JPH0657470U - 多室回転テーブル式洗浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗浄物は回転しながら洗浄処理を受け、洗浄
完了品が出入領域に送り込まれると回転停止し、入れ替
えた洗浄物が出入領域から最初の洗浄処理領域に送り出
されるときは回転が再開する多室回転テーブル式洗浄機
を提供する。 【構成】 回転円板６は仕切板７，７…により所望の洗
浄処理領域数に等分割され、各分割箇所に回転テーブル
１２が同心円上に配設される。回転テーブル１２の回転
駆動系にはバネ２３によって弾圧され定位置を占めるア
イドル歯車１７を設け、最終洗浄処理領域と取出領域に
跨げて取付けた案内部材２８によってアイドル歯車１７
を変位させ、回転テーブル１２の回転停止と回転再開を
行う。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、洗浄物が環状に連続する洗浄処理領域を順次移動する間に、洗浄 物は回転しながら洗浄処理を受けるが、洗浄完了品が出入領域に送り込まれると きには洗浄物の回転は停止し、入れ替えられた洗浄物が出入領域から最初の洗浄 処理領域に送り出されるときは回転が再開するようにした多室回転テーブル式洗 浄機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の旋回式洗浄機では、洗浄機本体内に設けた洗浄物搬送用の回転円板を所 定の角度間欠的に回動し、その洗浄物を一つの洗浄処理領域から隣の洗浄処理領 域に移動するため回動を開始するときには洗浄液の噴出を一旦中断し、回動終了 時に噴出を再開させるようにして、出入領域から洗浄処理完成品を取出すのは上 記洗浄処理の中断時間中に行うようにしていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように、洗浄処理領域が変る都度洗浄処理を中断することは、洗浄処理 領域の数が増えれば増える程、中断に要する全時間が長くなり、能率が悪く、処 理時間の短縮化は難しかった。また、洗浄処理に使われる機器にも損傷を生じ易 くして保全管理上も問題があった。

【０００４】 本考案の目的は、連続洗浄処理によって上記した洗浄処理の中断という無駄時 間をなくし、また連続洗浄処理作業中でも出入領域からの取出は支障なく行うこ とができる多室回転テーブル式洗浄機を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、洗浄機本体内に設けた洗浄物搬送用の回転円板が洗浄物の出入領 域から最終洗浄処理領域に移動の間に上記洗浄物に対して洗浄処理が施され、出 入領域から取出すようにした旋回式洗浄機において、上記回転円板は放射状に立 設した仕切板によって上記領域数に等分割し、各分割箇所には回転テーブルを同 心円上に夫々回転自在に配設し、その回転テーブルの回転装置にはバネによって 弾圧され定位置を占めるアイドル歯車を設け、そのアイドル歯車の縦短軸側と協 働して回転テーブルの回転と停止を行う案内部材を最終洗浄処理領域と取出領域 に跨げて取付けたものである。

【０００６】

【作 用】

洗浄物が洗浄処理領域を通過の間、回転テーブル上の洗浄物は回転し続け、連 続的に洗浄処理が施される。アイドル歯車の縦短軸側と協働して回転テーブルの 回転と停止を行う案内部材が最終洗浄処理領域と取出領域に跨げて取付けたこと によって、洗浄処理完了品は確実に回転停止の状態で出入領域に送り込まれ、ま た、その洗浄処理完了品と入れ替えた洗浄物は回転状態となって出入領域から最 初の洗浄処理領域に送り出されることになる。

【０００７】

【実施例】

図１において、Ａは本考案になる多室回転テーブル式洗浄機、Ｂはその横に設 置された洗浄液タンク設備である。多室回転テーブル式洗浄機Ａの洗浄機本体１ は、前面に設けた開閉蓋２が押上げられて、その開口箇所から内部の洗浄物の出 入領域の一部が見えている。

【０００８】 多室回転テーブル式洗浄機Ａの縦断面図である図２、および横断面図を示した 図３において、洗浄機本体１内は、丸い孔４を形成した中間仕切板３と、その孔 ４の内側に回転円板６が配設されている。中間仕切板３に立設した３枚の区画板 ５により、洗浄物の出入領域を含む所望の洗浄処理領域（図示の例では第１〜第 ３液体洗浄領域、空気洗浄領域および乾燥領域）が環状に形成され、各領域には 洗浄用や空洗用あるいは熱風乾燥用のノズル管３０が立設されている（図２、図 ３）。

【０００９】 一方、回転円板６の上面に放射状に６等分する位置に仕切板７が立設され（図 ３参照）、二枚の仕切板７，７で仕切られた各扇状箇所の同心円上に夫々回転テ ーブル１２を回転自在に配設している。この回転円板６は中心部分に取付けた回 転軸筒体８が洗浄機本体１の天井部に設けた軸受９で支持され、洗浄機本体１の 上面に設けたモータ１０と連結したチェーン伝導装置１１を介して駆動されるよ うになっている。

【００１０】 回転テーブル１２の回転駆動装置１３は、各回転テーブル１２の軸に設けた小 歯車１４と、縦軸１５に取り付けた大歯車１６と、上記小歯車１４並びに大歯車 １６に係脱可能としたアイドル歯車１７（図３参照）と、前記縦軸１５と洗浄機 本体１の内面に設けたモータ１８を連結するチェーン伝導装置１９（図２参照） によって構成される。図４に、アイドル歯車１７の取付構造を示す。回転円板６ の下面に取付けたＬ型支持金具２０にストッパー２１付の支持横軸２２を摺動自 在に取付け、バネ２３で弾圧する。その支持横軸２２に縦短軸２４を保持させ、 縦短軸２４の上下両端部を回転円盤６とＬ型支持金具２０に設けた長孔２５，２ ６に摺動自在に嵌挿支持する。この縦短軸２４にアイドル歯車１７と回転子２７ とを回転自在に取付ける。

【００１１】 図５には、上記回転子２７と協働する案内部材２８が梁部材３３に取付くこと を示している。案内部材２８は、図３から明らかなように、最終洗浄処理領域と 取出領域に跨がるように配設され、回転子２７と対向する側面２９は円弧状をな している。図５は、案内部材２８の円弧状側面２９に回転子２７が当接してバネ ２３に抗しアイドル歯車１７を後退させることで、アイドル歯車１７は大歯車１ ６との噛合いを外すことを示している。図４には、反対に、案内部材２８の円弧 状側面２９に当接する回転子２７が逃げ、バネ２３に押されるアイドル歯車１７ が前進することで、アイドル歯車１７と大歯車１６との噛合がなされることを示 している。

【００１２】 洗浄物内径部の洗浄を行うため、図１，図２の如く、洗浄機本体１に内径部洗 浄用スプレーノズル管３１の昇降シリンダー３２を配設する場合は、少なくとも ノズル管３１の降下上昇の間は回転円板６を停止差せることが必要となる。各仕 切板７の縁部にはゴム板（図示するを省略）を取付けて、区画板５との隙間をシ ールするのが好ましい。

【００１３】 本装置の使用法を簡単に説明すると、図１の状態で、洗浄物を開口箇所から挿 入し、静止している回転テーブル１２上に載置する。この洗浄物が回転円板６の 回転動作で出入領域から第１の洗浄領域に送り込まれる際には、前記したとおり アイドル歯車１７は大歯車１６と小歯車１４の両方と噛合って回転テーブル１２ 従って洗浄物を回転させる。出入領域を除く領域の回転テーブル１２は常時回転 し続け、ノズル管２８〜３０からは常時噴出がなされて、回転する洗浄物を洗浄 処理することになる。洗浄完了品が最終段領域から出入領域に送り込まれてくる と、前記したとおりアイドル歯車１７と大歯車１６との噛合いが外れて洗浄物の 回転は停止するから、作業者は安全に取出作業ができる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は、洗浄物に回転を与えて洗浄処理を継続させた状態の儘でも、洗浄処 理を完了した洗浄物は回転停止の状態で出入領域に送られて来るので、安全に取 出し作業ができるだけでなく、従来のような領域が変わる毎に生じさせた中断時 間がなくなって、能率の向上に資するところが大である。また洗浄物が出入領域 から最初の洗浄処理領域に送り出されるときには自動的に回転状態になるので、 面倒がなく省力的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案になる多室回転テーブル式洗浄機の全体
斜視図である。

【図２】図１の洗浄機の駆動系を明らかにした断面図で
ある。

【図３】図２の洗浄機の横断面図である。

【図４】アイドル歯車が働いているときの断面図であ
る。

【図５】アイドル歯車が働いていないときの断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 洗浄機本体 ６ 回転円板 ７ 仕切板 １２ 回転テーブル １３ 回転駆動装置 ２３ バネ ２４ 縦短軸 ２８ 案内部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗浄機本体１内に設けた洗浄物搬送用の
   回転円板６が洗浄物の出入領域から最終洗浄処理領域に
   移動の間に上記洗浄物に対して洗浄処理が施され、出入
   領域から取出すようにした旋回式洗浄機において、上記
   回転円板６は放射状に立設した仕切板７，７…によって
   上記領域数に等分割し、各分割箇所には回転テーブル１
   ２を同心円上に夫々回転自在に配設し、その回転テーブ
   ル１２の回転駆動装置１３にはバネ２３によって弾圧さ
   れ定位置を占めるアイドル歯車１７を設け、そのアイド
   ル歯車１７の縦短軸２４側と協働して回転テーブル１２
   の回転停止を行う案内部材２８を最終洗浄処理領域と取
   出領域に跨げて取付けたことを特徴とする多室回転テー
   ブル式洗浄機。