JPH0656987U - シールド付きケーブル用コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シールド付きケーブルにおけるシールドの結
線工程を簡易化して特別の工具の使用を省略することが
できるコネクタを提供すること。 【構成】 インシュレータ１１に、ケーブル１の信号線
２の端子３を嵌合させる端子装着孔１２をインシュレー
タ１１の一端面１３に開口させる。ほぼ断面コ字状の導
電性のシェル１４を、インシュレータ１１の一端面１３
に形成したシェル装着溝１５に嵌合固定する。インシュ
レータ１１の一端面１３の相対向する両縁から側壁１６
を延出させる。リテーナ１８を、ヒンジ部１９を介して
インシュレータ１１と一体に形成し、側壁１６の内側で
一端面１３に突き合わせて係合させるようにする。リテ
ーナ１８の中央部には、ケーブル１を通すための凹所２
０を設ける。凹所２０を形成する一対の挟持片２１に
は、シェル１４の突出部に嵌合する嵌合溝２２を設け、
インシュレータ１１との突合せ面に開口させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、シールド付きケーブルを接続するためのコネクタに関し、特に、ケ ーブルシールドをインシュレータ内の導電性のシェルに容易に接続することがで きるコネクタに係るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のシールド付きケーブル用コネクタの接続方法の一例を図４に示す。この 方法においては、ケーブル１の信号線２の先端に端子３を圧着し、同様にシール ド４の先端にも端子３を圧着する。そして、これらの端子３をインシュレータ５ の端子装着孔６に嵌合させて接続する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来のシールド付きケーブル用コネクタの接続方法においては、コネクタ の組み立て工程が多く、端子の圧着作業及びその工具を必要とするので、扱いが 煩雑である。

【０００４】 従って、本考案は、シールド付きケーブルにおけるシールドの結線工程を簡易 化して特別の工具の使用を省略することができるシールド付きケーブル用のコネ クタを提供することを課題としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案においては、上記課題を解決するため、インシュレータに、シールド付 きケーブルの信号線に接続されたコンタクトを嵌合させるコンタクト装着孔を設 けると共に、導電性のシェルを固着し、このシェルの一端側をインシュレータの ー端側から突出させて、ケーブルのシールドを絡ませることができるようにする 。一方、インシュレータに係合する係合部を有する絶縁性のリテーナに、シェル に嵌合してシェルに絡ませたシールドを挟持する嵌合部を設けてシールド付きケ ーブル用コネクタを構成する。

【０００６】 リテーナは、ヒンジ部を介してインシュレータと一体に形成することができ、 また、リテーナに、ケーブルを通すための凹所を設けることができる。

【０００７】

【作用】

本考案のコネクタにおいては、ケーブルの信号線にコンタクトを圧着し、これ をインシュレータのコンタクト装着孔に嵌合させる。一方、ケーブルのシールド を、インシュレータの一端側から突出したシェルの突出部に絡ませ、この状態で 、リテーナをインシュレータに係合させる。リテーナの嵌合部は、シェルの突出 部に嵌合し、同時にシェルとの間でシールドを挟持し、電気的接続を確保する。 リテーナを、インシュレータと一体に形成すれば、部品点数が減少して組み立て 作業は容易である。リテーナに、ケーブルを通すための凹所を設ければ、ケーブ ルを回避してリテーナをインシュレータにコンパクトに結合することができる。

【０００８】

【実施例】

図面を参照して本考案の一実施例を説明する。図１は本考案のコネクタの分解 斜視図、図２は本考案のコネクタの一部を切り欠いた接続状態の斜視図、図３は 本考案のコネクタのリテーナを係合させた接続状態の図２におけるIII −III 面 による断面図である。

【０００９】 図において、インシュレータ１１には、ケーブル１の信号線２の先端に圧着さ れた端子３を嵌合させるための端子装着孔１２が形成されている。端子装着孔１ ２は、インシュレータ１１の後部のほぼ矩形の一端面１３に開口されている。シ ェル１４は導電性で、ほぼ断面コ字状に形成されており、インシュレータ１１に 形成されたシェル装着溝１５に嵌合固定される。シェル装着溝１５は、端子装着 孔１２を囲むように配置され、これと同一方向にインシュレータ１１内に延びて いる。シェル装着溝１５もまた、インシュレータ１１の後部の一端面１３に開口 している。

【００１０】 インシュレータ１１の一端面１３の相対向する両縁からは側壁１６が延出して おり、それらの内側の対向部には、係合突起１７が突設されている。

【００１１】 リテーナ１８は、ヒンジ部１９を介してインシュレータ１１と一体に形成され ている。ヒンジ部１９の一端はインシュレータ１１の一端面１３の側壁１６と直 交する縁に連続しており、リテーナ１８を、側壁１６の内側においてインシュレ ータ１１の一端面１３に突き合わせることができるようになっている。リテーナ １８は、ヒンジ部１９と反対側の縁の中央部から切り込まれた凹所２０を有し、 これにケーブル１を通すことができるようになっている。従って、リテーナ１８ は、凹所２０により分割された一対の挟持片２１を備えている。挟持片２１には 、シェル１４の突出部に嵌合する嵌合溝２２が形成されており、この嵌合溝２２ がインシュレータ１１との突合せ面に開口している。両挟持片２１の外側面には 、側壁１６の係合突起１７と係合する係合突起２３を備えており、リテーナ１８ がインシュレータ１１の一端面１３に突き合わされた状態で、両係合突起１７， ２３が互いに係合し、両者の突合せ状態を維持するようになっている。

【００１２】 しかして、この実施例のコネクタにおいては、インシュレータ１１のシェル装 着溝１５にシェル１４を嵌合して予め固着しておく。そして、ケーブル１の信号 線２にコンタクト３を圧着し、これをインシュレータ１１のコンタクト装着孔１ ２に嵌合させる。一方、ケーブル１のシールド４を、インシュレータ１１の一端 側から突出したシェル１４の突出部に絡ませ、この状態で、リテーナ１８を図２ における矢印の方向に閉じる。こうすると、リテーナ１８の嵌合溝２２にシェル １４の突出部が嵌合し、同時にシェル１４との間でシールド４を挟持し、シェル １４とシールド４との電気的接続を確保する。この状態で、係合突起２３，１７ が互いに係合し、インシュレータ１１とリテーナ１８との突合せ状態を維持する 。リテーナ１８は、インシュレータ１１と一体に形成されているから、部品点数 が少なく、組み立て作業は容易である。リテーナ１８には、ケーブルを通すため の凹所２０が設けられているので、ケーブル１を回避してリテーナ１８をインシ ュレータ１１にコンパクトに結合することができる。

【００１３】

【考案の効果】

以上のように、本考案においては、インシュレータに、シールド付きケーブル の信号線に接続されたコンタクトを嵌合させるコンタクト装着孔を設けると共に 、導電性のシェルを固着し、このシェルの一端側をインシュレータのー端側から 突出させて、ケーブルのシールドを絡ませることができるようにする一方、イン シュレータに係合する係合突起のような係合部を有する絶縁性のリテーナに、シ ェルに嵌合してこれに絡ませたシールドを挟持する嵌合溝のような嵌合部を設け てシールド付きケーブル用コネクタを構成したため、シールドの結線工程が簡易 化され、特別の工具の使用を省略することができる。リテーナを、ヒンジ部を介 してインシュレータと一体に形成した場合には、部品点数が少なく、組み立て作 業はより一層容易になる。リテーナに、ケーブルを通すための凹所を設けた場合 には、ケーブルを回避してリテーナをインシュレータにコンパクトに結合するこ とができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のコネクタの分解斜視図である。

【図２】本考案のコネクタの一部を切り欠いた接続状態
の斜視図である。

【図３】本考案のコネクタのリテーナを係合させた接続
状態の図２におけるIII −III面による断面図である。

【図４】従来のシールド付きケーブル用コネクタの接続
方法の一例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ シールド付きケーブル ２ 信号線 ３ コンタクト １１ インシュレータ １２ コンタクト装着孔 １４ シェル １８ リテーナ １９ ヒンジ部 ２０ 凹所 ２２ 嵌合溝（嵌合部） ２３ 係合突起（係合部）

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シールド付きケーブルの信号線に接続さ
   れたコンタクトを嵌合させるコンタクト装着孔を有する
   インシュレータと、 このインシュレータに固着され、前記ケーブルのシール
   ドを絡ませることができるようにー端側がインシュレー
   タから突出した導電性のシェルと、 このシェルに嵌合してシェルに絡ませた前記シールドを
   シェルとの間で挟持することができる嵌合部を有すると
   共に、前記インシュレータに係合する係合部を有する絶
   縁性のリテーナとを具備したことを特徴とするシールド
   付きケーブル用コネクタ。
2. 【請求項２】 前記リテーナが、ヒンジ部を介して前記
   インシュレータと一体に形成されていることを特徴とす
   る請求項１に記載のシールド付きケーブル用コネクタ。
3. 【請求項３】 前記リテーナが、前記ケーブルを通すた
   めの凹所を備えていることを特徴とする請求項１に記載
   のシールド付きケーブル用コネクタ。