JPH0655677B2 - 流動化マガルドラート組成物 - Google Patents

流動化マガルドラート組成物

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JPH0655677B2
JPH0655677B2 JP60233154A JP23315485A JPH0655677B2 JP H0655677 B2 JPH0655677 B2 JP H0655677B2 JP 60233154 A JP60233154 A JP 60233154A JP 23315485 A JP23315485 A JP 23315485A JP H0655677 B2 JPH0655677 B2 JP H0655677B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、再懸濁可能な医薬上好ましい低粘度の経口投
与用水性制酸剤懸濁液投与形態に関し、およびその製造
法並びに使用に関する。
また、本発明は、再水和して、医薬上好ましく、低濃度
で注入可能な経口投与用水性制酸剤懸濁液投与形態を形
成し得るマガルドラート制酸剤粉末組成物およびその製
造法並びに使用に関する。
発明の背景 制酸剤は、胃腸障害の治療に広く用いられ、その胃およ
び十二指腸潰瘍の治瘉を促進する効果が報告されてい
る。基本的には、制酸剤は、胃から分泌される胃酸を中
和することにより、正の効果を示す。胃の内容物のpHが
3以上にあがると大部分の胃酸が中和され、ペプシンの
蛋白質加水分解作用は阻害される。近年、制酸剤の、単
なる緩和作用だけでなく、特に潰瘍治療における治療的
役割をもたせることにより、高い中和(および緩衝)能
力および迅速な胃酸の中和を特徴とする制酸剤提供の重
要性が強調されている。非反応性制酸剤は、通常の胃内
容物排出によつては除去されにくいので、in vivoでの
制酸剤の有効性はこれら制酸剤の特性、特に迅速な中和
速度により決まる。
大部分の制酸剤は、液体および固体投与形態の双方にて
用いられる。水性懸濁液等の液体制酸剤は、一般に、同
一の固体投与形態の制酸剤よりも有効で、病院では通常
液体で処方されることが多い。液体制酸剤のより優れた
効力は、胃酸と反応するために液体懸濁液において作用
し得る表面積が大きいこと、および治療を必要とする患
部により到達し易い水性懸濁液中のコロイド粒子の量が
多いことによる。さらに、脱水されていない制酸剤の水
性懸濁液は、乾燥または固体制酸剤よりも反応性が高
い。
液体制酸剤はこれらの利点を有するが、比較的多容量の
液体懸濁液の投与を必要とする。このような多量の摂取
を行なうことは、病院外の患者に対する確実な対応が一
層困難となり、不都合を生ずる。近年、高い投与量範囲
の液体制酸剤が、十二指腸潰瘍の治瘉の促進および重篤
患者における急性上部胃腸管出血の予防の両方において
有効であることが示されており、通常の固体制酸剤含量
6〜12%を有する通常の液体制酸剤懸濁液をかかる症
状の治療に用いることは、さらに困難になつている。
最も広範囲に用いられる制酸剤は、水和し、コロイド特
性を有し、例れば、アルミニウム、マグネシウム、ビス
マス等を含有するミネラルタイプの不溶性無機塩である
とされている。前記の新たに調製した種々の無機物の水
和形態の化合物およびその懸濁液により、制酸剤におい
て望ましいいくつかの特性が得られる。高い中和能力を
有する液体制酸剤を得るためには、制酸剤成分の固形分
含量を増加させる必要がある。しかし、この様な濃度の
増加は、高レベルでの指数的粘度増加、コロイド特性の
損失および流動性または易動性の喪失をともなう。当
初、流動性を保持しているか、または達成している場合
でさえも、さらに医薬上許容される水性制酸剤懸濁液と
して、なめらかな(ざらつきのない)食感および懸濁性
および再懸濁性のためのゲル構造の維持が必要とされ
る。一般に、再懸濁性水性制酸剤懸濁液は、典型的に
は、更に凝塊または解膠および沈降を阻止または制御す
るための解膠剤または沈殿防止剤を含有する解膠生成物
である。解膠剤または沈殿防止剤タイプの添加剤の非存
在下では、懸濁液中の制酸剤は、かたいケーキまたはゲ
ル構造を形成し、これはもはや当初の望ましい特徴を有
さず、再懸濁できない。かかるケーキまたはゲル構造の
形成は、制酸剤濃度が低い場合を除いては、制酸剤濃度
と無関係である。
この様に、解膠剤および沈殿防止剤は、しばしば、ケー
キング防止のため、約6〜12%の濃度範囲にて固体制
酸剤を含有する水性制酸懸濁製剤中に含まれる。より優
れた酸中和能力を有する制酸懸濁投与形態の提供に対す
る要求が高まるにつれて、高濃度の流動系を提供する方
法が追究されてきた。
包装、輸送および保存のコストは、固体制酸剤よりも液
体の方が高い。従つて、水でしめらせた場合に、可逆的
に当初のコロイド状態に変換され得る制酸剤粉末を開発
することは有用である。
マグネシウム塩をアルカリアルミン酸塩溶液に添加する
ことによりマガルドラート(magaldrate)を沈殿させる
と、6〜15%の固体を含有する白色ゲルになる。この
ゲルの噴霧乾燥粉末は、再水和して均質な懸濁液になる
ことがない。水で湿らせた場合、粉末は、完全にそのま
まで、コロイド状態に戻らない。この粉末はあまり有効
でなく、ざらつき感がある。従つて、全体として容易に
処方でき、遠方の施設に輸送でき、一定期間保存可能
で、要すればコロイド懸濁液に復元し得る、全体として
再水和可能なマガルドラート粉末が当該技術分野におい
て必要とされる。
本願発明において開示された液体マガルドラート組成物
は、多価アルコールの添加後、脱水して乾燥再水和性マ
ガルドラート組成物を形成し得る。
本発明の1つの目的は、高制酸性および良好な食感を有
する水性制酸懸濁液のマガルドラートを提供することで
ある。
本発明の別の目的は、高い制酸性を有し酸性溶液中高濃
度において、迅速に酸を中和し、確実に一定の反応を行
なう望ましい性質を保持する水性制酸懸濁液のマガルド
ラートを提供することである。
本発明の別の目的は、商業的水性制酸懸濁液の典型的な
保存条件下で完全な再懸濁性を呈する。良好な流動性、
注入性および懸濁液特性を有する高制酸性水性マガルド
ラート懸濁液を提供することである。
本発明のさらにもう1つの目的は、水との混合時に良好
な流動性、注入性および懸濁液特性を有し、商業的水性
制酸懸濁液の典型的保存条件下で完全な再懸濁性を有
し、また摂取した場合ざらつきの少ない咀嚼錠に処方し
得る固体粉末の形態の高制酸性再水和性マガルドラート
組成物を提供することである。
発明の要約 本発明によれば、高制酸性を有する流動性、再懸濁性の
医薬上好ましい制酸剤懸濁液に処方し得ることを特徴と
する水性制酸組成物が提供される。この組成物は、未乾
燥の沈降マガルドラートゲル、第1流動化剤としてコロ
イド特性を有する水酸化アルミニウムゲル、ならびにク
エン酸および医薬上許容されるクエン酸イオン源からな
る群の少なくとも1つから選ばれた第2流動化剤の流動
化量の組合せからなる。
さらに本発明によれば、水との混合時に、高い制酸性を
有する流動性再懸濁性の医薬上好ましい制酸懸濁液に処
方し得ることを特徴とする固体粉末形態の再水和性マガ
ルドラート組成物が得られる。この組成物は、他成分と
同時に乾燥させた沈降マガルドラートゲル、第1流動化
剤としてコロイド特性を有する水酸化アルミニウム、お
よびクエン酸および医薬上許容されるクエン酸イオン源
からなる群の少なくとも1つから選ばれた第2流動化剤
の流動化量の組合せ、ならびに多価アルコールからな
る。
他の具体例において、本発明は、流動性再懸濁性の医薬
的に好ましいマガルドラートの制酸剤懸濁液に処方し得
ることを特徴とする高制酸性水性制酸剤組成物の製造方
法を包含する。この方法は、未乾燥の沈降マガルドラー
トゲルを、流動化量の第1および第2流動化剤と混合す
ることからなる。第1流動化剤は、コロイド特性を有す
る水酸化アルミニウムゲルから選ばれ、第2流動化剤
は、クエン酸および医薬上許容されるクエン酸イオン源
からなる群の少なくとも1つから選ばれる。本発明の高
制酸性水性制酸剤組成物の製造方法は、例えば、マガル
ドラートゲルケーキを高濃度ペーストに予め濃縮し、次
いで流動化量の第1および第2流動化剤の組合せで流動
化するか、あるいは、予め流動化量の第1および第2流
動化剤の組合せと混合した、流動性で比較的低濃度のマ
ガルドラートゲルケーキを濃縮することによるなど、広
範囲にわたる方法により行なうことができる。
さらに別の具体例において、本発明は、高い制酸性を有
し、流動性、再水和性で医薬上好ましいマガルドラート
の制酸剤懸濁液に処方し得ることを特徴とする再水和性
制酸剤組成物の製造方法を包含する。この方法は、未乾
燥の沈降マガルドラートゲルを、流動化組合せの第1お
よび第2流動化剤、および多価アルコールと混合するこ
とからなる。該工程は、得られた混合物を脱水または乾
燥して、所望の再水和性制酸剤組成物を形成する以外は
前記のとおりである。
本発明のマガルドラートは、未乾燥の沈降物形態の制酸
剤である。本明細書では、予め乾燥して、水和した無水
状態にしていないマガルドラートゲルについて記載す
る。
発明の詳説 マガルドラートは、米国薬局方XX、別冊3USP-NFによ
ると、概ね式Al5Mg10(OH)31(SO4)2xH2Oで示される水酸
化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムが化学的に結
合したものであつて、約1097.4の分子量を有する。マガ
ルドラートは、また、前記文献において水酸化マグネシ
ウムアルミニウム硫酸塩として記載され、29.0%以上4
0.0%以下の酸化マグネシウム(MgO)、および、当量の
18.0%以上、26.0%以下の酸化アルミニウム(Al2O3
を含有する。
マガルドラートの製造方法は、米国特許第292366
0号に記載されている。商業的に適した方法は、該特許
において、例えば第2欄40行から記載されているが、
最終製品のナトリウム含量を低く保つには、該特許で開
示されている酸化ナトリウムよりも酸化カリウム(また
は水酸化カリウム)を用いる方が好ましい。典型的に
は、マガルドラートを沈殿させて6w/v%混合物(新し
い時は液体状態)を得、3%に希釈して洗浄した後濃縮
し、懸濁液5mlにつき13.5〜15ミリグラム当量のいわ
ゆる力価1の中和強度(ANC)(約12〜13w/wの
範囲の固形分含量のマガルドラートに相当する)を有す
る懸濁液に処方する。この濃度で、未処方のマガルドラ
ートは、ペースト状ゲルである。商標RIOPANの具体的市
販品において、マガルドラートは、ゲル粘度を低下さ
せ、満足のいく流動化を達成するために、アラビアゴム
とあわせて処方される。アラビアゴムは、いわゆる力価
1のマガルドラート製品についての流動化剤として適し
ており、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウム
または2種の水酸化物の物理的混合物からなる濃縮され
た水性制酸剤ゲルケーキ商品の粘度を低下させるのに適
していることが報告されているが、これは、5mlにつき
約22ミリグラム当量以上のANCのマガルドラート生
成物および本発明の高制酸性組成物を得るのには適して
いない。水酸化アルミニウムまたはマグネシウム制酸剤
またはその混合物の流動化において記載されているアラ
ビアゴムの有用性がマガルドラートに及ばないことは、
その結晶構造が異なると記載されており当然である。こ
の様に、マガルドラートは、天然の鉱物であるマナセア
イトおよびモツコレアイト(motukoreaite)と非常に類
似した構造を有し、主な中間膜として、少量の炭酸塩不
純物を含む硫酸塩を含有すると考えられるが、水酸化マ
グネシウムは、ブルース石に最もよく似ており、水酸化
アルミニウムは、無秩序で、アモルフアスな高分子構造
を有する。数種の水酸化アルミニウムおよびマグネシウ
ムの物理的混合物は、熟成するとブルース石の特性を多
く保持したまま、マナセアイト型構造を形成することが
報告されている。
しかし、水性懸濁液投与形態の単なる流動化または解膠
は、水性制酸剤懸濁液配合の1つの要因にしかすぎな
い。この様に、流動化が再懸濁性の犠性、酸中和能力ま
たは制酸剤緩衝性の速度または程度の損失のもとに、即
座に又は熟成後に達成されるのであるならば、より高濃
度の懸濁液の流動化を促進することに利点はない。この
関係は、1つの化学物質における所望の制酸剤特性の例
外的バランス、即ち、迅速な反応速度、治療上望ましい
範囲内での持続性緩衝作用、および良好な酸消費能力の
例外的バランスのため、主な制酸剤としてマガルドラー
トを含む水性制酸懸濁液にとつて特に重要である。本発
明に関しては、マガルドラートゲルの流動学的性質が著
しく変化しても、マガルドラート制酸剤特性の所望のバ
ランスが保持されるので、濃厚な高制酸性マガルドラー
ト懸濁液の調製が可能となる。本発明に伴う別の利点
は、得られる所望の流動学的性質が一様であることで、
これにより、流動化および未流動化マガルドラートゲル
の両者の流動学的性質において通常固有の非予見性を伴
なつて取扱うのにしばしば必要とされるバツチ間の細か
い調整が低減または除去されることである。
前記の如く、本発明のマガルドラートゲルは、予め乾燥
して水和した無水状態にしていない沈降マガルドラート
を意味する。本発明の組成物に含まれる流動化成分によ
り、無水マガルドラートゲルを用いた水性混合物は、よ
く流動化され得るが、これより得られる組成物は、本発
明の組成物により得られる所望の懸濁液、再懸濁性、コ
ロイドおよび制酸剤特性を有しない。さらに、本発明の
組成物においては、古いゲルを用いると、新しい沈降マ
ガルドラートゲルを含む同じ組成物よりも、比較的高い
比率の流動化成分を必要とするので、新しい沈降マガル
ドラートゲルを用いるのが好ましい。
最も通常に入手可能な制酸剤懸濁液およびANC約13.5ミ
リグラム当量/5mlのマガルドラート制酸剤懸濁液商品
と異なり、本発明の組成物により、少なくとも25〜3
0ミリグラム当量/5mlまたは少なくとも約17〜18
%から約20w/w%、または約18〜約22w/v%の酸中
和能力(力価2)が容易に得られる。あまり濃厚でない
懸濁液、例えば13.5ミリグラム当量/5mlのANCを有
するものも、本発明の組成物および方法により容易に得
られる。本発明の組成物のANCおよび濃度の上限は、
入手しうるものの性能によつてのみ制限されるが、50
〜60ミリグラム当量/5mlのオーダーと考えられる。
乾燥マガルドラート成分の流動化成分に対する比は、約
25:1〜約2:1、好ましくは、約8:1〜約4:1
である。例えば、懸濁液1あたり216gのマガルド
ラートを含有する組成物においては、25:1〜2:1
の比は、流動化剤約8.0g/〜約104g/に相当
する。
乾燥第1流動化剤(水酸化アルミニウムゲル、酸化アル
ミニウム換算)の第2流動化剤に対する比は約1:15
〜約1:1、好ましくは、約1:6〜約1:2、最も好
ましくは、約1:4の範囲である。例えば、流動化剤に
対する比が8:1である懸濁液1につき216gのマ
ガルドラートを含有する組成物、即ち、27g/の流
動化剤を含有する組成物において、第1流動化剤の第2
流動化剤に対する比が1:4であることは、第1流動化
剤が約5.4g/、第2流動化剤が21.6g/であるこ
とに相当する。
本発明の再水和性マガルドラート組成物に用いるに適し
た多価アルコールとしては、2〜6個の遊離した水酸基
を有するものが挙げられ、プロピレングリコール、グリ
セロール、エリスリトール、トレイトール、リビトー
ル、キシリトール、アラビニトール、グリシトール、ソ
ルビトール、マンニトールおよびズルシトールが挙げら
れる。多価アルコールは、組成物の約5〜約10wt%存
在してもよい。ソルビトールが好ましい多価アルコール
である。
一具体例において、本発明は、高い制酸能力の水性制酸
剤組成物であつて、さらに流動性、再懸濁性の医薬上好
ましいマガルドラートの制酸剤懸濁液に処方し得ること
を特徴とする組成物の製造方法に関する。この方法は、
概して、未乾燥の沈降マガルドラートゲルを、流動化成
分である本発明の第1および第2流動化剤と混合するこ
とからなる。さらに、混合は、マガルドラートゲルの濃
縮前または後に行なうことができる。
従つて、一態様において、本発明の方法は、 (a) 低濃度の未乾燥の沈降マガルドラートゲルを、第
1流動化剤としてコロイド特性を有する水酸化アルミニ
ウム、およびクエン酸および医薬上許容されるクエン酸
イオン源からなる群の少なくとも1つから選ばれた第2
流動化剤の流動化量の組合せと混合し、 (b) 工程(a)の混合物を濃縮して、流動性、高制酸性水
性マガルドラート懸濁液にする ことからなる。
あるいは、本発明の方法を工程を逆にして、まずマガル
ドラートゲルを濃縮して、高い制酸性を呈する濃度に
し、次いでマガルドラートゲル濃縮物を、流動化量の本
発明の第1および第2流動化剤と混合してもよい。
好ましい具体例において、本発明は (a)第1流動化剤としてコロイド特性を有する水酸化ア
ルミニウム、およびクエン酸および医薬上許容されるク
エン酸イオン源からなる群の少なくとも1つより選ばれ
た第2流動化剤の流動化量の組合せを含有する水性混合
物を形成し、 (b)未乾燥の沈降マガルドラートゲルを、高制酸性にな
る様に濃縮し、 (c)濃縮マガルドラートゲルを、前記流動化剤を含有す
る混合物の流れに、量を増加させながら連続的に添加
し、混合して、濃縮ゲルを流動化して、流動性懸濁液に
し、 (d)工程(B)で得られた追加の濃縮マガルドラートゲル
を、工程(C)のより濃縮され流動化された懸濁液の連続
的再循還流れに、量を増加させながら連続的に添加し、
混合して、流動化された高制酸性マガルドラート懸濁液
を得る ことからなる。
本発明の方法において用いられる物質の濃度および比率
は、本発明の組成物に関して記載したのと同じであり、
流動化懸濁液のマガルドラート濃度に基づく。この様
に、前記方法の工程(b)におけるマガルドラートの濃度
は、該懸濁液の最終濃度よりも高い。また、本発明の組
成物の場合と同様に、本発明の方法では、好ましくは、
新しい沈降マガルドラートゲルを用いる。
再水和性粉末の具体例において、本発明は、高制酸性水
制酸剤液組成物であつて、さらに、水との混合時に、流
動性、再懸濁性で、医薬上好ましいマガルドラートの制
酸剤懸濁液を形成する再水和性マガルドラート組成物の
製造方法に関する。該方法は、一般に、未乾燥の沈降マ
ガルドラートゲルを、多価アルコール、および本発明の
第1および第2流動化剤の流動化組合せと混合すること
からなる。さらに、混合は、マガルドラートゲルの濃縮
前または後に行なうことができる。
従つて、一態様において、本発明の方法は、 (1) 低濃度の未乾燥の沈降マガルドラートゲルを、多
価アルコール、および第1流動化剤としてコロイド特性
を有する水酸化アルミニウムゲル、およびびクエン酸お
よび医薬上許容されるクエン酸イオン源からなる少なく
とも1つの群から選ばれた第2流動化剤の流動化量の組
合せとの混合物と混合し、 (b) 工程(a)の混合物を濃縮して、流動性高制酸性水性
マガルドラート懸濁液にし、 (c) 工程(b)の混合物を、噴霧乾燥機等で乾燥すること
からなる。
あるいは、本発明の方法の最初の2つの工程を逆にし
て、マガルドラートゲルをまず高制酸性を示す濃度に濃
縮し、次いで濃縮マガルドラートゲルを、流動化量の本
発明の第1および第2流動化剤の組合せと混合すること
により、流動化してもよい。
好ましい具体例において、本発明の方法は、 (a) 多価アルコール、および第1流動化剤としてコロ
イド特性を有する水酸化アルミニウムゲル、およびクエ
ン酸および医薬上許容されるクエン酸イオン源からなる
群の少なくとも1つから選ばれた第2流動化剤の流動化
量の組合せを含有する水性混合物を形成し (b) 未乾燥の沈降マガルドラートゲルを、高制酸性と
なる様に濃縮し、 (c) 濃縮マガルドラートゲルを、前記流動化剤を含有
する混合物の流れに、量をふやしながら連続的に添加し
て、濃縮ゲルを流動化させて、流動性懸濁液にし、 (d) 工程(c)の混合物を、噴霧乾燥機等で乾燥すること
によりなる。
本発明の組成物もまた、水性制酸剤懸濁液の分野におい
て通常の、本発明の範囲に含まれない、多くの医薬上許
容される賦形剤を含んでもよく、また通常含んでいる。
かかる賦形剤としては、1またはそれ以上の矯味矯臭
剤、例えばペパーミント等;甘味料、例えばサツカリ
ン、ソルビトール;保存料;消毒薬;増量剤等が挙げら
れる。
新たに調製したか、または再水和した本発明の液体組成
物は、他の治療上活性な物質、例えば、シメチコン等の
抗膨満剤;反すう性食道炎の治療用アルギン誘導体;ア
セトアミノフエン、イブプロフエンおよび保護アスピリ
ン等の鎮痛剤;種々の制瀉剤および副交感神経作用遮断
剤;ジメチジン、ラニチジンおよびスクラルフエート等
の抗潰瘍剤等を含んでもよい。
新らたに調製の、または再水和した本発明の組成物は、
ヒトまたは哺乳動物における種々の胃腸管障害の治療に
有用である。かかる障害の典型的なものとしては、過塩
酸症、消化性潰瘍、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、食道
炎、裂孔ヘルニア、および他の消化性障害が挙げられ
る。前記の如く、本発明の組成物は、単に症状を緩和す
るだけでなく、治療的役割をはたす制酸剤を必要とする
疾病の治療において特に有用である。本発明の組成物の
投与形態は、通常、経口投与される。一般に、組成物の
治療投与量は、その組成物のANCと公知の制酸剤投与
形態のANCとの関係により決めることができる。
前記の方法により調製されたマガルドラートは、小さな
粒子を含み、その結果、表面積が大きくなり、かつ表面
電荷が高いと考えられる。前記のような物質に関して
は、その有用な保存期間中の最高有効値を保証するため
に、マガルドラートのコロイド特性を維持することが必
須であり、粘度のコントロールが臨界的であつて、濃度
を増加させることはより困難である。このコントロール
は、流動化量の第1および第2流動化剤の組合せによつ
て達成され、その際、第2流動化剤がマガルドラートの
表面電荷をコントロールして所望の負の作用をおこし、
一方、第1流動化剤はアニオン吸収過程を促進し、マガ
ルドラートと競合的な基質を提供し、それにより、負の
作用の平衡を保つ。負の作用は、ゼータ・ポテンシヤル
の測定により決められるが、この様にして、マガルドラ
ート懸濁液を流動化して、所望の性質を持続させる平衡
状態を有する易動化ゲルにする。
実施例 以下の実施例により、本発明をさらに説明する。実施例
1〜3においては、マガルドラートゲル(カリウムベー
ス)をまず約24w/w%に濃縮して、かたく流動性のな
いペーストにし、次いで列挙した組成物を製造するのに
用いる。
実施例1 成 分 量(mg) マガルドラートゲル 152.5 水酸化アルミニウム(コロイド状) 7.4 クエン酸カリウム 30.8 サツカリン 0.4 ソルビトール溶液(70%) 100.0 ペパーミントフレーバー 0.2 オレンジフレーバー 2.0 水(q.s.) 1000.0 この組成により、約20ミリグラム当量/5mlのANC
を呈する15.2%マガルドラート固形物を含む本発明のマ
ガルドラート懸濁液が得られる。
クエン酸塩を、80w/w%溶液を作るのに十分な水に溶
かす。クエン酸塩およびペースト状で得られた水酸化ア
ルミニウム(12.5〜13.5%Al2O3)を濃縮したマガルド
ラートゲルペーストに添加する。易動性懸濁液になるま
で、混合物を混ぜあわせる。次いで他の成分をこの懸濁
液に添加し、水を最後に加えて、最終重量になる様にす
る。混合物をさらに混ぜ合わせて、均質な懸濁液を得
る。この懸濁液を次いでさらに均質化してから12オン
ス容器に充填し、安定性を観察する。
懸濁液を4カ月間に渡り評価した。各時点において、懸
濁液は当初のANC、物理的外観、粒子径分布、易動度
および再懸濁性を保持することが判明した(主で5回振
とうする)。
実施例2 成 分 量(mg) マガルドラートゲル 170.8 水酸化アルミニウム(コロイド状) 8.1 クエン酸カリウム 34.2 サツカリン 0.4 ソルビトール溶液(70%) 50.0 グリセリン 50.0 ペパーミントフレーバー 0.3 水(q.s.) 1000.0 この実施例における本発明のマガルドラート組成物よ
り、約24ミリグラム当量/5mlのANCを有する約1
7.1%マガルドラート固形分を含有する懸濁液が得られ
る。
この実施例の組成物は、実施例1と同様にして製造し、
同じ結果が得られた。
実施例3 成 分 量(mg) マガルドラートゲル 201.3 水酸化アルミニウム(コロイド状) 10.5 クエン酸カリウム 40.1 サツカリン 0.4 ソルビトール溶液(70%) 80.0 グリセリン 20.0 レモンフレーバー 2.7 ペパーミント・フレーバー 0.2 水(q.s.) 1000.0 この20.1w/w%マガルドラート組成物のANCは約29
ミリグラム当量/5mlである。
この実施例の組成物を再び流動性懸濁液にし、実施例1
と同様にして製造し、同じ結果を得る。
実施例4 本発明に従つて、30ミリグラム当量/5mlのANCま
たはマガルドラート1080mg/5mlを有するマガルド
ラート懸濁液製品を以下の様にして製造する。1(1.
18kg)用の処方を示す。
成 分 量 マガルドラートゲル 2.931* 水酸化アルミニウム(12.5%Al2O3)47.8g クエン酸カリウム 19.6g ソルビトール溶液(70%) 57.4g グリセリン 47.8g サツカリン 0.383g キサンタンガム 1.43g ペパーミント(天然および人工) 0.283ml モノクロルアミン溶液 q.s. 水(精製、塩素化q.s.) 1.18kg *理論的仕込量は、1につき100%マガルドラート
216gである。
1.撹拌装置を備えた適当な槽内で、ソルビトール溶液、
水15.7gおよびクエン酸塩を合し、次いで透明な溶液に
なるまで混合する。水酸化アルミニウムゲルを添加し、
均一になるまで混合し、使用するまで混合を続ける。
2.マガルドラートゲルの濃縮直前に、工程1の混合物1
26gを、スターラーを備えたジヤケツトつきタンクに
添加する。連続的に撹拌しながら、マガルドラートゲル
をロータリーフイルター上で混合物が24w/w%以下と
ならないように濃縮し、25℃に冷却し始める。全ての
濃縮物を添加した後工程1の残りの混合物を連続的に撹
拌しながら添加し、均一になるまで撹拌する。
3.工程2の混合物をホモジナイザーを通してジヤケツト
付タンクに、連続的に撹拌し、連続的に25℃に冷却し
ながら添加する。
4.水およびモノクロルアミン以外の残りの成分を別の容
器内で均一になるまで混合し、その後、これをマガルド
ラート混合物に添加し、キサンタンガムが水和されるま
で混合する。次いで(混合しながら)水を添加し、バツ
チを約1.18kgにする。
5.懸濁液を充填する前に、十分な量のモノクロルアミン
を非流動性物質に添加し、混合して、懸濁液中少なくと
も85ppmとなるようにする。
6.懸濁液を滅菌容器に充填し、ふたをして、さかさまに
してから、もとにもどす。
本実施例の懸濁液を繰り返し、凍結−解凍サイクル(各
24時間)に付したところ、各サイクル後に、物理的お
よび制酸剤特性は保持されていた。一方、従来のマガル
ドラート懸濁液は、解膠剤としてアカシアを含む13.5ミ
リグラム当量/5mlのものでさえも、わずか1サイクル
後に、全ての特性を失つた。
実施例5 実施例4に記載した方法により、約45ミリグラム当量
/5mlのANCを有する本発明のマガルドラート懸濁液
を調製する。
成 分 量 マガルドラートゲル(約34%) 985.0g 水酸化アルミニウムゲル(Al2O312.5%) 47.8g クエン酸カリウム 39.2g ソルビトール溶液(70%) 57.4g グリセリン 47.8g サツカリン 0.383g キサンタンガム 1.43g ペパーミント・フレーバー 0.283ml モノクロルアミン溶液q.s. 100ppm 水(精製、塩素化q.s.) 1.0 実施例7 本発明のマガルドラート懸濁液を、シメチコンを添加し
て、ANC30ミリグラム当量/5ml、シメチコン30
mg/5mlの懸濁液とする以外は、実施例4に記載した式
および方法により調製した。
この実験においては、前記の如く異なる2種の組成の新
たに濃縮したマガルドラートゲルを用いて、ANC30
ミリグラム当量/5mlの懸濁液を調製する。ソルビトー
ル、クエン酸塩、および水酸化アルミニウムゲルを、ス
ターラーを備えた容器に添加し、混合を始める。この容
器にマガルドラートを、好ましくは量をふやしながら添
加し、均一になるまで混合する。サツカリンおよびフレ
ーバーをグリセリン中に分取し、その後、キサンタンガ
ムを添加し、均一になるまで混合する。フレーバーを添
加した懸濁液を、次いで混合しながら流動化マガルドラ
ートに添加し、混合物が均一になり、ガムが水和される
まで混合する。約100ppmの塩素を有する塩素消毒溶
液に必要な量の蒸留水を混合しながら添加する。酸化ア
ルミニウムのクエン酸塩に対する比が、約1:8.8〜約
1:3.95の範囲である懸濁液(12)を、次いで容器に充填
する。全ての処方により、再懸濁性を含めた所望の物理
的および制酸剤特性を有する懸濁液が得られる。
実施例8 前記実施例において記載したモノクロルアミン溶液の典
型的処方は、次のとおりである: 次亜塩素酸カルシウム60% 14.0g 濃アンモニア溶液 7.4g 塩素化精製水 1998.0g
フロントページの続き (72)発明者 マーク・アーネスト・クーンズ アメリカ合衆国ニユーヨーク州12919、チ ヤンプレイン、アツシユライン・ドライブ 10番

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未乾燥の沈降マガルドラートゲル、第1流
    動化剤としてコロイド特性を有する水酸化アルミニウム
    ゲル、ならびにクエン酸および医薬上許容されるクエン
    酸イオン源からなる群の少なくとも1つから選ばれた第
    2流動化剤の流動化量の組合せからなり、高制酸性を有
    する流動性再懸濁性の医薬上好ましい懸濁液に処方し得
    ることを特徴とする水性制酸剤組成物。
  2. 【請求項2】クエン酸イオン源が、クエン酸カリウム、
    クエン酸ナトリウムおよびクエン酸アルミニウムからな
    る群より選ばれる特許請求の範囲第1項記載の組成物。
  3. 【請求項3】第2流動化剤がクエン酸カリウムである特
    許請求の範囲第1項記載の組成物。
  4. 【請求項4】前記流動化剤成分に対する乾燥基準のマガ
    ルドラートの比が、25:1〜2:1の範囲である特許
    請求の範囲第1項記載の組成物。
  5. 【請求項5】乾燥基準の第1流動化剤の第2流動化剤に
    対する比が、1:15〜1:1である特許請求の範囲第
    1項記載の組成物。
  6. 【請求項6】第2流動化剤としてクエン酸カリウムを含
    み、前記流動化剤成分に対する乾燥基準のマガルドラー
    トの比が、8:1〜4:1であり、第2流動化剤に対す
    る乾燥第1流動化剤の比が、1:6〜1:2である特許
    請求の範囲第1項記載の組成物。
  7. 【請求項7】少なくとも10w/v%の前記マガルドラー
    トを含有する特許請求の範囲第1項記載の組成物。
  8. 【請求項8】少なくとも18w/v%の前記マガルドラー
    トを含有する特許請求の範囲第1項記載の組成物。
  9. 【請求項9】未乾燥の沈降マガルドラートゲルの水性混
    合物を、第1流動化剤としてコロイド特性を有する水酸
    化アルミニウム、ならびにクエン酸および医薬上許容さ
    れるクエン酸イオン源およびその混合物からなる群より
    選ばれた第2流動化剤と混合することからなる、高制酸
    性を有する流動性再懸濁性の医薬上好ましい懸濁液に処
    方し得ることを特徴とするマガルドラートゲルの水性制
    酸剤組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】流動化剤との混合前に、前記マガルドラ
    ートゲルが、かたい非流動性ペーストの形状である特許
    請求の範囲第9項記載の製造方法。
  11. 【請求項11】流動化剤との混合前に、前記マガルドラ
    ートゲルが低濃度であって、流動化剤との混合後に水を
    除去することにより、前記水性混合物を濃縮する特許請
    求の範囲第9項記載の製造方法。
  12. 【請求項12】(a)第1流動化剤としてコロイド特性を
    有する水酸化アルミニウム、ならびにクエン酸、医薬上
    許容されるクエン酸イオン源およびその混合物からなる
    群より選ばれた第2流動化剤の流動化量の組合せを含有
    する水性混合物を形成し、 (b)未乾燥の沈降マガルドラートゲルを、少なくとも1
    0w/v%の濃度に濃縮し、 (c)濃縮マガルドラートゲルを、前記流動化剤を含む混
    合物の流れに、徐々に連続的に加え、混合することによ
    り、濃縮ゲルを流動化して流動性懸濁液にし、 (d)工程(b)で得られた追加の濃縮マガルドラートゲル
    を、工程(c)のより濃縮され流動化された懸濁液の連続
    的再循還流に、徐々に連続的に加え、混合して、流動化
    された高制酸性マガルドラート懸濁液を得ることからな
    る、高制酸性を有する流動性再懸濁性の医薬上好ましい
    懸濁液に処方し得ることを特徴とするマガルドラートゲ
    ルの水性制酸剤組成物の製造方法。
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