JPH0657084A - 外観に優れたゴム変性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

外観に優れたゴム変性スチレン系樹脂組成物

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JPH0657084A
JPH0657084A JP20868692A JP20868692A JPH0657084A JP H0657084 A JPH0657084 A JP H0657084A JP 20868692 A JP20868692 A JP 20868692A JP 20868692 A JP20868692 A JP 20868692A JP H0657084 A JPH0657084 A JP H0657084A
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rubber
weight
resin
styrene
modified styrene
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Kazuhiko Sho
和彦 正
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外観特性,耐傷性に優れたゴム変性スチレン
系樹脂組成物を提供する。 【構成】 ゴム状弾性体を分散粒子とし、連続相がスチ
レン系単量体80〜20重量%、アクリル酸(メタクリ
ル酸)エステル単量体20〜80重量%よりなるゴム変
性スチレン系樹脂であり、ゴム状弾性体の含有量が1〜
20重量%であり、ゴム状弾性体の分散粒子径が0.2
〜2.5μであり,かつ,0.5μ未満の粒子径を有す
るものと0.5μ以上の粒子径を有するものの割合が体
積比で9:1〜2:8であり、ゴム変性スチレン系樹脂
100重量部当たり0.01〜3重量部の有機ポリシロ
キサンを含有することを特徴とする外観に優れたゴム変
性スチレン系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐傷性、光沢に優れた熱
可塑性樹脂に関する。さらに詳しくは、ゴム状弾性体を
分散粒子とし、スチレン系単量体、アクリル酸(メタク
リル酸)エステル単量体からなる共重合体を連続相とす
るゴム変性スチレン系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】HIPS樹脂、ABS
樹脂に代表されるゴム変性スチレン系樹脂は電気、電子
機器部品、OA機器等に広く使用されている。耐衝撃
性、成形加工性等種々の特性が要求されているが、特に
表面特性(耐傷性、外観)の要求が厳しい。耐傷性向上
の為にシリコーン・オイル等の潤滑剤を添加し表面滑り
性を向上させる方法が用いられているが、改良効果は不
十分であり、又、添加剤による外観不良が起こり易い。
【0003】又、ポリメチルメタクリレート樹脂(PM
MA)のような高硬度な耐傷性を有する樹脂をABS樹
脂等に配合する方法も知られているが、成形性が著しく
低下するという欠点を有している。外観向上の為には、
ゴム状弾性体の粒子径を小さくする方法が公知である
が、強度の低下を招く。又、粒子径が大きいと外観を損
なう。HIPS樹脂では、小粒子径と大粒子径の双山分
布を有するゴム粒子形態が提案されているが、外観特性
は改良されているが、衝撃強度が低下しており、衝撃強
度低下を防ぐ為にゴム状弾性体の含有量を増やす結果剛
性が低下するというように、外観−強度のバランスが市
場要求を満足するには至っていない。
【0004】
【課題を解決する為の手段】本発明者らはかかる現状を
鑑み、鋭意検討した結果、ゴム状弾性体を分散粒子と
し、スチレン系単量体とアクリル酸(メタクリル酸)エ
ステル単量体からなる共重合体を連続相とするゴム変性
スチレン系樹脂が成形性、強度に優れ、特に耐傷性、外
観特性に優れていることを見いだし本発明を完成するに
至った。
【0005】すなわち本発明は、ゴム状弾性体を分散粒
子として含有するゴム変性スチレン系樹脂に於いて (ア)連続相が 化学式(A);
【0006】
【化3】
【0007】化学式(B);
【0008】
【化4】
【0009】で示される構成単位からなり、構成単位
(A),(B)の割合が (A):80〜20重量% (B):20〜80重量% (但し、(A)+(B)=
100重量%)であり、 (イ)ゴム状弾性体の含有量が1〜20重量%であり、
(ウ)分散相のゴム状弾性体分散粒子径が0.2〜2.
5μであり、かつ、0.5μ未満の粒子径を有するもの
と0.5μ以上の粒子径を有するものの割合が体積比で
9:1〜2:8であり、(エ)ゴム変性スチレン系樹脂
100重量部当たり0.01〜3重量部の有機ポリシロ
キサンを含有することを特徴とする外観特性に優れたゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物である。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。連続相を
形成するスチレン系単量体の量は80〜20重量%、ア
クリル酸(メタクリル酸)エステル単量体の量は20〜
80重量%(スチレン系単量体とアクリル酸(メタクリ
ル酸)エステル単量体の合計は100重量%)である。
好ましくはスチレン系単量体の量が30〜80重量%で
ある。スチレン系単量体の量が20重量%未満の場合は
耐傷性が劣り、80重量%を越える場合は成形性が著し
く悪くなり好ましくない。
【0011】連続相を形成するスチレン系共重合体の重
合度は特に限定されるものではないが、使用目的等を考
慮して、25℃における10重量%トルエン溶液粘度で
15センチポイズ〜80センチポイズ、より好ましくは
20センチポイズ〜70センチポイズの領域に設定する
ことができる。又、本発明のゴム変性スチレン系樹脂中
に含有されるスチレン系単量体、アクリル酸(メタクリ
ル酸)エステル単量体、重合溶媒の総量は0.10重量
%以下が食品衛生上の観点から好ましい。更に、スチレ
ン系単量体、アクリル酸(メタクリル酸)エステル単量
体より形成される二量体、三量体等のオリゴマーの総量
は0.8重量%以下、好ましくは0.6重量%以下に制
御することが好ましい。0.8重量%を越える場合は、
成形体の形状、成形条件によってはモールドスエット現
象の原因となり、成形品の外観を損ない、かつ生産性の
低下を招くことがあるので好ましくない。
【0012】本発明に於いて、スチレン系単量体として
は、スチレン,α−メチルスチレン,p−メチルスチレ
ン,p−t−ブチルスチレン等が用いられる。単独で用
いてもよく、混合して用いてもよい。本発明に於いて、
アクリル酸(メタクリル酸)エステル単量体としては、
メチルメタクリレート,エチルメタクリレート,ブチル
メタクリレート,エチルアクリレート,ブチルアクリレ
ート,シクロヘキシルアクリレートが好適に用いること
ができる。特に,メチルメタクリレート単独、あるいは
メチルメタクリレートとブチルアクリレート(そして/
あるいはブチルメタクリレート)混合品がより好適に用
いることができる。メチルメタクリレートとブチルアク
リレート(そして/あるいはブチルメタクリレート)混
合品を用いる場合は、ブチルアクリレート(そして/あ
るいはブチルメタクリレート)の量は連続相であるスチ
レン系共重合体の20重量%以下が好ましい。20重量
%を越える場合は耐熱性が低下し、成形体の実用範囲が
狭くなり好ましくない。
【0013】本発明のゴム状弾性体としては、常温でゴ
ム的性質を示すものであればよく、例えば、ポリブタジ
エン,スチレン−ブタジエン共重合体類,スチレン−ブ
タジエンブロック共重合体類,水添(部分水添)ポリブ
タジエン,水添(部分水添)スチレン−ブタジエン共重
合体類,水添(部分水添)スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体類,エチレン−プロピレン系共重合体類,エ
チレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体類,イ
ソプレン共重合体類,スチレン−イソプレン共重合体
類,シリコーンゴム類等である。
【0014】成形体が透明性(半透明性)を要求される
場合は、連続相を形成するスチレン系共重合体と屈折率
が同等又は近似したゴム状弾性体を用いることが好まし
い。本発明の分散相の粒子径は0.2μ〜2.5μが好
ましく、より好ましくは0.3μ〜2.0μである。分
散粒子径が0.2μ未満の時は強度補強効果が発現しな
い。又、分散粒子径が2.5μを超える場合は光沢の低
下が大きくなり好ましくない。本発明で言う分散粒子の
粒子径は特に断らない限り数平均粒子径を意味する。
【0015】0.5μ未満の粒子径分布を有するもの
と、0.5μ以上の粒子径分布を有するものの割合は
9:1〜2:8である。好ましくは、8:2〜3:7で
ある。0.5μ未満の粒子径を有する分散粒子の割合が
90%を越えると強度の低下が大きく、20%未満では
外観の低下が大きい。特にフローマーク等の外観不良現
象が顕著になる。本発明で言う分散粒子の割合は体積比
の割合を意味する。(レーザー解析方式粒子サイズアナ
ライザーを用いて測定する。) 本発明のゴム変性スチレン系樹脂中のゴム状弾性体の量
は1〜20重量%である。好ましくは3〜18重量%で
ある。
【0016】ゴム状弾性体の量が1重量%未満の時は強
度補強効果が発現しない。又、ゴム状弾性体の量が20
重量%を超える場合は、剛性が低くなり好ましくない。
ゴム状弾性体分散粒子の形態等は何ら制約はないが、分
散粒子の架橋度の目安であるメチルエチルケトンを用い
たゴム状弾性体分散粒子の膨潤指数は2.5〜8.5が
好ましい。膨潤指数が2.5未満の時は外観は向上する
が、強度が低下し、膨潤指数が8.5を越えると、外観
が低下し、特にフローマーク等の不良現象が顕著にな
り、成形品の外観特性を損なうようになる。
【0017】本発明で使用する有機ポリシロキサンは一
般式
【0018】
【化5】
【0019】で示される単位の繰り返しを骨格に含む重
合体である。例えば、ポリジメチルシロキサン,ポリメ
チルフエニルシロキサン,ポリジフエニルシロキサン及
びこれらの重合体の末端あるいは分子鎖中にエポキシ
基,水酸基,カルボキシル基,ビニル基,アミノ基,ア
ルコキシ基,フッ素等を導入したものが使用できる。有
機ポリシロキサンの分子量は特に限定されるものではな
い。
【0020】有機ポリシロキサンの含有量はゴム変性ス
チレン系樹脂100重量部当たり0.01〜3.0重量
部である。好ましくは0.02〜2.5重量部である。
0.01重量部未満の場合は、強度補強効果が小さく、
ゴム変性スチレン系樹脂の強度が低くなり好ましくな
い。3.0重量部を超える場合は、有機ポリシロキサン
が成形体表面にブリードアウトし、外観を損ねたり、印
刷特性を低下させたりするので好ましくない。
【0021】本発明のスチレン系樹脂を得るには、ゴム
補強ポリスチレン(HIPS樹脂)の製造で多用されて
いる方法を用いることができる。すなわち、ゴム状弾性
体をスチレン系単量体、アクリル酸(メタクリル酸)エ
ステル単量体、そして/又は重合溶媒、そして/又は重
合開始剤からなる原料溶液に溶解し、ゴム状弾性体が溶
解した原料溶液を攪拌機付き反応機に供給し、100℃
〜180℃の温度範囲で重合を行う。重合温度は、生産
性、反応機の除熱能力、目的としているゴム変性スチレ
ン系樹脂の流動性等を考慮して、公知の技術を用いて設
定することができる。分散粒子の粒子径は公知の技術、
攪拌機の回転数を制御することにより行うことができ
る。
【0022】重合終了後、未反応単量体、重合溶媒等を
除去する為に高温、真空下で処理し、ゴム変性スチレン
系樹脂を得る。本発明に於いて、ゴム状弾性体分散粒子
の膨潤指数は、重合終了後、未反応単量体、重合溶媒等
を除去する前、又は後、あるいは除去中の操作温度によ
り制御することができる。膨潤指数を低くするためには
操作温度を高くし、逆に膨潤指数を高くするためには操
作温度を低くすることより達成される。
【0023】本発明に於いて含有する有機ポリシロキサ
ンは原料溶液、重合反応機の途中あるいは重合反応機出
口あるいは回収系あるいはペレット化段階の任意の所で
公知の方法、技術を用いて添加することができる。又、
押出機を用いて練り込むか、あるいは成形時にペレット
とブレンドし成形機内で混合することも可能である。
【0024】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物は
連続的方法あるいは回分的方法いずれの方法でも製造で
きる。本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物は、スチ
レン系樹脂に慣用されている添加剤例えば、酸化防止
剤、滑剤、可塑剤、着色剤、紫外線吸収剤等を配合する
ことができる。
【0025】また、本発明のゴム変性スチレン系樹脂組
成物と他のスチレン系樹脂を混合して使用することも可
能である。本発明のスチレン系樹脂組成物は、一般に熱
可塑性樹脂の成形に用いられている公知の方法、例えば
射出成形、押出成形、圧縮成形等の成形方法によって、
各種成形体に成形されることができる。
【0026】なお、本発明の実施例における物性試験法
を以下に記す。 MFR:ISO R1133に準拠 IZOD衝撃強度:ASTM D256に準拠 GLOSS:成形温度=220℃、射出圧力=SSP+
5kg/cm2 、金型温度=60℃の条件でダンベル試
験片を成形し、ゲート側、反ゲート側をJIS Z87
41に準拠して、入射角20°で測定しゲート側、反ゲ
ート側の値の平均値をGLOSS値とする。
【0027】鉛筆硬度:JIS K5400に準拠 以下、実施例で本発明を具体的に説明する。本発明はこ
れらの実施例によって限定されるものではない。
【0028】
【実施例】
(ゴム変性スチレン系樹脂−1)攪拌機を備えた反応機
3基を直列に連結し、その後に二段ベント付き押出機を
配置した重合装置を用いてゴム変性スチレン系樹脂を製
造する。スチレン59.3重量部、メチルメタクリレー
ト17.7重量部、ゴム状弾性体7.5重量部(ゴム状
弾性体として、旭化成工業(株)のアサプレン720A
を使用)エチルベンゼン15.5重量部、1,1ビス
(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.015重
量部の原料溶液を重合反応機へ供給し、重合を行う。第
一段反応機の温度は125℃−135℃、第二段反応機
の温度は135℃−145℃、第三段反応機の温度は1
50℃−160℃で重合を行う。重合溶液を二段ベント
付き押出機に導き、240℃、10mmHgの条件下
で、未反応単量体、重合溶媒を除去し、ゴム変性スチレ
ン系樹脂を得る。この時、ゴム変性スチレン系樹脂10
0重量部当たり、ポリジメチルシロキサン0.1重量部
を二段ベント付き押出機に供給する。得られたゴム変性
スチレン系樹脂の物性を表1に記す。
【0029】(ゴム変性スチレン系樹脂−2〜6)第一
段反応機の攪拌数が異なる以外、ゴム変性スチレン系樹
脂−1と同様の条件で操作し、ゴム変性スチレン系樹脂
を得る。物性を表1に記す。 (ゴム変性スチレン系樹脂−7)スチレン38.5重量
部、メチルメタクリレート34.7重量部、ブチルアク
リレート3.8重量部、ゴム状弾性体7.5重量部(ゴ
ム状弾性体として、旭化成工業(株)のアサブレン72
0Aを使用)エチルベンゼン15.5重量部、1,1ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.015
重量部の原料溶液を用いる以外、ゴム変性スチレン系樹
脂−1と同様に操作しゴム変性スチレン系樹脂を得る。
得られたゴム変性スチレン系樹脂の物性を表1に記す。
【0030】(ゴム変性スチレン系樹脂−8〜13)第
一段反応機の攪拌数が異なる以外、ゴム変性スチレン系
樹脂−7と同様の条件で操作し、ゴム変性スチレン系樹
脂を得る。物性を表1に記す。
【0031】
【実施例1〜10,比較例1〜10】表2に示すゴム変
性スチレン系樹脂を用いて、物性を測定した。結果を表
3に示す。
【0032】
【比較例11,12】ポリジメチルシロキサンを添加し
ていない以外、ゴム変性スチレン系樹脂−1、ゴム変性
スチレン系樹脂−3、ゴム変性スチレン系樹脂−10と
同様に操作し、ゴム変性スチレン系樹脂−14、ゴム変
性スチレン系樹脂−15、ゴム変性スチレン系樹脂−1
6を得る。表2に示すゴム変性スチレン系樹脂を用いて
物性を測定する。結果を表3に示す。
【0033】
【比較例13,14】スチレン67.8重量部、メチル
メタクリレート9.2重量部、ゴム状弾性体7.5重量
部(ゴム状弾性体として、旭化成工業(株)のアサプレ
ン720Aを使用)エチルベンゼン15.5重量部、
1,1ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン
0.015重量部の原料溶液を用いる以外、ゴム変性ス
チレン系樹脂−1と同様に操作し、ゴム変性スチレン系
樹脂−17を得る。得られたゴム変性スチレン系樹脂の
物性を表2,表3に示す。
【0034】スチレン10.0重量部、メチルメタクリ
レート62.4重量部、ブチルアクリレート4.6重量
部、ゴム状弾性体7.5重量部(ゴム状弾性体として、
旭化成工業(株)のアサプレン720Aを使用)エチル
ベンゼン15.5重量部、1,1ビス(t−ブチルパー
オキシ)シクロヘキサン0.015重量部の原料溶液を
用いる以外、ゴム変性スチレン系樹脂−1と同様に操作
し、ゴム変性スチレン系樹脂−18を得る。得られたゴ
ム変性スチレン系樹脂の物性を表2,表3に示す。
【0035】
【参考例1,2】ゴム補強スチレン樹脂(HIPS樹
脂)中、光沢の優れた超高光沢HIPS樹脂(旭化成ポ
リスチレンEXG11)、光沢−強度バランスの優れた
ABS樹脂(旭化成スタイラック120)の物性値を表
3に示す。実施例1〜5、比較例1〜5の外観(GLO
SS)とアイゾット衝撃強度の関係を図1に、実施例6
〜10、比較例6〜10の外観(GLOSS)とアイゾ
ット衝撃強度の関係を図2に示す。
【0036】図1,図2から明らかのように、本発明の
構成要件、分散相のゴム粒子径が0.2μ〜2.5μで
あり、0.5μ未満のゴム粒子径を有するものと0.5
μ以上のゴム粒子径を有するものとの割合が9:1〜
2:8である時、外観と強度バランスは向上することが
理解できる。又、実施例3、実施例10と比較例11、
比較例12の比較から、有機ポリシロキサンの強度向上
効果も理解できる。
【0037】又、連続相のアクリル酸(メタクリル酸)
エステル単量体の割合が20重量%未満の場合は、強度
が低く、かつ、耐傷性(鉛筆硬度)が悪い。アクリル酸
(メタクリル酸)エステル単量体の割合が80重量%を
超える場合は、流動性が著しく低下する。参考例1,2
と比較することにより、本発明のゴム変性スチレン系樹
脂は従来のHIPS樹脂、ABS樹脂よりも成形性−強
度−外観−耐傷性バランスが著しく向上していることが
理解できる。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】本発明はゴム状弾性体を分散粒子とし、
スチレン系単量体、アクリル酸(メタクリル酸)エステ
ル単量体からなる共重合体を連続相とするゴム変性スチ
レン系樹脂であり、分散相のゴム粒子径を制御し、有機
ポリシロキサンを含有させることにより、従来のスチレ
ン系樹脂(HIPS樹脂、ABS樹脂)では得られなか
った成形性−強度−外観−耐傷性に優れたゴム変性スチ
レン系樹脂を与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】外観(GLOSS)とアイゾット衝撃強度の関
係と示す図である。
【図2】外観(GLOSS)とアイゾット衝撃強度の関
係と示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム状弾性体を分散粒子として含有する
    ゴム変性スチレン系樹脂に於いて (ア)連続相が 化学式(A); 【化1】 化学式(B); 【化2】 で示される構成単位からなり、構成単位(A),(B)
    の割合が (A):80〜20重量% (B):20〜80重量% (但し、(A)+(B)=
    100重量%)であり、 (イ)ゴム状弾性体の含有量が1〜20重量%であり、
    (ウ)分散相のゴム状弾性体分散粒子径が0.2〜2.
    5μであり、かつ、0.5μ未満の粒子径を有するもの
    と0.5μ以上の粒子径を有するものの割合が体積比で
    9:1〜2:8であり、(エ)ゴム変性スチレン系樹脂
    100重量部当たり0.01〜3重量部の有機ポリシロ
    キサンを含有することを特徴とする外観特性に優れたゴ
    ム変性スチレン系樹脂組成物。
JP20868692A 1992-08-05 1992-08-05 外観に優れたゴム変性スチレン系樹脂組成物 Withdrawn JPH0657084A (ja)

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