はdG2をほぼd1に等しくした場合の2つの典型
的な場合である。
第11図より、G2終端電極65を小さくすると第1の凸レン
ズ66の中心77は、よりG2終端電極側へ近づくと同時に、
焦点距離lL1,F1も小さくなってより強い凸レンズが形成
される。従って、第1のクロスオーバ74を第2の円板−
円筒レンズ67によってターゲット18に結像する動作モー
ドでは、より小さいビームスポットが得られる。さら
に、dG2を変化させる代りに、第12図(a)〜(e)の第2の
実施例に示すように、G2終端電極65の形状を変えても同
様の効果を得ることができる。
第13図は本発明の実施例を示したものである。
第13図(a)はデフレクトロン電極4とメッシュ電極17と
の間にもう1つの円筒電極91を付加して、2つの円板−
円筒レンズ66,67の間に新たに1枚の円筒−円筒レンズ9
2を設け、この凸レンズに主として集束作用を行わせる
代わりに、第2の凸レンズ67には主として電子ビームの
コリメーション作用だけを行わせるようにしたものであ
る。
第13図(b)は新たな円筒電極91をG2終端電極65とデフレ
クトロン電極4との間に配置したもので、第13図(a)と
同様に3つの凸レンズを形成し、新たに設けた凸レンズ
92には第1の凸レンズ66との相乗効果で実効的により強
い1つの凸レンズを形成せしめるようにしたものであ
る。
(発明の効果) この発明を全静電形(SS形)撮像管の走査電子ビーム系
に適用すると、電子の集束偏向に用いるレンズの数が2
ヶで済み、かつ該レンズは占める空間の長さが従来の円
筒−円筒レンズと比べてほぼ半分で済む円板−円筒レン
ズを用いているので、従来のSS形と比べると管長を約半
分以下に短縮することができる。また、偏向電極自体に
も外部磁気のしゃへい効果をもたせているため、管の外
部に付加する磁気しゃへい体を薄くでき、デバイス総体
の重量を大幅に減らすことが可能で、従来形と比べると
格段に小形軽量のデバイスを提供することができる。
本発明では管内に一切の凹レンズ作用を存在せしめない
ので、電子軌道の発散が少なく、偏向収差が少ない。こ
のため、高解像度で高性能を要する高品位テレビジョン
システムなどの要求を満たすデバイスを提供することが
できる。例えば第7図に示した実施例において、デフレ
クトロン電極4の直径d1を16mm,長さlを27mmとし、
電子銃部1として、テレビジョン学会電子装置研究会試
料ED343(昭和52年9月)に公表されているトライオー
ド型を組み込み、ターゲットとしてサチコン膜を用いた
場合、G2終端電極65の電圧V2を900V,メッシュ電極17
の電圧V4を300Vとし、V3を電子ビームがターゲット18
にフォーカスする条件、すなわちほぼ0Vにして測定実験
を行った結果、以下の性能を得た。
第14図は試作管の振幅変調度ARをEIAJ(日本電子工業
会)制定のB2,B1テストチャートを用いて実測した結果
である。ARは画面中央B2,400TV本で約70%、画面周辺で
も中心値の50%以上が得られた。また、図形ひずみは0.
5%以下、シェーディングはほとんど無視できるレベル
が得られた。本実施例の撮像管の寸法、重量、及び性能
を本実施例と同一の電子銃を組み込んだ他形式の集束偏
向方式の代表的な同径の撮像管と対比したものを第1表
に示す。
第1表から明らかなように、本発明によれば格段に小形
高性能の撮像管を得ることができる。
また、第11図(a)に示した実施例においてG2終端電極65
の直径dG2をデフレクトロン電極4の直径d1の1/2以下に
小さくすると更に解像度が上昇する。
以上述べた本発明は、撮像管ターゲット18の代わりに蛍
光面を用いることにより、そのままCRTにも適用するこ
とができる。CRTの場合には、電子ビーム2をターゲッ
ト18に垂直に入射させる必要がないので、メッシュ電極
17を省略しても何ら差し支えない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による全静電形撮像管の第1の実施例
を示す図、 第2図は、本発明による全静電形撮像管の第1の実施例
における管内電位分布((a)図)と、代表的な電子軌道
((b)図)を示す図、 第3図は第1図の実施例における撮像管内の軸上の電位
分布を示す図、 第4図は、第1の実施例において偏向電圧が印加されな
い場合の電子ビームの動作例を示す図、 第5図は、第1の実施例についてデフレクトロン電極電
圧に対するlG2,L1,lL1,T,lL1,F1,lF2,L2の変化を示
す図、 第6図は、偏向電圧が印加された場合の電子ビームの動
作例を示す図、 第7図は、第1図に示した電極構成をトライオード形電
子銃を有する撮像管に適用した実施例を示す図、 第8図は、第7図示の撮像管における諸特性の管長依存
性を示す図、 第9図は、第8図と同様に最適動作電圧の管長依存性を
示す図、 第10図は、第7図示の撮像管における電子ビーム結像特
性の管長依存性を示す図、 第11図は、G2終端電極の直径dG2を変化させた場合にレ
ンズが変化する様子とそれによる電子軌道の変化を示す
図、 第12図は、G2終端電極の形状を種々変化させた本発明第
2の実施例((a)図〜(e))を示す図、 第13図は、本発明の第3の実施例((a)図、(b)図)を示
す図、 第14図は、本発明の第1の実施例について得られた解像
度特性を示す図、 第15図は、従来の全静電形撮像管の集束偏向部を示す
図、 第16図は、第15図示撮像管内の等電位線と電子ビーム軌
道を示す図である。 1……電子銃部、2……電子ビーム 3……円筒電極、4……デフレクトロン電極 5……円筒電極、10……ガラス外囲器 17……メッシュ電極、18……ターゲット 19……リング電極、61……カソード 62……G1電極、63……G2電極 64……ビーム制限孔、65……G2終端電極 66……第1の凸レンズ、67……第2の凸レンズ 71……電子のβ軌道、72……電子のα軌道 73……電子のβ軌道、74……第1のクロスオーバ 75……第2のクロスオーバ 76……像面位置、77……レンズ66の中心 78……レンズ67の中心、80……信号取り出し用ピン 81……インジウムリング、82……面板 83……メッシュ取り付け台座 84……リードピン、91……付加円筒電極 92……付加凸レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江上 典文 東京都世田谷区砧1丁目10番11号 日本放 送協会放送技術研究所内 (72)発明者 滝沢 政義 東京都世田谷区砧1丁目10番11号 日本放 送協会放送技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−49542(JP,A)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子管の外管内側に配置された円周方向へ
    の複数分割の円筒状偏向電極と、少なくとも、該円筒状
    偏向電極の電子銃側に配置された円板状、もしくは管軸
    方向から見て円形状をなす電極と、前記円筒状電極の他
    端に配置された円板状電極とを具え、これら電極間で管
    軸上の電位分布の軸方向の2階微分を常に正とならしめ
    るように電界集束電界偏向部を構成したことを特徴とす
    る電子管。
  2. 【請求項2】前記円筒状偏向電極の長さlと直径d1
    の比l1/d1を1.0〜3.0の範囲に設定したことを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の電子管。
  3. 【請求項3】前記円板状、もしくは管軸方向から見て円
    形状をなす電極の直径を、前記円筒状偏向電極の直径の
    1/2以下に設定したことを特徴とする特許請求の範囲第
    1項または第2項記載の電子管。
  4. 【請求項4】前記円筒状偏向電極と、その他端に配置さ
    れた前記円板状電極との間にリング電極を配設し、前記
    円板上電極から前記リング電極の前記円筒状偏向電極側
    の端までの距離lMRを0.1d1〜0.5d1の範囲に設定したこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第3項いず
    れかに記載の電子管。
  5. 【請求項5】前記円筒状偏向電極を磁性薄膜により形成
    したことを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第4
    項いずれかに記載の電子管。
  6. 【請求項6】前記円筒状偏向電極の他端に配置した前記
    円板状電極を蛍光面により形成したことを特徴とする特
    許請求の範囲第1項ないし第5項いずれかに記載の電子
    管。
  7. 【請求項7】前記円筒状偏向電極と、前記円板状、もし
    くは管軸方向から見て円形状をなす電極との間に、さら
    に円筒状電極を配置したことを特徴とする特許請求の範
    囲第1項ないし第6項いずれかに記載の電子管。
  8. 【請求項8】前記円筒状偏向電極と、前記円筒状偏向電
    極の他端に配置した前記円板状電極との間に、さらに円
    筒状電極を配置したことを特徴とする特許請求の範囲第
    1項ないし第6項いずれかに記載の電子管。
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