JPH0657490A - 溶接缶用クロムめっき鋼板 - Google Patents

溶接缶用クロムめっき鋼板

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JPH0657490A
JPH0657490A JP21422592A JP21422592A JPH0657490A JP H0657490 A JPH0657490 A JP H0657490A JP 21422592 A JP21422592 A JP 21422592A JP 21422592 A JP21422592 A JP 21422592A JP H0657490 A JPH0657490 A JP H0657490A
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welded
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Toshihiro Kikuchi
地 利 裕 菊
Hajime Ogata
方 一 緒
Kazuo Mochizuki
月 一 雄 望
Hideo Kukuminato
英 雄 久々湊
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】溶接のための鋼板の機械的研削あるいは化学的
処理などの溶接前処理を必要とせず、溶接部の十分な強
度と、優れた塗装密着性ならびに耐食性を持つCrめっ
き鋼板の提供。 【構成】炭素含有率が0.2%以下である鋼板の表面
に、最表層缶内面側に金属Cr量換算で10〜15mg/m2
の、缶外面側に同5〜10mg/m2 のCr水和酸化物層を
持ち、それらの下に両面とも300mg/m2 以下の金属C
r層を持ち、該最表層のカットオフ波長(Lc)0.8
mmでの中心線平均粗さRaが0.05〜1.5μmの
範囲内にあり、かつLc=1μmの時にRaが5nm以
上である事を特徴とする、溶接缶用Crめっき鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、容器として使用される
金属缶の缶胴を溶接により製造する材料に関するもので
あり、缶胴がCrめっき鋼板の溶接により成型される時
に、缶内容物および製缶環境の金属粉汚染の原因とな
り、かつ溶接部補修塗装で缶体に付与される有機皮膜の
密着性を阻害する要因となるような、溶接のための鋼板
の機械的研削あるいは化学的処理などの溶接前処理を必
要とせず、溶接部の必要十分な強度と、優れた塗装密着
性ならびに耐食性を持ち、なおかつ生産性が高く、経済
性に優れた缶体を得られる鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】油脂等の容器に用いられるガロン缶は、
Crめっき鋼板を用いて作られるが、従来は、Crめっ
き鋼板はそのままでは、一般に用いられるマッシュシー
ム型缶胴溶接機(以下「溶接機」とする)によって溶接
できなかった。これは、「材料とプロセス」第4巻第16
16頁に発明者らが述べたように、Crめっき鋼板の表面
が高電気抵抗性を示すCr水和酸化物により覆われてい
るために、交流電源シーム溶接機では連続溶接が困難で
あるためである。
【0003】そのため、従来Crめっき鋼板を溶接する
に際しては、溶接作業の直前に溶接該当部を研削除去す
る方法が一般的に用いられてきた。しかしこの方法によ
ると、研削粉による作業環境の悪化や、製品である缶内
部への研削粉の混入などにより、缶内容物を損う等の懸
念があった。更に、研削部分の幅制御上の問題などか
ら、多くの場合、研削後に研削部分のいわゆる耳切りに
より、鋼板の一部を切断除去しなければならなかった。
これは工程増加になる他、材料歩留りにも直接多大な悪
影響を及ぼしていた。また、研削された部分は、下地鉄
が露出し、あるいはさらにその下地鉄が部分的に酸化さ
れた状態になり、その後の補修塗装にける塗膜の密着性
は、Crめっき鋼板ほど良好ではなくなる。そのため、
補修塗装を行った場合にも、塗膜の剥離、塗膜下腐食な
どの問題を常に内包していた。また、当然ながら、補修
塗装を行わない場合には、研削部は腐食が極めて速やか
に進行した。
【0004】Crめっき鋼板に溶接性を付与させる試み
は、Crめっき層を粒状に析出させたり、Snめっき層
をCrめっき鋼板上に析出させる等の方法が公知であ
る。粒状Cr層を用いる溶接性の改善方法は、発明者ら
の以前の発明、例えば特開平3−229897号等に代
表されるもので、Crめっき工程のみで製造し得る点、
即ち異種金属による別処理を必要としない点が、コスト
的に優れている。しかし、色調を通常のCrめっき鋼板
と同一にするためには、上記公開特許に開示されたよう
に、電気めっき条件を管理しなければならないという制
約があった。またCrめっき上にSnを析出させる場合
はCr水和酸化物層除去のために特殊な処理を必要とす
る上に、Snめっき層上の塗膜密着性が低下しやすい等
の操業上、品質管理上の問題があり、一般にクリア塗装
で用いられる事の多いガロン缶用途では広く用いられて
いない。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、上記に述
べた従来のCrめっき鋼板を用いた溶接による缶体成形
の方法の問題点、具体的には研削粉の飛散による製缶環
境および缶内容物の汚染などの問題点を解消し、溶接補
修塗装部の塗膜密着性が高く、信頼性の高い缶体を得ら
れる缶胴を製造し得る鋼板を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、Crめっき
鋼板を材料として、缶胴を溶接で成型される缶体製造方
法について、通常の溶接部事前研削による溶接法の問題
点を解決すべく、鋼板の表面粗度とマッシュシーム溶接
性との関係を研究し、本発明をなすに至った。即ち、炭
素含有量、Crめっき層の付着量と共に、溶接性との関
係の観点からは従来管理されていなかった鋼板の表面粗
さについて、比較的巨視的な範囲と極微細な範囲につい
て同時に管理した鋼板を用いることにより、健全な溶接
部外観と十分な溶接強度、並びに優れた塗膜密着性と塗
装後耐食性を兼備した缶体を得ることが出来ることを見
出した。
【0007】Crめっき鋼板を用いて、マッシュシーム
溶接機により、ぶりきと同様の缶胴溶接を行おうとする
と、材料界面での接合が起き始める最低溶接電流の値
と、溶接部が溶融飛散して急冷される事でできる髭状突
起の溶接欠陥いわゆるスプラッシュが発生する溶接上限
電流とが極めて近接あるいは逆転し、健全な溶接部を得
ることが極めて困難であった。この溶接電流最大値と最
小値の差が、溶接可能電流範囲(ACR)であるが、C
rめっき層が粒状析出していない従来のCrめっき鋼板
ではこれが非常に小さいかあるいは全く得られず、非常
に不安定であるため、実用にはならなかった。また、C
rめっき層が粒状析出しているものでは、その金属Cr
およびCr水和酸化物付着量及び粒状析出金属Cr層の
数値範囲およびその製造方法が極めて限定されたものに
なっていた。
【0008】マッシュシーム溶接は、その溶接のための
熱源として、材料界面の電気抵抗によるジュール発熱を
利用しており、それゆえ、ある材料のACRが非常に狭
い場合は、溶接工程において入荷ロット毎に溶接電流な
どの溶接条件を変更せねばならず、その間は生産を止め
なければならないため、事実上商業生産に用いることは
できない。これがACRの広い材料が求められる所以で
ある。ここで、材料のACRは、溶接される材料同士の
界面接触抵抗および、溶接突き合せ部のオーバーラップ
幅の精度によって変化する。
【0009】ACR判定時に溶接電流上限の指標とな
る、マッシュシーム溶接における最も重要な溶接欠陥で
あるスプラッシュは、溶接電流による発熱が過大にな
り、溶接界面近傍の材料が溶融し、その際、主に電極加
圧力等によって、溶融金属が外部に押出され、急冷凝固
する事により生成する。Crめっき鋼板の表面には、そ
のめっき反応の特性上、常に電気抵抗の高いCr水和酸
化物層が存在するために、ぶりき等に比べて界面接触抵
抗が高くなり、投入溶接電流当りの発熱量は大きくな
る。この事は、Crめっき鋼板においては、ぶりきに比
較して小さな電流値の変化で大きな発生熱量の変化が起
ることを意味する。これに加えて、Crめっき鋼板の表
面はぶりき等Snめっきの鋼板に比べて摩擦が大きく、
治具との滑り性が悪い。即ち溶接に先立つ筒型成型時
に、治具とのひっかかり等の影響でオーバーラップの精
度にばらつきが出やすい。
【0010】発明者らは、このCrめっき鋼板特有の鋼
板の微細構造による接触抵抗の変化と、オーバーラップ
幅の不安定性について鋭意研究し、鋼板表面のCrめっ
き層の付着量及びその極微細な表面粗度を一定の範囲に
管理する事により、材料間界面および材料電極間界面の
接触抵抗値を連続溶接に好適な状態に安定させ、かつ大
幅にオーバーラップ幅の安定性を向上させ得る事を見出
し、実用的に溶接性が十分に確保されるような、それら
の数値の範囲を限定することに成功した。
【0011】更に発明者らは、Crめっき鋼板のマッシ
ュシーム溶接特性、及びその容器としての耐食性と、C
r水和酸化物付着量との関係を調査し、次の結論を得
た。Cr水和酸化物層は、Crの電解析出に伴い不可避
的に生じ、Crめっき鋼板に優れた塗膜密着性を付与さ
せていると同時に、上述の如くマッシュシーム溶接にお
いては溶接阻害要因となる。即ち塗装後の耐食性を確保
するためには、一定量以上のCr水和酸化物付着量が必
要であるのに対し、溶接性の観点からは、電極/板及び
板/板界面の接触抵抗を低減させるために、出来得る限
りCr酸化膜付着量は低いことが望ましい。発明者ら
は、マッシュシーム溶接での連続溶接性と板/板界面に
存在するCr水和酸化膜量の総和との関係に着目し、上
述の表面粗さ条件を満たした鋼板について、板/板界面
に存在するCr水和酸化物付着量の総和、即ち1枚のC
rめっき鋼板の表と裏のCr水和酸化物付着量の和が2
5mg/m 2 以下、さらに望ましくは20mg/m2 以下であれ
ばCrめっき鋼板を用いて、マッシュシーム溶接によ
り、良好な溶接部を持つ缶胴を、連続して製造すること
が可能なことを見出した。これは板/板界面における接
触抵抗がマッシュシーム溶接性を左右するためであると
考えられる。この場合、板/板界面におけるCr水和酸
化物付着量を一定の水準以下に保てば、溶接性は確保さ
れるので、鋼板の表面裏面でのCr水和酸化物付着量配
分は一定の範囲内で任意に設定する事ができる。
【0012】Crめっき鋼板を用いた溶接缶体は、通常
内面を塗装して用いられる。この場合、缶体の内容物に
対しての保護性能はCrめっき鋼板と塗膜との密着性の
良否にかかっている。上述のように、Crめっき鋼板の
塗膜密着性を確保するためには、Cr水和酸化物膜をあ
る程度以上付着させなければならないが、溶接性を確保
するために表裏の合計付着量を上記の範囲に収めた上
で、缶内面の塗膜密着性を確保するには、缶内面のCr
水和酸化物量を多く、缶外面のそれを小さくすればよ
い。しかし、缶内面のCr水和酸化物付着量は上記の関
係だけでは決められない。
【0013】一般に缶胴溶接用のマッシュシーム溶接機
において、缶内面側の電極の直径は缶外面用のそれに比
べて小さく、そのために電極と材料の接触長が小さくな
り、材料/電極界面での単位面積あたり発熱量が大きく
なり、過熱によるスプラッシュが発生しやすいことはよ
く知られている。上記のように、塗膜密着性の確保の観
点から缶内面のCr水和酸化物付着量を多くすること
は、スプラッシュ防止の観点からは逆行することにな
る。発明者らは溶接性と塗膜密着性を両立させ得る実用
的なCr水和酸化物付着量の範囲を調査し、缶内面に相
当する面について金属Cr量換算で10〜15mg/m2
缶外面に相当する面について金属Cr量換算で5〜10
mg/m2 の範囲が好適であることを見出した。
【0014】すなわち、本発明は、炭素含有率が0.2
%以下である鋼板の表面に、最表層缶内面側に金属Cr量
換算で10〜15mg/m2 の、缶外面側に同5〜10mg/m
2 のCr水和酸化物層を持ち、それらの下に両面とも3
00mg/m2 以下の金属Cr層を持ち、該最表層のカット
オフ波長(Lc)0.8mmでの中心線平均粗さRaが
0.05〜1.5μmの範囲内にあり、かつLc=1μ
mの時にRaが5nm以上である事を特徴とする、溶接
缶用Crめっき鋼板を提供するものである。
【0015】以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明で用いる鋼板の炭素含有率は0.20wt%以下
とする。これは、この領域が缶用材料として、加工性と
製品の強度とのバランスが取りやすいことが知られてい
るからであり、Ys,Yp,r,Δr等、溶接缶胴成型
に必要な機械的特性を安定して得ることができる領域で
ある。また、本発明においては、めっき鋼板原板とし
て、所定のCrめっきを施すことが可能であるならば、
例えば鋼板最表面にNiめっきを施した後に熱拡散処理
によりNi拡散層を形成させたような表面調整原板を用い
ることもできるし、同様にCrめっき層と原板の間に、
Ni,Zn,Sn,Fe等の金属あるいはそれら金属同
士や金属とP等との合金めっきを単層あるいは複数層挿
入する事もできる。
【0016】本発明で鋼板表面に300mg/m2 以下の金
属Cr層を、更にその上に、鋼板の表と裏のCr水和酸
化物付着量の和が25mg/m2 以下、さらに望ましくは表
裏の和が20mg/m2 以下であり、かつ缶内面に相当する
面について金属Cr量換算で10〜15mg/m2 、缶外面
に相当する面について金属Cr量換算で5〜10mg/m 2
の範囲の付着量のCr水和酸化物層を持つと事としたの
は、従来Crめっき鋼板製缶が用いられてきた用途につ
いて、缶内面及び外面について、それぞれの用途に十分
な塗膜密着性及び耐食性を得るために数値範囲を規定し
たものである。缶内面については15mg/m2 を越える
と、スプラッシュ発生のため、健全な溶接性が得られ
ず、また10mg/m2 以下では塗膜の密着性が下がり始め
る。缶外面については、5mg/m2 以上であれば通常の環
境において十分な塗膜密着性及び塗装後耐食性を確保す
ることができ、溶接性の確保のために上限は10mg/m2
以下に制限される。
【0017】本発明において、Crめっきを施された鋼
板最表層の表面粗度について、カットオフ波長1μmで
の中心線平均粗さRaが5nm以上であり、かつカット
オフ波長0.8mmでの中心線平均粗さRaが0.05
〜1.5μmの範囲内にある事と定めたのは、この領域
において、Crめっき鋼板を材料として缶胴を形成する
際に、溶接部に先立つ被溶接部分の研削などの前処理を
必要とせず、溶接部のスプラッシュ発生が軽微で、美麗
かつ強固な溶接部を形成でき、かつ十分な強度が得られ
るからである。これは、主に大きいオーダーでの表面粗
さの管理により溶接機でのCrめっき鋼板の成型性及び
治具との滑り性が安定し、かつ極微細構造についての表
面粗度の管理により、接触抵抗値が、マッシュシーム溶
接に好適な範囲に入るからであると考えられる。
【0018】この表面粗度領域のうち、特にカットオフ
波長0.8mmの表面粗度については、公知の文献、例
えばSALAHADIN ANIK らの研究(DOC.No.: III-563-77,
1977MEETING OF INTERNATIONAL INSTITUTE OF WELDING
IN COPENHAGEN) 等では、接触抵抗が逆に増加する領域
にあるが、これらの研究は溶接中に材料の水平移動が無
いスポット溶接についてのものであり、スポット溶接で
の接触抵抗値と溶接性の関係が、必ずしもマッシュシー
ム溶接における場合とは一致しないことを示している。
【0019】また、カットオフ波長1μmでの表面粗度
については、従来の粒状析出Cr層を持つCrめっき鋼
板に関する公知の技術において、粒状あるいは角状に析
出した金属Crの接触抵抗低減効果にのみ着目していた
のに対し、下地鉄層の表面微細構造の影響も含めて、め
っき層最表層の表面粗度を一定範囲におくことにより、
高電気抵抗のCr水和酸化物膜の破壊効果によると考え
られる鋼板間の接触抵抗低減効果をえる事が出来るとい
う発見に基づくものである。
【0020】本発明において規定する極微細粗さパラメ
ータの測定方法としては、3次元形状測定用走査型電子
顕微鏡や走査型トンネル顕微鏡(STM)、原子間力顕
微鏡(AFM)等の走査型プローブ顕微鏡システム(S
PM)による方法が利用できる。具体的には鋼板の表面
上の任意の5点につき、カットオフ波長1μmでRaを
測定し、その測定値がいずれも5nm以上であれば良
い。これはカットオフ波長0.8μmにおける表面粗度
の管理についても同様であり、一般に利用される粗さ測
定機による測定結果が鋼板上の任意の5点で本発明の範
囲内にあればよい。
【0021】本発明における材料としてのCrめっき鋼
板は、その缶体としての用途に合致した性能を満たすも
のであれば、Crめっき層と下地鋼板層の間に、Cr以
外の各種金属あるいは非金属元素の単体、復層、合金、
分散めっき層や、それらと下地鉄あるいは表層Cr層と
の拡散層が形成されていてもかまわない。また本発明の
最表層Crめっき層のさらに上層への被覆については、
直接溶接が行われない部分については、どの様な表面処
理が行われていても構わない。また、ここで溶接部以外
は、塗装されていても、未塗装状態でもかまわない。塗
料の性質、塗装あるいは被覆の手段はどの様な種類のも
のでもよい。
【0022】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて、さらに
具体的に説明する。
【0023】[実施例] 缶胴の製造法 板厚0.12〜0.70mm、炭素含有率0.25〜
0.002wt%のアルミキルド冷延鋼板に、表1に示
すように種々の付着量の金属Cr及び水和酸化Crをめ
っきし、缶内面相当部にエポキシフェノール系樹脂(東
洋インキ(株)製EK−1)を、缶外面相当部分にエポ
キシエステル系樹脂(東洋インキ(株)製 F−68−
520T)を各60mg/dm2被覆したCrめっき鋼板を用
い、種々の溶接条件により、缶胴を溶接成型した。
【0024】評価方法 上記の缶体について、以下の方法で評価を行った。その
結果を表1に示す。
【0025】溶接可能電流範囲 種々の溶接電流値において、溶接部のスプラッシュ発
生、ピール(ハイン)テストによる溶接部強度判定、お
よび溶接缶胴のフランジ成型時の溶接部近傍のクラック
発生の有無の目視判定を総合し、溶接可能電流範囲(A
CR)を求め、その中央値の溶接電流絶対値に対するA
CRの比率を求め、3%以上を可(◎)、3%未満を不
可(×)とした。
【0026】缶内金属粉汚染 溶接終了後の缶胴内の溶接部中央部の左右4cmに渡っ
て、幅15mmのセロファンテープを貼り、ただちに剥
がした後、0.1N HCl 50cc中に入れて、1
0分間煮沸し、侵出液を原子吸光分析により、浸出液中
のFe, Crを測定した。測定限界以上のFe,Crが
検出されたら×、検出されなければ◎とした。
【0027】塩水噴霧試験 5%NaCl水溶液を用い、塩水噴霧試験機で溶接補修
塗装部に塩水を連続噴霧し、20日後の赤錆発生面積を
計測し、比較例7の数値に対して±20%以内を○、+
20%を超えるものを×、−20%より少ないものを◎
とした。
【0028】
【表1】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明により、研削粉の飛散による製缶
環境および缶内容物の汚染が無く、溶接補修塗装部の塗
膜密着性が高く、信頼性の高い缶胴の溶接缶体を製造で
きるCrめっき鋼板が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望 月 一 雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 久々湊 英 雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素含有率が0.2%以下である鋼板の表
    面に、最表層缶内面側に金属Cr量換算で10〜15mg/m
    2 の、缶外面側に同5〜10mg/m2 のCr水和酸化物層
    を持ち、それらの下に両面とも300mg/m2 以下の金属
    Cr層を持ち、該最表層のカットオフ波長(Lc)0.
    8mmでの中心線平均粗さRaが0.05〜1.5μm
    の範囲内にあり、かつLc=1μmの時にRaが5nm
    以上である事を特徴とする、溶接缶用Crめっき鋼板。
JP21422592A 1992-08-11 1992-08-11 溶接缶用クロムめっき鋼板 Withdrawn JPH0657490A (ja)

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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19991102