JPH0653457U - 部分開口蓋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 蓋を部分的に開口することや蓋を部分的に開
口して飲食しやすくすることや蓋の強度をやや大きくす
ること、蓋がカールしないことである。 【構成】 延伸合成樹脂フィルムの上下両側にアルミニ
ウム箔を設け、このアルミニウム箔の上側または下側の
１か所に二軸延伸合成樹脂フィルムを設けるとともに最
下側にヒートシール層を設け、この延伸フィルムの延伸
方向と同じ方向に２分割用切り口の先端部を向けて蓋の
撮み片に２分割用切り口を設けたことを特徴としてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はジュース、ビール、日本酒、飲料水などの液体飲料やスナツク菓子 、氷菓子のような粒状などの食品を収納した容器に被せる蓋であるとともにこの 蓋を部分的に開口する蓋に係ものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の蓋はポリエチレン（ＰＥ）などの合成樹脂フィルムの下側に単にエチレ ンビニールアセテートコーポリマー（ＥＶＡ）またはエチレンエチルアクレート コーポリマー（ＥＥＡ）などのヒートシール層を設けるとともに蓋に撮み片を設 けたものが一般に使用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この従来の蓋では収納物として例えばジュースを入れた容器に蓋をしてヒート シールにより密封している。そして消費者が飲む時に蓋の撮み片を指先で撮んで 蓋を容器より全部剥ぎ取って飲む際に、容器の開口が大きすぎてジュースがこぼ れやすく飲みにくく、特に自動車、電車などの揺れている乗り物の中で飲む時に 極めて飲みにくいという問題点があったし、また蓋の１部分を剥いで部分的に開 口し、剥いだ蓋の１部分を残りの蓋の上側に折り曲げておくと、剥いで上側に折 り曲げた部分の蓋が飲む人の鼻などの顔に当たって不快であるとともに著しく飲 みにくいという問題点があった。

【０００４】 この考案は従来の蓋が有するこれらの問題点を解消し、蓋を部分的に開口する ことやジュース、ビール、日本酒、飲料水などの液体飲料を飲みやすくすること 、粒状などの食品を食べ易くすること、蓋の強度をやや大きくすること、蓋がカ ールしないことなどを目的としたものである。

【０００５】 この考案の部分開口蓋は、一軸延伸合成樹脂フィルム又は二軸延伸ポリエチレ ンフィルムの上下両側にアルミニウム箔を設け、このアルミニウム箔の上側また は下側の１か所に二軸延伸合成樹脂フィルムを設けるとともに最下側にヒートシ ール層を設け、この一軸延伸合成樹脂フィルムの延伸方向と同じ方向に２分割用 切り口の先端部を向けて蓋の撮み片に２分割用切り口を設けたものである。

【０００６】

【作用】

部分開口蓋で容器の上側開口部をヒートシールにより密封し、飲食時に蓋はフ ィルムの延伸方向に引裂き易くなっているので蓋の撮み片を指先で撮んで２分割 用切り口より蓋を引裂くことにより蓋は２分割用切り口から延伸方向に引裂き易 い蓋が引裂れるとともにヒートシール部が破壊されながら蓋の１部分が容器の上 面より切除されて、蓋の１部分が開口される。 この１部分が開口された部分より容器に収納した液体飲料、粒状食品などの飲 食物を飲んだり、食べたりする。 更に延伸フィルムの上下両側にアルミニウム箔を設けたので部分開口蓋にカー ルが発生しないし、延伸方向に引裂き易い延伸フィルムの補強材として二軸延伸 合成樹脂フィルムを設けたので部分開口蓋が不用意に破れてしまうおそれがない 。

【０００７】

【実施例１】 次にこの考案の部分開口蓋を実施例について図面とともに説明する。 図１と図２に図示したように、１方向（図１に図示した矢印方向）に延伸した 一軸延伸ポリエチレン（ＰＥ）フィルム１の上下両側にポリエチレンの接着層２ 、３を介して厚さ約７ミクロンのアルミニウム箔４、５を設ける。 この下側のアルミニウム箔４の下側にポリエチレンの接着層６を介してエチレ ンビニールアセテートコーポリマー（ＥＶＡ）のヒートシール層７を設ける。 この上側のアルミニウム箔５の上側にポリエチレンの接着層８を介して２方向 （図１に図示した矢印方向と１方向がほぼ同じ方向）に延伸した二軸延伸ポリエ ステル（ＰＥＴ）フィルム９を設ける。更に一軸延伸ポリエチレン（ＰＥ）フィ ルム１の延伸した方向で図１において左下側に撮み片１０を設ける。 この延伸した方向と同じ方向に逆Ｖ字形の２分割用切り口１１の先端部１１´ を向けるとともに図１の左側から蓋の巾の約１／４の箇所の撮み片１０に２分割 用切り口１１を設けた部分開口蓋１２である。

【０００８】 この実施例１の部分開口蓋１２を実際に使用する際は図３に図示したように、 例えば容器１３にジュースを入れ、２分割用切り口１１を設けた撮み片１０付き 部分開口蓋１２を容器１３の上側開口部にヒートシール層７でヒートシールして 容器１２の開口部を密封する。 消費者がジュースを飲む時に、部分開口蓋１２の図面上の左側の撮み片１０を 指先で撮んで蓋１２の１部分を容器１３の上方に引き上げると、蓋１２は逆Ｖ字 形切り口１１の先端部１１´から厚さが約７ミクロンと極めて薄いアルミニウム 箔が強度的に小さくて引裂きを妨げずに直線的で、かつ円滑に延伸フィルム１の 延伸方向に引裂かれ、次に容器１３の上側開口部にヒートシールされているヒー トシール部が破壊されながら、図３に図示したように容器１３の１部分が開口１ ４される。 この１部分が開口１４された部分より容器１３に入れたジュースを飲む。

【０００９】

【実施例２】 図４と図５に図示したように、１方向（図４に図示した矢印方向）に延伸した 一軸延伸ポリプロピレン（ＰＰ）フィルム２１の下側にポリエチレンの接着層２ ２を介して厚さ約７ミクロンのアルミニウム箔２３を設ける。 この下側のアルミニウム箔２３の下側にポリエチレンの接着層２４を介してエ チレンエチルアクリレートコーポリマー（ＥＥＡ）のヒートシール層２５を設け る。前記延伸フィルム２１の上側にポリエチレンの接着層２６を介して二軸延伸 ポリエステル（ＰＥＴ）フィルム２７を設ける。 この二軸延伸ポリエステル（ＰＥＴ）フィルム２７の上側にポリエチレンの接 着層２８を介して厚さ約７ミクロンのアルミニウム箔２９を設けて、延伸フィル ム２１の延伸した方向に撮み片３０を設ける。 そしてこの延伸した方向と同じ方向に変形逆Ｖ字形の２分割用切り口３１の先 端部３１´を向けるとともに図４の左側から蓋の巾の約１／４の箇所の撮み片３ ０に２分割用切り口３１を設けた部分開口蓋３２である。 この実施例２の部分開口蓋３２を実際に使用する際は、前記実施例１のものと 同様（図３に図示）に容器の開口部に蓋３２をヒートシールして密封する。飲食 する時に図４の右側の撮み片３０を撮んで引き上げて容器の１部分を開口し、飲 食する。 そして必要に応じて容器に収納物が少なくなった際に、残りの撮み片（図４の 右側）を撮んで残りの蓋２９を取除いて全部の蓋２９を容器から剥ぎ取って容器 の全部を開口してから容器の残りの収納物を飲食しても良い。

【００１０】

【実施例３】 図６と図７に図示したように、１方向（図６に図示した矢印方向）に延伸した 一軸延伸ポリビニールクロライド（ＰＶＣ）フィルム４１の下側にポリエチレン の接着層４２を介して二軸延伸ポリエステル（ＰＥＴ）フィルム４３を設ける。 この二軸延伸ポリエステルフィルム４３の下側にポリエチレンの接着層４４を 介して厚さ約７ミクロンのアルミニウム箔４５を設け、このアルミニウム箔４５ の下側にポリエチレンの接着層４６を介してエチレンエチルアクリレートコーポ リマー（ＥＥＡ）のヒートシール層４７を設ける。前記延伸フィルム４１の上側 にポリエチレンの接着層４８を介して厚さ約７ミクロンのアルミニウム箔４９を 設けて、延伸フィルム４１の延伸した方向に撮み片５０を設ける。 そしてこの延伸した方向と同じ方向に変形逆Ｖ字形の２分割用切り口５１の先 端部５１´を向けるとともに図６の左側から蓋の巾の約１／４の箇所の撮み片５ ０に、延伸方向と平行の一辺とからなるほぼ３角形の２分割用切り口５１を、設 けた部分開口蓋５２である。

【００１１】

【実施例４】 図８と図９に図示したように、１方向（図８に図示した矢印方向）に延伸した 一軸延伸ポリスチロール（ＰＳ）フィルム６１の上下両側にポリエチレンの接着 層６２、６３を介して厚さ約７ミクロンのアルミニウム箔６４、６５を設け、こ の下側のアルミニウム箔６４の下側にポリエチレンの接着層６６を介して二軸延 伸ポリエステル（ＰＥＴ）フィルム６７を設ける。この二軸延伸ポリエステルフ ィルム６７下側にポリエチレンの接着層６８を介してエチレンエチルアクリレー トコーポリマー（ＥＥＡ）のヒートシール層６９を設ける。 この延伸フィルム６１の延伸した方向に撮み片７０を設け、図８の左側から蓋 の巾の約１／４の箇所の撮み片７０に延伸方向と平行で直線状の２分割用切り口 ７１を設けた部分開口蓋７２である。 なお、実施例１から実施例４において、一軸延伸合成樹脂フィルムとしてポリ エチレン（ＰＥ）フィルムなどについて説明したが、一軸延伸ポリエチレンフィ ルムが延伸された方向と直角方向に更に延伸された二軸延伸ポリエチレンフィル ムを延伸フィルムとして用いたものでもよいし、また補強用フィルムとして二軸 延伸ポリエステル（ＰＥＴ）フィルムの外に、二軸延伸ポリプロピレン（ＰＰ） フィルム、二軸延伸ナイロン（Ｎ）フィルム、二軸延伸ポリエチレン（ＰＥ）フ ィルムなどがよい。そして部分開口蓋に用いるアルミニウム箔の厚さ約５ミクロ ンから約２０ミクロンがよく、好ましくは約５ミクロンから厚さ約７ミクロンが よい。

【００１２】

【考案の効果】

この考案の部分開口蓋は蓋に設けた撮み片を撮んで蓋の２分割用切り口より延 伸して引裂き易くした蓋の１部分を簡単に開口することができるとともに容器の 上側開口部に設けた蓋の１部分を小さく開口することができる。 このように蓋を小さく開口した開口部から容器に入れたジュースなどの液体飲 料をこぼすことなく、円滑に飲むことができる。またこのように蓋を小さく開口 した開口部から容器に収納した粒状などの食品を少しづつ取り出して円滑に食べ ることができる。 更にこの考案の部分開口蓋は二軸延伸合成樹脂フイルムを補強用として部分開 口蓋に設けたので部分開口蓋の強度がやや大きくて部分開口蓋が不用意に破れて しまうおそれがないという効果があるとともにアルミニウム箔を延伸フイルムの 上下両側に設けたので部分開口蓋が上方または下方のいずれの方向にもカールし ないという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案品の第１実施例の平面図である。

【図２】図１の拡大断面図である。

【図３】同じく開口順の斜視図である。

【図４】本考案品の第２実施例の平面図である。

【図５】図４の拡大断面図である。

【図６】本考案品の第３実施例の平面図である。

【図７】図６の拡大断面図である。

【図８】本考案品の第４実施例の平面図である。

【図９】図８の拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 一軸延伸ポリエチレンフィルム ２ 接着層 ３ 接着層 ４ アルミニウム箔 ５ アルミニウム箔 ６ 接着層 ７ ヒートシール層 ８ 接着層 ９ 二軸延伸ポリエステルフィルム １０ 撮み片 １１ ２分割用切り口 １２ 部分開口蓋 １３ 容器 １４ 開口 ２１ 一軸延伸ポリプロピレンフィルム ２２ 接着層 ２３ アルミニウム箔 ２４ 接着層 ２５ ヒートシール層 ２６ 接着層 ２７ 二軸延伸ポリエステルフィルム ２８ 接着層 ２９ アルミニウム箔 ３０ 撮み片 ３１ ２分割用切り口 ３２ 部分開口蓋 ４１ 一軸延伸ポリビニールクロライドフィルム ４２ 接着層 ４３ 二軸延伸ポリエステルフィルム ４４ 接着層 ４５ アルミニウム箔 ４６ 接着層 ４７ ヒートシール層 ４８ 接着層 ４９ アルミニウム箔 ５０ 撮み片 ５１ ２分割用切り口 ５２ 部分開口蓋 ６１ 一軸延伸ポリスチロールフィルム ６２ 接着層 ６３ 接着層 ６４ アルミニウム箔 ６５ アルミニウム箔 ６６ 接着層 ６７ 二軸延伸ポリエステルフィルム ６８ 接着層 ６９ ヒートシール層 ７０ 撮み片 ７１ ２分割用切り口 ７２ 部分開口蓋

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一軸延伸合成樹脂フィルムの上下両側に
   それぞれ接着層を介してアルミニウム箔を設け、該下側
   アルミニウム箔の下側に接着層を介してヒートシール層
   を設けるとともに該上側アルミニウム箔の上側に接着層
   を介して二軸延伸合成樹脂フィルムを設けて、更に前記
   一軸延伸合成樹脂フィルムの延伸方向と同じ方向に２分
   割用切り口の先端部を向けて蓋の撮み片に２分割用切り
   口を設けたことを特徴とする部分開口蓋。
2. 【請求項２】 一軸延伸合成樹脂フィルムの下側に接着
   層を介してアルミニウム箔を設けるとともに該下側アル
   ミニウム箔の下側に接着層を介してヒートシール層を設
   け、前記一軸延伸合成樹脂フィルム上側に接着層を介し
   て二軸延伸合成樹脂フィルムを設けるととに該合成樹脂
   フィルムの上側に接着層を介してアルミニウム箔を設け
   て、更に前記一軸延伸合成樹脂フィルムの延伸方向と同
   じ方向に２分割用切り口の先端部を向けて蓋の撮み片に
   ２分割用切り口を設けたことを特徴とする部分開口蓋。
3. 【請求項３】 一軸延伸合成樹脂フィルムの下側に接着
   層を介して二軸延伸合成樹脂フィルムを設けるとともに
   該合成樹脂フィルムの下側に接着層を介してアルミニウ
   ム箔を設け、該下側アルミニウム箔の下側に接着層を介
   してヒートシール層を設けて、前記一軸延伸合成樹脂フ
   ィルムの上側に接着層を介してアルミニウム箔を設け、
   更に前記一軸延伸合成樹脂フィルムの延伸方向と同じ方
   向に２分割用切り口の先端部を向けて蓋の撮み片に２分
   割用切り口を設けたことを特徴とする部分開口蓋。
4. 【請求項４】 一軸延伸合成樹脂フィルムの上下両側に
   それぞれ接着層を介してアルミニウム箔を設け、該下側
   アルミニウム箔の下側に接着層を介して二軸延伸合成樹
   脂フィルムを設けるとともに該合成樹脂フィルムの下側
   に接着層を介してヒートシール層を設けて、更に前記一
   軸延伸合成樹脂フィルムの延伸方向と同じ方向に２分割
   用切り口の先端部を向けて蓋の撮み片に２分割用切り口
   を設けたことを特徴とする部分開口蓋。
5. 【請求項５】 一軸延伸合成樹脂フィルムが更に延伸さ
   れた二軸延伸合成樹脂フィルムであることを特徴とする
   請求項１、２、３又は４記載の部分開口蓋。