JPH0656165B2 - 回転位置決め方法および装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は傾斜した端部を有するシリンダを位置決めして
該傾斜部がシリンダの残部に対して予め定めた平面内に
方向決めされるようにする装置およびこれを使用する方
法に関する。

＜従来の技術＞ シリンダの回転位置が重要ではなく、速度も精度も要求
されないときは人力でシリンダをジグまたは取付具にと
りつけていた。

＜発明が解決しようとする問題点＞ 高速作業において傾斜した端部を有するシリンダを正確
に迅速に位置決めすることが、自動移送機構においてそ
の後の組立作業や加工作業のために要求される。簡単で
誤作業がなく正確で信頼性の高い自動位置決め装置が要
求される。この種の装置は品質管理、自動組立作業、測
定のための整合、小部品などの取扱など多数の場合に必
要である。従来、傾斜した端部を有するシリンダを正確
に迅速に位置決めすることは手作業によって、または不
正確な自動装置によって行われた。

＜問題点を解決するための手段＞ 本発明による装置は、中空円筒形内面を有する簡単な取
付具を含み、該内面が傾斜した端部を有するシリンダの
円筒形外面と滑動係合する。取付具とシリンダとの係合
する円筒形表面は使用の便のため相対的回転および軸方
向滑動運動を許すようになされる。望ましい実施例にお
いて取付具は静止し、傾斜した端部を有するシリンダは
共通軸線に沿って運動して取付具と係合する。最も簡単
な形式において、この運動はシリンダに作用する重力に
よる。静止の取付具内にその一方側に沿って磁石があ
り、その磁場が取付具の中空部を横切って生じ、シリン
ダが軸方向滑動運動して磁場内に入りおよび通るとき傾
斜した端部の大きい質量を有する側が軸線の周りに回転
して磁石に近づく。すなわち磁石はシリンダを予備的に
位置決めし、傾斜部は磁石から遠い側にある。

取付具の磁石とは反対側に横方向のピンがあってシリン
ダの傾斜部と係合し、傾斜面作用により取付具を相対的
なシリンダの正確な最終的回転位置決めを行う。この場
合磁場が始めに概略的位置決めを行い、つぎにピンが正
確にシリンダを取付具に対して位置決めを行うという２
段階の手順が重要であり、これが両者間の最終的関係に
必要とされる速度と精度のために重要である。自動組立
装置において位置決めされたシリンダと取付具とは別の
位置に移動させられ、そこでシリンダに対してその後の
作業が正確に行われる。特に、シリンダの取付具に対す
る位置決めが正確であるからシリンダの任意の部分に対
して所望の作業を行うことができる。

本発明による上述技術を実施する方法は、傾斜した端部
を有するシリンダと取付具を共通軸線に沿って整合さ
せ、つぎに、シリンダを取付具の中空内部に運動させ、
そのときそれぞれの円筒形表面を係合させて回転および
滑動運動を支持させる。その後に、傾斜した端部の大き
い質量の側に作用する磁場の引力に応答してシリンダを
取付具に対して回転させ、最後に、取付具の中空部内に
位置するストッパに傾斜した端部の傾斜面を当接させる
各工程を含む。

＜作用＞ 本発明によれば、２つの部材、特に傾斜した端部を有す
るシリンダと中空孔を有する取付具との相対的位置決め
が正確迅速である。

＜実施例＞ 第１図、第２図、第３図に軸線Ａを有する取付具１０を
示す。各図の相違は傾斜した端部を有するシリンダ２０
の相対的位置である。すなわち第１図においてシリンダ
２０は取付具１０に入るため軸方向に整合している。第
２図においてシリンダ２０は取付具１０に入り、ほぼ着
座位置に近づいている。第３図においてシリンダ２０は
取付具１０内の着座位置にある。各図において同一参照
数字が同一部品を示す。

第１図、第２図、第３図において取付具１０は中空で入
口１１ａと出口１１ｂとを有して貫通する通路１１を有
する。入口１１ａは頂部に、出口１１ｂは底部に図示さ
れている。これは後述するようにシリンダ２０を重力に
よって移動させるために有利であるが、本発明を限定す
るものでない。入口１１ａは入口テーパ部１２に連り、
これにより通路１１は漏斗状に狭まって中央軸方向孔１
３となる。テーパ部１２は、シリンダ２０を取付具１０
に軸方向に整合させる。中央軸方向孔１３には円筒形表
面１３ａがありその一方側に磁石１４が、他方側に横方
向に配置された位置決めピンストッパ１５がある。磁石
１４は孔１３の円筒形表面１３ａに近接して配置され、
シリンダ２０に作用する充分な磁場を孔１３内に生ずる
がシリンダ２０の軸方向移動を阻止しない。横方向位置
決めピンストッパ１５は磁石１４の反対側にあり、横方
向孔１３ｃ内にあってその小部分のみが孔１３内に露出
している。ピンストッパ１５の位置と直径とはシリンダ
２０の端部傾斜面に関連して定める、すなわち、傾斜の
角度、シリンダの直径、シリンダと取付具とを連結する
力とによって定める。ピンストッパ１５は取付具１０を
貫通する横方向孔１３ｃに単に強制嵌合させればよい。

第１図においてシリンダ２０は軸線Ａに沿って孔１３に
向って動いている。シリンダ２０の移動方向を矢印Ｂで
示す。第２図においてシリンダは軸方向孔１３に入り、
その円筒形表面１３ａと係合して軸受状の関係となる。
第２図の矢印Ｃは傾斜した端部を有するシリンダ２０の
回転を示し、孔１３の中心軸線を横切って磁石１４によ
って作用する磁場により生ずる。その結果シリンダ２０
は矢印Ｃに示すように時計方向に第１図の位置から第２
図の位置に回転する。シリンダ２０の最終位置を第３図
に示す。図においてシリンダ２０の傾斜した部分はピン
ストッパ１５に当接しているが、これは傾斜した端部を
有するシリンダ２０が完全に着座する唯一の位置であ
る。シリンダ２０が軸方向孔１３内に軸線Ａに沿って滑
動するとき磁場が始めにシリンダ２０を回転させる。シ
リンダ２０の回転は軸方向孔１３の円筒形表面１３ａに
よって制御されるが、これは円筒形表面１３ａの寸法が
シリンダ２０の円筒形部分を軸受支持するように定めて
あることによる。シリンダ２０の端部の大きい質量を有
する側、すなわち磁性材料の大きい質量部分が磁石１４
の磁場の影響を受けて磁石１４に吸引され、シリンダ２
０が第２図に示すように回転する。シリンダ２０の最終
位置は傾斜した端部がピンストッパ１５に当接すること
によって定められる。

前述のように、傾斜した端部を有するシリンダ２０を取
付具１０の軸線Ａに整合させ、両者を相対的に軸線Ａに
沿って動かし、両者の円筒形部分を係合させて相互間の
回転運動を支持させ、磁場に応答して両者を相対的に回
転させ、傾斜した端部における大きい質量の側を引き付
け、傾斜した部分を位置決めピンに係合させて正確な最
終位置決めを行う。

前述説明は特定の実施例に関するが、当業者は各種の改
変、変更を容易に行い得るであろう。例えば、傾斜した
端部を有するシリンダ２０は中空であってもよく、中央
軸方向孔１３に支持されて回転運動を行う部分を有すれ
ばよいから完全な円筒形でなくともよい。しかし、この
場合最大直径部分が円筒形を構成し残りの表面部分が小
さい直径で所望の遊隙をあたえるものとする。さらに、
これら係合表面はシリンダ２０の傾斜した端部に近い部
分とする。さらに、傾斜した端部は平面ではなく全体と
して傾斜面を形成する多数の小面からなるものとしても
よい。ピンストッパ１５は任意の形式の衝当部としてよ
くシリンダ２０の傾斜した端部と係合して最終位置決め
を行うものであればよい。各部品の寸法は相対的軸方向
および回転運動を行いうる範囲のものであればよい。

本発明は特許請求の範囲によって限定され、各種の改
変、変更を含む。

＜発明の効果＞ 本発明によれば、傾斜した端部を有するシリンダを取付
具に相対的に正確に、迅速に、確実に位置決めすること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による取付具と傾斜した端部を有するシ
リンダとを示す断面図で傾斜した端部はそれが最終的に
位置決めされる位置に対して任意の位置（回転位置）に
あるが両部材は共通軸線に沿っている図、第２図は傾斜
した端部を有するシリンダが取付具の中空部内にさらに
入り、円筒形表面が互いに係合し、磁石の影響でシリン
ダが回転し傾斜した端部の質量の大きい側が磁石に近づ
く状態を示す図、第３図は傾斜した端部を有するシリン
ダの最終位置を示し、傾斜面が係合ストッパに当接しシ
リンダが完全に取付具内に位置決めされている図。 １０：取付具、２０：傾斜した端部を有するシリンダ、
１１：通路、１１ａ：入口 １１ｂ：出口、１２：入口テーパ部 １３：中央軸孔、１４：磁石 １５：ストッパ

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】軸方向の移動によって係合する２つの部材
   を相対的に回転して位置決めする装置であって、 少くとも円筒形の表面と、傾斜した端部とを有し該端部
   が位置決めされる第１の磁気応答部材と、 前記円筒形の表面と滑動係合する中空円筒形部分を有し
   て前記第１の部材を軸方向に整合せしめ且つ相対的回転
   と滑動とを可能とする第２の部材と、前記第２の部材の
   中空部の一側にかつこれを横切って配置され、前記傾斜
   した端部に作用して大きい末端質量を有する側を磁石に
   ひきよせる磁場と、 前記第２の部材の中空部に横方向にかつ前記磁石のほぼ
   反対側に配置され、前記第１および第２の部材間の相対
   的軸方向滑動運動時に前記傾斜面の少なくとも一部と係
   合する位置にある位置決め手段とを含む装置。
2. 【請求項２】第１の磁気応答部材が中空である特許請求
   の範囲第１項記載の装置。
3. 【請求項３】前記第１の部材の傾斜した端部が全体とし
   て傾斜面を形成する多数の小面を有する特許請求の範囲
   第２項記載の装置。
4. 【請求項４】前記第２の部材の中空円筒形部分の基部の
   端部に漏斗形の開口が設けられて第１の部材を第２の部
   材に軸方向に整合案内する特許請求の範囲第１項記載の
   装置。
5. 【請求項５】前記第２の部材の円筒形部分の第１の部材
   に相対的な遊隙嵌合が第１の部材の回転および軸方向運
   動を制御する特許請求の範囲第１項記載の装置。
6. 【請求項６】前記磁石の磁場の強さが第１の部材の大き
   い末端質量を有する側を磁石に引付けるに充分であるが
   第１の部材の第２の部材に相対的な軸方向運動を許す特
   許請求の範囲第１項記載の装置。
7. 【請求項７】前記位置決め手段が前記中空円筒形表面に
   横方向に位置し、軸線に直交して中空の一部のみを横切
   るピンである、特許請求の範囲第１項記載の装置。
8. 【請求項８】前記ピンが第２の部材を貫通する横方向孔
   に強制嵌合する特許請求の範囲第７項記載の装置。
9. 【請求項９】前記両部材が特定の位置決め状態を明示す
   る形状を有し、傾斜した端部が第２の部材に対して正確
   に位置決めされたことが判るようになされている特許請
   求の範囲第１項記載の装置。
10. 【請求項10】磁気に反応すると共に、表面が円筒形で一
    端が傾斜している第１の部材と、円筒形の中空部を有す
    ると共に、該中空部を画成する側壁の一側から該中空部
    内に磁場を発生し、その他側にはストッパが設けられた
    第２の部材とを相対的に回転させて位置決めする方法で
    あって、 前記第１の部材と前記第２の部材とを一本の共有軸に沿
    って整合させる段階と、 何れか一方の部材を前記共有軸に沿って双方の部材が接
    近する方向に移動させる段階と、 表面が円筒形の前記第１の部材を前記第２の部材の円筒
    形中空部に係入させて双方の部材が前記共有軸に沿って
    確実に移動できるようにする段階と、 前記第１の部材が前記第２の部材の磁場内に進入した時
    に、質量が大きい前記第１の部材の傾斜した一端に磁力
    を作用させて双方の部材を相対的に回転させる段階と、 前記第１の部材の一端の傾斜した面を前記ストッパに係
    合させながら移動させて、前記第２の部材に対する前記
    第１の部材の最終的な回転位置を正確に位置決める段階
    とから成ることを特徴とする方法。