JPH0655270A - 消耗電極式アーク溶接方法 - Google Patents

消耗電極式アーク溶接方法

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JPH0655270A
JPH0655270A JP21115792A JP21115792A JPH0655270A JP H0655270 A JPH0655270 A JP H0655270A JP 21115792 A JP21115792 A JP 21115792A JP 21115792 A JP21115792 A JP 21115792A JP H0655270 A JPH0655270 A JP H0655270A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、V形,L形またはこれらに類似した
形の開先内にて溶接トーチを左右にウィービングさせな
がら溶接線に沿って進行させ溶接を行なう消耗電極式ア
ーク溶接方法に関し、溶接トーチ位置修正量を可変とし
て、蛇行ビードを生じさせることなく溶接線の追従性の
向上をはかることを目的とする。 【構成】そこで、溶接電流に基づいて検知された溶接ト
ーチの溶接線に対する今回修正方向に応じた修正量を溶
接トーチの溶接線に対する前回修正量に加減算したもの
を、溶接トーチの溶接線に対する今回修正量とし、該今
回修正量だけ今回修正方向へ溶接トーチの位置を移動す
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、V形,L形またはこれ
らに類似した形の開先内にて溶接トーチを左右にウィー
ビングさせながら溶接線に沿って進行させ溶接を行なう
消耗電極式アーク溶接方法に関し、特に溶接トーチを溶
接線に正しく倣わせる溶接線自動倣い制御を用いたアー
ク溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶接線の自動倣い制御に際しては、例え
ば、図13に示すようなV形開先内にて溶接トーチ1を
左右(左端をL、右端をR、ウィービング中心をOとし
て図示する)にウィービングさせた場合のワイヤ突き出
し長さと溶接電流との関係を利用することが一般的に行
なわれている。この種の方法としては、例えば特開昭6
1−144272号公報等に開示された技術がある。
【0003】この従来技術では、図14(a),(b)に示
すようにウィービング中心と溶接線とが一致している場
合の溶接電流波形と、図15(a),(b)および図16
(a),(b)に示すように、ウィービング中心と溶接線と
が一致していない場合の溶接電流波形とが異なることを
利用している。
【0004】つまり、ウィービング左右方向の倣いで
は、L端からR端までの行程中の最大電流値IL1と最
小電流値IL2との差ΔIL=IL1−IL2、および、
R端からL端までの行程中の最大電流値IR1と最小電
流値IR2との差ΔIR=IR1−IR2が、図14
(a),(b)に示す状態ではΔIL=ΔIR、図15
(a),(b)に示す状態ではΔIL>ΔIR、図16
(a),(b)に示す状態でΔIL<ΔIRとなることを用
いている。
【0005】従って、ΔIL>ΔIRとなれば図15
(a),(b)に示すような左ずれ状態であるので、溶接ト
ーチ1を右方向へ予め決められた一定量Kだけ位置修正
を行なう一方、ΔIL<ΔIRとなれば図16(a),
(b)に示すような右ずれ状態であるので、溶接トーチ1
を左方向へ前記一定量Kだけ位置修正を行なう。このよ
うな修正動作をウィービング半周期毎に行ない、溶接ト
ーチ1のウィービング中心を溶接線に自動的に倣わせて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
消耗電極式アーク溶接方法では、1回の溶接トーチ位置
修正量が一定量Kに固定されているため、倣い追従範囲
に限界があり、目標溶接線が急激に変化するような場合
やウィービング中心と溶接線とが大きくずれた場合など
には、速やかに追従できない。また、追従範囲を広げる
ために1回の修正量Kの値を極端に大きくすれば蛇行ビ
ードを生じるなどの課題もあった。
【0007】本発明は、このような課題を解決しようと
するもので、溶接トーチ位置修正量を可変として、蛇行
ビードを生じさせることなく溶接線の追従性の向上をは
かった消耗電極式アーク溶接方法を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の消耗電極式アーク溶接方法(請求項1)は、
溶接トーチを周期的にウィービングさせながら検出した
溶接電流に基づいて、前記溶接トーチの溶接線に対する
位置を修正して該溶接線に倣いつつ溶接を行なうものに
おいて、前記溶接電流に基づいて検知された前記溶接ト
ーチの前記溶接線に対する今回修正方向に応じた修正量
を前記溶接トーチの前記溶接線に対する前回修正量に加
減算したものを、前記溶接トーチの前記溶接線に対する
今回修正量とし、該今回修正量だけ前記今回修正方向へ
前記溶接トーチの位置を移動することを特徴している。
【0009】また、請求項1の方法において、前記前
回修正量が0かつ前記今回修正方向が0でない場合、ま
たは、前記溶接トーチの前記溶接線に対する前回修正方
向と前記今回修正方向とが同一の場合には、予め設定さ
れている一定修正量を前記今回修正方向へ前記前回修正
量に加えたものを前記今回修正量とし、前記前回修正
量が0でなく前記今回修正方向が0の場合には、前記一
定修正量を前記前回修正方向と逆方向へ前記前回修正量
に加えたものを前記今回修正量とし、前記前回修正量
が0かつ前記今回修正方向が0の場合には、前記前回修
正量をそのまま前記今回修正量とし、前記前回修正方
向と前記今回修正方向とが逆になった場合には、前記一
定修正量の2倍の値を前記今回修正方向へ前記前回修正
量に加えたものを前記今回修正量とするようにしてもよ
い。
【0010】さらに、請求項1の方法において、前記
前回修正量が0かつ前記今回修正方向が0でない場合、
または、前記溶接トーチの前記溶接線に対する前回修正
方向と前記今回修正方向とが同一の場合には、予め設定
されている一定修正量を前記今回修正方向へ前記前回修
正量に加えたものを前記今回修正量とし、前記今回修
正方向が0の場合には、前記前回修正量をそのまま前記
今回修正量とし、前記前回修正方向と前記今回修正方
向とが逆になった場合には、前記一定修正量の2倍の値
を前記今回修正方向へ前記前回修正量に加えたものを前
記今回修正量とするようにしてもよい。
【0011】
【作用】上述した本発明の消耗電極式アーク溶接方法で
は、溶接トーチの溶接線に対する今回修正量が、溶接ト
ーチの溶接線に対する今回修正方向に応じて可変となる
ため、溶接電流が不安定で位置修正方向が常に変動する
ような場合には1回の修正量を小さくする一方、ウィー
ビング中心と溶接線とが大きくずれているような場合に
は1回の修正量を大きくすることができる。
【0012】
【実施例】以下、図面により本発明の実施例について説
明すると、図1〜図5は本発明の第1実施例としての消
耗電極式アーク溶接方法を示すもので、図1はその修正
量決定手順を説明するためのフローチャート、図2はそ
の溶接トーチ位置修正手順を説明するためのフローチャ
ート、図3は本実施例の方法を適用されるアーク溶接装
置を示すブロック図、図4,図5は本実施例の方法を適
用した場合の溶接線追従性を示すグラフである。
【0013】まず、図3により本実施例の方法を適用さ
れるアーク溶接装置について説明すると、この図3にお
いて、1は溶接トーチ、2はV形開先部2aを有するワ
ーク、3はアーム先端部に溶接トーチ1を装着されこの
溶接トーチ1の位置を制御しながらワーク2に対する溶
接を実行する多関節型のアーク溶接ロボット、4はこの
アーク溶接ロボット3の動作を制御するためのロボット
制御盤である。
【0014】このロボット制御盤4は、V形開先部2a
内にて溶接トーチ1を左右にウィービング動作させるた
めの演算を行ない、その演算結果に基づいてアーク溶接
ロボット3の各アームを駆動制御し、所定のウィービン
グ周波数で溶接トーチ1を揺動駆動するものである。
【0015】また、5はアーク溶接用の電力を供給する
ための溶接電源、6はこの溶接電源5に取り付けられた
シャントであり、このシャント6から溶接電流が検出さ
れるようになっている。シャント6から検出された溶接
電流は、ロボット制御盤4内のA/D変換器によりディ
ジタル変換され、その溶接電流ディジタル値と、ウィー
ビング動作に用いるウィービング端を示す端信号とに基
づき、ロボット制御盤4により、図1,図2にて後述す
るフローチャートに従って、溶接トーチ1の位置修正方
向および1回の修正量が演算されアーク溶接ロボット3
へ出力される。これにより、溶接トーチ1を周期的にウ
ィービングさせながら検出した溶接電流に基づいて溶接
トーチ1の溶接線に対する位置が修正され、その溶接線
に倣いつつ溶接が行なわれるようになっている。
【0016】図3に示すごとく構成された装置により、
本発明の第1実施例では、図1および図2に示すフロー
チャートに従い、次のようにして溶接トーチ1を溶接線
に正しく倣わせる溶接線自動倣い制御が行なわれる。
【0017】まず、図2により、後述する第2実施例お
よび第3実施例においても共通の基本的な溶接トーチ位
置修正手順について説明すると、溶接トーチ1がL端か
らR端への移行区間中であるか否かを判定し(ステップ
S1)、該移行区間中である場合には、その移行区間中
の最大電流値IL1および最小電流値IL2をサンプリン
グする一方(ステップS2)、上記移行区間中でない場合
つまり溶接トーチ1がR端からL端への移行区間中であ
る場合には、その移行区間中の最大電流値IR1および
最小電流値IR2をサンプリングする(ステップS3)。
【0018】ウィービング周期の半周期を終了し且つ最
初の半周期でないと判定された場合(ステップS4,S
5)、L端からR端までの行程中の最大電流値IL1と最
小電流値IL2との差ΔIL=IL1−IL2、および、
R端からL端までの行程中の最大電流値IR1と最小電
流値IR2との差ΔIR=IR1−IR2を算出する(ステ
ップS6)。なお、少なくとも1周期分の行程を終了し
なければ、ステップS6以降の演算処理に必要な4つの
電流値IL1,IL2,IR1,IR2得られないため、ス
テップS4,S5による判定処理が行なわれている。
【0019】これらの差ΔIL,ΔIRを算出した後、
図1にて後述する修正量決定処理によって今回修正方向
および今回修正量が決定され(ステップS7)、これらの
今回修正方向および今回修正量に基づいた制御指令をア
ーク溶接ロボット3へ出力することにより(ステップS
8)、今回修正量だけ今回修正方向へ溶接トーチ1が移
動し、溶接トーチ1のウィービング中心を溶接線に自動
的に倣わせている。
【0020】次に、図1により、上述したステップS7
で行なわれる第1実施例の修正量決定処理手順について
説明すると、まず、ステップS6にて算出された差ΔI
LとΔIRとを比較し(ステップA1)、その大小関係が
ΔIL>ΔIR,ΔIL=ΔIR,ΔIL<ΔIRのい
ずれであるかを判断する。
【0021】ΔIL>ΔIRである場合には、今回修正
量係数αの変更量(修正方向指数)uを+1とし(ステッ
プA2)、ΔIL=ΔIRである場合には、今回修正量
係数αの変更量uを0とし(ステップA3)、ΔIL<Δ
IRである場合には、今回修正量係数αの変更量uを−
1とし(ステップA4)、このように決定された変更量u
を前回修正量係数αOLDに加算したものを今回修正量係
数αとして算出する(ステップA5)。なお、本実施例で
は、R端方向への修正方向を正(+)とし、L端方向への
修正方向を負(−)としている。
【0022】そして、今回修正量係数αの絶対値|α|の
上限を3とすべく、絶対値|α|が3よりも大きいか否か
の判定を行ない(ステップA6)、|α|≦3であればα・
K(mm)を今回修正量Uとする一方(ステップA7)、α>
3であればαを3に置き換え、α<−3であればαを−
3に置き換え、3K(mm)または−3K(mm)を今回修正量
Uとする(ステップA8)。ここで、Kは予め設定された
一定量で、ステップA6〜A8の処理により、今回1回
で行なわれる修正動作に際しての修正量が、正負いずれ
の方向についても最大で一定量Kの3倍に制限されるこ
とになる。
【0023】図1にて上述した第1実施例の修正量決定
処理手順による具体的な修正量決定結果の例を図12に
示す。ただし、図12中、前々回,前回,今回の修正方
向の欄に記載されるLは修正方向が左方向つまりu=−
1の場合であり、0はu=0の場合であり、Rは修正方
向が右方向つまりu=+1の場合であり、修正量の欄に
記載されたΔL,ΔRはそれぞれ−K,+Kに対応す
る。
【0024】また、図1にて上述した第1実施例の修正
量決定処理を、溶接線位置が図4に3種類の直線で示す
ごとく徐々にずれていく場合と、溶接線位置が図5に3
種類の直線で示すごとくステップ状にずれた場合とのそ
れぞれに適用した際の溶接線追従性を各図に示す。図
4,図5のそれぞれに示された階段状のラインが、溶接
線位置に対するウィービング中心位置を示している。
【0025】このように、第1実施例の消耗電極式アー
ク溶接方法によれば、溶接トーチ1の溶接線に対する今
回修正量Uが、溶接トーチ1の溶接線に対する今回修正
方向に応じて可変となるため、溶接電流が不安定で位置
修正方向が常に変動するような場合には1回の修正量を
小さくする一方、ウィービング中心と溶接線とが大きく
ずれているような場合には1回の修正量Uを大きくする
ことができ、蛇行ビードを生じさせることなく溶接線の
追従性が大幅に向上する。特に、本実施例では、図4に
示すように、溶接線が徐々にずれて行く場合に安定して
追従できる。
【0026】次に、図6〜図8により本発明の第2実施
例としての消耗電極式アーク溶接方法について説明する
と、図6はその溶接トーチ位置修正手順を説明するため
のフローチャート、図7,図8は本実施例の方法を適用
した場合の溶接線追従性を示すグラフである。
【0027】ここで、第2実施例の方法を適用される装
置も図3にて説明したものと全く同様であるので、その
説明は省略する。また、ロボット制御盤4による基本的
な溶接トーチ位置修正手順も、図2にて説明したものと
全く同様であるので、その説明は省略する。
【0028】この第2実施例において、第1実施例と異
なる部分は、図2のフローチャートにおけるステップS
7による修正量決定処理手順の部分のみであるので、以
下に図6により第2実施例の修正量決定処理手順につい
て説明する。まず、第1実施例のステップA1〜A4と
同様にして、最初の4つのステップB1〜B4により、
今回修正方向指数(第1実施例では今回修正量係数αの
変更量)uを、修正方向に応じて+1,0,−1のいず
れかに設定する。つまり、右方向へ修正する必要がある
場合にはu=+1、溶接線位置とウィービング中心位置
とが一致している場合にはu=0、左方向へ修正する必
要がある場合にはu=−1と設定される。
【0029】この後、前回修正量係数αOLDが0であっ
たか否かを判定し(ステップB5)、さらに今回修正方向
指数uが0か否かを判定する(ステップB6,B8)。ス
テップB5,B6による判定の結果、αOLD=0かつu
=0であった場合(前回修正量が0かつ今回修正方向が
0の場合)には、前回修正量係数αOLDをそのまま今回修
正量係数αとし(ステップB7)、これにより、後述のス
テップB14により前回修正量がそのまま今回修正量と
して用いられる。
【0030】ステップB5,B8による判定の結果、α
OLD≠0かつu=0であった場合(前回修正量が0でなく
今回修正方向が0の場合)には、前回修正量係数αOLD
前回修正方向と逆方向へ1が加算され(ステップB9)、
これにより、後述のステップB13〜B15により、|
α|≦3の範囲で一定修正量Kを前回修正方向と逆方向
へ前回修正量に加えたものが今回修正量Uとして用いら
れる。
【0031】ステップB8によりu≠0と判定された場
合、αOLDとuが同符号か否かを判定し(ステップB1
0)、同符号であった場合(前回修正方向と今回修正方向
とが同一の場合)、もしくは、ステップB6によりu≠
0と判定された場合(前回修正量が0かつ今回修正方向
が0でない場合)には、前回修正量係数αOLDに今回修正
方向へ1が加算され(ステップB11)、これにより、後
述のステップB13〜B15により、|α|≦3の範囲で
一定修正量Kを今回修正方向へ前回修正量に加えたもの
が今回修正量Uとして用いられる。
【0032】さらに、ステップB10によりαOLDとu
が同符号でないつまり異符号であると判定された場合
(前回修正方向と今回修正方向とが逆になった場合)に
は、前回修正量係数αOLDに今回修正方向へ2が加算さ
れ(ステップB12)、これにより、後述のステップB1
3〜B15により、|α|≦3の範囲で一定修正量Kの2
倍の値を今回修正方向へ前回修正量に加えたものが今回
修正量Uとして用いられる。
【0033】そして、第1実施例のステップA6〜A8
と全く同様の処理、ステップB13〜B15により、今
回1回で行なわれる修正動作に際しての修正量が、正負
いずれの方向についても最大で一定量Kの3倍に制限さ
れることになる。
【0034】図6にて上述した第2実施例の修正量決定
処理手順による具体的な修正量決定結果の例を図12に
示す。また、図6にて上述した第2実施例の修正量決定
処理を、溶接線位置が図7に3種類の直線で示すごとく
徐々にずれていく場合と、溶接線位置が図8に3種類の
直線で示すごとくステップ状にずれた場合とのそれぞれ
に適用した際の溶接線追従性を各図に示す。図7,図8
のそれぞれに示された階段状のラインが、溶接線位置に
対するウィービング中心位置を示している。
【0035】このようにして、第2実施例の消耗電極式
アーク溶接方法によっても、第1実施例と同様の作用効
果が得られ、図7に示すように、溶接線が徐々にずれて
行く場合に安定して追従できるだけでなく、特に本実施
例では、図8に示すように、溶接線がステップ状にずれ
た場合にも安定して追従できる。
【0036】次に、図9〜図11により本発明の第3実
施例としての消耗電極式アーク溶接方法について説明す
ると、図9はその溶接トーチ位置修正手順を説明するた
めのフローチャート、図10,図11は本実施例の方法
を適用した場合の溶接線追従性を示すグラフである。
【0037】この第3実施例においても、第1実施例と
異なる部分は、第2実施例と同様に、図2のフローチャ
ートにおけるステップS7による修正量決定処理手順の
部分のみであるので、以下に図9により第3実施例の修
正量決定処理手順について説明する。まず、第2実施例
のステップB1〜B4と同様にして、最初の4つのステ
ップC1〜C4により、今回修正方向指数uを、修正方
向に応じて+1,0,−1のいずれかに設定する。
【0038】この後、前回修正量係数αOLDが0であっ
たか否かを判定し(ステップC5)、さらに今回修正方向
指数uが0か否かを判定する(ステップC6,C8)。ス
テップC5,C6,C8による判定の結果、αOLD=0
かつu=0であった場合またはαOLD≠0かつu=0で
あった場合(前回修正量にかかわらず今回修正方向が0
の場合)には、前回修正量係数αOLDをそのまま今回修正
量係数αとし(ステップC7)、これにより、後述のステ
ップC13により前回修正量がそのまま今回修正量とし
て用いられる。
【0039】ステップC5,C8による判定の結果、α
OLD≠0かつu≠0であった場合、αOLDとuが同符号か
否かを判定し(ステップC9)、同符号であった場合(前
回修正方向と今回修正方向とが同一の場合)、もしく
は、ステップC6によりu≠0と判定された場合(前回
修正量が0かつ今回修正方向が0でない場合)には、前
回修正量係数αOLDに今回修正方向へ1が加算され(ステ
ップC10)、これにより、後述のステップC12〜C
14により、|α|≦3の範囲で一定修正量Kを今回修正
方向へ前回修正量に加えたものが今回修正量Uとして用
いられる。
【0040】さらに、ステップC9によりαOLDとuが
同符号でないつまり異符号であると判定された場合(前
回修正方向と今回修正方向とが逆になった場合)には、
前回修正量係数αOLDに今回修正方向へ2が加算され(ス
テップC11)、これにより、後述のステップC12〜
C14により、|α|≦3の範囲で一定修正量Kの2倍の
値を今回修正方向へ前回修正量に加えたものが今回修正
量Uとして用いられる。
【0041】図9にて上述した第3実施例の修正量決定
処理手順による具体的な修正量決定結果の例を図12に
示す。また、図9にて上述した第3実施例の修正量決定
処理を、溶接線位置が図10に3種類の直線で示すごと
く徐々にずれていく場合と、溶接線位置が図11に3種
類の直線で示すごとくステップ状にずれた場合とのそれ
ぞれに適用した際の溶接線追従性を各図に示す。図1
0,図11のそれぞれに示された階段状のラインが、溶
接線位置に対するウィービング中心位置を示している。
【0042】このようにして、第3実施例の消耗電極式
アーク溶接方法によっても、第2実施例と同様の作用効
果が得られ、図10に示すように、溶接線が徐々にずれ
て行く場合に安定して追従できるだけでなく、図11に
示すように、溶接線がステップ状にずれた場合にも安定
して追従できる。
【0043】なお、上述したいずれの実施例において
も、修正量を±3Kに制限しているが、本発明はこれに
限定されるものではなく、修正量を他の値で制限しても
よいし、全く制限しなくてもよい。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の消耗電極
式アーク溶接方法(請求項1〜3)によれば、溶接トーチ
の溶接線に対する今回修正量を、溶接トーチの溶接線に
対する今回修正方向に応じて可変とし、溶接電流が不安
定で位置修正方向が常に変動するような場合には1回の
修正量を小さくする一方、ウィービング中心と溶接線と
が大きくずれているような場合には1回の修正量を大き
くすることができるように構成したので、蛇行ビードを
生じさせることなく、また、安定性を損なうことなく、
溶接線の追従性および即応性が大幅に向上する効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としての消耗電極式アーク
溶接方法における修正量決定手順を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図2】本実施例の溶接トーチ位置修正手順を説明する
ためのフローチャートである。
【図3】本実施例の方法を適用されるアーク溶接装置を
示すブロック図である。
【図4】第1実施例の方法を適用した場合の溶接線追従
性を示すグラフである。
【図5】第1実施例の方法を適用した場合の溶接線追従
性を示すグラフである。
【図6】本発明の第2実施例としての消耗電極式アーク
溶接方法における修正量決定手順を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図7】第2実施例の方法を適用した場合の溶接線追従
性を示すグラフである。
【図8】第2実施例の方法を適用した場合の溶接線追従
性を示すグラフである。
【図9】本発明の第3実施例としての消耗電極式アーク
溶接方法における修正量決定手順を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図10】第3実施例の方法を適用した場合の溶接線追
従性を示すグラフである。
【図11】第3実施例の方法を適用した場合の溶接線追
従性を示すグラフである。
【図12】第1〜第3実施例の方法を適用した場合につ
いて、前々回,前回,今回の修正方向に対応する今回修
正量が具体的にどのようになるのかを比較して示すテー
ブルである。
【図13】一般的なV形開先と溶接トーチとを示す模式
図である。
【図14】(a)はウィービング中心と溶接線とが一致し
ている場合のV形開先内における溶接トーチの配置状態
を示す模式図、(b)は(a)に示す状態での溶接電流波形
を示すグラフである。
【図15】(a)はウィービング中心が溶接線よりも左側
へずれている場合のV形開先内における溶接トーチの配
置状態を示す模式図、(b)は(a)に示す状態での溶接電
流波形を示すグラフである。
【図16】(a)はウィービング中心が溶接線よりも右側
へずれている場合のV形開先内における溶接トーチの配
置状態を示す模式図、(b)は(a)に示す状態での溶接電
流波形を示すグラフである。
【符号の説明】
1 溶接トーチ 2 ワーク 2a V形開先部 3 アーク溶接ロボット 4 ロボット制御盤 5 溶接電源 6 シャント

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接トーチを周期的にウィービングさせ
    ながら検出した溶接電流に基づいて、前記溶接トーチの
    溶接線に対する位置を修正して該溶接線に倣いつつ溶接
    を行なう消耗電極式アーク溶接方法において、 前記溶接電流に基づいて検知された前記溶接トーチの前
    記溶接線に対する今回修正方向に応じた修正量を前記溶
    接トーチの前記溶接線に対する前回修正量に加減算した
    ものを、前記溶接トーチの前記溶接線に対する今回修正
    量とし、該今回修正量だけ前記今回修正方向へ前記溶接
    トーチの位置を移動することを特徴とする消耗電極式ア
    ーク溶接方法。
  2. 【請求項2】 前記前回修正量が0かつ前記今回修正方
    向が0でない場合、または、前記溶接トーチの前記溶接
    線に対する前回修正方向と前記今回修正方向とが同一の
    場合には、予め設定されている一定修正量を前記今回修
    正方向へ前記前回修正量に加えたものを前記今回修正量
    とし、 前記前回修正量が0でなく前記今回修正方向が0の場合
    には、前記一定修正量を前記前回修正方向と逆方向へ前
    記前回修正量に加えたものを前記今回修正量とし、 前記前回修正量が0かつ前記今回修正方向が0の場合に
    は、前記前回修正量をそのまま前記今回修正量とし、 前記前回修正方向と前記今回修正方向とが逆になった場
    合には、前記一定修正量の2倍の値を前記今回修正方向
    へ前記前回修正量に加えたものを前記今回修正量とする
    ことを特徴とする請求項1記載の消耗電極式アーク溶接
    方法。
  3. 【請求項3】 前記前回修正量が0かつ前記今回修正方
    向が0でない場合、または、前記溶接トーチの前記溶接
    線に対する前回修正方向と前記今回修正方向とが同一の
    場合には、予め設定されている一定修正量を前記今回修
    正方向へ前記前回修正量に加えたものを前記今回修正量
    とし、 前記今回修正方向が0の場合には、前記前回修正量をそ
    のまま前記今回修正量とし、 前記前回修正方向と前記今回修正方向とが逆になった場
    合には、前記一定修正量の2倍の値を前記今回修正方向
    へ前記前回修正量に加えたものを前記今回修正量とする
    ことを特徴とする請求項1記載の消耗電極式アーク溶接
    方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004253541A (ja) * 2003-02-19 2004-09-09 Ricoh Co Ltd 半導体装置

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