JPH0655053A - 粉体処理装置 - Google Patents

粉体処理装置

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JPH0655053A
JPH0655053A JP4211116A JP21111692A JPH0655053A JP H0655053 A JPH0655053 A JP H0655053A JP 4211116 A JP4211116 A JP 4211116A JP 21111692 A JP21111692 A JP 21111692A JP H0655053 A JPH0655053 A JP H0655053A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 組立、分解作業が容易で、製造コストが安
く、従来の循環回路を有するものと遜色のない粉体処理
装置を提供する。 【構成】 本発明は、衝撃室内に、衝撃ピンを周設した
回転盤を配置すると共に、該衝撃ピンの最外周軌道面に
沿い、かつそれに対して一定の空間を置いて衝突リング
を配置した粉体処理装置において、前記衝撃室内の回転
盤の前面に処理すべき粉体の循環空間を設け、該循環空
間が、衝撃ピンの回転軸方向の幅をxとし、該衝撃ピン
が設けられた側の回転盤の側面と、該回転盤の側面に対
向する衝撃室内壁との間に形成される衝撃室の幅をyと
したとき、その比x/yが0.2〜0.8となるように
構成したことを特徴とする粉体処理装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉体の処理装置に関す
る。詳しくは、衝撃式打撃手段を用いて、固体粒子の表
面に他の微小固体粒子を埋設または固着して、あるいは
固体粒子の表面に他の微小固体粒子を膜状に固定化し
て、固体粒子を表面改質処理する装置に関する。さら
に、金属や樹脂等の不定形粒子を球形化処理する装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、固体粒子の固着防止、変色変質防
止、分散性の向上、流動性の改善、触媒効果の向上、消
化・吸収の制御、磁性特性の向上、耐候性の向上等を目
的として、各種の表面改質が行なわれてきた。この中
で、核となる固体粒子(以下、「母粒子」という)の表
面に、この固体粒子よりも小さな他の固体粒子(以下、
「子粒子」という)を、埋設または固着して固体粒子の
表面を改質し、機能性複合粉体材料を得る方法(以下、
単に「固定化処理方法」ということもある)、母粒子の
表面に子粒子を膜状に固定化して固体粒子の表面を改質
し、機能性複合粉体材料を得る方法(同、「成膜化処理
方法」)、さらには金属や樹脂等の不定形の固体粒子を
球形化処理する方法(同、「球形化処理方法」)として
は、高速気流中衝撃法(例えば、特公平3−2009
号、特公平3−76177号、特公平4−3250号)
が有用な方法である。
【0003】図5は、上記の方法を実施するための装置
を、その前後装置と共に系統的に示した概念的な説明図
であり、図6は、図5の装置の側断面図である。同図に
おいて、1はケーシング、2は後カバー、3は前カバ
ー、4はケーシング1の中にあって高速回転する回転
盤、5は回転盤4の外周に所定の間隔を置いて放射状に
周設された複数の衝撃ピンであり、これは一般にハンマ
ー型またはブレード型のものである。6は回転盤4をケ
ーシング1内に回転可能に軸支持する回転軸、7は衝撃
ピン5の最外周軌道面に沿い、かつそれに対して一定の
間隔を置いて周設された衝突リングであり、この衝突リ
ング7は、各種形状の凹凸型または円周平面型のものを
用いる。8は衝突リング7の一部を切り欠いて設けた改
質粉体排出口に密接に嵌合する開閉弁、9は開閉弁の弁
軸、10は弁軸9を介して開閉弁8を操作するアクチュ
エーター、11は循環回路で、該循環回路11は一端が
衝突リング7の内壁の一部に開口し、他端が前カバー3
上の回転盤4の中心部に対向する付近に開口して閉回路
を形成する。12は原料ホッパー、13は原料ホッパー
12と循環回路11とを連結する原料供給用のシュー
ト、14はシュート13の途中に設けられた開閉弁、1
5は原料計量フィーダー、16は原料貯槽用容器であ
る。17は回転盤4の外周と衝突リング7との間に設け
られた衝撃室、18は衝突リング7の内壁の一部に開口
する循環回路11への循環口を各々示す。19は改質粉
体排出管、20はサイクロン、21、23はロータリー
バルブ、22はバッグフィルター、24は排風機、25
は予め母粒子に子粒子を付着させる必要がある場合に使
用する各種ミキサー・自動乳鉢等の公知のプレプロセッ
サーを各々示す。なお、この装置の運転は、時限制御装
置26によって自動回分操作を行なうように設定されて
いる。また、衝突リング7をジャケット構造27にし
て、そこに冷却水を流して、衝撃室17、循環回路11
内の雰囲気温度を一定に制御することもできる。
【0004】上記装置を用いて、例えば母粒子の表面に
子粒子を固定化する場合は、次の要領で操作する。ま
ず、原料供給用のシュート13の途中に設けられた開閉
弁14を閉の状態にし、改質粉体排出口の開閉弁8を閉
鎖した状態にしておき、駆動手段(図示省略)によって
回転軸6を駆動し、例えば外周速度80m/secで回
転盤4を回転させる。この際、衝撃ピン5の回転に伴っ
て、急激な気流の流れが生じ、この気流の遠心力に基づ
くファン効果によって、衝突リング7の内壁の一部に開
口する循環口18から、循環回路11を巡って前カバー
3の中心部の開口部から衝撃室17に戻る気流の循環流
れ、すなわち完全な自己循環の流れが形成される。この
際発生する単位時間当りの循環風量は、衝撃室と循環系
の全容積に較べ著しく多量であるため、短時間の内に莫
大な回数の空気流循環サイクルが形成される。次に開閉
弁14を開き、母粒子と子粒子との混合粉体を、計量フ
ィーダー15により原料ホッパー12に短時間で投入す
ると、この混合粉体は、原料ホッパー12からシュート
13を通り衝撃室17に入る。原料ホッパー12中に混
合粉体が残っていないことを確認した後、開閉弁14を
閉じる。上記混合粉体は、衝撃室17内で高速回転する
回転盤4の多数の衝撃ピン5によって瞬間的に打撃作用
を受け、さらに周囲の衝突リング7に衝突する。そして
前記気流の流れに同伴して、循環回路11を巡って再び
衝撃室17に戻り、再度同様の作用を受ける。このよう
に、同じ作用を繰り返し受けることにより、短時間(数
十秒〜数分間)で均一な固定化処理が行なわれ、母粒子
の表面に子粒子を強固に固定化した複合粒子が得られ
る。
【0005】上記固定化作業が終了した後は、開閉弁1
4を開くと共に、改質粉体排出口の開閉弁8を鎖線で示
す位置に移動させて開き、複合粒子を排出する。この複
合粒子は、それ自身に作用している遠心力と、排風機2
4の吸引力によって短時間(数秒間)で衝撃室17及び
循環回路11から排出され、排出管19を通ってサイク
ロン20及びバッグフィルター22等の粉末捕集装置に
誘導された後捕集される。上記の装置において、前カバ
ー3の衝撃室側の側面と、この側面に相対する衝撃ピン
5の側面との間隔はできるだけ小さくし、衝撃ピン5の
回転によって発生した気流を、速やかに循環口18から
循環回路11を通って衝撃室17内に戻し、この気流と
共に移動する粉体粒子群に、衝撃ピン5の打撃作用を繰
り返し付与する構造になっている。通常この間隔は4m
m程度で、高速回転する装置でこれ以上狭くすることは
機械的に難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記装置はこのように
循環回路11を有していることに特徴がある。しかしな
がら、この循環回路を有しているがために、以下に示す
問題点があった。 衝撃室17内の点検、回転盤4の脱着等の目的で、
前カバー3を頻繁に開閉する必要があるので、この循環
回路11を2分割(あるいはそれ以上に分割)して、ボ
ルト・ナット、あるいはクランプ等で連結する構造にし
ておかなければならない。さらにまた、前カバー3を開
閉する度に、このボルト・ナット、あるいはクランプを
取り外し、取り付けしなければならないので、作業が煩
雑であった。 また、循環回路11は、その一端を衝突リング7の
一部を切り欠いてそこに嵌合し、他端を前カバー3の中
心部付近に連結するパイプ加工等によって形成されるた
め、加工に熟練度と時間とを必要とするので、製造コス
トがかかった。この循環回路をジャケット構造27にす
る場合は、なおさらであった。 さらに、処理物が変わったとき(グレードチェン
ジ)や、循環回路11に処理物などの付着が生じたとき
は、衝撃室17の内部、回転盤4と共に、循環回路の内
部も洗浄する必要があるが、この循環回路は洗浄しにく
い構造であった。一方、上記装置の循環回路を取り外
し、循環口18と前カバー3の開口部とを塞いだ装置
で、上記の方法に準じて固定化処理を行なった場合、粉
体粒子群は衝撃ピン5の最外周軌道面と衝突リング7と
の間を、衝撃ピン5の回転に伴って移動するのみであ
り、衝撃ピン5の打撃作用、衝突リング7への衝突が効
率よく行なわれないので、均一な処理ができない。本発
明はこのような問題点に鑑み、製造コストが安く、組
立、分解、さらには洗浄等の作業がし易い粉体処理装置
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的に沿い、本発明
は衝撃室内に、衝撃ピンを周設した回転盤を配置すると
共に、該衝撃ピンの最外周軌道面に沿い、かつそれに対
して一定の空間を置いて衝突リングを配置した粉体処理
装置において、前記衝撃室内の回転盤の前面に処理すべ
き粉体の循環空間を設け、該循環空間が、衝撃ピンの回
転軸方向の幅をxとし、該衝撃ピンが設けられた側の回
転盤の側面と、該回転盤の側面に対向する衝撃室内壁と
の間に形成される衝撃室の幅をyとしたとき、その比x
/yが0.2〜0.8となるように構成したことを特徴
とする粉体処理装置とすることによって前記課題を解決
した。また、本発明は前記衝撃室内壁と、これに相対す
る衝撃ピンの側面との間の循環空間に、中心部に開口部
を有する仕切板を設けた粉体処理装置とすることによっ
て前記課題を解決した。
【0008】
【作用】本発明は、上記の構造にすることによって、す
なわち、回転盤の前面に上記構成の循環空間を設けるこ
とによって、衝撃ピンの回転によって発生した気流と共
に粉体粒子群が、衝撃室内のこの空間を通って繰り返し
循環して、衝撃ピンの機械的打撃作用、衝突リングへの
衝突により、従来の循環回路を有する粉体処理装置と同
様に、短時間で均一な各種処理ができる上に、従来のよ
うな循環回路がないので、製造コストが安く、組立、分
解、さらには洗浄等の作業がし易い粉体処理装置であ
る。また、上記循環空間に、中心部に開口部を有する仕
切板を設けることによって、気流、及び粉体粒子群の循
環ラインを制御することができるので、すなわち、粉体
粒子群の全量を繰り返し循環させることができるので、
各種処理をより均一に行なうことができる。
【0009】
【実施例】図1は、本発明の粉体処理装置の一例であ
る。同図に基づいて本発明を詳細に説明する。同図にお
いて、101は粉体処理装置のケーシング、102はそ
の後カバー、103はその前カバー、104は高速回転
する回転盤、105は回転盤104の外周に所定の間隔
を置いて放射状に周設された複数の衝撃ピンであり、こ
れは一般にブレード型、ピン型またはハンマー型のもの
である。106は回転盤104を回転可能に軸支持する
回転軸で、回転盤104はこの回転軸106にナット1
07によって固定されている。108は衝撃ピン105
の最外周軌道面に沿い、かつそれに対して一定の間隔を
置いて周設された衝突リングであり、この一定の間隔
は、装置の大きさによっても異なるが、一般的に0.5
〜20mmであることが好ましい。109は前カバー1
03、回転盤104、衝突リング108によって囲まれ
た衝撃室、110は衝突リング108の一部を切り欠い
て設けた処理粉体排出口、111は前カバー103の中
心部付近に開口する粉体粒子の投入口、112は処理粉
体を排出するときに空気を導入するために、前カバー1
03の一部に開口した空気導入口である。113は処理
粉体排出口110に密接に嵌合する開閉弁、114はそ
の弁軸、115は弁軸114を介して開閉弁113を操
作するアクチュエーターである。排出口110には排出
管116を介してバッグコレクター等の粉体捕集器(固
気分離装置)117が連設されている。118は原料ホ
ッパー、119は原料ホッパー118と投入口111と
を連結する原料供給用のシュート、120はシュート1
19の途中に設けられた開閉弁である。また、121は
空気導入口112に密接に嵌合する開閉弁、122はそ
の弁軸、123は弁軸122を介して開閉弁121を操
作するアクチュエーターである。124は投入口111
に内設されたガイドリング、125は前カバー103の
内側に取り付けられたカバープレート(又は単にプレー
トとする)である。この装置において、衝突リング10
8及び前カバー103をジャケット構造126(一部図
示省略)にして、そこに冷却水等を流し、衝撃室109
内の雰囲気温度を一定に制御することもできる。
【0010】この装置において、衝撃ピン105の前カ
バー103側の端面と前カバー103(あるいはカバー
プレート125)の内壁との間に充分な空間を確保した
粉体の循環空間を設ける。この空間の広さは、衝撃ピン
105が設けられた側の回転盤104の側面と、これに
対向する衝撃室内壁すなわち、前カバー103(あるい
はカバープレート125)内壁との間の幅(yとする)
と、衝撃ピン105の回転軸方向の幅(xとする)との
比として定義すると、この比x/yは0.2〜0.8の
範囲のあることが好ましい。一般的にこの比は、衝撃ピ
ン105の回転軸方向の幅とカバープレート125の厚
み、またはこのいずれか一方を変えることによって変化
させることができるが、上で定義した比を0.2以下に
するということは、衝撃ピン105の幅を極端に短くす
ることになるので、この衝撃ピン105の回転によって
発生する気流の量が極端に少なくなり、この気流と共に
循環する粉体粒子群の循環回数が減るので、処理時間が
長くなり、効果的でない。一方、0.8以上にすると、
上記空間が極端に狭くなるので、気流が流れにくくな
り、粉体粒子群は、衝撃ピン105と衝突リング108
との間を、衝撃ピン105の回転に伴って移動するのみ
であるから、衝撃ピン105の打撃作用、衝突リング1
08への衝突が効率よく行なわれないので、均一な処理
ができない。また、衝撃室109の容積が小さくなるの
で、1回当りの処理量が減少してしまう。
【0011】上記装置は、次の要領で操作される。ま
ず、原料供給用のシュートの途中に設けられた開閉弁1
20を閉の状態にすると共に、排出口110の開閉弁1
13及び空気導入口112の開閉弁121を閉鎖した状
態にしておき、駆動手段(図示省略)によって回転軸1
06を駆動し、例えば外周速度80m/secで回転盤
104を回転させる。この際、衝撃ピン105の回転に
伴って、回転盤104の中心から衝突リング108の方
向に急激な気流の流れが生じる。ここで、衝撃ピン10
5と前カバー103との間に充分な空間を保持している
ので、この気流は矢印で示したように、その遠心力及び
圧力差により、すなわち圧縮された気流は衝突リング1
08の内周面に沿って回転しながら前カバー103の方
向に移動し、続いてカバープレート125の内面に沿っ
て回転軸106の方向に移動し、さらにガイドリング1
24に沿って回転盤104の中心部に戻る気流の循環流
れが形成される。ここで回転盤104の外周速度として
は、30〜150m/secの範囲が好ましい。処理物
の物性によって異なるが、30m/sec以下の速度で
は粉体に充分な衝撃力を与えることができず、処理に時
間がかかり効率が悪い。また150m/sec以上の速
度を得ることは機械的に難しい。次に開閉弁120を開
き、母粒子の表面に子粒子を固定化する場合は、この母
粒子と子粒子とから構成される粉体粒子群(混合粉
体)、または予め母粒子の表面に子粒子を付着させた粉
体粒子群(オーダードミクスチャー)を、原料ホッパー
118に短時間に投入すると、この粉体粒子群は原料ホ
ッパー118からシュート119を通り、投入口111
から衝撃室109に入る。原料ホッパー118内に粉体
粒子群が残っていないことを確認した後、開閉弁120
を閉じる。なお、自動回分操作を行なう場合は、予め粉
体粒子群の投入に必要な時間を測定し、時限制御装置
(図示省略)に入力しておく。
【0012】上記粉体粒子群は、衝撃室109内で高速
回転する回転盤104の多数の衝撃ピン105によって
瞬間的に機械的打撃作用を受け、さらに周辺の衝突リン
グ108に衝突する。そして前記気流の流れに同伴し
て、カバープレート125の内面、そしてガイドリング
124に沿って回転盤104の中心部付近に移動して、
再度同様の作用を受ける。このように、同じ作用を繰り
返し受けることにより、短時間(数十秒〜数分間)で、
均一な固定化処理が行なわれ、母粒子の表面に子粒子を
強固に固定化することができる。また、子粒子が低融点
物質の場合は、衝撃室109内で上記の衝撃式打撃作用
を受けた子粒子は、母粒子の表面に強固に固着されなが
ら、または固着された後、上記の作用を受けた瞬時のみ
子粒子が溶融して、母粒子の表面に膜状に固定化され
る。さらに、金属や樹脂等の不定形の固体粒子を球形化
処理する場合は、上記の作用を受けることによって、こ
の不定形固体粒子の形状は球状、少なくとも丸みをもっ
た形状に改善される。上記固定化処理が終了した後は、
排出口110の開閉弁113を開くと共に、空気導入口
112の開閉弁113を開いて複合粒子を排出する。こ
の複合粒子は、それ自身に作用している遠心力と、空気
導入口112から吸引されて、衝撃室109を通り、排
出口110から排出される気流の流れとによって、極め
て短時間(数秒間)で衝撃室109から排出され、排出
管116を通ってバックコレクター等の粉体捕集器11
7で捕集される。なお、長時間連続して自動回分処理を
行なう場合等は、排出管116にサイクロン、バッグフ
ィルター(共に図示省略)等の粉末捕集装置を連設すれ
ばよい。
【0013】図2は、本発明の粉体処理装置の他の一例
で、図3は図2のX−X断面図である。同図に基づいて
本発明の他の一例を説明するが、前記の装置と同一の部
材においては、同一符号を付けて、説明を省略する。同
図において、127は中心部に開口部128を有する仕
切板であり、この仕切板127は、複数の連結部材12
9が半径方向に所定の間隔を置いて植設されており、こ
の連結部材129によって前カバー103に取り付けら
れている。この仕切板127と前カバー103(カバー
プレート125)とによって囲まれた空間130が、衝
撃ピン105の回転によって発生した気流を再び回転盤
104の中心部に誘導・循環させるための循環回路とな
る。仕切板127の開口部128の直径は、原料投入口
111の直径(ガイドリング124の外径)よりも大き
く、衝撃ピン105の最内周軌道面の直径よりも小さい
ことが好ましい。一方、仕切板127の外径は、上記衝
撃ピン105の最内周軌道面の直径より大きく、処理装
置の大きさによっても異なるが、衝突リング108との
間に少なくとも約0.5mm以上の空間を有することが
好ましい。また、仕切板127の側面とこれに相対する
衝撃ピン105の側面との距離は、できるだけ短いこと
が好ましい。また、この距離は、連結部材129を構成
しているボルトの長さを調整することにより、容易に変
更することができる。さらに、上記仕切板127の外
径、その開口部128の直径、衝撃ピン105の側面と
の距離、及び仕切板127とカバープレート125との
距離は、処理物の物性、処理の目的によって調整する。
この仕切板127は、循環空間にあって、衝撃ピン10
5の回転によって発生した気流、及びこの気流と共に循
環する粉体粒子群の循環ラインを規制するためのもの
で、各回分処理において、粉体粒子群の全量を均一に処
理したい場合は、この仕切板127を設けることが望ま
しい。
【0014】この装置も、前記装置と同様の要領で操作
され、例えば外周速度80m/secで回転盤104を
回転させると、衝撃ピン105の回転に伴って、回転盤
104の中心から衝突リング108の方向に急激な気流
の流れが生じる。この気流は矢印で示したように、その
遠心力及び圧力差により、すなわち圧縮された気流は衝
突リング108の内周面に沿って回転しながら前カバー
103の方向に移動し、衝突リング108と仕切板12
7との間隙から循環回路130に入り、続いてカバープ
レート125の内面に沿って回転軸106の方向に移動
し、開口部128を通って再び回転盤104の中心部に
戻る、気流の循環流れが形成される。また、図4
(a),(b)に示したように、カバープレート125
の衝突リング108に接する外周部と、ガイドリング1
24と接するその中心部、またはそのいずれか一方に、
回転盤106の方向に突出させ、各々R状、またはある
角度を保たせてコーナー部の隅肉となる突出部131、
132を形成することにより、気流及び粉体粒子群の流
れがスムーズになり、カバープレート125と衝突リン
グ108、またはガイドリング124とのコーナー部
に、粉体粒子群が停滞するのを防止することができる。
【0015】〔具体例1〕図2と図3に示す粉体処理装
置を用いて、固定化処理を行なった具体例について説明
する。回転盤に8枚のブレード型衝撃ピンを周設した粉
体処理装置を用いた。この装置において、衝撃ピンの最
外周軌道面の外径は230mm、この軌道面と衝突リン
グとの間隔は5mm、衝撃ピンの回転軸方向の幅は20
mm、衝撃室の幅は47mm、仕切板とカバープレート
との距離は20mm、仕切板とこれに相対する衝撃ピン
の側面との距離は4mmであった。平均粒子径5μmの
ナイロン12球形粒子(母粒子)の表面に、平均粒子径
0.3μmの二酸化チタン微粒子(子粒子)を、予めミ
キサーで付着させたオーダードミクスチャー100g
(ナイロン12:70g、二酸化チタン:30g)を、
前記粉体処理装置に投入し、衝撃ピンの外周速度80m
/sec、処理時間5minの条件で固定化処理を行な
い、複合粒子を得た。走査形電子顕微鏡(以下、「SE
M」という)で上記複合粒子を観察したところ、ナイロ
ン12球形粒子の全表面に、二酸化チタン微粒子が均一
かつ強固に固定化されていた。
【0016】〔具体例2〕次に、成膜化処理を行なった
具体例について説明する。使用した装置は、上記具体例
1と同じ装置である。平均粒子径17μmのポリフチレ
ン球形粒子(母粒子)の表面に、平均粒子径0.4μm
のPMMA(ポリメチルメタアクリレート)微粒子(子
粒子)を、予めミキサーで付着させたオーダードミクス
チャー130g(ポリスチレン:115g、PMMA:
15g)を、前記粉体処理装置に投入し、衝撃ピンの外
周速度100m/sec、処理時間5minの条件で成
膜化処理を行い、複合粒子を得た。SEMで上記複合粒
子を観察したところ、ポリスチレン球形粒子の全表面
に、PMMAが膜状に固定化されていた。
【0017】〔具体例3〕次に、図1に示す粉体処理装
置を用いて、球形化処理を行なった具体例について説明
する。回転盤に8枚のブレード型衝撃ピンを周設した粉
体処理装置を用いた。この装置において、衝撃ピンの最
外周軌道面の外径は230mm、この軌道面と衝突リン
グとの間隔は5mm、衝撃ピンの回転軸方向の幅は20
mm、衝撃室の幅は42mm、カバープレートとこれに
相対する衝撃ピンの側面との距離は22mmである。前
記粉体処理装置に、平均粒子径150μmの不定形ステ
ンレス粒子(SUS304、水アトマイズ粉)170g
を投入し、衝撃ピンの外周速度80m/sec、処理時
間3minの条件で、球形化処理を行なった。SEMで
上記処理粒子を観察したところ、一様に丸みをもった球
形粒子であった。
【0018】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、衝撃ピンの
回転軸方向の幅を、該衝撃ピンが設けられた側の回転盤
の側面と、これに相対する衝撃室内壁との間に形成され
る衝撃室の幅に対して、0.2〜0.8の範囲となるよ
うな循環空間を設けてなる本発明の粉体処理装置は、従
来の循環回路を有する粉体処理装置と遜色ない処理がで
きる上に、組立、分解作業を容易に行なうことができ
た。また、本願発明の粉体処理装置は、製造コストが安
く、洗浄等の作業も容易に行なうことができた。さら
に、衝撃室内の循環空間に仕切板を設けてなる粉体処理
装置により、各回分処理において、粉体粒子群の全量を
均一に処理することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粉体処理装置の一実施例を、その後処
理装置と共に示した要部断面図である。
【図2】本願の粉体処理装置の他の一実施例を、その後
処理装置と共に示した要部断面図である。
【図3】図2の装置のX−X断面図である。
【図4】同図(a)はカバープレートの形状の一例を、
同図(b)は他の例を示した衝撃室の要部拡大断面図で
ある。
【図5】従来技術の装置を、その前後装置と共に系統的
に示した概念的な説明図である。
【図6】図5の装置の側断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 後カバー 3 前カバー 4 回転盤 5 衝撃ピン 6 回転軸 7 衝突リング 8 開閉弁 9 弁軸 10 アクチュエーター 11 循環回路 12 原料ホッパー 13 原料供給用のシュート 14 開閉弁 15 原料計量フィーダー 16 原料貯槽用容器 17 衝撃室 18 循環口 19 改質粉体排出管 20 サイクロン 21 ロータリーバルブ 22 バックフィルター 23 ロータリーバルブ 24 排風機 25 プレプロセッサー 26 時限制御装置 27 ジャケット 101 ケーシング 102 後カバー 103 前カバー 104 回転盤 105 衝撃ピン 106 回転軸 107 ナット 108 衝突リング 109 衝撃室 110 排出口 111 投入口 112 空気導入口 113 開閉弁 114 弁軸 115 アクチュエーター 116 排出管 117 粉体捕集器 118 原料ホッパー 119 原料供給用のシュート 120 開閉弁 121 開閉弁 122 弁軸 123 アクチュエーター 124 ガイドリング 125 カバープレート 126 ジャケット 127 仕切板 128 開口部 129 連結部材 130 循環回路 131 突出部 132 突出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 3/12 CFG Z 9268−4F

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 衝撃室内に、衝撃ピンを周設した回転盤
    を配置すると共に、該衝撃ピンの最外周軌道面に沿い、
    かつそれに対して一定の空間を置いて衝突リングを配置
    した粉体処理装置において、前記衝撃室内の回転盤の前
    面に処理すべき粉体の循環空間を設け、該循環空間が、
    衝撃ピンの回転軸方向の幅をxとし、該衝撃ピンが設け
    られた側の回転盤の側面と、該回転盤の側面に対向する
    衝撃室内壁との間に形成される衝撃室の幅をyとしたと
    き、その比x/yが0.2〜0.8となるように構成し
    たことを特徴とする粉体処理装置。
  2. 【請求項2】 前記衝撃室内壁と、これに相対する衝撃
    ピンの側面との間の循環空間に、中心部に開口部を有す
    る仕切板を設けたことを特徴とする請求項1記載の粉体
    処理装置。
  3. 【請求項3】 前記衝撃室内壁に厚さの異なるプレート
    を張設することによって前記衝撃室の幅yを変更するこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の粉体処理装置。
  4. 【請求項4】 前記衝撃ピンが設けられた側の回転盤の
    側面に対向する衝撃室内壁が、ケーシングに着脱可能に
    設けた前カバーであることを特徴とする請求項1〜3記
    載の粉体処理装置。
  5. 【請求項5】 前記衝撃室内壁に設ける前記プレート
    が、衝撃室内に設けた衝突リングに接する端部と、粉体
    の投入口を形成するガイドリンクに接する端部とに、ま
    たはそのいずれか一方の端部に、粉体の流れを円滑にす
    る突出部を形成してあることを特徴とする請求項3記載
    の粉体処理装置。
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