JPH0657506B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置

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JPH0657506B2
JPH0657506B2 JP20551885A JP20551885A JPH0657506B2 JP H0657506 B2 JPH0657506 B2 JP H0657506B2 JP 20551885 A JP20551885 A JP 20551885A JP 20551885 A JP20551885 A JP 20551885A JP H0657506 B2 JPH0657506 B2 JP H0657506B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、車両用のベルト式無段変速機の制御装置に関
し、詳しくは、変速比の変化速度(変速速度)を制御対
象として変速制御するものにおいて、自動的に接断する
クラッチと無段変速機とを組合わせた伝動系での変速開
始制御に関する。 この種の無段変速機の変速制御に関しては、例えば特開
昭55−65755号公報に示す油圧制御系の基本的な
ものがある。これは、アクセルの踏込み量とエンジン回
転数の要素により変速比制御弁がバランスするように動
作して、エンジン回転数が常に一定になるように変速比
を定めるもので、変速比を制御対象にしている。 従って変速速度は、各変速比,プライマリ圧等により機
構上決定されることになり、変速速度を直接制御できな
なかった。そのため、運転域の過渡状態では変速比がハ
ンチング,オーバシュート等を生じてドライバビリティ
を悪化させることが指摘されている。 このことから、近年、無段変速機を変速制御する場合に
おいて、変速比の変化速度を加味して電子制御する傾向
にある。 また、無段変速機を含む伝動系を考えた場合に、無段変
速機自体はマニュアル変速機または自動変速機のような
中立位置を持たない構造になっている。そのため、車両
停止の場合にはエンジンに対し無段変速機を切離す必要
があり、この切断手段として電磁式クラッチや油圧クラ
ッチ等のように自動的に接断するクラッチを用いたり、
前後進切換位置に中立位置を設ける方法がある。ここ
で、上述のように変速速度を電子的に制御する無段変速
機を対象とする場合は、電磁式クラッチと組合わせる
と、制御系が両者に共通の電子制御に一体化する等の利
点がある。
【従来の技術】
そこで従来、上記電磁式クラッチと無段変速機を組合わ
せたものに関しては、例えば特開昭57−90450号
公報の先行技術があり、電子制御回路により電磁式クラ
ッチと無段変速機を制御し、目標変速比を求めて変速制
御することが示されている。
【発明が解決しようとする問題点】
ところで、上記先行技術によると、電磁式クラッチと無
段変速機とが別個に制御されている。このため発進時に
電磁式クラッチがエンジン回転数に応じたクラッチ電
流,車速等により接続作用し、これに対し無段変速機で
はプライマリ,セカンダリプーリの回転数,スロットル
開度等の信号で変速開始することになって、クラッチ接
続によるエンジンとプライマリプーリの同期時点と、変
速開始点がバラバラになり、不連続な加速性能を生じる
ことがある。 即ち、発進時の電磁式クラッチの制御は、第5図(a)に
示すようにエンジン回転数の増加関数としてクラッチト
ルク、即ちトルク伝達力が与えられ、スロットル開度の
大小でストール回転数が高低することがわかる。一方、
変速制御の基本は、第5図(b)に示すように最低変速ラ
インより高いエンジン回転数で変速され、スロットル開
度が大きいほど高回転で変速される。 そこで、このような電磁式クラッチと無段変速機との制
御が各別に行われる場合の発進制御について、各スロッ
トル開度毎に説明する。 先ず、第6図(a)に示すスロットル開度小の発進では、
最低変速ラインよりもエンジン回転数が低く保たれたま
まで点P1でプライマリプーリと同期し、その後のP2
変速開始する。この場合は同期と変速開始点の2回駆動
力変化を生じ、不連続な加速となる。 第6図(b)に示すスロットル開度中の一例では、同期と
変速開始点P1,P2が一致しており、スムーズな発進が
可能である。 第6図(c)に示すスロットル開度中の二例では、エンジ
ン回転数が急上昇してプライマリプーリ回転数との同期
点P1の前に既に変速開始点P2があり、不連続な加速と
なる。 第6図(d)に示すスロットル開度大の発進では、同期点
1より変速開始点P2がはるかに高く、この場合は両者
を一致させることはできない。 このことから、スロットル開度が大の場合を除いて、同
期点と変速開始点が各別に生じることによる問題を解消
することが望まれる。 本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、電磁
式クラッチと組合わせた伝動系において、発進時の加速
不連続性を防止してスムーズな発進を可能にした無段変
速機の制御装置を提供することを目的としている。
【問題点を解決するための手段】
上記目標を達成するため、本発明による無段変速機の制
御装置は、油圧シリンダによりそれぞれプーリ溝幅が可
変制御される入力側のプライマリプーリと出力側のセカ
ンダリプーリとの間に駆動ベルトを巻回してなる無段変
速機であり、上記プライマリプーリの油圧シリンダに供
給するプライマリ圧を制御ユニットから出力される変速
速度の制御信号により変速速度制御弁を介して変化させ
ることでプライマリプーリ及びセカンダリプーリに対す
る駆動ベルトの巻付け径の比を連続的に変化させて無段
変速させる無段変速機の制御装置において、スロットル
開度センサからのスロットル開度信号を入力して、スロ
ットル開度信号が所定のスロットル開度以下であるかを
判定するスロットル開度判定部と、プライマリプーリの
回転数信号Npとエンジンの回転数信号Neを入力して、
Ne−Np≒0により同期を判定して信号を出力する同期
判定部と、エンジンからの回転数信号Neを入力して、
エンジン回転数信号Neと最低変速ラインのエンジン回
転数NminとがNe>Nminかを判定するエンジン回転数
判定部と、前記スロットル開度判定部でスロットル開度
が所定のスロトッル開度以下と判定した発進時に、前記
同期判定部の出力信号及びエンジン回転数判定部の出力
信号を受けて前記無段変速機の変速比制御を開始する変
速開始部とを備えたことを特徴とするものであり、ま
た、前記の無段変速機の制御装置において、前記同期信
号判定部の出力時に、前記エンジン回転数判定部がNe
<Nminと判断したときに、変速開始時の目標変速比を
NminとNeとの差の増加関数として小さく補正する目標
変速比補正部を備えたことを特徴とするものである。
【作用】
上記構成に基づき、所定のスロットル開度以下の発進時
に、エンジン回転数Neが最低変速ライン圧のエンジン
回転数Nminより大きく、且つエンジン回転数Neとプラ
イマリプーリ回転数Npが同期した時点で変速開始す
る。そして、前記同期時点においてエンジン回転数Ne
が最低変速ラインNminより小さい場合は、目標変速比
を両者の差の増加関数として小さく補正して変速開始す
るようにしている。 そしてこれにより、スロットル開度大の同期と変速開始
の時点が機構的に一致しない場合を除いて、電磁式クラ
ッチの接続によりエンジン回転数にプライマリプーリ回
転数が同期したとき変速開始するので、同期と変速開始
が常に一致するようになり、こうしてムーズな発進加速
を行うことが可能となる。 また、同期時点のエンジン回転数が最低変速ラインより
低い場合は、目標変速比を最大変速比より小さく定めて
変速開始することで、同期後スムーズに最低変速ライン
上に移行するようになって、この場合も加速不連続を回
避することが可能となる。
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。 第1図において、本発明が適用される無段変速機を含む
伝動系の概略について説明すると、エンジン1が電磁式
クラッチ2,前後進切換装置3を介して無段変速機4の主
軸5に連結する。無段変速機4は主軸5に対して副軸6が平
行配置され、主軸5にはプライマリプーリ7が、副軸6に
はセカンダリプーリ8が設けられ、各プーリ7,8には可
動側に油圧シリンダ9,10が装備されると共に、駆動ベ
ルト11が巻付けられている。ここで、プライマリシリン
ダ9の方が受圧面積を大きく設定され、そのプライマリ
圧により駆動ベルト11のプーリ7,8に対する巻付け径の
比率を変えて無段変速するようになっている。 また副軸6は、1組のリダクションギヤ12を介して出力
軸13に連結し、出力軸13は、ファイナルギヤ14,ディフ
ァレンシャルギヤ15を介して駆動輪16に伝動構成されて
いる。 次いで、無段変速機4の油圧制御系について説明する
と、エンジン1により駆動されるオイルポンプ20を有
し、オイルポンプ20の吐出側のライン圧油路21が、セカ
ンダリシリンダ10,ライン圧制御弁22,変速速度制御弁
23に連通し、変速速度制御弁23から油路24を介してプラ
イマリシリンダ9に連通する。ライン圧油路21は更にレ
ギュレータ弁25に連通し、レギュレータ弁25からの一定
なレギュレータ圧の油路26が、ソレノイド弁27,28およ
び変速速度制御弁23の一方に連通する。各ソレノイド弁
27,28は制御ユニット40からのデューティ信号により例
えばオンして排圧し、オフしてレギュレータ圧PRを出
力するものであり、このようなパルス状の制御圧を生成
する。そしてソレノイド弁27からのパルス状の制御圧
は、アキュムレータ30で平均化されてライン圧制御弁22
に作用する。これに対しソレノイド弁28からのパルス状
の制御圧は、そのまま変速速度制御弁23の他方に作用す
る。なお、図中符号29はドレン油路、31はオイルパン、
32はオリフィスである。 ライン圧制御弁22は、ソレノイド弁27からの平均化した
制御圧によりライン圧PLの制御を行う。 変速速度制御弁23は、レギュレータ圧とソレノイド弁28
からのパルス状の制御圧の関係により、ライン圧油路2
1,24を接続する給油位置と、ライン圧油路24をドレン
する排油位置とに動作する。 そして、デューティ比により2位置の動作状態を変えて
プライマリシリンダ9への給油または排油の流量Qを制
御し、変速速度di/dtにより変速制御するようになって
いる。 第2図において、電気制御系について説明する。 先ず、変速速度制御系について説明すると、プライマリ
プーリ7,セカンダリプーリ8,エンジン1の各回転数セ
ンサ41,42,43、およびスロットル開度センサ44を有す
る。そして制御ユニット40において両プーリ回転数セン
サ41,42からの回転信号Np,Nsは、実変速比算出部45
に入力して、i=Np/Nsにより実変速比iを求める。ま
た、セカンダリプーリ回転数センサ42からの信号Nsと
スロットル開度センサ44の信号θは、目標変速比検索部
46に入力し、ここで変速パターンに基づくNs−θのテ
ーブルから目標変速比isを検索する。 スロットル開度センサ44の信号θは加速検出部51に入力
し、dθ/dtによりスロットル開度変化θを算出し、こ
れに基づき係数設定部47で係数kがθの関数として設定
される。実変速比算出部45の実変速比i,目標変速比検
索部46の定常での目標変速比isおよび係数設定部47の係
数kは、変速速度算出部48に入力し、 di/dt=k(is−i) により変速速度di/dtを算出し、その符号が正の場合は
シフトダウン,負の場合はシフトアップに定める。 変速速度算出部48と実変速比算出部45の信号di/dt,i
は、更にデューティ比検索部49に入力する。ここで、デ
ューティ比D=f(di/dt,i)の関係により、±di/dt
とiのテーブルが設定されており、シフトアップの−di
/dtとiのテーブルではデューティ比Dが例えば50%以
上の値に、シフトダウンのdi/dtとiのテーブルではデ
ューティ比Dが50%以下の値に振り分けてある。そして
シフトアップのテーブルではデューティ比Dがiに対し
て減少関数で、−di/dtに対して増大関数で設定され、
シフトダウンのテーブルではデューティ比Dが逆にiに
対して増大関数で、di/dtに対しては減少関数で設定さ
れている。そこで、かかるテーブルを用いてデューティ
比Dが検索される。そして上記デューティ比検索部49か
らのデューティ比Dの信号が、駆動部50を介してソレノ
イド弁28に入力するようになっている。 続いて、ライン圧制御系について説明すると、スロット
ル開度センサ44の信号θ,エンジン回転数センサ43の信
号Neがエンジントルク算出部52に入力して、θ−Neの
テーブルからエンジントルクTを求める。一方、実変速
比算出部45からの実変速比iに基づき必要ライン圧設定
部53において、単位トルク当りの必要ライン圧Puを
求め、これと上記エンジントルク算出部52のエンジント
ルクTが目標ライン圧算出部54に入力して、P=P
u・Tにより目標ライン圧Pを算出する。 目標ライン圧算出部54の出力Pは、デューティ比設定
部55に入力して目標ライン圧Pに相当するデューティ
比Dを設定する。そしてこのデューティ比Dの信号が、
駆動部56を介してソノイド弁27に入力するようになって
いる。 一方、上記制御系において、発進時の変速開始制御とし
て、スロットル開度信号θが入力するスロットル開度判
定部60を有し、所定のスロットル開度θ1以下であるか
判断する。また、エンジンとプライマリプーリの回転数
信号Ne,Npは同期判定部61に入力して、Ne−Np≒0
の場合に同期信号を出力し、信号Neは更にエンジン回
転数判定部62に入力して、最低変速ラインのエンジン回
転数Nminに対し、Ne>NminまたはNe<Nminの判断
を行う。そして上記各判定部60ないし62の出力信号は変
速開始部63に入力し、θ<θ,Ne−Np≒0,Ne>
Nminの条件が成立した場合は変速開始信号を出力し
て、目標変速比検索部46からの目標変速比isを最大の状
態からテーブル検索に移す。 また、変速開始部において、θ<θ1,Ne−Np≒0,
Ne<Nminの条件の場合は最大の目標変速比isを出力す
ると共に、補正量算出部64で補正量βをNminとNeの差
の増加関数として以下のように算出する。 β=α(Nmin−Ne) そして目標変速比検索部46の出力側に付加された目標変
速比補正部65においてis(1−β)の補正を行うように
なっている。 次いで、このように構成された無段変速機の制御装置の
作用について説明する。 先ず、エンジン1からのアクセルの踏込みに応じた動力
が、クラッチ2,切換装置3を介して無段変速機4のプラ
イマリプーリ7に入力し、駆動ベルト11,セカンダリプ
ーリ8により変速した動力が出力し、これが駆動輪16側
に伝達することで走行する。 そして上記走行中において、実変速比iの値が大きい低
速段においてエンジントルクTが大きいほど目標ライン
圧が大きく設定され、これに相当するデューティ比の大
きい信号がソレノイド弁27に入力して制御圧を小さく生
成し、その平均化した圧力でライン圧制御弁22を動作す
ることで、ライン圧油路21のライン圧Pを高くする。
そして変速比iが小さくなり、エンジントルクTも小さ
くなるに従いデューティ比を減じて制御圧を増大するこ
とで、ライン圧Pはドレン量の増大により低下するよ
うに制御されるのであり、こうして常に駆動ベルト11で
の伝達トルクに相当するプーリ押付け力を作用する。 上記ライン圧Pは、常にセカンダリシリンダ10に供給
されており、変速速度制御弁23によりプライマリシリン
ダ9に給排油することで、変速速度制御されるのであ
り、これを以下に説明する。 先ず、各センサ41,42および44からの信号Np,Ns,θ
が読込まれ、制御ユニット40の変速速度算出部45で実変
速比iを、目標変速比検索部46で目標変速比isを求め、
これらと係数kを用いて変速速度算出部48で変速速度di
/dtを求める。そこでis<iの関係にあるシフトアップ
とis>iの関係のシフトダウンで、±di/dtとiによりデ
ューティ比検索部49でテーブルを用いてデューティ比D
が検索される。 上記デューティ信号は、ソレノイド弁28に入力してパル
ス状の制御圧を生成し、これにより変速速度制御弁23を
給油と排油の2位置で繰返し動作する。 ここでシフトアップでは、デューティ比Dが50%以上の
値でソレノイド弁28によるパルス状の制御圧は、オンの
零圧時間の方がオフのレギューレータ圧P時間より長
くなり、変速速度制御弁23は給油位置での動作時間が長
くなって、プライマリシリンダ9に排油以上に給油して
シフトアップ作用する。そしてiの大きい低速段側で−d
i/dtが小さい場合は、Dの値が小さいことで給油量が
少なく変速スピードが遅いが、iの小さい高速段側に移
行し、−di/dtが大きくなるにつれてDの値が大きくな
り、給油量が増して変速スピードが速くなる。 一方、シフトダウンでは、デューティ比Dが50%以下の
値であるため、制御圧は上述と逆になり、変速速度制御
弁23は排油位置での動作時間が長くなり、プライマリシ
リンダ9を給油以上に排油としてシフトダウン作用す
る。そしてこの場合は、iの大きい低速段側でdi/dtが
小さい場合にDの値が大きいことで、排油量が少なくて
変速スピードが遅く、iの小さい高速段側に移行し、di
/dtが大きくなるにつれてDの値が小さくなり、排油量
が増して変速スピードが速くなる。こうして低速段と高
速段の全域において、変速速度を変えながらシフトアッ
プまたはシフトダウンして無段階に変速することにな
る。 一方、発進の場合の制御を第3図のフローチャートを用
いて説明する。 先ず、アクセルの踏込みによりあるスロットル開度にな
ってエンジン回転数が上昇し、これにより電磁式クラッ
チ2は第5図(a)に示すクラッチ特性で接続するようにな
る。そこで、クラッチトルクの増大に基づいてエンジン
動力が無段変速機4に入力し、最大変速比で減速して駆
動輪16側に伝達することで発進を開始する。 ここで、スロットル開度大の場合は、スロットル開度判
定部60の出力信号で目標変速比検索部46の規制が最初か
ら解除され、電磁式クラッチ2による同期後に変速開始
する。 これに対し、θ<θ1の場合で電磁式クラッチ2が半クラ
ッチ状態にあり、Ne−Np≠Oの条件では同期判定部61
から同期信号が出力しないため、変速開始部63により目
標変速比検索部46の目標変速比isは最大に固定される。
そしてエンジンとプライマリプーリ回転数Ne,Npが同
期した時点で電磁式クラッチ2が接続し、目標変速比検
索部46の規制が解除され、テーブル検索による目標変速
比isが出力して変速を開始することになる。このため、
第4図(a)に示すようにアクセル踏込み加減によりいか
なるエンジン回転数の立上りを生じても、常に同期点P
1と変速開始点P2は一致することになる。 一方このとき、同期時のエンジン回転数が最低変速回転
数Nmin以下の場合は、目標変速比補正部65でis(1−
β)に補正されて目標変速比isが最大より小さく設定さ
れるため、第4図(b)に示すように、同期後最低変速ラ
インに向ってスムーズに変速を開始する。ここで補正量
βは、Nmin−Neの増加関数で定めてあるので、図示す
るように差が大きいほど変速量が多くなって、いかなる
場合も常に最低変速ライン上に移行することになる。 以上、本発明の一実施例について述べたが、電磁式クラ
ッチとの組合わせのみに限定されるものではない。ま
た、電子的に変速制御されるもののすべてに適用でき
る。 〔発明の効果〕 以上述べてきたように、本発明によれば、 無段変速機を自動的に接断するクラッチと組合わせた伝
動系において、発進時に不可能なスロットル開度大の場
合を除いて、クラッチによる同期と変速開始が一致する
ように制御されるので、不連続加速が無くなってスムー
ズな発進加速を行う。 同期時のエンジン回転数が最低変速回転数以下の場合
は、最低変速ラインに移行するように変速制御するの
で、この場合も不連続加速を生じなくなって効果が大き
い。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の制御装置の実施例を示す構成図、第2
図は電気制御系のブロック図、第3図は作用を説明する
フローチャート図、第4図(a),(b)は本発明による特性
図、第5図(a)は電磁式クラッチの特性図,第5図(b)は
変速特性図、第6図(a)ないし(d)は従来の特性図であ
る。 1…エンジン、2…電磁式クラッチ、4…無断変速機、
40…制御ユニット、46…目標変速比検索部、60…スロッ
トル開度判定部、61…同期判定部、62…エンジン回転数
判定部、63…変速開始部、64…補正量算出部、65…目標
変速比補正部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧シリンダによりそれぞれプーリ溝幅が
    可変制御される入力側のプライマリプーリと出力側のセ
    カンダリプーリとの間に駆動ベルトを巻回してなる無段
    変速機であり、上記プライマリプーリの油圧シリンダに
    供給するプライマリ圧を制御ユニットから出力される変
    速速度の制御信号により変速速度制御弁を介して変化さ
    せることでプライマリプーリ及びセカンダリプーリに対
    する駆動ベルトの巻付け径の比を連続的に変化させて無
    段変速させる無段変速機の制御装置において、 スロットル開度センサからのスロットル開度信号を入力
    して、スロットル開度信号が所定のスロットル開度以下
    であるかを判定するスロットル開度判定部と、 プライマリプーリの回転数信号Npとエンジンの回転数
    信号Neを入力して、Ne−Np≒0により同期を判定し
    て信号を出力する同期判定部と、 エンジンからの回転数信号Neを入力して、エンジン回
    転数信号Neと最低変速ラインのエンジン回転数Nminと
    がNe>Nminかを判定するエンジン回転数判定部と、 前記スロットル開度判定部でスロットル開度が所定のス
    ロットル開度以下と判定した発進時に、前記同期判定部
    の出力信号及びエンジン回転数判定部の出力信号を受け
    て前記無段変速機の変速比制御を開始する変速開始部と
    を備えたことを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】前記同期信号判定部の出力時に、前記エン
    ジン回転数判定部がNe<Nminと判断したときに、変速
    開始時の目標変速比をNminとNeとの差の増加関数とし
    て小さく補正する目標変速比補正部を備えたことを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の無段変速機の制御装
    置。
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