JPH0656361U - 外壁ｐｃ版の位置調整器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単な操作によって、外壁ＰＣ版を微細に位置
調整できる器具を提供することを目的としている。 【構成】外壁ＰＣ版１が、第１ファスナー３及び第２フ
ァスナー４を介して床２に取付けられている。位置調整
器具５は、上記第１ファスナー３のネジ棒３ｂに挿通可
能な貫通孔７ａが開口された取付け部材７が側方に延
び、その延出部先端に対して、上下方向に延びるレバー
８が、上下方向へ旋回可能に連結して構成されている。
上記レバー８の旋回可能方向は、取付け部材７の貫通孔
７ａに接近・隔離する方向である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ファスナーを介して躯体構造物に仮付けされた外壁ＰＣ版に対する 位置調整を実施するための位置調整器具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

カーテンウォール等の外壁ＰＣ版は、躯体構造物の床や梁に対してファスナー を介して取付けられるが、この取付け作業は、仮付け，調整，及び本付けの３段 階に分けて実施される。 即ち、まず、フロアクレーン等で外壁ＰＣ版を吊り上げ、躯体の床や梁に対し てファスナーを介して取付けて仮付けを実施する。

【０００３】 このとき、上記取付け精度は外壁の外観や性能に大きな影響を与えるので、フ ァスナーは、通常、前後左右等に位置調整できるように、躯体側の第１ファスナ ーに対して、ＰＣ版側の第２ファスナーが前後左右に所定量だけ移動可能に組付 けられている。 次に、外壁ＰＣ版が目的とする位置になるように位置調整を実施したのち、上 記ファスナーによって本付けして、該外壁ＰＣ版を固定する。

【０００４】 上記位置調整作業は、従来においては、レバーブロックでＰＣ版を寄せたり、 バールを使用して、第１ファスナーと第２ファスナーとの間をこじ上げて該第１ ファスナーと第２ファスナーの組付け位置をずらすことで、外壁ＰＣ版の位置調 整を実施している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記のような位置調整では、微細な位置調整が困難であるうえ に、作業に危険が伴うので熟練を必要とするという問題がある。 例えば、バール作業では、工具がファスナーから滑って抜けたりすることがあ り危険である。

【０００６】 本考案は、上記のような問題点に着目してなされたもので、簡単な操作によっ て、外壁ＰＣ版を微細に位置調整できる器具を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の外壁ＰＣ版の位置調整器具は、躯体構造 物に固定され且つ上方に延びる棒体部を備えた第１ファスナーと、その棒体部に 遊挿されるリング部を備えて外壁ＰＣ版に固定される第２ファスナーとを備えた ファスナーによって、外壁ＰＣ版を躯体構造物へ取付ける際における、上記外壁 ＰＣ版の位置を調整する器具であって、上記第１ファスナの棒体部へ挿通可能な 貫通孔を備えた取付け部材と、その取付け部材へ上下方向に旋回可能に連結され て該取付け部材の貫通孔に向けて接近・離隔可能となっていると共に、その連結 部を境として上方及び下方に延びるレバーとからなることを特徴としている。

【０００８】

【作用】

梃を利用した器具であって、取付け部材の貫通孔を第１ファスナーの棒体部に 挿通させることで器具を取付け、レバーの下延部を第２ファスナーのリング部外 壁に対向させた状態にして、レバーの上延部を引くことにより、下延部が、取付 け部材との連結部を支点として上延部と反対方向に移動する。これによって、該 下延部が、第２ファスナーのリング部を押して、もって、外壁ＰＣ版が移動する 。

【０００９】 このとき、棒体部を中心にして位置調整器具を適宜回転させることで、リング 部外壁に対するレバーの下延部の対向位置を変えて、前後左右の自由な向きに第 １ファスナー，即ち外壁ＰＣ版の調整方向を変えることができる。

【００１０】

【実施例】

本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 まず、外壁ＰＣ版１を，躯体構造物である床２に仮付けた状態を説明すると、 図１に示すように、外壁ＰＣ版１が、第１ファスナー３及び第２ファスナー４を 介して床２に取付けられている。

【００１１】 上記第１ファスナー３の構成は、外周面に雄ネジが螺刻された棒体部であるネ ジ棒３ｂが、床２に固定された基板３ａから上方に突設し、そのネジ棒３ｂに螺 合したナット３ｃの上に、該ネジ棒３ｂに挿通された平板３ｄが載置されて構成 されている。 第２ファスナー４は、上記ネジ棒３ｂを遊挿可能な貫通孔４ｃが中央部に開設 されたリング部４ａと、該リング部４ａから側方に延び外壁ＰＣ版１に取付けら れるＰＣ版取付け部４ｂとから構成されて、該リング部４ａの貫通孔４ｃが第１ ファスナー３のネジ棒３ｂに遊挿され、且つ、リング部４ａ下面を上記平板３ｄ に当接させることで、外壁ＰＣ版１を床２に仮付けした状態にしている。

【００１２】 また、位置調整器具５は、上記第１ファスナー３のネジ棒３ｂに挿通可能な貫 通孔７ａが開口された取付け部材７が側方に延び、その延出部先端に対して、上 下方向に延びるレバー８が、上下方向へ旋回可能に連結して構成されている。 ここで、上記レバー８の旋回可能方向は、取付け部材７の貫通孔７ａに接近・ 隔離する方向である。

【００１３】 そして、上記位置調整器具５は、第１ファスナー３のネジ棒３ｂ上端へ、取付 け部材７の貫通孔７ａを挿通させて取付けたのち、図２に示すように、ネジ棒３ ｂとレバー８とを結ぶラインがＰＣ版１の移動させたい方向に位置するように、 該ネジ棒３ｂを中心に回転させる。 その後、レバー８の上延部８ａを所定量だけ引くことで、取付け部材７とレバ ー８との連結部を支点として、レバー８の下延部８ｂが、第２ファスナー４のリ ング部４ａをネジ棒３ｂに向けて所定量だけ押して、外壁ＰＣ版１を移動させる 。

【００１４】 上記のようにして、レバー８の位置を適宜変更しながら、上記作業を繰り返し すことによって、外壁ＰＣ版１の横方向の位置を調整する。 なお、外壁ＰＣ版１に対する上下方向の調整は、第１ファスナー３のナット３ ｃを廻すことで実施する。 上記位置調整が完了したら、位置調整器具５を外して図示しないナットをネジ 棒３ｂの先端に螺合させ締め付ける。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の外壁ＰＣ版の位置調整器具では、簡単な構造で 、しかも、熟練工でなくとも外壁ＰＣ版の位置調整ができるようになる。 また、上記のように位置調整が簡単なので、調整に要する時間が短縮される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る実施例のファスナー及び位置調整
器具を示す側面図である。

【図２】本考案に係る実施例のファスナー及び位置調整
器具を示す、図１におけるＡ−Ａ図である。

【符号の説明】

１ 外壁ＰＣ版 ２ 床 ３ 第１ファスナー ４ 第２ファスナー ５ 位置調整器具 ７ 取付け部材 ８ レバー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 躯体構造物に固定され且つ上方に延びる
   棒体部を備えた第１ファスナーと、その棒体部に遊挿さ
   れるリング部を備えて外壁ＰＣ版に固定される第２ファ
   スナーとを備えたファスナーによって、外壁ＰＣ版を躯
   体構造物へ取付ける際における、上記外壁ＰＣ版の位置
   を調整する器具であって、上記第１ファスナの棒体部へ
   挿通可能な貫通孔を備えた取付け部材と、その取付け部
   材へ上下方向に旋回可能に連結されて該取付け部材の貫
   通孔に向けて接近・離隔可能となっていると共に、その
   連結部を境として上方及び下方に延びるレバーとからな
   ることを特徴とする外壁ＰＣ版の位置調整器具。