JPH0653186A - ドライエッチング方法 - Google Patents

ドライエッチング方法

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JPH0653186A
JPH0653186A JP20261592A JP20261592A JPH0653186A JP H0653186 A JPH0653186 A JP H0653186A JP 20261592 A JP20261592 A JP 20261592A JP 20261592 A JP20261592 A JP 20261592A JP H0653186 A JPH0653186 A JP H0653186A
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JP
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etching
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layer
based material
sulfur
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JP20261592A
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Tetsuji Nagayama
哲治 長山
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Six y 系材料層に対して高選択比を確保
しながらSiOx 系材料層をドライエッチングする。 【構成】 有磁場マイクロ波プラズマ・エッチング装置
のAlブロック・チャンバ4の内壁面にSiS2 層等か
らなるS系材料層15を配し、この層とECRプラズマ
Pとの接触面積を昇降式シャッタ16に昇降により可変
とする。接触面積が大きければプラズマ中に大量のSが
放出されてエッチング反応系のS/F比が上昇し、接触
面積が小さければ低下する。Si3 4 下地膜上でSi
2 層間絶縁膜を選択的にエッチングする場合、ジャス
トエッチング工程では接触面積を小、オーバーエッチン
グ工程では大とすれば、オーバーエッチング時のSが豊
富となり、Si3 4 下地膜上に窒化イオウ系化合物か
らなる保護膜が効率良く形成され、高選択比が達成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置の製造分野等
において適用されるドライエッチング方法に関し、特に
窒化シリコン系材料層に対して選択比を大きく確保しな
がら酸化シリコン系材料層をエッチングする方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年のVLSI,ULSI等にみられる
ように半導体装置の高集積化および高性能化が進展する
に伴い、絶縁膜のドライエッチングにおいても、高異方
性,高速性,高選択性,低ダメージ性,低汚染性といっ
た諸要求をいずれをも犠牲にすることなく達成する技術
が強く望まれている。
【0003】従来、酸化シリコン(SiOx ;特にx=
2)からなる絶縁膜をエッチングするには、CHF3
CF4 /H2 混合系、CF4 /O2 混合系、C2 6
CHF3 混合系等がエッチング・ガスとして典型的に使
用されてきた。これらは、いずれもC/F比(分子内の
炭素原子数とフッ素原子数の比)が0.25以上のフル
オロカーボン系ガスを主体としている。これらのガス系
が使用されるのは、(a)フルオロカーボン系ガスに含
まれるCがSiO2 層の表面でC−O結合を生成し、S
i−O結合を切断したり弱めたりする働きがある、
(b)SiO2 層の主エッチング種であるCFn + (特
にn=3) を生成できる、さらに(c)プラズマ中で相
対的に炭素に富む状態が作り出されるので、SiO2
の酸素がCOまたはCO2 の形で除去される一方、ガス
系に含まれるC,H,F等の寄与によりシリコン下地の
表面では炭素系のポリマーが堆積してエッチング速度が
低下し、対下地選択比を高くとることができる、等の理
由にもとづいている。
【0004】なお、上記のH2 ,O2 等の添加ガスは選
択比の制御を目的として用いられているものであり、そ
れぞれF* 発生量を低減もしくは増大させることができ
る。つまり、エッチング反応系の見掛け上のC/F比を
制御する効果を有する。
【0005】窒化シリコン(Six y ;特にx=3,
y=4)からなる絶縁膜のエッチングも基本的にはSi
2 層のエッチングと同様のガス系によりエッチングさ
れる。ただし、SiO2 層がイオン・アシスト反応を主
体とする機構によりエッチングされるのに対し、Six
y 層はF* を主エッチング種とするラジカル反応機構
にもとづいてエッチングされ、エッチング速度もSiO
2 層よりも速い。これは、原子間結合エネルギーの大小
関係がSi−F(132kcal/mole)>Si−
O結合(111kcal/mole)>Si−N結合
(105kcal/mole)であることからも、ある
程度予測される。なお、原子間結合エネルギーの値には
算出方法により若干の差が出るが、ここではR.C.W
east編“Handbook of Chemist
ry and Physics”,69th ed.
(1988年)(CRC Press社刊,米国フロリ
ダ州)に記載のデータを引用した。
【0006】ところで、近年ではデバイス構造の複雑化
に伴い、SiOx 層とSix y 層との間で選択性の高
いエッチングを行う必要が生じている。たとえば、Si
x 層上におけるSix y 層のエッチングは、たとえ
ばLOCOS法において素子分離領域を規定するための
パターニング等で行われる。バーズ・ビーク長を最小限
に止めるためにパッド酸化膜(SiO2 層)が薄膜化さ
れている現状では、極めて高い下地選択性の要求される
プロセスである。
【0007】一方、SiNx 層上におけるSiOx 層の
エッチングは、たとえばコンタクト・ホール加工におい
て必要となる。近年では、オーバーエッチング時の基板
ダメージを低減させるために、SiOx 層間絶縁膜の下
地に薄いSix y 層が介在される場合があるが、その
趣旨を活かすためにも高い下地選択性が要求される。
【0008】しかし、SiOx 層とSix y 層の場
合、Si−O結合とSi−N結合は原子間結合エネルギ
ーの値が近接しており、エッチング・ガス系も共通であ
ることから、高選択エッチングは本質的に困難である。
従来よりこの選択エッチングを可能とするための技術の
開発が各所で進められている。ここで、SiOx 層上の
Six y 層をエッチングする技術については、幾つか
報告がある。
【0009】たとえば、本発明者は先に特開昭61−1
42744号公報において、C/F比(1分子内のC原
子数とF原子数の比)が小さいCH2 2 等のガスにC
2を30〜70%のモル比で混合したエッチング・ガ
スを用いる技術を開示している。C/F比の小さいガス
はF* の再結合によってのみSiOx 層のエッチング種
であるCFx + (特にx=3)を生成し得るが、この系
へ大量のCO* を供給してF* を捕捉してCOFの形で
除去すると、CFx + の生成量が減少してSiO2 層の
エッチング速度が低下する。一方、Six y はCFx
+ 以外のイオンやラジカルでエッチングされるので、C
2 の大量添加によってもエッチング速度はほとんど変
化しない。このようにして、両層の間の選択性が得られ
るわけである。
【0010】また、Proceedings of S
ymposium on DryProcess,第8
8巻7号,86〜94ページ(1987年)には、ケミ
カル・ドライエッチング装置にNF3 とCl2 とを供給
し、マイクロ波放電により気相中に生成するFClを利
用してSiOx 上のSix y 層をエッチングする技術
が報告されている。Si−O結合はイオン結合性を55
%含むのに対し、Si−N結合は30%であり、共有結
合性の割合が高くなっている。つまり、Si x y 層中
の化学結合の性質は、単結晶シリコン中の化学結合(共
有結合)のそれに近く、FClから解離生成したF*
Cl* 等のラジカルによりエッチングされる。一方、S
iOx 層はこれらのラジカルによってもほとんどエッチ
ングされないので、高選択エッチングが可能となるわけ
である。
【0011】このように、SiOx 層の上でSix y
層を選択エッチングする技術については、幾つかの報告
がなされている。これは、両層のエッチング速度を考え
るとある意味では当然である。それは、ラジカル反応を
主体とする機構によりSixy をエッチングする過程
では、途中でSiOx 層が露出すれば必然的にエッチン
グ速度は低下するからである。
【0012】逆に、Six y 層の上でSiOx 層を選
択エッチングすることは困難である。それは、イオン・
アシスト反応を主体とする機構によりSiOx 層をエッ
チングしていても、その反応系中には必ずラジカルが生
成しており、Six y が露出した時点でこのラジカル
によりエッチング速度が上昇しまうからである。この問
題を解決する技術として、本願出願人は先に特願平3−
155454号明細書において、エッチング・ガスとし
てS2 2 を用い、Six y 層の露出面に窒化イオウ
系化合物を堆積させることにより高選択性を達成すると
いう、極めて巧妙な方法を提案している。これは、Si
x y 層の表面からF* がSi原子を引き抜き、これに
より生じたN原子のダングリング・ボンドにS2 2
ら解離生成したS原子が結合し、ポリチアジル(SN)
x を主体とする窒化イオウ系化合物が生成されることに
もとづいている。側壁保護は、Sの堆積層により行われ
る。この方法によれば、Six y 層がSiOx 層の下
地である場合に高い下地選択性が達成できることはもち
ろん、Six y 層をマスクとしてSiOx層をエッチ
ングする場合に高いマスク選択性を達成することもでき
る。しかも、堆積したSはエッチング終了後にウェハを
おおよそ90〜150℃程度に加熱すれば容易に昇華除
去できるので、何らパーティクル汚染を発生させる懸念
がないのである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】Sの堆積を利用するプ
ロセスは、上述のように数多くのメリットを有する画期
的な技術である。しかし、今後さらにウェハの表面段差
が増大し、これに伴ってオーバーエッチングが行われる
ようになると、オーバーエッチング時の異方性形状が劣
化したり、対マスク選択性、対下地選択性が低下するこ
とが予想される。Sの堆積を利用するプロセスでは、オ
ーバーエッチング時にエッチング反応系のS/F比(S
原子数とF原子数の比)を上昇させ、Sの堆積を促進す
ることが有効である。
【0014】一般に堆積性物質を表面保護や側壁保護に
利用するプロセスでは、ジャストエッチング時とオーバ
ーエッチング時とでエッチング・ガスの組成を変化させ
たり、放電条件を変化させることにより、堆積性物質の
生成量を制御できることが知られている。しかし、これ
らの対策ではプラズマの状態の安定化に時間を要し、場
合によってはプラズマが消滅する等の不都合も生じ、ス
ループットを向上させることが困難である。
【0015】そこで本発明は、S/F比の制御技術とし
てエッチング・ガスの組成変更とは異なるアプローチを
提供し、Six y 層に対して高選択比を確保しながら
SiOx 層をエッチングする方法を提供することを目的
とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるドライエ
ッチング方法は、上述の目的を達成するために提案され
るものであり、エッチング・チャンバの内壁面の少なく
とも一部がS系材料層により被覆されてなるエッチング
装置にフッ素系化合物を含むエッチング・ガスを導入
し、プラズマとの接触により前記S系材料層からSおよ
び/またはS系材料を供給可能とした状態で、Six
y 系材料層の上に形成されたSiOx 系材料層を基体表
面の一部に少なくとも窒化イオウ系化合物を堆積させな
がら選択的にエッチングすることを特徴とする。
【0017】本発明はまた、同様のエッチング装置を用
い、SiOx 系材料層をその上に形成され予め所定の形
状にパターニングされたSix y 系材料層をマスクと
し、基体表面の一部に少なくとも窒化イオウ系化合物を
堆積させながらエッチングすることを特徴とする。
【0018】本発明はまた、前記エッチング装置が前記
イオウ系材料層とプラズマとの接触面積を可変となし得
るシャッタ部材を備え、前記酸化シリコン系材料層を実
質的にその層厚分だけエッチングするジャストエッチン
グ工程ではこの接触面積を相対的に小とし、前記酸化シ
リコン系材料層の残余部を除去するオーバーエッチング
工程では相対的に大とすることを特徴とする。
【0019】本発明はまた、前記エッチング装置とし
て、前記エッチング・チャンバの内部構成部材の表面の
少なくとも一部がイオウ系材料層により被覆されてなる
ものを用いることを特徴とする。
【0020】本発明はさらに、前記フッ素系化合物がS
6 ,NF3 ,ClF3 から選ばれる少なくとも1種類
の化合物であることを特徴とする。
【0021】
【作用】本発明者は、エッチング・ガスの組成を変更す
ることなくS/X比を容易に制御するためには、S系材
料をエッチング・ガスの構成分子から供給するのではな
く、プラズマとの接触によりS系材料を放出し得るよう
な固相から供給することが望ましいと考えた。
【0022】このような考え方に立脚し、本発明で用い
られるエッチング装置には、エッチング・チャンバの内
壁面の少なくとも一部にS系材料層を配する。これによ
り、エッチング反応系にはプラズマとS系材料層の接触
状態に応じた量のSおよび/またはS系材料が、該S系
材料層から供給される。なお、厳密には、S系材料層の
種類によっては単体のSの他、Sを構成元素として含む
化合物がそのままの形あるいはフラグメントの形でスパ
ッタされてくる可能性もあるが、以下の明細書中では説
明を簡略化するために、単体のSのみを取り扱うことに
する。
【0023】Six y 系材料層に対して高選択性を維
持しながらSiOx 系材料層をエッチングする方法にお
いて、プラズマ中に放出されたSがおおよそ90℃以下
に温度制御されたウェハの表面に吸着して示す様々な挙
動については、本願出願人による先の公報に詳述した
が、要約すれば以下のとおりである。すなわち、基体
(ウェハ)の表面のうちイオンの垂直入射が原理的に起
こらないパターン側壁面上では、Sが堆積して側壁保護
効果を発揮する。また、イオンの垂直入射面であって
も、大量のO原子がスパッタ・アウトされないレジスト
・マスク、Si基板、配線材料等の表面では、Sの堆積
過程とスパッタ除去過程とが競合するので、これらの材
料層に対する選択性が向上する。これに対し、被エッチ
ング層であるSiOx 層の表面ではO原子がスパッタ・
アウトされるので、SはSOx の形で直ちに除去され、
何らエッチングの進行を妨げることがない。
【0024】さらに、Six y 層の露出面では、この
層の表層部のN原子とプラズマ中のS原子とが反応して
様々な窒化イオウ系化合物を生成する。この窒化イオウ
系化合物の主体をなすポリチアジル(SN)x は、結晶
状態ではS−N−S−N…の繰り返し構造を有する共有
結合鎖が平行に配向した構造をとり、単体のSよりもエ
ッチング種の攻撃に対して極めて高い耐性を示す。
【0025】なお、堆積したSや窒化イオウ系化合物
は、エッチング終了後にレジスト・マスクをO2 プラズ
マでアッシングする際にN2 ,NOx ,SOx 等の形で
除去できるため、ウェハ上に残存したりパーティクル汚
染を惹起させたりするものではない。また、エッチバッ
クのようにレジスト・マスクを用いないプロセスでは、
ウェハをおおよそ130℃以上に加熱すればいずれも昇
華除去もしくは分解除去することができる。
【0026】このように、Six y 系材料層に対して
高選択性を維持しながらSiOx 系材料層をエッチング
する本発明のプロセスは、請求項1に記載されるように
Si x y 系材料層がエッチングの下地である場合、あ
るいは請求項2に記載されるようにエッチングのマスク
である場合のいずれにおいても有効である。
【0027】本発明ではまた、上記のエッチング工程を
ジャストエッチング工程とオーバーエッチング工程の2
段階に分け、これら両工程間でS/F比を機械的に切り
換える方法も提案する。すなわち、エッチング装置にS
系材料層とプラズマとの接触面積を可変とするためのシ
ャッタ部材を設け、このシャッタ部材を操作することに
よりプロセス途中でS/F比を変化させるのである。す
なわち、シャッタ部材の操作によりS系材料層とプラズ
マとの接触面積を小とした場合には、S系材料層からの
Sの供給量が減少し、エッチングを高速化することがで
きる。逆に接触面積を大とした場合には、このS系材料
層からのSの供給量が増大し、エッチング反応系の見掛
け上のS/F比が上昇して高選択性が達成される。した
がって、ジャストエッチング工程では高速性を重視して
接触面積を小とし、オーバーエッチング工程では高選択
性を重視して接触面積を大とすれば、高速性と高選択性
とを両立できる。
【0028】この方法によれば、シャッタ部材の機械的
な操作を行うのみでS/F比を容易に変化させることが
でき、ウェハ温度やエッチング・ガスの組成比等の他の
パラメータを変更する必要がない。したがって、放電状
態の安定化に要する時間を短縮してスループットを改善
し、かつプロセスの再現性を高めることができる。
【0029】また、本発明で用いられるエッチング装置
は、エッチング・チャンバの内部構成部材の表面の少な
くとも一部がイオウ系材料層で被覆されたものであって
も良い。たとえば、かかるイオウ系材料層がウェハの近
傍に配され、しかもイオンの垂直入射面となっていれ
ば、この層からスパッタ・アウトされるSがウェハ上で
表面保護に寄与することができるわけである。
【0030】上述のように、本発明ではSがエッチング
・チャンバ内部構成部材の表面に形成されたS系材料層
から供給される。したがって、エッチング・ガスとして
は、放電解離条件下で遊離のS原子を放出するような化
合物を用いる必要は特になく、SiOx 系材料層のエッ
チャントであるF* や、このF* によるラジカル反応を
アシストするための各種のイオンを生成できるものであ
れば良い。本発明で限定されるSF6 ,NF3 ,ClF
3 はこのような観点から選択されたものである。このよ
うに安価に入手できる汎用ガスが使用できる点も、本発
明のメリットである。
【0031】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0032】実施例1 本実施例は、本発明をコンタクト・ホール加工に適用
し、エッチング・チャンバの内壁面とクランプの表面に
SiS2 層を形成したエッチング装置を使用し、SF6
ガスを用いてSiO2 層間絶縁膜をエッチングした例で
ある。
【0033】ここで、実際のエッチング・プロセスの説
明に入る前に、まず本発明を実施するにあたり使用した
RFバイアス印加型の有磁場マイクロ波プラズマ・エッ
チング装置の一構成例について、図1を参照しながら説
明する。基本的な構成要素は、2.45GHzのマイク
ロ波を発生するマグネトロン11、マイクロ波μを導く
導波管2、上記マイクロ波μを石英窓3を介して取り入
れ、ECR(電子サイクロトロン共鳴)放電により内部
にECRプラズマPを生成させるためのAlブロック・
チャンバ4、このAlブロック・チャンバ4を周回する
ように配設され8.75×10-2T(875Gaus
s)の磁場強度を達成できるソレノイド・コイル5、上
記Alブロック・チャンバ4の内部に挿通され、矢印B
1 ,B2 方向からエッチング・ガスを導入するためのガ
ス供給管6、上記Alブロック・チャンバ4に接続さ
れ、排気孔8を通じて矢印A方向に高真空排気される試
料室7、ウェハ11をクランプ10により載置・固定す
るためのウェハ載置電極9、このウェハ載置電極9に埋
設され、チラー等の冷却設備から供給される冷媒を矢印
1 ,C2 方向に循環させてウェハ11を所定の温度に
冷却するための冷却配管12、上記ウェハ載置電極9に
RFバイアスを印加するため、ブロッキング・コンデン
サ13等を介して接続されるRF電源14等である。
【0034】ここで、上記Alブロック・チャンバ4
は、従来の一般的な有磁場マイクロ波プラズマ・エッチ
ング装置に採用されている石英製のベルジャーに替わる
ものであり、チャンバの壁面自身がF* を消費しないの
で、より高密度で安定なECRプラズマPの生成が可能
とされている。また、Alブロック・チャンバ4の内壁
面には、S系材料層15を設けた。このS系材料層15
は、Alブロック・チャンバ4の内壁面を必ずしも連続
的に周回している必要はなく、たとえばブロック状や板
状の固体を内壁面に不連続に配してなるものであっても
良い。上記S系材料層15の具体例な構成材料として
は、S、硫化シリコン(SiSまたはSiS2 )、ポリ
チアジル(SN)x 等が挙げられる。また、S系材料層
15の形成方法としては、適当な方法にて成膜されたフ
ィルムもしくはブロックから切り出された板状体を貼着
するか、電子ビーム蒸着やECRスパッタリングにより
内壁面上に直接成膜する方法等が考えられる。本実施例
および後述の各実施例では、電子ビーム蒸着により成膜
されたSiS 2 層を使用した。
【0035】また、上記クランプ10の表面も、同様に
図示されないSiS2 層で被覆されている。
【0036】さらに、上記S系材料層15の内周側に
は、図示されない駆動手段により矢印D方向に昇降可能
とされた円筒形の昇降式シャッタ16を配設した。ここ
で、図1(a)は、Alブロック・チャンバ4の垂直壁
面上におけるS系材料層15とECRプラズマPとの接
触面積が昇降式シャッタ16により50%に制限された
状態を示し(シャッタ開度50%)、図1(b)は上記
昇降式シャッタ16を上昇させてS系材料層15とEC
RプラズマPとの接触面積が100%とされた状態(シ
ャッタ開度100%)を示す。なお、本明細書中で述べ
る接触面積とは、Alブロック・チャンバ4の垂直壁面
上のみを対象として論ずることとする。
【0037】図2は、上記昇降式シャッタ16の配設状
態をより明確に示すために、Alブロック・チャンバ4
の内部を一部破断して示す斜視図である。Alブロック
・チャンバ4の側壁面、昇降式シャッタ16、ウェハ載
置電極9、ウェハ11は全て同心的に配置されている。
なお、クランプ10の図示は省略してある。S系材料層
15とECRプラズマPとの接触面積は、昇降式シャッ
タ16の矢印D方向の昇降距離を変化させることにより
任意に調節できる。
【0038】上記昇降式シャッタ16は、ラジカルを消
費せず、かつエッチング反応系内に不要な汚染を惹起さ
せない材料を適宜選択して構成することができ、かかる
材料としてたとえばステンレス鋼、あるいはアルミナ等
のセラミクス系材料を使用することができる。本実施例
および後述の各実施例では、ステンレス鋼からなる昇降
式シャッタ16を採用した。
【0039】次に、上述の有磁場マイクロ波プラズマ・
エッチング装置を用いて実際にコンタクト・ホール加工
を行った。このプロセスを、図5、図7、図8および図
9を参照しながら説明する。なお、これらの図面は、模
式的な表現の都合上、実際よりもアスペクト比を圧縮し
て描かれている。
【0040】まず、図5に示されるように、予め不純物
拡散領域22の形成されたシリコン基板21上にたとえ
ば減圧CVD法により層厚10nmのSi3 4 下地膜
23を形成し、続いて常圧CVD法により層厚500n
mのSiO2 層間絶縁膜24を形成した。さらに、上記
SiO2 層間絶縁膜24の上には、化学増幅系ネガ型3
成分系フォトレジストであるSAL−601(シプレー
社製;商品名)を塗布し、エキシマ・レーザ・リソグラ
フィおよびアルカリ現像により開口部25aを有するレ
ジスト・マスク25を形成した。
【0041】このウェハを上記の有磁場マイクロ波プラ
ズマ・エッチング装置のウェハ載置電極9上にセット
し、冷却配管12にエタノール系冷媒を循環させた。こ
の状態で、一例として下記の条件でSiO2 層間絶縁膜
24をエッチングした。 SF6 流量 50SCCM ガス圧 0.27Pa(=2mTor
r) マイクロ波パワー 1200W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 300W(800kHz) ウェハ温度 −20℃ シャッタ開度 80%
【0042】このエッチングが進行する機構を、図7に
模式的に示す。図中、堆積とスパッタ除去とが競合する
化学種の組成式は点線で囲み、安定に堆積している化学
種の組成式は実線で囲んだ。また、窒化イオウ系化合物
は“SN”で代表して表し、さらにこれを鎖状につない
だものは、ポリチアジル(SN)x を模式的に表すもの
とする。
【0043】SiO2 層間絶縁膜24のエッチングは、
ECRプラズマP中に大量に生成するF* によるラジカ
ル反応がSFx + 等のイオンの入射エネルギーにアシス
トされる機構で進行する。また、ECRプラズマPとS
系材料層15、あるいはクランプ10の表面に形成され
たS系材料層(図示せず。)との接触によりプラズマ中
に放出されたSが、低温冷却されたウェハの表面に吸着
された。
【0044】ここで、SiO2 層間絶縁膜24の垂直イ
オン入射面に吸着されたSは、この面からスパッタ・ア
ウトされるO原子と結合してSOx の形で除去されるの
で、SiO2 層間絶縁膜24のエッチング速度を何ら低
下させるものではない。しかし、レジスト・マスク25
の表面ではSの堆積とスパッタ除去とが競合し、エッチ
ング速度を低下させた。これにより、対レジスト選択比
が向上した。
【0045】一方、イオンの垂直入射が原理的に起こら
ないパターン側壁部にはSが堆積し、側壁保護効果を発
揮した。この結果、垂直壁を有するコンタクト・ホール
24aが形成された。
【0046】さらに、SiO2 層間絶縁膜24のエッチ
ングがほぼ終了してコンタクト・ホール24aの底部に
Si3 4 下地膜23が露出すると、該Si3 4 下地
膜23から供給されるN原子とプラズマ中のS原子が結
合して窒化イオウ系化合物が形成され、この膜の露出面
を被覆した。これによりエッチング速度は大幅に低下し
た。本実施例において、Si3 4 下地膜23に対する
選択比は約45であった。
【0047】次に、ウェハをプラズマ・アッシング装置
に移設し、O2 プラズマによりレジスト・マスク25を
除去した。このとき、図8に示されるように、パターン
側壁部に堆積したSは、燃焼反応によりSOx の形で除
去され、また、Si3 4 下地膜23の表面に堆積した
(SN)x は燃焼もしくは分解反応によりN2 ,N
x ,SOx 等の形で除去された。
【0048】最後に、ウェハを熱リン酸水溶液に浸漬
し、図9に示されるように、コンタクト・ホール24a
の底部に露出したSi3 4 下地膜23を分解除去し
た。以上のプロセスにより、不純物拡散領域22にダメ
ージを発生させたり、またパーティクル汚染を惹起させ
ることなく、良好な異方性形状を有するコンタクト・ホ
ール24aが形成された。
【0049】実施例2 本実施例では、実施例1で上述したプロセスを2段階化
し、ジャストエッチング工程とオーバーエッチング工程
との間でS/F比を変化させた例である。まず、前述の
図5に示したウェハに対して実施例1と同じ条件でジャ
ストエッチングを行い、図6に示されるように、Si3
4 下地膜23が露出し始めた時点で終了した。このと
き、コンタクト・ホール24の底面には、若干のエッチ
ング残渣24bが残存していた。
【0050】そこで、上記エッチング残渣24bを除去
するためのオーバーエッチングを、一例として下記の条
件で行った。 SF6 流量 50SCCM ガス圧 0.27Pa(=2mTor
r) マイクロ波パワー 1200W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 50W(800kHz) ウェハ温度 −20℃ シャッタ開度 100% このオーバーエッチング工程では、シャッタ開度が増大
されることによりプラズマ中へのSの供給量が増えると
共に、S系材料層15によるプラズマ中のF*の消費量
が増え、エッチング反応系のS/F比が増大した。ま
た、ジャストエッチング工程に比べて入射イオン・エネ
ルギーも低減されている。これらの理由により、図7に
示されるようにSix y 下地層23の表面は効率良く
窒化イオウ系化合物により被覆され、この層に対する選
択比としては約50の高い値が得られた。
【0051】実施例3 本実施例は、Si3 4 層を含むゲート絶縁膜上に形成
されたゲート電極の両側壁部においてSiO2 層からな
るサイドウォールを形成するためのエッチバックを、S
6 ガスを用いて行った例である。このプロセスは、L
DD構造を有するMOS−FETの製造工程に含まれる
ものである。
【0052】本実施例では、実施例1と異なり、回転式
シャッタを備えた有磁場マイクロ波プラズマ・エッチン
グ装置を使用した。この装置の概略断面図を示すと図1
と同様となるが、Alブロック・チャンバ4の内部を一
部破断して示す斜視図は図3のようになる。すなわち、
本実施例の装置は、スリット状の開口部17aを有する
円筒形の回転式シャッタ17を備えており、またS系材
料層15aも上記開口部17aの開口パターンに倣って
帯状に形成されている。上記回転式シャッタ17は、図
示されない駆動手段により矢印E方向に回転可能となさ
れている。
【0053】ここで、回転式シャッタ17とS系材料層
15aの位置関係について図4を参照しながら説明す
る。この図は、図3のF−F線断面図であり、(a)は
S系材料層15aが回転式シャッタ17に遮蔽され、E
CRプラズマPとの接触面積が0%とされた状態(シャ
ッタ開度0%)、(b)はS系材料層15aが開口部1
7aを介して露出され、ECRプラズマPとの接触面積
が100%とされた状態(シャッタ開度100%)を示
している。S系材料層15aとECRプラズマPとの接
触面積は、回転式シャッタ17の回転角を変化させるこ
とにより任意に調節できる。
【0054】なお、ここで言うシャッタ開度とは、実施
例1の場合と同様、Alブロック・チャンバ4の垂直壁
面上のみを基準に考えているが、より徹底した接触面積
の制御を行いたい場合には、Alブロック・チャンバ4
の軸方向に長く伸びた回転式シャッタを用い、傾斜壁面
上のS系材料層15aも遮蔽できるようにすれば良い。
【0055】上述の有磁場マイクロ波プラズマ・エッチ
ング装置を使用して、実際にサイドウォール形成のため
のエッチバックを行ったプロセスについて、図10を参
照しながら説明する。まず、図10(a)に示されるよ
うに、シリコン基板31上にいわゆるONO(酸化膜/
窒化膜/酸化膜)構造を有するゲート絶縁膜36を形成
し、さらにn + 型多結晶シリコン層からなるゲート電極
37をパターニングし、このゲート電極37をマスクと
してイオン注入を行うことにより低濃度不純物拡散領域
32を形成し、さらにウェハの全面にCVD法によりS
iO2 層38を堆積させた。ここで、上記ゲート絶縁膜
36は、シリコン基板31側から順に、層厚4nmの第
1のSiO2 ゲート絶縁膜33、層厚6nmのSi3
4 ゲート絶縁膜34、層厚2nmの第2のSiO2 ゲー
ト絶縁膜35が積層されたものである。
【0056】上記のウェハをRFバイアス印加型の有磁
場マイクロ波プラズマ・エッチング装置にセットし、一
例として下記の条件でSiO2 層38のエッチバック、
および第2のSiO2 ゲート絶縁膜35のジャストエッ
チングを行った。 SF6 流量 50SCCM ガス圧 0.27Pa(=2mTor
r) マイクロ波パワー 1200W(2.45GH
z) RFバイアス・パワー 250W(800kHz) ウェハ温度 −20℃ シャッタ開度 80% このエッチングが進行する機構は、実施例1で上述した
とおりである。エッチングはゲート電極37およびSi
3 4 ゲート絶縁膜34の表面が露出した時点で終了
し、ゲート電極17の両側壁部にサイドウォール38a
が形成された。このとき、図10(b)に示されるよう
に、ゲート電極37の表面ではSiO2 層38と異なり
O原子が供給されなくなるので、Sの堆積とそのスパッ
タ除去とが競合するようになり、エッチング速度が大幅
に低下して高選択比が得られた。また、Si3 4 ゲー
ト絶縁膜34の表面には、窒化イオウ系化合物が堆積し
た。
【0057】ジャストエッチングの終了時には、SiO
2 層間絶縁膜38のエッチング残渣38bが残存してい
た。
【0058】そこで、上記のエッチング残渣38bをそ
の下の第2のSiO2 ゲート絶縁膜35と共に除去する
ため、次に一例としてエッチング条件を下記のように切
り替え、オーバーエッチングを行った。 SF6 流量 50SCCM ガス圧 0.27Pa(=2mTor
r) マイクロ波パワー 1200W(2.45GH
z) RFバイアス・パワー 50W(800kHz) ウェハ温度 −20℃ シャッタ開度 100% このオーバーエッチング工程では、図10(c)に示さ
れるように、Si3 4 ゲート絶縁膜34の表面に形成
される窒化イオウ系化合物の寄与、および入射イオン・
エネルギーの低減により、下地にダメージを与えずに残
渣38bを除去し、サイドウォール38aを完成するこ
とができた。このときSi3 4 ゲート絶縁膜34に対
する選択比は約50であった。もちろんゲート電極37
の露出面は、Sにより保護された。
【0059】ところで、本実施例のプロセスではレジス
ト・マスクを用いないので、エッチング終了後にO2
ラズマ・アッシングは行われない。そこで、ウェハ表面
に堆積したSや窒化イオウ系化合物を除去するための別
工程が必要となるが、これらはプラズマ処理等を行うま
でもなく、エッチング終了後にウェハを約130℃以上
に加熱すれば除去することができる。このとき、まずウ
ェハが90℃付近まで加熱された時点でSが昇華除去さ
れ、さらにウェハが昇温すると窒化イオウ系化合物が分
解除去される。この結果、図10(d)に示されるよう
に、下地の低濃度不純物拡散領域32に何らダメージを
与えることなく、高異方性・高選択加工を実現すること
ができた。
【0060】実施例4 本実施例は、本発明をコンタクト・ホール加工に適用
し、SF6 ガスとSi34 マスクを用いてSiO2
間絶縁膜をエッチングした例である。このプロセスを、
図11を参照しながら説明する。まず、図11(a)に
示されるように、予め不純物拡散領域42の形成された
シリコン基板41上にたとえば常圧CVD法により層厚
1μmのSiO2 層間絶縁膜43が形成され、さらに該
SiO2 層間絶縁膜43上に所定の形状にパターニング
されたSi3 4 マスク44が形成されてなるウェハを
用意した。ここで、上記Si3 4 マスク44は、たと
えば減圧CVD法により形成された層厚100nmのS
3 4 層を、エキシマ・レーザ・リソグラフィと現像
処理により形成された化学増幅系フォトレジストのパタ
ーンをマスクとしてエッチングすることにより形成され
ており、開口部44aを有している。フォトレジスト・
マスクはアッシングにより除去してある。
【0061】このウェハを実施例1で用いた有磁場マイ
クロ波プラズマ・エッチング装置にセットし、一例とし
て下記の条件でSiO2 層間絶縁膜43をジャストエッ
チングした。 SF6 流量 50SCCM ガス圧 0.27Pa(=2mTor
r) マイクロ波パワー 1200W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 200W(800kHz) ウェハ温度 −20℃ シャッタ開度 80% 本実施例では、エッチングの開始時から既にSi3 4
マスク44がウェハの表面に露出しているため、図11
(b)に示されるように、エッチングを開始するとその
表面は直ちに(SN)x 等の窒化イオウ系化合物で被覆
された。この窒化イオウ系化合物によりSi3 4 マス
ク44の表面におけるエッチング速度が大幅に低下し、
マスクの後退による寸法変換差の発生やコンタクト・ホ
ール43aの断面形状の劣化が防止された。
【0062】一方、SiO2 層間絶縁膜43のエッチン
グは、側壁部がSで保護されながら異方的に進行した。
下地の不純物拡散領域42が露出すると、その表面でS
の堆積とスパッタ除去とが競合するため、下地に対して
高い選択性が実現された。ジャストエッチングの終了時
には、SiO2 層間絶縁膜43のエッチング残渣43b
が若干残存していた。
【0063】そこで、上記のエッチング残渣43bを除
去するためのオーバーエッチングを、一例として下記の
条件で行った。 SF6 流量 50SCCM ガス圧 1.3Pa(=10mTo
rr) マイクロ波パワー 1200W(2.45GH
z) RFバイアス・パワー 50W(800kHz) ウェハ温度 −20℃ シャッタ開度 100% このオーバーエッチング工程では、S系材料層15から
のSの供給が促進され、かつ入射イオン・エネルギーが
低減されていることにより、図11(c)に示されるよ
うに、下地にダメージを与えることなくエッチング残渣
43bを除去することができた。このときの対シリコン
選択比は、約50であった。
【0064】エッチング終了後には、ウェハを約130
℃以上に加熱することにより、図11(d)に示される
ように窒化イオウ系化合物とSを除去した。
【0065】一般にSiO2 層のエッチングにはイオン
入射エネルギーの大きい条件が採用されるので、レジス
ト・マスクを使用するプロセスでは入射イオンのスパッ
タ作用によるマスクの後退、およびこれに伴うパーティ
クル汚染の発生が問題となっていた。しかし、本実施例
のプロセスによれば、Si3 4 層をマスクとするSi
2 層のエッチングが可能となるので、レジスト・マス
クが不要となり、上述の問題を回避できる。この場合、
マスクとして使用したSi3 4 層は、特に除去しなく
ても絶縁膜の一部としてそのまま使用することができ
る。
【0066】以上、本発明を4例の実施例にもとづいて
説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものではなく、たとえばエッチング・ガスには各種の添
加ガスを混合しても良い。たとえば、エッチング反応系
のS/F比を増大させるための添加ガスとして、H2
2 S、シラン系化合物等を使用しても良い。これらの
化合物は、放電解離条件下でH* やSi* を生成し、こ
れらのラジカルによりF* を捕捉して、エッチング反応
系の見掛け上のS/F比を上昇させる作用を有する。さ
らに、スパッタリング効果,冷却効果,希釈効果を得る
目的でHe,Ar等の希ガスが添加されていても良い。
【0067】上述の実施例ではフッ素系化合物としてS
6 を用いたが、本発明で規定されるNF3 ,ClF3
を用いても、同様の結果が得られる。特にNF3 を用い
た場合には、気相中からも窒化イオウ系化合物を堆積さ
せることができ、表面保護効果を強化することができ
る。S系材料層により被覆される内部構成部材は、上述
のクランプの他、ウェハ載置電極、ウェハ・カバー等で
あっても良い。これら内部構成部材の表面においてS系
材料層とプラズマとの接触面積を変化させることが可能
なシャッタ部材が設けられていてももちろん構わない。
【0068】その他、ウェハの構成、エッチング条件等
が適宜変更可能であることは、言うまでもない。
【0069】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明のドライエッチング方法によれば、Six y 層に対
して高選択性を確保しながらSiOx 層をエッチングす
るという従来では困難であったプロセスを、優れた再現
性を持って行うことが可能となる。しかも、プロセス途
中におけるエッチング反応系のS/F比の制御を、主と
してエッチング・チャンバの内壁面に設けられたS系材
料層とプラズマとの接触面積をシャッタ部材を用いて機
械的に変化させるという巧妙な手法により、迅速かつ容
易に行うことができる。また、側壁保護用のSを固相か
ら供給させることにより、エッチング・ガスとしては安
定で安価な汎用の塩素系化合物や臭素系化合物が使用で
きるようになり、経済上のメリットも大きい。
【0070】もちろん、本発明が脱フロン対策としても
優れていることは言うまでもない。本発明は微細なデザ
イン・ルールにもとづいて設計され、高性能、高集積
度、および高性能を要求される半導体装置の製造に好適
であり、その産業上の価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる有磁場マイクロ波プラズマ
・エッチング装置の一構成例を示す概略断面図であり、
(a)は昇降式シャッタの開度を50%とした状態、
(b)は100%とした状態をそれぞれ表す。
【図2】図1の有磁場マイクロ波プラズマ・エッチング
装置のAlブロック・チャンバと昇降式シャッタの一部
を破断して示す概略斜視図である。
【図3】本発明で用いられる有磁場マイクロ波プラズマ
・エッチング装置の他の構成例において、Alブロック
・チャンバと回転式シャッタの一部を破断して示す概略
斜視図である。
【図4】図3の有磁場マイクロ波プラズマ・エッチング
装置のF−F線断面図であり、(a)はS系材料層とE
CRプラズマとの接触面積が0%とされた状態、(b)
は100%とされた状態をそれぞれ表す。
【図5】本発明をコンタクト・ホール加工に適用したプ
ロセス例において、Si3 4下地膜に積層されたSi
2 層間絶縁膜の上にレジスト・マスクが形成された状
態を示す概略断面図である。
【図6】図5のSiO2 層間絶縁膜がジャストエッチン
グされ、エッチング残渣が生じた状態を示す概略断面図
である。
【図7】図6のエッチング残渣が除去された状態を示す
概略断面図である。
【図8】図7のレジスト・マスクの除去に伴ってSと窒
化イオウ系化合物が除去された状態を示す概略断面図で
ある。
【図9】図8のコンタクト・ホールの底面においてSi
3 4 下地層の露出部が選択的に除去された状態を示す
概略断面図である。
【図10】本発明をいわゆるONO構造を有するゲート
絶縁膜上のゲート電極の両側壁部にサイドウォールを形
成するためのエッチバックに適用したプロセス例をその
工程順にしたがって示す模式的断面図であり、(a)は
ウェハの全面にSiO2 層が形成された状態、(b)は
SiO2 層がジャストエッチングされた状態、(c)は
オーバーエッチングが終了した状態、(d)は堆積した
Sと窒化イオウ系化合物が加熱により分解もしくは昇華
除去された状態をそれぞれ表す。
【図11】本発明をコンタクト・ホール加工に適用した
他のプロセス例をその工程順にしたがって示す模式的断
面図であり、(a)はSiO2 層間絶縁膜上にSi3
4マスクが形成された状態、(b)はSiO2 層間絶縁
膜がジャストエッチングされた状態、(c)はオーバー
エッチングが終了した状態、(d)は堆積したSと窒化
イオウ系化合物が加熱により分解もしくは昇華除去され
た状態をそれぞれ表す。
【符号の説明】
4 ・・・Alブロック・チャンバ 9 ・・・ウェハ載置電極 10 ・・・クランプ 11 ・・・ウェハ 15,15a ・・・S系材料層 16 ・・・昇降式シャッタ 17 ・・・回転式シャッタ 21,31,41 ・・・シリコン基板 22,42 ・・・不純物拡散領域 23 ・・・Si3 4 下地膜 24,43 ・・・SiO2 層間絶縁膜 24a,43a ・・・コンタクト・ホール 24b,38b,43b・・・エッチング残渣 32 ・・・低濃度不純物拡散領域 34 ・・・Si3 4 ゲート絶縁膜 35 ・・・第2のSiO2 ゲート絶
縁膜 37 ・・・ゲート電極 38 ・・・SiO2 層 38a ・・・サイドウォール 44 ・・・Si3 4 マスク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エッチング・チャンバの内壁面の少なく
    とも一部がイオウ系材料層により被覆されてなるエッチ
    ング装置にフッ素系化合物を含むエッチング・ガスを導
    入し、プラズマとの接触により前記イオウ系材料層から
    イオウおよび/またはイオウ系材料を供給可能とした状
    態で、窒化シリコン系材料層の上に形成された酸化シリ
    コン系材料層を基体表面の一部に少なくとも窒化イオウ
    系化合物を堆積させながら選択的にエッチングすること
    を特徴とするドライエッチング方法。
  2. 【請求項2】 エッチング・チャンバの内壁面の少なく
    とも一部がイオウ系材料層により被覆されてなるエッチ
    ング装置にフッ素系化合物を含むエッチング・ガスを導
    入し、プラズマとの接触により前記イオウ系材料層から
    イオウおよび/またはイオウ系材料を供給可能とした状
    態で、酸化シリコン系材料層をその上に形成され予め所
    定の形状にパターニングされた窒化シリコン系材料層を
    マスクとし、基体表面の一部に少なくとも窒化イオウ系
    化合物を堆積させながらエッチングすることを特徴とす
    るドライエッチング方法。
  3. 【請求項3】 前記エッチング装置が前記イオウ系材料
    層とプラズマとの接触面積を可変となし得るシャッタ部
    材を備え、前記酸化シリコン系材料層を実質的にその層
    厚分だけエッチングするジャストエッチング工程ではこ
    の接触面積を相対的に小とし、前記酸化シリコン系材料
    層の残余部を除去するオーバーエッチング工程では相対
    的に大とすることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載のドライエッチング方法。
  4. 【請求項4】 前記エッチング装置として、前記エッチ
    ング・チャンバの内部構成部材の表面の少なくとも一部
    がイオウ系材料層により被覆されてなるものを用いるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    に記載のドライエッチング方法。
  5. 【請求項5】 前記フッ素系化合物がSF6 ,NF3
    ClF3 から選ばれる少なくとも1種類の化合物である
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1
    項に記載のドライエッチング方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000061225A (ko) * 1999-03-24 2000-10-16 김영환 반도체소자의 트렌치 형성방법
KR100383034B1 (ko) * 1999-11-24 2003-05-09 가부시키가이샤 히다치 고쿠사이 덴키 반도체 장치의 제조방법 및 반도체 제조장치

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