JP2577571B2 - 排気ガス浄化用触媒の担持母体の製造方法 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒の担持母体の製造方法

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JP2577571B2 JP62214376A JP21437687A JP2577571B2 JP 2577571 B2 JP2577571 B2 JP 2577571B2 JP 62214376 A JP62214376 A JP 62214376A JP 21437687 A JP21437687 A JP 21437687A JP 2577571 B2 JP2577571 B2 JP 2577571B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、排気ガス浄化用の触媒が被着される、担持
母体の製造方法に関する。自動車のエンジン等の排気ガ
スから、これに含まれる有害物質を無害化処理して清浄
化すべく、触媒反応装置が排気管の途中等に設けられて
いる。そして本発明は、このような触媒反応装置に用い
られるものであり、触媒が塗布,吹き付け等により空気
通路に面したその内表面に被着される、排気ガス浄化用
触媒の担持母体の製造方法に関するものである。
「従来の技術」 従来のこの種ハニカム構造体たる担持母体の製造方法
にあっては、第5図の担持母体の概略図に示すごとく、
帯状の平板材1と波板材2とを交互に重ね合わせて巻き
取る際に、相互間の重合,接触個所を、ろう材A又は溶
接等により接合し、もってハニカム状の担持母体が製造
されていた。なおこのような接合は、その巻き取り状態
を保持するため、すなわち巻き戻し防止および排気ガス
の通過によるその軸方向へのずれ防止のために、実施さ
れていた。
「発明が解決しようとする問題点」 ところで、このような従来の担持母体の製造方法にあ
っては、次の問題点が指摘されていた。まず第1に、製
造された担持母体について、触媒の被着面積が比較的狭
く、もって有害物質の処理能力に問題が指摘されてい
た。すなわち、第6図の要部拡大説明図に示すごとく、
平板材1と波板材2とを接合するろう材A又は溶接等
が、接合対象たる両者間の重合,接触個所から、毛細管
現象により更に広がってはみ出してしまい、もって両者
間の隅部も、このようにはみ出したろう材A′又は溶接
等で、埋められてしまっていた。
そこで事後、触媒Bを平板材1と波板材2の内表面に
被着する際に、この隅部にはみ出したろう材A′等の分
だけ、その被着面積が狭く制限されることになる。従っ
て、触媒反応装置における使用に際しても、その分だ
け、触媒Bの空気通路Cを流れる排気ガスに対する接触
面積が狭くなり、もって、含まれた有害物質の処理能力
が劣化し問題となっていた。
第2に、ろう材A又は溶接等を用いた接合工程を要す
るので、コスト面,時間面,効率面,設備面、等にも問
題が生じていた。すなわち、ろう材A又は溶接等を用い
るので、その分だけ材料がコスト高となり、又、その接
合工程の分だけ製造時間が長時間化するとともに、ろう
材A等の仮止め等のためのセット作業が複雑かつ面倒で
効率が悪く、更に、このような接合のためには加熱加工
設備等の設備も必要となる、等々の問題が指摘されてい
た。従来例では、このような問題が指摘されていた。
本発明は、このような実情に鑑み、上記従来例の問題
点を解決すべくなされたものであって、所定の拘束補助
材や拘束部材を用いてなることにより、第1に、巻き取
り状態が確実に保持されるとともに、第2に、触媒の被
着面積を広くすることができ、第3に、製造工程も簡単
容易化される、排気ガス浄化用触媒の担持母体の製造方
法を提案することを目的とする。
「問題点を解決するための手段」 この目的を達成する本発明の技術的手段は、次のとお
りである。この排気ガス浄化用触媒の担持母体の製造方
法では、まず、帯状の平板材と、凹凸を備えた所定形状
が連続的に曲折形成された帯状の波板材と、軸状をなす
拘束補助材と、該拘束補助材の両端にそれぞれ固着又は
一体成形された直線状の各拘束部材と、が準備される。
そして、該平板材と波板材とを交互に重ね合わせつつ該
拘束補助材に巻き取り、もって、ハニカム状をなし多数
の内表面に触媒が被着されることになる担持母体本体を
形成した後、その外周端部の該平板材を、その内側の該
平板材又は波板材に接合する。これと共に、該担持母体
本体を軸の位置で貫通する該拘束補助材の両端に固着又
は一体成形されたことにより、該担持母体本体の軸の位
置を通る該拘束部材と、該担持母体本体の開口面全体に
掛け渡すことにより、該担持母体本体を拘束して、該担
持母体本体の巻き取り状態を保持せしめるようにしたこ
と、を特徴とする。
「作用」 本発明は、このような手段よりなるので、次のごとく
作用する。この製造方法では、平板材と波板材を拘束補
助材に巻き取って、担持母体本体を形成する。それか
ら、外周端部の平板材をその内側の平板材や波板材に接
合すると共に、担持母体本体の開口面に、拘束補助材に
固着や一体成形された拘束部材が、軸の位置を通るよう
に掛け渡される。
そこで第1に、製造された担持母体本体つまり担持母
体では、外周端部の平板材が内側の平板材又は波板材に
接合されると共に、開口面を介し外周端部の平板材間に
拘束部材が掛け渡されているので、巻き取りに伴う巻き
戻し・ほどけ等は、確実に防止される。又、開口面全体
に軸の位置を通るように拘束部材が掛け渡されているの
で、事後の使用に際し排気ガスの流れに伴い、巻き取ら
れた平板材や波板材が軸方向にずれることも、確実に防
止される。又、平板材や波板材は拘束補助材に巻き取ら
れているので、特にずれやすい中心側のずれが防止さ
れ、確実な真円への巻き取りも実現される。これに加え
拘束部材は、拘束補助材の固着又は一体成形されること
により、補強されると共に位置決めされており、もって
拘束部材のこのような巻き取り状態の保持作用が、確実
に担保され裏付けされている。
第2に、そしてこのような巻き取り状態の保持用とし
て、拘束補助材と拘束部材が採用され、ろう材又は溶接
等は用いられていない。そこで、平板材と波板材との重
合,接触個所から、ろう材等が毛細管現象により広が
り、はみ出すという現象は発生せず、両者の隅部も空間
のまま確保され、触媒の被着面積が広く排気ガスに対す
る接触面積も広くなる。
第3に、この製造方法によると、接合工程が不要とな
り、製造工程が簡単,容易化される。すなわち、ろう材
又は溶接等は用いられないので、製造時間が短縮化さ
れ、複雑かつ面倒な仮止め等のセット作業もなく、加熱
加工設備等の設備も不要である。更に、平板材や波板材
を拘束補助材に巻き取るので、巻き取り作業が簡単容易
化される。
「実施例」 以下本発明を、図面に示す実施例に基づいて詳細に説
明する。まず、その構成等について、準備工程,担持母
体本体形成工程,拘束工程,使用例の順に説明する。そ
して第1図および第2図は、参考例の概略斜視図であ
り、第3図は、本発明の実施例の説明に供し、(1)図
は概略斜視図、(2)図は縦断面図であり、第4図は、
その要部拡大説明図である。
この製造方法では、まず最初に、平板材1と波板材2
とが準備される。すなわち、第1図や第2図の参考例、
第3図の本発明の実施例共に、帯状の平坦な平板材1
と、凹凸を備えた所定形状が連続的に曲折形成された帯
状の波板材2と、が準備される。
この平板材1および波板材2としては、鋼材,各種合
金材,その他の金属材よりなる薄板,箔等が適宜選択さ
れ、所定幅と長さに形成された帯状のものが用いられ
る。波板材2は、平板材1に対し、プレス型,歯車等を
用いるコルゲート法により、その厚み方向に凹部と凸部
とを備えた所定形状を、連続的に曲折形成せしめたもの
である。曲折形成される連続的な形状としては、例えば
六角形を2等分した台形空間を形成する凹部,凸部のほ
か、三角形状,曲波形状,その他の各種波形状、多角形
状、凹曲・凸曲状、その他の各種形状が可能である。こ
のように平板材1と波板材2とが、準備される。
これと共に予め別途、第1図の参考例では、拘束手段
4として、直線状の拘束部材5と外筒6とが準備され
る。第2図の参考例では、拘束手段4として、直線状の
拘束部材5が準備される。そして、第3図の本発明の実
施例では、拘束手段4として、軸状をなす拘束補助材9
と、拘束補助材9の両端にそれぞれ固着又は一体成形さ
れた直線状の各拘束部材5と、が準備される。
そして次に、担持母体本体3が形成される。すなわ
ち、上述した準備工程で準備された平板材1と波板材2
とを、交互に重ね合わせて一定中心にて螺旋状に巻き取
る。もってハニカム状をなし、多数の内表面に触媒B
(第4図を参照)が被着されることになる、担持母体本
体3が形成される。ハニカム構造体たる担持母体本体3
は、その多数の内表面により、断面積の小さな多数の空
気通路Cが軸方向に沿って形成される。すなわち、ハニ
カム状をなす担持母体本体3は、その巻き取られた平板
材1と波板材2とで形成されるセル壁により、セル空間
たる空気通路Cがセル軸方向に形成される。
そして、このような担持母体本体3の形成、つまり平
板材1と波板材2との巻き取りは、第1図の参考例や第
2図の参考例では、上述したところにより、そのまま実
施される。これに対し、第3図の本発明の実施例では、
これに加え更に拘束補助材9が用いられる。つまり、平
板材1と波板材2とを交互に重ね合わせつつ拘束補助材
9に巻き取り、もって、ハニカム状をなし多数の内表面
に触媒Bが被着されることになる、担持母体本体3が形
成されるようになっている。担持母体本体3は、このよ
うに形成される。
しかる後、拘束が行われる。すなわち、上述した形成
工程を辿って得られた担持母体本体3の外表面を、拘束
手段4により拘束して、担持母体本体3の巻き取り状態
を保持せしめるが、この拘束手段4は、担持母体本体3
の開口面に掛け渡される拘束部材5を有してなる。この
ような拘束手段4,拘束部材5による拘束工程について、
第1図の参考例や第2図の参考例のものと、第3図の本
発明の実施例のものとを比較し、その共通点や相違点に
ついて詳述する。
まず、第1図の参考例では、拘束手段4として、拘束
部材5と外筒6とが用いられている。すなわち、前述に
より平板材1と波板材2とを巻き取って形成された担持
母体本体3は、頂面および底面が開放された円筒状のケ
ースたる外筒6内に収納される。そして、細いテープ・
バンド状の拘束部材5が複数、外筒6の開放された頂面
および底面から露出した担持母体本体3の上下の両開口
面に、それぞれ所定のごとく掛け渡される。拘束部材5
の両端は、溶接7又はロック機構により、外筒6の周縁
に接合される。又、第1図の(1)図には、直線状の拘
束部材5が、担持母体本体3の開口面で略十字状に軸の
位置で交叉しているものが、(2)図には、直線状の拘
束部材5が、同開口面で網状に交叉しているものが、
(3)図には、略U字状の拘束部材5を複数組み合わせ
てなり、その頂部どおしも軸の位置で溶接7等により接
合してなるものが、それぞれ示されている。次に、第2
図の参考例では、拘束手段4として、全体に掛け渡され
た拘束部材5が用いられている。すなわち、巻き取りに
より形成された担持母体本体3は、その外周端部の平板
材1がその内側の平板材1又は波板材2と溶接8等によ
り接合される。これとともに、直線状の拘束部材5が軸
の位置を通り無端状に、担持母体本体3の外表面全体に
掛け渡されてなり、第1図の拘束方式にて用いられた外
筒6は、この第2図の拘束方式では用いられていない。
そして第2図の(1)図には、拘束部材5が担持母体本
体3の上下の両開口面で略十字状に交叉しているもの
が、(2)図には、拘束部材5が同開口面で三つ又状に
交叉しているものが、それぞれ示されている。なお、上
述の(2)図に示された拘束方式は簡略であり、製造工
程の簡略化の面において特に優れるという利点がある。
そして、第3図の本発明の実施例では、拘束手段4と
して、例えば三つ又状に交叉した拘束部材5と、拘束補
助材9とが用いられている。すなわち、この第3図の本
発明の実施例にあっては、前述の第2図の(2)図で説
明した拘束部材5等の構成に加え、次の拘束補助材9が
用いられており、巻き取り状態の保持の面において優れ
るという利点がある。すなわち、この拘束補助材9は、
巻き取られた担持母体本体3を軸の位置で貫通して、上
下端を上下の開口面で拘束部材5にそれぞれ固着されて
なっている。なお拘束補助材9は、拘束部材5と一体成
形してもよい。そして、平板材1と波板材2とをこの拘
束補助材9に巻き取ることにより、担持母体本体3が形
成される。
つまり、この第3図の本発明の実施例では、前述した
ように、平板材1と波板材2を軸状の拘束補助材9に巻
き取った後、図面上からも明らかなように前述した第2
図の例に準じ、その外周端部の平板材1を、その内側の
平板材1又は波板材2に溶剤8等により接合する。これ
と共に、担持母体本体3を軸の位置で貫通する拘束補助
材9の両端に固着又は一体成形されたことにより、担持
母体本体3の軸の位置を通る各拘束部材5を、担持母体
本体3の開口面全体に掛け渡すことにより、担持母体本
体3を拘束して、担持母体本体3の巻き取り状態を保持
せしめる。
なお第1に、本発明の拘束手段4の拘束部材5は、上
述の図示例の三つ又状に交叉したものに限定されず、そ
の他各種の形状のものの採用が考えられ、又、開口面へ
の掛け渡し方式も、図示例のように外周の平板材1に固
定する方式のほか、その他各種の掛け渡し方式が考えら
れ、その際、前述した第2図の参考例も参考になる。な
お第2に、上述した拘束部材5や拘束補助材9等の材質
には特に制限はなく、各種の金属が適宜選択使用され
る。本発明において拘束は、このような拘束手段4,拘束
部材5,拘束補助材9等を用いて行われる。この製造方法
では、このような準備工程,担持母体本体3形成工程,
拘束工程を辿り、担持母体本体3そして担持母体が製造
される。
次に、担持母体の使用例について述べておく。このよ
うにして製造された担持母体は、次のごとく使用され
る。すなわち事後まず、第4図の要部拡大説明図に示す
ごとく、空気通路Cを形成する担持母体本体3の各内表
面に、例えば白金,ロジューム等の触媒Bが塗布,吹き
付け等により、層をなし被着される。それから、自動車
のエンジン等の排気ガスの排気管の途中に設けられた触
媒反応装置内に、組み込まれる。そして、窒素酸化物
(NOx)や一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)のような
有害物質を多量に含んだ排気ガスが、その空気通路C中
を流れることにより触媒Bと接触し、もって有害物質
が、触媒Bにより無害化処理されることになる。このよ
うにして排気ガスは、清浄化されて大気中に放散され、
大気が有害物質により汚染されることが防止される。担
持母体は、このように使用される。
本発明に係る排気ガス浄化用触媒の担持母体の製造方
法は、以上説明したごとく構成されている。そこで以下
のようになる。この製造方法では、まず、平板材1と波
板材2を拘束補助材9に巻き取り、もって、ハニカム状
をなし内表面に触媒Bが被着されることになる、担持母
体本体3を形成する。それから、その外周端部の平板材
1をその内側の平板材1や波板材2に接合すると共に、
この担持母体本体3の開口面に、拘束補助材9に固着や
一体成形された拘束部材5が、軸の位置を通るように掛
け渡され、もって、担持母体本体3の巻き取り状態が保
持せしめられる。そこで、次の第1,第2,第3のようにな
る。
第1に、この製造方法にて製造された担持母体本体3
つまり担持母体では、まず外周端部の平板材1がその内
側の平板材1又は波板材2に接合され、かつ、その開口
面を介しこのような外周端部の平板材1自体間に拘束部
材5が掛け渡されているので、平板材1や波板材2の巻
き取りに伴う巻き戻し・ほどけ等は、このような拘束に
より確実に防止される。又、開口面全体に軸の位置を通
るように拘束部材5が掛け渡されているので、事後の使
用に際しての排気ガスの軸方向への流れに伴い、巻き取
られた平板材1や波板材2が、軸方向にずれることも、
確実に防止される。このようにして、この担持母体本体
3そして担持母体は、その形が崩れにくく、巻き取り状
態が確実に保持される。
又、この担持母体本体3つまり担持母体では、平板材
1や波板材2は、拘束補助材9に巻き取られると共に、
拘束部材5が軸の位置を通っているので、特に軸方向に
ずれやすい中心側のずれが防止され、更に、巻き取り時
においても楕円等にならず、確実な真円に巻き取られ
る。このような面からも、担持母体本体3の巻き取り状
態が確実に保持される。これに加え、この担持母体本体
3つまり担持母体では、拘束補助材9の両端にそれぞ
れ、拘束部材5が固着又は一体成形されている。従っ
て、拘束部材5が拘束補助材9にて補強されると共に、
軸を通る所定位置に位置決めされており、拘束部材5の
前述した巻き取り状態の保持作用が、確実に担保され裏
付けされている。
第2に、そしてこのような巻き取り状態の保持用とし
て、この製造方法による担持母体では、拘束補助材9と
拘束部材5を用いる拘束方式が採用され、ろう材A(第
5図,第6図等を参照)又は溶接等による接合方式は用
いられていない。そこで、平板材1と波板材2との重
合,接触個所から、用いられたろう材A等が毛細管現象
により広がり、はみ出したろう材A′が両者間の隅部に
介在するという現象は発生しない。従って第4図に示し
たように、担持母体本体3を形成する平板材1と波板材
2との隅部も、空間のまま確保され、その分だけ触媒の
被着面積が広くなり、その分だけ、その排気ガスに対す
る接触面積も広くなる。
第3に、この製造方法によると、接合工程が不要とな
り、その分だけ製造工程が簡単,容易化される。すなわ
ち、ろう材A又は溶接等は用いらないので、その分だけ
製造時間が短縮化され、複雑かつ面倒な仮止め等のセッ
ト作業もなく、又加熱加工設備等の設備も不要である。
更に、この製造方法によると、平板材1や波板材2を拘
束補助材9に巻き取るので、巻き取り作業が簡単容易化
される。
「発明の効果」 本発明に係る排気ガス浄化用触媒の担持母体の製造方
法は、以上説明したごとく、所定の拘束補助材や拘束部
材を用いてなることにより、次の効果を発揮する。
第1に、担持母体本体つまり担持母体は、巻き取り状
態が確実に保持され、その品質に優れてなる。
すなわち、この製造方法にて製造された担持母体本体
つまり担持母体では、まず、ひの平板材や波板材の巻き
取りに伴う巻き戻し・ほどけ等が、外周端部の平板材を
その内側の平板材又は波板材に接合してなることに加
え、開口面に掛け渡された拘束部材の存在により、確実
に防止される。又、巻き取られた平板材や波板材が、排
気ガスの流れに伴いその軸方向にずれることも、開口面
に軸の位置を通るように掛け渡された拘束部材の存在に
より、確実に防止される。このように、この担持母体で
は、巻き取り状態が確実に保持される。
特に、巻き取られた平板材や波板材は、担持母体本体
つまり担持母体の外周側に比べ中心側ほど、排気ガスの
流れに伴い軸方向にずれやすいが、拘束補助材に巻き取
られると共に、拘束部材が軸の位置を通っている関係
上、このようなずれは確実に防止される。更に、平板材
や波板材の巻き取りに際しても、拘束補助材に巻き取る
ので、楕円等にならず確実に真円に巻き取られる。この
ような面からも、この担持母体では、巻き取り状態が確
実に保持される。
更に、前述により巻き取り状態を保持する拘束部材
が、拘束補助材の両端にそれぞれ固着又は一体成形され
ているので、拘束部材が拘束補助材にて補強されると共
に位置決めされ、もってその損傷や位置ずれ等も回避さ
れる。従って、上述したように拘束部材にて巻き取り状
態が保持されるという効果は、この面からも、確実に担
保され裏付けされている。
第2に、触媒の被着面積を広くすることができ、排気
ガスに対する接触面積が広くなって、含まれた有害物質
の処理能力が著しく向上する。つまり、この製造方法に
て製造された担持母体では、前述したこの種従来例のよ
うに、平板材と波板材とを接合するろう材や溶接等が、
本来の接合対象個所から広がってはみ出し両者間の隅部
を埋めてしまうようなことがなくなり、もって触媒の被
着面積が狭く制限されてしまうことも回避される。
第3に、製造工程が大幅に簡単容易化される。すなわ
ち、この製造方法では、平板材や波板材を拘束補助材に
巻き取るので、巻き取り作業性が向上する。更に、前述
したこの種従来例のようにろう材又は溶接等を用いない
ので、その分、材料コスト面に優れると共に、製造時間
も短縮化されて時間面にも優れ、又、複雑かつ面倒な仮
止め等のセット作業もなく効率面も向上し、しかも、加
熱加工設備等の設備も不要で設備面も簡略化し、省エネ
ルギー面にも優れるようになる。このように、この種従
来例に存した問題点が一掃される等、本発明の発揮する
効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、拘束手段として拘束部材と外筒とが用いられ
てなる、参考例たる排気ガス浄化用触媒の担持母体の製
造方法の説明に供し、その担持母体の概略斜視図であ
り、(1)図は拘束部材が略十字状に交叉しているも
の、(2)図は拘束部材が網状に交叉しているもの、
(3)図は略U字状の拘束部材を複数組み合わせてなる
ものを、それぞれ示している。 第2図は、拘束手段として全体に掛け渡された拘束部材
が用いられてなる、参考例たる排気ガス浄化用触媒の担
持母体の製造方法の説明に供し、その担持母体の概略斜
視図であり、(1)図は拘束部材が略十字状に交叉して
いるもの、(2)図は拘束部材が三つ又状に交叉してい
るものを、それぞれ示している。 第3図は、本発明に係る排気ガス浄化用触媒の担持母体
の製造方法について、その実施例の説明に供し、拘束手
段として三つ又状に交叉した拘束部材と拘束補助材とが
用いられてなるものを示し、(1)図はその概略斜視図
であり、(2)図はその縦断面図である。第4図は、同
実施例の担持母体に触媒が被着された状態を示す、要部
拡大説明図である。 第5図は、従来例に係る排気ガス浄化用触媒の担持母体
の製造方法の説明に供するものであり、(1)図はその
担持母体の概略正面図、(2)図は同概略斜視図であ
る。第6図は、第5図の担持母体に触媒が被着された状
態を示す、要部拡大説明図である。 1……平板材 2……波板材 3……担持母体本体 4……拘束手段 5……拘束部材 6……外筒 7……溶接 8……溶接 9……拘束補助材 A……ろう材 A′……ろう材 B……触媒 C……空気通路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】帯状の平板材と、凹凸を備えた所定形状が
    連続的に曲折形成された帯状の波板材と、軸状をなす拘
    束補助材と、該拘束補助材の両端にそれぞれ固着又は一
    体成形された直線状の各拘束部材と、を準備し、 該平板材と波板材とを交互に重ね合わせつつ該拘束補助
    材に巻き取り、もってハニカム状をなし多数の内表面に
    触媒が被着されることになる担持母体本体を形成した
    後、その外周端部の該平板材をその内側の該平板材又は
    波板材に接合すると共に、 該担持母体本体を軸の位置で貫通する該拘束補助材の両
    端に固着又は一体成形されたことにより、該担持母体本
    体の軸の位置を通る該拘束部材を、該担持母体本体の開
    口面全体に掛け渡すことにより、該担持母体本体を拘束
    して、該担持母体本体の巻き取り状態を保持せしめるよ
    うにしたこと、を特徴とする排気ガス浄化作用触媒の担
    持母体の製造方法。
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