JP3107175B2 - Nc工作機械の変位補正装置 - Google Patents

Nc工作機械の変位補正装置

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JP3107175B2 JP04148360A JP14836092A JP3107175B2 JP 3107175 B2 JP3107175 B2 JP 3107175B2 JP 04148360 A JP04148360 A JP 04148360A JP 14836092 A JP14836092 A JP 14836092A JP 3107175 B2 JP3107175 B2 JP 3107175B2
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    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B2219/00Program-control systems
    • G05B2219/30Nc systems
    • G05B2219/41Servomotor, servo controller till figures
    • G05B2219/41055Kind of compensation such as pitch error compensation

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はNC工作機械の変位補正
装置に関し、更に詳細にはNC工作機械において、1つ
の検出器により変位量の計測を行い、計測された値を基
にピッチ補正を行う変位補正装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、NC工作機械においては、NCデ
ータに従い工具を保持する主軸を回転しながら被加工物
方向(Z軸)に移動させ、しかも被加工物を主軸に対
し、X、Y方向に相対的に移動させて指令通りの加工形
状を得ている。このNC工作機械は、NCデータの実行
に当たり稼働状況や室温変化の影響による熱変位、特に
ボールネジの熱膨張によって工具とテーブルのZ軸方向
の相対位置に誤差が生じ高精度な加工が不可能となる。
このためにZ軸の変位量を計測しこの値に基づき誤差補
正を行っている。
【0003】このZ軸の補正方法として、機械原点の変
位を1つの検出器で検出し補正を行う方法がある。この
方法は、上述した被加工物を保持するテーブルと工具を
保持する主軸ヘッドとを原位置より所定距離移動させる
モータ制御部に指令を与えるNC工作機械において、被
加工物と対応する位置で真原点と定めた位置に検出器を
1つ設け、該工具を検出器の位置まで移動(計測移動)
することにより該工具を検出器に接触させ、この接触信
号によりモーター制御部をロックさせ、NC工作機械の
演算部のみを記憶原点まで進行させてNC工作機械の記
憶原点と前記真原点を一致させる方法である。
【0004】更に別の補正方法として、2つの検出器を
用いて変位量を計測しこの値を基にピッチ誤差補正を行
う方法がある。この方法は、2つの検出器から2点の位
置情報を得て、この2点の位置情報から熱変位量の直線
式を作成し(即ち、この2点を結ぶ直線を描くことによ
り、2点間及びこの2点の延線上に工具のそれぞれの位
置における変位量の直線式を作成する)、この直線式に
基づきピッチ誤差補正量(ピッチ単位のそれぞれの位置
における工具の補正量)を算出し、この補正量を用い補
正を行う方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の機械原点の変位
を1つの検出器で検出し補正を行う方法は、検出器によ
り計測した1点のみを補正するため該計測点においては
正確に補正を行い得る。しかしながら、熱変位は主とし
てボールネジの熱膨張によりリニアに生じ、変位量がボ
ールネジ上で均一でないために補正された計測点から離
れるに従い誤差が大きくなるという問題点がある。他
方、直線式を描いてピッチ誤差補正量を求める方法は、
高い補正精度が得られる反面、直線式を描くのに2つの
検出器を用いるためコストが高く、また2点を計測する
ため計測移動に時間がかかりサイクルタイムが長くなる
という問題点があった。
【0006】本発明は、上記課題を解決するために成さ
れたもので、その目的とするところは、1つの検出器に
より計測された変位量を基に高い補正精度が得られるピ
ッチ誤差補正を実現化し、NC工作機械のコストダウン
を図ると共に、計測移動の時間を短縮化しNC工作機械
のサイクルタイムを改善することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、Z軸モータを駆動しボールネジを介して主軸
ヘッドを移動させながら被加工物に所定の加工を施すN
C工作機械の変位補正装置において、接触により検出信
号を出力する1つの検出器と、その1つの検出器の出力
により変位量を計測する変位量計測手段と、該検出器の
取付け位置を記憶する検出器取付位置記憶手段と、該変
位量計測手段の計測した変位量と該検出器取付位置記憶
手段に記憶された取付位置とからボールネジの固定点を
原点する変位量の直線式を作成する直線式作成手段と、
該直線式作成手段により作成された直線式を基にピッチ
誤差補正量を算出するピッチ誤差補正量算出手段と、該
ピッチ誤差補正量算出手段により算出されたピッチ誤差
補正量を記憶するピッチ誤差記憶手段と、入力された指
令値と該ピッチ誤差記憶手段に記憶されたピッチ誤差補
正量とを加減算してZ軸モータを駆動させるための指令
値を算出する移動指令算出手段とを有し、変位量の計測
指令に対し実際に計測を行うために必要とされる指令の
回数を計測が行われる度に大きくなるように設定し、変
位量の計測指令をカウントし、該カウント値が前記設定
された指令の回数になった際に、実際の計測と行うと共
に、計測した変位量が設定値以上の場合、指令の回数に
関わらず計測を行うことを特徴とするNC工作機械の変
位補正装置。
【0008】
【作用】上記構成を有する本発明のNC工作機械の変位
補正装置では、1つの検出器により変位量を計測し、直
線式作成部がこの検出した変位量と検出器の取付位置と
から、ボールネジの固定点を原点とする変位量の直線式
を作成し、ピッチ誤差補正量算出部が作成された直線式
を基にピッチ誤差補正量を算出し、この値をピッチ誤差
補正記憶部に格納する。そして工具の移動指令が入力さ
れると、移動指令算出部がこの値と該ピッチ誤差補正記
憶部に記憶されたピッチ誤差補正量とを加減算すること
により指令値の補正を行う。また、変位量の計測指令に
対し実際に計測を行うために必要とされる指令の回数を
計測が行われる度に大きくなるように設定し、変位量の
計測指令をカウントし、該カウント値が前記設定された
指令の回数になった際に、実際の計測と行うと共に、計
測した変位量が設定値以上の場合、指令の回数に関わら
ず計測を行う。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図5に本発明の変位補正装置により変位補正を行
うNC工作機械の側面図を示す。このNC工作機械は、
その上面に被加工物375を載せ水平方向(X−Y方
向)に移動可能な加工テーブル371と、主軸ヘッド3
51に取り付けられた工具352を回転させる主軸モー
タ353と、主軸ヘッド351をボールネジ355、ナ
ット359を介して上下(Z方向)移動させるZ軸モー
タ357とを有している。このボールネジ355は、そ
の上下端を上端軸受365と下端軸受367で回転可能
に支持されている。この上端軸受365はボールネジ3
55を軸方向にスライドしないように支持しており、下
端軸受367はボールネジ355をスライド可能に支持
している。これはボールネジ355が熱膨張したときの
伸長分を下端軸受367からスライドさせて逃がすため
である。
【0010】このNC工作機械を運転することにより、
主軸モータ353とZ軸モータ357とが発熱し、また
主軸ヘッド351を保持するナット359とボールネジ
355とが摩擦により発熱する。ボールネジ355にか
み合っているナット359により保持されている主軸ヘ
ッド351は、ボールネジ355の熱膨張に伴い下方向
に変位する。NC工作機械は、この変位を工具352を
検出器60に接触させることにより計測し、これを基に
本実施例にかかる変位補正装置は変位補正を実行する。
【0011】図1に本実施例にかかるNC工作機械の制
御系のブロック図を示す。図中で、主演算部10は、N
Cデータ30が入力されると、温度変化に関係しない誤
差補正の値が記憶されているピッチ誤差補正A記憶部7
0aのピッチ補正量と、後述する工作機械の熱変位に対
する誤差補正の値が記憶されているピッチ誤差補正B記
憶部70bのピッチ補正量とを呼び出し、NCデータ3
0の指令値をこれら値により補正し、これを基にモータ
制御部40に指令を発する。モータ制御部40はこの指
令に基づきモータ部50の図示しないモータを制御し、
工具を保持する主軸を回転しながらワーク方向(Z軸)
に移動させ、またワークを主軸に対しX、Y方向に相対
的に移動させて加工作業を行う。一方、モータの動きは
モータ部50の図示しないエンコーダからモータ制御部
40に入力され、位置情報としてメモリ20の位置情報
記憶部21に保持される。検出器60はNC工作機械の
所定の位置にZ軸方向に位置調整可能に置かれ、工具の
接触により接触信号をモータ制御部40に送るよう構成
されている。
【0012】計測移動指令はNCデータ30中に含まれ
ており、主演算部10は、この指令に基づきモータ制御
部40を制御し、工具を移動させて検出器60に接触さ
せる(計測移動)。検出器60はこの接触に基づき接触
信号をモータ制御部40に送り、主演算部10はこの信
号を基に変位量を求め、後述するピッチ誤差補正B記憶
部70bの補正量を更新する。
【0013】メモリ20には、本発明の実施例にかかる
変位補正を実施するための情報、つまり電源のオンによ
りリセットされる情報22及びバックアップメモリに記
憶される不揮発性の情報23が記憶されている。この電
源のオンによりリセットされる情報22は、計測移動指
令の回数を記憶するカウンタ記憶部22aと、図2を参
照して後述する設定回数ポインタ記憶部22bと、前回
の計測により得られた変位量を記憶する前回変位量記憶
部22cと、NC工作機械の停止時間を記憶する運転停
止タイマ記憶部22dとから構成される。
【0014】この情報22に関し主演算部10は、計測
移動指令に基づく計測の実行に際し次の演算動作を行
う。先ず計測移動指令が発せられた回数をカウントしこ
れをカウンタ記憶部22aに記録する。この値は実際に
計測移動が行われる度にクリアされる。そして、計測移
動を行う度に設定回数ポインタ22bの値を1づつ加算
する。この値は図2に関連して後述する設定回数表23
aのポインタ数の1から99を指示する。そして、主演
算部10は計測移動を行い変位量を計測するとこの値を
前回変位量記憶部22cに記憶する。更に、NC工作機
械の停止が所定時間以上継続した場合これらカウンタ2
2aの値及びポインタ22bの値をクリアするために、
主演算部10は機械の停止があったとき停止時間を計り
運転停止タイマ記憶部22dに記録する。なおこれらの
値は、NC工作機械の電源のオンによりカウンタ22
a、前回変位量22c及び運転停止タイマ22dはクリ
アされ、そして設定回数ポインタ22bには2が設定さ
れる。
【0015】他方、不揮発性の情報23は、図2を参照
して後述する設定回数表23aと、計測移動指令の回数
にかかわらず監視(計測)する必要がある変位量が設定
される監視変位量記憶部23bと、定期的に監視(計
測)を行うための回数が設定される定期監視回数記憶部
23cと、NC工作機械の停止が継続した場合に上記情
報22の内容をクリアするための時間が設定される監視
停止時間記憶部23dと、検出器60の取付位置が設定
される検出器取付位置記憶部23eと、以下詳述する本
実施例の計測を行うか或いは従来の方式のように計測移
動指令が発せられる度に計測を行うかを切り換える情報
が設定される補正切換記憶部23fとから構成される。
【0016】設定回数表23aは、図2に示すように実
際に計測移動を行い変位量を計測するために必要とされ
る計測移動指令の回数を設定するもので、表中のポイン
タ数は設定回数ポインタ記憶部22bに保持されている
値(実際に計測移動が行われた回数)に相当し、設定回
数はそれぞれのポインタ数において必要とされる計測移
動指令の回数に相当する。この例ではポインタ数が
“2”のとき設定回数(必要回数)は“3”、そしてポ
インタ数が“3”のときは“10”という値が設定され
ている。即ち、この表は実際に計測が行われる毎に必要
とされる計測移動指令の回数が徐々に大きくなるように
設定されている。そして監視変位量記憶部23bには
0.020mmが、定期監視回数記憶部23cには10
00回が、監視停止時間記憶部23dには60分が本実
施例では設定される。検出器取付位置記憶部23eには
図5の検出器60の取付位置が記憶される。この検出器
60は、被加工物375に従い最適な位置で計測が行い
得るようにZ軸上の位置が変更できるように構成されて
おり、位置が変更された場合には検出器取付位置記憶部
23eの情報は更新される。補正切換記憶部23fに
は、本実施例の計測を行うか、或いは従来方式のように
計測移動指令が発せられる度に計測を行うかが設定され
ている。この補正切換記憶部23fの設定の切り換えは
オペレータの入力により適宜行い得る。これら設定値は
不揮発性情報として記憶されており、NC工作機械の電
源のオフにより失われることがない。
【0017】この情報23に関し主演算部10は、計測
移動指令に基づく計測の実行に際し以下の動作を行う。
先ず、補正切換記憶部23fの内容を呼び出し、本実施
例の計測を行うか、或いは通常の計測(計測移動指令が
発せられる度に計測)を行うかを検索する。通常の計測
を行うよう設定されている場合には、計測移動指令が発
せられる度に計測を行い、以下詳述する処理は行わな
い。ここでは、本実施例にかかる計測が行われるように
補正切換記憶部23fが設定されているものとして以下
説明を続ける。
【0018】主演算部10は、計測移動指令が発せられ
ると情報22に関連して前述したようにこの回数をカウ
ントする。次に、この指令の回数(カウンタ22aの
値)が設定回数表23aのポインタ数の指示する設定回
数か否かを判断し、カウンタの値が設定回数に相当する
場合実際に計測移動による計測を行う。そして、計測の
実行に基づき前述したように設定回数ポインタ22bの
値に1を加算する。この演算動作を図2を参照しポイン
タ数が“1”の場合を例に取って説明する(なお本実施
例では、リセットによりポインタ数が“2”に設定され
るが、ここでは説明の便宜上“1”が設定されているこ
ととする)。先ず第1回目の計測移動指令に対しては設
定回数が“1”であるので計測移動を行う。これにより
ポインタ数を1加算し“2”とする。次いで、3回の計
測移動指令が発せられると計測移動を行いポインタ数を
1加算して“3”とする。更に、10回の計測移動指令
が発せられると計測移動を行う。このように計測移動指
令に対して実際に計測移動を行うために必要とされる指
令の回数を計測が行われる度に大きくなるように設定す
ることにより、NC工作機械の加工作業の進行(即ち時
間の経過)に従い計測移動指令に対して実際に計測移動
が行われる回数を少なくする。
【0019】次に、主演算部10は、前述した前回変位
量記憶部22cの値と設定された監視変位量記憶部23
bの値とを比較する。これは前回計測された変位量が設
定値(0.020mm)以上の場合、指令の回数に関わ
らず計測移動指令が発せられたら直ちに計測を行うこと
が望ましいからである。そして、カンタ記憶部22aの
値が、定期監視回数23cの値(1000回)か否かを
判断し、カウンタ値が定期監視回数である場合計測移動
指令に基づき計測を行う。これによりポインタの数が9
9より大きくなりポインタ表23aの設定値を越えた場
合においても定期的に計測を行う。更に主演算部10
は、NC工作機械の停止があったときに運転停止タイマ
記憶部22dの値(運転停止時間)と監視停止時間23
dの値(60分)とを比較する。比較の結果運転停止時
間の方が長い場合、カウンタ22a、設定回数ポインタ
22b及び運転停止タイマ22dの値をクリアする。こ
れは停止に伴う機械温度の低下により、機械が再始動し
た際に熱変位量が大きく変わり、計測を計測移動指令に
基づき忠実に行うことが望ましいからである。
【0020】更に、これら情報22、23に基づく主演
算部10の動作を、図1のブロック図及び図3のフロー
チャートを参照し時系列的に説明する。先ず、主演算部
10はNCデータ30の1命令分読み込む(ステップ1
01)。そして、ステップ102でこの命令が計測移動
指令か否かを判断する。この命令が通常のNC制御用の
データであり計測移動指令でない場合(ステップ102
の判断がNo)、ステップ103で該NCデータを実行
する。また、計測移動指令の場合(ステップ102の判
断がYes)はステップ104の処理へ移行する。
【0021】ステップ104では、運転停止タイマ22
dの値と監視停止時間23dの値(60分)とを比較す
る。NC工作機械の停止が60分を越えた場合(ステッ
プ104の判断がYes)、ステップ105の処理に進
み、カウンタ22a、設定回数ポインタ22b及び運転
停止タイマ22dの値をクリアする。そして、運転を停
止していない場合及び停止時間が60分に満たない場合
(ステップ104の判断がNo)、ステップ106の処
理に移行する。
【0022】ステップ106では計測移動指令の回数を
カウントする(カウンタ22aの値に1を加算する)。
次にステップ107では、カウンタの値が1か否かを判
断する。カウンタ値が1の場合、即ち一番最初の計測移
動指令に対しては計測移動を実行するステップ108に
移行し直ちに計測を開始する。カウンタの値が1以外の
場合(ステップ107の判断がNo)、ステップ109
の処理に進む。
【0023】ステップ109では設定回数ポインタ22
bの値に対応する設定回数表23aの値を読み込む。例
えば設定回数ポインタ22bの値(ポインタ数)が
“2”の場合、このポインタ数“2”が指示する設定回
数“3”を読み込む(図2参照)。次にステップ110
で、この読み込まれた値がカウンタ22aの値に等しい
かを判断し、これら値が等しい場合ステップ111の処
理に進み設定回数ポインタ22bの値に1を加える(こ
の例では、ポインタ22bの値を“3”にする)。そし
てステップ108で計測移動の処理を開始する。前述し
たように図2に示す設定回数表23aには実際に計測移
動による計測を行うために必要とされる計測移動指令の
回数を計測移動が行われた回数(ポインタ数)に従って
大きくなるように設定されている。これによりNC工作
機械が計測移動を行うのに従い、次の計測移動に必要な
計測移動指令回数が大きくなる。
【0024】このことは次の技術的意義を有する。NC
工作機械の加工作業の開始当初、図4を参照し説明した
ように熱変位の量が大きいため計測を頻繁に行う必要が
ある。このために加工開始当初は計測移動指令に対して
比較的忠実に計測を行う。しかし時間の経過に伴い熱変
位量が安定し、計測の頻度を徐々に下げることが加工効
率向上のために望ましくなる。そこで計測移動を行うた
めに必要とされる計測移動指令の回数を計測移動の度に
増大させ、計測の頻度を徐々に下げていくことにより本
実施例は計測頻度を適正化する。
【0025】再び、ステップ110の説明に戻る。該ス
テップ110で読み込み回数がカウンタ値に等しくない
場合、ステップ112の処理に移行し、前回変位量記憶
部22cに保持されている前回の計測により得られた変
位量と監視変位量23cとを比較する。これによりステ
ップ110の判断がNo、即ち設定回数とカウンタ値と
が等しくない場合であってもステップ112の判断で前
回の変位量が監視変位量以上のときはステップ108に
移行し直ちに計測を行う。他方前回の変位量が監視変位
量よりも小さな場合(ステップ112の判断がNo)ス
テップ113の判断を更に行う。ステップ113では、
カウンタ22aの値(指令回数)が定期監視回数23c
の値(1000回)に等しいかを判断する。ステップ1
13の判断で、カウンタ値が定期監視回数に等しい場合
は計測移動の処理(ステップ108)に移行し、これら
が等しくない場合には計測移動を行わず、再びステップ
101の処理に戻り次のNCデータの読み込みを行う。
【0026】ステップ108の処理において、主演算部
10は、モータ制御部40に指令を発することにより工
具を移動(計測移動)して検出器60に接触させる。こ
の接触に基づき検出器60は接触信号を発し、この信号
を基に図1の位置情報21と検出器取付位置記憶部23
eとの情報に従いNC工作機械は変位量を計測する。次
にステップ114で、この計測した変位量をメモリ20
の前回変位量記憶部22cへセットする。最後にステッ
プ115で、この計測した値に基づきピッチ誤差補正B
記憶部70bの補正量の更新及び位置情報21の補正を
行う。これにより全ての処理が終了し前記ステップ10
1に戻り次の命令を読み込む。この実施例によれば、計
測移動指令に基づく計測を望ましい頻度で行うことによ
り、NC工作機械のサイクルタイムを短くし加工効率を
向上させることができる。
【0027】このステップ115のピッチ誤差補正B記
憶部70bの補正量の更新について以下図6、図7を参
照し詳細に説明する。図6に本発明の一実施例にかかる
ピッチ補正を行う変位補正装置を示す。主演算部10
は、演算動作を行うCPU10aと、CPU10aの発
した移動指令値にピッチ誤差補正量を加減算する移動指
令算出部10bと、計測された変位量を基に変位量の直
線式を算出する直線式作成部10cと、ピッチ誤差補正
量を算出するピッチ誤差補正量算出部10dとを有して
いる。
【0028】主演算部10は、前回変位量記憶部22c
にセットされた変位量と、検出器取付位置記憶部23e
に設定された検出器のZ軸方向の位置情報とを呼び出
す。そして、これら値を基に直線式作成部10cで、ボ
ールネジ355の固定点(即ち図5の上端軸受365)
を原点とし、検出器60の位置(即ち上端軸受365か
ら検出器60までのZ軸上の距離)を横軸に、計測され
た変位量を縦軸にとつた点を通る直線を描く(図7参
照)。即ち、固定点の変位量を“0”と仮定してこれを
原点とし、計測された変位量を基に変位量の直線を描
く。これは上端が上端軸受365で固定され下端が下端
軸受367でスライド可能に支えられているボールネジ
355が、上端が固定された状態で熱により下向(Z
軸)へリニアに伸長するため、熱変位もボールネジ35
5に沿って下方向へリニアに生じるために変位量を直線
上で求めることができるからである。
【0029】次に、ピッチ誤差補正量算出部10dが、
得られた直線グラフを基に、ボールネジ355のストロ
ーク範囲内(工具が加工作業を行う範囲)においては、
Z軸上の各点を10mm単位でピッチ補正量の算出を行
う。そして算出された値をピッチ誤差補正B記憶部70
bに格納する。これにより算出されたピッチ補正量を図
7中に階段状の一点鎖線で示す。
【0030】ボールネジ355の固定点(原点)からス
トローク開始点までの範囲(工具の加工作業範囲外であ
るが、工具交換等のため主軸ヘッド351が移動される
範囲)については正確に位置補正を行う必要性が乏し
い。このためピッチ誤差補正量算出部10dは、算出さ
れたストローク開始点における変位量aだけ位置情報2
1を書き換える(即ち全体の位置をシフトさせる)。な
お、位置情報21を書き換える代わりに、別の方法とし
て位置情報を固定したまま工具をaだけZ位置に移動さ
せることも好適である。
【0031】本実施例の変位補正装置は加工作業におい
て、NCデータ30の入力によりCPU10aが、移動
指令値を移動指令算出部10bに出力する。移動指令算
出部10bは、該移動指令値に対応するピッチ誤差補正
A記憶部70aとピッチ誤差補正B記憶部70bとの補
正量を呼び出し、これらの補正量と移動指令値とを加減
算してこの値をモータ制御部40に出力する。モータ制
御部40はピッチ補正された値に基づき工具を移動させ
る。なお前述したように、ピッチ誤差補正B記憶部70
bには工作機械の熱変位に対するピッチ誤差補正量が記
憶され、他方、ピッチ誤差補正A記憶部70aには従来
の方式で予め計測された温度変化に関係しないピッチ誤
差補正量が記憶されている。
【0032】従来の装置において測定点を2点(検出器
を2つ)用いて計測を行い、その2点から直線を描いて
ピッチ補正量を算出していたのに対し、本実施例にかか
る変位補正装置は、ボールネジ固定点の変位を“0”に
設定し一点のみを計測して変位量の直線を描くため計測
時間が短縮できる。また、検出器60のZ軸方向の位置
を調整可能としたので、被加工物の大きさ等に応じて最
も精度の必要な位置で検出を行うようにすることができ
る。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、高
い補正精度が得られるピッチ誤差補正を1つの検出器で
行い得るため、NC工作機械のコストダウンが図れる。
また、計測移動の時間を短縮できるため、NC工作機械
のサイクルタイムを短くし加工効率を向上させることが
可能である。また、計測移動指令に対して実際に計測移
動を行うために必要とされる指令の回数を計測が行われ
る度に大きくなるように設定することにより、NC工作
機械の加工作業の進行(即ち時間の経過)に従い計測移
動指令に対して実際に計測移動が行われる回数を少なく
できる。更に、前回計測された変位量が設定値以上の場
合、指令の回数に関わらず計測移動指令が発せられたら
直ちに計測を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例にかかるNC工作機械の変位
補正装置のブロック図である。
【図2】図1のメモリ中の設定回数表の説明図である。
【図3】本発明の1実施例にかかる変位補正装置のフロ
ーチャートである。
【図4】NC工作機械の熱変位量と時間との関係を示す
図である。
【図5】本発明の1実施例にかかる変位補正装置を有す
る工作機械の側面図である。
【図6】本発明の1実施例にかかる変位補正装置のブロ
ック図である。
【図7】ピッチ誤差補正における変位量とストロークと
の関係を示す図である。
【符号の説明】
10 主演算部 10a CPU 10b 移動指令算出部 10c 直線式作成部 10d ピッチ誤差補正量算出部 20 メモリ 21 位置情報記憶部 22a カウンタ記憶部 22b 設定回数ポインタ記憶部 22c 前回変位量記憶部 23a 設定回数表 23e 検出器取付位置記憶部 30 NCデータ 40 モータ制御部 60 検出器 70a ピッチ誤差補正A記憶部 70b ピッチ誤差補正B記憶部 351 主軸ヘッド 355 ボールネジ 357 Z軸モータ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Z軸モータを駆動しボールネジを介して
    主軸ヘッドを移動させながら被加工物に所定の加工を施
    すNC工作機械の変位補正装置であって、 接触により検出信号を出力する1つの検出器と、 前記1つの検出器の出力により変位量を計測する変位量
    計測手段と、 前記検出器の取付け位置を記憶する検出器取付位置記憶
    手段と、 前記変位量計測手段の計測した変位量と前記検出器取付
    位置記憶手段に記憶された取付位置とから、ボールネジ
    の固定点を原点する変位量の直線式を作成する直線式作
    成手段と、 前記直線式作成手段により作成された直線式を基にピッ
    チ誤差補正量を算出するピッチ誤差補正量算出手段と、 前記ピッチ誤差補正量算出手段により算出されたピッチ
    誤差補正量を記憶するピッチ誤差記憶手段と、 入力された指令値と前記ピッチ誤差記憶手段に記憶され
    たピッチ誤差補正量とを加減算してZ軸モータを駆動さ
    せるための指令値を算出する移動指令算出手段とを有
    し、 変位量の計測指令に対し実際に計測を行うために必要と
    される指令の回数を計測が行われる度に大きくなるよう
    に設定し、 変位量の計測指令をカウントし、該カウント値が前記設
    定された指令の回数になった際に、実際の計測と行うと
    共に、 計測した変位量が設定値以上の場合、指令の回数に関わ
    らず計測を行う ことを特徴とするNC工作機械の変位補
    正装置。
  2. 【請求項2】 請求項1のNC工作機械の変位補正装置
    であって、前記ピッチ誤差補正量算出手段は、ボールネ
    ジのストローク範囲においてピッチ誤差補正量を算出
    し、ボールネジの固定点からストローク開始点の範囲に
    おいてストローク開始点における変位量を算出すること
    を特徴とするNC工作機械の変位補正装置。
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