JPH0654655A - 乾燥洗い米及びその製造方法 - Google Patents

乾燥洗い米及びその製造方法

Info

Publication number
JPH0654655A
JPH0654655A JP4229474A JP22947492A JPH0654655A JP H0654655 A JPH0654655 A JP H0654655A JP 4229474 A JP4229474 A JP 4229474A JP 22947492 A JP22947492 A JP 22947492A JP H0654655 A JPH0654655 A JP H0654655A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rice
water
washed
water content
washing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4229474A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2651976B2 (ja
Inventor
Keiji Saiga
慶二 雑賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Rice Cleaning Machines Co Ltd
Toyo Seimaiki Seisakusho KK
Original Assignee
Toyo Rice Cleaning Machines Co Ltd
Toyo Seimaiki Seisakusho KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Rice Cleaning Machines Co Ltd, Toyo Seimaiki Seisakusho KK filed Critical Toyo Rice Cleaning Machines Co Ltd
Priority to JP4229474A priority Critical patent/JP2651976B2/ja
Publication of JPH0654655A publication Critical patent/JPH0654655A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2651976B2 publication Critical patent/JP2651976B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cereal-Derived Products (AREA)
  • Adjustment And Processing Of Grains (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 炊飯に際し、洗米及び「かし置き」が不要
で、米粒に亀裂がなく、保存性に富み、すぐ炊きしても
外柔内剛の米飯とならない美味な乾燥洗い米のと、その
製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 精白米において、水に入れて撹拌しても殆ん
ど濁らない程度に洗滌、除糠、除水され、然も、米粒に
亀裂がなく且つ炊飯の際「かし置き」の必要がなく、含
水率が16%以上19%を超えないことを特徴とする乾
燥洗い米。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、洗米及び「かし置
き」を不要又はほとんど不要とし、水を入れるだけで直
ちに炊飯可能な含水率の高い乾燥洗い米とその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】米は消費者に於いて炊飯の都度、何度も
水を入れ替えて洗っている。これは煩わしいし、炊飯に
時間もかかる。また、とぎ汁による河川汚染の防止の点
からも、出来れば消費者に渡るまでに洗米処理をしてお
くのが望ましい。又煩わしい「かし置き」の不要なもの
が望ましい。しかしながら、一度洗った後、乾燥させた
米で、水を加えて炊いた後もおいしく食べられ然も「か
し置き」不要な含水率の高い乾燥洗い米は今まで製造さ
れなかった。洗米を乾燥する際の問題点は腐敗と米の砕
粒化である。即ち、米を洗った場合、その間に吸水して
含水率が高くなり、そのままでは腐敗したり、カビが生
えたりしてしまうし、それを避ける為に乾燥させると、
米にまず亀裂が入り、更に砕粒化してしまうので、それ
を炊いてもダラダラの飯になり到底飯として通用しない
ものになってしまうのである。従って、精白米は一旦水
に漬けたら、これを乾燥すると必ず亀裂が入り、その内
に砕粒化してしまうので、本発明者の乾燥洗い米が世に
出るまでの乾燥洗い米は炊いて食しても到底食べられる
ものではなく、炊飯には適さなかった。それらの乾燥洗
い米としては、例えば、精米した米を洗い水切りをし自
然乾燥または加熱乾燥したもの(特開昭57−1412
57号公報)、精米した米を洗い、冷風または常温の送
風により乾燥したもの(特開昭61−11585号公
報)、白米を水洗、水切りした後、水分を15%〜16
%に調整したもの(特公昭51−22063号公報)な
どが知られている。また、乾燥洗い米と同じく研がずに
炊ける米(無洗米)としては、従来より水洗い以外の方
法で調製したものが知られている。代表的なものは精白
米に微量の水分を添加しながら研米を行い除糠して得ら
れた研磨米と、精白米をアルコ−ルで洗い乾燥してアル
コ−ルを除いた無洗米(特開昭60−54650号公
報)である。前者は米を水の中へ漬けて洗ったものでは
ないから、米肌の肉眼では見えない、無数で微細な陥没
部に入り込んでいるミクロン単位の糠粉や、小さな洞穴
状の胚芽の抜け跡に入り込んでいる糠粉群などは除去さ
れずに残っている。研磨米の洗滌水の濁度数値(社団法
人 日本精米工業会の測定方式による洗米時に於ける洗
滌水の濁度数値。本明細書記載の濁度は全て同じ。)は
100P.P.M前後にしかならず、従って炊飯時に際し
て、普通の精白米が10回の洗米すすぎが必要なところ
を5回ですむという程度にしかならないから、研磨米は
洗米が不要と云うものではない。また、後者は、アルコ
−ルを完全に除かねばならない上に炊いた米飯の食味も
極めて落ちるという問題があった。従ってそれらの洗い
米または無洗米は非実用的でしかなかった。そこで出願
人は先に消費者が炊飯の際、とぎ洗いをしなくともよい
「乾燥洗い米とその製造方法」を特願平1−62648
をもって提供しているが(「乾燥洗い米」については平
成4年6月12日分割出願とした。)、当該発明は精白
米の洗滌、除糠、除水を数分間という短時間内で行い含
水率がほぼ16%を超えることなく、且つ米粒に亀裂の
ない乾燥洗い米とその製造方法に関するものである。前
記の発明は消費者にとって炊飯時に研ぎ洗いしなくとも
よいという大いに便利な乾燥洗い米であるが、然しなが
ら、より美味な飯を能率的に炊飯するためには、従来の
精白米と同様に、炊飯加熱の前に「かし置き」の要があ
ると云う点が未解決である。即ち、この乾燥洗い米は、
含水率が16%以下であるから、これを炊飯の際、水を
加え、いきなり釜を加熱したのでは、やや硬めのご飯と
なる。又、水を多めにしても、飯粒がやや外柔内剛とな
り、食味上よろしくない。尤も、これまでの洗米が必要
である米に比べ、含水率がいくらか高くなっているから
「かし置き」の必要性は少なくなっているものの、やは
り「かし置き」が必要である。特に、業務用の釜や、家
庭用でも旧式の釜の場合は必要である。そこで炊飯に際
しては釜を加熱するまでに従来の米では約1時間、出願
人が先に提供した乾燥洗い米でも約10分間は、水に米
を浸漬した方がより美味な飯となる。それがいわゆる飯
をより美味に炊くための「かし置き」と称されるもので
あるが、多忙な主婦や業務店ではその時間が惜しく、い
わゆる「すぐ炊き米」のニ−ズが高いわけである。この
消費者のニ−ズに応える実用的な乾燥洗い米はいまだ提
供されていない。それは従前の精白米は水分16%以上
になるとそのままでは経時により必ずカビが生えたり腐
敗したりするからである。従ってその対策に真空包装や
無酸素包装、或いは高温処理密封包装などが行われる
が、それでも保存性に問題があり、又コストが高くな
り、食味もよくないと云う問題点があったからである。
従来より知られている炊飯時に洗滌しないで炊ける洗い
米の製造方法は以上の通りであるが、精白米の洗滌、除
糠、除水後の含水率が従来のそれよりも高く、低コスト
で然も保存性にすぐれ、「かし置き」の必要がないとい
う洗い米の製造方法はいまだ知られていないのが現状で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】生の米で、然も洗米の
要らない米の製造は、炊飯時の煩雑さをなくすると同時
に汚濁水の防止にも寄与することから、「乾燥洗い米」
が消費者より要望されて久しい。そして、洗わなくても
炊ける乾燥洗い米の製造法の開発が従来より試みられて
いたが、炊いた米飯の食味は好ましいものでなかった。
有史以来未解決のその問題は本発明者の特願平1-62
648によって解決された。然しいまだ「かし置き」の
点が未解決であった。従って本発明はこのような点に鑑
み、水洗、乾燥後も米粒に亀裂が入らずしかも、消費者
が洗米もせず、全く、又はほとんどかし置きもせず、釜
に米と水を入れ、すぐにスイッチを入れ炊飯しても、従
来の米で、従来の方法で炊き上げたものよりおいしいご
飯となり、然も炊飯前のなま米の状態では特別な密封包
装を必要とせず、開封して、そのまま室内に放置してい
てもカビの発生や腐敗をしない、日もちのする乾燥洗い
米及びその製造方法をここに開示することとする。
【0004】
【課題を解決する為の手段】本発明は、通常の含水率を
有する玄米又は精白米をあらかじめ、含水率を調質し、
玄米においては精白加工し、いずれの場合でも15%以
上19%を越えない高含水精白米とした上で水中で撹
拌、洗滌、除糠を行い、次いで洗滌水及び米粒表面水の
除水工程を経て、米粒が水に触れてから除水完了までの
時間を11分以下となし、且つ、水に漬ける前の含水率
より、0%以上2%を越えることのない含水率で、米粒
の平均含水率が除水した時点で16%以上19%を超え
ない乾燥洗い米とする方法、又は、通常の含水率の精白
米を水中で撹拌し、洗滌、除糠に次いで除水する工程を
経て、その間の時間を数分以下とし、除水された米粒の
含水率が16%以下とした乾燥洗い米を、更に調質によ
り含水率16%以上19%を超えない乾燥洗い米とする
手段、或は、含水率が14%以上17%以下の各高含水
率の玄米を無調質で精白し、当該精白米を撹拌、洗滌、
除糠を行い、次いで洗滌水及び米粒表面の除水工程を経
て、その間の時間を11分以下となし、然も米粒の平均
含水率が除水した時点で、水に漬ける前の精白米の含水
率より0%以上最大でも2%を超えることのない平均含
水率で、且つ16%以上19%を超えない乾燥洗い米と
する。然もこの三つの方法共に洗滌と除糠は炊飯時水に
入れて撹拌しても、ほとんど濁らない程度に残存糠が除
糠され、除水後の米粒には亀裂がなく、且つ、含水率が
16%以上19%を超えることがなく、更に炊飯の際
「かし置き」の必要がないか、又はほとんど必要がな
く、室内に放置されていても、日もちのする乾燥洗い米
となる。
【0005】
【発明の作用】国の法令により、昭和63年までは、米
(玄米)の水分は1部の地域を除き15%以下とされてい
たので、もしも15%を越えていれば検査が通らなくな
ることから、農家では安全率をみて、含水率14%以下
に乾燥するのが一般的である。その上、保管又は流通時
に水分放散もあるから、実際に流通している玄米水分は
ほとんど13%〜14%以下になっていた。尤も14%
を越えるものもあるが極めて少なく、それも14.5%
を越えるものは先ずみられないところであった。その
上、それら玄米を精米加工をすると、その間に摩擦熱で
水分が発散し、低水分のものは調質により水分アップし
ても精白米になった時点では総て含水率14%を越える
ことはなかったのである。そして平成元年産米より国の
法令により玄米水分の上限が1%アップされ16%以下
に変更されたが、それでも上記事情により、実際に流通
している玄米水分はほとんど15%以下になっており、
それら玄米を実際に精白米に仕上げると、水分が14%
〜14.5%となり、15%を越えるものは見られない
ところである。本発明の乾燥洗い米はこれらの米を原料
として用いるのであるが、その製法は、あらかじめ玄
米、又は白米を調質によって含水率をアップし、玄米は
精白し、いずれの場合も、精白米となった状態で水分を
14%以上19%を超えない含水率に高めた上、これら
の精白米を水で高速に撹拌する洗米行程で洗滌、除糠
し、次に洗滌水及び米粒表面の付着水を除水する行程で
除水する。そして除水した時の平均含水率は16%以上
19%を超えないものとし、又、精白米が水洗の為、水
に触れた時から含水率16%以上19%を超えないもの
に除水されるまでの時間を11分以下とするものであ
る。そうすることにより本発明である乾燥洗い米が得ら
れる。又、別の製法として、出願人が先に提供してあ
る特願平1−62648の乾燥洗い米の製法に従い、通
常の含水率(一般的に14%〜14.5%が多い)の精白
米を水中で撹拌し、洗滌、除糠し、次いで除水する工程
を経て、その間の時間を数分以下とし、除水された米粒
の平均含水率を16%以下とした乾燥洗い米を得た後、
これを更に調質により含水率を16%以上19%を超え
ないものとするのである。又、の方法として、今後法
令の改正や無検査による通常含水率以上(14.5%以
上17%以下)の高含水玄米が流通する可能性もある。
このような高含水米においても、乾燥洗い米を製造する
ことができるが、その場合は当該玄米をそのまま精白
し、これを洗滌、除糠、除水の工程を11分以内とし、
除水した時点で、米粒の平均含水率を16%以上19%
を超えないよう除水して乾燥洗い米とする。付け加える
に、いずれの場合でも洗滌前の精白米の含水率よ
り0%以上2%を越えることのない範囲で16%以上1
9%以下の平均含水率を有する乾燥洗い米にすることで
ある。そしてその洗滌から除水完了までのト−タル時間
を11分以内とするのであるが、洗滌前の米の水分が低
くなるほど、又洗滌水温が高くなるほど、又米肌に傷が
あるほどその時間を短かくする必要がある。例えば含水
率15.5%の精白米を水温30℃で洗滌する場合はそ
のト−タル時間は90秒以内にしないと米粒に亀裂が入
ってしまう(表1、表2参照)。なお、「平均含水率」
とは米粒の表面部と内部と異なる含水率であってもそれ
を平均した含水率のことを指すのであり、そして含水率
の測定手段は、一般的に行われている乾燥法によるもの
である。又「調質」とは米の含水率を時間をかけて除々
にアップすることであるが、玄米、又は、精白米或は乾
燥洗い米の状態で調質によって水分アップしても米粒に
亀裂は生じない。なお、上記の加工方式の洗滌、
除糠、除水の手段は、本出願人が先に出願提供してある
特開平2−242697と同様である。又平均含水率の
調整、即ち除水度合の加減は公知の例えば通風乾燥機の
通風量や、湿度、温度を変えることにより行うことがで
きる。 以上3つの製法を示したが、いずれの方法でも
重要なことは、本発明の方法の基本的原理は、米粒内部
と表層の深部には極端な水分差を設けず、極端な水分差
が発生する部分は米粒の表面部だけとすること、即ち、
米粒を洗滌水に漬けた時から、除水が完了するまでの時
間を短時間にすることにより、洗滌水によって1時的に
含水率が極めて高くなるのは米粒の表面部だけとしてい
ること、いいかえると、表面部に存在する水分がそれよ
り中の表層深部に移行しない内に洗滌、除糠及び除水し
てしまうのである。その為には、洗米(洗滌及び除糠)
から除水完了までのト−タル時間を11分以下と制限
し、更に除水度においても、除水直後の米粒の平均含水
率を16%以上19%以下と制限しているのである。そ
してその除水度の巾内においても制限がないわけではな
く、除水度(乾燥度)は洗滌前含水率より少し上のとこ
ろが望ましいのである。何となれば、その部分(表層
部)は1時的に極めて高含水率になっているわけである
から、それを元の含水率以下になるまで乾燥させると収
縮が大きいからである。さりとてその部分に多くの水分
を残しておくと表層深部に水分が移行し、それが乾燥す
る際その部分と内部との間に大きなひずみが生じ、亀裂
が発生してしまうから、米粒表面の付着水を多く残さな
いようにすべきである。従って洗滌前の含水率より僅か
に上の平均含水率となるのが望ましく、例えば洗滌前の
水分が15%であったものを除水後の水分を19%に仕
上げるようなことは禁物なのである。反対に洗滌前の水
分が19%であったものを除水後の水分を16%に仕上
げるようなことも禁物なのである。前者の場合は水分を
高めるとしても、せいぜい16.5%ぐらい、後者の場
合は水分を低めるとしても19%に仕上げるのが望まし
い。要するに本発明の製造方法を実施する場合は洗滌前
の含水率より0.3%〜1.3%アップの平均含水率に仕
上げるのが最良の方法であり、0%〜2%のアップが限
界である。このようにして仕上げた16%以上19%を
超えない平均含水率の乾燥洗い米は、濁度は60P.P.
M以下で、水に入れて撹拌しても殆んど濁らないので洗
米が不要であると共に、炊飯時のかし置きも不要又は殆
んど不要であり、然も亀裂が発生しないのである。そし
て本発明に係る乾燥洗い米は保存性に富み容易に発カビ
したり腐敗したりしない。従来の精白米を高含水化した
だけでは、短時間に発カビや腐敗が生じる。それは従来
より穀物は含水率が16%を越えると確実にカビが発生
するとされて居り、又、現実にその通りで16%を0.
1%でもオ−バ−すると短期間に異臭やカビが発生し
た。従って通常の環境で保存に耐えるには含水率を16
%以下にすることが必須要件として一般に行われてきた
のである。これは発カビや、腐敗の原因は、米粒の胚乳
におこるよりも、胚乳表面に存在する糠分に生じやすい
こと、しかもその糠分除去のしかたを知らなかったから
である。然るに本発明における乾燥洗い米はその糠分が
除去されているので、そのままむき出しで、室内に保管
していても、カビの発生や、腐敗が防止され日もちする
のである。尤も日もちがすると云っても、夏期と冬季に
よって相当な差があることは否なめないし、含水率が1
6%以上〜19%を超えない巾内では低水分のもの程、
日もちがするのは当然である。しかし、食味上の口当た
りを重視する時は、高水分の方がよく、従って季節や、
消費者個々の、購買した乾燥洗い米の消費の遅速或は嗜
好等を勘案して、16%以上19%を超えない巾内で、
それぞれ適当な複数種の含水率を選んだ商品作りをする
ことが必要であり又且つ可能である。尚、本発明の乾燥
洗い米は風光の当らぬ室内であれば、問題ないが、太陽
の直射、又は反射光や強風に当ると亀裂が発生すること
もあるので、本発明の乾燥洗い米は製造工程を経た後は
直ちに包装するのが望ましい。そして、その包装材は、
通気性のものでもよい。又、更に水分19%に近い高含
水乾燥洗い米を一層日もちを長くする必要がある時は、
ポリエチレン製などの通気性又は非通気性の袋に密封の
上、60℃〜70℃の湯に数分間漬けるとよい。又、調
質する時期が夏季の場合は、米粒が発酵しないよう冷却
しながら行うとよい。尚、本発明の乾燥洗い米の含水率
を16%以上19%を超えないものとしているのは、1
9%より水分が上がると、日もちが悪く、実用性がなく
なるし、逆に16%以下になると、炊飯の際「かし置
き」が必要となるからである。
【0006】
【実施例1】精米機より排出された水分14.8%の精
白米(品種日本晴)を、白米調質によって15.5%に
水分をアップし、それを毎分600回転の連続式洗米機
によって水温20℃の水中で撹拌洗米し、直ちに洗滌水
と共に排出した米粒群を遠心脱水及び通風乾燥機によっ
て除水した。そして精白米が洗米機の水に触れた時か
ら、洗米機より排出されるまでの時間は約15秒、除水
に要した時間は約45秒、ト−タルで60秒であった。
除水直後の含水率は16.2%であった。又、濁度は1
5P.P.Mであった。それを室温30℃湿度80%のと
ころで40日保管したが、何ら異常なく無洗直ぐ炊きで
炊飯しても従来の米をすぐ炊きしたものに比べておいし
いご飯になった。
【0007】
【実施例2】水分15%の玄米(日本晴)を8℃の環境
下で玄米調質により18.8%に水分アップをし、それ
を抵抗を少なくした精白室機構の精米機により精白米に
すると水分は18.1%となった。それを従前より使用
されている通常のバッチ式の洗米機によって水温10℃
の水中で撹拌洗米した後、ザルで洗滌水と共に排出した
米粒群を水切りした後、通風乾燥機によって除水させ
た。洗米に2分、水切りに2分、通風乾燥に4分、計8
分であった。除水直後の平均含水率は18.9%であっ
た。又、濁度は17P.P.Mであった。それを室温22
℃湿度80%で保管したがまる13日間は異常がなかっ
た。保存期間の短い外食産業などには充分利用出来る日
数である。この米を無洗直ぐ炊きで炊飯したが、特に口
当りのソフトなおいしいご飯になった。尚、本実施例の
場合は洗滌前の精白米水分が高いので、米の吸水能力が
低く、従って8分間かかっても米粒に亀裂が入らなかっ
た。
【0008】
【実施例3】精米機より排出された水分14.8%の精
白米(昭和63年産あきたこまち)を毎分1800回の
連続式洗米機によって水温25℃の水中で撹拌洗米し、
直ちに洗滌水と共に排出した米粒群を遠心脱水兼通風乾
燥機によって除水させた。そして精白米が洗米機の水に
触れた時から、除水に要した時間は約5秒であった。除
水直後の平均含水率は15.2%であった。又その濁度
は60P.P.Mであり、亀裂もなかった。これを更に調
質により17.2%に水分アップした。そして室温22
℃湿度80%のところで40日保管したが何ら異常がな
く、無洗直ぐ炊きで炊飯したがソフトでおいしいご飯と
なった。
【0009】
【実施例4】水分15%の玄米(日本晴)を通常に精米
加工すると、風損により含水率は14.5%となった。
それを直ちに毎分800回転の連続式洗米機によって、
水温30℃の水中で撹拌、洗米し、直ちに洗滌水と共に
排出した米粒群を遠心脱水及び通風乾燥機によって洗滌
水及び付着水を除水させた。そして精白米が洗米機の水
に触れた時から、洗米機より排出されるまでの時間は約
15秒、除水に要した時間約45秒、ト−タルで60秒
であった。除水直後の平均含水率は、16.2%であっ
た。そして濁度は14P.P.Mであった。又亀裂も入っ
ていなかった。それを室温30℃、湿度80%のところ
40日保管したが、何ら異常なく加水量をやや多くして
無洗直ぐ炊きで炊飯したが、おいしい部類のご飯になっ
た。これを5分間「かし置き」して炊くと一層おいしか
った。従って、この程度の含水率ではほとんど「かし置
き不要」と云える米である。
【0010】
【実施例5】原料は昭和63年産、あきたこまちを用い
た。この原料玄米は、別に調質したわけではないが、湿
度の高い低部に保管してあったためか、入荷した時に、
すでに水分16.2%の高含水米であった。それを無調
質で精米機で通常に精米加工をした。但し、当日は雨が
降り、湿度が高かったせいか風損が少なく、含水率1
5.9%の精白米が得られた。精米機から排出された、
その精白米を直ちに毎分800回転の連続式洗米機によ
って、水温30℃の水中で撹拌洗米し、直ちに洗滌水と
共に排出した米粒群を、遠心脱水及び通風乾燥によっ
て、洗滌水及び付着水を除水させた。そして、精白米が
洗米機の水に触れた時から、除水完了までのト−タル時
間は65秒であった。除水直後の含水率は17.5%で
あった。又米粒に亀裂がなく、濁度は45P.P.Mであ
った。それを室温22℃、湿度80%のところで30日
間保管したが、何ら異常なく、無洗直ぐ炊きで炊飯した
が、ソフトでおいしいご飯となった。なお、その他の実
施例における水温と、洗米及び除水のト−タル時間と、
乾燥洗い米の仕上り具合は次の表1、2に示す通りであ
り、又、室温と保管日数による異臭やカビの発生など異
常発生の関係及び本発明の乾燥洗い米と従来の米との差
異は表3に示す通りである。
【0011】
【表1】
【表2】
【表3】
【0012】本発明の方法で得られた洗い米を炊いたと
きの食味を評価するためにサンプル1〜6について24
名のパネルに味覚テストを行った。サンプル米として
は、昭和63年産、あきたこまちの精白米を用い、いず
れも同一規格の原料玄米を精白した。また、炊飯条件は
いずれも同じである。 サンプル1(対照品)は通常の方法で洗った後炊いた米
であり、サンプル2(対照品)は熱アルコ−ルで洗った
後乾燥しアルコ−ルを除いた洗い米を炊いたものであ
る。サンプル3(対照品)は通常の方法で洗米した後水
切りし乾燥させた米(公知の乾燥洗い米)を炊いたもの
であり、サンプル4は特願平1−62648号の米(含
水率15.2%)を炊いたものであり、サンプル5は、
本願発明の乾燥洗い米で、実施例3の方法で洗米、除水
した含水率17.2%の乾燥洗い米を炊いたものであ
り、サンプル6は、本願発明の乾燥洗い米で、実施例5
の乾燥洗い米を炊いたものである。味の評価方法はサン
プル1を基準にして、それより食味がよいか否かを各パ
ネラ−が評価する方法を用いた。評価基準点は下記の通
りであるが、サンプル1は基準点0とした。 〇 サンプル1と同じである。………… 0 〇 〃 よりわずかにおいしい………+1 〇 〃 より少しおいしい……………+2 〇 〃 よりかなりおいしい…………+3 〇 〃 よりたいそうおいしい………+4 〇 〃 よりもっともおいしい………+5 〇 サンプル1よりわずかにまずい……… −1 〇 〃 より少しまずい………………−2 〇 〃 よりかなりまずい……………−3 〇 〃 よりたいそうまずい…………−4 〇 〃 よりもっともまずい…………−5 以上による味覚テストの結果を次の表4、表5に示す。
但し表5は表4の続きでサンプル6の結果である。
【0013】
【表4】
【表5】 上表に明らかなごとく、本発明の方法で得られた洗い米
(サンプル5、6)は対照米サンプル2、3よりかなり
美味であり、対照品サンプル4よりも外柔内剛にならず
味が向上していることが明らかとなった。また、同じ精
白米であっても通常の方法で洗米(サンプル1)したも
のよりも本発明の方法で洗米、除水したものの方が炊い
たときに食味が格段に上っている。
【0014】
【発明の効果】本発明の乾燥洗い米は低コストで、生産
することが出来ると共に、できあがった米には亀裂がな
く、高含水米でありながら特別な包装を必要とせず、
又、包装を開封した後に於いても保存性が良好である。
又、本明細書において述べたすべての従来の精白米は、
時間の長短にかかわらず「かし置き」しないですぐ炊き
した場合は、外柔内剛の飯に炊き上る場合が多いが、本
発明の乾燥洗い米は、従来の精白米に比して、含水率が
16%以上19%を超えない高含水率となっているの
で、炊飯するときは、洗米は勿論のこと「かし置き」を
必要としないか、又はほとんど必要とせず、すぐ炊きが
可能であり、従って特に忙がしい米飯提供の営業者にと
っては洗米の手間と時間がはぶけると同時に「かし置
き」時間の節約という大きな功を奏する。然も炊き上っ
た米飯は外柔内剛のご飯とはならず、高含水米特有のソ
フトさがあり、且つ美味である。又当該乾燥洗いはその
含水率が16%以上19%を超えないものまで巾広い範
囲内のものを製造可能であるから、消費者も、家庭婦人
から営業者まで、自己の想定する買い置き保管日数に応
じて、希望する含水率の乾燥洗い米を選択購入可能とい
う、極めて大きな功をも奏するものであり、又製造業者
も、販売業者からの注文に応じた含水率の当該米を容易
に、然も季節に応じて、消費者のニ−ズに合った生産出
荷が可能であるという大きな功をも奏するものである。
勿論炊き上がった飯は糠粉がほとんど除去されているの
で、糠の臭みもなく、又、得られた乾燥洗い米は糠粉を
ほとんど除去されているので従来の米よりも美味であ
り、更に、本発明の洗米方法により、集中的、且つ工業
的に汚水処理ができるから、現在、全国の各消費者によ
って、洗滌水と共に流出されている米消費量の約4%に
当る流出糠粉量、即ち年間、全国で40万トンの流出糠
粉のばらまきによる河川の汚染を防止することが出来る
という多くの功を奏するものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精白米において、水に入れて撹拌しても
    殆んど濁らない程度に洗滌、除糠、除水され、然も、米
    粒に亀裂がなく且つ炊飯の際「かし置き」の必要がな
    く、含水率が16%以上19%を超えないことを特徴と
    する乾燥洗い米。
  2. 【請求項2】 通常の含水率を有する玄米又は精白米
    を、あらかじめ調質し、玄米においては精米加工施こ
    し、いずれの場合でも15%以上19%を越えない高含
    水精白米とした上で水中で撹拌、洗滌して除糠を行い、
    次いで洗滌水及び米粒表面水の除水工程を経て、米粒が
    水に触れてから除水完了までの時間を11分以下とな
    し、且つ水に漬ける前の精白米の含水率より、0%以上
    2%を越えることのない含水率で、米粒の平均含水率
    が、除水した時点で16%以上19%を超えないことを
    特徴とする、前記請求項1記載の乾燥洗い米の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 含水率が14%以上17%以下の高含水
    率の玄米を無調質で精白し、当該精白米を水中で撹拌、
    洗滌、除糠を行い、次いで洗滌水及び米粒表面の除水工
    程を経て、その間の時間を11分以下となし、且つ平均
    含水率が除水した時点で、水に漬ける前の精白米の含水
    率より0%以上2%を超えることのない含水率で、且つ
    全体の平均含水率が16%以上19%を超えないことを
    特徴とする前記請求項1記載の乾燥洗い米の製造方法。
  4. 【請求項4】 通常の含水率を有する精白米を洗滌、除
    糠、除水の全工程を数分以下で行い、且つ除水時の平均
    含水率が16%を超えない乾燥洗い米において、更に含
    水率を16%以上19%を超えないものに調質してなる
    ことを特徴とする前記請求項1記載の乾燥洗い米。
JP4229474A 1992-08-06 1992-08-06 洗い米の製造方法 Expired - Fee Related JP2651976B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4229474A JP2651976B2 (ja) 1992-08-06 1992-08-06 洗い米の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4229474A JP2651976B2 (ja) 1992-08-06 1992-08-06 洗い米の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0654655A true JPH0654655A (ja) 1994-03-01
JP2651976B2 JP2651976B2 (ja) 1997-09-10

Family

ID=16892747

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4229474A Expired - Fee Related JP2651976B2 (ja) 1992-08-06 1992-08-06 洗い米の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2651976B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5093952A (en) * 1988-03-15 1992-03-10 Asmo Co., Ltd. Wiper device for wiping a vehicle windshield
KR19990064725A (ko) * 1999-05-04 1999-08-05 김영표 어성초즙이 섞인 이온수로 쌀의 표피에 묻은 겨제거와 쌀에 있을 수 있는 잔류농약 및 중금속성분을 중화시킨 숙성쌀의 가공방법

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5122063A (en) * 1974-08-19 1976-02-21 Fujitsu Ltd Tasokairobanno seizohoho
JPH02242647A (ja) * 1989-03-14 1990-09-27 Toyo Seimaiki Seisakusho:Kk 乾燥洗い米、及びその製造方法、並びに乾燥洗い米の包装方法
JPH03240452A (ja) * 1990-02-16 1991-10-25 Satake Eng Co Ltd 白米処理方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5122063A (en) * 1974-08-19 1976-02-21 Fujitsu Ltd Tasokairobanno seizohoho
JPH02242647A (ja) * 1989-03-14 1990-09-27 Toyo Seimaiki Seisakusho:Kk 乾燥洗い米、及びその製造方法、並びに乾燥洗い米の包装方法
JPH03240452A (ja) * 1990-02-16 1991-10-25 Satake Eng Co Ltd 白米処理方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5093952A (en) * 1988-03-15 1992-03-10 Asmo Co., Ltd. Wiper device for wiping a vehicle windshield
KR19990064725A (ko) * 1999-05-04 1999-08-05 김영표 어성초즙이 섞인 이온수로 쌀의 표피에 묻은 겨제거와 쌀에 있을 수 있는 잔류농약 및 중금속성분을 중화시킨 숙성쌀의 가공방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2651976B2 (ja) 1997-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU751332B2 (en) Germinated brown rice
WO2019218577A1 (zh) 一种用鲜薯做且低断条率的马铃薯米粉制作方法
BG61988B1 (bg) Пропарен ориз и метод за получаването му
US5275836A (en) Process for treating brown rice and product thereof
US7217436B2 (en) Method for preparing germinated brown rice having improved texture and cookability without microbial contamination and a germinated brown rice obtained therefrom
JPH0654655A (ja) 乾燥洗い米及びその製造方法
JP2602090B2 (ja) 洗い米の製造方法
KR100194084B1 (ko) 떡국 및 떡볶이용 떡의 제조방법
CN111838530B (zh) 一种鲜湿米线的加工方法
US2752247A (en) Rice processing
JP2020080699A (ja) 玄米麹の製造方法
KR100856502B1 (ko) 취반이 용이한 씻어나온 현미 및 그 제조방법
CN110547402A (zh) 一种以稻谷为原料制备富含γ-氨基丁酸精米的方法
KR101738665B1 (ko) 반조리 곡물의 제조 방법
JPH0387153A (ja) 長期保存可能な包装加工米およびその製造方法
JP2711644B2 (ja) 洗い米の製造装置
JPS6181756A (ja) 即席乾燥米の製造法
AU650809B2 (en) Improved rice product produced from brown rice and process for the production thereof
US2135591A (en) Soy bean flour
JPS59125853A (ja) 即席炊飯米製造法
JP3205112B2 (ja) 食味が改良された炊飯うるち米の製造方法
KR101936318B1 (ko) 호화 곡물의 제조방법
JPS61128849A (ja) 乾燥α化玄米の製造方法
JPH08173064A (ja) 早炊き玄米の製造方法
Gerdes et al. Techniques for canning instant parboiled rice

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees