JPH065516A - 化合物半導体結晶の気相成長方法と気相成長装置 - Google Patents
化合物半導体結晶の気相成長方法と気相成長装置Info
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- JPH065516A JPH065516A JP4156513A JP15651392A JPH065516A JP H065516 A JPH065516 A JP H065516A JP 4156513 A JP4156513 A JP 4156513A JP 15651392 A JP15651392 A JP 15651392A JP H065516 A JPH065516 A JP H065516A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 水銀を含む化合物半導体結晶の気相成長方
法、および気相成長装置に関し、基板上に組成の均一な
化合物半導体結晶を気相成長する方法、および装置の提
供を目的とする。 【構成】 反応管1内にエピタキシャル成長用基板3を
設置し、該基板3上に成長すべき化合物半導体結晶の構
成原子を含み、分解速度が互いに異なる複数種類の原料
ガスを前記反応管1内に導入し、前記基板3を加熱して
前記複数種類の原料ガスを加熱分解して基板(3) 上に化
合物半導体結晶を成長する方法に於いて、前記複数の原
料ガスのうち、分解速度の遅い原料ガスがエピタキシャ
ル成長用基板3上に到達する以前に、選択的に光照射し
て前記分解速度の遅い原料ガスに分解反応エネルギーを
付与させたのち、他の分解速度の速い原料ガスと混合し
て前記基板3上に供給するようにしたことで構成する。
法、および気相成長装置に関し、基板上に組成の均一な
化合物半導体結晶を気相成長する方法、および装置の提
供を目的とする。 【構成】 反応管1内にエピタキシャル成長用基板3を
設置し、該基板3上に成長すべき化合物半導体結晶の構
成原子を含み、分解速度が互いに異なる複数種類の原料
ガスを前記反応管1内に導入し、前記基板3を加熱して
前記複数種類の原料ガスを加熱分解して基板(3) 上に化
合物半導体結晶を成長する方法に於いて、前記複数の原
料ガスのうち、分解速度の遅い原料ガスがエピタキシャ
ル成長用基板3上に到達する以前に、選択的に光照射し
て前記分解速度の遅い原料ガスに分解反応エネルギーを
付与させたのち、他の分解速度の速い原料ガスと混合し
て前記基板3上に供給するようにしたことで構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化合物半導体結晶、特に
水銀を含む化合物半導体結晶の気相成長方法に関する。
水銀を含む化合物半導体結晶の気相成長方法に関する。
【0002】半導体結晶は多様な分野で利用されている
が、特に水銀(Hg)を含む2−6族の化合物半導体結晶
の水銀・カドミウム・テルル(Hg1-x Cdx Te)は、エネ
ルギーバンドギャップが狭く赤外線検知素子の形成材料
として用いられいている。
が、特に水銀(Hg)を含む2−6族の化合物半導体結晶
の水銀・カドミウム・テルル(Hg1-x Cdx Te)は、エネ
ルギーバンドギャップが狭く赤外線検知素子の形成材料
として用いられいている。
【0003】このようなHg1-x Cdx Te結晶はカドミウム
テルル(CdTe)基板上に気相エピタキシャル成長法、或
いは液相エピタキシャル成長法等により形成されてい
る。そしてHg1-x Cdx Te結晶は、その組成、つまりx値
が異なると、そのエネルギーバンドギャップが異なり、
このx値の相違によって応答する赤外線の波長も異なる
ことになる。そのため、基板上の全領域上に出来るだけ
組成の均一なHg1-x CdxTe結晶を成長することが要望さ
れている。
テルル(CdTe)基板上に気相エピタキシャル成長法、或
いは液相エピタキシャル成長法等により形成されてい
る。そしてHg1-x Cdx Te結晶は、その組成、つまりx値
が異なると、そのエネルギーバンドギャップが異なり、
このx値の相違によって応答する赤外線の波長も異なる
ことになる。そのため、基板上の全領域上に出来るだけ
組成の均一なHg1-x CdxTe結晶を成長することが要望さ
れている。
【0004】
【従来の技術】従来よりこのようなHg1-x Cdx Te結晶を
CdTeのエピタキシャル成長用基板3上に気相成長法で成
長する場合について述べる。
CdTeのエピタキシャル成長用基板3上に気相成長法で成
長する場合について述べる。
【0005】図2(a)に示すように、横型の反応管1内に
設けた基板加熱台2上にCdTeより成るエピタキシャル成
長用基板3を設置し、ガス導入管4より該反応管1内に
キャリアガスの水素ガスに水銀(Hg)、ジメチルCd、ジイ
ソプロピルTeガスの原料ガスを担持させ、この原料ガス
を担持した水素ガスを反応管1内に導入し、該反応管1
の周囲に設けた高周波誘導コイル5にて基板加熱台2を
加熱することで該基板3を加熱する。
設けた基板加熱台2上にCdTeより成るエピタキシャル成
長用基板3を設置し、ガス導入管4より該反応管1内に
キャリアガスの水素ガスに水銀(Hg)、ジメチルCd、ジイ
ソプロピルTeガスの原料ガスを担持させ、この原料ガス
を担持した水素ガスを反応管1内に導入し、該反応管1
の周囲に設けた高周波誘導コイル5にて基板加熱台2を
加熱することで該基板3を加熱する。
【0006】そして反応管1内に導入された原料ガスを
加熱分解してエピタキシャル成長用基板3上にHg1-x Cd
x Te結晶を気相成長している。
加熱分解してエピタキシャル成長用基板3上にHg1-x Cd
x Te結晶を気相成長している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したHg1-x Cdx Te
結晶をCdTe等のエピタキシャル成長用基板3上に気相成
長する場合、上記した原料ガスを熱分解してHg1-x Cdx
Te結晶を気相成長している。
結晶をCdTe等のエピタキシャル成長用基板3上に気相成
長する場合、上記した原料ガスを熱分解してHg1-x Cdx
Te結晶を気相成長している。
【0008】上記したHgは原子の状態であり、またジメ
チルCdの分解温度は230 ℃で、ジイソプロピルTeの分解
温度の300 ℃に対して分解温度が低く容易に分解する。
またジメチルCdが分解して生成されたCd原子と、ジイソ
プロピルTeが分解して生成されたTe原子が反応して生成
されるCdTe結晶の生成エネルギーは、21Kcal/mol、で、
この値は、Te原子とHg原子が反応して生成されるHgTe結
晶の生成エネルギーの30Kcal/molに対して低い、つまり
CdTe結晶はHgTe結晶に比較して成長し易い。
チルCdの分解温度は230 ℃で、ジイソプロピルTeの分解
温度の300 ℃に対して分解温度が低く容易に分解する。
またジメチルCdが分解して生成されたCd原子と、ジイソ
プロピルTeが分解して生成されたTe原子が反応して生成
されるCdTe結晶の生成エネルギーは、21Kcal/mol、で、
この値は、Te原子とHg原子が反応して生成されるHgTe結
晶の生成エネルギーの30Kcal/molに対して低い、つまり
CdTe結晶はHgTe結晶に比較して成長し易い。
【0009】そして上記したHg1-x Cdx Te結晶は、CdTe
結晶とHgTe結晶の混晶であり、この両者の混合割合が異
なると、Hg1-x Cdx Teのx 値も変動し、組成変動が起こ
るとされている。
結晶とHgTe結晶の混晶であり、この両者の混合割合が異
なると、Hg1-x Cdx Teのx 値も変動し、組成変動が起こ
るとされている。
【0010】このような従来の装置でHg1-x Cdx Te結晶
を気相成長した場合に生じる不都合な状態図を図2(b)に
示す。図2(b)の曲線aはCdTe結晶の模式的な生成曲線
で、図2(b)の曲線bはHgTe結晶の模式的な生成曲線であ
り、図示するようにエピタキシャル成長用基板3のガス
流入側にCdTe結晶が多く生成され、エピタキシャル成長
用基板3のガス流出側にHgTe結晶が多く生成される傾向
がある。
を気相成長した場合に生じる不都合な状態図を図2(b)に
示す。図2(b)の曲線aはCdTe結晶の模式的な生成曲線
で、図2(b)の曲線bはHgTe結晶の模式的な生成曲線であ
り、図示するようにエピタキシャル成長用基板3のガス
流入側にCdTe結晶が多く生成され、エピタキシャル成長
用基板3のガス流出側にHgTe結晶が多く生成される傾向
がある。
【0011】そのため、エピタキシャル成長用基板3上
に形成されるHg1-x Cdx Te結晶は、ガス流入側がCdTe結
晶成分の多い、つまりx値の大きいHg1-x Cdx Te結晶が
形成され、ガス流出側ではHgTe結晶成分の多い、つまり
x 値の小さいHg1-x Cdx Te結晶が形成される傾向があ
る。
に形成されるHg1-x Cdx Te結晶は、ガス流入側がCdTe結
晶成分の多い、つまりx値の大きいHg1-x Cdx Te結晶が
形成され、ガス流出側ではHgTe結晶成分の多い、つまり
x 値の小さいHg1-x Cdx Te結晶が形成される傾向があ
る。
【0012】このような不都合を除去するために、本出
願人は以前に特願平3-52339 号に於いて、図3に示すよ
うに、分解し易いジメチルCdの通路と、分解し難いジイ
ソプロピルTeの通路を仕切り板6で区切って別個に設
け、分解し難いジイソプロピルTeガスが通過するガス通
路に予備加熱板7を設け、分解し難いジイソプロピルTe
ガスを選択的に予め予備加熱してエピタキシャル成長用
基板3上に導く方法である。
願人は以前に特願平3-52339 号に於いて、図3に示すよ
うに、分解し易いジメチルCdの通路と、分解し難いジイ
ソプロピルTeの通路を仕切り板6で区切って別個に設
け、分解し難いジイソプロピルTeガスが通過するガス通
路に予備加熱板7を設け、分解し難いジイソプロピルTe
ガスを選択的に予め予備加熱してエピタキシャル成長用
基板3上に導く方法である。
【0013】然し、この方法では予備加熱板7と基板加
熱台2とが接近した位置にあるため、両者が相互に影響
し合って各々独立に加熱することが困難で、予備加熱板
7が必要以上に加熱される他、予備加熱が不必要なジメ
チルCdガスも加熱される恐れがある。
熱台2とが接近した位置にあるため、両者が相互に影響
し合って各々独立に加熱することが困難で、予備加熱板
7が必要以上に加熱される他、予備加熱が不必要なジメ
チルCdガスも加熱される恐れがある。
【0014】そのため、分解反応速度が大のジメチルCd
ガスが、エピタキシャル成長用基板3の表面に到達する
迄に分解して消費されたり、或いは該基板3の表面に到
達する迄に加熱分解されて他のジイソプロピルTeガスと
反応したりする。
ガスが、エピタキシャル成長用基板3の表面に到達する
迄に分解して消費されたり、或いは該基板3の表面に到
達する迄に加熱分解されて他のジイソプロピルTeガスと
反応したりする。
【0015】そのため、該基板3上に成長するHg1-x Cd
x Te結晶の表面状態が悪く成ったり、或いは組成の安定
した均一な組成のHg1-x Cdx Te結晶が、該基板3の全面
に均一に形成されない問題がある。
x Te結晶の表面状態が悪く成ったり、或いは組成の安定
した均一な組成のHg1-x Cdx Te結晶が、該基板3の全面
に均一に形成されない問題がある。
【0016】本発明は上記した問題点を解決し、分解速
度の遅い原料ガスに選択的に分解エネルギーが供給され
るようにして、分解速度の速い原料ガスと共に基板上に
供給されるようにして、均一な組成のHg1-x Cdx Te結晶
が得られるようにした気相成長方法、および該方法に用
いる装置の提供を目的とする。
度の遅い原料ガスに選択的に分解エネルギーが供給され
るようにして、分解速度の速い原料ガスと共に基板上に
供給されるようにして、均一な組成のHg1-x Cdx Te結晶
が得られるようにした気相成長方法、および該方法に用
いる装置の提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の気相成長方法
は、請求項1に示すように反応管内に、基板を設置し、
該基板上に成長すべき化合物半導体結晶の構成原子を含
み、分解速度が互いに異なる複数種類の原料ガスを前記
反応管内に導入し、前記基板を加熱して前記複数種類の
原料ガスを加熱分解して基板上に化合物半導体結晶を成
長する方法に於いて、前記複数の原料ガスのうち、分解
速度の遅い原料ガスが基板上に到達する以前に、選択的
に光照射して前記分解速度の遅い原料ガスに分解反応エ
ネルギーを付与させたのち、他の分解速度の速い原料ガ
スと混合して基板上に供給するようにしたことを特徴と
する。
は、請求項1に示すように反応管内に、基板を設置し、
該基板上に成長すべき化合物半導体結晶の構成原子を含
み、分解速度が互いに異なる複数種類の原料ガスを前記
反応管内に導入し、前記基板を加熱して前記複数種類の
原料ガスを加熱分解して基板上に化合物半導体結晶を成
長する方法に於いて、前記複数の原料ガスのうち、分解
速度の遅い原料ガスが基板上に到達する以前に、選択的
に光照射して前記分解速度の遅い原料ガスに分解反応エ
ネルギーを付与させたのち、他の分解速度の速い原料ガ
スと混合して基板上に供給するようにしたことを特徴と
する。
【0018】また請求項2に示すように、前記化合物半
導体結晶が、水銀と2族と6族元素を含む化合物半導体
結晶であり、上記選択的に光照射を行う原料ガスが、6
族元素を含む原料ガスか、或いは水銀と6族元素を含む
混合原料ガスの何れかであることを特徴とする。
導体結晶が、水銀と2族と6族元素を含む化合物半導体
結晶であり、上記選択的に光照射を行う原料ガスが、6
族元素を含む原料ガスか、或いは水銀と6族元素を含む
混合原料ガスの何れかであることを特徴とする。
【0019】また請求項3に示すように、本発明の気相
成長装置は、基板加熱台上に設置された基板を収容する
反応管と、該反応管内に設置され、分解速度の速い原料
ガスと分解速度の遅い原料ガスとを区別して反応管内に
導入する仕切り板と、前記分解速度の遅い原料ガスに光
を照射する光源と、前記仕切り板に連なって設けられ、
前記照射光源の光が分解速度の速い原料ガスに到達しな
いような遮光板と、前記反応管の周囲に設けられ、基板
を加熱する加熱手段とより成ることを特徴とするもので
ある。
成長装置は、基板加熱台上に設置された基板を収容する
反応管と、該反応管内に設置され、分解速度の速い原料
ガスと分解速度の遅い原料ガスとを区別して反応管内に
導入する仕切り板と、前記分解速度の遅い原料ガスに光
を照射する光源と、前記仕切り板に連なって設けられ、
前記照射光源の光が分解速度の速い原料ガスに到達しな
いような遮光板と、前記反応管の周囲に設けられ、基板
を加熱する加熱手段とより成ることを特徴とするもので
ある。
【0020】
【作用】本発明の方法は、従来のように予備加熱板を設
置せず、エピタキシャル成長用基板の原料ガス導入側
に、水銀とジイソプロピルTeガスの混合ガスが流れる個
所に紫外線が照射できる水銀ランプのような光源を設置
する。
置せず、エピタキシャル成長用基板の原料ガス導入側
に、水銀とジイソプロピルTeガスの混合ガスが流れる個
所に紫外線が照射できる水銀ランプのような光源を設置
する。
【0021】そして、ジイソプロピルTeガスとHgガスの
混合ガスと、ジメチルCdガスとは各々分流されるように
して流し、ジメチルCdガスは、混合ガスの上部を流れる
ようにし、反応管の下部側より紫外線を照射し、ジメチ
ルCdガスが流れる部分には、ステンレス板のような紫外
線の遮光板を設けて紫外線が到達しないようにする。
混合ガスと、ジメチルCdガスとは各々分流されるように
して流し、ジメチルCdガスは、混合ガスの上部を流れる
ようにし、反応管の下部側より紫外線を照射し、ジメチ
ルCdガスが流れる部分には、ステンレス板のような紫外
線の遮光板を設けて紫外線が到達しないようにする。
【0022】そして紫外線が照射され、分解エネルギー
が選択的に付与されたHgとジイソプロピルTeガスの混合
ガスと、ジメチルCdガスがエピタキシャル成長用基板上
で混合され、該基板上で反応してHg1-x Cdx Te結晶が形
成される。
が選択的に付与されたHgとジイソプロピルTeガスの混合
ガスと、ジメチルCdガスがエピタキシャル成長用基板上
で混合され、該基板上で反応してHg1-x Cdx Te結晶が形
成される。
【0023】この方法では、従来の方法の予備加熱板か
らの熱エネルギーの代わりに、紫外線の光エネルギーを
Hgガス、ジイソプロピルTeガスに与えてHgTeの反応を促
進している。従って予備加熱を行わずにCdTeとHgTeの生
成が同等に起こり、組成の均一なHg1-x Cdx Te結晶が得
られる。
らの熱エネルギーの代わりに、紫外線の光エネルギーを
Hgガス、ジイソプロピルTeガスに与えてHgTeの反応を促
進している。従って予備加熱を行わずにCdTeとHgTeの生
成が同等に起こり、組成の均一なHg1-x Cdx Te結晶が得
られる。
【0024】また光照射を行う原料ガスの導入部は、水
銀の凝結が起こらない程度の200 ℃の温度に保たれる
が、それ以上の加熱は行わない。従ってジメチルCdガス
が不必要な反応を起こすことが無くなる。ジメチルCdガ
スも光照射すると、光化学反応により分解反応が起こる
ので、この分解反応を防ぐために遮光板を設けてジメチ
ルCdガスの通路側に紫外線が照射されないように遮光を
施す。
銀の凝結が起こらない程度の200 ℃の温度に保たれる
が、それ以上の加熱は行わない。従ってジメチルCdガス
が不必要な反応を起こすことが無くなる。ジメチルCdガ
スも光照射すると、光化学反応により分解反応が起こる
ので、この分解反応を防ぐために遮光板を設けてジメチ
ルCdガスの通路側に紫外線が照射されないように遮光を
施す。
【0025】またHgTe生成のために付与する分解エネル
ギーは、紫外線を照射する水銀ランプに印加する電圧を
調整することで、水銀ランプより照射される紫外線の強
度が制御でき、この光エネルギーは、基板を加熱するた
めの高周波電源と別個に付与できるので、エピタキシャ
ル成長用基板の加熱とは独立に制御可能となる。
ギーは、紫外線を照射する水銀ランプに印加する電圧を
調整することで、水銀ランプより照射される紫外線の強
度が制御でき、この光エネルギーは、基板を加熱するた
めの高周波電源と別個に付与できるので、エピタキシャ
ル成長用基板の加熱とは独立に制御可能となる。
【0026】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例につき詳
細に説明する。本発明の気相成長装置を図1に示す。図
示するように、基板加熱台2上に設置されたGaAsよりな
るエピタキシャル成長用基板3を収容する反応管1の内
部に分解速度の速いジメチルCdガスと分解速度の遅いジ
イソプロピルTeガスとHgガスの混合ガスを区別して該基
板3上に導入する石英板より成る仕切り板6を設ける。
細に説明する。本発明の気相成長装置を図1に示す。図
示するように、基板加熱台2上に設置されたGaAsよりな
るエピタキシャル成長用基板3を収容する反応管1の内
部に分解速度の速いジメチルCdガスと分解速度の遅いジ
イソプロピルTeガスとHgガスの混合ガスを区別して該基
板3上に導入する石英板より成る仕切り板6を設ける。
【0027】そして前記分解速度の遅いHgとジイソプロ
ピルTeガスの混合ガスに紫外線を照射する水銀ランプ11
と、前記仕切り板6に連なって、前記水銀ランプ11から
照射される紫外線が、分解速度の速いジメチルCdガスに
到達しないようなステンレス製の遮光板12を設ける。そ
して基板加熱台2が設置された反応管1の周囲に、該基
板加熱台2を加熱する高周波誘導コイル5を設ける。
ピルTeガスの混合ガスに紫外線を照射する水銀ランプ11
と、前記仕切り板6に連なって、前記水銀ランプ11から
照射される紫外線が、分解速度の速いジメチルCdガスに
到達しないようなステンレス製の遮光板12を設ける。そ
して基板加熱台2が設置された反応管1の周囲に、該基
板加熱台2を加熱する高周波誘導コイル5を設ける。
【0028】このような本発明の気相成長装置を用いて
GaAsのエピタキシャル成長用基板上にHg1-x Cdx Te結晶
を気相成長する場合に付いて述べる。エピタキシャル成
長用基板3として(100)面のGaAs基板を用いる。反
応管1内に基板加熱台2上に載置されたGaAsのエピタキ
シャル成長用基板3を導入し、該基板3を水素ガス雰囲
気内で600 ℃の温度で20分間予備加熱を行い、該基板3
の表面を水素ガスで還元して酸化物等を除去する。
GaAsのエピタキシャル成長用基板上にHg1-x Cdx Te結晶
を気相成長する場合に付いて述べる。エピタキシャル成
長用基板3として(100)面のGaAs基板を用いる。反
応管1内に基板加熱台2上に載置されたGaAsのエピタキ
シャル成長用基板3を導入し、該基板3を水素ガス雰囲
気内で600 ℃の温度で20分間予備加熱を行い、該基板3
の表面を水素ガスで還元して酸化物等を除去する。
【0029】次いでエピタキシャル成長用基板3の温度
を360 ℃の温度に保ち、ジメチルCd蒸発器13内とジイソ
プロピルTe蒸発器14内にキャリアガスの水素ガスを導入
して反応管1内にジメチルCdガス、ジイソプロピルTeガ
スのみを導入して該基板3上にCdTe層をバッファ層とし
て10μm の厚さに成長する。この工程では光照射を行わ
ず、反応管1の原料導入部の分岐管16の保温用のヒータ
17も加熱しない。
を360 ℃の温度に保ち、ジメチルCd蒸発器13内とジイソ
プロピルTe蒸発器14内にキャリアガスの水素ガスを導入
して反応管1内にジメチルCdガス、ジイソプロピルTeガ
スのみを導入して該基板3上にCdTe層をバッファ層とし
て10μm の厚さに成長する。この工程では光照射を行わ
ず、反応管1の原料導入部の分岐管16の保温用のヒータ
17も加熱しない。
【0030】次いでジメチルCd蒸発器13、ジイソプロピ
ルTe蒸発器14、Hg蒸発器15内に水素ガスを導入し、反応
管1内にキャリアガスの水素ガスに担持されたジイソプ
ロピルTeガス、Hgガス、ジメチルCdガスを導入してエピ
タキシャル成長用基板3上にHg1-x Cdx Te結晶を気相成
長する。ジメチルCdガスの分圧は5 ×10-5気圧、ジイソ
プロピルTeガスの分圧は1 ×10-3気圧、Hgガスの分圧は
1×10-2気圧とし、反応管1内に流入する総てのガス流
量は8リットル/ 分として成長温度は360 ℃で成長し
た。
ルTe蒸発器14、Hg蒸発器15内に水素ガスを導入し、反応
管1内にキャリアガスの水素ガスに担持されたジイソプ
ロピルTeガス、Hgガス、ジメチルCdガスを導入してエピ
タキシャル成長用基板3上にHg1-x Cdx Te結晶を気相成
長する。ジメチルCdガスの分圧は5 ×10-5気圧、ジイソ
プロピルTeガスの分圧は1 ×10-3気圧、Hgガスの分圧は
1×10-2気圧とし、反応管1内に流入する総てのガス流
量は8リットル/ 分として成長温度は360 ℃で成長し
た。
【0031】原料導入部の分岐管16のヒータ17の温度
は、Hgの凝結を防止するために200 ℃に保つ。そして仕
切り板6の下部のジイソプロピルTeガスとHgガスの混合
ガスのガス通路には、出力が10KWで波長が243.7nm の高
圧水銀ランプに、100KV の電圧を印加して該水銀ランプ
を動作させて上記混合ガスに紫外線照射して分解エネル
ギーを付与する。
は、Hgの凝結を防止するために200 ℃に保つ。そして仕
切り板6の下部のジイソプロピルTeガスとHgガスの混合
ガスのガス通路には、出力が10KWで波長が243.7nm の高
圧水銀ランプに、100KV の電圧を印加して該水銀ランプ
を動作させて上記混合ガスに紫外線照射して分解エネル
ギーを付与する。
【0032】次いでこの光で励起された混合ガスを、エ
ピタキシャル成長用基板3の直前で、ジメチルCdガスと
混合させ、該基板3上に導入し、該基板3上でHg1-x Cd
x Te結晶を、成長温度を360 ℃として15μm の厚さに成
長した。
ピタキシャル成長用基板3の直前で、ジメチルCdガスと
混合させ、該基板3上に導入し、該基板3上でHg1-x Cd
x Te結晶を、成長温度を360 ℃として15μm の厚さに成
長した。
【0033】このようにして得られたHg1-x Cdx Te結晶
の組成は、エピタキシャル成長用基板3の表面の全領域
でx =0.22±0.002 と成り、均一な組成のHg1-x Cdx Te
結晶が得られた。また形成されたHg1-x Cdx Te結晶の表
面状態も鏡面のように平滑であり、転位密度も1 ×105/
cm2 と少なく、結晶欠陥の発生が少ない、高品質のHg
1-x Cdx Te結晶が得られた。
の組成は、エピタキシャル成長用基板3の表面の全領域
でx =0.22±0.002 と成り、均一な組成のHg1-x Cdx Te
結晶が得られた。また形成されたHg1-x Cdx Te結晶の表
面状態も鏡面のように平滑であり、転位密度も1 ×105/
cm2 と少なく、結晶欠陥の発生が少ない、高品質のHg
1-x Cdx Te結晶が得られた。
【0034】なお、本実施例ではHgガスとジイソプロピ
ルTeガスを混合して用いたが、Hgガスとジイソプロピル
Teガスを別個に反応管内に導入して、ジイソプロピルTe
ガスが通過するガス通路に紫外線を照射するようにして
も良い。
ルTeガスを混合して用いたが、Hgガスとジイソプロピル
Teガスを別個に反応管内に導入して、ジイソプロピルTe
ガスが通過するガス通路に紫外線を照射するようにして
も良い。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の方法による
と、生成エネルギー、分解速度の異なる組成の結晶から
なる化合物半導体結晶を基板上に良好に成長することが
可能で、表面状態も良好で結晶欠陥の少ない高品質なHg
1-x Cdx Te結晶が得られる効果がある。
と、生成エネルギー、分解速度の異なる組成の結晶から
なる化合物半導体結晶を基板上に良好に成長することが
可能で、表面状態も良好で結晶欠陥の少ない高品質なHg
1-x Cdx Te結晶が得られる効果がある。
【図1】 本発明の気相成長方法に用いる装置の説明図
である。
である。
【図2】 従来の装置の説明図と不都合な状態図であ
る。
る。
【図3】 従来の気相成長装置の説明図である。
1 反応管 2 基板加熱台 3 エピタキシャル成長用基板 5 高周波誘導コイル 6 仕切り板 11 水銀ランプ 12 遮光板 13 ジメチルCd蒸発器 14 ジイソプロピルTe蒸発器 15 Hg蒸発器 16 分岐管 17 ヒータ
Claims (3)
- 【請求項1】 反応管(1) 内にエピタキシャル成長用基
板(3) を設置し、該基板(3) 上に成長すべき化合物半導
体結晶の構成原子を含み、分解速度が互いに異なる複数
種類の原料ガスを前記反応管(1) 内に導入し、前記基板
(3) を加熱して前記複数種類の原料ガスを加熱分解して
基板(3) 上に化合物半導体結晶を成長する方法に於い
て、 前記複数の原料ガスのうち、分解速度の遅い原料ガスが
エピタキシャル成長用基板(3) 上に到達する以前に、選
択的に光照射して前記分解速度の遅い原料ガスに分解反
応エネルギーを付与させたのち、他の分解速度の速い原
料ガスと混合して前記基板(3) 上に供給するようにした
ことを特徴とする化合物半導体結晶の気相成長方法。 - 【請求項2】 前記エピタキシャル成長用基板(3) 上に
形成する化合物半導体結晶が、水銀と2族と6族元素を
含む化合物半導体結晶であり、上記選択的に光照射を行
う原料ガスが、6族元素を含む原料ガスか、或いは水銀
と6族元素を含む混合原料ガスの何れかであることを特
徴とする請求項1記載の化合物半導体結晶の気相成長方
法。 - 【請求項3】 基板加熱台(2) 上に載置されたエピタキ
シャル成長用基板(3) を収容する反応管(1) と、該反応
管(1) の内部に、分解速度の速い原料ガスと分解速度の
遅い原料ガスとを区別して基板加熱台(2) 近傍に導入す
る仕切り板(6) と、前記分解速度の遅い原料ガスに光を
照射する照射光源(11)と、前記仕切り板(6) に連なって
設けられ、前記照射光源(11)の光が分解速度の速い原料
ガスに到達しないような遮光板(12)と、前記反応管(1)
の周囲に設けられ、前記エピタキシャル成長用基板(3)
を加熱する加熱手段(5) とより成ることを特徴とする化
合物半導体結晶の気相成長装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4156513A JPH065516A (ja) | 1992-06-16 | 1992-06-16 | 化合物半導体結晶の気相成長方法と気相成長装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4156513A JPH065516A (ja) | 1992-06-16 | 1992-06-16 | 化合物半導体結晶の気相成長方法と気相成長装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH065516A true JPH065516A (ja) | 1994-01-14 |
Family
ID=15629420
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4156513A Withdrawn JPH065516A (ja) | 1992-06-16 | 1992-06-16 | 化合物半導体結晶の気相成長方法と気相成長装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH065516A (ja) |
-
1992
- 1992-06-16 JP JP4156513A patent/JPH065516A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990831 |