JPH0655514A - 繊維強化セラミックスの製造方法 - Google Patents

繊維強化セラミックスの製造方法

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JPH0655514A
JPH0655514A JP4206608A JP20660892A JPH0655514A JP H0655514 A JPH0655514 A JP H0655514A JP 4206608 A JP4206608 A JP 4206608A JP 20660892 A JP20660892 A JP 20660892A JP H0655514 A JPH0655514 A JP H0655514A
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JP
Japan
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fiber
ceramics
extrusion
molded body
reinforced ceramics
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Withdrawn
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JP4206608A
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English (en)
Inventor
Tsukasa Shiomi
司 塩見
Tsuneo Tateno
常男 立野
Kazuhiko Asano
和彦 浅野
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形体の緻密化を図りながら、製造中におけ
る異物の混入や剥離等の問題を解消でき、品質に対する
信頼性を向上できる繊維強化セラミックスの製造方法を
提供する。 【構成】 セラミックス粉末5に無機質繊維6を配合し
て混練物7を作成し、該混練物7を押出し成形する場合
に、これの押出し比率(シリンダ内径D/押出しノズル
内径D1 2 を8以上にする。これにより上記無機質繊
維6を一方向に、かつ均一に配列してなるセラミックス
成形体8を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックスマトリッ
ク中に無機質繊維を配合してなる繊維強化セラミックス
成形体の製造方法に関し、詳細には製造中における異物
の混入や剥離,亀裂等の問題を生じることなく、緻密な
成形体を形成でき、ひいては品質に対する信頼性を向上
できるようにした全く新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックス中に無機質繊維を混入して
なる繊維強化セラミックスは、強度,靱性,耐摩耗性等
の機械的性質に優れた特性を有しており、各種の機械部
品,構造用材料として注目されている。この繊維強化セ
ラミックスの製造方法として、従来からセラミックス材
料中に無機質繊維を配合して混練物を形成し、この混練
物を金型,CIP等により成形する方法がある。しか
し、これにより得られた成形体は、無機質繊維がランダ
ムに配列されていることから、焼結時にセラミックスの
収縮が阻害され、その結果焼結体の緻密化を困難にして
いる。このようなセラミックスの収縮性を向上するため
に、従来、HIPやホットプレス等により成形体を高
温,高圧下で焼結して緻密体を得る方法がある。また、
特開昭62-270470 号公報, 特開平2-263768 号公報に
は、無機質繊維を一方向に配列して焼結性を改善し、こ
れにより緻密化を図るようにした方法が提案されてい
る。これは、セラミックス材料と無機質繊維との混練物
を押出し成形し、これにより無機質繊維が一方向に配列
した薄板,細径状の中間成形体を形成し、これを積層し
たり,束ねたりした後、金型,CIP等で加圧成形し、
これにより所定の大きさ,形状の一体成形体を形成し、
この後HIPやホットプレス等で高温,高圧焼結する方
法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記各公報
による製造方法は、押出しノズルから混練物を押し出す
際に、無機質繊維を押出し方向に配向させるために上記
ノズル径を小さく設定している。従って、得られる中間
成形体は薄板状,細径状となるため、該中間成形体を積
層したり,束ねたりして所定形状の一体成形体を得てい
る。しかしながら、このような従来方法では、ハンドリ
ング回数が増えることから各工程中に異物が混入し易
く、しかも積層,集束すると焼結時に剥離や亀裂等の問
題も生じ易くなることから、機械的性質に支障をきたす
場合があり、品質に対する信頼性が低いという問題点が
ある。
【0004】本発明の目的は、成形体の緻密化を図りな
がら、製造中における異物の混入や剥離等の問題を解消
でき、品質に対する信頼性を向上できる新規な方法によ
る繊維強化セラミックスの製造方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本件発明者らは、成形体
の緻密化を図るために鋭意検討したところ、混練物の押
出し比率(後述)が焼結時の収縮性に影響を与えている
ことに着目した。即ち、押出し形成する際に無機質繊維
の配列性指数(後述)を上げることによって焼結収縮が
改善されること、しかもこの配列性指数には押出し比率
が大きく関与していることを見出した。このことから最
適な押出し比率を設定することによって、押出し成形ノ
ズルの内径を自在に設定でき、ひいては緻密で、かつ厚
板,大径状の成形体が得られることに想到し、本発明を
成したものである。
【0006】そこで本発明は、セラミックス粉末に無機
質繊維を配合して混練物を形成し、該混練物を押出し比
率8以上にて押出し成形し、これにより上記無機質繊維
を一方向に均一に配列してなるセラミックス成形体を得
ることを特徴とする繊維強化セラミックスの製造方法で
ある。
【0007】ここで、上記押出し比率とは、混練物が充
填されるシリンダの内径Dと、該混練物が押し出される
ノズルの内径D1 との(D/D1 2 比をいう。また、
上記押出し比率は、無機質繊維の配合量によって変化す
ることから該繊維量に応じて適宜設定する。ちなみに、
無機質繊維量を増やすほど比率を大きく設定することに
よって緻密性を向上できる。また、上述の配列性指数と
は、成形体の縦断面における繊維の長手方向配列量の、
横断面における繊維の長手方向配列量に対する倍数であ
り、縦断面220/横断面220で表わす。
【0008】
【作用】本発明に係る繊維強化セラミックスの製造方法
によれば、混練物の押出し比率を8以上としたので、こ
の比率に応じたノズル径を自在に設定できることから、
緻密で、しかも厚板状,大径状の成形体を得ることがで
きる。その結果、従来公報のように中間成形体を積層し
たり束ねたりする工程を不要にできることから、異物の
混入や剥離,亀裂の問題を解消でき、ひいては機械的性
質の悪化を回避でき、品質に対する信頼性を向上でき
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図について説明す
る。図1は、本発明の一実施例による繊維強化セラミッ
クスの製造方法を説明するための図である。図におい
て、1は本実施例方法に採用される押出し装置である。
この装置1は、円筒状のシリンダ2内に加圧パンチ3を
進退自在に挿入するとともに、シリンダ2の先端部に押
出しノズル4を接続形成して構成されている。そして、
上記シリンダ内径Dとノズル内径D1 との押出し比率
(D/D1 2 は8以上に設定されている。
【0010】次に、上記押出し装置1による繊維強化セ
ラミックスの一製造方法を説明する。まず、アルミナ粉
末5に、短繊維状のSiCウィスカ6を10〜20wt%の範
囲で配合し、これに結合剤,可塑剤を添加して所定硬さ
の混練物7を形成する。この混練物7を真空,又は減圧
容器内で再混練して十分脱気する。これによりマトリッ
クスとなるアルミナ粉末5中にSiCウィスカ6がラン
ダムに配列された混練物7が形成される。
【0011】次に、上記混練物7をシリンダ2内に充填
し、この状態で加圧パンチ3を下降させて混練物7を加
圧しつつノズル4から棒状の成形体8を押し出す。この
押し出す際に、ランダムに配列しているSiCウィスカ
6は徐々に押出し方向に配向し、ノズル4部分で一方向
に、かつ均一に配列することとなり、これにより緻密な
成形体8が得られる。
【0012】このようにして得られた成形体8を、500
℃の不活性ガス雰囲気中にて加熱して結合剤等を除去し
た後、続いて1700〜1900℃程度に昇温加熱して常圧焼結
する。この焼結時において、上記ウィスカ6は同一方向
に配列していることから、アルミナ粉末5の収縮性を阻
害することはない。これにより本実施例の繊維強化セラ
ミックスが製造される。
【0013】このように本実施例によれば、シンリダ内
径Dとノズル内径D1 とからなる押出し比率を8以上と
したので、ノズル4の内径D1 を大きく設定してもSi
Cウィスカ6を同一方向に均一に配列できる。これによ
り緻密な成形体8を得ることができ、しかも大径状の成
形体8を容易に形成でき、従来公報の中間成形体を積層
する場合のような異物の混入や剥離,亀裂の問題を解消
できる。その結果、強度,靱性,耐摩耗性等の機械的性
質に優れた軸用部品,構造用材料を製造でき、品質に対
する信頼性を大幅に向上できる。
【0014】また、本実施例方法は、押出し比率を設定
するだけで緻密な成形体を得るという方法であることか
ら、常圧焼結を行ってもセラミックスの収縮性を向上で
き、従来のHIPやホットプレス等による高温,高圧焼
結を不要にできる。
【0015】次に、本実施例による製造方法の効果を確
認するために行った試験について説明する。この試験
は、上記SiCウィスカの配合量を10〜20wt%の範囲で
変化させるとともに、ノズルの内径を変化させて押出し
比率の異なる成形体を作成した。そして、この各成形体
の押出し比率別の配列性指数を調べるとともに、焼結後
の相対密度を測定した。なお、上記配列性指数は、X線
回析により押出し直後の成形体の縦断面,横断面におけ
るSiCウィスカの〔220 〕面, 〔111 〕面のピーク比
との対比で求めた。
【0016】図2ないし図5は上記試験結果を示す特性
図である。図2は、SiCウィスカを10wt%配合し、押
出し比率を5,8,10,15と変化させた場合の焼結
温度と相対密度との関係を示し、図3は上記各押出し比
率別の配列性指数を示す。同図からも明らかなように、
押出し比率を5とした場合、配列性指数は5と低く、焼
結温度を高くしても相対密度は80%程度しか得られず、
焼結時の収縮性が阻害されている。これに対して押出し
比率を8〜15とした場合は、配列性指数は10〜25と高
く、低温焼結での相対密度は80〜100 %と緻密な焼結体
が得られていることがわかる。
【0017】また、図4は、上記SiCウィスカ量をそ
れぞれ15wt%,20 wt%配合し、押出し比率を8,10,
15と変化させた場合の配列性指数を示し、図5はその
焼結温度と相対密度との関係を示す。同図によれば、S
iCウィスカ量を15wt%とした場合は、押出し比率を1
0以上にすることによって緻密な焼結体が得られてお
り、また上記ウィスカ量を20wt%とした場合は、押出し
比率を15以上にすることによって緻密な焼結体が得ら
れている。
【0018】また、本実施例方法により、3mm×4mm×
40mmの3点曲げ試験片を作成し、この試験片の室温中で
の曲げ試験を行ったところ、マトリックスアルミナの約
1.5倍の曲げ強度が得られた。さらに、マイクロビッカ
ース(荷重50Kg/mm2) による靱性試験を行ったところ、
1.7 倍の破壊靱性値が得られた。
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明に係る繊維強化セラ
ミックスの製造方法によれば、セラミックス粉末に無機
質繊維を配合してなる混練物を、押出し比率8以上にて
押出し成形したので、緻密で、かつ大径状の成形体を容
易に得ることができ、これにより製造時における異物の
混入や剥離等の問題を解消でき、品質に対する信頼性を
向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による繊維強化セラミックス
の製造方法を説明するための図である。
【図2】上記実施例による製造方法の効果を確認するた
めに行った試験結果を示す特性図である。
【図3】上記実施例の試験結果を示す特性図である。
【図4】上記実施例の試験結果を示す特性図である。
【図5】上記実施例の試験結果を示す特性図である。
【符号の説明】
5 アルミナ粉末(セラミックス粉末) 6 SiCウィスカ(無機質繊維) 7 混練物 8 成形体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス粉末に無機質繊維を配合し
    て混練物を形成し、該混練物を押出し比率8以上にて押
    出し成形し、これにより上記無機質繊維を一方向に、か
    つ均一に配列してなるセラミックス成形体を得ることを
    特徴とする繊維強化セラミックスの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記無機質繊維が、
    酸化物,窒化物,炭化物からなり、かつ10wt%〜20wt%
    の範囲で配合されていることを特徴とする繊維強化セラ
    ミックスの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、上記無機質繊
    維が短繊維であることを特徴とする繊維強化セラミック
    スの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3の何れかにおいて、マ
    トリックスが、Al 2 3 ,ZrO2 ,Si3 4 ,S
    iC等の酸化物,窒化物,炭化物からなるセラミックス
    であることを特徴とする繊維強化セラミックスの製造方
    法。
JP4206608A 1992-08-03 1992-08-03 繊維強化セラミックスの製造方法 Withdrawn JPH0655514A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005263537A (ja) * 2004-03-17 2005-09-29 Rikogaku Shinkokai 貫通孔を有するセラミックス多孔体の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005263537A (ja) * 2004-03-17 2005-09-29 Rikogaku Shinkokai 貫通孔を有するセラミックス多孔体の製造方法
JP4669925B2 (ja) * 2004-03-17 2011-04-13 国立大学法人東京工業大学 貫通孔を有するセラミックス多孔体の製造方法

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Effective date: 19991005