JPH0655102A - サイクロン - Google Patents

サイクロン

Info

Publication number
JPH0655102A
JPH0655102A JP4229299A JP22929992A JPH0655102A JP H0655102 A JPH0655102 A JP H0655102A JP 4229299 A JP4229299 A JP 4229299A JP 22929992 A JP22929992 A JP 22929992A JP H0655102 A JPH0655102 A JP H0655102A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dust
cyclone
gas
containing gas
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4229299A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Maeno
裕史 前野
Noriyuki Oda
紀之 織田
Katsumi Azuma
勝美 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP4229299A priority Critical patent/JPH0655102A/ja
Publication of JPH0655102A publication Critical patent/JPH0655102A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cyclones (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】含塵ガスをブローダウンしても含塵ガスのエネ
ルギーをロスせず、使いやすく集塵効率が良好なサイク
ロンを提供する。 【構成】サイクロン1のガス導入部5もしくはガス導入
部5の上流側にディフューザ7を設け、ディフューザ7
の入口近傍に設けた吸込み口8と集塵室6に設けた吸入
口10を連通するガス通路9を設け、集塵室6から含塵
ガスの一部をガス導入部に還流する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は流動接触分解装置(FC
Cプラント)、加圧流動床ボイラーによる発電プラン
ト、石炭直接燃焼装置(Coal Direct Fi
ring)などの燃焼プロセス、溶融還元炉や石炭ガス
化プラントなどから排出される高温の含塵ガスの除塵に
好適なサイクロンに関する。
【0002】
【従来の技術】サイクロンは遠心力を利用して集塵を行
う実用化されている唯一の集塵装置であり、その典型的
な構造を図3に示した。図3において、1はサイクロン
であり、サイクロン筒2は円筒状の外筒11と、外筒1
1の下端に一体に設けられ下端に開口4を有する下方が
細い円錐部12とからなっている。
【0003】このサイクロン筒2は、サイクロン筒2内
に旋回流を形成するようにサイクロン筒に対して接線方
向に取り付けられたガス導入部5と、外径が外筒11の
内径より小さく、外筒11と概ね同軸に配置されて上方
に清浄ガス出口14を有する内筒3(出口管ともいう)
と、サイクロン筒2の下端に配置され、その下部に塵の
取り出し口13を有する集塵室6と組み合わされたもの
となっている。
【0004】ガス導入部5から導入された含塵ガスは、
サイクロン筒2の内側を旋回しつつ移動し、この間塵は
遠心力によってサイクロン筒2の壁の方向に移動し、サ
イクロン筒2の軸の近傍には塵の含有量が少ない清浄ガ
スが集められる。軸の近傍に集められた清浄ガスは内筒
3を通って外部へ排出され、一方塵の方はサイクロン筒
2の壁に沿って移動し、サイクロン筒2の開口4を抜け
て集塵室6に集められる。
【0005】サイクロンには種々のバリエーションがあ
って、サイクロン筒が単純な円筒状であるもの、内筒の
清浄ガスの出口が含塵ガスの入り口の反対側に設けられ
ているもの、含塵ガスの導入が軸方向からなされ、案内
羽根によって旋回流とされる軸流型のもの、サイクロン
を2〜3段直列に連結したもの、多数の小型サイクロン
を並列に連いだマルチクロンと称するもの、サイクロン
筒の軸が斜めあるいは水平方向に配置されているものな
どが知られている。
【0006】サイクロンは構造が簡単であって安価に作
れる割りに性能が優れているので、一般によく利用され
ている。過去においては、公害防止対策として煤塵の捕
集に多用されたが、現在は排出濃度の規制が厳しく、サ
イクロンのみの集塵では排出基準をクリヤーすることが
できないので、予備集塵用や特殊な用途に限定して使用
されている場合が多い。
【0007】サイクロンについては、たとえば伊井谷鋼
一編著による「集塵装置」(日刊工業新聞社、昭和56
年発行、p126〜173、6.遠心力集塵)に比較的
詳しい解説がある。
【0008】サイクロンによる捕集効率を向上させるた
めには、ガス導入部の構造、外筒の直径、内筒の外筒に
対する直径の比、円錐部の角度、集塵室の寸法と形状、
配管の寸法、配置の他、ガス温度やガス導入部近傍にお
ける外筒内の最大ガス流速を決める使用条件などを最適
化する必要がある。
【0009】多数の小型サイクロンを並列に使用し、各
サイクロン筒の直径を小さくした構成(マルチクロンと
呼ばれる。)のサイクロンは捕集限界粒径が小さく、捕
集効率を向上せしめ得る有力な手段であるとされてい
る。しかしサイクロンの除塵性能には限度があり、多く
の場合完全な除塵は不可能であって、好ましい設計を採
用したとしても分離可能な粒径はせいぜい3μm程度で
ある。
【0010】一般にサイクロン筒内の旋回流を発達させ
ると圧力損失が大きくなり、サイクロンの圧力損失の大
きい方が捕集効率は良いとされ、通常のサイクロンでは
100〜200mmH2 Oの圧力損失、高圧プロセスに
使用されるサイクロンでは500〜3000mmH2 O
の圧力損失となるように設計される。しかしサイクロン
筒の内径を小さくすると、ブリッジングとよばれるサイ
クロン筒の円錐部の塵による閉塞現象が起きやすくなる
傾向が存在する。
【0011】また、集塵室から含塵ガスの一部分を抜き
出すブローダウンが捕集効率を向上させるのに有効であ
ることが知られている。ブローダウンの有効性の程度は
含塵ガスの流量、組成、温度、圧力および塵の濃度、比
重、粒度、形状などによっても変化するが、ブローダウ
ン比が0〜10%の範囲ではブローダウン比にほぼ比例
して未捕集率を減少せしめることができ、10%以上に
ブローダウン比を増しても未捕集率の減少勾配は小さく
なって未捕集率は一定値に近づくことが知られている。
このため、ブローダウン比は10%程度とするのが好ま
しく、10%のブローダウンを行うことによって塵の未
捕集率を20〜70%程度減らすことができるとされて
いる。
【0012】ブローダウンによって抜き出される含塵ガ
ス中にはかなりの量の塵が含まれているので、通常その
まま外系へ放出することはできない。このため、ある使
用例では小型の二次除塵装置を接続して除塵を行い、除
塵されたガスをサイクロンの下流の配管に戻す構成が提
案されている。
【0013】しかし、10%の高温の加圧含塵ガスを抜
き出して放出することはこの分エネルギーをロスするこ
とであり、発電プラントの場合には効率上許されること
でなく、せいぜい1〜2%のブローダウンがなされてい
る程度である。また、抜き出した含塵ガスを二次除塵装
置に通して下流の配管に戻すにはブロワーを動かすため
の動力がさらに必要であるという問題もある。
【0014】高温の含塵ガスを除塵するときに問題とな
るのは、高温下における塵の挙動である。すなわち、一
般にガスの粘性係数は温度の上昇とともに大きくなるた
め、高温下において塵はガスの流れの影響を強く受け、
たとえば主たる含塵ガスの流れを概ね下向きとなるよう
に構成しても、微細な塵の一部分は乱れたガスの流れに
乗って移動し、塵の捕集限界粒径が大きい方にシフトす
る傾向がある。
【0015】実際のプラントにおいては、サイクロン自
体の運転条件に起因する乱れや上流系あるいは下流系に
おける外乱によって、サイクロン内部のガス流は絶えず
変動し、様々な乱れた流れが含塵ガスの流路系に生じて
いる。これらの乱れによって、たとえばサイクロン筒の
円錐部に塵が詰まるブリッジングが発生し、ブリッジン
グが起きると、含塵ガスがサイクロンをそのまま通過す
るオーバーフロー現象によりサイクロンの除塵処理能力
が低下すると同時に、加圧流動床ボイラーの燃焼ガスを
除塵するような場合には、ブリッジングした塵中に含ま
れる煤を多く含む塵がしばしば発火、燃焼し、熱によっ
てサイクロン筒の円錐部を損傷する問題が起きる。
【0016】加圧流動床ボイラーの燃焼ガスを除塵する
場合には、低負荷の状態からボイラー負荷を増やそうと
すると、酸素濃度が高いにもかかわらず多量の未燃焼成
分が発生し、塵中に多量の煤(ときには30%にも達す
る)を含むとともに1000ppm超の一酸化炭素を含
むガスが発生するので、同様の問題が存在する。
【0017】また、石炭ガス化プラントにおける合成ガ
スの除塵では、運転停止直後の不活性ガスによってガス
置換された状態から空気への切り替え時、もしくは運転
再立ち上げ時に酸素を含む酸化性のガスがプラント中に
導入されるとき、ブリッジングしている塵中の未燃焼成
分が発火してサイクロン筒に熱損傷を与えることが予想
される。
【0018】接触流動分解装置(FCCプラント)の場
合には、粒状触媒が装入された反応塔の流動層中に重質
油が注入されて重質油の分子量の大きい炭化水素のクラ
ッキングが行われる。このとき粒状触媒には煤が付着し
て徐々に触媒活性が低下することになる。多量の煤が付
着して活性が低下した粒状触媒は再生塔に移され、再生
塔では付着した煤を燃やすことによって粒状触媒を再生
するようになっている。再生塔で発生する燃焼ガスは、
例えば650℃で2.5気圧というエネルギーレベルの
高いものであり、ガスタービンの一種であるターボエキ
スパンダーに通して電気エネルギーが回収されている。
【0019】しかし粒状触媒の破片や煤などの塵を含ん
だ燃焼ガスをそのままターボエキスパンダーに流すとタ
ービンの羽根が短時間に摩耗してしまうことになるの
で、除塵が必要である。このため直列に2段連結された
サイクロンの下流にマルチクロンを付加した除塵手段が
使用されている。
【0020】マルチクロンは塵の捕集限界粒径が小さく
捕集効率は良いが、サイクロン筒の円錐部にブリッジン
グを起こしやすい傾向があるので、これを防ぐため2〜
3%の含塵ガスを集塵室から抜き出してターボエキスパ
ンダーの下流の電気集塵器の上流に流すようにしてい
る。この場合抜き出される2〜3%の燃焼ガスは完全な
ロスとなっている。
【0021】ブローダウンする含塵ガスのエネルギーを
無駄にしないでサイクロンの集塵効率を顕著に向上せし
めることができれば、現在集塵効率が不充分であること
によりサイクロンが使用されていない用途や、開発中の
新しい用途にもサイクロンが使用できる可能性が開け、
上流にサイクロンを設けて下流に他の除塵装置を設ける
場合にも、下流の除塵装置の集塵負荷を軽減することが
できるので、除塵装置の設計が容易となり、小型の除塵
装置で足りることになる場合が多いという効果が得られ
るはずである。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
の従来技術の問題点を解決し、流動接触分解装置、加圧
流動床ボイラー、鉄鉱の溶融還元炉などから排出される
高温の加圧含塵ガスの除塵や、石炭ガス化プラント等か
らの合成ガスの除塵に使用しうる、集塵室からの含塵ガ
スの抜き出しとそのガス導入部への還流を、含塵ガスの
有するエネルギーをロスしないで、僅かなエネルギーの
消費で行える有効な手段を備えたサイクロンを提供しよ
うとするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明のサイクロンは下
端に開口を有するサイクロン筒と、サイクロン筒の内側
に含塵ガスを導入して旋回流を生ぜしめるガス導入部
と、外径がサイクロン筒の内径より小さくサイクロン筒
の軸に沿って配置された清浄ガスの出口となる内筒と、
サイクロン筒の下端の開口を取り囲むように配置され、
その下部に塵の取り出し口を有する集塵室とからなるサ
イクロンであって、ガス導入部もしくはガス導入部の上
流側にディフューザが設けられ、ディフューザの入口近
傍に設けられた吸込み口と集塵室に設けられた吸入口を
連通するガス通路が設けられ、集塵室から含塵ガスの一
部分がガス通路を経てガス導入部に還流するように構成
されていることを特徴とする。
【0024】サイクロンに含塵ガスを送る配管内のガス
流速は、配管内における塵の付着と堆積を避けるため、
通常エロージョンを起こさない範囲で大きく設定されて
いる。本発明のサイクロンにおいては配管を流れる含塵
ガスの動圧の大部分をディフューザにより静圧に変換し
てサイクロン内の圧力を高め、サイクロンの集塵室に設
けた吸入口からガス通路を経てディフューザの静圧の低
い部分に含塵ガスを吸い込ませることによりガス導入部
またはガス導入部の上流側に集塵室の含塵ガスを還流せ
しめる手段が設けられている。
【0025】より具体的には、サイクロンのガス導入部
またはその上流の配管にディフューザを設け、ディフュ
ーザの入口近傍の静圧の低い部分に吸込み口を設け、吸
込み口と集塵室に設けた吸入口とを連通するガス通路を
設ける。このような還流手段を使用することにより、除
塵する含塵ガス自体の有する動圧を有効利用して、動力
を消費するブロワーなどを備えることなく、集塵室から
の含塵ガスの還流が容易に行える。
【0026】配管内におけるガス流速が充分大きい場合
には、含塵ガスがサイクロンに入る箇所の配管にアール
付けをして拡管するような簡単な構成でディフューザ効
果による差圧を生ぜしめることができる。また、配管中
にオリフィスを設けてオリフィスの部分に流速が大きい
箇所を作り、オリフィスのすぐ下流に吸込み口を設ける
構成としてもオリフィスの下流はディフューザと同じ流
れを有するので、ディフューザ効果による含塵ガスの還
流を行うことができる。
【0027】このような還流手段が設けられたサイクロ
ンを使用すれば、ブローダウンされる含塵ガスの有する
エネルギーをロスすることがなく、プラントの上流と下
流における運転条件の変動にも弾力的に対応して、集塵
室からガス導入部へ、全含塵ガスのサイクロンへの導入
量に対して10%程度の含塵ガスの還流比(ブローダウ
ン比)を容易に確保でき、サイクロン筒の円錐部に塵が
ブリッジングする現象が避けられるので、ブリッジング
した塵が異常燃焼してサイクロンを損傷する恐れがな
く、かつ良好な集塵効率が得られる。
【0028】本発明のサイクロンの好ましい態様では、
サイクロン筒の下端の開口が集塵室内に突出しており、
集塵室から含塵ガスを吸入するガス通路の吸入口がサイ
クロン筒の開口より上方に設けられている。こうするこ
とにより、開口から集塵室に送り出される塵は吸入口に
吸入される含塵ガスに乱されることなく重力によって集
塵室の下方に移動し、吸入口に吸入されてガス導入口に
還流される塵の量は少なくなり、集塵効率をより大きく
できる。
【0029】本発明のサイクロンの他の好ましい態様で
は、複数に分岐したガス導入部と複数のサイクロン筒が
設けられ、複数のサイクロン筒の下端の開口を取り囲む
ように一つの集塵室が配置されているマルチクロンの構
成となっている。マルチクロンでは、サイクロン筒の内
径を小さくすることにより旋回流の直径を小さくし、捕
集限界粒径を小さくして捕集効率を向上せしめている
が、一方ではサイクロン筒の円錐部に塵がブリッジング
しやすい傾向がある。しかし、本発明のサイクロンでは
充分な量のブローダウンが含塵ガスの有するエネルギー
をロスすることなく行え、ブリッジングを完全に防止で
きるので、本発明のサイクロンはマルチクロン構成のサ
イクロンとして好適である。
【0030】本発明のサイクロンの他の好ましい態様で
は、ディフューザがエジェクタの一部分とされている。
すなわち、ディフューザの上流側に絞り管またはエジェ
クタノズルが取り付けられ、ディフューザの入口近傍に
吸込み口が設けられたエジェクタ構成とされていること
によって集塵室からの含塵ガスの吸入能力をより大きく
している。
【0031】一般にサイクロンのガス導入部における流
速は比較的高速に設定されているにもかかわらず、従来
静圧の回復を目的としてサイクロンのガス導入部にディ
フューザが設けられた例は知られていない。このため、
ディフューザを設けていない従来の設計と比べ、たとえ
ディフューザの上流側に絞り管やエジェクタノズルを設
けたエジェクタ構成としても、サイクロンにおけるガス
圧損の増大を高々ガスの還流に要する配管抵抗相当分程
度に抑えることができる。
【0032】本発明のサイクロンの他の好ましい態様で
は、ガス通路を含めたサイクロン系が一つの圧力容器の
内部に設けられている。こうすることにより、加圧ガス
を除塵する目的に使用する場合にも、ガス通路を含むサ
イクロン系を耐圧構造とする必要がなく、さらに高温の
ガスを除塵する場合にも、圧力容器に断熱材を施して置
けば、ガス通路とサイクロンに断熱材を施す必要もなく
なるので、装置全体の構築に要する費用を節減できる。
【0033】本発明のサイクロンの他の好ましい態様で
は、除塵される含塵ガスが高温の加圧ガスである。除塵
される含塵ガスが加圧ガスであることによって集塵室か
ら含塵ガスを抜き出してガス通路からガス導入部に還流
するのに必要なディフューザによる圧力差を容易に得る
ことができ、高温であるために粘性の大きい含塵ガスの
除塵を行うときにも、充分なブローダウンがなされるこ
とによってサイクロン中に乱れた流れが生じることがな
く、安定かつ良好な除塵効率が得られる。
【0034】本発明のサイクロンは、石炭を利用する高
効率でクリーンな今後のエネルギー技術とされている加
圧流動床ボイラーが組み込まれた発電プラントに使用で
き、この発電プラントはボイラーの加圧水蒸気による蒸
気タービンと燃焼ガスにより駆動されるガスタービンを
併用することにより高い発電効率が得られるようになっ
ている。サイクロンは単独で、あるいは他の除塵装置と
組み合わせ、加圧された状態にある燃焼ガスをガスター
ビンの駆動に供するときに有害な燃焼ガス中の塵(ガス
タービンを摩耗して寿命を短くする。)を除く目的に使
用される。
【0035】本発明のサイクロンでは、充分な量の含塵
ガスを還流せしめていることにより未燃焼成分を多量に
含む塵がサイクロン筒にブリッジングすることがないの
で、たとえばボイラーの負荷を増す際などに発生する煤
などの多量の未燃焼成分を含む高温含塵ガスの除塵に使
用でき、ブリッジングした塵中の未燃焼成分が発火する
こともなく、サイクロン筒が熱損傷を受ける心配がな
い。
【0036】石炭ガス化プラントから排出される合成ガ
スは一酸化炭素と水素を主成分とするものであり、その
一部分は有機化学の原料などとして使用されるが、多く
はそのままガスタービン発電機で燃やして発電する目的
に使用されることになる。この合成ガス中には石炭灰な
どが塵として含まれており、そのまま発電に供するとガ
スタービンの羽根を摩耗してしまうので除去する必要が
ある。サイクロンの集塵効率が向上すれば、セラミック
スフィルタによる除塵装置と比べて安価なサイクロンは
この目的にも使用されることになる。
【0037】高炉を使用しない溶融還元炉による鉄鉱の
還元技術は、次世代のエネルギー効率の高い製鉄技術と
して開発が進んでいるが、溶融還元炉から排出される可
燃性ガスは一酸化炭素を多く含むものであり、石炭灰な
どが塵として含まれている。この可燃性ガスはガスター
ビンで燃やして発電に使用されることになるので、塵の
除去は同じ理由により必要であり、本発明のサイクロン
はこの目的に好ましく使用できるものである。
【0038】
【実施例】以下、本発明のサイクロンを実施例の図を参
照して具体的に説明するが、本発明はサイクロンの多く
のバリエーションにも適用できるものであり、これらの
実施例によってなんら限定されるものではない。
【0039】図1は、本発明によるサイクロンの一実施
例を示す縦断面図である。図1において、1はサイクロ
ンであり、2はサイクロン筒、3は内筒、4はサイクロ
ン筒の下端の開口、5はガス導入部、6は集塵室、7は
ディフューザ、8は吸込み口、9はガス通路、10は吸
入口、11はサイクロン筒の外筒、12はサイクロン筒
の円錐部、13は集塵室の下部に設けられた塵の取り出
し口、14は清浄ガス出口、15はエジェクタノズルで
ある。
【0040】この実施例ではディフューザがエジェクタ
の一部分とされており、含塵ガスの動圧を効率良く静圧
に変換して充分な差圧を生成できるとともに、集塵室6
中の含塵ガスをガス通路9を経て効果的にエジェクタの
吸込み口8に吸い込んでガス導入部に還流できるように
なっている。
【0041】たとえば、ディフューザ7の上流の最も絞
られた部分における含塵ガスの流路断面積を0.035
8m2 、含塵ガスの塵を除いた比重量を4kg/m3 、
含塵ガスの流速を90m/秒とし、ディフューザ7の下
流の流路断面積を0.1075m2 とすると、このディ
フューザの上流と下流の間の差圧は約1100mmH2
Oとなる。サイクロン筒2の入口と集塵室6内の圧力差
を500mmH2 Oと仮定すると、その差圧600mm
H2 Oは集塵室6からガス通路9を経てガス導入部5に
10%程度の含塵ガスを還流するのに充分な差圧である
といえる。
【0042】図2は本発明によるサイクロンの他の実施
例を示す縦断面図であり、図1と同じ部分には同じ符号
が付してある。図1と違う点は、複数のサイクロン筒2
が並列に配置されたマルチクロン構成とされ、複数のサ
イクロン筒の下端の開口4が一つのホッパー形状の集塵
室6によって囲まれている点、および内筒3の外周に旋
回流を与える案内羽根16が取り付けられていて、含塵
ガスが軸方向からサイクロン筒2に導入される軸流型と
なっている点である。また、このサイクロン1では複数
のサイクロン筒2が組み込まれていても含塵ガスを還流
するガス通路9は1つで済む。
【0043】図4と図5はいずれも本発明によるサイク
ロンの他の実施例を示す縦断面図であり、図2と同様に
同じ部分には同じ符号が付してある。図4で図2と違う
部分は、ディフューザがガス導入部5の配管に設けられ
たアール部17で代用された簡単な構造となっているこ
とであり、配管中の含塵ガスの流速がかなり大きい場合
にはこのような構成であってもディフューザ効果により
含塵ガスの還流に必要な差圧を得ることができる。
【0044】図5で図4と違う点は、ガス導入部5の配
管中にオリフィス18が設けられてディフューザを構成
している点であり、オリフィス18の部分で含塵ガス流
が絞られ、オリフィス18が図2のノズル15と同じ働
きをし、ディフューザ効果を得ている点である。
【0045】
【発明の効果】本発明のサイクロンでは、導入される含
塵ガスのディフューザ効果により得られる差圧を利用し
て10%程度の大きな還流比の含塵ガスをサイクロンの
集塵室からガス導入部に還流することが可能なので、含
塵ガスを還流するのに特別な動力を必要とせず、含塵ガ
スがガス導入部に還流されることによりブローダウンさ
れる含塵ガスのエネルギーロスがほとんどなく、良好な
集塵効率が得られる。
【0046】したがって、加圧流動床ボイラーによる発
電プラント、石炭直接燃焼装置などの燃焼プロセスや石
炭ガス化プラントなどで生成する高温含塵ガスの除塵に
使用すれば、除塵に伴うエネルギーロスを小さく抑えら
れ、塵の濃度の大きい含塵ガスが導入されても塵がブリ
ッジングする現象がなく、未燃焼成分を多量に含む塵が
導入されてもサイクロン筒が熱損傷を被ることなく安全
に使用でき、これら今後の石炭利用技術の本格的な実用
化時期を早めることができるので、そのエネルギー産業
における利用価値は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサイクロンの一実施例を示す縦断面
図。
【図2】本発明のサイクロンの他の実施例を示す縦断面
図。
【図3】従来の典型的なサイクロンの一例を示す縦断面
図。
【図4】本発明のサイクロンの他の実施例を示す縦断面
図。
【図5】本発明のサイクロンの他の実施例を示す縦断面
図。
【符号の説明】
1:サイクロン 2:サイクロン筒 3:内筒 4:開口 5:ガス導入部 6:集塵室 7:ディフューザ 8:吸込み口 9:ガス通路 10:吸入口 11:外筒 12:円錐部 13:塵の取り出し口 14:清浄ガス出口 15:エジェクタノズル 16:案内羽根 17:アール部 18:オリフィス
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】一般にサイクロン筒内の旋回流を発達させ
ると圧力損失が大きくなり、サイクロンの圧力損失の大
きい方が捕集効率は良いとされ、通常のサイクロンでは
100〜200mmH2 Oの圧力損失、高圧プロセスに
使用されるサイクロンでは500〜3000mmH2
の圧力損失となるように設計される。しかしサイクロン
筒の内径を小さくすると、ブリッジングとよばれるサイ
クロン筒の円錐部の塵による閉塞現象が起きやすくなる
傾向が存在する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】たとえば、ディフューザ7の上流の最も絞
られた部分における含塵ガスの流路断面積を0.035
8m2 、含塵ガスの塵を除いた比重量を4kg/m3
含塵ガスの流速を90m/秒とし、ディフューザ7の下
流の流路断面積を0.1075m2 とすると、このディ
フューザの上流と下流の間の差圧は約1100mmH2
Oとなる。サイクロン筒2の入口と集塵室6内の圧力差
を500mmH2 Oと仮定すると、その差圧600mm
2 Oは集塵室6からガス通路9を経てガス導入部5に
10%程度の含塵ガスを還流するのに充分な差圧である
といえる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下端に開口を有するサイクロン筒と、サイ
    クロン筒の内側に含塵ガスを導入して旋回流を生ぜしめ
    るガス導入部と、外径がサイクロン筒の内径より小さく
    サイクロン筒の軸に沿って配置された清浄ガスの出口と
    なる内筒と、サイクロン筒の下端の開口を取り囲むよう
    に配置され、その下部に塵の取り出し口を有する集塵室
    とからなるサイクロンであって、ガス導入部もしくはガ
    ス導入部の上流側にディフューザが設けられ、ディフュ
    ーザの入口近傍に設けられた吸込み口と集塵室に設けら
    れた吸入口を連通するガス通路が設けられ、集塵室から
    含塵ガスの一部分がガス通路を経てガス導入部に還流す
    るように構成されていることを特徴とするサイクロン。
  2. 【請求項2】請求項1において、サイクロン筒の下端の
    開口が集塵室内に突出しており、集塵室から含塵ガスを
    吸入するガス通路の吸入口がサイクロン筒の下端の開口
    より上方に設けられているサイクロン。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、複数に分岐し
    たガス導入部と複数のサイクロン筒が設けられ、複数の
    サイクロン筒の下端の開口を取り囲む一つの集塵室が配
    置されているサイクロン。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか一つにおいて、デ
    ィフューザがエジェクタの一部分とされているサイクロ
    ン。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか一つにおいて、除
    塵される含塵ガスが高温の加圧ガスであるサイクロン。
  6. 【請求項6】請求項5において、除塵される含塵ガスが
    流動接触分解装置の再生塔から排出される燃焼ガスであ
    るサイクロン。
  7. 【請求項7】請求項5において、除塵される含塵ガスが
    加圧流動床ボイラーの燃焼ガスであるサイクロン。
  8. 【請求項8】請求項5において、除塵される含塵ガスが
    石炭ガス化プラントから排出される合成ガスであるサイ
    クロン。
  9. 【請求項9】請求項5において、除塵される含塵ガスが
    鉄鉱の溶融還元炉から排出される可燃性ガスであるサイ
    クロン。
JP4229299A 1992-08-05 1992-08-05 サイクロン Withdrawn JPH0655102A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4229299A JPH0655102A (ja) 1992-08-05 1992-08-05 サイクロン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4229299A JPH0655102A (ja) 1992-08-05 1992-08-05 サイクロン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0655102A true JPH0655102A (ja) 1994-03-01

Family

ID=16889962

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4229299A Withdrawn JPH0655102A (ja) 1992-08-05 1992-08-05 サイクロン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0655102A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001300351A (ja) * 2000-04-18 2001-10-30 Chisso Corp サイクロン
JP2005262080A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Fukuma Manabu サイクロン装置、この装置に用いられる予備旋回部及びこの装置を備えてなる粉塵除去装置並びに自動車
US6957740B2 (en) * 2000-06-23 2005-10-25 Hosokawa Micron Gmbh Cyclone separator with central built-in element
JP2005324077A (ja) * 2004-05-12 2005-11-24 Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd 粒体輸送分離装置
JP2013002724A (ja) * 2011-06-16 2013-01-07 Jp Steel Plantech Co 廃熱回収設備、廃熱回収方法、および焼結機システム
KR101454777B1 (ko) * 2013-02-22 2014-10-27 삼성중공업 주식회사 유체 분리장치
JP2017189740A (ja) * 2016-04-13 2017-10-19 株式会社カワタ 集塵装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001300351A (ja) * 2000-04-18 2001-10-30 Chisso Corp サイクロン
US6957740B2 (en) * 2000-06-23 2005-10-25 Hosokawa Micron Gmbh Cyclone separator with central built-in element
JP2005262080A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Fukuma Manabu サイクロン装置、この装置に用いられる予備旋回部及びこの装置を備えてなる粉塵除去装置並びに自動車
JP2005324077A (ja) * 2004-05-12 2005-11-24 Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd 粒体輸送分離装置
JP2013002724A (ja) * 2011-06-16 2013-01-07 Jp Steel Plantech Co 廃熱回収設備、廃熱回収方法、および焼結機システム
KR101454777B1 (ko) * 2013-02-22 2014-10-27 삼성중공업 주식회사 유체 분리장치
JP2017189740A (ja) * 2016-04-13 2017-10-19 株式会社カワタ 集塵装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7316564B2 (en) Method and installation for regulating the quantity of circulating solids in a circulating fluidized bed reactor system
US5348568A (en) Filtering method of flue gas of a boiler and a filter apparatus for hot gas
AU730980B2 (en) Coal gasification apparatus and a coal gasification hybrid power generation system
CN113684340B (zh) 一种基于干法除尘的转炉烟气处理和余热回收方法及系统
US8151716B2 (en) Feed injector cooling apparatus and method of assembly
FI89734B (fi) Foerfarande och anordning foer behandling av gaser fraon foergasnings- eller foerbraenningsanlaeggningar
CN102796567B (zh) 一种水煤浆旋风气流床气化炉及其气化方法
JPH0655102A (ja) サイクロン
CN109340743B (zh) 一种细煤粒循环流化床锅炉
JPH06114226A (ja) 高温ガス用脱塵装置
JPH08206543A (ja) 集じん装置
JPH10318A (ja) 高温ガス用除塵装置
CN213396607U (zh) 一种适用于转炉炼钢除尘系统的高温相变式蓄热装置
JP3625817B2 (ja) 複合流動層炉および複合流動層炉の運転方法
JP2000304239A (ja) ボイラ装置
JP2001129338A (ja) 排ガスの集塵装置
JPH05253426A (ja) 高温加圧ガス用除塵装置
JP3625818B2 (ja) 加圧流動層炉
JPH05253422A (ja) 高温加圧ガス用除塵装置
JP4208817B2 (ja) 燃料のガス化による発電方法
CN208437053U (zh) 一种新型旋风分离器
JP2002336626A (ja) 排気ガス処理方法および装置
SU1758338A1 (ru) Топка кип щего сло парогазовых установок
JPS59167608A (ja) 流動層燃焼装置
SU997824A1 (ru) Батарейный циклон-теплообменник

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19991005