JPH0658701B2 - 自動販売機のコンベア式商品棚装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自動販売機のコンベア式商品棚装置に関す
る。

〔従来の技術〕

瓶商品，紙パック商品などの破損し易い商品を取り扱う
自動販売機の商品搬送棚装置として、商品を一列に並べ
て搭載する上下複数段の水平コンベア棚と、各段の水平
コンベア棚と商品取出口との間を連繋して昇降する商品
中継用のエレベータ機構とを組合せ、販売指令により水
平コンベア棚から搬出した商品をエレベータ機構を中継
して商品取出口へ送出するようにしたソフトハンドリン
グ方式のものが周知である。

また、かかる自動販売機における商品棚装置の機内レイ
アウトについて、上下各段の水平コンベア棚を機内で前
後の向きに敷設するとともに、該コンベア棚に対する商
品中継用のエレベータ機構を機内の奥部に設置したもの
も製品化されている。

次に、前記自動販売機の従来における構成を第５図に示
す。図において、１は自動販売機のキャビネット、２は
前面扉、３は庫内扉、４は商品取出口である。一方、キ
ャビネット１の庫内には前後の向きに敷設した水平コン
ベア棚５が上下に並べて複数段設置されており、かつ各
段の水平コンベア棚５と商品取出内４との間を連繋して
キャビネット１の庫内奥部には商品中継用のエレベータ
機構６が配備されている。なお、７はエレベータ機構６
の昇降ガイドレール、８は商品取出口４に連ねて庫内底
部に配備した商品送出シュータである。ここで、前記の
水平コンベア棚５は、第６図のようにスプロケット5aと
5bとの間に張架したエンドレスのコンベアベルト5cと、
コンベア駆動モータ5dとから成り、商品９はコンベアベ
ルト5cの上面に一列に並べて搭載される。

かかる構成で、販売指令が与えられると、まずエレベー
タ機構６が選択されたコンベア棚５の位置まで上昇して
待機し、続くコンベア棚５の商品搬出動作により棚上の
最前列に並ぶ商品９がエレベータ機構６のバケット6aに
受け渡される。この商品受け渡しが済むと、エレベータ
機構６は商品９を搭載したまま庫内を下降し、ここでバ
ケット6aが昇降経路上に設けたストッパ6bに当ると前方
に傾動して商品９をシュータ８へ放出する。そして商品
９はシュータ８の傾斜面を転動して商品取出口４に取り
出される。

一方、第５図に示すように水平コンベア棚５に対し、そ
の商品搬出端側にはコ字形のバーとしてなる回動式のゲ
ート機構10が設けてある。このゲート機構は、水平コン
ベア棚５上に搭載した商品９を販売待機状態で収納位置
に保持するストッパ機能，並びに商品の搬出を検出する
スイッチのアクチュエータ機能を持たせたものであり、
例えば電磁ソレノイドの操作，あるいは水平コンベア棚
に従動する補助ストッパ機構との連動操作で販売待機時
にはゲート機構10を起立姿勢に拘束して商品を収納位置
に保持し、販売時にはその拘束を解除して商品９の搬出
を許容するとともに、商品搬出に伴うゲート機構の回動
動作で商品検出スイッチ（図示せず）を作動させるよう
に構成されている。なお、このゲート機構１０は、販売
待機状態ではコンベア棚５に搭載した商品９を収納位置
に係止保持させつつ、一方では商品搬出に伴って回動し
た際にエレベータ機構６と干渉するのを避けるために、
コンベア棚５から突き出すゲート機構10の腕の長さが比
較的短く設定されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところで、前記した従来のコンベア式商品棚装置では、
商品ローディングの際に次記のようなトラブルがしばし
ば発生する。

すなわち、商品のローディングに際しては、第５図にお
ける前面扉２，庫内扉３を開放した上でキャビネット１
の前方より各段の水平コンベア棚５へ商品９を挿入して
補充するが、この場合に上下段のコンベア棚５の相互間
には僅かな残余間隔しか無く、かつコンベア棚５は庫内
に前後方向に敷設したので、棚の奥の方の商品収納状態
が目視確認し難い。このために，商品９を必要以上に棚
内の奥へ押し込んだり、あるいはコンベア棚上の商品収
納スペースに余裕があると誤判断して収納能力以上の本
数の商品９を詰め込むと、第４図で表すように前方に押
し出された最前列に並ぶ商品９がゲート機構10のバー
（前述のようにバーの突出し寸法は短い）を簡単に乗り
越えてエレベータ機構６の昇降通路に落下し、この結果
として瓶商品などが破損するといったトラブルを招く。

本発明は上記の点にかんがみなされたものであり、簡単
な機構を追加することにより、商品ローディング時に誤
って商品がコンベア棚から前方に脱落するのを確実に阻
止して商品ローディングの作業性の改善が図れるように
した自動販売機のコンベア式商品棚装置を提供すること
を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するために、本発明のコンベア式商品棚
装置においては、水平コンベア棚の商品搬出端側通路を
塞ぐように上方より吊り下げ支持した揺動自在なフラッ
パと、庫内扉の開閉に連動して扉開放状態ではフラッパ
を通路閉塞姿勢に拘束し、扉閉塞状態では逆にフラッパ
の拘束を釈放するフラッパロック機構とを具備して構成
するものとする。

〔作用〕

上記の構成で、フラッパは非拘束状態では揺動自在であ
って、販売に伴うコンベア棚からの商品搬出動作をいさ
さかも阻害することはない。これに対してフラッパを垂
下姿勢に拘束するとコンベア棚からの商品搬出通路を完
全に塞ぎ、コンベア棚上で商品を奥に押し込んだり、収
納能力以上の本数を詰め込もうとしても、棚上で最前列
に並ぶ商品がフラッパに突き当たってそれ以上に前方へ
移動できず、商品がコンベア棚上から落下するのを確実
に防止できる。なお、フラッパは水平コンベア棚に対し
て上方に吊り下げ支持されているので、非拘束状態で商
品搬出に伴い前方に揺動してもエレベータ機構と干渉し
合うおそれはない。

一方、フラッパを拘束，釈放するフラッパロック機構
は、庫内扉の開閉に連動して作動するインターロック機
構としてなり、扉開放状態ではフラッパを通路閉塞姿勢
に拘束し、扉閉塞状態では逆にフラッパの拘束を釈放す
るように動作する。つまり、商品ローディングのために
庫内扉を開放すると、これに連動してフラッパロック機
構が自動的にフラッパを通路閉塞姿勢に拘束し、商品ロ
ーディング作業が終了して庫内扉を閉じればフラッパの
拘束を自動的に解除する。したがって手動によるフラッ
パの拘束，釈放操作が全く必要なくなる。

〔実施例〕 第１図ないし第３図は本発明実施例の構成，動作を示す
ものであり、第５図に対応する同一部品には同じ符号が
付してある。

各図において、キャビネット１の庫内で上下各段に並ぶ
水平コンベア棚５毎に、その商品搬出端側には商品通路
を横切るように上方から吊り下げ支持した揺動自在なフ
ラッパ11が設けてあり、かつこのフラッパ11に対向して
コンベア棚５の側部にはフラッパロック機構12が設けて
ある。なお、図示は一段分のコンベア棚についてのみフ
ラッパ11，フラッパロック機構12が描かれているが、他
段のコンベア棚にも同様な機構が装備されている。

ここで、フラッパ11には側縁から突出して次記のフラッ
パロック機構12と係合し合うフック11aを備えている。
一方、フラッパロック機構12は、先端にフラッパ11のフ
ック11a と係合し合うフック12a を形成したＬ字形の揺
動式レバー12b と、該レバー12b の後端に連結してその
先端をキャビネット１の前方に引出した操作ロッド12c
と、該操作ロッド12c をキャビネット１の庫外前方へ向
けて引き出すように付勢するばね12d との組み立て体か
らなる。

次に上記構成による動作を説明する。まず、第１図は商
品ローディングの作業状態を表し、キャビネット１の前
面扉，庫内扉は開放されている。この状態ではフラッパ
ロック機構12はばね12d の付勢を受けてレバー12b が上
向きに揺動し、そのフック12a が垂下姿勢に垂れ下がっ
ているフラッパ11のフック11a に係合してフラッパ11を
この位置に拘束している。これにより、商品９をコンベ
ア棚５上で奥の方へ押し込んでも、最前列に並ぶ商品９
がフラッパ11に突き当たってそれ以上前方に移動するこ
とがなく、第４図で述べたように商品９がゲート機構10
のバーを乗り越えて脱落するのを阻止している。

一方、第２図は商品ローディングの作業終了後に庫内扉
３を閉じた状態を示す。すなわち、庫内扉３を閉じる
と、庫内扉３の扉面がフラッパロック機構12の操作ロッ
ド12c の先端に突き当たり、付勢ばね12d に抗して操作
ロッド12c を庫内へ押し込む。これによりレバー12b は
下向きに揺動し、いままで拘束していたフラッパ11を釈
放して揺動自在な状態に戻す。したがって、販売指令に
よりコンベア棚５が作動すれば、棚上に並ぶ商品９はフ
ラッパ11を自由に押し開いて搬出されることになる。

〔発明の効果〕

本発明によるコンベア式商品棚装置は、以上説明したよ
うに構成されているので、次記の効果を奏する。

(1)商品ローディングの際にはフラッパが拘束状態にあ
り、自動販売機キャビネットの前方からコンベア棚上に
補充する商品を必要以上に棚内に押し込んだり，余分な
本数の商品を詰め込もうとしても、棚上の最前列に並ぶ
商品がフラッパに阻止されるので、商品が棚から前方に
脱落するトラブル発生を確実に回避できる。

(2)フラッパを拘束，釈放するフラッパロック機構をキ
ャビネットの庫内の開閉に連動して作動するよう構成し
たことにより、手動操作を必要とすることなく、フラッ
パの拘束，釈放操作を商品ローディング作業の開始，終
了に関連付けて自動的に行うことができて便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図，第２図はそれぞれ商品ローディング作業時，販
売待機時の動作状態を表す本発明実施例の主要部の構成
図、第３図は第１図の正面図、第４図は従来装置による
商品ローディングの作業状態図、第５図は従来のコンベ
ア式商品棚装置を装備した自動販売機の全体構成図、第
６図は水平コンベア棚の機構図である。図において、 １：自動販売機のキャビネット、３：庫内扉、４：商品
取出口、５：水平コンベア棚、６：エレベータ機構、
９：商品、11：フラッパ、12：フラッパロック機構。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】機内に前後の向きに敷設してその上面に商
   品を一列に並置，搭載する上下複数段の水平コンベア棚
   に対し、該コンベア棚の商品搬出端に対向して機内の奥
   部にエレベータ機構を備え、販売指令に基づき水平コン
   ベアから搬出した商品をエレベータ機構を中継して商品
   取出口へ送出するようにした自動販売機のコンベア式商
   品棚装置において、前記水平コンベア棚の商品搬出端側
   通路を塞ぐように上方より吊り下げ支持した揺動自在な
   フラッパと、庫内扉の開閉に連動して扉開放状態ではフ
   ラッパを通路閉塞姿勢に拘束し、扉閉塞状態では逆にフ
   ラッパの拘束を釈放するフラッパロック機構とを具備し
   てなることを特徴とする自動販売機のコンベア式商品棚
   装置。