JPH065788B2 - 半導体発光素子 - Google Patents

半導体発光素子

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JPH065788B2
JPH065788B2 JP16301686A JP16301686A JPH065788B2 JP H065788 B2 JPH065788 B2 JP H065788B2 JP 16301686 A JP16301686 A JP 16301686A JP 16301686 A JP16301686 A JP 16301686A JP H065788 B2 JPH065788 B2 JP H065788B2
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semiconductor
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研一 西
木村  亨
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Nippon Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高速光変調の可能な半導体発光素子に関する
ものである。
(従来の技術) 光通信等において、光源として用いられる半導体レー
ザ、発光ダイオード等の光出力強度を変化させる方法と
しては、注入電流の大きさを変え、発光再結合に関わる
キャリヤの注入量を時間的に変化させる方法が従来用い
られてきた。しかしこの場合、変調速度はキャリヤの寿
命(〜1ns)によって上限が決定されるので、原理的
に数10GHzの変調は困難であった。この様な変調速度の
限界を打ち破る一つの方法としては、半導体超薄膜構造
を用いる方法が提案されている。これは半導体超薄膜積
層構造中に狭い禁制帯幅を有する半導体層(以下量子井
戸層と呼ぶ)を形成し、その内に存在するキャリヤを積
層方向に電界を印加することによって分離させ、発光再
結合の遷移行列要素を変化させて光強度の変調を行なう
ものである。この一例は山西らによりジャパニーズ・ジ
ャーナル・オブ・アプライド・フィジックス誌に報告さ
れている。(M.Yamanishi et al.Japanese Journal of
Applied Physics, 22(1983)L22)。しかしながら、この
方法によると積層方向の電界強度としては、電子と正孔
とを量子井戸中で空間的に分離させる程度の値が必要で
あるために、通常電界強度として100KV/cm程度以上ない
と十分な消光比は得られにくかった。
(問題点を解決するための手段) 本発明による半導体発光素子は膜厚が電子の平均自由行
程程度以下の第1及び第2の半導体の超薄膜を交互に多
層、積層することによって形成した発光部と、該発光部
に電子及び正孔を積層面に平行な方向より独立に注入さ
せるための電極と、前記発光部積層方向に電界を印加す
るための電極とを有す半導体発光素子に於いて前記第1
の半導体及び第2の半導体の伝導体及び価電子帯それぞ
れのΓ点の空間的接続により形成されるポテンシャル井
戸がともに前記第1の半導体内に存在し、該伝導帯のΓ
点によるポテンシャル井戸中の基底準位のエネルギー値
が前記第1の半導体及び第2の半導体の伝導帯のX点ま
たはL点の空間的接続により形成されるポテンシャル井
戸中の基底準位のエネルギー値と比べ、積層方向に外部
より電界が印加されていない場合には小さく、積層方向
にアバランシェ効果の生じない程度の電界が印加されて
いる場合には大きくなる様な組成及び膜厚を、第1の半
導体及び第2の半導体が有することを特徴とする構成と
なっている。
この様な現象を得る為の構造の設計は以下の様にして行
なう。まず、第1の半導体と第2の半導体の各Γ点より
なるポテンシャル井戸(以下、Γ点井戸と呼ぶ)と、例
としてL点よりなるポテンシャル井戸(L点井戸)を考
える。ここで、Γ点井戸のエネルギー値EΓは、L点井
戸のエネルギー値Eより小さくする。この差をE
L−Γと呼ぶ。
Γ点、およびL点井戸中の基底準位の、各井戸のエネル
ギー値からのシフト量 各井戸中の有効質量mΓ(mL)、及び各井戸の層厚LΓ(L
L)及び各井戸のポテンシャル深さによって決定される。
ここで、電界印加していない場合は、Γ点井戸中の基底
準位のエネルギー値はL点井戸中の基底準位のエネルギ
ー値より小さいので、 の条件が必要となる。
一方、電界印加による基底準位のエネルギー値の変化は
近似的に次式で示される。
一般に、アバランシェ効果が生じない程度の電界強度は
150(kV/cm)程度であるので、このシフト量の最大値は となる。ここで、電界印加した場合には、エネルギー値
が逆転することにより、 が成立することが必要となる。
以上の(2),(5)両式を満足する様な各層厚LΓ,L
計算により求めれば構造の設計が可能である。
例として、GaSbを第1の半導体とし、AlSbを第2の半導
体として考える。パラメータとしては、 m /m=0.05,EL−r70meV……(6) であり、特にこの系ではΓ点井戸とL点井戸がともにGa
Sbに形成されるので、LΓ=Lとなる。この系では、
(2)式が満たされるLとしては、 L4.5nm となる事が、有効質量近似の計算より求められ 15meVである。ここで についてはL5.0nmでは(4)式より となるので、(5)式は十分満たされる。
また、Lが7.5nm程度となると、(2)式は満たされるが、
(5)式が満足されなくなる。したがって、Lの範囲とし
ては、5nm程度から7nm程度のものとなる。
(作用) 本発明による半導体発光素子においては、積層方向に電
界が印加されていない状態では発光部に注入された電子
は伝導帯Γ点の空間的接続によって形成されるポテンシ
ャル井戸の基底準位に緩和する。一方正孔は価電子帯の
Γ点によるポテンシャル井戸の基底準位に緩和し、直接
遷移によって効率良くキャリヤの発光再結合が生ずる。
次に積層方向に電界が印加された状態について述べる。
ポテンシャル井戸に積層方向に電界を印加すると基底準
位はバンド端の方にシフトする。この現象はバスタード
等により理論的にも示されている(Bastard,他Phys.Re
v.B28(1983)3241)。電界による基底準位のエネルギー
シフト量は、第1近似としてはキャリヤの有効質量に比
例する。GaAs,InP等の、通常の半導体発光素子に使用
される化合物半導体においては、伝導帯のΓ点における
電子の有効質量は、X点,L点における有効質量の約1/
10程度である。したがって積層方向に電界を印加する
と、X点や、L点によるポテンシャル井戸中の基底準位
のエネルギーシフト量は、Γ点によるポテンシャル井戸
中の基底準位のエネルギーシフト量に比べて10倍程度大
きくなる。したがって、電界が印加されると、X点やL
点によるポテンシャル井戸中の基底準位はΓ点によるポ
テンシャル井戸中の基底準位よりも相対的に下にくるこ
とになる。X点やL点は空間的対称点が複数あり、かつ
有効質量が大きいため対応する状態密度も大きい理由も
加わり注入された電子はX点やL点により形成されたポ
テンシャル井戸中の基底準位のみに存在することにな
る。この場合、この量子井戸が第2の半導体中にあると
しても問題はない。一方この様な現象は正孔では生ぜ
ず、したがって電界が加わった場合にはバンド構造は間
接遷移になり、キャリヤの発光再結合は禁止される。
以上の原理により、発光部にキャリヤを注入しつつ積層
方向に印加する電界をON,OFFすることにより発光をO
N,OFFすることが可能となる。しかも、このON,OFFの
スイッチングは電界印加によりキャリヤ、特に電子が占
有するバンド内の点、さらに場合によっては積層方向で
電子の存在する層を瞬間的に変化させる事によって行な
うことができるので、キャリヤ寿命に制限されることな
く数10GHz程度の非常に高速なスイッチングが可能とな
る。また電子の存在するバンド内の点や層の変化によっ
て直接遷移から間接遷移への変化が生ずるため、基底準
位が逆転する程度の低印加電圧で高い消光比が得られ
る。
(実施例) 以下図面を用いて本発明による半導体発光素子の第1の
実施例を説明する。第1図a)は本発明による発光ダイオ
ードの斜視図、b)及びc)はその発光部のバンド図であ
り、b)は積層方向に電界を印加していない場合、c)は積
層方向に電界を印加した場合に対応する。分子線エピタ
キシー法により、Crドープ半絶縁性GaAs基板101上に2
μm厚のアンドープAl0.6Ga0.4Asクラッド層102、40Å厚
のアンドープAl0.2Ga0.8As量子井戸層103と50Å厚のア
ンドープAl0.6Ga0.4Asバリヤ層104とを交互に8層積層
することによって形成した発光部105と、0.5μm厚のア
ンドープAl0.6Ga0.4Asクラッド層106とを順次成長させ
た。次に蒸着によりその表面に電界印加用の電極107を
製作する。その後、幅1.5μmのストライプ状のメサ部
を形成しその片側にSiドープn型のAl0.6Ga0.4As108、も
う一方はBeドープp型のAl0.6Ga0.4As109で埋め込む。次
に電流注入用の電極110を蒸着により形成する。そして
約300μm×300μmの大きさでへき開によってチップ化
し、一方の光軸方向となるへき開面に無反射コーティン
グ膜111を施した。
第1図b)は電極107に電圧を印加せず積層方向に電界が
印加されていない場合のバンド図である。電子は伝導帯
Γ点112より形成されるポテンシャル井戸中の基底準位
に存在している。次に積層方向に電界を印加すると、第
1図c)に示すごとく、発光部の伝導帯のX点114におい
て形成されるポテンシャル井戸中の基底準位115のエネ
ルギー値は隣接するΓ点において形成されるポテンシャ
ル井戸中の基底準位113より相対的に低下する。それに
よって電子は基底準位115に移動する。
電流注入用の電極110間に順方向に電圧を印加し電流を3
0mA流した状態で電極107に電圧を印加しない場合には光
出力として約200μWが無反射コーティング膜111を通し
て得られた。また電極107にn型の電極110に対して−2V
の電圧を印加した場合には光出力は約2μWとなった。
したがって−2Vという低い印加電圧で20dBの消光比が得
られた。また電極107に印加する電圧によって光の強度
変調を行なったところ、変調速度は約10GHzまで達し
た。この変調速度の上限は素子及び接続回路の抵抗と寄
生容量等により決定されたものであり、これらの値を減
らすことにより一層の高速変調が可能である。
次に本発明第2の実施例について説明する。第2図a)は
本発明による半導体レーザの斜視図、b)は積層方向に電
界が印加されていない状態での発光部のバンド図、c)は
積層方向に電界が印加された状態でのバンド図である。
分子線エピタキシー法により半絶縁性GaSb基板201上に
1μm厚のアンドープAlSbクラッド層202、50Å厚のア
ンドープGaSb量子井戸層203と50Å厚のアンドープAlSb
バリヤ層204を交互に8層積層することによって形成さ
れた発光部205と、0.5μm厚のアンドープAlSbクラッド
層206とを順次積層した後に、第1の実施例と同様の工
程により電界印加用の電極207、Siドープn型のGaSb20
8、Beドープp型のAlSb209、電流注入用の電極210製作
し、その後に約300μm×300μmの大きさでへき開して
チップ化したものである。
本実施例においては、第1の実施例とは若干異なり積層
方向に電界を印加した場合に電子はバリヤ層に移動しな
い。第2図b)に示す様に電界印加前は量子井戸層203中
のΓ点よりなるポテンシャル井戸中の基底準位113を占
有していた電子が、電界印加後はL点211よりなるポテ
ンシャル井戸中の基底準位212を占有する。L点での基
底準位212に対応する状態密度は大きく、Γ点での基底
準位113に電子はほとんど存在しない。
電極210より電流を約80mA注入した状態で電極207に電圧
を印加しない状態ではレーザ発振が生じ、約3mWの光出
力が得られる。電極207にn型の電極210に対して−2Vの
電圧を印加した場合には発振は停止し、約60μW程度の
光出力しか得られない。そしてこの電極207に印加する
電圧を変調し、数10GHzまでの光強度変調が得られた。
しかもこの値も抵抗と寄生容量で決められたものであ
り、これらの値の低減により、一層の高速変調が可能で
ある。
以上ここでは2つの実施例について述べたが材料系とし
てはInP-AlP系、InP-GaP系、InAs-AlAs系、GaAs-GaP系
等他の材料等を用いて良い。
(発明の効果) 本発明によれば、超高速変調光通信用の、低電圧による
スイッチングや高速変調が可能な光源である発光ダイオ
ード、半導体レーザ等の半導体発光素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図a)は本発明第1の実施例である発光ダイオードの
斜視図、b)は積層方向に電界を印加していない場合の発
光部のバンド図、c)は積層方向に電界を印加した場合の
バンド図である。第2図a)は本発明第2の実施例による
半導体レーザの斜視図、b)は積層方向に電界を印加して
いない場合の発光部のバンド図、c)は積層方向に電界を
印加した場合のバンド図である。 図において、 101…GaAs基板、102…Al0.6Ga0.4Asクラッド層 103…Al0.2Ga0.8As量子井戸層、 104…Al0.6Ga0.4Asバリヤ層、 105…発光部、106…Al0.6Ga0.4Asクラッド層 107…電界印加用電極、108…n型Al0.6Ga0.4As 109…p型Al0.6Ga0.4As、110…電流注入用電極 111…無反射コーティング膜、112…伝導帯Γ点 113…伝導帯Γ点より形成されるポテンシャル井戸中の
基底準位、 114…伝導帯X点、115…伝導帯X点より形成されるポテ
ンシャル井戸中の基底準位 201…GaSb基板、202…AlSbクラッド層 203…GaSb量子井戸層、204…AlSbバリヤ層 205…発光部、206…AlSbクラッド層 207…電界印加用電極、208…n型AlSb 209…p型AlSb、210…電流注入用電極 211…伝導帯L点 212…伝導帯L点より形成されるポテンシャル井戸中の
基底準位 である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膜厚が電子の平均自由行程程度以下の第1
    及び第2の半導体の超薄膜を交互に多層、積層すること
    によって形成した発光部と、該発光部に電子及び正孔を
    積層面に平行な方向より独立に注入させるための電極
    と、前記発光部積層方向に電界を印加するための電極と
    を有する半導体発光素子に於いて、前記第1の半導体及
    び第2の半導体の伝導帯及び価電子帯それぞれのΓ点の
    空間的接続により形成されるポテンシャル井戸がともに
    前記第1の半導体内に存在し、該伝導帯のΓ点によるポ
    テンシャル井戸中の基底準位のエネルギー値が前記第1
    の半導体及び第2の半導体の伝導帯のX点またはL点の
    空間的接続により形成されるポテンシャル井戸中の基底
    準位のエネルギー値と比べ、積層方向に外部より電界が
    印加されていない場合には小さく、積層方向にアバラン
    シェ効果の生じない程度の電界が印加されている場合に
    は大きくなる様な組成及び膜厚を、第1の半導体及び第
    2の半導体が有することを特徴とする半導体発光素子。
JP16301686A 1986-07-10 1986-07-10 半導体発光素子 Expired - Lifetime JPH065788B2 (ja)

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