JPH0656989A - 酸化還元性ポリマーおよびその製造方法 - Google Patents

酸化還元性ポリマーおよびその製造方法

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JPH0656989A
JPH0656989A JP5066068A JP6606893A JPH0656989A JP H0656989 A JPH0656989 A JP H0656989A JP 5066068 A JP5066068 A JP 5066068A JP 6606893 A JP6606893 A JP 6606893A JP H0656989 A JPH0656989 A JP H0656989A
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polymer
unit
quinone
redox
group
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JP5066068A
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English (en)
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Taisuke Yokomichi
泰典 横道
Shinichi Tada
進一 多田
Yasumasa Hirai
康雅 平井
Takeshi Yo
武 楊
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水電解液が使用でき、二次電池の負極材及び
正極材として適した酸化還元性ポリマーを得る。 【構成】 ポリエチレンイミンなどの親水性ポリマーと
ハロキノンを反応させ、ポリマーの構成単位にキノン単
位を導入する。酸化還元性ポリマーは、ポリアリルアミ
ンとキノンとを、酸素などの酸化剤の存在下で反応させ
ることによっても得られる。無置換又は電子供与基を有
するハロキノンを用いると、負極材として適したポリマ
ーが得られ、電子吸引基を有するハロキノンを用いる
と、正極材として適したポリマーが得られる。キノン単
位の導入率は、親水性ポリマーの構成単位に対して10
〜100モル%である。反応は、親水性ポリマーの構成
単位1モルに対して、ハロキノン又はキノン0.2〜2
モルを用い、アルコールなどの溶媒の存在下で行なうこ
とができる。酸化還元性ポリマーで構成された負極材と
正極材を組合せると、水電解液を用いた二次電池を作製
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化還元性ポリマー、
より詳細には、二次電池用電極、特に正極及び負極材と
して有用な酸化還元性ポリマーおよびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型軽量化に伴なって、二次
電池の重量や大きさが、機器に占める割合が大きくなっ
ている。一方、導電性高分子を用いた二次電池は、種々
の利点を有する。すなわち、導電性高分子を用いると、
軽量化で、単位重量当りのエネルギー密度が大きく、金
属電極と比較して比表面積が大きいと共に、瞬間的に放
電可能な電気エネルギーか大きく、柔軟性に富む二次電
池を作製できる。
【0003】前記導電性高分子は、二次電池において、
主に正極材として使用されている。この正極材には通常
ポリアニリンが汎用されている。ポリアニリンは、水電
解液、有機電解液のいずれの電解液でも電気化学的に活
性であり、有機電解液を用いた場合、3V程度の起電力
が得られる。また、ポリアニリンは、高いエネルギー密
度が得られるため、リチウム又はリチウム合金を負極材
とし、有機電解液を用いた二次電池が製品化されてい
る。
【0004】しかし、負極材としてリチウムやリチウム
合金を用いているため、種々の問題が生じる。例えば、
二次電池の柔軟性に乏しく、リチウムなどの挿入脱離に
より体積の膨脹収縮が大きく、充電放電の繰返しにより
負極が微粉末化し劣化するなどの問題が生じる。さら
に、可燃性の有機電解液を用いるため、安全性の点でも
難点があるとともに、水電解液に比べて導電率が小さ
く、大電流が流せないなどの問題もある。
【0005】一方、負極材を水電解液で使用可能なポリ
マーで構成できるならば、ポリアニリンの正極剤と組合
せることにより、安全性、柔軟性に優れ、小型軽量化が
可能な二次電池を構成できる。
【0006】ポリマーからなる電極触媒として、2−ア
ントラキノンカルボニルクロライドとの反応により、ポ
リエチレンイミンにアントラキノンを導入した電極触媒
が提案されている[J. Electroanal. Chem., 117, 267-
281 (1981)]。
【0007】しかし、この電極触媒では、ポリエチレン
イミンの構成単位とアントラキノン単位とがオキソ基を
介して結合している。そのため、酸化還元電位が高くな
り、電極材としての特性が未だ十分でない。さらには、
反応性の高い酸クロライドを使用するため、反応操作性
に難点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、水電解液が使用でき、二次電池用電極材として適し
た酸化還元性ポリマーを提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、前記の如き優れた特
性を有する酸化還元性ポリマーの製造方法を提供するこ
とにある。
【0010】本発明のさらに他の目的は、ポリマーで構
成され、水電解液が使用できると共に、負極材及び正極
材として適した二次電池用電極材を提供することにあ
る。
【0011】
【発明の構成】前記目的を達成するため、本発明者ら
は、鋭意検討の結果、親水性ポリマーの構成単位にキノ
ン単位を直接導入すると、電荷密度が高まり、優れた特
性を有する酸化還元性ポリマーが得られることを見いだ
し、本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明は、親水性ポリマーの主
鎖又は側鎖を構成する単位にキノン単位が直接結合して
いる酸化還元性ポリマーを提供する。
【0013】また、本発明は、アミノ基又はイミノ基を
有する親水性ポリマーとハロキノンとを反応させる酸化
還元性ポリマーの製造方法、およびアミノ基を有する親
水性ポリマーとキノンとを、酸化剤の存在下で反応させ
る酸化還元性ポリマーの製造方法を提供する。
【0014】さらに本発明は、前記酸化還元性ポリマー
で構成されている二次電池用電極材も提供する。
【0015】本発明の酸化還元性ポリマーにおいて、親
水性ポリマーとしては、例えば、親水性ポリアミド、親
水性ポリウレタン、ポリアクリルアミド、ポリ尿素、ポ
リチオ尿素、ポリエチレンイミンなどのポリアルキレン
イミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリア
ミノ酸などのアミノ基やイミノ基を有するポリマー、こ
れらの共重合体や他のモノマーとの共重合体が挙げられ
る。これらの親水性ポリマーは主鎖又は側鎖に窒素原子
を有する。このような親水性ポリマーは、水電解液との
濡れ性が高い。
【0016】これらの親水性ポリマーのなかで、(1)
水溶性ポリマー、特にポリアルキレンイミン、なかでも
ポリエチレンイミン、(2)ポリビニルアミンやポリア
リルアミン、これらの共重合体や、他のビニルモノマー
との共重合体が好ましい。ポリエチレンイミンは、直鎖
状であってもよいが、キノン単位の導入率を高めるため
には分岐鎖状であるのが好ましい。ポリアルキレンイミ
ンを用いると、主鎖の窒素原子にキノン単位を直接かつ
効率よく結合できる。また、ポリビニルアミンやポリア
リルアミンを用いると、側鎖の窒素原子にキノン単位を
直接かつ効率よく結合できる。
【0017】親水性ポリマーの分子量は、成膜可能な範
囲であれば特に制限されないが、例えば、重合度10〜
10000、好ましくは25〜5000程度である。
【0018】前記親水性ポリマーの構成単位に結合した
キノン単位としては、例えば、p−ベンゾキノン、o−
ベンゾキノン、1,4−ナフトキノン、アントラキノン
などのキノン単位が挙げられる。これらのキノンのなか
で、ベンゾキノン単位やナフトキノン単位などが好まし
い。キノン単位は、オキソ基などを介することなく、親
水性ポリマーの主鎖又は側鎖を構成する単位、好ましく
は窒素原子に直接結合している。好ましくは、通常、ベ
ンゾキノン単位又はナフトキノン単位の2位がポリマー
の単位に結合している。
【0019】キノン単位の平均導入率は、所望する酸化
還元電位などに応じて選択でき、通常、親水性ポリマー
の構成単位に対して10〜100モル%、好ましくは2
0〜100モル%、さらに好ましくは30〜100モル
%程度である。導入率が10モル%未満であると酸化還
元電位が小さい。なお、キノン単位の導入率の増加に伴
なって、ボルタモグラムにおける還元波がより負又は正
の電位に移動する。
【0020】キノン単位は、電子供与基又は電子吸引基
を有していてもよい。無置換又は電子供与基を有するキ
ノン単位を導入したポリマーは、負の電位に酸化還元電
位を有し、電子吸引基を有するキノン単位を導入したポ
リマーは、正の電位に酸化還元電位を有する。そのた
め、水電解液、有機電解液のいずれかの電解液、特に安
全性の高い水電解液を用いた二次電池において、無置換
又は電子供与基を有するナフトキノン単位などのキノン
単位を導入したポリマーは、負極材料として適してお
り、電子吸引基を有するベンゾキノン単位などのキノン
単位を導入したポリマーは、正極材料として適してい
る。また、有機系電解液を用いた電池、例えば、リチウ
ム電池の正極としても有用である。
【0021】電子供与基としては、例えば、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
t−ブチル基などの低級アルキル基;ヒドロキシル基;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブ
トキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ基などの低級アル
コキシ基;アミノ基などが挙げられる。
【0022】電子吸引基としては、例えば、ニトロ基;
ニトリル基;ハロゲン基;カルボキシル基;炭素数1〜
4程度の低級アルコキシカルボニル基などが挙げられ
る。好ましい電子吸引基には、ニトロ基、ニトリル基、
ハロゲン基が含まれる。
【0023】好ましい酸化還元性ポリマーとしては、下
記式(1)又は(2)で表される単位を含むポリマーが
挙げられる。
【0024】
【化2】 (式中、Qは電子供与基又は電子吸引基を有していても
よいキノン基を示す。m+n=10〜10000、m/
(m+n)=10〜100%である。pは0又は1を示
す) 前記式(1)で表される単位は、エチレンイミン単位に
キノン単位が導入された単位である。エチレンイミン単
位に対するキノン単位の割合[m/(m+n)]は、前
記キノン単位の平均導入率に対応する。
【0025】なお、ポリエチレンイミンは、主鎖を構成
するエチレンイミン単位と、主鎖から分岐したエチレン
イミン単位とで構成されていてもよく、キノン単位は主
鎖を構成するエチレンイミン単位のみならず、分岐した
エチレンイミン単位に導入されていてもよい。
【0026】また、前記式(2)で表される単位は、ビ
ニルアミン単位やアリルアミン単位の窒素原子にキノン
単位が結合した単位である。
【0027】本発明の酸化還元性ポリマーは、(a)ア
ミノ基又はイミノ基を有する親水性ポリマーとハロキノ
ンとを反応させることにより得られる。前記親水性ポリ
マーには、前記例示のポリマー、好ましくはポリアルキ
レンイミン、ポリビニルアミン及びポリアリルアミン
や、これらの共重合体および他のモノマーとの共重合体
などが含まれる。
【0028】ハロキノンとしては、例えば、2−ハロ−
o−ベンゾキノン、2−ハロ−p−ベンゾキノン、2,
3−ジハロ−p−ベンゾキノン、2,3,5,6−テト
ラハロ−p−ベンゾキノン、ジハロジシアノベンゾキノ
ン、2−ハロナフトキノン、5−ハロナフトキノン、6
−ハロナフトキノン、2−ハロアントラキノンなどが挙
げられる。好ましいハロキノンには、2−ハロベンゾキ
ノン、2,3−ジハロベンゾキノン、2−ハロナフトキ
ノンが含まれる。これらのハロキノンは、前記電子供与
基又は電子吸引基を有していてもよい。
【0029】ハロゲン原子には、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素原子が含まれる。好ましいハロゲン原子は塩素原
子又は臭素原子である。
【0030】特に好ましいハロキノンのうち、負の電位
に酸化還元電位を与えるハロキノンには、例えば、2−
クロロ−p−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−p−ベ
ンゾキノン、2−クロロ−1,4−ナフトキノン、2−
ブロモ−1,4−ナフトキノンや、これらの化合物に電
子供与基が置換した化合物が含まれる。
【0031】正の電位に酸化還元電位を与えるハロキノ
ンには、例えば、クロラニル(2,3,5,6−テトラ
クロロ−p−ベンゾキノン)、2−クロロ−5−シアノ
−p−ベンゾキノン、2−クロロ−6−シアノ−p−ベ
ンゾキノン、2,3−ジクロロ−5−シアノ−p−ベン
ゾキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−
ベンゾキノンなどのジクロロジシアノベンゾキノン、2
−クロロ−3−シアノ−1,4−ナフトキノン、2−ク
ロロ−5−シアノ−1,4−ナフトキノン、2−クロロ
−3,5−ジシアノ−1,4−ナフトキノン、2−クロ
ロ−3,8−ジシアノ−1,4−ナフトキノン、2−ブ
ロモ−3−シアノ−1,4−ナフトキノンなどが含まれ
る。
【0032】なお、キノン単位の導入に際して、例え
ば、カルボニルクロライド基やスルホニルクロライド基
などを有するキノンを用いることも考えられる。しか
し、これらの化合物は反応性が高く作業性が悪いだけで
なく、親水性ポリマーの構成単位とキノン単位との間に
オキソ基やスルホニル基が介在するポリマーが得られ
る。そのため、電極材として使用した場合、電荷密度を
高めることが困難である。
【0033】親水性ポリマーに対するハロキノンの割合
は、キノン単位の導入率に応じて選択でき、例えば、親
水性ポリマーの構成単位1モルに対して、ハロキノン
0.2〜2モル、好ましくは0.3〜1.75モル、さ
らに好ましくは0.5〜1.5モル程度である。なお、
ハロキノンの使用量が増加するにつれて、キノン単位の
導入率が大きくなる。
【0034】反応は、通常、溶媒の存在下で行なわれ
る。溶媒としては、親水性ポリマーの種類などに応じ
て、反応に悪影響を及ぼさない溶媒が使用される。溶媒
としては、親水性溶媒、例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール
類、アセトンなどのケトン類、ジオキサン、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、トリメ
チルアミン、トリエチルアミンなどのアルキルアミン
類、エタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアル
カノールアミンなどが挙げられる。溶媒は水を含んでい
てもよい。これらの溶媒は単独でまたは混合して使用で
きる。
【0035】反応は、例えば、−10℃〜100℃、好
ましくは0〜75℃程度で行なうことができる。反応
は、通常10分〜24時間程度で終了する。
【0036】また、酸化還元性ポリマーは、(b)前記
アミノ基を有する親水性ポリマーとキノンとを、酸化剤
の存在下で反応させる方法によっても得ることができ
る。前記(b)の反応は、酸化剤の存在下で行なう点を
除き、前記(a)の反応と同様の条件下で行なうことが
できる。この反応(b)は、キノンよりも高い酸化還元
電位を有する種々の酸化剤、例えば、過酸化水素などの
化合物の他、酸素と不活性ガスなどの混合ガスの存在下
で行なうこともでき、通常、空気中で行なう場合が多
い。
【0037】前記反応(b)の反応機構の詳細は明確で
はないが、キノンにポリマーのアミノ基が付加してヒド
ロキノン誘導体が生成し、このヒドロキノン誘導体が酸
化剤により酸化され、キノン誘導体が生成するものと思
われる。
【0038】好ましい酸化還元性ポリマーは、(a1)
ポリアルキレンイミン、好ましくはポリエチレンイミン
とハロキノンとの反応、(a2)ポリビニルアミン又は
ポリアリルアミンとハロキノンとの反応、(b)ポリビ
ニルアミン、ポリアリルアミン又はこれらの共重合体と
キノンとの酸素存在下での反応により得ることができ
る。これらの反応においては、溶媒として、アルコール
類、好ましくはメタノール、エタノール、特にメタノー
ルを使用するのが好ましい。前記(a)の反応におい
て、テトラヒドロフランやトリエチルアミンなどを溶媒
として反応させると、ハロキノンの転化率が10%以下
となり易く、導入効率が低下し易い。これに対してアル
コール類を溶媒として使用すると、反応が円滑に進行
し、ハロキノンの転化率を約100%とすることがで
き、キノンの導入効率を著しく高めることができる。
【0039】反応により生成したポリマーは、慣用の分
離方法、例えば、溶媒分別法、沈澱法、抽出法などによ
り得ることができる。
【0040】このようにして得られた酸化還元性ポリマ
ーは、種々の用途、例えば、電極の触媒、二次電池の電
極材、特に負極材や正極材として好適である。
【0041】電極材は、慣用の方法により、前記ポリマ
ーをPt板などの集電体上に成膜することにより得るこ
とができる。成膜に際しては、例えば、ジメチルスルホ
キシドなどの溶媒を用いて調製したポリマー溶液をキャ
スティングする方法などが採用できる。また、成膜に際
しては、電気化学的特性に悪影響を与えない範囲で、架
橋剤(例えば、ジグリシジルエーテルなどのエポキシ化
合物、脂肪族、脂環族又は芳香族ポリイソシアネート化
合物など)、導電材(例えば、カーボンブラックや炭素
繊維など)、バインダー(例えば、エポキシ樹脂、ビニ
ルエステル樹脂などの熱硬化性樹脂;ポリアミド、アク
リル樹脂、飽和ポリエステル、ポリアセタール、ポリカ
ーボネート、フッ素樹脂などの熱可塑性樹脂)、成膜助
剤などを使用してもよい。さらに、電極は、酸化還元性
ポリマーと、バインダー、導電剤、成膜助剤などの混合
物を所定の形状に成形することによっても作製できる。
【0042】本発明の酸化還元性ポリマーで構成された
電極材、特に負極材は、ポリアニリンなどのポリマーか
らなる正極材と組合せて使用してもよく、電子吸引基を
有するキノンを用いて得られたポリマーで構成される正
極材と組合せて使用してもよい。
【0043】ポリマーで構成された正極材および負極材
を備えた二次電池において、電解液としては、有機電解
液も使用できるが、酸性水溶液、例えば、塩酸、硫酸、
硝酸、リン酸、過塩素酸、四フッ化ホウ素酸などの無機
酸を含む水溶液が好適に使用される。
【0044】
【発明の効果】本発明の酸化還元性ポリマーは、親水性
ポリマーの主鎖又は側鎖を構成する単位にキノン単位が
直接結合しており、水電解液が使用でき、負極材及び正
極材として適している。
【0045】また、本発明の方法では、親水性ポリマー
とハロキノン又はキノンとを反応させるので、反応操作
が容易であると共に、キノン単位をポリマーの構成単位
に直接、しかも円滑に導入でき、前記の如き優れた特性
を有する酸化還元性ポリマーを製造することができる。
【0046】さらに、本発明の二次電池用電極材は、前
記酸化還元性ポリマーで構成されているので、水電解液
が使用できると共に、負極材及び正極材として適してい
る。
【0047】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。
【0048】実施例1 1,4−ナフトキノン−2−スルホン酸のカリウム塩2
06mgに、104mgのPCl5 を添加し、撹拌しな
がら170〜180℃で15時間反応させた。生成物を
昇華により精製し、2−クロロ−1,4−ナフトキノン
を得た。
【0049】次いで、2−クロロ−1,4−ナフトキノ
ン222mgをメタノール20mlに溶解し、メタノー
ル10mlとポリエチレンイミン100mg(50%水
溶液、アルドリッヒ(Aldrich) 社製)との溶液を撹拌し
ながら添加した。なお、ポリエチレンイミンのエチレン
イミン単位1モルに対する2−クロロ−1,4−ナフト
キノンの使用量は1モルである。
【0050】室温で30分間反応させた後、ジメチルス
ルホキシド30mlを添加し、減圧下でメタノールを留
去し、溶媒をジメチルスルホキシドに置換した。
【0051】得られたジメチルスルホキシド溶液をPt
板上に滴下し、100℃で減圧乾燥し、茶褐色の膜を形
成した。
【0052】ポリマーで被覆されたPt板を負極、電解
重合により得られたポリアニリンを正極とし、電解液と
して0.1M硫酸水溶液を用い、電池を作製したとこ
ろ、起電力1.0Vを示した。また、電流密度30μA
/cm2 で充放電を行なったところ、クーロン効率は9
5%であった。
【0053】なお、ポリエチレンイミンのエチレンイミ
ン単位に対するナフトキノン単位の平均導入率は67.
6%であった。この導入率は、次のようにして計算し
た。すなわち、上記と同様の反応を行ない、反応混合液
に多量のトリエチルアミンを添加してポリマーを沈澱さ
せ、濾取し、トリエチルアミンで洗浄して真空乾燥さ
せ、重量増加からナフトキノン単位の導入率を計算し
た。
【0054】実施例2 ポリエチレンイミンのエチレンイミン単位1モルに対す
る2−クロロ−1,4−ナフトキノンの使用量を0.6
モルとする以外、実施例1と同様にして、酸化還元性ポ
リマーを得た。このポリマーを用い、実施例1と同様に
して電池を構成したところ、起電力は1.0V、クーロ
ン効率は97%であった。
【0055】また、ポリエチレンイミンのエチレンイミ
ン単位に対するナフトキノン単位の平均導入率は48.
6%であった。
【0056】実施例3 2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノ
ン352mgとメタノール20mlとの溶液に、メタノ
ール10mlとポリエチレンイミン100mg(50%
水溶液、アルドリッチ社製)との溶液を、撹拌しながら
添加した。この混合溶液を室温で30分間反応させた
後、多量のトリエチルアミンを添加してポリマーを沈澱
させた。沈澱したポリマーを濾別し、トリエチルアミン
で洗浄した後、真空乾燥することにより目的の酸化還元
性ポリマーを得た。
【0057】2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p
−ベンゾキノン単位のポリエチレンイミン主鎖への導入
率を重量変化より算出したところ、エチレンイミン単位
に対して32.6%であった。
【0058】実施例4 実施例3で得られたポリマー10mgに対して、バイン
ダーとしてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)1
2mg、導電助剤としてアセチレンブラック75mgを
添加し、得られた混合物を錠剤成形機を用いて13mm
φのペレットに成形した。
【0059】得られた成形品をステンレスメッシュに圧
着して固定することにより、正極を作製した。また、実
施例1と同様の方法により得られたポリマー(ナフトキ
ノンの導入率:35.2%)を用いて、上記の正極と同
様にして負極を作製した。
【0060】そして、前記正極、負極を用い、1M硫酸
水溶液を電解液とする電池を作製したところ、起電力
0.8Vを得た。また、電流密度75μA/cm2 で充
放電を行った結果、クーロン効率は95%であった。
【0061】実施例5 実施例1と同様にして調製したナフトキノン導入ポリエ
チレンイミン電極を、1MのLiClO4 を含むプロピ
レンカーボネート溶液中に浸し、リチウム電極(Li/
Li+ )を基準電極として、サイクリックボルタモグラ
ム(CV)を測定した。その結果、図1に示されるよう
に、リチウム電極に対して、3V付近にレドックスピー
クが観測され、前記酸化還元性ポリマーがリチウム電池
の正極として利用できることが判明した。
【0062】実施例6 ポリアリルアミン(分子量1×104 )1gの18.4
重量%メタノール溶液に、メタノール345mlとナフ
トキノン2.724gとの混合溶液を混合し、室温、空
気中で撹拌下、2時間反応させた。反応終了後、反応系
にエーテルを添加し、沈澱したポリマーを濾別し、メタ
ノールで洗浄した後、減圧乾燥することにより、目的と
する酸化還元性ポリマーを得た。なお、前記反応におい
て、ポリアリルアミンのアリルアミン単位とナフトキノ
ンとのモル比は1/1である。
【0063】得られたポリマーを元素分析により分析し
たところ、ポリアリルアミンのアミノ基にナフトキノン
が91.9%導入されていた。また、得られたポリマー
において、メタノール−d4 中での 1HNMRスペクト
ルでは5.7ppmに、IRスペクトルでは1660c
-1に、13C/CP−MASスペクトルでは180pp
mに、キノンに由来するピークが観察された。
【0064】得られたポリマー40mgに、アセチレン
ブラック300mg及びPTFE48mgを添加し、実
施例4と同様の方法で電極を作製した。この電極と、基
準電極としてのAg/AgCl電極とを用い、1M硫酸
溶液(水電解液)中でCVを測定した。その結果、図2
に示されるように、0.1V付近にレドックスピークが
観測され、電気化学的に活性であることが判明した。
【0065】さらに、上記と同様にして作製したポリマ
ー40mgに、アセチレンブラック300mg及びPT
FE48mgを添加し、電極を、1MのLiClO4
含むプロピレンカーボネート溶液(有機電解液)中に浸
し、リチウム電極(Li/Li+ )を基準電極として、
CVを測定した。その結果、図3に示されるように、有
機電解液においても、リチウム電極に対して、レドック
スピークが観測され、電気化学的に活性であることが判
明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例5における結果を示すグラフであ
る。
【図2】図2は実施例6における水電解液での結果を示
すグラフである。
【図3】図3は実施例6における有機電解液での結果を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 楊 武 京都府京都市下京区中堂寺南町17 株式会 社関西新技術研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性ポリマーの主鎖又は側鎖を構成す
    る単位にキノン単位が直接結合している酸化還元性ポリ
    マー。
  2. 【請求項2】 親水性ポリマーの単位に対してキノン単
    位が、10〜100モル%導入されている請求項1記載
    の酸化還元性ポリマー。
  3. 【請求項3】 下記式(1)又は(2)で表される単位
    を含む請求項1記載の酸化還元性ポリマー。 【化1】 (式中、Qは電子供与基又は電子吸引基を有していても
    よいキノン基を示す。m+n=10〜10000、m/
    (m+n)=10〜100%である。pは0又は1を示
    す)
  4. 【請求項4】 アミノ基又はイミノ基を有する親水性ポ
    リマーとハロキノンとを反応させる酸化還元性ポリマー
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 アミノ基を有する親水性ポリマーとキノ
    ンとを、酸化剤の存在下で反応させる酸化還元性ポリマ
    ーの製造方法。
  6. 【請求項6】 親水性ポリマーが、ポリエチレンイミ
    ン、ポリビニルアミン又はポリアリルアミンである請求
    項4又は5記載の酸化還元性ポリマーの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の酸化還元性ポリマーで構
    成されている二次電池用電極材。
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