JPH0657751B2 - 水性分散液の製法 - Google Patents

水性分散液の製法

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JPH0657751B2
JPH0657751B2 JP60148391A JP14839185A JPH0657751B2 JP H0657751 B2 JPH0657751 B2 JP H0657751B2 JP 60148391 A JP60148391 A JP 60148391A JP 14839185 A JP14839185 A JP 14839185A JP H0657751 B2 JPH0657751 B2 JP H0657751B2
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史郎 本間
正敏 柏木
睦浩 田中
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三井石油化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、水性分散液の製法に関するもので、より詳細
には、溶融粘度の高い合成樹脂から樹脂分散粒径の小さ
い水性分散液の製法に関する。
従来の技術及び発明の技術的課題 合成樹脂の水性分散液を製造する方法は、従来多くの提
案がなされている。たとえば乳化剤の存在下水中におい
て重合性モノマーを乳化重合する方法あるいは溶融状態
の樹脂を水中で攪拌剪断力によつて強制的に引き千切る
方法などが例示できる。前者の方法は重合できるモノマ
ーの種類が限定され、従つて得られる合成樹脂の種類を
限定される。後者の方法も(溶融)粘度の低い樹脂なら
比較的容易であるが、(溶融)粘度の高い樹脂の場合、
分散工程での水の温度を高温にしてやらねばならず、従
つて耐圧容器内で分散を行なつてやらねばならない。し
かも得られる水性分散液の分散粒子は比較的大きい。
斯様なことから、(溶融)粘度の高い樹脂でも簡単に水
性分散液を製造する技術の開発か行なわれ、たとえば特
開昭56−2149号公報には、オレフイン系樹脂に特
定のケン化度を有する部分ケン化ポリビニルアルコール
水溶液を供給し押出機内で混練して水性分散液を製造す
る方法が開示されているが、(溶融)粘度の高いゴムた
とえばエチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体の如
きものを原料にすると石油樹脂やロジンなどの改質剤を
使用しないとうまく分散できない。しかし斯様な改質剤
は粘着性を有し、また後処理において除去が困難なの
で、水性分散液を使用して得られる塗膜物性が悪くな
り、なるべくなら使用しないほうが好ましい。しかも部
分ケン化ポリビニルアルコールも耐水性を弱めるのでこ
の使用も可能な限り止めたい。
本発明者等は先に、未公開の特許出願において、(a)熱
可塑性樹脂、(b)中和及び/又はケン化可能で、重合体
鎖に結合したカルボン酸、その無水物又はそのエステル
の基を、重合体1グラム当り 換算で0.1ミリモル当量以上の濃度で含む熱可塑性重合
体、又は重合体鎖に結合したカルボン酸塩の基を、重合
体1グラム当り 換算で0.1乃至5ミリモル当量の濃度で含む熱可塑性重
合体、(c)塩基性物質と反応してアニオン界面活性剤と
なる有機化合物、及び、(d)有機溶剤、を溶融混練し、
溶融混練物に塩基性物質を添加して、有機化合物(c)を
アニオン界面活性剤に転化し、更に熱可塑性重合体が未
中和である場合には、熱可塑性重合体に重合体1グラム
当り0.1乃至5ミリモル当量のカルボン酸基を生成させ
る工程、及び、溶融混練物に水を添加して溶融混練を行
い、水性分散体を形成させる工程とを、同時に或いは逐
次行うことにより、優れた水性分散液が得られることを
見出した。
発明の骨子及び目的 本発明者等は今回、前記熱可塑性樹脂(a)、官能性熱可
塑性重合体(b)及び有機溶剤と共にアニオン界面活性剤
を予じめ溶融混練し、次いで水を加えて溶融混練を行う
と、水が分散媒相及び樹脂固形分が著しく微細な分散粒
子相となつた転相が容易に生じ、水溶性樹脂や粘着性を
持つた改質剤を使用しないで、(溶融)粘度の高い樹脂
からも良好な分散状態が得られ、また得られる分散液の
分散粒子径が小さく、安定したものとなることが判明し
た。
即ち、本発明の目的は、溶融粘度の高い合成樹脂から樹
脂分散液粒径の小さい水性分散液を容易に製造し得る方
法を提供するにある。
本発明の他の目的は、水溶性乃至水膨潤性の成分を含有
させることなしに、しかも比較的低い温度で、樹脂の分
散粒径が微細な範囲に制御されている水性分散体の製法
を提供するにある。
本発明の更に他の目的は、大がかりな装置を必要とせず
に、また少ない熱エネルギーコストで、合成樹脂の水性
分散液を製造し得る方法を提供するにある。
発明の構成 本発明によれば、(a)ポリオレフィン、エチレン・ビニ
ル化合物共重合体及びスチレン系樹脂からなる群より選
ばれた少くとも一種の熱可塑性樹脂、(b)中和及び/又
はケン化可能で、重合体鎖に結合したカルボン酸、その
無水物又はそのエステルの基を、重合体1グラム当り−
COO−基換算で0.1ミリモル当量以上の濃度で含む
オレフィン系熱可塑性重合体、又は重合体鎖に結合した
カルボン酸塩の基を、重合体1グラム当り−COO−基
換算で0.1乃至5ミリモル当量の濃度で含むオレフィン
系熱可塑性重合体、(c)アニオン界面活性剤、及び(d)有
機溶剤を溶融混練し、更に熱可塑性重合体が未中和であ
る場合には、塩基性物質を添加して熱可塑性重合体に重
合体1グラム当り0.1乃至5ミリモル当量のカルボン酸
基を生成させる工程、及び溶融混練物に水を添加して溶
融混練を行い、水性分散体を形成させる工程とを、同時
に或いは逐次行うことを特徴とする水性分散液の製法が
提供される。
発明の好適態様 本発明を以下に詳細に説明する。
本発明の製法において、原料として使用するのは、最低
限前記(a)乃至(d)の成分、塩基性物質及び水である。
配合成分 本発明の水性分散体を構成する成分の一つである熱可塑
性樹脂(a)は、水不溶性、水非膨潤性であるのは勿論の
こと、それ自体水中への分散性にも欠ける樹脂であり、
例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペ
ンテンあるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4
−メチル−1−ペンテン等のα−オレフイン同志のラン
ダムあるいはブロツク共重合体等のポリオレフイン、エ
チレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコ
ール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等のエチ
レン・ビニル化合物共重合体、ポリスチレン、アルリロ
ニトリル・スチレン共重合体、ABS、α−メチルスチ
レン・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、等あるい
はそれらの混合物のいずれの樹脂でもよい。
これらの熱可塑性樹脂の中ではとくにオレフイン系樹脂
が好ましく、すなわちポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポ
リ−4−メチル−1−ペンテン、ポリ−3−メチル−1
−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン
・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合
体で代表されるエチレン、プロピレン、1−ブテン、3
−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3
−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセ
ン、1−デセン、1−ドデセン等のα−オレフインの単
独または共重合体、またはエチレン・ブタジエン共重合
体、エチレン・エチリデンノルボルネン共重合体で代表
されるα−オレフインと共役ジエンまたは非共役ジエン
との共重合体、あるいはエチレン・プロピレン・ブタジ
エン3元共重合体、エチレン・プロピレン・ジシクロペ
ンタジエン3元共重合体、エチレン・プロピレン・エチ
リデノルボルネン3元共重合体、エチレン・プロピレン
・1,5−ヘキサジエン3元共重合体等で代表されるα
−オレフインの2種以上と共役ジエンまたは非共役ジエ
ンとの共重合体が挙げられる。
本発明においては、前述の熱可塑性樹脂であれば如何な
る溶融流動性のものでも適当であるが、とくにトルトフ
ローレート(ASTM D1238;MFR)が1g/10
mm未満であるような溶融流動性の著しく悪い樹脂に適用
するとその効果がより一層発揮される。此の様な流動性
の悪いものは本発明の方法によれば、従来知られている
方法に比べて極めて低い温度で分散化が可能である。
本発明において、水性分散体を構成する他の成分である
オレフイン系熱可塑性重合体(b)は、重合体鎖に結合し
た、中和及び/又はケン化可能なカルボン酸、その無水
物又はエステルの基を含み、或いは重合体鎖に結合した
カルボン酸塩の基を含む熱可塑性重合体である。このよ
うな重合体は、前述した基を含む単量体を、前述した熱
可塑性樹脂(a)にグラフト重合させるか、或いは熱可塑
性樹脂(a)の構成単量体とブロツク共重合或いはランダ
ム共重合することにより得られる。このオレフイン系熱
可塑性重合体(b)は、混練に先立つて中和された或いは
後述する塩基性物質との混練によつて中和されたカルボ
ン酸塩の基を、最終的に 換算で0.1乃至5ミリモル当量、特に0.2乃至4ミリモル
当量含有するべきである。
また本熱可塑性重合体(b)は水溶性または水膨潤性であ
つてはならない。中和されたカルボン酸基および/また
はケン化されたカルボン酸エステル基の合計量が上記の
範囲外のものは、熱可塑性樹脂(a)の分散化を助ける働
きを示さず、良好な分散体とすることができない。また
水溶性あるいは水膨潤性であると、塗膜物性が悪化す
る。
上記オレフイン系熱可塑性重合体(b)を後中和または後
ケン化により得る場合の原料となる重合体は、たとえば
前述の熱可塑性樹脂(a)を構成する単量体と共通する単
量体、特にα−オレフインとエチレン系不飽和カルボン
酸またはそのエステルとを共重合したものであつて、不
飽和カルボン酸として(メタ)アクリル酸、マレイン
酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、
シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジツク
(エンドシス−ビスクロ〔2,2,1〕ヘプト−5
−エンド−2,3−ジカルボン酸)、無水マレイン酸、
無水シトラコン酸等、不飽和カルボン酸エステルとして
上記の不飽和カルボン酸のメチル、エチル、プロピル等
のモノエステル、ジエステル等が例示できる。勿論、複
数の単量体成分を共重合する代りに、熱可塑性樹脂
(a)、例えばオレフイン系樹脂に、エチレン系不飽和カ
ルボン酸、その無水物或いはそのエステル等の単量体を
グラフト重合することにより、後中和または後ケン化用
の熱可塑性重合体が得られることは当業者には自明であ
ろう。
これらのエチレン系不飽和カルボン酸、その無水物、或
いはそのエステルの単量体の導入される量は、当然のこ
とながら、本発明で規定したカルボン酸塩の濃度を与え
るに十分なものでなければならず、 として最低限0.1ミリモル当量/1g重合体の濃度を有
していなければならず、好適には0.1〜5ミリモル当量
/1g重合体の範囲である。
後述する塩基性物質との混練で後中和を行う代わりに、
予じめ塩基性物質で中和されたオレフィン系熱可塑性重
合体(b)を用いることができる。このような重合体は、
例えばイオン架橋オレフイン共重合体(アイオノマー)
として容易に入手し得る。
オレフィン系熱可塑性重合体(b)は対象となる熱可塑性
樹脂(a)に対して相溶性の良好なものを選ぶのがよい。
すなわちオレフイン系樹脂の水性分散体を目的とする場
合には、オレフイン系単量体を主鎖中に含む重合体を選
ぶべきである。たとえばポリエチレンやポリオレフイ
ン、エチレン・酢酸ビニル共重合体などを使用するとき
には、これらのマレイン酸グラフト物あるいはエチレン
・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)ア
クリル酸メチル共重合体などの中和物ないしケン化物を
用いるのが好ましい。適切なオレフィン系熱可塑性重合
体を選ぶに際し一つの目安となる指標は溶解度パラメー
ター(Sp値)である。すなわち中和ないしケン化される
前の原料重合体と熱可塑性樹脂(a)との溶解度パラメー
ターの差が 以内、特に1 以内にあるものが好ましい。
本明細書において、溶解度パラメーター(Sp値)とは、
普通の意味、即ち凝集エネルギー密度の1/2乗値として
定義される値である。この溶解度パラメーターは、原子
団のモル容への寄与値Vi及び原子団の凝集エネルギー
Enを、D.W.Van Klevelen“Properties of polymers”
(Elsevier,1972)記載の値を用い、式 から計算した。
アニオン界面活性剤(C)は如何なるものでもよく、好適
なものとして第1級高級脂肪酸塩、第2級高級脂肪酸
塩、第1級高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級
アルコール硫酸エステル塩、第1級高級アルキルスルホ
ン酸塩、第2級高級アルキルスルホン酸塩、高級アルキ
ルジスルホン酸塩、スルホン化高級脂肪酸塩、高級脂肪
酸硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、
高級アルコールエーテル硫酸エステル塩、高級アルコー
ルエーテルスルホン酸塩、高級脂肪酸アミドのアルキロ
ール化硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、アルキルフエノールスルホン酸塩、アルキルナフタ
リンスルホン酸塩、アルキルベンゾイミダゾールスルホ
ン酸塩等が例示できる。これらの中でも取り分けて好適
なものとして高級脂肪酸類とくに炭素原子数10〜20
の飽和または不飽和の高級脂肪酸の塩が好適であり、よ
り具体的にはカプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリ
ン酸、アラキン酸等の飽和脂肪酸、リンデン酸、ツズ
酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレ
ン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸、あるいはこれら
の混合物などの塩類が挙げられる。
有機溶剤(d)は、熱可塑性樹脂(a)およびオレフィン系熱
可塑性重合体(b)を溶解(膨潤)できるものであればよ
く、たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族
炭化水素、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ト
リクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素が例示でき
る。この有機溶媒は、最終水性分散体中に含有されるも
のでよく、また最終水性分散体から、蒸留、共沸蒸留等
の手段で除去されるものでもよい。たとえば蒸留によつ
て除去する場合には、溶剤の沸点は100℃以下である
ことが望ましい。
この有機溶媒は、熱可塑性樹脂(a)を膨潤乃至部分的に
溶解させるものであり、従来の溶媒法と異なり著しく少
量でよい。
製法 以下に本発明の製法を構成する各工程について詳述す
る。
本発明の第1工程では熱可塑性樹脂(a)、オレフィン系
熱可塑性重合体(b)、アニオン界面活性剤(c)および有機
溶剤(d)とを溶融混練する。各成分は一括して投入し溶
融混練するのがよい。
各成分の割合は、熱可塑性樹脂(a)100重量部に対し
て、オレフィン系熱可塑性重合体(b)1〜60重量部と
くに2〜50重量部、アニオン界面活性剤(c)1〜40
重量部とくに2〜30重量部、有機溶剤(d)10〜10
00重量部とくに20〜700重量部である。(b)〜(d)
の各成分のいずれかが欠けても高溶融粘度の熱可塑性樹
脂をうまく微粒径で分散させることはできない。成分
(b)がこの割合を下廻る時は熱可塑性樹脂の分散が充分
ではなく、又この割合を上廻る時は目的とする熱可塑性
樹脂本来の性質とは異なる分散体となる。また、成分
(c)がこの割合を下廻ると、本発明で意図する分散粒子
の超微細化が困難となり、この割合いを越えると、塗膜
物性等が低下する。更に成分(d)がこの割合いを下廻る
と、熱可塑性樹脂(a)が高溶融粘度を有することに関連
して、分散体の微粒子化が困難となり、これを上廻る
と、分散形態の逆転相を生じ易い。
尚、本明細書中で溶融混練とあるは、この組成物が流動
条件下にある混練を意味する。即ち、用いる熱可塑性樹
脂の種類によつては非晶性であつて融点のないものや結
晶性であつても融点が非常に高いものがある。従つて、
必ずしも樹脂成分を融解させるのではなく、前述(a)〜
(d)の組成物の粘度が106ポイズ以下、好ましくは105
イズ以下になるような温度で混練すればよい。
本発明において、前記オレフィン系熱可塑性重合体(b)
が、未中和及び/又は未ケン化のカルボン酸、その無水
物又はそのエステルの基を含有する場合には、この溶融
混練工程において、塩基性物質を添加して、中和物及び
/又はケン化物をその場で形成させる。この際最終的に
該重合体中の中和および/またはケン化されたカルボン
酸誘導基を 換算で重合体中0.1〜5ミリモル当量、好ましくは0.2〜
4ミリモル当量となるよう調整する。
添加する塩基性物質は水溶液の形で用いることが好まし
く、添加する塩基性物質としては、アルカリ金属、アル
カリ土類金属、アンモニアおよびアミン等の水中で塩基
として作用する物質、アルカリ金属の酸化物、水酸化
物、弱酸塩、水素化物、アルカリ土類金属の酸化物、水
酸化物、弱酸塩、水素化物等の水中で塩基として作用す
る物質、これら金属のアルコキシドなどを挙げることが
できる。このような物質の例を以下に示す。
(1)アルカリ金属としては、たとえばナトリウム、カリ
ウム、アルカリ土類金属としては、たとえば、カルシウ
ム、ストロンチウム、バリウム、 (2)アミンとしてはヒドロキシルアミン、ヒドラジン等
の無機アミン、メチルアミン、エチルアミン、エタノー
ルアミン、シクロヘキシルアミン、 (3)アルカリ金属およびアルカリ土類金属の酸化物、水
酸化物、水素化物としては、たとえば酸化ナトリウム、
過酸化ナトリウム、酸化カリウム、過酸化カリウム、酸
化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、
水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水素化ナトリ
ウム、水素化カリウム、水素化カルシウム、 (4)アルカリ金属およびアルカリ土類金属の弱酸塩とし
ては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム、酢酸ナ
トリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、 (5)アンモニアおよびアミンの化合物としては、たとえ
ば水酸化アンモニウム、四級アンモニウム化合物たとえ
ばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ヒドラジン
水和物等を挙げることができる。
本発明においては、前記成分(a)乃至(d)を最初から同時
に溶融混練することが、樹脂分散粒径が微細でしかも安
定なオイル・イン・ウオーター型(O/W)型の水性分
散液を製造する上で重要であることが了解されるべきで
ある。即ち、先の提案の方法では、アニオン界面活性剤
の水溶液を溶融樹脂中に逐次添加する方法では転相が生
ぜず、水性分散体が得られないとされていたが、予じめ
アニオン界面活性剤を樹脂中に溶融混練しておくことに
より、水性分散体を得ることができる。
第3工程は、第2工程で得られた組成物に水を逐次添加
しながら溶融混練を行ない樹脂を分散させる工程であ
る。この際水の量は組成物と水の合計量に対し3〜90
重量%、とくに5〜70重量%になるよう添加し、また
一度に多量の水を添加するのではなく、徐々に水を添加
することが望ましい。添加する水の量が3重量%未満で
は、安定なO/W型水性分散液が得られず、また90重
量%を越えるものは固型分濃度が薄すぎて製品上の価値
がなくなる。また供給速度が前記範囲外であつても微粒
径の良好な水性分散液が得られない。
既に述べた通り、水は塩基性物質と同時に配合すること
ができるし、一部を重合体(b)や塩基性物質と共に、残
りを水単独で配合し、混練操作を行うことができる。本
発明の系では3乃至25重量%という少量の水の配合
で、O/W型分散体への転相か進行し、これよりも多い
水分の配合でこのO/W分散体の稀釈、安定化が進行す
る。
このようにして得られる水性分散液は、含有される溶剤
量が少ないのでそのまま使用してもよいが、完全な水性
分散液を必要とするならば後処理において有機溶剤を除
去してもよい。かかる後処理工程としては、減圧下での
蒸発操作(減圧蒸留、水蒸気蒸留)等が採用される。
本発明の製法に利用できる溶融混練手段は、公知の如何
なる方法でも可能であるが、好ましくはニーダー、バン
バリーミキサー、多軸スクリユー押出機を例示すること
ができる。
分散液の特性及び用途 本発明の製法によつて得られる水性分散液は、従来の方
法では分散させ難かつた(溶融)粘度の高い樹脂でも極
めて簡単に分散させることができ、得られる水性分散液
の分散粒子径も10μ以下多くは0.5〜5μと微細であ
つて、たとえば各種材料に耐油性、耐水性、耐薬品性の
皮膜を形成させたり、ヒートシール剤として用いたりあ
らゆる分野に利用できる。
また本発明の実施に当たつては通常使用される各種副資
材たとえば分散剤、乳化剤、安定化剤、湿潤剤、増粘
剤、起泡剤、消泡剤、凝固剤、ゲル化剤、老化防止剤、
軟化剤、可塑剤、充填剤、着色剤、不香剤、粘着防止
剤、離型剤などを併用してよいことは勿論のことであ
る。
発明の作用効果 本発明によれば、以上詳述した通り、熱可塑性樹脂
(a)、官能性オレフィン系熱可塑性重合体(b)、アニオン
界面活性剤(c)及び有機溶剤(d)を必要により塩基性物質
と共に溶融混練し、水を加えて溶融混練を続行するとい
う簡単な操作で、溶融粘度の著しく高い熱可塑性樹脂か
らも、樹脂固形分が極めて微細な分散粒子相となつた水
性分散液が得られ、得られる水性分散液は各種材料に、
耐油性、耐水性、耐薬品性に優れた皮膜を形成させた
り、或いはシートシール層を形成するのに用い得る等多
くの利点がある。
実施例 以下本発明の好適な実施例を示すが、本発明はとくに断
りのない限りこれらの例に限定されるものではない。
実施例1. (i)熱可塑性樹脂としてエチレン−プロピレン共重合エ
ラストマー(エチレン含量75mol%、MFR=0.2g/
10分、密度=0.88g/cm3(ii)オレフィン系熱可塑性重合体として無水マレイン酸
グラフトポリエチレン(無水マレイン酸含量=3.3wt%、M
w=2700、密度=0.94g/cm3 アニオン界面活性剤としてオレイン酸カリウム5重量
部、有機溶剤として四塩化エチレン100重量部をニー
ダーに投入し、125℃で30分間混練する。次に熱可
塑性重合体の全カルボン酸を中和するのに必要な水酸化
カリウム0.38重量部(1.0化学当量)を溶解した15重
量部のアルカリ水をニーダーに接続したポンプを用い5
分間で圧入する。ニーダー内の圧力は3kg/cm3Gとなつ
た。
その後30分間混練を続けた後ニーダーを60℃まで冷
却し開放したところ、内容物は白色の粘稠物であつた。
これに水215重量部を加え、攪拌して水分52%、粘
度110cps、pH9.8の水性分散液Aを得た。次に該分散
液中から四塩化エチレンを除去するため該分散液を60
℃に加熱し、減圧下で溶媒除去を行い、水分60%、粘
度80cps、pH9.9の水性分散液Bを得た。
水性分散液AおよびB中の分散粒子の大きさをコールタ
ーカウンターで測定したところ、前者は平均粒径1.7
μ、後者は平均粒径1.6μであつた。又、オレフィン系
熱可塑性重合体中の生成したカルボン酸塩を赤外分光光
度計を用いて定量したところ であつた。
実施例2〜14. 表1に示す組成割合で実施例1と同様にした。
結果を表1に示す。
実施例15. 二ヶ所のベント部を有する同方向回転噛合型二軸スクリ
ユー押出機(池貝鉄工場PCM−45I/D=30)の
ホツパーより実施例1に用いたエチレン−プロピレン共
重合エラストマーと無水マレイン酸グラフトポリエチレ
ンとオレイン酸カリウムの100/10/5重量部割合
の混合物を115重量部/時間の速度で供給し、同押出
機の第一ベント部に設けた供給口より四塩化エチレンを
100重量部/時間の速度で、また第二ベント部に設け
た供給口より水酸化カリウムの2.5%の水溶液を15重
量部/時間の速度でポンプで連続的に供給し加熱温度8
0℃で連続的に押出した。生成物は白色の粘稠物であ
り、その性状を表1に示す。
実施例16. 実施例1で用いた無水マレイン酸グラフトポリエチレン
を下記参考例に示す方法で中和物とした。実施例1中の
オレフィン系熱可塑性重合体の代りに該中和物を用い、
アルカリ水を水に置換えた以外は実施例1と同じとし
た。
生成物は白色の粘稠物であり、これに水215重量部を
加え、攪拌して水分52%、粘度100cps、pH9.7の水
性分散液Aを得た。更に実施例1と同じ操作で脱溶媒を
行い、水分60%、粘度75cps、pH9.8の水性分散液B
を得た。
水性分散液AおよびB中の分散粒子の大きさをコールタ
ーカウンターで測定したところ、前者は平均粒径1.8
μ、後者は平均粒径1.7μであつた。
参考例 無水マレイン酸グラフトポリエチレン100重量部を常
圧型ニーダー中に投入し、140℃で溶融混練する。次
に水酸化カリウム3.8重量部 に対して1.0化学当量)を溶解したアルカリ水19重量
部を徐々に滴下し、水が蒸発した後更に30分間混練を
行ない冷却する。
生成したカルボン酸塩を赤外分光光度計を用い定量した
ところ であつた。
比較例1. 実施例1中のオレイン酸カリウムを使用せず、それ以外
は実施例1と同じとした。アルカリ水圧入後冷却してニ
ーダーを開けたところ、溶媒で膨潤した樹脂中に水が入
り、水/油状態が形成されたが乳化しなかつた。
比較例2. 実施例1中のオレフィン系熱可塑性重合体を使用せず、
又アルカル水の代りに水を用いた以外は実施例1と同じ
とした。
水圧入後冷却してニーダーを開けたところ、溶媒で膨潤
した樹脂と水とは分離しており、乳化しなかつた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 25/04 LDS 9166−4J LEH 9166−4J C09D 5/02 PPT 6904−4J PPV 6904−4J 123/02 PEP 7107−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリオレフィン、エチレン・ビニル
    化合物共重合体及びスチレン系樹脂からなる群より選ば
    れた少くとも一種の熱可塑性樹脂、 (b)中和及び/又はケン化可能で、重合体鎖に結合し
    たカルボン酸、その無水物又はそのエステルの基を、重
    合体1グラム当り−COO−基換算で0.1ミリモル当
    量以上の濃度で含むオレフィン系熱可塑性重合体、又は
    重合体鎖に結合したカルボン酸塩の基を、重合体1グラ
    ム当り−COO−基換算で0.1乃至5ミリモル当量の
    濃度で含むオレフィン系熱可塑性重合体、 (c)アニオン界面活性剤、及び (d)有機溶剤 を溶融混練し、更に熱可塑性重合体が未中和である場合
    には、塩基性物質を添加して熱可塑性重合体に重合体1
    グラム当り0.1乃至5ミリモル当量のカルボン酸基を
    生成させる工程、及び 溶融混練物に水を添加して溶融混練を行い、水性分散体
    を形成させる工程とを、同時に或いは逐次行うことを特
    徴とする水性分散液の製法。
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