JP6675548B2 - Nc研削装置及びワークの研削方法 - Google Patents

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本発明は、砥石を用いてワークを研削するNC研削装置と、これを用いてワークを研削するワークの研削方法とに関する。
砥石を用いてワークを研削するNC研削装置においては、砥石を直線移動させるための駆動手段としてボールねじが採用されることが多い。この理由としては、ボールねじが、各種の直線送り機構のなかでも精密性やコストのバランスが良いこと等が挙げられる。しかし、ワークの研削作業を連続して行った場合等には、摩擦によって生じる熱や、モータ等の駆動手段で発生する熱等によって、ボールねじやその周辺部材が熱膨張することがある。ボールねじが熱膨張すると、ボールねじが1回転したときの砥石の直線移動距離(以下において、「ボールねじによる砥石の単位移動距離」と呼ぶことがある。)は、通常、当初(ボールねじが熱膨張していないとき)よりも長くなる。また、ボールねじの周辺部材が熱膨張すると、砥石の保持位置が当初(ボールねじの周辺部材が熱膨張していないとき)よりも移動する。このため、ボールねじやその周辺部材に熱膨張等の熱変位が生じると、砥石を目標位置(ワークを目標寸法に仕上げることができる位置)まで正確に移動させることができなくなり、実際に得られるワークの寸法と目標寸法との間の誤差が大きくなるという結果を招く。したがって、NC研削装置の各メーカーは、ボールねじ等の熱変位に起因する砥石の位置のズレを補正できるように、NC研削装置に様々な工夫を施している。この種の補正を行う方法としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
特開2000−218469号公報
しかし、特許文献1に記載の補正方法は、同文献の図2に示されるように、モータ1と、モータ1によって回転されるボールねじ2と、ボールねじ2に螺合され、ボールねじ2を回転させることで移動可能とされたテーブル3と、モータ1の回転量に基づいてテーブル3の位置を検出する位置検出機4とを備えた工作機械において、
[工程1] 接触センサ5の先端部51の位置を変化させながら、接触センサ5を全ての被接触治具接点J1,J2,・・・,Jnに接触させていく。
[工程2] 上記工程1で接触センサ5が被接触治具接点J1,J2,・・・,Jnに接触するそれぞれのタイミングで位置検出機4が実際に出力した値から、それぞれのタイミングにおけるテーブル3の位置L1’,L2’,…,Ln’を求める。
[工程3] 上記工程2で求められたテーブル3の位置L1’,L2’,…,Ln’と、ボールねじに熱変位が生じていないときのテーブル3の位置L1,L2,・・・,Lnとの差L1−L1’,L2−L2’,・・・,Ln−Ln’を求める。
[工程4] 上記工程3で求められた差L1−L1’,L2−L2’,・・・,Ln−Ln’から、ボールねじにおける各区間の熱変位係数α1,α2,・・・,αnを求める。
[工程5] 上記工程4で求められた熱変位係数α1,α2,・・・,αnを使用して、ボールねじの熱変位による影響を補正する熱変位補正パラメータを求める。
という工程を経るものとなっていた(同文献の段落0007〜0009)。
このため、特許文献1に記載の補正方法は、
[課題1] 上記工程1において、接触センサ5の先端部51の位置を変化させて接触センサ5を移動させるという複雑な動作を、被接触治具接点J1,J2,・・・,Jn(被検知部)の個数だけ繰り返し実行する必要があり、時間を要する。
[課題2] 上記工程5において、ボールねじにおける各区間の熱変位係数α1,α2,・・・,αnの全てを用いて熱変位補正パラメータを求めるため、補正量の計算アルゴリズムが複雑になる。特に、ワークの目標寸法に変更が生じ、砥石の目標位置が変わったような場合には、被接触治具接点J1,J2,・・・,Jn(被検知部)の位置を調整したり、被接触治具接点J1,J2,・・・,Jn(被検知部)の個数を増減したり等の調整が必要になる虞もある。
[課題3] 上記工程5において、ボールねじにおける各区間の熱変位係数α1,α2,・・・,αnの全てを用いて熱変位補正パラメータを求めるため、熱変位係数α1,α2,・・・,αnを求める際に生じた丸め誤差が積算されてしまい、熱変位補正パラメータに大きな誤差が生じる虞がある。
[課題4] 被接触治具接点J1,J2,・・・,Jn(被検知部)の位置を予め高精度で設定しておく必要があり、被接触治具接点J1,J2,・・・,Jn(被検知部)の取り付けやその位置の測定に手間を要する。
という課題があった。
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、被検知部の位置を厳密に設定しておかなくても、ボールねじやその周辺部材に生じた熱変位による影響を高精度で補正できるだけでなく、ワークの目標寸法に変更が生じたような場合であっても、被検知部の位置や個数の調整が不要で取扱いが容易なNC研削装置を提供するものである。また、このNC研削装置を用いてワークの研削を行うワークの研削方法を提供することも本発明の目的である。
上記課題は、
ワークを保持するためのワーク保持手段が設けられたワーク側ユニットと、
ワークを研削するための砥石が設けられた砥石側ユニットと、
ワーク側ユニットに対して砥石側ユニットを相対的に移動させることにより、砥石をワークの被加工面に向かって進退する方向であるx軸方向に移動させるボールねじ及びボールねじ回転手段と、
ボールねじの任意の基準点からの回転量Rを検出するボールねじ回転量検出手段と、
を備えたNC研削装置であって、
ワーク側ユニットと砥石側ユニットのうち一方のユニットに設けられ、x軸方向に非垂直な方向に任意の間隔を隔てた状態で配されたN個(Nは2以上の任意の整数)の被検知部α〜αと、
ワーク側ユニットと砥石側ユニットのうち他方のユニットに設けられ、砥石がx軸方向に移動する際に被検知部α〜αを順次検知していく検知手段βと、
ワークの研削加工を連続して行った場合のボールねじ又はその周辺部材の熱変位よる影響で、砥石が目標位置まで正確に移動しないことにより、実際に得られるワークの寸法とワークの目標寸法との間に生じる誤差を抑えるために、ボールねじの回転量を、ワークを目標寸法に仕上げることができる目標位置まで砥石を移動させることができる回転量に補正する際に用いる熱変位補正パラメータを求める補正パラメータ算出手段と、
をさらに備えるとともに、
動作モードとして、
砥石が、ワークを目標寸法に仕上げることができる目標位置に向けて移動するように、ボールねじによりワーク側ユニットに対して砥石側ユニットを相対的に移動させながら、検知手段βに最初に検知される被検知部αから被検知部α(Mは1以上N以下のいずれか1つの整数)までを順次検知していき、被検知部α は、砥石の外周面がワークの外周面に当接するまでの間において、検知手段βによって最後に検知される被検知部又は最後に検知される被検知部から遡り、かつ最後に検知される被検知部にできるだけ近い被検知部であり、検知手段βによって被検知部α〜αが検知されたときの回転量Rを、それぞれ、基準回転量R(α)〜R(α)として記憶する基準回転量取得モードと、
基準回転量取得モードが実行された後に継続的に実行され、砥石が、ワークを目標寸法に仕上げることができる目標位置の近くに達するまで、ボールねじによりワーク側ユニットに対して砥石側ユニットを相対的に移動させながら、少なくとも、検知手段βによって被検知部αが検知されたときの回転量Rを、実回転量R(α)として記憶する実回転量取得モードと、
を有し、
補正パラメータ算出制御手段実回転量取得モードの完了後、ワークを研削加工する前に、基準回転量R(α)と実回転量R(α)とに基づいて、熱変位補正パラメータを算出し、熱変位補正パラメータを用いて、ボールねじの回転量を砥石を目標位置まで移動させることができる回転量に補正し、新たに実回転量取得モードが実行される度に、回転量の前記補正を行い、
被検知部α のうち前記できるだけ近い被検知部は、熱変位補正パラメータによるボールねじの回転量の補正により、実際に得られるワークの寸法が目標寸法の範囲内となる被検知部である
ことを特徴とするNC研削装置
を提供することによって解決される。
ここで、「ワーク側ユニット」とは、「NC研削装置における、空間的にワーク側(ワーク保持手段側)となる部材群」を意味するのではなく、「NC研削装置における、少なくとも、砥石の進退方向であるx軸方向においては、ワーク保持手段に対して相対的に移動しない部材群」を意味している。このため、ワーク(ワーク保持手段)から空間的に遠く離れた場所にある部材であっても、当該部材が、x軸方向においてワーク保持手段に対して相対的に移動しないものであれば、当該部材は、ワーク側ユニットに含まれる。同様に、「砥石側ユニット」とは、「NC研削装置における、空間的に砥石側となる部材群」を意味するのではなく、「NC研削装置における、少なくとも、砥石の進退方向であるx軸方向においては、砥石に対して相対的に移動しない部材群」を意味している。このため、砥石から空間的に遠く離れた場所にある部材であっても、当該部材が、x軸方向において砥石に対して相対的に移動しないものであれば、当該部材は、砥石側ユニットに含まれる。
さらに、「被検知部α〜α」は、基準回転量取得モード及び実回転量取得モードの双方のモードにおいて検知手段βによって検知される被検知部のことを云う。このため、例えば、被検知部αと被検知部αとの隙間や、被検知部αと被検知部αとの隙間等、被検知部α〜αの隙間に、基準回転量取得モード及び実回転量取得モードのうち少なくとも一方のモードにおいて検知手段βによって検知されない「隙間の被検知部」が存在する場合であっても、本発明に係るNC研削装置の技術的範囲を解釈する際には、これらの「隙間の被検知部」は、「被検知部α〜α」としてはカウントせず、無視して解釈するものとする。
加えて、「被検知部α〜α」のうちの「被検知部α」は、実回転量取得モードにおいて、ワーク側ユニットに対して砥石側ユニットを初期位置からx軸方向正側(砥石がワークに近づく向きのこと。)に相対的に移動させていくときに検知手段βによって最初に検知される検知部のことを云う。したがって、被検知部αにおける、被検知部αが配された側とは逆側に、基準回転量取得モードのみで検知される「他の被検知部」が存在する場合や、基準回転量取得モードでも検知されない「他の被検知部」が存在する場合であっても、本発明に係るNC研削装置の技術的範囲を解釈する際には、これらの「他の被検知部」は、「被検知部α〜α」としてはカウントせず、飽くまで、実回転量取得モードにおいて、ワーク側ユニットに対して砥石側ユニットを初期位置からx軸方向正側(砥石がワークに近づく向きのこと。)に相対的に移動させていくときに検知手段βによって最初に検知されたものを「被検知部α」としてカウントし、被検知部α以降に検知される被検知部を被検知部α,α,・・・として順次カウントするものとする。
本発明のNC研削装置では、ワーク側ユニットに対して砥石側ユニットを相対的に移動させ、検知手段によって被検知部α〜αを順次検知させるという単純な動作を実行するだけで、熱変位補正パラメータを求めることが可能である。
また、本発明のNC研削装置では、熱変位補正パラメータを求める際に、基準回転量R(α)〜R(α)及び実回転量R(α)〜R(α)の全てを用いる必要がない。すなわち、N個の基準回転量R(α)〜R(α)のうち、基準回転量R(α)を含む一部(N個未満)の基準回転量Rと、N個の実回転量R(α)〜R(α)のうち、実回転量R(α)を含む一部(N個未満)の実回転量Rとを用いるだけである。このため、熱変位補正パラメータの計算アルゴリズムを単純化できるだけでなく、上述した丸め誤差の積算による熱変位補正パラメータの精度低下を防ぐことも可能になる。
加えて、本発明のNC研削装置では、熱変位補正パラメータの算出に、被検知部α〜αの位置に関する情報は特に必要ない。このため、被検知部α〜αの位置を予め高精度に設定しておかなくても、熱変位の補正を高精度で行うことが可能になる。したがって、被検知部α〜αの取り付けを、手間を要することなく簡易に行うことが可能になるだけでなく、被検知部α〜αの位置を測定等する必要もなくなる。被検知部α〜αは、目測等で決定した任意の適当な位置に設置することも可能である。
さらに、本発明のNC研削装置では、ワークの目標寸法に変更が生じ、砥石の目標位置が変わったような場合であっても、基準回転量R(α)及び実回転量R(α)の検知に利用される被検知部αが変わるだけ(Mの値が変わるだけ)であり、被検知部α〜αの位置を調整したり、被検知部α〜αの個数を増減したりすることなく対応することも可能となっている。
さらにまた、本発明のNC研削装置では、砥石が目標位置に近くになったときに検知手段βに検知される被検知部αから取得した基準回転量R(α)と実回転量R(α)とに基づいて熱変位補正パラメータを用いるようにしている。換言すると、砥石が目標位置に近い場所になったときの情報を基に、熱変位補正パラメータを算出するようになっている。このため、熱変位の影響をより高精度で補正することが可能となっている。
このように、本発明のNC研削装置では、簡易且つ高精度に熱変位の影響を補正することができるようになっており、ボールねじやその周辺部材に熱変位が生じた場合であっても、実際に得られるワークの寸法と目標寸法との間の誤差を小さく抑えることも可能となっている。
本発明のNC研削装置において、熱変位補正パラメータを求める際の根拠となる基準回転量R(α)及び実回転量R(α)を検知するのに利用する被検知部αは、被検知部α〜αのうち、基準回転量取得モード又は実回転量取得モードにおいて砥石が目標位置の近く(例えば、目標位置までの距離が100mm以下となる位置。目標位置までの距離は、50mm以下であると好ましく、30mm以下であるとより好ましい。)になったときに検知手段βにより検知されるものであれば特に限定されないが、実回転量取得モードにおいて砥石が目標位置に最も近づいたときに検知手段βによって検知されるもの(実回転量取得モードにおいて検知手段βによって最後に検知されるもの)とすることが好ましい。これにより、ボールねじ又はその周辺部材の熱変位による影響をより高精度で補正することが可能になる。その理由については、後で詳しく説明する。
本発明のNC研削装置において、補正パラメータ算出手段における具体的な処理は、特に限定されない。補正パラメータ算出手段における処理方法としては、例えば、基準回転量R(α)と実回転量R(α)との差ΔR(α)(=R(α)−R(α))を熱変位補正パラメータとして算出する方法(後述する簡易法)や、基準回転量R(α)及び実回転量R(α)に加えて、基準回転量R(αM−m)と、実回転量R(αM−m)と、ボールねじ又はその周辺部材の熱変位の具合が基準回転量取得モードと略同一(同一を含む。)の状態においてワークWを目標寸法まで研削加工するのに要する回転量Rである基準目標回転量R(W)とに基づいて熱変位補正パラメータを算出する方法(後述する詳細法)等が例示される。詳細法においては、Mは、2以上N以下のいずれか1つの整数とされ、実回転量取得モードにおいては、検知手段βによって被検知部αM−m(mは1以上M未満のいずれか1つの整数)が検知されたときの回転量Rも、実回転量R(αM−m)として記憶するようにする。簡易法や詳細法の具体的な内容等については、後で詳しく説明する。
以上のように、本発明によって、被検知部の位置を厳密に設定しておかなくても、ボールねじやその周辺部材に生じた熱変位による影響を高精度で補正できるだけでなく、ワークの目標寸法に変更が生じたような場合であっても、被検知部の位置や個数の調整が不要で取扱いが容易なNC研削装置を提供することが可能になる。また、このNC研削装置を用いてワークの研削を行うワークの研削方法を提供することも可能になる。
本発明のNC研削装置を上方から見た状態を示した図である。 本発明のNC研削装置のシステムブロック図である。 基準回転量取得モードが実行されているときのNC研削装置における砥石側ユニットとワークとの相対的位置関係の変化を段階的に示した図である。 実回転量取得モードが実行されているときのNC研削装置における砥石側ユニットとワークとの相対的位置関係の変化を段階的に示した図である。 実施例で採用したNC研削装置を上方から見た状態を示した図である。 実施例で採用したNC研削装置を側方から見た状態を示した図である。
以下、本発明のNC研削装置の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。
1.本発明のNC研削装置の概要
図1は、本発明のNC研削装置を上方から見た状態を示した図である。本発明のNC研削装置は、図1に示すように、ワーク側ユニット10と、砥石側ユニット20と、ボールねじ30及びボールねじ回転手段33と、制御手段70とを備えたものとなっている。
ワーク側ユニット10は、ワークWを保持するためのワーク保持手段11を有している。本実施態様のNC研削装置において、ワーク保持手段11は、一対のセンタ11aの間にワークWを挟み込む構造のものとなっている。このセンタ11aに保持されたワークWは、ワーク回転手段14(後掲の図2を参照。ワーク回転手段14は、通常、モータとされる。)によって、中心線Lを中心として回転されるようになっている。ワーク回転手段14は、制御手段70からの指令に基づいて駆動されるようになっている。本実施態様のNC研削装置においては、ワーク側ユニット10における、ワーク保持手段11を設置する側の部分(図1の下側に浮島状に描かれた部分。以下において「第一部分」と呼ぶことがある。)と、少なくとも砥石側ユニット20を載せる側の部分(以下において「第二部分」と呼ぶことがある。)とを、z軸方向(ワークWの中心線Lに平行な方向)に相対的に移動させることが可能な構成を採用しており、砥石21をワークWの中心線Lに対して平行な方向にも移動させることができるようにしている。ここで、ワーク側ユニット10における第一部分と第二部分とを、z軸方向に相対的に移動させることが可能な態様としては、不動の第一部分に対して第二部分を移動させる態様(移動態様1)と、不動の第二部分に対して第一部分を移動させる態様(移動態様2)と、移動する第一部分に対して第二部分を移動させる態様(移動態様3)と、移動する第二部分に対して第一部分を移動させる態様(移動態様4)とが挙げられる。これらの移動態様1〜4のうち、第二部分が移動する移動態様1,3,4においても、通常、ベッド12自体は、不動とされる。すなわち、第二部分が移動する移動態様1,3,4においては、通常、ベッド12に対してz軸方向に相対的に移動可能な可動部分(「クロスサドル」等と呼ばれる部分)をベッド12に設け、当該可動部分に砥石側ユニット20を載せることにより、ベッド12側における砥石側ユニット20が載せられる部分(第二部分)が第一部分に対してz軸方向に相対的に移動するようにされる。このときには、検知手段取付部材13も、当該可動部分に設けられる。
砥石側ユニット20は、ワークWを研削するための砥石21を有している。本実施態様のNC研削装置において、砥石21は、中心線Lを中心とする円盤状に形成されており、砥石回転手段24(後掲の図2を参照。砥石回転手段24は、通常、モータとされる。)によって、中心線Lを回転中心として回転するようになっている。既に述べたように、ワーク保持手段11に保持されたワークWは、中心線Lを中心として回転されるところ、このように中心線Lを中心として回転するワークWの外周面(被加工面)に、中心線Lを中心として回転する砥石21の外周面(加工面)を押し当てることにより、ワークWの外周面(被加工面)が研削加工される。このため、本実施態様のNC研削装置において、ワークWの外周面(被加工面)は、中心線Lを中心とする回転対称形状に研削加工される。ワーク回転手段14と同様、砥石回転手段24も、制御手段70からの指令に基づいて駆動されるようになっている。
ボールねじ30は、ワーク側ユニット10に対して砥石側ユニット20を相対的に移動させることにより、砥石21をワークWの被加工面(外周面)に向かって進退する方向であるx軸方向に移動させるためのものとなっている。(実際の砥石側ユニット20は、x軸方向だけでなく、上述した移動態様2(不動の第二部分に対して第一部分を移動させる態様)により、ワークWの中心線Lに平行な方向(z軸方向)にも相対的に移動可能とされる。)本実施態様のNC研削装置において、ボールねじ30は、ねじ軸31と、ねじ軸31の外周部に螺合されたナット部材32とを備えたものとなっている。ねじ軸31は、その中心線回りに回転可能な状態でワーク側ユニット10に取り付けられ、ナット部材32は、砥石側ユニット20に固定されている。ねじ軸31は、ボールねじ回転手段33の出力軸に連結されている。このため、ボールねじ回転手段33が駆動されて、ボールねじ30(ねじ軸31)が回転すると、砥石側ユニット20がナット部材32とともにボールねじ30の回転量に応じた距離だけボールねじ30の軸方向(図1においてはx軸方向)に移動し、これに伴って砥石21がx軸方向に移動するようになっている。すなわち、ボールねじ回転手段33を駆動することによって、砥石21のx軸方向における移動量を制御することができるようになっている。ボールねじ回転手段33は、制御手段70からの指令に基づいて駆動されるようになっている。
また、本発明のNC研削装置においては、ワーク側ユニット10と砥石側ユニット20のうち一方のユニットには、N個(Nは2以上の任意の整数)の被検知部α〜αが設けられる。被検知部α〜αは、x軸に非垂直な方向(本実施態様のNC研削装置においてはx軸に平行な方向)に所定の間隔を隔てた状態で配される。これに対し、他方のユニット(被検知部α〜αを設けない方のユニット)には、検知手段βが設けられる。この検知手段βは、砥石21がx軸方向に移動する際に被検知部α〜αを順次検知していくためのものとなっている。検知手段βは、被検知部α〜αに接触するもの(接触式のセンサ)を用いてもよい。しかし、この場合には、検知手段βによる被検知部α〜αの検知が安定しなくなる虞がある。このため、検知手段βは、光学式センサや近接センサ等、非接触により被検知部α〜αを検知するもの(非接触式のセンサ)を用いることが好ましい。
ワーク側ユニット10と砥石側ユニット20のうち、どちらのユニットに被検知部α〜αを設けて、どちらのユニットに検知手段βを設けるかは、特に限定されない。しかし、通常は、検知手段βの方が、被検知部α〜αよりも機構が複雑であることに加えて、検知手段βの方が、被検知部α〜αよりも重くそれに働く慣性力が大きくなるため、検知手段βを砥石側ユニット20に設けると、検知手段βによる被検知部α〜αの検知が不安定になる虞がある。このため、検知手段βを、動かない側のユニット(本実施態様のNC研削装置においてはワーク側ユニット10)に設け、被検知部α〜αを、動く側のユニット(本実施態様のNC研削装置においては砥石側ユニット20)に設けることが好ましい。本実施態様のNC研削装置においても、検知手段βをワーク側ユニット10(動かない側のユニット)に設け、被検知部α〜αを砥石側ユニット20(動く側のユニット)に設けている。具体的には、低熱膨張素材で形成されたアーム状の被検知部取付部材23の基端側を砥石側ユニット20の砥石台22に固定し、この被検知部取付部材23の先端側に被検知部α〜αを取り付けている。このため、ボールねじ30等に熱変位が生じても、被検知部α〜αの相対的位置関係は、保たれるようになっている。一方、検知手段βは、ワーク側ユニット10のベッド12の縁部から上向きに起立して設けた検知手段取付部材13に取り付けている。
制御手段70は、上述したように、ワーク回転手段14や砥石回転手段24やボールねじ回転手段33等を制御するためのものとなっている。制御手段70としては、通常、中央演算装置(CPU)と、RAMやROMやHDD等の記憶装置とを備えたコンピュータが用いられる。本実施態様のNC研削装置においては、制御手段70として、プログラマブルコントローラを用いている。
図2は、本発明のNC研削装置のシステムブロック図である。本発明のNC研削装置は、図1を用いて説明したように、ワーク側ユニット10と、砥石側ユニット20と、ボールねじ30及びボールねじ回転手段33と、被検知部α〜αと、検知手段βと、制御手段70とを備えたものであるところ、図2に示すように、さらに、ボールねじ回転量検出手段40と、補正パラメータ算出手段50も備えている。加えて、本実施態様のNC研削装置は、基準回転量記憶手段61と目標寸法記憶手段62と実回転量記憶手段63も備えている。これらの基準回転量記憶手段61、目標寸法記憶手段62及び実回転量記憶手段63は、制御手段70の記憶装置60(RAM等)として実装されている。以下においては、主に図2を参照しながら説明するが、図2に存在しない符号が付された部材については、図1を参照されたい。
ボールねじ回転量検出手段40は、ボールねじ30の基準点からの回転量Rを検出するためのものである。ボールねじ回転量検出手段40は、通常、ボールねじ回転手段33に取り付けられたロータリーエンコーダとされる。ボールねじ回転手段33としては、通常、サーボモータかステッピングモータが用いられるところ、サーボモータには、ロータリーエンコーダとしてアブソリュートエンコーダが備え付けられており、ステッピングモータには、ロータリーエンコーダとしてインクリメンタルエンコーダが備え付けられている。本実施態様のNC研削装置においては、ボールねじ回転手段33としてサーボモータを用いており、ボールねじ回転量検出手段40としてアブソリュートエンコーダを用いている。
補正パラメータ算出手段50は、ボールねじ30又はその周辺部材の熱変位による影響を補正する際に用いる熱変位補正パラメータを、被検知部αが検知手段βによって検知されたときの回転量Rである実回転量R(α)と、その基準値である基準回転量R(α)とに基づいて求めるためのものである。実回転量R(α)は、NC研削装置が後述する実回転量取得モードにあるときに取得され、基準回転量R(α)は、NC研削装置が後述する基準回転量取得モードにあるときに取得される。ここで、「被検知部α」や実回転量R(α)や基準回転量R(α)における「α」の添字の「M」は、1以上N以下のいずれか1つの整数であり、「α」は、N個の被検知部α〜αのうち、砥石21が目標位置付近に達したときに検知手段β付近になるもの(被検知部α)を指している。本実施態様のNC研削装置において、補正パラメータ算出手段50は、上記の制御手段70に保存されたプログラムとして実装されている。
本明細書の冒頭でも述べたように、NC研削装置でワークWの研削加工を連続して行った場合には、摩擦によって生じる熱や、モータ等の駆動手段(特に、上記の砥石回転手段24やボールねじ回転手段33)で発生する熱によって、ボールねじ30やその周辺部材が熱膨張する。特に、ボールねじ30のねじ軸31が熱膨張すると、ねじ軸31が1回転したときの砥石21の直線移動距離(ボールねじ30による砥石21の単位移動距離)が当初よりも長くなる。また、ボールねじ30の周辺部材(砥石台22等)が熱膨張すると、砥石21の保持位置が当初よりも移動する。このため、ボールねじ30やその周辺部材に熱膨張等の熱変位が生じると、砥石21を目標位置まで正確に移動させることができなくなり、実際に得られるワークWの寸法と目標寸法(以下において、「目標寸法D」と表記する。)との間の誤差を小さく抑えることができなくなる。この点、本発明のNC研削装置では、ボールねじ30やその周辺部材の熱変位に起因する砥石21の位置のズレを補正する熱変位補正パラメータを算出するものとして、上記の補正パラメータ算出手段50を設けている。熱変位補正パラメータの算出方法については、後で詳しく説明する。
基準回転量記憶手段61は、検知手段βによって被検知部α〜αが検知されたときのそれぞれのボールねじ30の回転量Rの基準値である基準回転量R(α)〜R(α)を記憶するものである。ここで、「回転量Rの基準値」とは、後述する基準回転量取得モードにおいてボールねじ回転量検出手段40から取得された回転量R、及び、ボールねじ30等に生じた熱変位の具合が基準回転量取得モードと略同一の状態においてボールねじ回転量検出手段40から取得された回転量Rのことを指している。以下においては、「ボールねじ30等に生じた熱変位の具合が基準回転量取得モードと略同一の状態」のことを「基準状態」と呼ぶことがある。この「基準状態」の概念には、基準回転量取得モード実行時も含まれる。
本実施態様のNC研削装置において、上記の基準回転量記憶手段61には、基準目標回転量R(W)も記憶されるようになっている。ここで、「基準目標回転量R(W)」とは、上記の基準状態において、ボールねじ30を基準点からこの回転量(基準目標回転量R(W))だけ回転させると、ワークWが目標寸法Dになる回転量のことを意味している。逆に言うと、基準状態において、ボールねじ30を基準点から基準目標回転量R(W)だけ回転すると、ワークWは、目標寸法Dまで研削加工されることになる。この基準目標回転量R(W)は、ワークWを目標寸法Dとする研削加工を開始するよりも前であって、ボールねじ30等に生じた熱変位の具合が基準回転量取得モードと略同一の基準状態にあるときであれば、いつでも取得することができる。基準目標回転量R(W)は、基準回転量取得モードを実行した後に取得することも可能ではあるが、本実施態様のNC研削装置では、基準回転量取得モードを実行するよりも前に取得するようにしている。
上記の基準目標回転量R(W)を取得する方法は、特に限定されない。例えば、
[方法1]
基準状態にあるときに、ワーク保持手段11に保持されたマスターワーク(予め目標寸法Dに調整されたワークW)に対して砥石21をゆっくりと近づけていき、砥石21の外周面(加工面)がマスターの外周面(被加工面)に当接したときのボールねじ30の回転量Rを、基準目標回転量R(W)としてボールねじ回転量検出手段40から取得する方法や、
[方法2]
基準状態にあるときに、ワーク保持手段11に保持されたワークW(目標寸法Dに調整されている必要はない。)に対して砥石21をゆっくりと近づけていき、砥石21の外周面(加工面)がワークWの外周面(被加工面)に当接したとき、又は、砥石21の外周面(加工面)によってワークWの外周面(被加工面)が僅かに研削加工されたときのボールねじ30の回転量Rをボールねじ回転量検出手段40から取得(このとき取得された回転量Rを「回転量R」とする。)するとともに、そのときのワークWの寸法を測定(このとき測定された寸法を「寸法D」とする。)して、差D−D又は比D/Dを算出し、その差D−D又は比D/Dの大きさに応じた値を回転量Rに対して加減又は乗除し、その加減又は乗除により得られた値に基づいて基準目標回転量R(W)を取得する方法
等が挙げられる。
目標寸法記憶手段62は、ワークWの目標寸法Dを記憶するものである。また、実回転量記憶手段63は、後述する実回転量R(α),R(α),・・・を記憶するものである。
2.熱変位補正パラメータの算出方法
続いて、補正パラメータ算出手段50が実行する、熱変位補正パラメータの算出方法について説明する。はじめに、熱変位補正パラメータを算出する基となる、実回転量R(α)及び基準回転量R(α)の取得方法について説明する。本発明のNC研削装置は、既に述べたように、その動作モードとして、基準回転量取得モードと実回転量取得モードとを有している。このうち、基準回転量取得モードが実行されているときに、基準回転量R(α)が取得され、実回転量取得モードが実行されているときに、実回転量R(α)が取得される。以下、基準回転量取得モード及び実回転量取得モードについて説明する。
2.1 基準回転量取得モード
まず、基準回転量取得モードについて説明する。図3は、基準回転量取得モードが実行されているときのNC研削装置における砥石側ユニット20とワークWとの相対的位置関係の変化を段階的に示した図である。基準回転量取得モードにおいては、ワーク保持手段11にワークWを保持させておく必要は特にないが、以下においては、説明の便宜上、目標寸法Dを有するワークWをワーク保持手段11に保持させているものとして説明している。図3においては、図示の便宜上、ワーク側ユニット10におけるセンタ11、砥石側ユニット20における砥石21、砥石台22及び被検知部取付部材23、並びに、ワークWのみを示しており、ボールねじ30等の他の部材については図示を省略している。以下の説明文中では、図3には示されていない部材が登場するが、これらの部材については、図1又は図2を参照されたい。
図3(a)は、ボールねじ30が基準点にあるときを示している。ここで、「ボールねじ30が基準点にあるとき」とは、「ボールねじ回転量検出手段40によって検出されたボールねじ30の回転量R(回転数)が所定の基準値に一致する状態にあるとき」のことを云う。本実施態様のNC研削装置においては、ボールねじ30の基準点からの回転量Rに基づいて、砥石21の移動制御が行われるようになっている。ボールねじ30の基準点は、ボールねじ30の原点(ボールねじ回転量検出手段40によって検出されたボールねじ30の回転量Rが0になる状態)に一致させる必要は特になく、任意に設定することができる。以下においては、説明の便宜上、基準回転量取得モードでボールねじ30が基準点にあるときには、図3(a)に示すように、砥石台22における点Aが、砥石21の進退方向に平行な軸(x軸)における座標xにあるものとして説明する。
図3(a)に示すように、ボールねじ30が基準点にある状態からボールねじ30を送り方向(砥石21をワークWに近づける向き。)に回転させていくと、砥石側ユニット20がx軸方向正側に移動する。このとき、被検知部α〜αは、砥石側ユニット20とともにx軸方向正側に移動するものの、検知手段βは、元の位置から動かない。このため、被検知部α,α,・・・が、検知手段βの付近を順次通り過ぎていき、検知手段βによって被検知部α,α,・・・が順次検知されていくようになる。検知手段βによって被検知部α,α,・・・がそれぞれ検知されたタイミングでは、ボールねじ30の回転量Rが、ボールねじ回転量検出手段40から取得され、それぞれ、基準回転量R(α),R(α),・・・として、基準回転量記憶手段61に記憶されていく。
図3(a)に示す状態からボールねじ30が送り方向に回転し続けると、図3(b)に示すように、砥石21が目標位置の近くまで移動する。図3(b)は、検知手段βによって被検知部αが検知されたときを示している。図3(b)に示す状態においては、砥石台22における点Aのx座標は、xS.Mとなっている。換言すると、図3(a)に示す状態から図3(b)に示す状態となるまでの間に、砥石台22における点Aは、xS.M−xに相当する距離だけx軸方向正側に移動している。この間、ボールねじ30は、その基準点から基準回転量R(α)だけ回転している。図3(b)に示す状態においては、基準回転量R(α)から基準回転量R(α)までの計M個の基準回転量Rが、基準回転量記憶手段61に記憶された状態となっている。基準回転量R(α)が取得されると、基準回転量取得モードが完了する。
ここで、基準回転量取得モードが完了した図3(b)に示す状態からボールねじ30がさらに送り方向に回転し続けたと仮定すると、砥石21は、そのうち、図3(c)に示す位置に到達する。図3(c)は、砥石21の外周面(加工面)がワークW(目標寸法Dを有するワークW)の外周面(被加工面)に当接したときを示している。換言すると、図3(c)は、砥石21が、ワークWを目標寸法Dに仕上げることができる目標位置となった状態を示している。図3(c)に示す状態においては、砥石台22における点Aのx座標は、xS.Wとなっている。換言すると、図3(b)に示す状態から図3(c)に示す状態となるまでの間に、砥石台22における点Aは、xS.W−xS.Mに相当する距離だけx軸方向正側に移動することになる。また、図3(c)に示す状態においては、ボールねじ30の基準点からの回転量Rは、上記の基準目標回転量R(W)となっているはずである。換言すると、図3(b)に示す状態から図3(c)に示す状態となるまでの間に、ボールねじ30は、ΔR(=R(W)―R(α))だけ回転することになる。
既に述べたように、基準回転量取得モードにおいては、ワーク保持手段11にワークWを保持させる必要は特にないところ、この基準回転量取得モードにおいて、ワーク保持手段11にワークWを保持させていた場合には、基準回転量取得モードが完了したワークWは、同じNC研削装置で引き続き、目標寸法Dになるまで研削加工することもできる。基準回転量取得モードを実行した直後においては、基準目標回転量R(W)を取得したときと、ボールねじ30等に生じた熱変位の具合が同様であるため、基準回転量取得モード直後の研削加工においては、ボールねじ30を基準点から基準目標回転量R(W)だけ回転させると、ワークWを目的の寸法まで高精度に研削加工することができる。
ただし、基準回転量取得モード直後に研削加工を行う場合において、基準回転量取得モードを実行しているときと同程度の移動速度で砥石側ユニット20を移動させて砥石21をワークWに当接させてしまうと、砥石21がワークWに当接したときの衝撃で、砥石21やワークWやその周辺部材に破損等が生じる虞がある。このため、基準回転量取得モードの直後にワークWの研削加工を引き続いて行う場合には、通常、砥石21がワークWに当接する直前における砥石側ユニット20の移動速度は、基準回転量取得モードを実行しているときよりも大幅に低下した状態とされる。
このように、基準回転量取得モードの直後であれば、ワークWが目標寸法Dとなるように高精度で研削加工することができるものの、その後も新たな別のワークWを連続して研削加工する場合には、ボールねじ30やその周辺部材の熱変位の具合が、基準目標回転量R(W)を取得したときや、基準回転量取得モードを実行したときの状態(基準状態)とは異なっていることが通常である。この点、本実施態様のNC研削装置では、基準回転量取得モードを実行した直後の研削加工を終えてから、その後に新たな別のワークWを研削加工するよりも前に、後述する実回転量取得モードを実行して熱変位補正パラメータを算出し、その熱変位補正パラメータを用いてボールねじ30やその周辺部材の熱変位による影響を補正しながら続く研削加工を行うようにしている。
2.2 実回転量取得モード
図4は、実回転量取得モードが実行されているときのNC研削装置における砥石側ユニット20とワークWとの相対的位置関係の変化を段階的に示した図である。図4においては、図示の便宜上、ワーク側ユニット10におけるセンタ11、砥石側ユニット20における砥石21、砥石台22及び被検知部取付部材23、並びに、ワークWのみを示しており、ボールねじ30等の他の部材については図示を省略している。以下の説明文中では、図4には示されていない部材が登場するが、これらの部材については、図1又は図2を参照されたい。
図4(a)は、ボールねじ30が基準点にあるときを示している。基準回転量取得モードにおいてボールねじ30が基準点にあるときには、図3(a)に示すように、砥石台22における点Aが、砥石21の進退方向に平行な軸(x軸)における座標xにあったものの、実回転量取得モードにおいてボールねじ30が基準点にあるときには、図4(a)に示すように、砥石台22における点Aが、x軸における座標xよりもx軸方向負側の座標xに位置している。これは、基準回転量取得モードの完了後に行ったワークWの研削加工等によって、基準回転量取得モードを実行しているときよりも、砥石台22が熱膨張したためである。この場合には、ボールねじ30等も熱膨張しているものと考えられ、ボールねじ30による砥石21の単位移動距離は、基準回転量取得モードを実行したときよりも長くなる。
このように、基準回転量取得モードを実行しているときと、実回転量取得モードを実行しているときとでは、ボールねじ30やその周辺部材の熱変位の具合が変化し、ボールねじ30による砥石21の単位移動距離も変化する。上述した例とは逆に、基準回転量取得モードが高温環境下(ボールねじ30やその周辺部材が熱膨張した状態)で実行され、その後、実回転量取得モードが低温環境下で実行された場合には、実回転量取得モードを実行しているときの、ボールねじ30による砥石21の単位移動距離は、基準回転量取得モードを実行したときよりも短くなる。
図4(a)に示すように、ボールねじ30が基準点Aにある状態からボールねじ30を送り方向に回転させていくと、砥石側ユニット20がx軸方向正側に移動する。このときには、基準回転量取得モードを実行しているときと同様、検知手段βによって被検知部α,α,・・・が順次検知されていくようになる。実回転量取得モードにおいて、検知手段βによって被検知部α,α,・・・がそれぞれ検知されたタイミングでは、ボールねじ30の回転量Rが、ボールねじ回転量検出手段40から取得され、それぞれ、実回転量R(α),R(α),・・・として、実回転量記憶手段63に記憶されていく。
図4(a)に示す状態からボールねじ30が送り方向に回転し続けると、図4(b)に示すように、砥石21が目標位置の近くまで移動する。図4(b)は、検知手段βによって被検知部αが検知されたときを示している。図4(b)に示す状態においては、砥石台22における点Aのx座標は、xF.Mとなっている。換言すると、図4(a)に示す状態から図4(b)に示す状態となるまでの間に、砥石台22における点Aは、xF.M−xに相当する距離だけx軸方向正側に移動している。この間、ボールねじ30は、その基準点から実回転量R(α)だけ回転している。本実施態様のNC研削装置においては、このときまでに、実回転量R(α)から実回転量R(α)までの計M個の実回転量Rが、実回転量記憶手段63に記憶された状態となっている。ただし、後述する簡易法では、実回転量R(α)のみが実回転量記憶手段63に記憶されていれば足り、後述する詳細法でも、実回転量R(α)及び実回転量R(αM−m)(mは1以上M未満のいずれか1つの整数)が実回転量記憶手段63に記憶されていれば足りるため、実回転量R(α)から実回転量R(α)までの計M個の実回転量Rの全てが実回転量記憶手段63に記憶されている必要はない。実回転量R(α)が取得されると、実回転量取得モードが完了する。
ここで、実回転量取得モードが完了した図4(b)に示す状態からボールねじ30がさらに送り方向に回転し続けたと仮定すると、砥石21は、そのうち、図4(c)に示す位置に到達する。図4(c)は、砥石21の外周面(加工面)がワークW(目標寸法Dを有するワークW)の外周面(被加工面)に当接したときを示している。換言すると、図4(c)は、砥石21が、ワークWを目標寸法Dに仕上げることができる目標位置となった状態を示している。実回転量取得モードが完了した後には、通常、同じNC研削装置で引き続き、ワークWが目標寸法DになるまでワークWの研削加工が行われる。
ただし、実回転量取得モード直後に研削加工を行う場合において、実回転量取得モードを実行しているときと同程度の移動速度で砥石側ユニット20を移動させて砥石21をワークWに当接させてしまうと、基準回転量取得モードの直後にワークWの研削加工を行う場合と同様、砥石21がワークWに当接したときの衝撃で、砥石21やワークWやその周辺部材に破損等が生じる虞がある。このため、実回転量取得モードから引き続いてワークWの研削加工を行う場合には、通常、砥石21がワークWに当接する直前における砥石側ユニット20の移動速度は、実回転量取得モードを実行しているときよりも大幅に低下した状態とされる。
ところで、被検知部αは、砥石21が目標位置の近くになったときに検知手段βによって検知される部分であり、熱変位補正パラメータの算出の基になる基準回転量R(α)及び実回転量R(α)の検知に利用される部分となるところ、本実施態様のNC研削装置において、被検知部αは、被検知部α〜αのうち、実回転量取得モードにおいて砥石21が目標位置に最も近づいたときに検知手段βによって検知される被検知部(実回転量取得モードにおいて検知手段βによって最後に検知される被検知部)を意味するようになっている。以下においては、「被検知部α〜αのうち、実回転量取得モードにおいて砥石21が目標位置に最も近づいたときに検知手段βによって検知される被検知部」のことを、「実回転量取得モードにおいて最後に検知される被検知部」と呼ぶことがある。このように、本実施態様のNC研削装置において、被検知部αを、実回転量取得モードにおいて最後に検知される被検知部とした理由は、以下の通りである。
すなわち、既に述べたように、本実施態様のNC研削装置においては、ボールねじ30を、ねじ軸31と、ナット部材32と、回転手段33とで構成したところ、熱変位補正パラメータは、ボールねじ30のねじ軸31における、砥石21が目標位置となるときにナット部材32が位置する場所(ナット部材32の目標位置)に近い区間でナット部材32を移動させた際に取得したデータに基づいて算出した方が、補正の精度が高くなる傾向にある。このため、熱変位補正パラメータは、被検知部α〜αのうち、実回転量取得モード実行時において検知手段βによって最後に検知される被検知部にできるだけ近い被検知部が検知手段βで検知されたときのボールねじ30の回転量R(実回転量R)と、それに対応する基準値(基準回転量R)とに基づいて算出した方が、補正の精度が高くなる傾向にある。ところが、被検知部αを、実回転量取得モードにおいて最後に検知される被検知部よりも1つ以上前に検知されるものとした場合には、ボールねじ30のねじ軸31における、ナット部材32の目標位置からある程度離れた区間でナット部材32を移動させた際に取得したデータに基づいて熱変位補正パラメータを算出することになり、補正の精度が高く維持できなくなる虞があるからである。
したがって、被検知部αは、実回転量取得モードにおいて最後に検知される被検知部にできるだけ近いものとすることが好ましい。具体的には、被検知部αは、実回転量取得モードにおいて最後に検知される被検知部から遡って10番目以内の被検知部とすることが好ましく、実回転量取得モードにおいて最後に検知される被検知部から遡って5番目以内の被検知部とすることがより好ましく、実回転量取得モードにおいて最後に検知される被検知部から遡って3番目以内の被検知部とすることがさらに好ましく、実回転量取得モードにおいて最後に検知される被検知部から遡って2番目以内の被検知部とすることがより好ましく、実回転量取得モードにおいて最後に検知される被検知部から遡って1番目以内の被検知部とすることがさらに好ましく、実回転量取得モードにおいて最後に検知される被検知部とすることが最適である。被検知部α〜αのうちのいずれの被検知部が、実回転量取得モードにおいて最後に検知されるものとなるかの判断手法は、特に限定されない。本実施態様のNC研削装置では、目標寸法Dや、目標寸法Dと1対1で対応する他の値(例えば、基準目標回転量R(W)の値)から、機械(NC研削装置)が、被検知部α〜αのうちのいずれの被検知部が実回転量取得モードにおいて最後に検知される被検知部となるのかを自動的に判断するようになっている。
2.3 熱変位補正パラメータの算出
以上のように、実回転量取得モードが完了した後には、ワークWを目標寸法Dまで研削加工するのであるが、その前に、補正パラメータ算出手段50により、熱変位の影響を補正する熱変位補正パラメータを算出する。本実施態様のNC研削装置においては、上記の基準回転量取得モード及び実回転量取得モードの双方を完了した状態にあっては、NC研削装置の基準回転量記憶手段61と、目標寸法記憶手段62と、実回転量記憶手段63には、下記表1に示す値が記憶された状態となっている。
Figure 0006675548
本発明のNC研削装置において、補正パラメータ算出手段50は、上記表1における各値のうち、少なくとも、実回転量R(α)と基準回転量R(α)とに基づいて熱変位補正パラメータを算出するものとなっている。熱変位補正パラメータは、実回転量R(α)及び基準回転量R(α)のみに基づいて算出することも可能である。例えば、基準回転量R(α)と実回転量R(α)との差ΔR(α)(=R(α)−R(α))を熱変位補正パラメータとして利用することができる。すなわち、基準状態においては、ボールねじ30を基準目標回転量R(W)だけ回転させれば、砥石21を目標位置に移動させることができたところ、熱変位状態(ボールねじ30等に生じた熱変位の具合が、実回転量取得モードと略同一(同一を含む。)の状態。以下同じ。)においては、ボールねじ30を、基準目標回転量R(W)と熱変位補正パラメータΔR(α)との差R(W)−ΔR(α)だけ回転させれば、砥石21を目標位置まで移動させることができる。以下においては、この算出方法を「簡易法」と呼ぶことがある。この簡易法のように単純な方法で求められた熱変位補正パラメータであっても、ボールねじ30等の熱変位による影響の補正をある程度高精度に行うことが可能である。
ただし、上記のように、差ΔR(α)を熱変位補正パラメータとする簡易法では、図4におけるΔR(=R(W)−R(α))が0に近い値となるときには、高精度で補正を行うことができるものの、ΔRの値が大きくなるにつれて、誤差が大きくなってくる。ここで、図4における「R(W)」は、上記の熱変位状態において、ボールねじ30を基準点からこの回転量だけ回転させると、ワークWが目標寸法Dになる回転量(以下において、「実目標回転量」と呼ぶことがある。)のことを意味している。逆に言うと、熱変位状態においては、ボールねじ30を基準点から実目標回転量R(W)だけ回転させると、ワークWは、目標寸法Dまで研削加工されることになる。
このように、ΔRの値が大きくなるにつれて、誤差が大きくなる簡易法では、被検知部α〜αの配置ピッチを小さくする必要が生じ、被検知部α〜αの数(Nの値)を多くする必要が生ずる。この不具合は、後述するように、実回転量R(α)及び基準回転量R(α)以外の値も用いて熱変位補正パラメータを算出することで解消することができる。具体的には、実回転量R(α)及び基準回転量R(α)に加えて、実回転量R(αM−1)並びに基準回転量R(αM−1)及び基準目標回転量R(W)も、熱変位補正パラメータの算出に用いることで解消することができる。
すなわち、図3に示す回転量ΔR(=R(W)−R(α))に対する回転量ΔR’(=R(α)−R(αM−1))の比ΔR’/ΔRは、図4に示す回転量ΔR(=R(W)−R(α))に対する回転量ΔR’(=R(α)−R(αM−1))の比ΔR’/ΔRに高精度で一致すると考えられる。ここで、「高精度で一致」としたのは、以下の理由による。
つまり、基準回転量取得モードの完了後において、ボールねじ30が回転量ΔR(図3)だけ回転する際にボールねじ30のねじ軸31における、ナット部材32が移動する区間(以下において、「第一区間」と呼ぶことがある。)と、基準回転量取得モードの実行時において、ボールねじ30が回転量ΔR’(図3)だけ回転する際にボールねじ30のねじ軸31における、ナット部材32が移動する区間(以下において、「第二区間」と呼ぶことがある。)は、互いに隣接しており、ねじ軸31における第一区間と第二区間との間に生じる温度や材質等の差は、非常に小さいと考えられる。このため、ねじ軸31における第一区間と第二区間は均質に熱変位し、比ΔR’/ΔRの値は信頼性が高いものとなるからである。
同様に、実回転量取得モードの完了後において、ボールねじ30が回転量ΔR(図4)だけ回転する際にボールねじ30のねじ軸31における、ナット部材32が移動する区間(以下において、「第三区間」と呼ぶことがある。)と、実回転量取得モードの実行時において、ボールねじ30が回転量ΔR’(図4)だけ回転する際にボールねじ30のねじ軸31における、ナット部材32が移動する区間(以下において、「第四区間」と呼ぶことがある。)も、互いに隣接しており、ねじ軸31における第三区間と第四区間との間に生じる温度や材質等の差も、非常に小さいと考えられる。このため、ねじ軸31における第三区間と第四区間も均質に熱変位し、比ΔR’/ΔRの値も信頼性が高いものとなるからである。
加えて、第一区間及び第二区間並びに第三区間及び第四区間はいずれも、ボールねじ30のねじ軸31における、砥石21が目標位置にあるときにナット部材32が位置する場所(ナット部材32の目標位置)から近い区間となっている。このように、ナット部材32をその目標位置に近い場所で移動させた際に取得したデータから求められる回転量ΔR,ΔR’,ΔR,ΔR’に基づいて、熱変位補正パラメータを算出することにより、より高精度な補正を行うことが可能になる。
比ΔR’/ΔRと比ΔR’/ΔRとが一致するという関係を数式で表わすと、下記式1に示すようになる。
Figure 0006675548
既に述べたように、回転量ΔRは、R(W)−R(α)に等しく、回転量ΔR’は、R(α)−R(αM−1)に等しく、回転量ΔRは、R(W)−R(α)に等しく、回転量ΔR’は、R(α)−R(αM−1)に等しい。これらの回転量ΔR,ΔR’,ΔR,ΔR’の値を上記式1に代入すると、下記式2が得られる。
Figure 0006675548
上記式(2)から実目標回転量R(W)を求めると、下記式3に示すようになる。
Figure 0006675548
すなわち、ボールねじ30等に生じた熱変位の具合が、実回転量取得モードと略同一の熱変位状態においては、ボールねじ30を、基準点から、上記式3の左辺における実目標回転量R(W)だけ回転させると、そのときの砥石21は、ワークWを目標寸法Dに研削加工する目標位置に移動することを意味している。したがって、上記式3で算出される実目標回転量R(W)を熱変位補正パラメータとして用いると、ボールねじ30等の熱変位による影響の補正を非常に高精度に行うことが可能である。以下においては、上記式3を用いる算出方法を、上述した簡易法と区別するため、「詳細法」と呼ぶことがある。
ところで、1つ前に説明した簡易法では、図4におけるΔR(=R(W)−R(α))が0に近い値となるときには、高精度で補正を行うことができるものの、そうでない場合には、誤差が大きくなる点については既に述べた。これに対し、先ほど説明した詳細法では、図4におけるΔR(=R(W)−R(α))が0に近い値とならない場合であっても、高精度で補正を行うことが可能である。したがって、詳細法では、簡易法を採用する場合と比較して、被検知部α〜αの配置ピッチを大きくすることができ、被検知部α〜αの個数(Nの値)を減らすことが可能である。
被検知部α〜αの個数(Nの値)は、ボールねじ30が基準点にあるときの砥石21の位置(以下においては、「(砥石21)の基準位置」と呼ぶことがある。)から、砥石21がx軸方向正側へ最も移動した状態となるまでのx軸方向での距離(以下においては、「(砥石21の)最大ストローク量」と呼ぶことがある。)等によっても異なり、特に限定されない。しかし、被検知部α〜αの個数Nを少なくしすぎると、上記の詳細法による利点が得られにくくなる。このため、被検知部α〜αの個数Nは、通常、3個以上とされる。被検知部α〜αの個数Nは、5個以上とすることが好ましく、7個以上とすることがより好ましく、9個以上とすることがさらに好ましい。
一方、被検知部α〜αの個数Nを多くしすぎると、被検知部α〜αの配置ピッチが必然的に狭くなり、被検知部α〜αの検知が不安定になる虞もある。このため、被検知部α〜αの個数Nは、通常、100個以下とされる。被検知部α〜αの個数Nは、70個以下であることが好ましく、50個以下であることがより好ましく、30個以下であることがさらに好ましい。
また、被検知部α〜αの配置ピッチも、砥石21の最大ストローク量等によっても異なり、特に限定されない。しかし、被検知部α〜αの配置ピッチを小さくしすぎると、隣り合う被検知部α〜αの隙間が狭くなり、被検知部α〜αの検知が不安定になる虞がある。このため、被検知部α〜αの配置ピッチは、通常、1mm以上とされる。被検知部α〜αの配置ピッチは、3mm以上とすることが好ましく、5mm以上とすることがより好ましく、10mm以上とすることがさらに好ましい。
一方、被検知部α〜αの配置ピッチを大きくしすぎると、砥石21の最大ストローク量によっては、十分な数の被検知部α〜αを設けることができず、ボールねじ30のねじ軸31における、ナット部材32の目標位置に近い区間でナット部材32を移動させた際に取得したデータに基づいて、熱変位補正パラメータを算出することが難しくなり、補正の精度を高く維持しにくくなる虞がある。このため、被検知部α〜αの配置ピッチは、通常、100mm以下とされる。被検知部α〜αの配置ピッチは、50mm以下であることが好ましく、40mm以下であることがより好ましく、30mm以下であることがさらに好ましい。
このとき、被検知部α〜αの配置ピッチは、一定にする必要は特になく、場所によって異なっていてもよい。すなわち、本発明のNC研削装置では、上記式3をみれば分かるように、被検知部α〜αの配置ピッチが特に分からなくても、熱変位補正パラメータ(=R(W))を求めることができる。本発明のNC研削装置では、被検知部α〜αの位置を高精度で設定する必要がなく、被検知部α〜αの配置に手間を要さない。この点、本発明のNC研削装置は、前掲した特許文献1の補正方法のように、被接触治具接点J1,J2,・・・,Jn(被検知部α〜αに相当)の取り付けやその位置の測定に手間を要していたものと比較して優れたものとなっている。
ところで、上述した詳細法では、既に述べたように、2つの実回転量R(αM−1),R(α)と、これらの実回転量R(αM−1),R(α)に対応する2つの基準回転量R(αM−1),R(α)と、基準目標回転量R(W)との計5個の値に基づいて熱変位補正パラメータを求めるところ、本実施態様のNC研削装置では、このうちの実回転量R(α)を、実回転量取得モードにおいて最後に検知される被検知部(被検知部α)が検知手段βによって実際に検知されたときのボールねじ30の回転量R(実回転量R)とした。また、上記の値のうちの実回転量R(αM−1)を、実回転量取得モードにおいて最後に検知される被検知部(被検知部α)から遡って1番目に検知に検知された被検知部(被検知部αM−1)が検知手段βによって実際に検知されたときのボールねじ30の回転量R(実回転量R)とした。このため、本実施態様のNC研削装置で採用した詳細法は、ボールねじ30のねじ軸31における、ナット部材32の目標位置に「最も近い」区間でナット部材32を実際に移動させた際に取得したデータに基づいて補正を行うようになっており、補正の精度をより高めることが可能となっている。
以上の手順で求めた熱変位補正パラメータが算出されると、この熱変位補正パラメータを用いて熱変位による影響を補正しながら、その後のワークWを目標寸法Dまで研削加工される。
その後、新たな別のワークWを研削加工する際には、その都度、上記の実回転量取得モードを実行してもよい。ただし、研削加工1回当たりの時間が短く、且つ、前のワークWを研削加工してから次のワークWを研削加工するまでの時間間隔が短いような場合には、前のワークWを研削加工したときにボールねじ30等に生じた熱変位の具合と、次のワークWを研削加工するときにおけるボールねじ30等に生じる熱変位との間に大きな差は生じないと考えられる。このような場合には、前のワークWについて実行した実回転量取得モードで算出された熱変位補正パラメータを、次のワークWを研削加工する際に利用してもよい。この場合には、前に実回転量取得モードを実行してからワークWの研削加工が所定回数実行されたときや、前に実回転量取得モードを実行してから所定時間が経過したときにのみ実回転量取得モードが実行されるようにすることもできる。
ところで、上記式3は、被検知部αが検知されたときの回転量R(実回転量R(α)及び基準回転量R(α))に加えて、被検知部αM−1が検知されたときの回転量R(実回転量R(αM−1)及び基準回転量R(αM−1))も用いて熱変位補正パラメータ(=R(W))を算出するものとなっている。この点、上記の詳細法を、被検知部αM−1が検知されたときの回転量Rの代わりに、被検知部αM−2が検知されたときの回転量R(実回転量R(αM−2)及び基準回転量R(αM−2))や、被検知部αM−3が検知されたときの回転量R(実回転量R(αM−3)及び基準回転量R(αM−3))を用いるものとすることもできる。
すなわち、上記の詳細法は、mを1以上M未満の任意の整数として上記式3を一般化した下記式4を用いて熱変位補正パラメータ(=R(W))を算出するものとすることもできる。
Figure 0006675548
しかし、上記式4における整数mとして大きな値を採用すると、熱変位補正パラメータの算出に用いる実回転量R(αM−m)及び基準回転量R(αM−m)の検知に用いる被検知部αM−mが被検知部αから遠く離れることになり、補正の精度を高く維持できなくなる虞がある。というのも、既に述べたように、ボールねじ30のねじ軸31における、ナット部材32の目標位置に近い区間でナット部材32を移動させた際に取得したデータに基づいて補正を行った方が、補正の精度を高めることができるところ、検知に用いる被検知部αM−mを被検知部αから遠く離れたものとすると、ボールねじ30のねじ軸31における、ナット部材32の目標位置から離れた区間でナット部材32を移動させた際に取得したデータも用いて補正を行うようになるからである。このため、上記式4における整数mの値は、小さくした方が好ましい。具体的には、整数mの値は、5以下とすることが好ましく、3以下とすることがより好ましく、2以下とすることがさらに好ましく、1とすることが最適である。上記式4における整数mを1とすると、上記式3に一致する。
3.実施例
続いて、本発明のNC研削装置の実施例について説明する。図5は、実施例で採用したNC研削装置を上方から見た状態を示した図である。図6は、実施例で採用したNC研削装置を側方から見た状態を示した図である。図6においては、ワーク側ユニット10におけるワーク保持手段11の図示を省略している。図5及び図6に示す実施例のNC研削装置については、上述した図1〜4に示すNC研削装置と異なる部分についてのみ説明する。実施例のNC研削装置で特に述べない構成については、図1〜4に示すNC研削装置で説明した構成を採用することができる。
図1に示したNC研削装置では、砥石21の中心線Lが、ワークWの中心線Lに対して平行になっており、砥石21の進退方向(x軸方向)に対しては垂直になっていた。加えて、図1に示したNC研削装置では、砥石21における円筒状の外周面のみがワークWの外周面に当接するようになっており、ワークWの外周面のみを仕上げるものとなっていた。これに対し、実施例のNC研削装置では、図5に示すように、砥石21の中心線Lが、ワークWの中心線Lに対して非平行に傾斜しており、砥石21の進退方向(x軸方向)に対しては非垂直になっている。加えて、実施例のNC研削装置では、砥石21の外周面が逆を向く一対のテーパー面によって構成されており、それぞれのテーパー面が、ワークWにおける段差部分γの2面にそれぞれ当接するようになっている。このため、実施例のNC研削装置では、ワークWの段差部分γにおける外周面に加えて段差部分γの端面も同時に研削加工することで、段差部分γにおける外周面及び端面を同時に仕上げることができるようになっている。
このように、砥石21の形状や砥石21の中心線Lの向き等は、仕上げ前のワークWの形状等に応じて適宜変更することができる。図5に示した実施例のNC研削装置では、砥石21を支持する砥石台22をx軸に対して傾斜させた状態とすることにより、砥石21の中心線LをワークWの中心線Lに対して傾斜させている。砥石台22の向き(x軸に対する傾斜角度)は調整可能とすることも好ましい。これにより、1台のNC研削装置でより多様な研削加工を行うことが可能になる。
また、図1に示したNC研削装置では、被検知部α〜αを取り付けたアーム状の被検知部取付部材23の基端部が、砥石台22のワークW側の端部における点Pで固定されており、NC研削装置を上方(y軸方向正側)から見たときに、砥石台22に対する被検知部取付部材23の固定箇所Pが、砥石21の中心線Lからある程度離れた場所となっていた。これに対し、実施例のNC研削装置では、図5に示すように、被検知部α〜αを取り付けたアーム状の被検知部取付部材23の基端部が、NC研削装置を上方(y軸方向正側)から見たときに、砥石21の中心線Lの近傍となるPで砥石台22に固定されている。このため、実施例のNC研削装置では、熱変位による影響の補正を、図1に示したNC研削装置よりも高精度で行うことができるようになっている。
というのも、被検知部材取付部材23は低熱膨張材で形成されているため、砥石台22が高温になって熱膨張しても、被検知部材取付部材23は熱膨張せず、被検知部α〜α間の相対的位置関係は変化しない。ところが、図1に示すNC研削装置では、砥石台22に対する被検知部取付部材23の固定箇所が、砥石21の中心線Lから離れているため、砥石台22における、砥石21を支持する箇所と被検知部取付部材23を固定する箇所との間の部分に生じる熱膨張によって、砥石21に対する被検知部α〜αのx軸方向での相対的位置が変化し、熱変位補正パラメータに誤差が生ずる虞がある。この点、図5に示す実施例のNC研削装置では、砥石台22に対する被検知部取付部材23の固定箇所が、砥石21の中心線Lから近いため、砥石台22における、砥石21を支持する箇所と被検知部取付部材23を固定する箇所との間の部分に生じる熱膨張は、砥石21に対する被検知部α〜αのx軸方向での相対的位置には、殆ど影響を及ぼさないと考えられるからである。
このように、被検知部取付部材23は、NC研削装置を上方(y軸方向正側)から見たときに、砥石21の中心線Lの近傍となる箇所で砥石台22に固定することが好ましい。NC研削装置を上方(y軸方向正側)から見たときの、砥石21の中心線Lから、砥石台22に対する被検知部取付部材23の固定位置までの距離S(図5)は、短ければ短いほど好ましい。距離Sの具体的な値は、特に限定されないが、100mm以下であることが好ましく、70mm以下であることがより好ましく、50mm以下であることがさらに好ましい。距離Sは、0mmとすると最適である。
4.その他
本発明のNC研削装置で採用した上記の熱変位の補正方法は、多段形状のワークWを研削加工する場合(外径の異なる複数の部分を1つのワークWに研削加工する場合)等においても採用することができる。また、本発明のNC研削装置で採用した上記の熱変位の補正方法は、ワークWに研削加工を行う場合だけでなく、例えば、図5における部分δに示すような位置で砥石21のドレッシング(目立て)を行う場合等においても応用することができる。さらに、本発明のNC研削装置で採用した上記の熱変位の補正方法は、ワークWに対して砥石21を相対的に進退させる方向であるx軸方向での熱変位の補正を行う場合だけでなく、x軸方向に対して傾斜した方向(例えば、ワークWの中心線Lに平行な方向)に砥石21を相対的に移動させる場合の熱変位の補正を行う場合にも応用することができる。
10 ワーク側ユニット
11 ワーク保持手段
11a センタ
12 ベッド
13 検知手段取付部材
14 ワーク回転手段
20 砥石側ユニット
21 砥石
22 砥石台
23 被検知部取付部材
24 砥石回転手段
30 ボールねじ
31 ねじ軸
32 ナット部材
33 ボールねじ回転手段
40 ボールねじ回転量検出手段
50 補正パラメータ算出手段
60 記憶装置
61 基準回転量記憶手段
62 目標寸法記憶手段
63 実回転量記憶手段
70 プログラマブルコントローラ(制御手段)
ワークの回転中心線
砥石の回転中心線
W ワーク
α〜α 被検知部
β 検知手段

Claims (5)

  1. ワークを保持するためのワーク保持手段が設けられたワーク側ユニットと、
    ワークを研削するための砥石が設けられた砥石側ユニットと、
    ワーク側ユニットに対して砥石側ユニットを相対的に移動させることにより、砥石をワークの被加工面に向かって進退する方向であるx軸方向に移動させるボールねじ及びボールねじ回転手段と、
    ボールねじの任意の基準点からの回転量Rを検出するボールねじ回転量検出手段と、
    を備えたNC研削装置であって、
    ワーク側ユニットと砥石側ユニットのうち一方のユニットに設けられ、x軸方向に非垂直な方向に任意の間隔を隔てた状態で配されたN個(Nは2以上の任意の整数)の被検知部α〜αと、
    ワーク側ユニットと砥石側ユニットのうち他方のユニットに設けられ、砥石がx軸方向に移動する際に被検知部α〜αを順次検知していく検知手段βと、
    ワークの研削加工を連続して行った場合のボールねじ又はその周辺部材の熱変位よる影響で、砥石が目標位置まで正確に移動しないことにより、実際に得られるワークの寸法とワークの目標寸法との間に生じる誤差を抑えるために、ボールねじの回転量を、ワークを目標寸法に仕上げることができる目標位置まで砥石を移動させることができる回転量に補正する際に用いる熱変位補正パラメータを求める補正パラメータ算出手段と、
    をさらに備えるとともに、
    動作モードとして、
    砥石が、ワークを目標寸法に仕上げることができる目標位置に向けて移動するように、ボールねじによりワーク側ユニットに対して砥石側ユニットを相対的に移動させながら、検知手段βに最初に検知される被検知部αから被検知部α(Mは1以上N以下のいずれか1つの整数)までを順次検知していき、被検知部α は、砥石の外周面がワークの外周面に当接するまでの間において、検知手段βによって最後に検知される被検知部又は最後に検知される被検知部から遡り、かつ最後に検知される被検知部にできるだけ近い被検知部であり、検知手段βによって被検知部α〜αが検知されたときの回転量Rを、それぞれ、基準回転量R(α)〜R(α)として記憶する基準回転量取得モードと、
    基準回転量取得モードが実行された後に継続的に実行され、砥石が、ワークを目標寸法に仕上げることができる目標位置の近くに達するまで、ボールねじによりワーク側ユニットに対して砥石側ユニットを相対的に移動させながら、少なくとも、検知手段βによって被検知部αが検知されたときの回転量Rを、実回転量R(α)として記憶する実回転量取得モードと、
    を有し、
    補正パラメータ算出制御手段実回転量取得モードの完了後、ワークを研削加工する前に、基準回転量R(α)と実回転量R(α)とに基づいて、熱変位補正パラメータを算出し、熱変位補正パラメータを用いて、ボールねじの回転量を砥石を目標位置まで移動させることができる回転量に補正し、新たに実回転量取得モードが実行される度に、回転量の前記補正を行い、
    被検知部α のうち前記できるだけ近い被検知部は、熱変位補正パラメータによるボールねじの回転量の補正により、実際に得られるワークの寸法が目標寸法の範囲内となる被検知部である
    ことを特徴とするNC研削装置。
  2. 被検知部αが、被検知部α〜αのうち、実回転量取得モードにおいて砥石が目標位置に最も近づいたときに検知手段βによって検知されるものとされた請求項1記載のNC研削装置。
  3. 補正パラメータ算出手段が、基準回転量R(α)と実回転量R(α)との差ΔR(α)(=R(α)−R(α))を熱変位補正パラメータとして算出するものとされた請求項1又は2記載のNC研削装置。
  4. Mが2以上N以下のいずれか1つの整数とされ、
    実回転量取得モードにおいて、検知手段βによって被検知部αM−m(mは1以上M未満のいずれか1つの整数)が検知されたときの回転量Rも、実回転量R(αM−m)として記憶し、
    補正パラメータ算出手段が、基準回転量R(α)及び実回転量R(α)に加えて、基準回転量R(αM−m)と、実回転量R(αM−m)と、ボールねじ又はその周辺部材の熱変位の具合が基準回転量取得モードと略同一の状態においてワークWを目標寸法まで研削加工するのに要する回転量Rである基準目標回転量R(W)とに基づいて熱変位補正パラメータを算出するものとされた請求項1又は2記載のNC研削装置。
  5. 請求項1〜4いずれか記載のNC研削装置を用いてワークを研削するワークの研削方法。
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