JPH0657425U - 排気ガス浄化用触媒担持体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯状で平坦な金属板と波形の金属板とを重ね
合わせ渦巻き状に形成した触媒担持体において、高温の
排気ガスによる熱膨張を円滑に吸収すると共に、平坦プ
レートと波形プレートとを密着することができる耐久性
の高い触媒担持体を提供すること。 【構成】 波形プレートの波のピッチの多数倍のピッチ
間隔で、パルス的に且つ波形プレートの波の振幅より小
さい振幅のパルス波を平坦プレートに形成し、そのパル
ス波が波形プレートの適宜な波に嵌入するように構成さ
れたもの。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は金属製の排気ガス浄化用触媒担持体であって、夫々帯状の平坦プレー トと波形プレートとを重ね合わせ、それらを密に渦巻き状に巻回してハニカム体 を構成したものに関し、特に高温の排気ガスにより生ずる熱膨張を容易に吸収す ると共に、ハニカム体の渦巻き状態を密にそのまま保持し得るものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

車両用エンジンの排気ガス浄化用触媒担持体として、平坦な鋼板と波形の鋼板 とを交互に重ね合わせて渦巻き状に形成し、それらの外周にケーシングを被嵌し て、各プレート間の一部をろう付固定したものが特公昭６３−４４４６６号公報 記載のものとして提案されている。このハニカム体は、全く平坦な帯状のプレー トを波形プレートに重ね合わせて密巻に巻回したものである。この担持体は６０ ０〜７００℃程の排気ガスが流通することにより、平坦プレートが１ｍあたり７ ミリ程の歪みを生じるため、ろう付部が剥離したりハニカム体が変形したりする 虞がある。 このようなハニカム体の熱膨張を吸収するものとして、特開昭０２−２６５６ ５２号の金属製触媒担体が提案されている。これは平坦プレートの代わりに、波 形金属板の波形状に比較して微小な波形状を、平坦な金属板に付与することによ り、過酷な熱サイクルを受けても破損しないと記載されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

平坦プレート表面に微細な波形を形成し、それと波形プレートとを接合して過 酷な熱サイクルに対処したものは、波形プレートと平坦プレートとが密着し難い 。そのため両者を重ね合わせて密巻に巻回しにくい欠点がある。それと共に、微 細な凹凸を有する平坦プレートの凹凸の存在により、ハニカム体全体が歪みやす い欠点がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

そこで本考案は、上記課題を解決するために次の構成をとる。即ち、夫々帯状 に形成された平面が平滑な平坦プレート１と帯の長手方向に波が進行する波形プ レート２とが重ね合わされ、それらが密に渦巻き状に巻回されてハニカム体を構 成した排気ガス浄化用触媒担持体において、前記波形プレート２の波のピッチの 多数倍のピッチ間隔で、パルス的に且つ前記波形プレート２の波の振幅より小さ い振幅のパルス波３を平坦プレート１に曲折形成する。そしてパルス波３が波形 プレート２の適宜な波に嵌入するように構成したことを特徴とする。

【０００５】

【作用】

本考案の触媒担持体によれば、熱歪が円滑に吸収されると共に、平坦プレート １と波形プレート２とを密着させ、それを密に渦巻き状に巻回することが可能と なる。それにより、各エレメント間の隙間のない、耐久性の高いハニカム体を形 成することができる。

【０００６】

【実施例】

次に、図面に基づいて本考案の実施例につき説明する。 図１は、本考案の触媒担持体を構成する平坦プレート１と波形プレート２との 展開状態を示す説明図。図２は同触媒担持体の製造方法の一例を示す説明図、図 ３は同触媒担持体の斜視略図である。この触媒担持体は夫々帯状に形成された表 面が平滑な平坦プレート１と帯の長手方向に波が進行する波形プレート２とを有 し、平坦プレート１は、波形プレート２の多数ピッチごとにパルス波３が形成さ れている。このパルス波３の一つの波は、波形プレート２の一つの波の振幅及び 波の進行幅より夫々小さいものであると共に、パルス波の稜線の長さは波形プレ ート２のそれと同一である。このような平坦プレート１と波形プレート２とを重 ね合わせ図２の如く両者を渦巻き状に形成してハニカム体を構成し、その外周に ケーシング４を図３の如く被嵌したものである。なお、平坦プレート１と波形プ レート２及びそれらとケーシング４との間は、その一部をろう付固定することも できる。

【０００７】 又、ろう付けの代わりに両者間の一部に凹凸部を設け、それらを互いに整合し てハニカム体の軸方向への移動を阻止するように構成してもよい。平坦プレート １と波形プレート２との表面には、排気ガス浄化用触媒物質が被覆される。そし て、使用中排気ガスがハニカム体の軸方向に流通する。この排気ガスは６００〜 ７００℃程の高温であるため、平坦プレート１及び波形プレート２が熱膨張する 。この熱膨張分は、平坦プレート１と波形プレート２間がろう付け固定されてい る場合には、パルス波３の部分で吸収される。また、平坦プレート１及び波形プ レート２間がろう付けされていない場合においては、平坦プレート１はパルス波 ３部分で、波形プレート２は各波が変形することによりその熱歪みが吸収される 。

【０００８】

【考案の効果】

本考案の触媒担持体は、波形プレート２のピッチの多数倍のピッチ間隔で、平 坦プレート１にパルス波３を曲折形成し、それが波形プレート２の波に嵌入する ように構成したから、高温の排気ガスによる熱膨張を、パルス波３部分で容易に 吸収することができる。しかも、平坦プレート１のパルス波３は、波形プレート ２のピッチの多数倍のピッチ間隔であるため、パルス波３以外の大部分の平滑な 面と波形プレート２とが密着し、それらが密に渦巻き状に巻回されたハニカム体 を容易に構成することができる。それにより、密度の高い触媒担持体を提供し、 排気ガス浄化能力を高めることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の触媒担持体を構成する平坦プレート１
と波形プレート２との展開斜視図。

【図２】同触媒担持体の製造方法を示す説明図。

【図３】同触媒担持体の斜視略図。

【符号の説明】

１ 平坦プレート ２ 波形プレート ３ パルス波 ４ ケーシング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 夫々帯状に形成された表面が平滑な平坦
   プレート１と帯の長手方向に波が進行する波形プレート
   ２とが重ね合わされて、それらが密に渦巻き状に巻回さ
   れてハニカム体を構成した排気ガス浄化用触媒担持体に
   おいて、前記波形プレート２の波のピッチの多数倍のピ
   ッチ間隔でパルス的に且つ、前記波形プレート２の波の
   振幅より小さい振幅のパルス波３を前記平坦プレート１
   に曲折形成し、該パルス波３が前記波形プレート２の適
   宜な波に嵌入するように構成されたことを特徴とする排
   気ガス浄化用触媒担持体。