JPH0657484B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH0657484B2
JPH0657484B2 JP59240949A JP24094984A JPH0657484B2 JP H0657484 B2 JPH0657484 B2 JP H0657484B2 JP 59240949 A JP59240949 A JP 59240949A JP 24094984 A JP24094984 A JP 24094984A JP H0657484 B2 JPH0657484 B2 JP H0657484B2
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C9/00Reinforcements or ply arrangement of pneumatic tyres
    • B60C9/18Structure or arrangement of belts or breakers, crown-reinforcing or cushioning layers
    • B60C9/1821Structure or arrangement of belts or breakers, crown-reinforcing or cushioning layers comprising discrete fibres or filaments

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高速耐久性を改善した空気入りタイヤ、例え
ば、ベルトの端部とトレッドとの間に短繊維をタイヤの
周方向に極力配向させたゴムシート層を配置することに
より高速耐久性を著しく改良した空気入りタイヤに関す
る。
(従来技術) タイヤの高速耐久性は、バイアス構造タイヤからラジア
ル構造タイヤになることによって大幅に改良されたが、
自動車の性能および高速道路の充実により、タイヤの高
速性能、特に高速耐久性はさらにあるレベルにまで高め
る必要がある。従来の高速耐久性の優れた空気入りラジ
アルタイヤとしては、例えば、第3図のようなものがあ
る。第3図において、31は従来の空気入りラジアルタイ
ヤでり、空気入りラジアルタイヤ31はビード部32、カー
カスプライ33、ベルト34およびトレッド35を有してい
る。
高速耐久性に優れたラジアルタイヤ31は、各種工夫が行
われて例えば、ベルト34のベルトコード36はナイロン、
ポリエステルなどのテキスタイルコードからスチールコ
ードへ、また、さらにスチールコードから軽量化を狙っ
たケブラーコードへと変化している。また構造面におい
ても、ベルト34を構成するコーテッドコード34a、34b間
に生ずる層間剪断歪を小さくする工夫がなされている。
この層間剪断歪は、ベルト34の端部34fで大きくなり、
剥離故障の原因となる。これは、ベルト34の端部34fの
コード36のヤング率とコーテッドゴム37のヤング率が大
きく異なるためであり、この剪断歪によって大きな応力
集中が起こり、この端部34fから剥離破壊が起こる。し
たがって、剪断応力を緩和するため、第3図の番号38で
示すように端部34fのコーテッドコード34a、34bの相互
の距離を離す等の対策が講じられている。
しかしながら、このような対策が講じられても、高速耐
久性は充分ではなく、現在最も進んだタイヤにおいて
は、ベルト34の端部34fの外周面に周方向に対して低角
度(例えば5度)で配列させた補強層39を配置して、高
速耐久性を出すようにしている。
しかしながら、この場合、コードの配列方向の弾性率が
高過ぎて振動乗心地性能を大きく低下させるばかりか、
低速走行時の操縦安定性も悪くなるという問題点があ
る。
また、この欠点を改良するため、コードの配列方向を周
方向に高くして行くと、コードの端が多くできるのでベ
ルト34よりもトレッド表面35に近い位置に配置するため
に、この補強層39の端部39aから亀裂が発生してセパレ
ーションに発展してしまう問題点がある。
(発明の目的) そこで、本発明は、上記問題点を改良するめベルト端部
とトレッドの間に短繊維をタイヤの周方向に極力配向さ
せたゴムシート層を配置することにより高速耐久性を著
しく改良した空気入りタイヤを提供することを目的とす
る。
(発明の構成) 本発明に係る空気入りタイヤは、ビード部に位置するビ
ードワイヤと、多数のコードが平行に配置されたゴム引
きコード層から成り、両端部がビード部で折り返してビ
ードワイヤに係止されたカーカスプライと、カーカスプ
ライの外周面に位置し、ベルトコードを被覆するベルト
コーティングゴムを有するベルトと、ベルトの外周面に
位置するトレッドと、を有する空気入りタイヤにおい
て、ベルトの端部とトレッドとの間に平均径1μm以
下、平均長さLと平均径Dの比(L/D)が8以上であ
る短繊維を5重量以上含有する短繊維補強ゴム組成物か
ら成る、厚さ0.3〜3.0mmの加硫可能なゴムシート層を備
え、上記短繊維が、アミド基を有する熱可塑性ポリマー
から成り、ゴムの部分とフェノールホルムアルデヒド系
樹脂の縮合物を介してグラフトしていることを特徴とし
ている。また、前記ゴムシート層のゴム組成物中の短繊
維の配列方向が、周方向に対してなす角度が0〜20度で
あることが好ましい。また、加硫ゴムの短繊維補強ゴム
に於いて短繊維の配列方向に引っ張った50%歪時の弾性
率M1と短繊維の配列方向と直角の方向に引っ張った50
%歪時の弾性率M2の比(M1/M2)が2.5以上であ
ることが好ましい。また、短繊維補強ゴムの配列方向に
引張った時の50%歪時の弾性率が、ベルトコーティング
ゴムの50%歪時の弾性率の1.5倍であることが好まし
い。
本発明において、短繊維の平均径を1μm以下に限定し
たのは、次のような理由による。本来、短繊維に歪(応
力)がかかった場合、短繊維の両末端に大きな剪断応力
がかかり、その応力によって、短繊維の両末端から亀裂
が発生、成長して短繊維補強ゴム組成物に特有の大きな
クリープを生じる傾向が強かった。その剪断応力は、短
繊維の形状に大きく依存していることが分かっており、
当然のことながら短繊維が小さければ小さい程、短繊維
の両末端にかかる歪も小さくなるので剪断応力も小さく
なる。短繊維が小さくなれば短繊維1個当たりの補強効
果も小さくなるが個数が多くなるので全体として見れ
ば、短繊維が入ることによって耐疲労性、特に繰り返し
歪を受けた後のクリープが大きくなるのを防ぐことがで
きる。さらにまた、短繊維補強の目的である高い弾性
率、優れた耐カット性、および本発明に利用している高
い異方性を発現させることが出来るのである。
前記の短繊維補強のメリットを出させるためには、アス
ペクト比(L/D)が8以上であることが必要であり、
このアスペクト比を8以上に保って短繊維の両端末にか
かる剪断応力を問題にならないレベルまで下げるには、
短繊維の平均径を1μm以下にしなければならない。
本発明に於いて、短繊維の量を5重量部以上に限定した
理由は、5重量部よりも少ないと、短繊維補強の効果が
期待出来ないからである。
本発明に於いて、短繊維を含有する短繊維補強ゴム組成
物のゴムシートの厚さを0.3〜3.0mmに限定した理由は、
0.3mmよりも薄いゴムシートを工業的に生産するのは困
難であるし、また、本発明の目的がベルトの端部におけ
るベルトの端部の放射外方への応力を低下させ、該部の
剪断歪を小さくすることであるので、この薄さでは、充
分な効果が期待出来ないからである。逆に3.0mmを超え
ると、トレッド部の厚さが増加し過ぎてタイヤの重量が
増加し、タイヤの形状にも影響を与えゴムシート層を設
けた効果が小さくなる。
本発明に於いては、加硫後の短繊維補強ゴムに於いて短
繊維の配列方向に引っ張った50%歪時の弾性率M1と、
短繊維の配列方向と直角の方向に引っ張った50%歪時の
弾性率M2の比(M1/M2)が2.5以上であることが
好ましいが、このことは短繊維の配向の程度を示してお
り、この程度に配向させた短繊維を含有する短繊維補強
ゴム組成物を前述したようにタイヤの周方向とゴムシー
ト層中の短繊維の配列方向との角度θを0度〜20度にし
た時に最も大きな効果を生み出す。
本発明に於いては、短繊維の材料はアミド基を有する熱
可塑性ポリマーであるが、これは、アミド基を有するポ
リマーが結晶し易く、かつ結晶の配向が比較的容易で球
晶等を作り難いので短繊維の耐疲労性が優れているのた
めである。また、アミド基を有するポリマーの結晶融点
は、通常200℃以上であり、耐熱性の点からも問題がな
いからである。
本発明に於いて、短繊維とゴムの部分はフェノールホル
ムアルデヒド系樹脂の縮合物を介してグラフトしている
が、これは短繊維とゴム部分の接着強力を増加させるこ
とによって短繊維補強ゴムの耐疲労性を向上させること
が出来るからである。
しかしながら、短繊維の材質としては、本実施例に限定
されるものではなく、シンジオタクティック−1、2−
ポリブタジエンまたは、アイソタクティックポリブロピ
レン等の熱可塑性ポリマーであってもよい。
以下、実施例でより詳細に説明する。
(実施例1〜5) 実施例1では本発明の空気入りタイヤが従来のタイヤに
比べて、耐久性能に於いて著しく改良されていることを
示す。
(1)強化ゴム組成物の製法 温度、150℃でロータの回転数、100rpmに調節したOO
Cバンバリーミキサー(神戸製鋼製)の中に、100℃の
ムーニー粘度が25である天然ゴム1400g、及びN−(3
メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−
N′−フェニル−P−フェニレンジアミン〔ノクラック
G−1、大内新興製〕14g、を投入し、1分間素練し
た。次いで、6−ナイロン(商品名:1030B、宇部
興産(株)製、融点221℃、分子量30000)700gを投入
し、7分間混練りした。この間にバンバリーミキサー内
の温度は232℃まで上昇し、6−ナイロンは溶融した。
次いで、ノボラック型フェノールホルムアルデヒド初期
縮合物(明和化成(株)製、商品名550PL)30gを
投入し、7分間混練りした後、ヘキサメチレンテトラミ
ン3gを投入し、2.5分間混練りして(この間バンバリ
ーミキサーの打身の温度は230℃)グラフト反応させた
後、バンバリーミキサーの下方に落下し取り出した。
次いで、得られた混練り物は、ノズルの内径2mm、長さ
と内径との比(L/D)が2の円形ダイを有する30mmφ
押出機(池貝社製)を用いて、ダイ設定温度235℃で紐
状に押出し、この押出物を0℃の冷却水で冷却固化し、
ついで、ガイドロールを経てボビンにドラフト比9で35
m/分の速度で巻き取った。この巻取物を一昼夜室温で
真空乾燥し、付着水を除いた後、この巻取物約500本を
束ねてシート状(厚さ2mm、幅150mm)として、このシ
ート状物をロール間隙0.2mm、温度60℃の一対の圧延ロ
ールで約10倍にロール圧延して、短繊維で強化した強化
ゴム組成物(試料1)を得た。
(2)短繊維補強ゴムおよびゴムシート層の製法 前記の強化ゴム組成物は表1に示すような配合成分と配
合比率で配合され、温度70℃、ロータの回転数70r.p.m
に調節したOCCバンバリーミキサー(神戸製鋼製)で
混練りして短繊維補強ゴムより成るゴム組成物1を作成
した。また、比較のために、強化ゴム組成物を含まない
配合成分と配合比率を用い、他は同じ製造によってゴム
組成物2およびゴム組成物3を作成した。さらにこれら
のゴム組成物1乃至ゴム組成物3は通常のゴムロールを
用いて所定の厚さのゴムシート層を作成した。
(3)タイヤの構造 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明に係る高速耐久性の改善された空気入り
タイヤの一実施例を示す断面図である。
まず、構造について説明する。第1図において、1は本
発明の空気入りラジアルタイヤである。ラジアルタイヤ
1はこの回転軸に直交する一対の平面において、この平
面内の円周方向に配置されたビード部2と、ビード部2
に位置するビードワイヤ3と、多数のコーティングが平
行に配置されたゴム引きコード層から成り、両端部5a
がビード部2で折り返してビードワイヤ3に係止された
カーカスプライ5と、カーカスプライ5の外周面に位置
するスチールコードからなるベルト6と、ベルト6の外
周面に位置するトレッド7と、を有している。
第2図に示すように、ベルト6の端部6aとトレッド7
との間にはゴムシート層8が設けられている。ゴムシー
ト層8は平均径1μm以下、平均長さLと平均径Dの比
(L/D)が8以上である短繊維を5重量部以上含有す
る短繊維補強ゴム組成物から成り、厚さ0.3mm〜3.0mmの
ゴムシートである。
(4)タイヤの製造と性能試験結果(作用) 前述の所定の厚さのゴムシート層を用いて、ゴムシート
層8(ゴムシート層の幅24mm、厚さ1mmのものである)
のゴム組成物中の短繊維の配列方向がタイヤの周方向
(タイヤの赤道面Eに対してなす角度(補強ゴム角度)
を所定の角度で配置し、乗用車用ラジアルタイヤ、(タ
イヤサイズ185/70HR14)空気入りタイヤを製造し、短
繊維補強ゴムよりなるゴムシート層8を用いたタイヤの
ベルトの端部の応力の緩和効果、面内剪断歪の緩和効
果、高速耐久性能、振動乗心地性能および操縦安定性の
試験を行った。試験結果をそれぞれ表2および表3に示
してある。
表2および表3に於いて、実施例1〜3および比較例
6、7には短繊維補強ゴムよりなるゴムシート層8(ゴ
ム組成物No.1)が表中に示した補強ゴム厚さ2.0mmと補
強ゴム角度θとなして用いた。また、比較例2〜5には
表中に記載の短繊維補強ゴムを含まない通常のゴムシー
ト層8が用いられた。比較例1はゴムシート層8は用い
なかった。表2および表3に示されているように、短繊
維を含むゴムシート層8を用い、かつ、短繊維の配向角
度が0度、10度および20度になるように配置された実施
例1〜3のタイヤは高速耐久性が約220km/H以上の高速
耐久性試験に示しており、また振動乗心地も操縦安定性
の試験結果も比較例に比較して優れた値を示している。
表3の比較例6、7は短繊維を含むゴムシート層を用い
ているが、短繊維の配向角度が30度または50度と大きい
ので、高速耐久性の最高速度は実施例1〜3のタイヤよ
り低下している。
このことから、短繊維を含むゴムシート層8の短繊維の
配向方向をタイヤの周方向に対して0〜20度の短繊維の
配向角度にすることにより、短繊維の高い異方性および
補強効果が十分に発揮される。
以上の結果から次のことが言える。本発明の短繊維補強
ゴムからなるゴムシート層を使用すれば、ベルト6の端
部6aの放射方向の歪をなくし、端部の近傍の面内剪断
歪を極めて小さくする。さらに、従来の補強層のように
周方向の弾性率が高過ぎることがないので振動乗心地性
能を低下させることがなく、低速走行時の操縦安定性を
悪くすることもない。さらにまた、スチールコードの末
端がトレッドゴム7の近傍にでないので端部から亀裂の
発生もなく、セパレーションの起こることもない。この
ことから、高荷重耐久性および高速耐久性の改善された
空気入りタイヤを製造することができる。
(実施例4〜6) 実施例4〜6では本発明に使用する短繊維の平均径が1
μm以下に限定されることを示す。
前述の強化ゴム組成物(試料1)の製法に準じて使用す
るナイロン樹脂の粉末の平均粒径を変えた強化ゴム組成
物(試料2〜7)が製造された。試料1〜7の短繊維の
平均径と物性を表4に示してある。
実施例1で得られた強化ゴム組成物2gをベンゼン200
mの中に室温で添加し、強化ゴム組成物中のゴム分を
溶解させ、得られたスラリーを室温で遠心分離して溶液
部分と沈澱部分とに分けた。沈澱部分について前記の操
作を7回繰り返し行った後、沈澱部分を乾燥してナイロ
ン繊維を得た。このナイロン繊維をフェノールとオルソ
ジクロルベンゼンの1:3(重量比)の混合溶媒に溶解
させ、水素原子核Hを用いる核磁気共鳴スペクトル(N
MR)で分析(内部標準:テトラメチルシラン)し、N
MRチャートから天然ゴムに起因するメチル基及びメチ
レン基、6−ナイロンに起因するCO基に隣接したメチ
レン基、NH基に隣接したメチレン基及び他の3個のメ
チレン基の各々のピークについて、切取り面積法により
6−ナイロンと天然ゴムとのモル比を求めて、グラフト
率を算出した。また前記のナイロン繊維の形状を繊維約
200本について1万倍の倍率で走査型電子顕微鏡を用い
て測定した。繊維は断面が円形の極めて細かい短繊維で
あった。試料3は短繊維の平均径が1.1μmで本発明の
平均径の限界1μmを超えたものである。また、表4に
よって得られた強化ゴム組成物(試料2〜6)を用い
て、実施例1〜5の(2)短繊維補強ゴムおよびゴムシー
ト層の製法に準じてゴム組成物4〜8を製造し、さら
に、各ゴム組成物を用いて、それぞれゴムシート層を製
造した。ここに、ゴム組成物4〜8の配合成分は表5に
示されており、ゴム組成物5は、試料3を用いており、
短繊維の平均径1.0μmを超えたゴム組成物である。
次に、表6に示すように、前述のゴム組成物4〜8の補
強層を用いて、実施例4〜6および比較例8、9のタイ
ヤが前述した実施例1のタイヤ製造と性能試験に準じて
製造され、次いで、高荷重耐久テストが実施された。性
能試験結果が表6に示されている。
表6に於いて、実施例4〜6は共に短繊維の平均径1μ
m以下の表4中の試料2、試料4および試料6を用いて
おり、このタイヤの高速耐久性速度テストは最高速度22
0km/Hに達しており、ゴムシート層の補強効果が優れて
いることを示す良い結果を示している。
一方、比較例8のタイヤはゴム組成物に短繊維の平均径
が1.0μmを超えゴム組成物5を用いており、高速耐久
テストの結果は最高速度が200km/H以下で低い。すなわ
ち、短繊維の平均径が1μmを超えるとゴムの補強効果
が少ない。以上説明したことから、短繊維の平均径は1
μm以下に限定される。
また、比較例9のタイヤには、表4の試料5が用いられ
ており、短繊維の平均径は0.2μmであり、1μm以下
ではあるが、アスペクト比は7.8のものが用いられてい
る。この場合、表6の比較例9のベルト6の端部6aを
被覆するゴムシート層の補強効果が十分でない。このこ
とから、短繊維のアスペクト比(L/D)は8以上であ
ることが必要である。
(実施例7、8) 実施例7、8は、ベルト端部とトレッドの間に設置する
短繊維補強ゴム層の厚さが0.3mm〜3.0mmに限定されるこ
とを示す。
実施例7、8および比較例10に於いては、強化ゴム組成
物(試料1)を用いたゴム組成物4から短繊維補強ゴム
のゴムシート層が実施例1の製法に準じて製造された。
表7に示されるゴムシート層の厚さを有する補強ゴムシ
ート層を用いて、それぞれのタイヤが製造され、次い
で、高速耐久性テストが実施された。表7の高速耐久テ
ストの速度(最高到達速度)および走行時間の結果から
わかるように、ゴムシート層の厚さは0.3mm未満でも3.0
mmを超えても最高到達速度は低い。このことから、短繊
維補強ゴム層の厚さは0.3mm〜3.0mmの厚さが望まれる。
(実施例9) 実施例9では、短繊維補強ゴム中の短繊維の量が5重量
部以上に限定されることを示す。
短繊維補強ゴム中の短繊維の量が5重量部以上になるよ
う、前述の強化ゴム組成物(試料1)を用い、かつ、表
8の配合成分によって、実施例1と同様にゴム組成物9
〜10が製造された。短繊維の量(重量部)はゴム組成物
9では3、ゴム組成物10では、それぞれ5重量部であ
る。これらゴム組成物を用いて、実施例1と同様にし
て、厚さ0.6mmのゴムシート層が製造された。このゴム
シート層を用いて、表9の実施例9および比較例1、12
のタイヤが実施例1と同様にして製造された。実施例9
のタイヤは表9に示すように、高速耐久性が極めて優れ
ており、最高到達速度が217km/Hにも達し、比較例12に
比較し大幅に高速耐久性が良い。このことから、短繊維
の量は5重量部以上が好ましい。
(実施例10〜13) 実施例10〜13はゴム組成物No.1中の短繊維の配向の程
度を変化させて、好ましい範囲が『加硫後の短繊維補強
ゴムに於いて短繊維の配向方向に引張った50%歪時弾性
率M1と短繊維の配向方向と直角の方向に引張った50%
歪時弾性率M2との比(M1/M2)が2.5以上。』で
あることを示す。
表10における実施例10〜13および比較例13は実施例1と
同様な方法で製造し試験した。実施例12、13のゴム組成
物の(M1/M2)は2.5以上であり、また、これらの
高速耐久性は他の実施例10、11または、比較例13と比較
して極めて高い。このことから、(M1/M2)は2.5
以上が好ましいことがわかる。
表中の無配向は未加硫ゴムをプレスを使ってシーティン
グし、これを使用してタイヤを作った。
従ってM1=M2である。また、配向の程度はロール間
隙を変化させた。またゴムシート層の厚さの調整として
は、2枚を重ねたり、あるいは、プレスを使って行っ
た。
なお、特開昭57−10632号公報で開示されるis
o−ポリプロピレン短繊維を本発明の本質的要件の「高
い異方性」を出すようにアレンジすれば充分に可能であ
る。又、特公昭57−4527号公報、特公昭57−4
530号公報、特公昭57−30662号公報で開示さ
れたsyn−1、2−ポリブタジエン短繊維についても
どうように使用可能である。しかしながら、最も好まし
いのは、本発明に用いたナイロン短繊維である。
また、本発明は前記実施例によって縛られるものではな
く、有機繊維をベルトに使用したラジアルタイヤ、ベル
トを有したバイアスタイヤ(ベルテッドバイアスタイ
ヤ)およびバイアスタイヤ等に使用可能であるし、大型
タイヤのみならず、乗用車の高速高性能のタイヤにもま
た適用可能である。
(発明の効果) 以上説明したように、ミクロな短繊維を含む短繊維補強
ゴム組成物を充分に配向させ、しかも短繊維の配向方向
がタイヤの周方向に対して0〜20度の角度になるように
ベルトの端部とトレッドゴムとの間にこの短繊維補強ゴ
ム組成物よりなるゴムシート層を設けることにより、ベ
ルトの端部がタイヤの放射外方へ歪むことを減少し、ま
た、端部の剪断歪を小さくする。これによりタイヤ高速
耐久性および高荷重耐久性を極めて大幅に改善した空気
入りタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明に係る高速耐久性の改善さ
れた空気入りタイヤの一実施例を示す図であり、第1図
はその断面図、第2図は要部拡大断面図、第3図は従来
の空気入りタイヤの断面図である。 1……空気入りタイヤ、 2……ビード部、 3……ビードワイヤ、 5……カーカスプライ、 6……ベルト、 7……トレッド、 8……ゴムシート層。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビード部に位置するビードワイヤと、多数
    のコードが平行に配置されたゴム引きコード層から成
    り、両端部がビード部で折り返してビードワイヤに係止
    されたカーカスプライと、カーカスプライの外周面に位
    置し、ベルトコードを被覆するベルトコーティングゴム
    を有するベルトと、ベルトの外周面に位置するトレッド
    と、を有する空気入りタイヤにおいて、ベルトの端部と
    トレッドとの間に平均径1μm以下、平均長さLと平均
    径Dの比(L/D)が8以上である短繊維を5重量部以
    上含有する短繊維補強ゴム組成物から成る、厚さ0.3〜
    3.0mmの加硫可能なゴムシート層を備え、上記短繊維
    が、アミド基を有する熱可塑性ポリマーから成り、ゴム
    の部分とフェノールホルムアルデヒド系樹脂の縮合物を
    介してグラフトしていることを特徴とする空気入りタイ
    ヤ。
  2. 【請求項2】前記ゴムシート層のゴム組成物中の短繊維
    の配列方向が、周方向に対してなす角度が0〜20度であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の空気入
    りタイヤ。
  3. 【請求項3】加硫後の短繊維補強ゴムにおいて短繊維の
    配列方向に引っ張った50%歪時の弾性率M1と、短繊維
    の配列方向と直角の方向に引っ張った50%歪時の弾性率
    M2の比(M1/M2)が2.5以上であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】前記短繊維補強ゴムの配向方向に引っ張っ
    た時の50%歪時の弾性率が、ベルトコーティングゴムの
    50%歪時の弾性率の1.5倍であることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の空気入りタイヤ。
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