JPH0657889U - 磁気記録媒体カセット用収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気記録媒体カセットの自重による放出を防
止できるとともに、カセット出し入れ等の操作性ならび
にカセット保護機能も損なうことのないブックケース型
の磁気記録媒体カセット用収納ケースを提供する。 【構成】 磁気記録媒体カセット２０の五面を壁面にて
囲むようにしたブックケース型の磁気記録媒体カセット
用収納ケース１である。磁気記録媒体カセットの外面に
形成された凹部２２に嵌合する突起８、９が収納ケース
の内面に形成されており、突起と凹部との嵌合が磁気記
録媒体カセットの不完全収納状態にて嵌合するように構
成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は磁気記録媒体カセット用収納ケースの改良に関し、特に磁気記録媒体 カセットの五面を壁面にて囲むようにしたブック型の磁気記録媒体カセット用収 納ケースに関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年において、ビデオテープレコーダや８ミリビデオカメラ、さらにはコンピ ュータやワードプロセッサ等が広く一般に使用されてきている。そして、これら の機器の外部の情報記録手段として、磁気テープや磁気ディスク等の磁気記録媒 体カセットが使用されている。この磁気記録媒体カセットを収納する収納ケース には、ヒンジ部を有して開閉する形態のものもあるが、これに対して構造が簡単 で使い勝手がよいブックケース型の収納ケースが、特にＶＨＳ方式、β方式、８ ミリビデオ等の磁気記録媒体カセット用として使用されている。

【０００３】 前記収納ケースは、周知のごとく保存時の磁気記録媒体カセットの整理、保管 のためばかりではなく、磁気記録媒体カセットの外傷の発生を防止することや、 保存中、ちりやほこりが磁気テープ等の磁気記録媒体やカセット内面に付着する のを防止するためである。

【０００４】

【考案が解決しようとする問題点】

上記したように、磁気記録媒体カセットのケースの機能としては、カセット保 護機能だけでなく、カセット出し入れ操作等の取扱いのよさも大きな要素であり 、例えば収納ケース内面が比較的滑りやすくなっていることも重要な構成要素で あった。このため、磁気記録媒体カセットを収納ケースに収めた状態において、 該収納ケースの開口部を下に向けた時や、この状態で軽度のショックが加わった 時に磁気記録媒体カセットが自重によって放出され易く、これが高所で起こった り、落下場所の状況如何によっては、磁気記録媒体カセットを破損するなどの不 測の事態が発生する問題があった。

【０００５】 そこで、磁気記録媒体カセットの収納ケースからの脱落を防止する構造として 、収納ケースの内壁面にカセット裏面のビス用の凹部に対応する突起を設け、こ の突起がカセット裏面の凹部に嵌入するようにした構造が、実開昭５５−２８２ ８３号公報に開示されている。このような構造によると、収納ケースからの落下 防止については解決することができた。

【０００６】 しかしながら、このような凹部と突起の嵌合構造によってカセット落下を阻止 する方法には大きな問題があった。それは、落下防止機能を高めるべく凹凸嵌合 を深くする等の構造を採用すると、今度は逆に収納ケースからカセットを取り出 すときに引き出し難くなる。また、この取り出し性の低下を補うために収納ケー スを一部に指が入り込む程度の孔を開けてカセットを押し出すようにしたり、あ るいはケース開口部に大きな切欠き部を形成してカセットを直接しっかりとつか めるように構成する改善策も取られている。このように収納ケースに孔を開けた り、大きな切欠きを形成したりすることは、収納ケースのカセット保護機能を犠 牲にしなけらばならないだけでなく、本来、操作性のよさ（カセット出し入れ操 作等のよさ）が特徴であったこのブックケース型収納ケースの使い勝手を大きく 後退させる結果になっていた。

【０００７】 従って、本考案の課題は、上記の如き従来のブックケース型の収納ケースの欠 点を除き、磁気記録媒体カセットの自重による放出を防止できるとともに、カセ ット出し入れ等の操作性ならびにカセット保護機能も損なうことのない磁気記録 媒体カセット用収納ケースを提供することにある。

【０００８】

【問題点を解決するための手段】

本考案に係わる上記課題は、磁気記録媒体カセットの五面を壁面にて囲むよう にしたブックケース型の磁気記録媒体カセット用収納ケースにおいて、前記磁気 記録媒体カセットの外面に形成された凹部に嵌合する突起が前記収納ケース内面 に形成されており、前記収納ケースに対して前記磁気記録媒体カセットの不完全 収納状態にて前記突起と前記凹部とが嵌合するように構成されたことを特徴とす る磁気記録媒体カセット用収納ケースにより解決することができる。

【０００９】

【実施態様】

以下、本考案を図面に示す実施態様について詳細に説明する。なお、図面は８ ミリビデオテープレコーダー用の磁気記録媒体カセット（以下、単に「カセット 」という）及びその収納ケースの一例を示すものである。

【００１０】 図１に示す収納ケース１はカセット２０の上下面、左右面および前面の五面を 壁面にて囲むようにしたブックケース型の収納ケースである。すなわち、上下壁 面２，３、左右の側壁面４，５、前面壁６からなり、前記カセット２０の外面に 形成された凹部に嵌合する突起８、９が前記側面４，５の内面に形成されている 。そして、前記突起８、９が嵌合する凹部は前記カセット２０の前面のガードパ ネル２１の端片に形成された左右の開口２２である。前記各開口２２は磁気テー プ端部を光にて検出するための光路を形成するための孔である。

【００１１】 本態様において特に重要な構成は、前記突起８、９が形成された位置にある。 すなわち、前記突起８、９は前記前面壁６からの距離Ｌの大きさが、前記開口２ ２が形成されたカセット前面からの距離Ｌ₀ よりも大きく構成されていることに ある。

【００１２】 このような構成によると、図２に示すように、前記収納ケース１に前記カセッ ト２０を完全に収納した状態（収納ケースの前面壁６にカセット前面がほぼ接し たであって、それ以上カセットを押し込めない状態をいう）において、前記開口 ２２が前記突起８、９よりもケース奥寄りに位置している（図２では距離Ｌ₁ だ け奥側に位置している）。したがって、前記突起８、９と前記開口２２との嵌合 は、図３に示すように前記カセット２０が前記収納ケース１に収納された状態が 不完全収納状態のときに行われる。本考案において不完全収納状態とは、図２に 示すように前記収納ケース１の前面壁６にカセット前面が接していない状態であ り、当然、前記カセット２０を取り出す過程ならびに挿入する過程に発生する状 態である。

【００１３】 このように、前記カセット２０の後端部分が前記収納ケース１から適宜出た状 態（図３おける幅Ｌ₁ ）において、前記突起８、９と前記開口２２とが嵌合する 構造によれば、カセット取り出し性を向上させることができる。すなわち、前記 収納ケース１に収納されている前記カセット２０を取り出すときに、例えばケー ス開口部７を下方に向けることにより前記カセット２０が滑り始める。これは前 記収納ケース１が比較的滑り性のよいプラスチック樹脂により構成されいるため である。前記カセット２０は滑り始めてから前記開口２２と前記突起８、９とが 係合する位置まで移動して、該カセット２０が前記収納ケース１からカセット後 端部分が適宜露出した状態で一旦停止する。

【００１４】 この状態において露出したカセット後端を引っ張ることで前記カセット２０を 前記収納ケース１から極めて容易に取り出すことができる。また、前述のことか あ判るように、前記ケース開口部７を下にした場合でも、前記開口２２と前記突 起８、９との嵌合によりカセットの自重によるカセット落下を防止することがで きる。さらに、図１に示すように前記開口部７の縁部には従来形成されていた切 欠きや前面壁６の孔が形成されていないので、防塵機能等を低下させることがな い。

【００１５】 前記突起８、９の形状は特に限定するものではないが、本態様の前記カセット ２０の収納ケース（８ミリビデオ用）においては、前記開口２２と前記突起８、 ９との係合深さは0.2 〜0.5 ｍｍ程度にするべく、カセットと収納ケースとの遊 び間隙を考慮して前記突起８、９の突出高さｈ（図４参照）を0.3 〜0.6 ｍｍ程 度に設定することができる。なお、前記突起８、９の形状は特に限定するもので はないが、例えば図４に示すようにほぼ円錐形状に構成することができる。

【００１６】 前記収納ケース１に前記突起８、９を設けるには、ケースを組み立ててから、 ケース外部からホットプレス等で形成してもよいが、ケースの組立て前に設ける こともできる。すなわち、前記収納ケース１は、一般にプラスチックシート板の 打ち抜きやプラスチック成形等によってケースの展開板を作り、これを組立てて いるが、シートの打抜き時に同時に前記突起８、９を成形したり、プラスチック シートの成形時に前記突起８、９も同時に成形するようにしてもよい。

【００１７】 また、前記収納ケース１は紙、プラスチック材料、等で作られ、粗面化その他 の仕上げが行われていてもよく、またプラスチックを用いた場合には、一部に透 明な部分が形成されていてもよい。

【００１８】 前記突起８、９は、前記実施態様においてはほぼ円錐形状とし前記側面壁４、 ５に設けた構成としたが、その大きさ及び形成する位置（カセット長手方向或い は短手方向の位置）は特に限定するものではない。すなわち、前記収納ケース１ の剛性等の諸条件によって適宜設定することができ、要は、本考案における前記 突起８、９の形成位置は、前記収納ケース１内に前記カセット２０を完全に奥ま で挿入する以前において、前記突起８、９と凹部（前記開口２２）とが嵌合する ような位置関係となっていればよい。

【００１９】 例えば前記突起８、９の形状は、半球、台形状さらには図５に示すような長形 でかまぼこ形等のものでもよい。なお、図５に示す収納ケース５０の突起５１は 、記録再生装置のカセット装填部（バケット）において、前記カセット２０を保 持する手段が入り込む凹部２３に対応するように構成されている。したがって、 図６に示すように前記カセット２０が前記収納ケース５０に完全に挿入された状 態においては、前記突起５１はカセット表面のどことも嵌合しておらず、図７に 示すようにカセット後端部分が幅Ｌ₂ だけ露出したときに前記凹部２３に嵌合す る。

【００２０】 また、凹部の位置および形状は特に限定するものではなくカセットのどの部分 を利用してもよく、要はカセットの表面の段差や凹凸を適宜利用することができ る。

【００２１】 本考案は前記各実施態様の如く８ミリビデオ用の磁気記録媒体カセットのみに 限らず、ＶＨＳ方式、β方式、またＤＡＴ用のカセット等の民生用のものから、 さらには放送局等にて使用されている特殊仕様のものなど種々の方式の磁気記録 媒体カセットについても適用できることは勿論である。

【００２２】 さらに、本考案は前記各実施態様のように磁気テープ用のカセットに限るもの ではなく、例えば、図８に示すような磁気ディスクを内蔵したカセット３０（カ ートリッジ）を収納する収納ケース８０にも適用することができる。

【００２３】 図８に示す収納ケース８０は図１に示す収納ケース１と同様にカセット３０の 上下面、左右面および前面の五面を壁面にて囲むようにしたブックケース型の収 納ケースで、左右の側壁面８４，８５の内側に、前記カセット３０の外面に形成 された凹部３２に嵌合する突起８８、８９が形成されている。そして、前記実施 態様と同様に前記突起８８、８９は前面壁８６からの距離Ｌの大きさが、前記凹 部３２とカセット前面からの距離Ｌ₀ よりも大きく構成されている。

【００２４】 したがって、前記実施態様と同様に前記カセット３０の後端部分が前記収納ケ ース８０から適宜出た状態（図１０参照）において、前記突起８８、８９と前記 凹部３２とが嵌合する構造によれば、前記収納ケース８０に収納されている前記 カセット８０を取り出すときに、例えばケース開口部８７を下方に向けることに より前記カセット８０が滑り始め、前記凹部３２と前記突起８８、８９とが係合 する位置まで移動して、カセット後端部分が適宜露出した状態で一旦停止する。 この露出したカセット後端を引っ張ることで前記カセット３０を前記収納ケース １から極めて容易に取り出すことができる。又、不用意に前記ケース開口部８７ を下にした場合でも、前記カセットの自重によるカセット落下を防止できる。

【００２５】 本考案においては、突起の位置は特に制限はないとのべたが、収納ケースの開 口部の中心部では、ケースの壁面が変形し易い比較的フリーな状態にあり、カセ ットとの係合力、言い換えるとカセットを押える効力が余り無いので、前記各実 施態様に示したようになるべくカセット左右両側に近い部分に設けることが好ま しい。

【００２６】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案は磁気記録媒体カセットの五面を壁面にて囲むよう にしたブックケース型の磁気記録媒体カセット用収納ケースにおいて、前記磁気 記録媒体カセットの外面に形成された凹部に嵌合する突起が前記収納ケースの内 面に形成されており、前記突起と前記凹部との嵌合が前記カセットの不完全収納 状態にて対応して嵌合するように構成されている。

【００２７】 したがって、本考案によれば、ケース開口部を下にした場合でも、前記嵌合に よりカセットの自重によるカセット落下を防止することができる。また、例えば 前記収納ケースに収納されている前記カセットを取り出すときに、ケース開口部 を下方に向けるとこにより前記凹部と前記突起とが係合する位置まで前記カセッ トが収納ケースから露出した状態となり、この状態においてカセットを引っ張る ことで極めて容易に取り出すことができ、従来に比べてカセットの取り出し性が 良いだけでなく、取り出すための孔や切欠きが形成されていないので、カセット 防塵性などの保護機能の低下を回避することができる。

【提出日】平成３年８月３０日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１３

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１３】 このように、前記カセット２０の後端部分が前記収納ケース１から適宜出た状 態（図３における幅Ｌ_１）において、前記突起８、９と前記開口２２とが嵌合す る構造によれば、カセット取り出し性を向上させることができる。すなわち、前 記収納ケース１に収納されている前記カセット２０を取り出すときに、例えばケ ース開口部７を下方に向けることにより前記カセット２０が滑り始める。これは 前記収納ケース１が比較的滑り性のよいプラスチック樹脂により構成されている ためである。前記カセット２０は滑り始めてから前記開口２２と前記突起８、９ と係合する位置まで移動して、該カセット２０が前記収納ケース１からカセット 後端部分が適宜露出した状態で一旦停止する。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１５

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１５】 前記突起８、９の形状は特に限定するものではないが、本態様の前記カセット ２０の収納ケース（８ミリビデオ用）においては、例えば前記収納ケース１が、 ポリプロピレン樹脂で厚みが０．５ｍｍの場合、 前記開口２２と前記突起８、９ との係合深さは０．２〜０．５ｍｍ程度にするべく、カセットと収納ケースとの 遊び間隙を考慮して前記突起８、９の突出高さｈ（図４参照）を０．３〜０．６ ｍｍ程度に設定することができる。なお、前記突起８、９の形状は特に限定する ものではないが、例えば図４に示すようにほぼ円錐形状に構成することができる 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の収納ケースおよびカセットの一実施態
様を示す斜視図である。

【図２】カセットが収納ケースに完全に収納された状態
を示す側面透視図である。

【図３】突起と凹部とが嵌合したときのカセット収納状
態を示す側面透視図である。

【図４】突起の部分を示した要部拡大断面図である。

【図５】本考案の他の実施態様における収納ケースを示
した斜視図である。

【図６】図５に示したカセットが収納ケースに完全に収
納された状態を示す側面透視図である。

【図７】図５に示した突起と凹部とが嵌合したときのカ
セット収納状態を示す側面透視図である。

【図８】本考案の他の実施態様における収納ケースを示
す斜視図である。

【図９】図８に示したカセットが収納ケースに完全に収
納された状態を示す側面透視図である。

【図１０】図８に示した突起と凹部とが嵌合したときの
カセット収納状態を示す側面透視図である。 １、５０、８０ 収納ケース ２ 上面壁 ３ 下面壁 ４、５ 側面壁 ６、８６ 前面壁 ７、８７ 開口部 ８、９、５１、８８、８９ 突起 ２０、３０ カセット ２１ ガードパネル ２２ 開口（凹部） ２３、３２ 凹部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気記録媒体カセットの五面を壁面にて
   囲むようにしたブックケース型の磁気記録媒体カセット
   用収納ケースにおいて、前記磁気記録媒体カセットの外
   面に形成された凹部に嵌合する突起が前記収納ケース内
   面に形成されており、前記収納ケースに対して前記磁気
   記録媒体カセットの不完全収納状態にて前記突起と前記
   凹部とが嵌合するように構成されたことを特徴とする磁
   気記録媒体カセット用収納ケース。