JPH0653561B2 - 無機フツ化物の昇華精製方法 - Google Patents

無機フツ化物の昇華精製方法

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JPH0653561B2 JP27947686A JP27947686A JPH0653561B2 JP H0653561 B2 JPH0653561 B2 JP H0653561B2 JP 27947686 A JP27947686 A JP 27947686A JP 27947686 A JP27947686 A JP 27947686A JP H0653561 B2 JPH0653561 B2 JP H0653561B2
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稔夫 立野
正尋 服部
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、無機フッ化物塩類中の金属不純物を効率的に
分離除去するための昇華精製技術の改良に関するもので
ある。
〔従来の技術、発明が解決しようとする問題点〕
エレクトロニクス,オプトエレクトロニクスの進展とと
もに高度に精製された素材原料としてのフッ化物塩類
や、広い光透過性のガラス、単結晶、多結晶の原料とし
てのフッ可物塩類の需要がふえてきている。またその用
途、効用、特性等については多くの可能性が報告されて
いる。
しかしその反面、これらが用途に充分対応できる量産可
能な経済的手法で作られて供給されているとはいえな
い。例えば最も混入しやすく、品質指標とされることの
多い鉄不純物については、有色遷移元素で用途的に不都
合とされる例が多いにもかかわらず、溶融精製によるも
の以外で鉄含有量1ppm 以下の市販フッ可物塩類は少な
い。通信用赤外光ファイバーとして有望なZrF4−BaF2
ッ化物ガラスは10-2〜10-3 dB/kmという低損失を期待さ
れているが、それには鉄の最大許容含有量は0.36pp
b と報告されている。
しかしフッ化物塩類の場合には、通常フッ化物合成原料
選択の段階で不都合金属成分の少ない精製されたものを
選ぶか、フッ化物原料の水溶液での抽出、再結晶、イオ
ン交換等の湿式精製プロセスが使われており、最終の精
製フッ化物を得るためには更に合成もしくは不都合成分
分離等の工程を必要とし、不都合金属成分の混入が見込
まれる。同時に、加水分解を起こしてフッ化物としての
純度も低下しやすい。従って、経過的にはそうした方法
を採用して粗製のフッ化物塩類を合成しても最終段階で
は乾式精製プロセスを採用するのが望ましい。
そうした乾式精製プロセスとしては溶融精製技術(ブリ
ッジマン法、チョクラルスキー法、帯融解法)、昇華精
製技術(特開昭60−11239号、同60−3630
4号)等が報告されている。
前者においては、一般にフッ化物溶融物が高温で腐触性
をもち耐触材料に制約を受けることや、一般にフッ化物
は融点近くで蒸気圧が高く昇華性化合物も多いために適
用しにくいこと、量産が難しいこと等から経済性のある
精製方法となりにくい。また、2成分以上のフッ化物多
成分系ではほとんど適用できない点にも問題がある。
一方、後者において例えばZrF4,AlF3,HfF4,CuF2等の
フッ化物に対する不純物FeF2,FeF3のように製品と不純
物が近い蒸気圧特性を示す場合には、分離精製度も低下
する問題がある。
このように無機フッ化物の不純物金属除去精製において
量産可能な経済性のある手法を求めるニーズが存在する
ことは明らかである。
本発明は不純物金属成分を昇華除去もしくは腐揮発化さ
せることにより、固−気系で対象の無機フッ化物が溶融
することなく精製される昇華精製技術の優位性を更に向
上させることを目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段、作用〕
本発明は、対象の無機フッ化物塩類とそれらに含有され
る不純物金属化合物の昇華精製時における蒸気圧差を大
きく保つことによって、不純物金属を効率的に分離除去
しようとする昇華精製技術の改良方法であり、本発明者
等は不純物金属フッ化物より蒸気圧の大きい無機フッ化
物を熱処理して含有される不純物金属を固−気系で分離
除去する場合には、あらかじめ原料金属フッ化物中もし
くは処理雰囲気中に金属酸化物もしくは水を共存させて
処理することによって、不純物金属フッ化物を不揮発性
の金属酸化物に変えて目的フッ化物を昇華させれば、不
純物金属が大巾に除去できることを見出した。
また、不純物金属フッ化物より蒸気圧の小さい無機フッ
化物を熱処理して含有される不純物金属を固−気系で分
離除去する場合において、あらかじめ原料金属フッ化物
中もしくは処理雰囲気中の金属酸化物もしくは水の量を
削減することによって、不純物金属フッ化物を不揮発性
の金属酸化物に変えないようにして熱処理すれば、不純
物金属が大巾に昇華除去できることを見出した。
これらの事実はO2-アニオンとFアニオンの似かよっ
たイオン半径から、通常固体状態の無機フッ化物がかな
りの部分で酸化物に置換されているため昇華精製時に大
きな影響を受けていることを示している。
本発明でいう金属酸化物とは、前処理時もしくは昇華精
製を行なう高温で分解もしくは反応して酸化物となりう
る水酸化物,炭酸塩,硫酸塩,硝酸塩,各種含水塩をは
じめとする含酸素化合物の全てを含む。
通常フッ化物と酸化物の沸点は次表のように大きく異な
り、かなりの差のあることが知られている。
工業的に製造される精製の無機フッ化物塩類は、前述の
ように通常数百ppm から数%の酸化物を含有しており、
こうしたフッ化物と酸化物もしくは水の混合系では熱処
理時に当該フッ化物金属と不純物金属の間で、組合せに
よって金属が交換されたフッ化物、酸化物およびオキシ
フッ化物への固相化学反応が起りうる。また、組合せに
よっては常温からでも徐々に反応進行するものがある。
例えば粗製フッ化物中に多い不純物元素としてFe,Si,B,
Cuがあり、これらは以下のように製品中に共存する酸化
物と見掛上固相化学反応する。
ここで、加熱時の水の存在は付着水、結晶水、雰囲気中
の水蒸気等いかなる形でもフッ化物を加水分解して自然
発生的に酸化物を生成する点で同様の効果がある。
酸化物もしくは共存する水の量を多くすれば反応の完結
を確実にすることができ、酸化物もしくは共存する水を
なくしてしまえば反応の進行を止めることができる。
特許請求の範囲第1項(a)の実施において、均一系反応
であれば本来共存される酸化物の量は不純物金属に対し
て化学量論的に当量であればよいが、昇華系のように固
相の場合には不均一反応のために過剰量が一般に必要で
あり、しかも添加する場合には反応しやすい微粉等の方
が好ましい。この場合、添加する酸化物は精製しようと
するフッ化物の金属種に特に限定されるものではない。
また昇華精製工程の前に昇華温度より低い温度で長時間
固相反応を確実に進行させることも有効となる場合があ
る。
特許請求の範囲第1項(b)の実施において、系内の酸化
物の量を制限し不純物金属をフッ化物としておく場合に
はHF、F2等の反応性ガス雰囲気で前処理してより確実に
フッ素化しておいたり、同じフッ化物でもより蒸気圧の
高い高次のフッ化物(例えばFeF2に対するFeF3,CuFに対
するCuF2)とするために、F2、NF3 等の酸化性ガス雰囲
気で前処理する。またフッ化物ガス処理以外にも酸性フ
ッ化アンモニウムN4F・HFを共存させて熱処理すること
によっても同様の効果が得られる。アルカリ金属フッ化
物やBaF2を精製する場合には最初からこれらの酸性フッ
化物塩を使用して次式のように熱処理時に自然発生的に
HF雰囲気を作って前処理し、その後不純物金属フッ化物
を昇華除去することもできる。
MF・HF→MF+HF↑ 特許請求の範囲第1,2項の手段は昇華精製する対象無
機フッ化物と不純物金属成分の組合せにより選択し、昇
華精製時に不純物金属成分を蒸気圧の小さい酸化物もし
くは蒸気圧の大きいフッ化物のいずれかにして実施すれ
ば不純物金属成分を有効に除去できる。多くの場合こう
した手段は昇華前の前処理として実行しても、昇華と同
時に進行させても有効である。
フッ化物に共存する酸化物もしくは水の量は精製しよう
とするフッ化物と不純物金属の組合せ、量比、目標精製
度、雰囲気(真空減圧下、不活性ガス雰囲気等)、粒
径、不純物元素の結晶内分布状態等によって個々に設定
すべきである。
〔実施例〕
本発明を以下の実施例によってさらに具体的に説明する
が、本発明はそれらのみに制限されるものではない。
実施例1 Fe不純物 20ppmを含む粗製HfF4(フッ粗換算純度99.0
%)粉末10g を石英炉心管付電気炉内に白金皿に入れて
セットし、0.5/mmの湿空気流中で 500℃5時間加
熱処理し、その後石英炉心管に真空ポンプ系を接続し、
0.1Torr の真空にして 720℃5時間昇華させ、電気炉外
に出ている石英管の端部の内面に約6gのHfF4を沈積さ
せた。沈積部のFe含量は0.5ppm以下であった。
この場合湿空気中熱処理を省略して同条件で昇華のみさ
せた場合にはFe含量6ppmであった。
実施例2 実施例1と同じ電気炉設備を用い、Fe含量20ppm の粗製
ZrF4 55 mol%、Fe含量0.5ppmのZrO245mol%の粉体混合
物10g を0.5l/minの窒素気流中で 500℃、5時間加熱処
理しオキシフロライドZr7O9F10を合成し、その後0.1Tor
rの真空にして 700℃5時間熱分解昇華させ、約4gのZ
rF4を沈積させた。沈積部のFe含量は0.2ppm以下であっ
た。
この場合ZrO2を添加する熱処理を省略して粗製ZrO4のみ
から同条件で昇華させた場合にはFe含量4.8ppmであっ
た。
実施例3 不純物Na2Co30.3 %、Na2SiF6 2.3%含量の粗製NaF
(フッ粗換算純度97.0%)10g を実施例1と同じ電気炉
設備を用い、酸性フッ化ナトリウム NaF・HF2gと混合後
セットし、0.5/min の窒素気流中で250℃5時間
熱処理してHFガスを発生させた後、更に0.5/minの
窒素気流中で 700℃5時間加熱してSiF4ガスを放出させ
て約9gのNaF を得た。熱処理物のNa2SiF6含量は 0.1
%であった。
この場合 NaF・HF添加熱処理を省略して同条件で不純物
昇華のみさせた場合にはNa2SiF6 含量 0.7%であった。
実施例4 実施例1と同じ電気炉設備を用い、CU含量1.1ppmの一度
昇華精製させたフッ粗換算純度99.8%のAlF3 9g にCu含
量0.1ppmのAl(OH)31gを混合後でセットして0.5/min
の窒素気流中で700℃5時間熱処理した後、更に0.1Torr
の真空にして1100℃5時間昇華させ、約8gのAlF3を沈
積させた。沈積部のCu含量は0.2ppm以下であった。
この場合Al(OH)3添加と熱処理を省略して元のAlF3のみ
から同条件で昇華させた場合にはCu含量1.0ppmであっ
た。
実施例5 実施例1と同じ電気炉設備を用い、CU含量1ppm Fe含量
15ppmの粗製BaF2 10gをセットして、F2/N2 = 0.1mol/m
olの混合ガス 0.5/minの気流中で 500℃5時間熱処理
した後、単に0.1Torr の真空にして1000℃5時間不純物
昇華させて約 10gのBaF2を得た。熱処理物のCu含量は0.
2ppm以下、Fe含量は0.2ppm以下であった。
この場合F2・N2混合ガスによる熱処理を省略して同条件
で不純物昇華のみさせた場合にはCu含量0.8ppm、Fe含量
3.8ppmであった。
〔発明の効果〕
本発明によれば、無機フッ化物塩類中の金属不純物を効
率よく除去することができ、特にこの方法は量産可能で
経済性のあるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 正尋 大阪府茨木市西福井1−17−18 (72)発明者 田中 睦浩 兵庫県尼崎市武庫之荘1−23−9 (56)参考文献 特開 昭60−11239(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機フッ化物塩類の昇華精製時に、 (a) 不純物金属フッ化物より蒸気圧の大きい無機フッ
    化物の場合には、あらかじめ原料金属フッ化物中もしく
    は処理雰囲気中に金属酸化物もしくは水を共存させて処
    理することによって、不純物金属フッ化物を不揮発性の
    金属酸化物に変えるか、または (b) 不純物金属フッ化物より蒸気圧の小さい無機フッ
    化物の場合には、あらかじめ原料金属フッ化物中もしく
    は処理雰囲気中の金属酸化物もしくは水の量を削減する
    ことによって、不純物金属フッ化物を不揮発性の金属酸
    化物に変えないようにして、 各々、無機フッ化物塩類とそれらに含有される不純物金
    属化合物の蒸気圧差を大きく保ち、当該フッ化物と不純
    物金属成分を昇華分離することを特徴とする無機フッ化
    物の昇華精製方法。
  2. 【請求項2】上記金属酸化物とは、熱処理時に分解もし
    くは反応して金属酸化物となり得る水酸化物,炭酸塩,
    硫酸塩,硝酸塩,含水塩等の含酸素化合物を含む特許請
    求の範囲第1項記載の無機フッ化物の昇華精製方法。
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