JPH0657547A - 紡績糸の製造方法及び装置 - Google Patents

紡績糸の製造方法及び装置

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JPH0657547A
JPH0657547A JP4231388A JP23138892A JPH0657547A JP H0657547 A JPH0657547 A JP H0657547A JP 4231388 A JP4231388 A JP 4231388A JP 23138892 A JP23138892 A JP 23138892A JP H0657547 A JPH0657547 A JP H0657547A
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water
spun yarn
roller pair
yarn
fibers
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JP4231388A
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Toshiji Masui
利次 増井
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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  • Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 糸の強伸度及び抱合力を、高めることのでき
る結束紡績糸の製造方法及び装置を提供する。 【構成】 バックローラ対(3),ミドルローラ対
(5),フロントローラ対(6),第一の空気噴射ノズ
ル(7),解繊管(8),第二の空気噴射ノズル
(9),引出しローラ対(10)及び、引出しローラ対
(10)を加湿する給水手段(15)を備えた空気仮撚
式紡績装置に羊毛繊維束を順次経由せしめて結束紡績糸
(Y)を紡出する。そして、この結束紡績糸(Y)が引
出しローラ対(10)に経由した際若しくはこれから送
出された際に7〜20重量%の水を付与する。また、原
料繊維に、水溶性繊維と他の繊維の混合繊維若しくは、
水溶性フィラメントと羊毛繊維の集合繊維を用いて結束
紡績糸とした後、これに水を付与すれば、さらに強伸度
及び抱合力の高い糸を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抱合性が大きく、また
紡績性の良好な結束紡績糸の製造方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】粗糸を牽伸装置によってドラフトしフリ
ースとした後これを空気仮撚装置に導いて仮撚を付与
し、中央部に位置する短繊維束に仮撚を施しながらこの
繊維束の周りに実質的に自由端を備える短繊維を生じさ
せ、上記仮撚の解撚時に外側の無拘束繊維群を中央部の
繊維束に巻付かせて紡績糸とする技術は空気仮撚式紡績
法と呼称され、リング精紡法に代わる革新紡績法の一つ
として近時注目を集めており、これに関連する発明考案
は特公昭56−31370号公報に記載する発明等多数
提案されている。
【0003】前記空気仮撚式紡績法はリング紡績法に似
ていること、特公昭59−7812号公報に記載の通り
被覆糸や複合糸の紡績が容易であること、更に紡績糸の
中心部が実質的に無撚であるためソフトであって加工処
理液の滲透性が良い等の諸利点を備えているので、実用
化以来、綿・羊毛等の天然繊維、ポリエステル、アクリ
ル、レーヨン等の単独紡績及びポリエステル/綿、レー
ヨン/綿等の混紡紡績に使用されている。
【0004】この様な紡績法を実施する装置としては村
田機械製作所の製作した“村田ジェットスピナー”(略
称MJS)等の実用機が存在する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、結束紡績糸
は実質的に実撚を持たない、内層繊維束の周囲に捲きつ
いた外層繊維により内層繊維を束にしたもので、ステー
プルファイバー束を構成する単ファイバーの一端が生成
糸内層部にあり、該ファイバーの他端が前記生成糸外層
部に出て実撚状に捲き付き、各捲き付き単ファイバーの
配列が概ね同じ配列方向を有するものであるため、リン
グ精紡糸に比べ、糸強伸度,抱合力が低いという欠点を
有していた。
【0006】即ち、結束紡績糸は上述した糸構造を有す
るため、外層部の捲き付いた単ファイバーは糸の軸方向
の伸長によって内層繊維束と分離しやすく、その結果強
伸度及び抱合力が低下するのである。
【0007】また、結束紡績糸は上述の如く、内層繊維
束に単ファイバーが捲き付いた構造を有するものである
から、糸表面の凹凸が大きく、摩擦係数も大きいため、
糸同士の摩擦によって捲き付き繊維が容易に切断し、内
層繊維束が分離するという欠点があった。従って、結束
紡績糸は摩擦抵抗を受けやすい織機においては糸切れを
発生し易く、これを単糸織物原糸に使用することが出来
なかった。
【0008】また、結束紡績糸の製造においては、乾燥
した圧縮空気を使用するため紡出する糸が乾燥するが、
これによっても糸の強伸度が低下する。
【0009】また、紡績糸の中にフィラメントを包含す
るコア糸にあっては、リング精紡糸の場合には実撚の加
撚によりフィラメント糸とステープル繊維の抱合がなさ
れることから、フィラメント糸とステープル繊維との間
の摩擦力が大きいが、他方、結束紡績の場合にはフィラ
メント糸の表面が滑らかであることから、この周囲にス
テープル繊維を強く結束させてもフィラメント糸とステ
ープル繊維との間の摩擦力は低く、このままでは織機に
かけた場合糸切れを生じることになる。従って、これも
単糸織物に使用することが出来なかった。
【0010】本発明は以上の実情に鑑みなされたもので
あって、糸の強伸度及び抱合力を高めることのできる結
束紡績糸の製造方法及び装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は方法及び装置の発明であって、請求項1に記
載した発明は羊毛繊維束を順次バックローラ対,ミドル
ローラ対,フロントローラ対,第一の空気噴射ノズル,
解繊管,第二の空気噴射ノズル,引出しローラ対に経由
せしめて結束紡績糸を製造する方法において、前記引出
しローラから送出後または、前記引出しローラに経由し
た際に、前記結束紡績糸に7〜20重量%の水を付与す
ることを要旨とするものである。
【0012】また、請求項2に記載した発明は水溶性繊
維と他の繊維とを5〜15,95〜85重量%で混合し
て混合繊維束とした後、該混合繊維束を順次バックロー
ラ対,ミドルローラ対,フロントローラ対,第一の空気
噴射ノズル,解繊管,第二の空気噴射ノズル,引出しロ
ーラ対に経由せしめて結束紡績糸とするとともに、前記
引出しローラから送出後、または、前記引出しローラに
経由した際に、前記結束紡績糸に15〜35重量%の水
を付与することを要旨とする。ここに、前記水溶性繊維
としては、P.V.A(ポリビニルアルコール)を原料
とした水溶性ビニロンのステープルが最も適切であり、
水中溶解温度80〜90℃,捲縮数4〜8個/インチ,
乾燥強度4.5〜5.8g/d,乾燥伸度23〜37
%,単繊維デニール1.5〜4dの範囲のものを用いる
のが好ましい。水溶性ビニロンの乾燥強度が同程度でも
デニールが1.2d以下となると、トップメーキングに
際し捲き付きが発生しやすく、ネップが少なく、平行度
の良好なトップを得難いからである。
【0013】一方、前記他の繊維には羊毛,絹,麻等の
天然繊維、エステル,アクリル,ナイロン,レーヨン等
の合成繊維若しくは再生繊維又はこれらの混合繊維等の
ステープル繊維が適用される。
【0014】そして、前記水溶性繊維と他の繊維とを5
〜15,95〜85重量%で混合するが、これは、水溶
性ビニロン繊維の量が全繊維量に対し5重量%未満にな
ると水溶性ビニロンの粘着力による抱合力が小さくな
り、逆に16重量%を越えると水溶性ビニロンの粘着力
の増大により、巻取った糸の捲きもどしが不可能となっ
たり、たとえ捲きもどせても水溶性ビニロンを溶解した
あとの糸はバルキーとなり用途が限定されたものとなる
からである。
【0015】また、請求項3に記載した発明は、繊維束
をバックローラ対,ミドルローラ対,フロントローラ対
に順次経由せしめる一方、水溶性フィラメントをフロン
トローラ対に経由せしめて前記羊毛繊維束と前記水溶性
フィラメントとを複合し、次いで、複合した羊毛繊維束
と水溶性フィラメントとを順次第一の空気噴射ノズル,
解繊管,第二の空気噴射ノズル,引出しローラに経由せ
しめて結束紡績糸となすとともに、前記引出しローラか
ら送出後、または、前記引出しローラに経由した際に、
前記結束紡績糸に15〜35重量%の水を付与すること
を要旨とするものである。
【0016】ここに、水溶性フィラメントとしては前記
水溶性繊維と同様P.V.A(ポバール)を原料とした
水溶性ビニロンのフィラメントが最も適切であり、20
℃の水中に30分浸漬した時の水分吸収率40〜60
%,乾強度3.5〜4.5g/d,そのデニールは28
D〜56Dの範囲,構成フィラメント数は9本〜18本
の範囲のものを用いるのが好ましい。水溶性ビニロンの
乾強度が同程度でも水分吸収率がこれより大きい、例え
ば530〜580のものでは給水とともに強伸度,抱合
力が低下するので望ましくない。
【0017】一方、前記繊維束には、前述した天然繊
維,合成繊維,若しくは再生繊維又はこれらの混合繊維
等のステープル繊維が適用される。
【0018】そして、水溶性フィラメントの芯部と、当
該芯部の外周を包む実質上真の撚りのない第1繊維層
と、当該第1繊維層を包む真の撚りをもつ第2繊維層と
の3層からなるコアヤーンを得るが、前記第1繊維層及
び第2繊維層でもって鞘部を構成する。
【0019】また、請求項4に記載した発明は、バック
ローラ対,ミドルローラ対,フロントローラ対,第一の
空気噴射ノズル,解繊管,第二の空気噴射ノズル,引出
しローラ対を順次配設した空気仮撚式紡績装置におい
て、前記引出しローラ対を加湿する給水手段を設けたこ
とを要旨とするものである。
【0020】
【作用】次に本発明の作用について説明する。まず、請
求項1の発明によれば、引出しローラから送出した後、
または引出しローラに経由した際に、紡出した結束紡績
糸に水を付与するので、構成する羊毛繊維が柔軟とな
り、且つ、捲付繊維の捲付状態が安定したものとなる。
その結果、糸の強力が向上する。
【0021】また、請求項2の発明によれば、混合繊維
束が水溶性繊維を含有しているので、これに水を付与す
ると、水溶性繊維表面の一部が溶解し、周辺繊維と接着
する結果、糸の強力,抱合力が向上する。そして、当該
空気仮撚法によれば、水溶性繊維と他の繊維とが均一な
混繊状態となるため、前記接着が均一なものとなり、こ
のことからも糸の強力,抱合力の向上が図られる。さら
に、後に、得た紡績糸の水溶性繊維を溶解除去すると、
残った紡績糸を構成する外層繊維の繊維間における摩
擦、または紡績糸同士の摩擦が増加されるため、柔らか
く,バルキー性に富み且つスリップを生じにくい安定し
た織編物を得ることができる。
【0022】また、請求項3の発明によれば、前記請求
項2の発明と同様、水を付与することで水溶性フィラメ
ント表面の一部が溶解し、周辺繊維と接着する結果、糸
の強力及び抱合力が向上する。
【0023】また、請求項4の発明によれば、バックロ
ーラ対,ミドルローラ対,フロントローラ対,第一の空
気噴射ノズル,解繊管,第二の空気噴射ノズル,引出し
ローラ対に順次経由した繊維束は最後の引出しローラ対
経由した際に所定の水分付与される。即ち、引出しロー
ラ対は給水手段により常時加湿されており、前記繊維束
は当該引出しローラ対に接触することにより水分を付与
される。
【0024】
【実施例】次に、本発明の実施例について添付図面に基
づいて説明する。まず、本発明方法を実施するための装
置について説明する。図1は実施例装置の概略を示す装
置であり、図2は加湿手段を示す説明図である。
【0025】図1に示すように、実施例装置はバックロ
ーラ対(3),エプロン(4)を有するミドルローラ対
(5),フロントローラ対(6),第一の空気噴射ノズ
ル(7),解繊管(8),第二の空気噴射ノズル
(9),引出しローラ対(10),カレンダーローラ
(11)を順次配設して構成した装置であって、前記引
出しローラ対(10)の近傍に給水手段(15)を備え
る。
【0026】この給水手段(15)は図2に示すよう
に、加湿部(14)と、給水部(13)とからなるもの
であり、給水部(13)は液体定量吐出装置(13a)
と、一端が前記液体定量吐出装置(13a)の吐出口に
連結し、他端が前記上側引出しローラ(10)の上方に
配設されるパイプ(13b)からなる。
【0027】また、加湿部(14)は樋形状をした容器
(14a)と、この容器(14a)の上部開口部を閉塞
するスポンジ又はフェルト等の多孔質体(14b)とか
らなり、この多孔質体(14b)が前記下側引出しロー
ラ(10)の下部に摺接している。
【0028】次に前記実施例装置により紡績糸を製造す
る方法について説明する。
【0029】まず、羊毛繊維又は、羊毛繊維等の天然繊
維、エステル等の合成繊維、再生繊維若しくはこれらの
混合繊維と水溶性繊維との混合繊維(2)を順次バック
ローラ対(3),ミドルローラ対(5),フロントロー
ラ対(6),第一の空気噴射ノズル(7),解繊管
(8),第二の空気噴射ノズル(9)を経由せしめて、
結束紡績糸(Y)を得る。
【0030】次いで、得た結束紡績糸を引出しローラ対
(10)に経由せしめる。上側引出しローラ(10a)
には前記給水部(13)のパイプ(13b)他端から定
量の水が滴下されており、また、加湿部(14)の多孔
質体(14b)を通して容器(14a)内の水が下側引
出しローラ(10b)に付与されており、かかる引出し
ローラ対(10)に経由することにより結束紡績糸は所
定重量%の水分が付与せしめられる。
【0031】これにより、羊毛繊維においては、繊維が
柔軟となり、かつ結束紡績糸における捲付繊維の捲付状
態が安定したものとなる結果、糸強力が向上する。
【0032】一方、水溶性繊維と他の繊維との混合繊維
にあっては、加湿されることにより、糸の伸度低下が防
止されるとともに、前記第一の空気噴射ノズル(7),
解繊管(8),第二の空気噴射ノズル(9)によって、
混合繊維が更に均一に混繊されるので、水溶性繊維が加
湿されて粘着力が生じると極めて良好な抱合力が得られ
る。
【0033】そして、最終的に水溶性繊維を溶解させた
場合、残った実質的に実撚を持たない内層繊維束の周囲
に巻きついた外層繊維が繊維間及び糸同士の摩擦を増加
させるため、織編物にした場合に、柔らかく,バルキー
性に富んだスリップのない安定したものとなる。
【0034】また、水溶性フィラメントを芯部,他の繊
維を鞘部としたコアヤーンにあっては、加湿により、水
溶性フィラメントの繊維表面の粘着力が増加して鞘部の
繊維を接着するため、糸の抱合力を増加する。給水量を
あまり多くすると、水溶性フィラメントの強力が後工程
の紡出張力に耐えられないまでに低下するため給水量は
15〜35重量%が望ましい。
【0035】(実施例1)原料として羊毛繊維表面のス
ケールを特定割合だけ残して除去する方法、具体的に
は、羊毛繊維スライバーに活性塩素を含んだ水溶液をス
プレーし、これを水を満たされたU字管の中に導入し、
羊毛繊維スライバーが垂直に近い状態で底深く浸漬され
ていく過程において、毛細管現象及び静水圧により繊維
表面のみを塩素加工してスケールを除去するという塩素
化樹脂法により処理した繊維直径21μの羊毛を使用し
た。
【0036】羊毛繊維の総ドラフトを40.3倍,第一
の空気噴射ノズル(7)の空気圧を3kg/cm2 ,第
二の空気噴射ノズル(9)の空気圧を4kg/cm2
設定するとともに、引出しローラ対(10)への給水量
を糸に対し10重量%とし、給水後1日目と4日目の糸
の強力及び伸度並びに、比較例(比較例1)として無給
水の場合のそれを測定し、表1に示す。なお、表中の単
糸強力及び伸び率はJIS L 1095 7.5にお
ける単糸伸長強さ及び伸び率(定速緊張形試験機、つか
み間距離50cm,引張速度30cm/minによる)
である。
【0037】
【表1】
【0038】加湿したものは糸水分率が大きく、給水4
日後には水分率が低下するものの、糸の強力,伸度は無
給水に比して大きく、明らかに加湿の効果が認められ
る。
【0039】防縮糸には羊毛表面のスケールを一部取っ
たものが原料として使われるが、スケールを除去してい
るため、繊維表面が平滑となって摩擦係数が低下し、抱
合性が減少しているとともに、糸の強伸度が低下してい
るが、引出しローラを給水,加湿することでこれに経由
する紡績糸が加湿され、ゴムローラと金属ローラに把持
されて柔軟となるとともに、繊維が相互に密着し、糸形
成状態のまま固定されるため強力,伸度が増加するので
ある。
【0040】(実施例2)通常の方法で製造された羊毛
繊維(平均繊維直径22.5μ)のスライバー40重量
部と、抗ピルポリエステル2.5デニールのトウをドラ
フトにより牽切(トウリアクター方式)して得た平均繊
維長75mmのスライバー60重量部とを混合して混紡
スライバーを得、これから40番手の紡績糸を得た。総
ドラフトは39.1倍とし、第一の空気噴射ノズル
(7)の空気圧を3kg/cm2 ,第二の空気噴射ノズ
ル(9)の空気圧を4kg/cm2 とした。そして、引
出しローラ(10)への給水量を糸に対し7重量%とな
る様にし給水後1日経過したもの及び比較例(比較例
2)として無給水のものの強力,伸度,毛羽数を測定
し、その結果を表2に示す。
【0041】なお、表中の単糸強力及び伸度は実施例1
と同様の方法で測定し、毛羽数はJIS L 1095
7.22毛羽B法にもとづき敷島紡績製F−INDE
XTESTERにより、糸長10m当りの毛羽(糸表面
から3mm以上出ているもの)数を測定した。
【0042】尚、無給水ではスライバーの繊維が乾燥し
ていて引出しローラ(10)に静電気による巻付が発生
しパッケージ(11)に巻取ることが困難であったの
で、口出し時のみ引出しローラ(10)に吸水し、糸出
し始動直後吸水を中止し、引出しローラ(10)の給水
の影響のない充分時間が経過してからの個所よりサンプ
リング測定をした。
【0043】
【表2】
【0044】対糸量7重量%給水したものは無給水に比
し強伸度がやや大きく、3mm長の毛羽数が少ない良好
な品質であった。紡調は無給水では引出しローラ(1
0)への静電気による巻付が発生し巻取りが不可能であ
ったのに対し給水では問題なかった。
【0045】(実施例3)原料として通常の方法で製造
された羊毛繊維(平均繊維直径22.2μ)のスライバ
ー95重量部と水溶性ビニロンステープル(3デニー
ル,平均繊維長62.8mm,クラレ製VPB101)
5重量部と混合し、前紡工程を経て混紡スライバーを
得、これから、30番手の紡績糸を得た。尚、総ドラフ
トは39.1倍とし、第一の空気噴射ノズル(7)の空
気圧を3.5kg/cm2 ,第二の空気噴射ノズル
(9)の空気圧を4.5kg/cm2 とした。
【0046】引出しローラへの給水量は糸重量に対し2
0重量%給水したもの並びに比較例(比較例3)として
無給水での紡績を行ったものの紡績1日経後と7日経後
の強力,伸度,抱合力を測定し、その結果を表3に示
す。
【0047】なお、表中の単糸強力及び伸度はJIS
L 1095 7.5単糸伸長強さ及び伸び率(定速伸
長形試験機でつかみ間距離50cm,引張速度25cm
/min)であり、抱合力はTM式抱合力試験機(興亜
商会製)を使用し、試料本数20本,荷重1kgで糸切
断までの回数で示す。
【0048】
【表3】
【0049】引出しローラへ糸重量に対し20%給水し
たものは紡績1日後では比較例と大差ないが7日後には
強伸度と抱合力が大きく、同量の給水をノズルにしたも
のと無給水に比較し、耐摩耗性に富んだ糸となる。
【0050】(実施例4)原料として通常の方法で製造
された羊毛繊維(平均繊維直径21μ)のスライバー
と、水溶性ビニロンステープル(3デニール,平均繊維
長62.8mm クラレ製VPB101)を重量部にし
て100:0,95:5,90:10,85:15,8
0:20の5種類の混合を行い、前紡工程を経て混紡ス
ライバーを得、実施例1と同様給水装置を付けたMJS
を通し36番手の紡績糸を得た。総ドラフトは39.1
倍とし第一の空気噴射ノズル(7)の空気圧を3.5k
g/cm2 ,第二の空気噴射ノズル(9)の空気圧を
4.5kg/cm2 とした。
【0051】引出しローラへの給水量は糸重量に対し2
0%給水したもの並びに比較例(比較例4)として無給
水で紡績したものの強力,伸度,抱合力を測定し、その
結果を表4に示す。なお、測定方法は実施例1における
場合と同様であり、また、給水したものについては、紡
績後7日経過した後に測定した。
【0052】
【表4】
【0053】水溶性ビニロンの割合が増加するにしたが
って無給水では強力が増加傾向を示すが、糸重量に対し
20%給水したものは、水溶性ビニロン10〜15%が
強伸度,抱合力が良好であり20%においては低下して
いる。
【0054】(実施例5)原料として梳毛紡績の通常工
程を経て製造された平均繊維直径21.5μ,最大繊維
長180mm,バーベ法による平均繊維長が75mmで
ある単位重量25g/mの梳毛トップを前紡工程で0.
85g/mのスライバーとなした。そしてこのスライバ
ーと、水溶性ビニロンのフィラメント(12)とからコ
アヤーンを紡出した。
【0055】尚、水溶性ビニロン(15)は乾強力3.
5〜4.5g/d,乾伸度12〜16%,溶解点93±
3℃の28D/9F(株式会社ニチビ,市販商品名ソル
ブロン)を使用した。
【0056】また、総ドラフト39.1倍,第一の空気
噴射ノズル(7)の空気圧を3kg/cm2 ,第二の空
気噴射ノズル(9)の空気圧を4kg/cm2 としコア
ヤーンの番手は1/40メートル番手とした。そして、
引出しローラ(10)への給水量を糸に対し15%,2
5%,35%としたもの及び比較例(比較例5)として
無給水のものの強力,伸度,抱合力を測定し、その結果
を表5に示す。なお、表中の単糸強力及び伸び率はJI
S L 1095 7.5単糸伸長強さ及び伸び率(定
速伸長形試験機でつかみ間距離50cm,引張速度25
cm/min)であり、抱合力はTM式抱合力試験機
(興亜商会製)を使用し、試料本数20本,荷重1kg
で糸切断までの回数で示す。また、給水したものは紡績
後2日経過したものを測定した。
【0057】
【表5】
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、乾
燥空気を使用することによる種々の弊害が改善され、生
産能率の向上を図ることができる。特に強伸度,毛羽に
おける糸品質を従来の結束紡績糸に比べて向上させるこ
とができる。
【0059】また、水溶性繊維に水を付与して繊維表面
に粘着力を生じさせるので、糸強力,抱合力が増加し、
以降の紡績工程,織布工程での糸切れ,毛羽立ちが防止
され、生産性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の概略を示す説明図である。
【図2】本発明装置に係る給水手段を示す説明図であ
る。
【図3】給水手段の加湿部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ケンス 2 混合繊維 3 バックローラ対 4 エプロン 5 ミドルローラ対 6 フロントローラ対 7 第一の空気噴射ノズル 8 解繊管 9 第二の空気噴射ノズル 10 引出しローラ対 11 カレンダーローラ対 Y 結束紡績糸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 羊毛繊維束を順次バックローラ対,ミド
    ルローラ対,フロントローラ対,第一の空気噴射ノズ
    ル,解繊管,第二の空気噴射ノズル,引出しローラ対に
    経由せしめて結束紡績糸を製造する方法において、前記
    引出しローラから送出後または、前記引出しローラに経
    由した際に、前記結束紡績糸に7〜20重量%の水を付
    与することを特徴とする紡績糸の製造方法。
  2. 【請求項2】 水溶性繊維と他の繊維とを5〜15,9
    5〜85重量%で混合して混合繊維束とした後、該混合
    繊維束を順次バックローラ対,ミドルローラ対,フロン
    トローラ対,第一の空気噴射ノズル,解繊管,第二の空
    気噴射ノズル,引出しローラ対に経由せしめて結束紡績
    糸とするとともに、前記引出しローラから送出後、また
    は、前記引出しローラに経由した際に、前記結束紡績糸
    に15〜35重量%の水を付与することを特徴とする紡
    績糸の製造方法。
  3. 【請求項3】 繊維束をバックローラ対,ミドルローラ
    対,フロントローラ対に順次経由せしめる一方、水溶性
    フィラメントをフロントローラ対に経由せしめて前記羊
    毛繊維束と前記水溶性フィラメントとを複合し、次い
    で、複合した羊毛繊維束と水溶性フィラメントとを順次
    第一の空気噴射ノズル,解繊管,第二の空気噴射ノズ
    ル,引出しローラに経由せしめて結束紡績糸となすとと
    もに、前記引出しローラから送出後、または、前記引出
    しローラに経由した際に、前記結束紡績糸に15〜35
    重量%の水を付与することを特徴とする紡績糸の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 バックローラ対,ミドルローラ対,フロ
    ントローラ対,第一の空気噴射ノズル,解繊管,第二の
    空気噴射ノズル,引出しローラ対を順次配設した空気仮
    撚式紡績装置において、前記引出しローラ対を加湿する
    給水手段を設けたことを特徴とする紡績装置。
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