JPH065613U - 女性用尿失禁パッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］生理用ナプキンと同様な使用態様を取ることが
でき、しかも漏尿対策に優れ、かつ着用時の違和感の少
ない女性用尿失禁パッドを提供する。 ［構成］軟質発泡材料の成形体からなる外被体と、この
外被体の成形凹部に収納した吸収体と、この吸収体の上
面を覆って外被体の周縁鍔部に熱融着された表面材で構
成し、長手方向の全体形状は前方部から後方部に向かっ
て薄くなる立体形状とし、吸収体はその上面が前方部に
おいては外被体の周縁鍔部よりも低位に位置し、後方部
は周縁鍔部よりも上位に位置するようにした女性用尿失
禁パッドである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、女性用の尿失禁パッドに関し、さらに詳しくは日常の立ち居、振 舞い時、あるいは通院字などにおける使用に便利な女性用尿失禁パッドに関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来尿失禁対策としては、おしめ、おむつの使用が一般的である。特に入院看 者あるいは家庭内療養の場合には布製、紙製等のおしめが使用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、このように比較的活動状態が少ない場合、おしめ、おむつの使用は 格別の不便を与えないが、日常生活を行いながら尿失禁対策が望まれる場合、あ るいは通院時において尿失禁対策が望まれる場合、男性用としてはすでに各種の 簡易漏尿防止具が提供されているが、女性用としては格別有効な漏尿防止具は提 供されていなかった。

【０００４】 そこで、この考案の目的とするところは、生理用ナプキンと同様な使用態様を 取ることができ、しかも漏尿対策に優れ、かつ着用時の違和感の少ない尿失禁パ ッドを提供するところにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的達成のため、この考案においては尿を吸収する吸収体と、この吸収体 を収納する成形外被体によって尿失禁パッドを構成するとともにし、各部の構成 においても工夫を凝らしたものである。

【０００６】 すなわち、この考案に係る女性用尿失禁パッドは、軟質発泡材料の成形体から なる外被体と、この外被体の成形凹部に収納した吸収体と、この吸収体の上面を 覆って外被体の周縁鍔部に熱融着された表面材とからなる尿失禁パッドで、外被 体は、少なくとも中央部が括れた平面形状と、前方部が深く後方部に向かって浅 くなる立体形状を有し、吸収体上面は、前方部が外被体の周縁鍔部よりも低位に 位置し、後方部は周縁部よりも上位に位置させてなる女性用尿失禁パッドを特徴 としている。

【０００７】 外被体が、少なくとも中央部が括れた平面形状を有するとは、中央部が括れた バイオリン形ないし繭形の形状および中央部から一端部、特に後方部に至る部分 が前方部よりも細幅である形状の両者を包含する。

【０００８】 吸収体は、好ましくは綿状パルプシート、複数層の吸水紙、消臭紙および吸水 性ポリマーシートの積層体で構成される。吸水紙は繊維が主として長手方向に配 列するものが好ましい。

【０００９】

【作用】

上記のように、軟質発泡材料の成形体からなる外被体の成形凹部に吸収体を収 納すれば、取扱いがきわめて簡便である。また、このような外被体に収納してお けば、足で挟んだ場合、たとえよれが生じても、よれの方向が比較的安定し、外 被体の形は維持されるため、往々にして生理用ナプキンに見られるよこもれの発 生が防止される。

【００１０】 また、外被体ひいては全体平面形状を、少なくとも中央部が括れた平面形状と しているため、股間にフィットし易く、着用時の違和感が少ない。

【００１１】 さらに、外被体の前方部を深く、後方部に向かって浅くなる立体形状を有する ため、経血と異なり中央部からやや前方部に排泄される尿を確実に捕えることが できる。前方で受けた尿は吸収体で吸収されるため、後方になればなるほど外被 体の必要性は乏しいという排尿の特性にも合致し、また、全体が厚みを有するパ ッドに比し、体へのフィット性が良好で着用時の違和感も一層緩和される。

【００１２】 吸収体上面は、前方部が外被体の周縁鍔部よりも低位に位置し、後方部は周縁 部よりも上位に位置させているので、尿を吸収した前方部が体に密着することが なく、不快感を与えない。後方部は表面はさらっとしているため、吸収体が肌に 触れても不快感がない。一方、表面材のシール部分が肌に触れると違和感がある が、後方部では吸収体上面を周縁部よりも上位に位置させているので、着用感が 良好である。

【００１３】 吸収体を綿状パルプシート、複数層の吸水紙、消臭紙および吸水性ポリマーシ ートの積層体で構成した場合、尿は第１層の綿状パルプにすばやく吸収され、直 ちに第２層の吸水紙に到達する。吸水紙の繊維を主として長手方向に配列すると 吸水紙に到達した尿は直ちに長手方向に拡散し、第４層の吸水性ポリマーシート に捕捉される。このように長手方向に十分拡散して吸水性ポリマーシートに捕捉 されるので、尿が一部に溜まることはない。また、よこもれも防止される。

【００１４】 尿はスポット吸収されるので、表面側は主として前方の一部が濡れるだけであ り、後方の表面はさらっとしている。この点からも後方部を薄くすることができ るので体へのフィット性が良く、着用時の違和感を緩和できる。

【００１５】

【実施例】

以下、添附図面に従って説明する。図１は、この考案に係る女性用尿失禁パッ ドの一実施例を示す斜視図で、１は軟質発泡材料の成形体、例えば発泡ポリエチ レンシート、発泡ポリウレタンシートなどの成形体からなる外被体で、周縁鍔部 ２を有し、図２および図３に示すように中央部が括れた平面形状を有している。 ３は、この外被体１の成形凹部４に収納した吸収体、５はこの吸収体３の上面を 覆って外被体１の周縁鍔部２に熱融着した表面材であり、不織布で構成されてい る。６は外被体１の底面に固着した両面接着テープで、使用時に当たって不用意 なずれを防止するため、表面の剥離紙を剥がして下着の所定箇所に止着可能とし たものである。

【００１６】 また、図４の側面図に示すごとく、外被体１は、前方部が深く後方部に向かっ て浅くなる立体形状を有しており、成形凹部４に収納した吸収体３の上面は、前 方部が外被体の周縁鍔部２よりも低位に位置し、後方部は周縁鍔部２よりも上位 に位置する厚みを持たせている（図５参照）。

【００１７】 図６は、吸収体３の標準的構成を示すもので、綿状パルプシート３ａ、複数層 の吸水紙３ｂ、消臭紙３ｃおよび吸水性ポリマーシート３ｄの積層体で構成され ている。各部の厚み、プライ数などは排尿量に応じて決定されるが、一例を上げ れば次の通りである。

【００１８】 排尿量 綿状パルプシート 吸水紙 消臭紙 ポリマーシート 中量用 ２５０ｇ／ｍ^２・１ｐ ４ｐ １ｐ １００ｇ／ｍ^２・１ｐ 少量用 １２５ｇ／ｍ^２・１ｐ ４ｐ １ｐ ５０ｇ／ｍ^２・１ｐ 微量用 １００ｇ／ｍ^２・１ｐ ２ｐ １ｐ ２５ｇ／ｍ^２・１ｐ 吸水紙３ｂは、繊維が主として長手方向に配列しており、吸水紙に到達した尿 は直ちに長手方向に拡散して第４層の吸水性ポリマーシート３ｄに捕捉される構 成となっている。また、消臭紙３ｃは、尿を保持しているポリマーシート３ｄの 上部に置くことで、尿を吸収したポリマーシートからの臭いを有効に消すことが できる。これら積層体は外被体１の内部で位置ずれを起さないように外被体の内 底面と両面接着テープその他の接着手段で止定するものとする。

【００１９】 なお、綿状パルプシート３ａは図７のように前方部で底面側に折り曲げて配す るれば、積層体の一体化を図ることができる。図７ではこの綿状パルプシートの 上面、すなわち積層体の最上面に、さらにレーヨンファイバー３ｅを敷設した例 を示している。

【００２０】 図８および図９は、生理用ナプキンとこの考案の尿失禁パッドとの吸収作用の 比較図で、いずれも（Ａ）は平面図、（Ｂ）は底面図、（Ｃ）は側面図を示して いる。経血７の場合（図９）、吸収スピードが遅いため吸収体の下方部にまで吸 収させ難く、下方部で縦拡散させる構成を用いても有効ではない。しかるに、尿 ８の場合（図８）、吸収スピードが早いため、第１層の綿状パルプシート３ａを 素早く通過し、第２層の吸水紙３ｂに達する。吸水紙３ｂは、主として長手方向 に繊維を配列させているので、吸水紙に達した尿は直ちに長手方向に拡散され、 第４層のポリマーシート３ｄに捕捉される。このような吸収システムをとるため に、尿は図示のようにスポット吸収され、前方表面の一部が濡れるだけで、後方 の表面はさらっとしている。したがって後方部は薄くすることができ、体に対す るフィット性が良く、装着時の違和感も少ない。また、スポット吸収した前方表 面部は、図示の通り、外被体の周縁鍔部２よりも低位に位置しているため、体に 密着せず、不快感を与えない。後方部の表面はさらっとしているので、表面材の シール部分よりも上位に位置させて柔らかい表面材と吸収体が直接肌に触れる構 造として着用感を良好ならしめている。

【００２１】

【考案の効果】

以上の通り、この考案に係る女性用尿失禁パッドは、経血と異なる尿失禁の特 性をも考慮し、全体として簡易なパッド状使用態様を取り得るとともに、有効な 漏尿防止効果を発揮し、また着用感の良好な女性用尿失禁パッドを得たもので、 日常の装着、通院時の装着に使用して最適のものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る女性用尿失禁パッドの一実施例
を示す斜視図、

【図２】同平面図、

【図３】同底面図、

【図４】同側面図、

【図５】同中央縦断面図、

【図６】同尿失禁パッドに使用した吸収体の構造の一例
を示す断面図、

【図７】同吸収体の他例を示す断面図、

【図８】同吸収体の尿の吸収状態を示す説明図で、
（Ａ）は平面図、（Ｂ）は底面図、（Ｃ）は側面図、

【図９】吸収状態の比較のため従来の生理用ナプキンに
おける経血の吸収状態を示す説明図で、（Ａ）は平面
図、（Ｂ）は底面図、（Ｃ）は側面図である。

【符号の説明】

１……外被体 ２……周縁鍔部 ３……吸
収体 ３ａ……綿状パルプシート ３ｂ……吸水紙 ３ｃ……消臭紙 ３ｄ……吸水性ポリマー
シート ３ｅ……レーヨンファイバー ４……成形凹部 ５……表面材 ６……両面
接着テープ ７……経血 ８……尿

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 軟質発泡材料の成形体からなる外被体
   と、この外被体の成形凹部に収納した吸収体と、この吸
   収体の上面を覆って外被体の周縁鍔部に熱融着された表
   面材とからなる尿失禁パッドで、外被体は、少なくとも
   中央部が括れた平面形状と、前方部が深く後方部に向か
   って浅くなる立体形状を有し、吸収体上面は、前方部が
   外被体の周縁鍔部よりも低位に位置し、後方部は周縁鍔
   部よりも上位に位置させてなる女性用尿失禁パッド。
2. 【請求項２】 吸収体が綿状パルプシート、複数層の吸
   水紙、消臭紙および吸水性ポリマーシートの積層体から
   なる請求項１記載の女性用尿失禁パッド。
3. 【請求項３】 繊維が主として長手方向に配列している
   吸水紙を用いた請求項１または２記載の女性用尿失禁パ
   ッド。