JPH0655411A - Nc工作機械の変位補正装置 - Google Patents

Nc工作機械の変位補正装置

Info

Publication number
JPH0655411A
JPH0655411A JP4211450A JP21145092A JPH0655411A JP H0655411 A JPH0655411 A JP H0655411A JP 4211450 A JP4211450 A JP 4211450A JP 21145092 A JP21145092 A JP 21145092A JP H0655411 A JPH0655411 A JP H0655411A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
measurement
displacement
value
machine tool
tool
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4211450A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsunori Tsutsui
克典 筒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP4211450A priority Critical patent/JPH0655411A/ja
Publication of JPH0655411A publication Critical patent/JPH0655411A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 計測移動指令に基づく計測を適正な頻度で行
いNC工作機械の加工効率を向上させる。 【構成】 ステップ104では、運転停止タイマの値と
監視停止時間の値(60分)とを比較する。NC工作機
械の停止が60分を越えた場合(ステップ104の判断
がYes)、ステップ105の処理に進み、カウンタ、
設定回数ポインタ及び運転停止タイマの値をクリアす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はNC工作機械の変位補正
装置に関し、更に詳細にはNC工作機械において、望ま
しい頻度で変位量の計測を行い変位量を補正する変位補
正装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、NC工作機械においては、NCデ
ータに従い工具を保持する主軸を回転しながらワーク方
向(Z軸)に移動させ、しかもワークを主軸に対し、
X、Y方向に相対的に移動させて指令通りの加工形状を
得ている。このNC工作機械は、NCデータの実行に当
たり稼働状況や室温変化の影響による熱変位によって工
具とテーブルのZ軸方向の相対位置に誤差が生じ高精度
な加工が不可能となる。このためにZ軸の変位量を計測
しこの値に基づき誤差補正を行っている。
【0003】このZ軸の補正方法として、計測移動を行
い変位による機械原点の変位を検出してNC工作機械の
補正を行う方法がある。この方法は、上述したワークを
保持するテーブルと工具を保持する工具ヘッドとを原位
置より所定距離移動させるモータ制御部に指令を与える
NC工作機械において、ワークと対応する位置で真原点
と定めた位置に検出器を設け、該工具を検出器の位置ま
で移動(計測移動)することにより該工具を検出器に接
触させ、この接触信号によりモーター制御部をロックさ
せ、NC工作機械の演算部のみを記憶原点まで進行させ
てNC工作機械の記憶原点と前記真原点を一致させる方
法である。この計測移動による補正はNCデータ中に書
き込まれた計測移動指令により実行される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法においては計測移動指令が上述したようにNCデータ
に書き込まれており、このNCデータを運転する毎に計
測移動が行われサイクルタイムが長くなるという問題点
があった。
【0005】即ち、熱変位の特性として熱変位量と時間
との関係は図4に示すような飽和曲線を描き、熱変位量
はNC工作機械による加工開始時に大きく、時間の経過
とともに徐々に小さくなっていく。このために加工開始
時においては実際にNCデータを運転する度に計測を行
い加工精度を維持する必要があるが、時間の経過ととも
に熱変位量は小さくなるためNCデータの運転毎に計測
を行う必要がなくなっていく。言い換えるならば時間の
経過とともに計測の頻度を下げることが望ましい。しか
し従来の方法においては、熱変位量が小さくなった後も
NCデータの計測移動指令に従い忠実に計測を行つてい
た。このためにサイクルタイムが長くなり加工効率が悪
化していた。
【0006】本発明は、上記課題を解決するために成さ
れたもので、その目的とするところは、計測移動指令に
基づく計測を適正な頻度で行い、NC工作機械のサイク
ルタイムを短くし加工効率を向上させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のNC工作機械の変位補正装置は、計測移動指
令の発せられた回数の応じて工具を検出器に接触させる
計測移動を行い変位量を測定し位置補正を行うNC工作
機械の変位補正装置であって、NC工作機械の停止時間
をカウントする運転停止タイマと、その運転停止タイマ
のカウント値と比較するために用いられる監視停止時間
を設定可能な監視停止時間記憶部と、前記運転停止タイ
マのカウント値と監視停止時間とを比較する比較手段と
を備え、前記計測移動指令が発せられた際に、前記比較
手段により前記運転停止タイマのカウント値と前記監視
停止時間とを比較し、運転停止タイマのカウント値の方
が大であれば、前記計測移動指令の発せられた回数を初
期化する。
【0008】
【作用】本発明のNC工作機械の変位補正装置では、計
測移動指令が発せられた際に、運転停止タイマのカウン
ト値と監視停止時間とを比較し、その結果、運転停止タ
イマのカウント値の方が大きければ、計測移動指令の発
せられた回数を初期化する。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0010】図5に本発明の変位補正装置により変位補
正を行うNC工作機械の側面図を示す。このNC工作機
械は、その上面に被加工物375を載せ水平方向(X−
Y方向)に移動可能な加工テーブル371と、主軸ヘッ
ド351に取り付けられた工具352を回転させる主軸
モータ353と、主軸ヘッド351をボールネジ35
5、ナット359を介して上下(Z方向)移動させるZ
軸モータ357とを有している。このボールネジ355
は、その上下端を上端軸受365と下端軸受367で回
転可能に支持されている。この上端軸受365はボール
ネジ355を軸方向にスライドしないように支持してお
り、下端軸受367はボールネジ355をスライド可能
に支持している。これはボールネジ355が熱膨張した
ときの伸長分を下端軸受367からスライドさせて逃が
すためである。
【0011】このNC工作機械を運転することにより、
主軸モータ353とZ軸モータ357とが発熱し、また
主軸ヘッド351を保持するナット359とボールネジ
355とが摩擦により発熱する。ボールネジ355にか
み合っているナット359により保持されている主軸ヘ
ッド351は、ボールネジ355の熱膨張に伴い下方向
に変位する。NC工作機械は、この変位を工具352を
検出器60に接触させることにより計測し、これを基に
以下詳述する本発明の実施例にかかる変位補正装置によ
る変位補正を実行する。
【0012】図1に本実施例の変位補正装置により補正
を行うNC工作機械の制御系のブロック図を示す。図中
で、主演算部10は、NCデータ30が入力されると、
温度変化に関係しない誤差補正の値が記憶されているピ
ッチ誤差補正A記憶部70aのピッチ補正量と、後述す
る工作機械の熱変位に対する誤差補正の値が記憶されて
いるピッチ誤差補正B記憶部70bのピッチ補正量とを
呼び出し、NCデータ30の指令値をこれら値により補
正し、これを基にモータ制御部40に指令を発する。モ
ータ制御部40はこの指令に基づきモータ部50の図示
しないモータを制御し、工具を保持する主軸を回転しな
がらワーク方向(Z軸)に移動させ、またワークを主軸
に対しX、Y方向に相対的に移動させて加工作業を行
う。一方、モータの動きはモータ部50の図示しないエ
ンコーダからモータ制御部40に入力され、位置情報と
してメモリ20の位置情報記憶部21に保持される。検
出器60はNC工作機械の所定の位置にZ軸方向に位置
調整可能に置かれ、工具の接触により接触信号をモータ
制御部40に送るよう構成されている。
【0013】計測移動指令はNCデータ30中に含まれ
ており、主演算部10は、この指令に基づきモータ制御
部40を制御し、工具を移動させて検出器60に接触さ
せる(計測移動)。検出器60はこの接触に基づき接触
信号をモータ制御部40に送り、主演算部10はこの信
号を基に変位量を求め、後述するピッチ誤差補正B記憶
部70bの補正量を更新する。
【0014】メモリ20には、本実施例にかかる変位補
正装置による変位補正を実施するための情報、つまり電
源のオンによりリセットされる情報22及びバックアッ
プメモリに記憶される不揮発性の情報23が記憶されて
いる。この電源のオンによりリセットされる情報22
は、計測移動指令の回数を記憶するカウンタ記憶部22
aと、図2を参照して後述する設定回数ポインタ記憶部
22bと、前回の計測により得られた変位量を記憶する
前回変位量記憶部22cと、NC工作機械の停止時間を
記憶する運転停止タイマ記憶部22dとから構成され
る。
【0015】この情報22に関し主演算部10は、計測
移動指令に基づく計測の実行に際し次の演算動作を行
う。先ず計測移動指令が発せられた回数をカウントしこ
れをカウンタ記憶部22aに記録する。この値は実際に
計測移動が行われる度にクリアされる。そして、計測移
動を行う度に設定回数ポインタ22bの値を1づつ加算
する。この値は図2に関連して後述する設定回数表23
aのポインタ数の1から99を指示する。そして、主演
算部10は計測移動を行い変位量を計測するとこの値を
前回変位量記憶部22cに記憶する。更に、NC工作機
械の停止が所定時間以上継続した場合これらカウンタ2
2aの値及びポインタ22bの値をクリアするために、
主演算部10は機械の停止があったとき停止時間を計り
運転停止タイマ記憶部22dに記録する。なおこれらカ
ウンタ22a、前回変位量22c及び運転停止タイマ2
2dの値は、NC工作機械の電源のオンによりクリアさ
れ、そして設定回数ポインタ22bには“2”が設定さ
れる。
【0016】他方、不揮発性の情報23は、図2を参照
して後述する設定回数表23aと、計測移動指令の回数
にかかわらず監視(計測)する必要がある変位量が設定
される監視変位量記憶部23bと、定期的に監視(計
測)を行うための回数が設定される定期監視回数記憶部
23cと、NC工作機械の停止が継続した場合に上記情
報22の内容をクリアするための時間が設定される監視
停止時間記憶部23dと、検出器60の取付位置が設定
される検出器取付位置記憶部23eと、以下詳述する本
実施例の計測を行うか或いは従来の方式のように計測移
動指令が発せられる度に計測を行うかを切り換える情報
が設定される補正切換記憶部23fとから構成される。
【0017】設定回数表23aは、図2に示すように実
際に計測移動を行い変位量を計測するために必要とされ
る計測移動指令の回数を設定するもので、表中のポイン
タ数は設定回数ポインタ記憶部22bに保持されている
値(実際に計測移動が行われた回数)に相当し、設定回
数はそれぞれのポインタ数において必要とされる計測移
動指令の回数に相当する。この例ではポインタ数が
“2”のとき設定回数(必要回数)は“3”、そしてポ
インタ数が“3”のときは“10”という値が設定され
ている。即ち、この表は実際に計測が行われる毎に必要
とされる計測移動指令の回数が徐々に大きくなるように
設定されている。そして監視変位量記憶部23bには
0.020mmが、定期監視回数記憶部23cには10
00回が、監視停止時間記憶部23dには60分が本実
施例では設定される。検出器取付位置記憶部23eには
図5の検出器60の取付位置が記憶される。
【0018】この検出器60は、被加工物375に従い
最適な位置で計測が行い得るようにZ軸上の位置が変更
できるように構成されており、位置が変更された場合に
は検出器取付位置記憶部23eの情報は更新される。補
正切換記憶部23fには、本実施例の計測を行うか、或
いは従来方式のように計測移動指令が発せられる度に計
測を行うかが設定されている。この補正切換記憶部23
fの設定の切り換えはオペレータの入力により適宜行い
得る。これら設定値は不揮発性情報として記憶されてお
り、NC工作機械の電源のオフにより失われることがな
い。
【0019】この情報23に関し主演算部10は、計測
移動指令に基づく計測の実行に際し以下の動作を行う。
先ず、補正切換記憶部23fの内容を呼び出し、本実施
例の計測を行うか、或いは通常の計測(計測移動指令が
発せられる度に計測)を行うかを検索する。通常の計測
を行うよう設定されている場合には、計測移動指令が発
せられる度に計測を行い、以下詳述する処理は行わな
い。ここでは、本実施例にかかる計測が行われるように
補正切換記憶部23fが設定されているものとして以下
説明を続ける。
【0020】主演算部10は、計測移動指令が発せられ
ると情報22に関連して前述したようにこの回数をカウ
ントする。次に、この指令の回数(カウンタ22aの
値)が設定回数表23aのポインタ数の指示する設定回
数か否かを判断し、カウンタの値が設定回数に相当する
場合実際に計測移動による計測を行う。そして、計測の
実行に基づき前述したように設定回数ポインタ22bの
値に1を加算する。この演算動作を図2を参照しポイン
タ数が“1”の場合を例に取って説明する(なお本実施
例では、リセットによりポインタ数が“2”に設定され
るが、ここでは説明の便宜上“1”が設定されているこ
ととする)。
【0021】先ず第1回目の計測移動指令に対しては設
定回数が“1”であるので計測移動を行う。これにより
ポインタ数を1加算し“2”とする。次いで、3回の計
測移動指令が発せられると計測移動を行いポインタ数を
1加算して“3”とする。更に、10回の計測移動指令
が発せられると計測移動を行う。このように計測移動指
令に対して実際に計測移動を行うために必要とされる指
令の回数を計測が行われる度に大きくなるように設定す
ることにより、NC工作機械の加工作業の進行(即ち時
間の経過)に従い計測移動指令に対して実際に計測移動
が行われる回数を少なくする。
【0022】次に、主演算部10は、前述した前回変位
量記憶部22cの値と設定された監視変位量記憶部23
bの値とを比較する。これは前回計測された変位量が設
定値(0.020mm)以上の場合、指令の回数に関わ
らず計測移動指令が発せられたら直ちに計測を行うこと
が望ましいからである。そして、カウンタ記憶部22a
の値が、定期監視回数23cの値(1000回)か否か
を判断し、カウンタ値が定期監視回数である場合計測移
動指令に基づき計測を行う。これによりポインタの数が
99より大きくなりポインタ表23aの設定値を越えた
場合においても定期的に計測を行う。
【0023】更に主演算部10は、NC工作機械の停止
があったときに運転停止タイマ記憶部22dの値(運転
停止時間)と監視停止時間23dの値(60分)とを比
較する。比較の結果運転停止時間の方が長い場合、カウ
ンタ22a、設定回数ポインタ22b及び運転停止タイ
マ22dの値をクリアする。これは停止に伴う機械温度
の低下により、機械停止時の熱変位量と機械が再始動し
た際の熱変位量とが大きく変わるので、計測を計測移動
指令に基づき忠実に行うことが望ましいからである。
【0024】更に、これら情報22、23に基づく主演
算部10の動作を、図1のブロック図及び図3のフロー
チャートを参照し時系列的に説明する。先ず、主演算部
10はNCデータ30の1命令分を読み込む(ステップ
101)。そして、ステップ102でこの命令が計測移
動指令か否かを判断する。この命令が通常のNC制御用
のデータであり計測移動指令でない場合(ステップ10
2の判断がNo)、ステップ103で該NCデータを実
行する。また、計測移動指令の場合(ステップ102の
判断がYes)はステップ104の処理へ移行する。
【0025】ステップ104では、運転停止タイマ22
dの値と監視停止時間23dの値(60分)とを比較す
る。NC工作機械の停止が60分を越えた場合(ステッ
プ104の判断がYes)、ステップ105の処理に進
み、カウンタ22a、設定回数ポインタ22b及び運転
停止タイマ22dの値をクリアする。そして、運転を停
止していない場合及び停止時間が60分に満たない場合
(ステップ104の判断がNo)、ステップ106の処
理に移行する。
【0026】ステップ106では計測移動指令の回数を
カウントする(カウンタ22aの値に1を加算する)。
次にステップ107では、カウンタの値が1か否かを判
断する。カウンタ値が1の場合、即ち一番最初の計測移
動指令に対しては計測移動を実行するステップ108に
移行し直ちに計測を開始する。カウンタの値が1以外の
場合(ステップ107の判断がNo)、ステップ109
の処理に進む。
【0027】ステップ109では設定回数ポインタ22
bの値に対応する設定回数表23aの値を読み込む。例
えば設定回数ポインタ22bの値(ポインタ数)が
“2”の場合、このポインタ数“2”が指示する設定回
数“3”を読み込む(図2参照)。次にステップ110
で、この読み込まれた値がカウンタ22aの値に等しい
かを判断し、これら値が等しい場合ステップ111の処
理に進み設定回数ポインタ22bの値に1を加える(こ
の例では、ポインタ22bの値を“3”にする)。そし
てステップ108で計測移動の処理を開始する。前述し
たように図2に示す設定回数表23aには実際に計測移
動による計測を行うために必要とされる計測移動指令の
回数を計測移動が行われた回数(ポインタ数)に従って
大きくなるように設定されている。これによりNC工作
機械が計測移動を行うのに従い、次の計測移動に必要な
計測移動指令回数が大きくなる。
【0028】このことは次の技術的意義を有する。NC
工作機械の加工作業の開始当初、図4を参照し説明した
ように熱変位の量が大きいため計測を頻繁に行う必要が
ある。このために加工開始当初は計測移動指令に対して
比較的忠実に計測を行う。しかし時間の経過に伴い熱変
位量が安定し、計測の頻度を徐々に下げることが加工効
率向上のために望ましくなる。そこで計測移動を行うた
めに必要とされる計測移動指令の回数を計測移動の度に
増大させ、計測の頻度を徐々に下げていくことにより本
実施例は計測頻度を適正化する。
【0029】再び、ステップ110の説明に戻る。該ス
テップ110で読み込み回数がカウンタ値に等しくない
場合、ステップ112の処理に移行し、前回変位量記憶
部22cに保持されている前回の計測により得られた変
位量と監視変位量23cとを比較する。これによりステ
ップ110の判断がNo、即ち設定回数とカウンタ値と
が等しくない場合であってもステップ112の判断で前
回の変位量が監視変位量以上のときはステップ108に
移行し直ちに計測を行う。
【0030】逆に、前回の変位量が監視変位量よりも小
さな場合(ステップ112の判断がNo)ステップ11
3の判断を更に行う。ステップ113では、カウンタ2
2aの値(指令回数)が定期監視回数23cの値(10
00回)に等しいかを判断する。ステップ113の判断
で、カウンタ値が定期監視回数に等しい場合は計測移動
の処理(ステップ108)に移行し、これらが等しくな
い場合には計測移動を行わず、再びステップ101の処
理に戻り次のNCデータの読み込みを行う。
【0031】ステップ108の処理において、主演算部
10は、モータ制御部40に指令を発することにより工
具を移動(計測移動)して検出器60に接触させる。こ
の接触に基づき検出器60は接触信号を発し、この信号
を基に図1の位置情報21と検出器取付位置記憶部23
eとの情報に従いNC工作機械は変位量を計測する。次
にステップ114で、この計測した変位量をメモリ20
の前回変位量記憶部22cへセットする。最後にステッ
プ115で、この計測した値に基づきピッチ誤差補正B
記憶部70bの補正量の更新及び位置情報21の補正を
行う。これにより全ての処理が終了し前記ステップ10
1に戻り次の命令を読み込む。
【0032】このステップ115のピッチ誤差補正B記
憶部70bの補正量の更新について以下図6、図7を参
照し詳細に説明する。図6に本発明の一実施例にかかる
ピッチ補正を行う変位補正装置を示す。主演算部10
は、演算動作を行うCPU10aと、CPU10aの発
した移動指令値にピッチ誤差補正量を加減算する移動指
令算出部10bと、計測された変位量を基に変位量の直
線式を算出する直線式作成部10cと、ピッチ誤差補正
量を算出するピッチ誤差補正量算出部10dとを有して
いる。
【0033】主演算部10は、前回変位量記憶部22c
にセットされた変位量と、検出器取付位置記憶部23e
に設定された検出器のZ軸方向の位置情報とを呼び出
す。そして、これら値を基に直線式作成部10cで、ボ
ールネジ355の固定点(即ち図5の上端軸受365)
を原点とし、検出器60の位置(即ち上端軸受365か
ら検出器60までのZ軸上の距離)を横軸に、計測され
た変位量を縦軸にとつた点を通る直線を描く(図7参
照)。即ち、固定点の変位量を“0”と仮定してこれを
原点とし、計測された変位量を基に変位量の直線を描
く。これは上端が上端軸受365で固定され下端が下端
軸受367でスライド可能に支えられているボールネジ
355が、上端が固定された状態で熱により下向(Z
軸)へリニアに伸長するため、熱変位もボールネジ35
5に沿って下方向へリニアに生じるために変位量を直線
上で求めることができるからである。
【0034】次に、ピッチ誤差補正量算出部10dが、
得られた直線グラフを基に、ボールネジ355のストロ
ーク範囲内(工具が加工作業を行う範囲)においては、
Z軸上の各点を10mm単位でピッチ補正量の算出を行
う。そして算出された値をピッチ誤差補正B記憶部70
bに格納する。これにより算出されたピッチ補正量を図
7中に階段状の一点鎖線で示す。
【0035】ボールネジ355の固定点(原点)からス
トローク開始点までの範囲(工具の加工作業範囲外であ
るが、工具交換等のため主軸ヘッド351が移動される
範囲)については正確に位置補正を行う必要性が乏し
い。このためピッチ誤差補正量算出部10dは、算出さ
れたストローク開始点における変位量aだけ位置情報2
1を書き換える(即ち全体の位置をシフトさせる)。な
お、位置情報21を書き換える代わりに、別の方法とし
て位置情報を固定したまま工具をaだけZ位置に移動さ
せることも好適である。
【0036】本実施例の変位補正装置は加工作業におい
て、NCデータ30の入力によりCPU10aが、移動
指令値を移動指令算出部10bに出力する。移動指令算
出部10bは、該移動指令値に対応するピッチ誤差補正
A記憶部70aとピッチ誤差補正B記憶部70bとの補
正量を呼び出し、これらの補正量と移動指令値とを加減
算してこの値をモータ制御部40に出力する。モータ制
御部40はピッチ補正された値に基づき工具を移動させ
る。なお前述したように、ピッチ誤差補正B記憶部70
bには工作機械の熱変位に対するピッチ誤差補正量が記
憶され、他方、ピッチ誤差補正A記憶部70aには従来
の方式で予め計測された温度変化に関係しないピッチ誤
差補正量が記憶されている。
【0037】従来の装置において測定点を2点(検出器
を2つ)用いて計測を行い、その2点から直線を描いて
ピッチ補正量を算出していたのに対し、本実施例にかか
る変位補正装置は、ボールネジ固定点の変位を“0”に
設定し一点のみを計測して変位量の直線を描くことがで
きる。このため計測が簡略化でき工作機械のサイクルタ
イムの短縮化が可能となる。また、検出器60のZ軸方
向の位置を調整可能としたので、被加工物の大きさ等に
応じて最も精度の必要な位置で検出を行うようにするこ
とができる。
【0038】本実施例においては、ステップ110で計
測移動指令の回数と計測移動のために必要な指令の回数
とを比較し、この値が等しくないときでも更にステップ
112で前回の変位量が監視を必要とする変位量以上か
を判断し、監視が必要な場合計測を実行する(ステップ
108)。これにより計測移動指令の回数にかかわりな
く前回の変位量が大きな場合(ステップ112がYe
s)、計測移動指令に基づき直ちに計測を行うことがで
きる。
【0039】なお、この実施例においては、上述したよ
うにステップ110で計測移動指令の回数と計測移動の
ために必要な計測移動指令の回数とを比較し、この値が
等しくない場合、更にステップ112で前回の変位量が
監視(計測)が必要な変位量以上かを判断し、また更に
ステップ113で計測移動指令の回数が定期的に監視を
行う回数に相当するかを判断した。しかしながらこれら
の判断の順序を変えることも、更にはステップ112、
113の判断を省略することも可能である。また本実施
例では計測移動指令に対して実際に計測移動を行うため
に必要とされる指令の回数を設定回数表23bを用い設
定した。しかしこれは関係式(例えば、計測移動指令の
必要回数=ポインタ数の自乗)等種々の方法によっても
設定し得ることは言うまでもない。また更に、ステップ
112では、前回変位量と監視変位量とを比較している
が、例えば、(前々回と前回)或いは(前々々回と前々
回と前回)のように、過去何回かの変位量と比較するこ
とも可能である。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、計
測移動指令に基づく計測を望ましい頻度で行うことによ
り、NC工作機械のサイクルタイムを短くし加工効率を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる変位補正装置による
補正を行うNC工作機械のブロック図である。
【図2】図1のメモリ中の設定回数表の説明図である。
【図3】本発明の一実施例にかかる変位補正装置による
変位補正のフローチャートである。
【図4】NC工作機械の熱変位量と時間との関係を示す
図である。
【図5】本発明にかかる変位補正装置による変位補正を
実行する工作機械の側面図である。
【図6】本発明の一実施例にかかる変位補正装置のブロ
ック図である。
【図7】ピッチ誤差補正における変位量とストロークと
の関係を示す図である。
【符号の説明】
10 主演算部 20 メモリ 22c 前回変位量記憶部 23b 監視変位量記憶部 23f 補正切換記憶部 30 NCデータ 40 モータ制御部 50 モータ部 60 検出器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計測移動指令の発せられた回数に応じて
    工具を検出器に接触させる計測移動を行い変位量を測定
    し位置補正を行うNC工作機械の変位補正装置であっ
    て、 NC工作機械の停止時間をカウントする運転停止タイマ
    と、 その運転停止タイマのカウント値と比較するために用い
    られる監視停止時間を設定可能な監視停止時間記憶部
    と、 前記運転停止タイマのカウント値と監視停止時間とを比
    較する比較手段とを備え、 前記計測移動指令が発せられた際に、前記比較手段によ
    り前記運転停止タイマのカウント値と前記監視停止時間
    とを比較し、運転停止タイマのカウント値の方が大であ
    れば、前記計測移動指令の発せられた回数を初期化する
    ことを特徴とするNC工作機械の変位補正装置。
JP4211450A 1992-08-07 1992-08-07 Nc工作機械の変位補正装置 Pending JPH0655411A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4211450A JPH0655411A (ja) 1992-08-07 1992-08-07 Nc工作機械の変位補正装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4211450A JPH0655411A (ja) 1992-08-07 1992-08-07 Nc工作機械の変位補正装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0655411A true JPH0655411A (ja) 1994-03-01

Family

ID=16606154

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4211450A Pending JPH0655411A (ja) 1992-08-07 1992-08-07 Nc工作機械の変位補正装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0655411A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008114322A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Niigata Machine Techno Co Ltd 工作機械における位置補正方法および位置補正装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6114835A (ja) * 1984-06-28 1986-01-23 Yamazaki Mazak Corp 数値制御工作機械における熱寸法変位の補正制御方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6114835A (ja) * 1984-06-28 1986-01-23 Yamazaki Mazak Corp 数値制御工作機械における熱寸法変位の補正制御方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008114322A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Niigata Machine Techno Co Ltd 工作機械における位置補正方法および位置補正装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3327655B2 (ja) Nc工作機械の変位補正装置
KR100264247B1 (ko) 공작기계의 열변형오차 측정 및 보정시스템
US20140157861A1 (en) Method and apparatus for inspecting workpieces
JP4803491B2 (ja) 工作機械における位置補正装置
WO2002032620A1 (fr) Dispositif et procede de mesure, machine-outil dotee dudit dispositif, et procede de traitement de piece
CN105358935A (zh) 用于检查工件的方法和设备
US9298177B2 (en) Machine tool and control method therefor
RU2018124774A (ru) Контроль и оценка геометрического искажения и точности в станках с чпу
JPH07266194A (ja) 工具刃先位置計測補正装置
JP2013255982A (ja) 工作機械とその熱変形の補正方法
JPH0655410A (ja) Nc工作機械の変位補正装置
JPH0655411A (ja) Nc工作機械の変位補正装置
JP3107175B2 (ja) Nc工作機械の変位補正装置
KR20150041328A (ko) 공작기계의 열변위 보정 파라메터 자동 변환 장치 및 변환 방법
JP6675548B2 (ja) Nc研削装置及びワークの研削方法
JPH05318281A (ja) Nc工作機械の変位補正方法
JP5846400B2 (ja) 工作機械とその熱変形の補正方法
JP2005202844A (ja) 数値制御装置
JP3120604B2 (ja) Nc工作機械の変位補正装置
JPH05169351A (ja) 工作機械の熱変位補正方法
JPH06335844A (ja) 工作機械の変位量の測定方法
CN113840687B (zh) 加工机的控制装置及其控制方法
JP2002036068A (ja) 工作機械の工具位置補正方法及び装置
JP2000190168A (ja) Nc加工方法及びその装置
JPS6147653B2 (ja)