JPH0658413U - 磁気ヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は、ヘッドチップをヘッドベースのヘッ
ド固着部へ固着する固着強度を損なうことなく、一層強
固に固着でき、ローコストの磁気ヘッドを提供すること
を目的とする。 【構成】ヘッドベース１４に、ヘッドチップ１５を固着
してなる磁気ヘッド１０において、該ヘッドベースの該
ヘッドチップ固着相当面又はその近傍に亘って粗面１１
ａに形成したことを特徴とする磁気ヘッド。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ビデオテープレコーダやデジタルオーディオテープレコーダ等のよ うに回転ドラムを有する磁気記録再生装置に関し、この回転ドラムに配設される 磁気ヘッドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、回転ドラムを有する磁気記録再生装置における回転ドラムに配設される 磁気ヘッドとしては、例えば図３の平面図及び図４の一部断面図で示す磁気ヘッ ドが使用されており、これについて説明する。

【０００３】 図示するように、従来の磁気ヘッド１は、黄銅等で形成された凸状ヘッド固着 部２と、配線パターン基板（図示せず）を配設し、回転ドラム（図示せず）の上 ドラム部への取付部３とからなるヘッドベース４と、このヘッドベース４のヘッ ド固着部２に接着により固着されるフェライト等の磁性材、例えば単結晶フェラ イトで形成した一対のコア半体５ａ，５ｂからなるヘッドチップ５と、このヘッ ドチップ５に巻回されたコイル巻線６とから構成されている。

【０００４】 そして、上記ヘッドベース４のヘッド固着部２へヘッドチップ５を固着するに 当たっては、瞬間接着剤，ＵＶ樹脂（紫外線硬化樹脂）等により仮接着され、固 着強度の向上、安定化のためさらに接着剤７を塗布硬化させている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この従来の磁気ヘッド１にあっては、ヘッドベース４のヘッド 固着部２に瞬間接着剤，ＵＶ樹脂（紫外線硬化樹脂）等によりヘッドチップ５を 仮接着され、さらに接着剤７を塗布硬化させて固着するため、製造工程における 工数が増え、コストアップの要因になるという課題が生じていた。

【０００６】 本考案は上記した課題に鑑みて考案されたもので、ヘッドチップをヘッドベー スのヘッド固着部へ固着する固着強度を損なうことなく、一層強固に固着でき、 ローコストの磁気ヘッドを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

そこで上記した課題を解決するための手段として、本考案はヘッドベースに、 ヘッドチップを固着してなる磁気ヘッドにおいて、該ヘッドベースの該ヘッドチ ップ固着相当面又はその近傍に亘って粗面に形成したことを特徴とするものであ る。

【０００８】

【作用】

本考案によれば、ヘッドベースのヘッドチップ固着相当面又はその近傍に亘っ て粗面に形成したため、このヘッドベースに固着するヘッドチップとの接着面に 接着剤が効果的に浸透することとなり、接着強度が向上し、このことにより接着 の安定化が図られて製品の品質向上が得られることとなる。したがって、接着強 度の向上により、従来のようなさらなる樹脂による補強が不要となり、その結果 製造工数の低減を図り、ローコスト化が図れることとなる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１の斜視図，図２の要部断面図及びヘッドベース の平面図に従って説明する。

【００１０】 図示するように、本考案に係る磁気ヘッド１０は、黄銅等で形成した凸状のヘ ッド固着部１１と、一面に配線パターンを設けた基板１２を配設し、回転ドラム （図示せず）の上ドラム部への取付部１３とからなるヘッドベース１４と、この ヘッドベース１４のヘッド固着部１１に接着等により固着される、単結晶フェラ イトで形成した一対のコア半体１５ａ，１５ｂからなるヘッドチップ１５と、溝 部１６に巻回されたコイル巻線１７とから構成されている。

【００１１】 そして、上記ヘッドチップ１５をヘッドベース１４に固着するヘッド固着部１ １には、ヘッドチップ１５の固着面と同一面積すなわちヘッドチップ固着相当面 、又は図に示すようにその近傍に亘って粗面１１ａに形成し、瞬間接着剤，ＵＶ 樹脂（紫外線硬化樹脂）等により接着されている。

【００１２】 ここで、上記ヘッド固着部１１に形成する粗面１１ａは、プレス加工，エンボ ス加工，七子目打ち加工等の機械的切削加工、ハーフエッチング等の表面処理加 工等何れの加工しても良く、上記接着面に微細な凹凸を設けるものである。

【００１３】 さらに、上記凹凸面による粗面１１ａを加工後、ラップにより接着面の平坦度 を高めると、上記ヘッド固着部１１にヘッドチップ１５をさらに一層安定して接 着できることとなる。

【００１４】 上記のように、本考案の一実施例によれば、上記ヘッドチップ１５をヘッドベ ース１４に固着するヘッド固着部１１に、ヘッドチップ１５の固着面の近傍に亘 って粗面１１ａに形成したので、この粗面１１ａに接着剤が効果的に浸透するこ ととなり、接着強度が向上し、このことにより接着の安定化が図られ、製品の品 質向上が得られ、従来のようなさらなる樹脂による補強が不必要となってローコ ストの磁気ヘッドを提供できることとなる。

【００１５】

【考案の効果】

従って、本考案に係る磁気ヘッドによれば、本考案はヘッドベースに、ヘッド チップを固着してなる磁気ヘッドにおいて、該ヘッドベースの該ヘッドチップ固 着相当面又はその近傍に亘って粗面に形成したので、ヘッドチップをヘッドベー スのヘッド固着部へ固着する固着強度を損なうことなく、一層強固に固着でき、 ローコストの磁気ヘッドを提供できるという効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の磁気ヘッドの一実施例を示す要部平面
図である。

【図２】本考案の磁気ヘッドの一実施例を示し、（ａ）
は一部断面図，（ｂ）はヘッドベースの要部平面図であ
る。

【図３】従来例を示す磁気ヘッドの平面図である。

【図４】図３の一部断面図である。

【符号の説明】

１０ 磁気ヘッド １１ ヘッド固着部 １１ａ 粗面 １２ 基板 １３ 取付部 １４ ヘッドベース １５ ヘッドチップ １５ａ，１５ｂ コア半体 １６ 溝部 １７ コイル巻線

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヘッドベースに、ヘッドチップを固着し
   てなる磁気ヘッドにおいて、該ヘッドベースの該ヘッド
   チップ固着相当面又はその近傍に亘って粗面に形成した
   ことを特徴とする磁気ヘッド。