JPH0653185A - ドライエッチング方法 - Google Patents

ドライエッチング方法

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JPH0653185A
JPH0653185A JP22352492A JP22352492A JPH0653185A JP H0653185 A JPH0653185 A JP H0653185A JP 22352492 A JP22352492 A JP 22352492A JP 22352492 A JP22352492 A JP 22352492A JP H0653185 A JPH0653185 A JP H0653185A
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JP
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etching
layer
material layer
based material
plasma
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JP22352492A
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English (en)
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Tetsuji Nagayama
哲治 長山
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 3層レジスト・プロセスにおいて、下地材料
層に対して高選択性を維持しながら下層レジスト層をエ
ッチングする。 【構成】 有磁場マイクロ波プラズマ・エッチング装置
のAlブロック・チャンバ24の内壁面にSiS2 層等
からなるS(イオウ)系材料層35を配し、この層とE
CRプラズマPとの接触面積を昇降式シャッタ36に昇
降により可変とする。接触面積が大きければプラズマ中
に大量のSが放出されてエッチング反応系のS/O比,
S/X比(Xはハロゲン)が上昇し、接触面積が小さけ
れば低下する。SF6 /O2 混合ガスで下層レジスト層
をエッチングする場合、ジャストエッチング工程では接
触面積を小、オーバーエッチング工程では大とすれば、
後者の工程でSが豊富となり、下地材料層や中間層に対
して高選択比を維持しながら異方性加工を行うことがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、半導体装置の製造等に適用され
るドライエッチング方法に関し、特に多層レジスト・プ
ロセスにおいて下地材料層に対して高選択比を維持しな
がら下層レジスト層をエッチングする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置のデザイン・ルールがサブミ
クロンからクォーターミクロンのレベルへと高度に微細
化されるに伴い、各種加工技術に対する要求も一段と厳
しさを増している。フォトリソグラフィ技術もその例外
ではない。近年では、高解像度を求めて露光波長が短波
長化され、さらに基体の表面段差も増大していることも
あって、多層レジスト・プロセスの採用が必須となりつ
つある。多層レジスト・プロセスは、基体の表面段差を
吸収するに十分な厚い下層レジスト層と、高解像度を達
成するに十分な薄い上層レジスト層の少なくとも2種類
のレジスト層とを組み合わせて使用する方法である。
【0003】良く知られた方法としては、J.Vac.
Sci.Tech.,16,p.1620(1979)
に報告された多層レジスト・プロセスがある。これは、
基体上に下層レジスト層、SOG(スピン・オン・グラ
ス)等の酸化シリコン(SiOx )系材料からなる極め
て薄い中間層、およびフォトリソグラフィにより直接に
パターニングされる薄い上層レジスト層の3種類の層を
使用するものである。このプロセスでは、まず上層レジ
スト層が所定の形状にパターニングされ、これをマスク
としてその下の中間層がRIE(反応性イオン・エッチ
ング)によりパターニングされ、さらに前記上層レジス
ト層と中間層とをマスクとしてO2 ガス等を用いるドラ
イエッチングにより下層レジスト層がパターニングされ
る。上層レジスト層は下層レジスト層に比べて膜厚が薄
いので、該下層レジスト層のエッチング中に消費され、
最終的には中間層がエッチング・マスクの上表面を構成
する。
【0004】ところで、O2 ガスにより有機材料層であ
る下層レジスト層をパターニングする工程では、O
* (酸素ラジカル)による等方的な燃焼反応に起因する
パターン形状劣化を防止するために、イオン入射エネル
ギーをある程度高めた条件を採用することが必要とな
る。つまり、低ガス圧かつ高バイアス・パワーといった
条件下でイオンの平均自由行程と自己バイアス電位Vdc
を増大させ、大きな入射エネルギーを有するイオンによ
るスパッタ反応が主体となるエッチング機構にもとづい
て高異方性を達成するわけである。
【0005】ところが、かかるエッチング条件の採用
は、多層レジスト・プロセスの実用化を妨げる主因とも
なっている。それは、たとえば第33回応用物理学関係
連合講演会(1986年春季年会)講演予稿集p.54
2,演題番号2p−Q−8でも指摘されているように、
パターンの側壁面上に再付着物層が形成されるからであ
る。この再付着物層とは、オーバーエッチング時に下地
材料層に大きな運動エネルギーを有するイオンが入射
し、そのスパッタ生成物がパターンの側壁面に再付着す
ることにより形成されるものである。たとえば、下地材
料層がアルミニウム(Al)系材料層である場合には、
Al系材料からなる再付着物層が下層レジスト層のパタ
ーン壁に付着してしまうわけである。このような再付着
物層は、一旦形成されると極めて除去困難であり、レジ
スト・アッシング等を経た後もウェハ上に残存して重大
なパーティクル汚染を引き起こし易い。
【0006】上述のような再付着を抑制するには入射イ
オン・エネルギーの低減が効果的であるのは明白だが、
これでは前述の等方的な燃焼反応が優勢となり、異方性
が低下してしまう。このため、入射イオン・エネルギー
の低減と高異方性の達成とを両立し得るレジスト材料層
のドライエッチング方法が切望されている。
【0007】かかる要望に対応する技術として、これま
でに(a)N2 ガスを用いるプロセス、(b)ECRプ
ラズマを用いる超低圧プロセス、(c)低温エッチング
・プロセス、等が提案されている。上記(a)のN2
スを用いるプロセスは、たとえばProceeding
sof 5th Dry Process Sympo
sium(1983年),p.41に報告されており、
有機物と本来的にラジカル反応を起こしにくいエッチン
グ種であるNを使用することで、イオン入射エネルギー
を下げた条件でも高異方性を達成しようとするものであ
る。しかし、この低反応性ゆえ、エッチング速度の低下
は免れない。
【0008】上記(b)のECRプラズマを用いる超低
圧プロセスは、第35回応用物理学関係連合講演会(1
988年春季年会)講演予稿集p.502,演題番号2
8a−G−12に報告されており、10-4〜10-5To
rr台の超低圧下でラジカル生成量を低減させ、実質的
にイオンのみを用いたエッチングを可能とするものであ
る。しかし、イオン化率を考慮すると、実用上十分なエ
ッチング速度を確保することはやはり難しい。また、5
000リットル/秒クラスの大排気量型ターボ・モレキ
ュラー・ポンプが不可欠であること、上記の低圧領域に
おいて正確な圧力制御を可能とする装置が現状では入手
できないこと等、ハードウェア面の制約も大きい。
【0009】上記(c)の低温エッチング・プロセス
は、第35回応用物理学関係連合講演会(1988年春
季年会)講演予稿集p.496,演題番号28a−G−
4に報告されており、被処理基板を低温冷却することに
よりラジカル反応を凍結もしくは抑制しようとするもの
である。この方法が原理的には最も優れていると考えら
れるが、高異方性を確保するためには−100℃もしく
はそれ以上にも及ぶ低温冷却が必要となり、真空シール
材の信頼性や温度の制御性等、ハードウェア面の問題点
がまだ多い。
【0010】以上の問題点に鑑みて、本発明者は高異方
性の達成をラジカル性の低減とイオン性の増強のみに依
存するのではなく、反応生成物による側壁保護を併用し
て達成しようとする技術を各種提案している。つまり、
側壁保護を併用すれば、イオン入射エネルギーを実用的
なエッチング速度を損なわない程度に低減することがで
き、また低温エッチングを行うにしても従来よりも遙か
に室温に近い温度域で同等の効果が得られるからであ
る。
【0011】たとえば、特開平2−244625号公報
には、O2 に塩素(Cl)系ガスを添加したエッチング
・ガスを使用することにより、下層レジスト層とCl系
ガスとの反応生成物であるCClx を側壁保護膜として
堆積させながら該下層レジスト層の異方性エッチングを
行う技術を開示した。また、特開平4−84414号公
報には、ウェハ温度を50℃以下に制御した状態でNH
3 を主体とするエッチング・ガスを使用してレジスト材
料層をエッチングする技術を提案している。ここでは、
少なくともN,C,Oを構成元素として含むエッチング
反応生成物が側壁保護膜の役割を果たす。
【0012】また、特開平4−171726号公報に
は、O2 に臭素(Br)系ガスを添加したエッチング・
ガスを使用することにより、下層レジスト層とBr系ガ
スとの反応生成物であるCBrx を側壁保護膜として堆
積させながら該下層レジスト層の異方性エッチングを行
う技術を提案した。
【0013】本発明者が先に提案したこれらのドライエ
ッチング方法は、実用的なエッチング速度を確保した上
で低エネルギーのイオンによる異方性加工を実用的な温
度域で達成した点において、いずれも極めて画期的な技
術である。しかし、半導体装置における基体の表面段差
がますます増大している現状では、100%にも及ぶオ
ーバーエッチングが必要とされる場合も生じており、下
地材料層のスパッタ除去、およびそれに伴う再付着物層
の形成が従来にも増して深刻な問題となりつつある。
【0014】この問題に対処するためには、(d)初め
から再付着物を生成し得ない条件を設定する、(e)パ
ターン側壁面上の再付着物を後で除去する、もしくは
(f)再付着物の生成を極力抑制し得る条件を設定す
る、といった対策が必要となる。上記(d)の初めから
再付着物を生成させない方法としては、オーバーエッチ
ング時にエッチング・ガスに下地材料層をエッチングで
きる化合物を添加することが考えられる。たとえば、本
発明者が先に特開平2−244718号公報に開示した
技術はその一例であり、アルミニウム(Al)系材料層
を下地として多層レジスト膜をエッチングする際のオー
バーエッチング時に、エッチング・ガスにBCl3 を添
加している。これにより、パターン側壁部にAl系材料
からなる再付着物層が形成されても、これをBCl3
より除去しながら下層レジスト層のオーバーエッチング
を行うことができるのである。
【0015】しかしながら、著しく薄膜化の進んだ近年
のデバイス構造を考慮すると、下地材料層のわずかな除
去もデバイスの信頼性を劣化させる可能性が大きい。ま
た、オーバーエッチング時のエッチング条件の切り換え
のタイミングが僅かでも遅れて下地材料層が高Vdc条件
に曝されれば、再付着の懸念はやはり払拭できない。
【0016】上記(e)の再付着物を後で除去する方法
としては、本発明者が先に特願平3−144079号明
細書において、下地材料層が高融点金属シリサイド層で
ある場合に、再付着物を塩化物もしくはオキシ塩化物に
変化させて加熱除去する方法を提案している。
【0017】さらに、上記(f)の再付着物の生成を極
力抑制する方法としては 入射イオン・エネルギーのさ
らなる低減化を図ることが考えられる。しかし、単に入
射イオン・エネルギーを低減するのみでは異方性が低下
するので、低汚染性の堆積物により側壁保護を効率良く
行うことが必要となる。この観点から、本願出願人は先
に特願平3−183428号明細書において、エッチン
グ・ガスとしてS2 Cl2 /O2 混合ガスを用いること
により、従来の側壁保護物質であった炭素系ポリマーに
加え、S2 Cl2 から解離生成する遊離のSを側壁保護
に利用する技術を提案した。
【0018】また、特願平3−280376号明細書で
は、S2 Cl2 /O2 /N2 混合ガスを用いることによ
り、ポリチアジル(SN)x に代表される窒化イオウ系
化合物を堆積させることにより、さらに強力な側壁保護
効果を発揮させる方法も提案している。これらSや窒化
イオウ系化合物は、エッチング終了後にウェハをおおよ
そ90℃以上、あるいは130℃以上に加熱すれば、容
易に昇華除去もしくは分解除去できる。したがって、こ
れらの堆積を利用するプロセスは、パーティクル汚染を
低減する観点からも極めて優れている。
【0019】この(f)の方法が、これら3つの対策の
中では下地材料層の種類によらず普遍的に実施でき、最
も本質的解決に近い方法であると考えられる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところで、Sの堆積を
利用するプロセスでは、オーバーエッチング時にエッチ
ング反応系をSに富む雰囲気としてSの堆積を促進する
ことが、下地選択性を向上させる観点から特に有効であ
る。一般に堆積性物質を表面保護や側壁保護に利用する
プロセスでは、ジャストエッチング時とオーバーエッチ
ング時とでエッチング・ガスの組成を変化させたり、放
電条件を変化させることにより、堆積性物質の生成量を
制御できることが知られている。このことは、Sの堆積
を利用するプロセスにも同様に当てはまる。
【0021】しかし、これらの対策ではプラズマの状態
の安定化に時間を要し、場合によってはプラズマが消滅
する等の不都合も生じ、スループットを向上させること
が困難である。そこで本発明は、エッチング反応系のS
含量の制御技術としてエッチング・ガスの組成変更とは
異なるアプローチにより、下地材料層に対する選択性を
向上させ、多層レジスト・プロセスの実用性を真に高め
得るドライエッチング方法を提供することを目的とす
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明のドライエッチン
グ方法は、上述の目的を達成するために提案されるもの
であり、基板上に形成された有機材料層を所定の形状に
パターニングされた無機材料層をマスクとしてエッチン
グする際に、エッチング・チャンバの内壁面の少なくと
も一部がイオウ系材料層により被覆されてなるエッチン
グ装置にO2 を含むエッチング・ガスを導入し、該イオ
ウ系材料層からプラズマとの接触面積に応じて供給され
るイオウおよび/またはイオウ系材料を基体表面の少な
くとも一部に堆積させながらエッチングを行うことを特
徴とする。
【0023】本発明はまた、前記エッチング・ガスがさ
らにハロゲン化合物を含むことを特徴とする。
【0024】本発明はまた、前記エッチング・ガスがさ
らに窒素系化合物を含むことを特徴とする。
【0025】本発明はまた、前記エッチング装置に前記
イオウ系材料層とプラズマとの接触面積を可変となし得
るシャッタ部材を配し、前記有機材料層を実質的にその
層厚分だけエッチングするジャストエッチング工程では
この接触面積を相対的に小とし、前記有機材料層の残余
部を除去するオーバーエッチング工程では相対的に大と
することを特徴とする。
【0026】本発明はさらに、前記エッチング装置とし
て、前記エッチング・チャンバの内部構成部材の表面の
少なくとも一部がイオウ系材料層により被覆されてなる
ものを用いることを特徴とする。
【0027】
【作用】本発明者は、エッチング・ガスの組成を変更す
ることなくエッチング反応系のS含量を制御するために
は、S系材料をエッチング・ガスの構成分子から供給す
るのではなく、プラズマとの接触によりS系材料を放出
し得るような固相から供給することが望ましいと考え
た。
【0028】このような考え方に立脚し、本発明で用い
られるエッチング装置には、エッチング・チャンバの内
壁面の少なくとも一部にS系材料層を配する。これによ
り、エッチング反応系にはプラズマとS系材料層の接触
状態に応じた量のSおよび/またはS系材料が、該S系
材料層から供給される。なお、厳密には、S系材料層の
種類によっては単体のSの他、Sを構成元素として含む
化合物がそのままの形あるいはフラグメントの形でスパ
ッタされてくる可能性もあるが、以下の明細書中では特
に断らない限り、これらを総称してSと記載する。
【0029】プラズマ中に供給されたSは、ウェハがお
およそ室温以下の温度に維持されていれば該ウェハの表
面に付着され、様々な挙動を示す。すなわち、3層レジ
スト・プロセスで用いられる中間層(無機材料層)や下
地材料層の露出面のような垂直イオン入射面では、Sの
堆積過程とスパッタ除去過程とが競合することにより、
エッチング速度を大幅に低下させることに寄与する。ま
た、イオンの垂直入射が原理的に生じないパターンの側
壁面上では、堆積して側壁保護効果を発揮する。
【0030】もちろんこの間、有機材料層である下層レ
ジスト層のエッチングは、エッチング・ガス中のO2
より進行する。
【0031】本発明では、エッチング・ガスにハロゲン
化合物を添加することも提案する。このハロゲン化合物
から解離生成するハロゲン・ラジカルX* は、有機材料
層の分解生成物と反応して堆積性の強い炭素系ポリマー
を生成させたり、下地材料層から若干のスパッタ生成物
が発生した場合にこれを分解除去することに寄与する。
また、チャンバ内壁面のS系材料層のO* による酸化反
応を抑制する効果も有する。
【0032】なお、本発明ではSが固相から供給される
ので、ハロゲン化合物自身が放出可能なS原子を有して
いる必要は特にない。したがって、ハロゲン化合物とし
てSF6 ,Cl2 ,HBr等のような汎用の安価なガス
を使用できる点も、本発明のメリットである。
【0033】本発明ではまた、エッチング・ガスに窒素
系化合物を添加することも提案する。この場合、窒素系
化合物から解離生成したN原子とS系材料層から供給さ
れるSとが反応してポリチアジル(SN)x を主体とす
る窒化イオウ系化合物が生成し、単体のSにも増して強
力な表面保護効果および側壁保護効果を発揮する。
【0034】本発明ではまた、上記のエッチング工程を
ジャストエッチング工程とオーバーエッチング工程の2
段階に分け、これら両工程間でエッチング反応系の見掛
け上のS/O比(S原子数とO原子数の比)を機械的に
切り換える方法も提案する。すなわち、エッチング装置
にS系材料層とプラズマとの接触面積を可変とするため
のシャッタ部材を設け、このシャッタ部材を操作するこ
とによりプロセス途中でS/O比を変化させるのであ
る。エッチング・ガスにハロゲン化合物が含まれている
場合には、S/X比〔S原子数とハロゲン(X)原子数
の比〕も同時に変化する。シャッタ部材の操作によりS
系材料層とプラズマとの接触面積を小とした場合には、
S系材料層からのSの供給量が減少すること、Sによる
* ,X* の消費が抑制されること等の理由により、エ
ッチングを高速化することができる。逆に接触面積を大
とした場合には、このS系材料層からのSの供給量が増
大すること、SによるO* ,X* の消費が増大すること
等の理由により、エッチング反応系の見掛け上のS/O
比、S/X比が上昇して高選択性が達成される。したが
って、ジャストエッチング工程では高速性を重視して接
触面積を小とし、オーバーエッチング工程では高選択性
を重視して接触面積を大とすれば、高速性と高選択性と
を両立できる。
【0035】この方法によれば、シャッタ部材の機械的
な操作を行うのみでS/X比およびS/O比を容易に変
化させることができ、ウェハ温度やエッチング・ガスの
組成比等の他のパラメータを変更する必要がない。した
がって、放電状態の安定化に要する時間を短縮してスル
ープットを改善し、かつプロセスの再現性を高めること
ができる。
【0036】また、本発明で用いられるエッチング装置
は、エッチング・チャンバの内部構成部材の表面の少な
くとも一部がイオウ系材料層で被覆されたものであって
も良い。たとえば、かかるイオウ系材料層がウェハの近
傍に配され、しかもイオンの垂直入射面となっていれ
ば、この層からスパッタ・アウトされるSもウェハ上で
表面保護に寄与することができるわけである。
【0037】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0038】実施例1 本実施例は、本発明をSRAMのビット線加工を行うた
めの3層レジスト・プロセスに適用し、SF6 /O2
合ガスを用いて2層目ポリサイド膜上の下層レジスト層
をエッチングした例である。本実施例では、エッチング
・チャンバの内壁面とクランプの表面にS系材料層とし
てSiS2 層を備えたエッチング装置を使用し、このS
iS2 層の露出面積を昇降式シャッタにより制御した。
【0039】ここで、実際のエッチング・プロセスの説
明に入る前に、まず本発明を実施するにあたり使用した
RFバイアス印加型の有磁場マイクロ波プラズマ・エッ
チング装置の一構成例について、図2を参照しながら説
明する。基本的な構成要素は、2.45GHzのマイク
ロ波を発生するマグネトロン21、マイクロ波μを導く
導波管22、上記マイクロ波μを石英窓23を介して取
り入れ、ECR(電子サイクロトロン共鳴)放電により
内部にECRプラズマPを生成させるためのAlブロッ
ク・チャンバ24、このAlブロック・チャンバ24を
周回するように配設され8.75×10-2T(875G
auss)の磁場強度を達成できるソレノイド・コイル
25、上記Alブロック・チャンバ24の内部に挿通さ
れ、矢印B1 ,B2 方向からエッチング・ガスを導入す
るためのガス供給管26、上記Alブロック・チャンバ
24に接続され、排気孔28を通じて矢印A方向に高真
空排気される試料室27、ウェハ31をクランプ30に
より載置・固定するためのウェハ載置電極29、このウ
ェハ載置電極29に埋設され、チラー等の冷却設備から
供給される冷媒を矢印C1 ,C2 方向に循環させてウェ
ハ31を所定の温度に冷却するための冷却配管32、上
記ウェハ載置電極29にRFバイアスを印加するため、
ブロッキング・コンデンサ33等を介して接続されるR
F電源34等である。
【0040】ここで、上記Alブロック・チャンバ24
は、従来の一般的な有磁場マイクロ波プラズマ・エッチ
ング装置に採用されている石英製のベルジャーに替わる
ものであり、より高密度で安定なECRプラズマPの生
成が可能とされている。また、Alブロック・チャンバ
24の内壁面には、S系材料層35を設けた。このS系
材料層35は、Alブロック・チャンバ24の内壁面を
必ずしも連続的に周回している必要はなく、たとえばブ
ロック状や板状の固体を内壁面に不連続に配してなるも
のであっても良い。上記S系材料層35の具体例な構成
材料としては、S、硫化シリコン(SiSまたはSiS
2 )、ポリチアジル(SN)x 等が挙げられる。また、
S系材料層35の形成方法としては、適当な方法にて成
膜されたフィルムもしくはブロックから切り出された板
状体を貼着するか、電子ビーム蒸着やECRスパッタリ
ングにより内壁面上に直接成膜する方法等が考えられ
る。本実施例では、電子ビーム蒸着により成膜されたS
iS2 層を使用した。
【0041】また、上記クランプ30の表面も、同様に
図示されないSiS2 層で被覆されている。
【0042】さらに、上記S系材料層35の内周側に
は、図示されない駆動手段により矢印D方向に昇降可能
とされた円筒形の昇降式シャッタ36を配設した。ここ
で、図2(a)は、Alブロック・チャンバ24の垂直
壁面上におけるS系材料層35とECRプラズマPとの
接触面積が昇降式シャッタ36により50%に制限され
た状態を示し(シャッタ開度50%)、図2(b)は上
記昇降式シャッタ36を上昇させてS系材料層35とE
CRプラズマPとの接触面積が100%とされた状態
(シャッタ開度100%)を示す。なお、本明細書中で
述べる接触面積とは、Alブロック・チャンバ24の垂
直壁面上のみを対象として論ずることとする。
【0043】図3は、上記昇降式シャッタ36の配設状
態をより明確に示すために、Alブロック・チャンバ2
4の内部を一部破断して示す斜視図である。Alブロッ
ク・チャンバ24の側壁面、昇降式シャッタ36、ウェ
ハ載置電極29、ウェハ31は全て同心的に配置されて
いる。なお、クランプ30の図示は省略してある。S系
材料層35とECRプラズマPとの接触面積は、昇降式
シャッタ36の矢印D方向の昇降距離を変化させること
により任意に調節できる。
【0044】上記昇降式シャッタ36は、ラジカルを消
費せず、かつエッチング反応系内に不要な汚染を惹起さ
せない材料を適宜選択して構成することができ、かかる
材料としてたとえばステンレス鋼、あるいはアルミナ等
のセラミクス系材料を使用することができる。本実施例
および後述の各実施例では、ステンレス鋼からなる昇降
式シャッタ36を採用した。
【0045】次に、上述の有磁場マイクロ波プラズマ・
エッチング装置を用いて実際に下層レジスト層をエッチ
ングした。このプロセスを、図1を参照しながら説明す
る。まず、エッチング・サンプルとして用いたウェハを
図1(a)に示す。このウェハにおいて、予めシャロー
・トレンチ型の素子分離領域2が形成されたシリコン基
板1上にSiO2 からなるゲート酸化膜を介して1層目
ポリサイド膜によるゲート電極5が形成されている。こ
のゲート電極5は、下層側の多結晶シリコン層3と上層
側のWSix (タングステン・シリサイド)層4とが積
層されてなるものである。さらに、ウェハの全面はたと
えばCVDによりSiO2 を堆積させることにより形成
されたSiO2 層間絶縁膜6に被覆されており、その上
には2層目ポリサイド膜9が形成されている。この2層
目ポリサイド膜9は、下層側の多結晶シリコン層7と上
層側のWSix 層8とが積層されてなるものであり、S
RAMのビット線を構成する部分である。
【0046】さらに、この2層目ポリサイド膜9をパタ
ーニングするために、まずウェハの表面段差をほぼ吸収
して平坦化できる厚さに下層レジスト層10が形成さ
れ、この上に薄いSOG中間層11が形成され、さらに
上層レジスト・パターン12が順次形成されている。こ
こで、上記下層レジスト層10は、一例としてノボラッ
ク系ポジ型フォトレジスト(東京応化工業社製;商品名
OFPR−800)を用いて形成した。このとき、ゲー
ト電極5の配置に応じて層厚の大きい領域と層厚の小さ
い領域が生ずるが、前者における平均的な層厚は約1.
0μmとした。
【0047】上記SOG中間層11は、一例としてSO
G(東京応化工業社製;商品名OCD−Type 2)
を塗布することにより形成されている。上記上層レジス
ト・パターン12は、一例として化学増幅系のネガ型3
成分レジスト(シプレー社製;商品名SAL−601)
を用いて厚さ約0.5μmの塗膜を形成した後、KrF
エキシマ・レーザ・ステッパを用いてパターニングされ
ている。
【0048】次に、上述の上層レジスト・パターン12
をマスクとしてSOG中間層11をエッチングした。エ
ッチングにはヘキソード型のRIE装置を用い、エッチ
ング条件は一例として下記のように設定した。 CHF3 流量 75SCCM O2 流量 8SCCM ガス圧 6.5Pa(=50mTorr) RFパワー 700W(13.56MHz) このエッチングにより、図1(b)に示されるようにS
OG中間層パターン11aが形成された。
【0049】このウェハを上述の有磁場マイクロ波プラ
ズマ・エッチング装置のウェハ載置電極上にセットし、
下層レジスト層10のエッチングを行った。ここで、上
記ウェハ載置電極は冷却配管を内蔵しており、装置外部
に設置されるチラー等の冷却設備から適当な冷媒を供給
循環させることにより、エッチング中のウェハを所定の
温度に冷却できようになされている。ここでは、エタノ
ール冷媒を使用した。エッチング条件の一例を以下に示
す。
【0050】 SF6 流量 5SCCM O2 流量 5SCCM ガス圧 0.67Pa(=5mTor
r) マイクロ波パワー 900W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 100W(800kHz) ウェハ温度 −20℃ シャッタ開度 80%
【0051】このエッチング過程では、O2 による上層
レジスト・パターン12および下層レジスト層10の燃
焼反応が進行した。上層レジスト・パターン12は、厚
い下層レジスト層10のエッチング中に消失するので、
エッチングの途中からはSOG中間層パターン11aが
露出し、エッチング・マスクとして機能することにな
る。
【0052】このエッチングにより、良好な異方性形状
を有する下層レジスト・パターン10aを形成すること
ができた。これは、チャンバ内壁面のS系材料層35が
ECRプラズマPと接触することにより放出されたSが
パターン側壁面に付着し、側壁保護膜を形成したからで
ある。ここで、放出されたSの一部はO* と反応してS
x を生成するため、直ちにウェハに到達しないものも
ある。しかし、上述のエッチング条件ではガス流量を低
下させてガスの滞留時間を十分長く確保し、SOx の再
解離を促進しているため、O* によるSの消費はおおか
た抑制されている。さらに、O* によるS系材料層35
の表面酸化は、F* によるSiF4 の生成反応と拮抗す
ることにより、やはり抑制されている。
【0053】なお、図1(c)ではパターン側壁面にS
のみが付着しているように描かれているが、実際には下
層レジスト層10の分解生成物に由来するCFx ポリマ
ー等も含まれている。
【0054】さらに本実施例では、100%にも及ぶオ
ーバーエッチングを行った後でも、下地のWSix 層8
に由来する再付着物層は形成されなかった。これは、プ
ラズマ中にWSix 層8のエッチャントであるF* が存
在しており、再付着物が直ちに除去されたからである。
【0055】エッチング終了後に上記ウェハを約150
℃に加熱したところ、パターン側壁面上に堆積したS等
は容易に昇華除去もしくは分解除去され、ウェハ上に何
らパーティクル汚染を発生させることはなかった。この
ようにして形成された下層レジスト・パターン10aは
2層目ポリサイド膜9のエッチング・マスクとして使用
されるが、何ら寸法変換差を発生させる虞れがない。
【0056】実施例2 本実施例では、エッチング・チャンバの内壁面とクラン
プの表面に(SN)x層を備えたエッチング装置を使用
し、この(SN)x 層の露出面積を回転式シャッタによ
り制御しながら、O2 ガスを用いて同様に下層レジスト
層をエッチングした。
【0057】本実施例では、実施例1と異なり、回転式
シャッタを備えた有磁場マイクロ波プラズマ・エッチン
グ装置を使用した。この装置の概略断面図を示すと図2
と同様となるが、Alブロック・チャンバ24の内部を
一部破断して示す斜視図は図4のようになる。すなわ
ち、本実施例の装置は、スリット状の開口部37aを有
する円筒形の回転式シャッタ37を備えており、またS
系材料層35aも上記開口部37aの開口パターンに倣
って帯状に形成されている。上記回転式シャッタ37
は、図示されない駆動手段により矢印E方向に回転可能
となされている。
【0058】ここで、回転式シャッタ37とS系材料層
35aの位置関係について図5を参照しながら説明す
る。この図は、図4のF−F線断面図であり、(a)は
S系材料層35aが回転式シャッタ37に遮蔽され、E
CRプラズマPとの接触面積が0%とされた状態(シャ
ッタ開度0%)、(b)はS系材料層35aが開口部3
7aを介して露出され、ECRプラズマPとの接触面積
が100%とされた状態(シャッタ開度100%)を示
している。S系材料層35aとECRプラズマPとの接
触面積は、回転式シャッタ37の回転角を変化させるこ
とにより任意に調節できる。
【0059】なお、ここで言うシャッタ開度とは、実施
例1の場合と同様、Alブロック・チャンバ24の垂直
壁面上のみを基準に考えているが、より徹底した接触面
積の制御を行いたい場合には、Alブロック・チャンバ
24の軸方向に長く伸びた回転式シャッタを用い、傾斜
壁面上のS系材料層35aも遮蔽できるようにすれば良
い。
【0060】次に、上述の有磁場マイクロ波プラズマ・
エッチング装置を用いて実際に下層レジスト層10をエ
ッチングした。本実施例でエッチング・サンプルとした
ウェハは、図1(b)に示したものと同じである。エッ
チング条件は、一例として下記のとおりである。 O2 流量 5SCCM ガス圧 0.67Pa(=5mTor
r) マイクロ波パワー 900W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 100W(800kHz) ウェハ温度 20℃ シャッタ開度 80% 本実施例では、S系材料層35aが(SN)x から構成
されるため、プラズマ中にはSに加えてNも放出され、
プラズマ中で(SN)x を始めとする種々の窒化イオウ
系化合物が生成される。窒化イオウ系化合物の蒸気圧は
単体のSよりも低いため、実施例1と異なりウェハ温度
を室温領域まで上昇させても、同様に良好な異方性加工
を行うことができた。
【0061】ウェハ上に堆積した窒化イオウ系化合物
は、エッチング終了後にウェハをおおよそ130℃に加
熱することにより、容易に昇華除去もしくは分解除去さ
れた。
【0062】実施例3 本実施例では、実施例1のエッチング工程を2段階に分
け、昇降式シャッタを操作することによりジャストエッ
チング工程とオーバーエッチング工程との間でS系材料
層(SiS2 )とECRプラズマとの接触面積を変化さ
せた例である。まず、シャッタ開度を80%とした状態
で、実施例1と同様の条件により下層レジスト層10を
ジャストエッチングした。このジャストエッチングは、
下地のWSix 層8が露出し始めた時点で終了した。こ
のとき、ウェハ上には下層レジスト層10のエッチング
残渣が若干残存していた。
【0063】そこで、上記のエッチング残渣を除去する
ためのオーバーエッチングを、一例として下記の条件で
行った。 SF6 流量 5SCCM O2 流量 5SCCM ガス圧 0.67Pa(=5mTor
r) マイクロ波パワー 900W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 50W(800kHz) ウェハ温度 −20℃ シャッタ開度 100% このオーバーエッチング工程では、シャッタ開度が増大
されることによりプラズマ中へのSの供給量が増えると
共に、S系材料層35によるプラズマ中のF*とO*
消費量が増え、エッチング反応系のS/F比、S/O比
が増大した。また、ジャストエッチング工程に比べて入
射イオン・エネルギーも半減されている。これらの理由
により、実施例1に比べてSOG中間層パターン11a
やWSix 層8に対する選択性をさらに向上させること
ができた。
【0064】実施例4 本実施例では、実施例3と同様の下層レジスト層のエッ
チングを、SF6 /O2 /N2 混合ガスを用いて行っ
た。まず、図1(b)に示したウェハを有磁場マイクロ
波プラズマ・エッチング装置にセットし、一例として下
記の条件でジャストエッチングを行った。
【0065】 SF6 流量 5SCCM O2 流量 10SCCM N2 流量 5SCCM ガス圧 0.67Pa(=5mTor
r) マイクロ波パワー 900W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 50W(800kHz) ウェハ温度 20℃ シャッタ開度 80%
【0066】続いて、一例として下記の条件でオーバー
エッチングを行った。 SF6 流量 5SCCM O2 流量 10SCCM N2 流量 5SCCM ガス圧 0.67Pa(=5mTor
r) マイクロ波パワー 900W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 30W(800kHz) ウェハ温度 20℃ シャッタ開度 100% 本実施例では、SiS2 層から供給されるSとN2 から
解離生成するNとの反応により気相中に(SN)x を主
体とする窒化イオウ系化合物が生成し、これがパターン
側壁面に堆積して強力な側壁保護効果を発揮した。した
がって、ジャストエッチング工程、オーバーエッチング
工程共に実施例3よりもRFバイアス・パワーが低減さ
れ、ウェハ温度が上昇されているが、良好な高選択・異
方性加工を行うことができた。
【0067】実施例5 本実施例では、実施例3と同様の下層レジスト層のエッ
チングを、Cl2 /O2 混合ガスを用いて行った。ジャ
ストエッチングは、一例として下記の条件で行った。 Cl2 流量 5SCCM O2 流量 5SCCM ガス圧 0.67Pa(=5mTor
r) マイクロ波パワー 900W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 50W(800kHz) ウェハ温度 −20℃ シャッタ開度 80%
【0068】また、オーバーエッチングは、一例として
下記の条件で行った。 Cl2 流量 5SCCM O2 流量 5SCCM ガス圧 0.67Pa(=5mTor
r) マイクロ波パワー 900W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 30W(800kHz) ウェハ温度 −20℃ シャッタ開度 100% 本実施例では、下層レジスト層10の分解生成物にCl
2 から放出されたCl原子が取り込まれ、CClx ポリ
マーが生成した。このCClx ポリマーは、実施例3で
生成するCFx ポリマーよりも蒸気圧が低く、高い側壁
保護効果を発揮する。したがって、実施例3に比べてR
Fバイアス・パワーを下げた条件でも良好な異方性加工
を行うことができた。
【0069】なお、本実施例のようにエッチング・ガス
にCl2 が含まれる場合、Cl2 によるAlブロック・
チャンバ24の腐食を防止するために、予め該チャンバ
の内壁面をSiOx 系材料層等により被覆しておくこと
が望ましい。本実施例では、S系材料層35を形成する
前に、内壁面の全面にSOGを塗布した。
【0070】実施例6 本実施例では、実施例2で述べたような回転式シャッタ
と(SN)x 層を備えた有磁場マイクロ波プラズマ・エ
ッチング装置を用い、Cl2 /O2 混合ガスを用いて同
様に下層レジスト層をエッチングした。ここでエッチン
グ条件は、ウェハ温度を20℃とした以外は、ジャスト
エッチング工程、オーバーエッチング工程共に実施例5
と同じとした。
【0071】本実施例では、単体のSよりもエッチング
耐性に優れる窒化イオウ系化合物とCClx ポリマーと
を側壁保護に利用できるため、実施例5と異なりウェハ
温度を室温領域に維持した状態でも、良好な高選択・異
方性加工を行うことができた。
【0072】実施例7 本実施例では、実施例5と同様の下層レジスト層のエッ
チングを、HBr/O2 混合ガスを用いて行った。ジャ
ストエッチング工程は、一例として下記の条件で行っ
た。 HBr流量 5SCCM O2 流量 5SCCM ガス圧 0.67Pa(=5mTor
r) マイクロ波パワー 900W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 50W(800kHz) ウェハ温度 −10℃ シャッタ開度 80%
【0073】また、オーバーエッチングは、一例として
下記の条件で行った。 HBr流量 5SCCM O2 流量 5SCCM ガス圧 0.67Pa(=5mTor
r) マイクロ波パワー 900W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 30W(800kHz) ウェハ温度 −10℃ シャッタ開度 100% 本実施例では、実施例5で生成したCClx ポリマーよ
りもさらに側壁保護効果に優れるCBrx ポリマーが堆
積するため、実施例5に比べてウェハ温度を高めている
にもかかわらず、良好な高選択・異方性加工を行うこと
ができた。
【0074】実施例8 本実施例では、実施例2で述べたような回転式シャッタ
と(SN)x 層を備えた有磁場マイクロ波プラズマ・エ
ッチング装置を用い、HBr/O2 混合ガスを用いて同
様に下層レジスト層のエッチングを行った。ここでエッ
チング条件は、ウェハ温度を20℃とした以外は、ジャ
ストエッチング工程、オーバーエッチング工程共に実施
例7と同じとした。
【0075】本実施例では、単体のSよりもエッチング
耐性に優れる窒化イオウ系化合物とCBrx ポリマーと
を側壁保護に利用できるため、実施例7と異なりウェハ
温度を室温領域に維持した状態でも、良好な高選択・異
方性加工を行うことができた。
【0076】以上、本発明を8例の実施例にもとづいて
説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものではない。たとえば、上述の実施例ではハロゲン化
合物としてSF6 ,Cl2 およびHBrを使用したが、
他にNF3 ,ClF3 ,BCl3 ,BBr3 等を使用す
ることもできる。
【0077】エッチング・ガスには各種の添加ガスを混
合しても良い。たとえば、エッチング反応系のS/X比
を増大させるための添加ガスとして、H2 、H2 S、シ
ラン系化合物等を使用しても良い。これらの化合物は、
放電解離条件下でH* やSi * を生成し、これらのラジ
カルによりX* を捕捉して、エッチング反応系の見掛け
上のS/X比を上昇させる作用を有する。
【0078】さらに、スパッタリング効果,冷却効果,
希釈効果を得る目的でHe,Ar等の希ガスが添加され
ていても良い。S系材料層により被覆される内部構成部
材は、上述のクランプの他、ウェハ載置電極、ウェハ・
カバー等であっても良い。これら内部構成部材の表面に
おいてS系材料層とプラズマとの接触面積を変化させる
ことが可能なシャッタ部材が設けられていてももちろん
構わない。
【0079】その他、ウェハの構成、エッチング条件等
が適宜変更可能であることは、言うまでもない。
【0080】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明のドライエッチング方法によれば、3層レジスト・プ
ロセスにおいて固相中からSを供給して表面保護または
側壁保護を行わせることにより、下地材料層や中間層に
対して高い選択性を維持しながら下層レジスト層のエッ
チングを行うことが可能となる。しかも、エッチング・
チャンバの内壁面上に設けられたS系材料層とプラズマ
との接触面積をシャッタ部材を用いて機械的に変化させ
るという巧妙な手法を用いているので、プロセス途中に
おけるエッチング反応系のS/O比やS/X比の制御を
迅速かつ容易に行うことができる。
【0081】もちろん、本発明が脱フロン対策として優
れていることは言うまでもない。本発明は微細なデザイ
ン・ルールにもとづいて設計され、高性能、高集積度、
および高性能を要求される半導体装置の製造に好適であ
り、その産業上の価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をSRAMのビット線加工に適用したプ
ロセス例をその工程順にしたがって示す概略断面図であ
り、(a)は2層目ポリサイド膜上に下層レジスト層、
SOG中間層、上層レジスト・パターンが順次積層され
た状態、(b)は上層レジスト・パターンをマスクとし
てSOG中間層がエッチングされた状態、(c)はSに
よる側壁保護が行われながら下層レジスト層がエッチン
グされた状態をそれぞれ表す。
【図2】本発明で使用される有磁場マイクロ波プラズマ
・エッチング装置の一構成例を示す概略断面図であり、
(a)はS系材料層とECRプラズマとの接触面積が5
0%とされた状態、(b)は100%とされた状態をそ
れぞれ表す。
【図3】図2の有磁場マイクロ波プラズマ・エッチング
装置のAlブロック・チャンバと昇降式シャッタの一部
を破断して示す概略斜視図である。
【図4】本発明で用いられる有磁場マイクロ波プラズマ
・エッチング装置の他の構成例において、Alブロック
・チャンバと回転式シャッタの一部を破断して示す概略
斜視図である。
【図5】図4の有磁場マイクロ波プラズマ・エッチング
装置のF−F線断面図であり、(a)はS系材料層とE
CRプラズマとの接触面積が0%とされた状態、(b)
は100%とされた状態をそれぞれ表す。
【符号の説明】
8 ・・・WSix 層 9 ・・・2層目ポリサイド膜 10 ・・・下層レジスト層 10a ・・・下層レジスト・パターン 11 ・・・SOG中間層 11a ・・・SOG中間層パターン 12 ・・・上層レジスト・パターン 24 ・・・Alブロック・チャンバ 29 ・・・ウェハ載置電極 30 ・・・クランプ 31 ・・・ウェハ 35,35a・・・S系材料層 36 ・・・昇降式シャッタ 37 ・・・回転式シャッタ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された有機材料層を所定の
    形状にパターニングされた無機材料層をマスクとしてエ
    ッチングするドライエッチング方法において、 前記エッチングは、エッチング・チャンバの内壁面の少
    なくとも一部がイオウ系材料層により被覆されてなるエ
    ッチング装置にO2 を含むエッチング・ガスを導入し、
    該イオウ系材料層からプラズマとの接触面積に応じて供
    給されるイオウおよび/またはイオウ系材料を基体表面
    の少なくとも一部に堆積させながら行うことを特徴とす
    るドライエッチング方法。
  2. 【請求項2】 前記エッチング・ガスがハロゲン化合物
    を含むことを特徴とする請求項1記載のドライエッチン
    グ方法。
  3. 【請求項3】 前記エッチング・ガスが窒素系化合物を
    含むことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれ
    か1項に記載のドライエッチング方法。
  4. 【請求項4】 前記エッチング装置が前記イオウ系材料
    層とプラズマとの接触面積を可変となし得るシャッタ部
    材を備え、前記有機材料層を実質的にその層厚分だけエ
    ッチングするジャストエッチング工程ではこの接触面積
    が相対的に小とされ、前記有機材料層の残余部を除去す
    るオーバーエッチング工程では相対的に大とされること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に
    記載のドライエッチング方法。
  5. 【請求項5】 前記エッチング装置として、前記エッチ
    ング・チャンバの内部構成部材の表面の少なくとも一部
    がイオウ系材料層により被覆されてなるものを用いるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    に記載のドライエッチング方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19939317A1 (de) * 1999-08-19 2001-02-22 Bosch Gmbh Robert Verfahren zur Herstellung von Polymerstrukturen mittels eines Ätzprozesses

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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